さあ。手術の日だ。
今日は手術が終わるまでメシは食えないので、朝メシの時間は同室の人の咀嚼音を聞くだけとなった。
そうこうしていると時間となり、左腕に点滴を打たれ、パンツ一丁で手術用の服装に着替え、受傷している右脚のスネにマジックで印を書き、逆側の足にはキツめのストッキング的なモノを履き、ストレッチャーに乗せられ移動を開始した。
時計や眼鏡は全部おいていく。出来ればチンチンには管を入れない方向で…とお願いしておく。だって抜く時痛いらしいじゃん?チンチン痛いの嫌だもんねえ?
仰向けのままエレベーターの天井とかを見ながらしばらく移動し、ドラマでよくある様な手術室へイン。
思わずおお、凄いですねーとか言ってしまった。
手術台に自力でなんとか上がると、名前と生年月日、手術する場所の最終確認を行われた。間違って逆の脚を開かれたら洒落にならんもんな。
恐らく心電図を測る機械などを取り付けながら、口にマスクが被せられる。どうやらこれが麻酔のようだ。背骨に注射打ったりするタイプじゃなくて良かったなあ。なんか痛そうだし。
しばらく呼吸をする様に言われたので深めに呼吸をしてみる。3.4回呼吸をしてみると、ほどなくして居酒屋で生中3杯程度飲んだ時くらいの酩酊感があった。あー、なんか酔っ払った様な感覚ですー、とか言ったのを覚えている。その後5回も息をしないうちに
名前を呼ばれて目を覚ます。
「あしがいたい…」
覚醒後の俺の第一声はこれでした。寝てる間に手術自体は無痛で終わったようだ。麻酔科の人、グッジョブです!
その後何か話した様な気がするけど、次に気づいたら病室の中だった。どうやって帰ってきたのかも覚えていない。ただ、右脚が痛い。手術時は喉にも呼吸を助ける機械を挿入するとか言ってたけどそっちにはダメージなし。俺の喉はガバガバか?
何時間くらい経ったのか、今何時なのか。寝ながら見える場所に腕時計やスマホを置かなかったのはミスだった。さっぱり時間がわからねえ。
脚には膝を冷やす機械が取り付けられていてガンガンアイシングしてくれている。が、どうにも痛い。腕からは痛み止めの点滴も入っているのだがどーにも痛い。
他には胸に心電図系の小さな機械と、酸素マスクみたいな物もつけられている。脚に血抜きのチューブはついていない様だ。
痛い。痛み止め効いてるのか?
夕食ごろ。どーも勘違いしていた様で、今日の俺の夕飯は無いとの事で絶食となった。といっても食欲は全然無かったのでこれに関しては辛く無かったのは幸い。それよりも脚が痛い。
で、痛みを除くとこの日一番困ったのが排尿だ。つまりオシッコだ。チンチンに管を入れない様頼んでいたので、尿瓶にオシッコをしなくてはいけない。
尿瓶に出す事に関しては、不思議と自信はあった。
恥ずかしながら以前右膝の痛風になってしまった時、ペットボトルにオシッコしていたからだ。いやだって痛くて立ち上がれないんだもの。
しかし今回は環境が違ったー…
まだ慣れないベッド、慣れない天井。脚は痛くて横を向くだけでもダメージがある。そして、知らない人ばっかのカーテンで仕切られた4人部屋なのに、この中で笑顔でションベン出来るかーっ!
というわけである。
看護婦さんを呼びなんとか車イスでのオシッコを懇願する。(本当は車イスは明日以降使用の予定だったので異例の処置)が、これがまた大変!痛い!なんか引き攣る様な痛み!ベッドから車イスに乗るのですら激痛!ズボンを下ろすのも大変!サポーターにより右膝伸びっぱなしだし座るのも大変!ベッドに帰って寝転ぶのも大変!
水は全然飲んで無いのに、2〜3時間おきにオシッコが溜まるのがこれまた困った。点滴のせいなのかな?なんでだろう。ともあれこの度にナースコールで看護婦さんを呼ぶので非常に申し訳なかったです。夜中も2、3回呼んだもんね。申し訳ない。
で、これまた夜は夜で脚が痛くてあまり寝ることはできなかった。
この日が手術体験で一番辛い日です。この日を境に良くなり続けます。
前十字靭帯を怪我しちゃった人、頑張って。
だかしかし、今振り返ってみると前十字靭帯再建手術よりも痛みに関しては膝の痛風の方が上でした。瞬間的な痛みのレベルは痛風の方が痛いが、痛みの持続時間が長いのが手術の痛みって感じだと思う。
まあなんにせよ、この日が一番辛いので手術を今後控えている人は頑張って欲しい。3日の我慢だ。
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