Top Ka1 Ka2短 Ka2中 痕短 痕中 痕長 ONE短 ONE中 家計 月姫 Ka3短 Ka3中 Ka3超短 Ka4小 Ka4本 オリ肉 Ka5短 CLA1短 ONE2 Ka5中 CLA1中 オリ2 オリ3 Ka6小 Ka6本 AIR オリ4掌 オリ4短

○Foolis さん

02 春まであと少し (採点:8)
お見事。
汐との葬式の後のシーンを渚の過去とあわせて書いたのは秀逸だと思いました。
雰囲気もよく面白かったです。



ただ、智代の
「ずっと続いていく愛はある、絶対に」
この台詞は個人的に余計でした。
余計、というか用いるならちょっと説明不足というか。
智代は、まず間違いなく朋也と結婚して朋也と死別で別れたのなら再婚しません。
ですが、渚はそれを望むでしょうか?
それを考えるとちょっと余計かなぁと。
まぁ個人的願望なので気にしないでいいと思います(苦笑

03 花びらの向こう側 (採点:7)
古河に恋をした少年の話。
ほんとになんか甘酸っぱいというか、青臭い恋愛ものでよかったです。
話の雰囲気とかも大好きでした。
よかったです。

04 記憶の肖像と世界の歩み (採点:7)
「『世界は美しい。悲しみと涙に満ちてさえ。瞳を開きなさい。やりたい事をしなさい。なりたい者になりなさい。友達を見つけなさい。焦らずにゆっくりと大人になりなさい』」
この台詞の使い方が非常にうまいですね。
りえちゃんと、ことみのやりとりがよく、また、りえちゃんの心理描写がとてもよかったです。
最後の〆が美しくていい感じでした。

ただ、もう少しいい調理の仕方があったのではないか、とそう思ってしまいました。
イマイチよくまとまっていないかなぁというかなんというか。
それがちょっと残念かなぁと。
でもよかったです。

05 ヒーロー (採点:4)
ことみが人形を渡してくれた相手を探すというネタ、そして、人形を伝えていくというネタはいいのですが、ちょっと文章がことみらしくないかなぁと思います。
あとことみが帰ってくるときに朋也と渚を呼んで欲しい、というかなぁ、と。
それが違和感を覚えました。
帰ってから、決めるのが一番いいと思いますし。
#それは逃げになる、とことみがおもったのなら少し説明が欲しいかな、と思いますし。

あとことみの苗字が間違っているのが残念でした(汗



06 20億のヒトデ (採点:8)
…Σ( ̄□ ̄;)
なんてむちゃくちゃな話だw
読んでて非常に楽しかったですがw
こういう馬鹿馬鹿しい話は風子によく似合いますよねぇほんと。

途中のスノハラモドキネタがよかったです。
全部スノハラなんですねw。


07 ふたりのsolitaire (採点:9)
うわーーーーーーーーーーーーーーー。
なんかすごいのきましたね(驚
杉坂さんの解釈がすごく独特で好きです。
なんかすげーダークっぽいところが読んでいて怖かったですし引き込まれました。
見事です。

あと幸せに対する考え方とかもよかったです。
ラストシーンも見事でした。


08 幸せなら手をつなごう (採点:10)
真風子シナリオ。
それくらいいってもいいくらいよかったです。
ていうかなんなんだこの作品(汗
なんていうかすごかったです。

雨で待ってずっとまっていた、風子が笑ったシーンがすごくよく、
また、渚の演劇の使い方が特に秀逸でした。よかったです。

09 『月見』 (採点:4)
それぞれのキャラのほのぼのとした雰囲気がよかったです。
途中のシリアスな会話がよりそれを引き立てていますね。
いい感じでした。

10 ゆめから覚めて (採点:8)
読み終えておもったのは、なんてきれいな物語だろう、ということです。
本当にきれいでした。
あのエンディングの解釈は今までしっかりしたことないですけど、こういうのも
ありかなぁと思います。
よかったです。

ところでやっぱりしほちゃんというのは「ほし」からきたのでしょうかw

11 絶望に揺れる船の上で針の穴の希望に起死回生の一投を (採点:3)
うーん…(汗
春原はまだいいとして智代が少し弱すぎる気がします。
智代は目標を達成させたらもっともっと高みを目指すような人だと思いますから。
『堕落』という味をおぼえてしまわない限り。
あと春原はもう少し強い人間だとおもっているんですけどね、私は。
まぁこの辺は解釈別れそうですが。

あとちょっと展開が急だったかと思います。
それが残念でした。

12 ハレルヤ (採点:6)
教則第14条ってなんだ(汗
とにかく汐ちゃんがよかったです、それとことみが(w
この二人のテンポのよさが最高でした♪
シリアス部分がそのせいでかすんでしまうくらいに(w

話自体はきれいにまとまっていてよかったのですが、中編という枠でギャグとシリアスの
両方をやるのはちょっとこの作品の場合、欲張ってしまったのかな、と思いました。
それが残念でした。
でもよかったですよ。

13 ミ☆ ミ☆ ミ☆ 星の帰り道 ミ☆ ミ☆ ミ☆ (採点:5)
後半がちょっとドタバタしすぎてちょっとわかりにくかったのが残念でした。
まぁ雰囲気は楽しかったですけどw
汐ちゃんはほんとにいろんなパターンがありますよねぇ。
この汐ちゃんもお気に入りでした。
ただ…小日向くるみにちょっとかぶったかな、個人的に(w
(スパイラルの外伝小説にでてくる女の子)

あと個人的にこの台詞が好きでした
「愛ってさ、減っちゃうんだよ、本当はさ。誰も言わないんだけどさ。でもさ、それと同時に増やすことも出来るんだ、本当は。ただ、死んじゃった人間はそこで過去になっちゃうから、増やせないんだよな、だから減ってく。こればかりはどーしょーもなくってさ、時々、泣きたくなるよ」
そういうものですよね、実際の話。
哀しいことですが。

14 ひとりぼっちのかみさまとゆびきり (採点:8)
幻想世界の解釈。
こういう解釈もありだと思います。
#いや、まぁ完璧に理解していないと思いますけどw
汐ちゃんと風子のやりとりがよかったです。
ほほえましくて、そして、なんとも哀しげなやりとりが。
よかったです。

○KATUO さん

02 春まであと少し (採点:8)
原作の渚の言葉はとても重く、深く、簡単に答えることなんてできないものだったんだなあと、このSSを読んで気がつきました。とてもおもしろかったです。大切なものを失った朋也の心情もよく表現されていたと思います。希望の見えるラストも大好きです。
大好きなのですが、なのですが、智代の「あの一言」はどうしてもいただけません。あまりにも見慣れたフレーズだったからなのか(特に最近)、これまでの雰囲気が崩れ、一気に冷めてしまいました。


05 ヒーロー (採点:2)
うーん……。とりあえず字の文であの口調は止めておいた方がよかったと思います。非常に読みづらく感じました。最初はギャグなのかと勘違いしたほどです。物語後半のことみの考えもイマイチ分かりませんでした。

09 『月見』 (採点:2)
結局何が言いたかったんだ……?

○Manuke さん

01 道化――Buffon―― (採点:2)
う〜〜ん、かなり無理があるんじゃないかと(^^;)
何より、春原君の言動が素でなく意図的なものだとしたら、とんでもなく嫌な奴になっ
てしまいます。女の子に殴りかかろうとしたり、晒し者にしようとしたり……。
お馬鹿だから許されるわけで(笑)
ただ、発想はとても面白いと思います。

それから、『水色の髪』や『紫色の髪』のような表現は避けておく方が無難です。
現実にそんな色の髪の人はいませんし、原作中で明示的に髪の色が表現されるのは春原
君ぐらいのものですから。

02 春まであと少し (採点:10)
なんと言いますか、うまく言葉が出てきません。
良い作品をありがとうございました。

03 花びらの向こう側 (採点:9)
いいですねー。
木村君は朋也が原作で言っていた、「奥手で、ちょっと気弱な奴」なんでしょうか。
木村君が爽やかなキャラクタでしたから、気持ちよく読むことができました。
3on3での朋也との絡みも良い印象です。

ところで、第三章冒頭での「11ヶ月も経ってから」は少々混乱しました。
一瞬、3on3と創立者祭の間が11ヶ月あったのかと思いましたので。
「古河とまともに話す機会」ですから間違ってはいないんですが、ここでその一文を挿
入しておくのなら、創立者祭とは別の話であることが分かるようにするべきかな、と。

04 記憶の肖像と世界の歩み (採点:8)
仁科さんの苦悩と葛藤が、ことみシナリオに上手くとけ込んでいて、自然な感じで読め
ました。
ただちょっと、末尾は勿体なかったように思います。少々ぶつ切り感がありました。

05 ヒーロー (採点:5)
なるほどー。なかなか面白いお話でした。
ただ、ことみは内省では『なの』言葉ではないはずなので、そこはちょっと違和感。

07 ふたりのsolitaire (採点:6)
うーん、ごめんなさい。
お話としては良く纏まっていますし、結末も奇麗に決まっているとは思いますが、楽し
むことはできませんでした。

一点、気になる部分があります。
杉坂嬢は子供の頃、何も信用できず何にも価値を見いだせない状態だったとありますが、
これは仁科さんの演奏を聴いたことで解消された、のですよね?
どうもこの杉坂さんの性格付け、場所によってブレがあるように感じられました。

08 幸せなら手をつなごう (採点:4)
うーん……。
お話に難があるということではなく、原作と異なる展開にした意図が見えませんでした。
接点のないヒロイン同士ということなら分かるんですが、元々風子ルートで渚は深く関
わってくるわけですし。
でも、お話の筋は『CLANNAD』らしくていいと思います。

09 『月見』 (採点:1)
うーん、ごめんなさい。あんまり面白く感じられませんでした。
雰囲気重視の話なのでしょうけど、もう少し何かあっても良かったのではないかと。

10 ゆめから覚めて (採点:7)
うん、良いお話だと思います。
ただ、『しほ』が一度消えて、また帰ってくる辺りがよく飲み込めないですね。
でも風子が可愛いから問題なしですっ。

それから、実にどうでもいいことなんですが気になった点が一つ。
段落区切りとして使われる『」」」」」」』が、とても居心地悪く感じます(^^;)
私にとって『」』は閉じ括弧なので、単なるマークとしては認識できませんでした。

11 絶望に揺れる船の上で針の穴の希望に起死回生の一投を (採点:3)
うーん……。お話は決して悪くないと思うのですが……。
申し訳ないですけど、春原君に見えませんでした。春原君と同じ設定の別人物としか。
それから、原作の登場時点で芽衣ちゃんは中学二年生です。お間違えなく。

余談ですが、この場合の春原君は『無職』なんでしょうか?
フリーターの定義に無職の人も一部含まれます。しかし、働いている人間は無職ではな
いのでは?
(もちろんこの部分、春原君が自分を卑下しているのだとは思いますけど)

12 ハレルヤ (採点:10)
ちょっと切なくて、けれども暖かく優しいお話でした。
汐の葛藤と渚の苦悩を、奇麗に対比させていますね。
最初はちょっとアクロバティックかなと思ったのですが、終わってみると大変しっくり
来る構成でした。
(SF大好きなのでアクロバティックでもOKですけど(笑))

でも、ぱんつは毎日換えてくださいっ。

13 ミ☆ ミ☆ ミ☆ 星の帰り道 ミ☆ ミ☆ ミ☆ (採点:6)
ほのぼのとした雰囲気が楽しいですね。
ただ、汐の性格付けには多少違和感がありました。
あと、「怒りの四つ角」が最初、何を言っているのか分かりませんでした。マンガで使
われる怒りマークのことのようですが、あまり一般的な表現ではないように感じます。

14 ひとりぼっちのかみさまとゆびきり (採点:5)
お話としては悪くない感じです。
原作のフィナーレへの繋げ方もいいですね。
ただ、途中で状況説明が地の文で長々と続くため、物語としては少々問題です。
それから、誤字等が少々見られるようです。ご注意を。

○pentium さん

01 道化――Buffon―― (採点:4)
結構、いい具合に小ネタが使われていて(たまちゃんとかw)面白かったです。
ただ、陽平×早苗さんというカップリングは正直微妙でした…
面白いとは思うんですが、最後の一文は分かりやすくてちぃと残念でした。

02 春まであと少し (採点:6)
最後に前向きになってくれる展開はかなり好きです。
後は智代のキャラに、違和感を感じなかったのはかなり好印象でした。
ただ最後が何となく駆け足的だったかと思います。
その辺が唯一、残念だと思いました。

03 花びらの向こう側 (採点:5)
『埋められる人』というフレーズはかなり良い印象でした。
ただ、重要な位置付けのキャラがオリジナルだったのはちょっと…
この辺は好みになりますし、意図も分かりますが正直コンペの作品としてはどうかと思いました。
いや、面白かったですが好みが合わなかったと言うことでしょうね…

04 記憶の肖像と世界の歩み (採点:8)
素直に染み入る作品だと思いました。
ただ、岡崎が「岡垣」になってる個所がありました。
それだけが気になりましたね…

05 ヒーロー (採点:5)
『の』が文末にあるからか、読みにくかったです…
たまに抜けている部分もあって、やや違和感を感じました。
体言止めを多用するとか、三人称的な書き口に変える事によって解決できないかなぁ、と思いました。
話の内容はとても暖かく、クラナドのSSにふさわしい感じがしました。

06 20億のヒトデ (採点:5)
いやヒトデ満載で面白かったです。
ただ、『ホシ』と『捕り手』と言う名前は、ちょっと違和感ありました。
最後の「ヒトデオムライス」ってヒトデ入ってるんですかね?(笑)

07 ふたりのsolitaire (採点:6)
文章は違和感無かったし、面白かったです。
最後に何も望まずに別れた杉坂さんには頭が下がりますわ。

08 幸せなら手をつなごう (採点:5)
うーん、正直風子と渚って言うのに違和感感じました…
ごめんなさい…

09 『月見』 (採点:6)
面白く読ませていただきました。
人数を大分使った割に偏る事無く、書かれていたので読みやすかったです。
淡々とした感じも新鮮で良い印象を受けました。

○toto さん

02 春まであと少し (採点:5)
んー、ラストにタイトルを持ってくるという試みは面白いと思うんですが。
でも<title>タグ使っちゃうと、僕にはちょっと間が抜けて見えてしまったんですよね。
まあ色や書体があまりかっこよくない(笑)というのもあるんですが。もう少し改行+センター寄せする感じだったら良かったかもしれません。

文章は文句なしです。展開はちょっと物足りないかも。

07 ふたりのsolitaire (採点:9)
すんげえドライブ感。
今回一番上手い作品だと思いました。

○かき さん

01 道化――Buffon―― (採点:4)
作者様のやりたいことはよく分かるのですが、ちょっとわざとらしい感じが。
「道化の春原」を主張し過ぎかなぁと。
読んでいてちょっと冷めてしまいました^^;
落とし方とかがFoolisさんっぽい気がするようなしないような。

02 春まであと少し (採点:7)
ゆたかさんかな?
ところどころこなれていない感じを受けましたが、やはりそれ以上に光るものが。
後半、渚を思い出すところの演出が特に好きでした。そこからのラストも見事。
こういう見せ方得意ですね。某作品でもそうでしたし。ただ、そこが印象的な分、どうしても汐さんが薄くなってしまったかなぁと。
あとこれいつも言ってることなんですが、智代さんってこういう脇役とか失恋とか「幸せでない形」でこそ輝きますよね。
書く分にはいいんだけど、まぁ何とも報われない女性です^^;

03 花びらの向こう側 (採点:9)
いいなぁ。見事です。
最後の方、二人の会話が凄すぎ。嫉妬します(えー
オリジナルの主人公でもこれだけやれるんだと。妬ましい以上に(笑)ちょっと嬉しいです。
そして渚可愛すぎ。魅力あふれすぎ。嫁にください。
Manukeさんを予想してみるもあんまり自信ありません。

04 記憶の肖像と世界の歩み (採点:6)
りえちゃん先生とことみのいい子いい子。ええ、いい仕事してくれます。
ちょっと展開についていけないところがありました。嫉妬のところとか。
多分そこについては作者様も気にはされていたと思うのですが。
あとは朋也にちと違和感を覚えたり。かっこよすぎる気がしたり何たり。

05 ヒーロー (採点:5)
話があっちこっちに飛んでいたので、ちょっとついていくのが大変でした^^;
クマのぬいぐるみを中心に据えたのはいいなぁ。
ナイスな小道具です。今まで使われていたようで、実はあんまり使われてなかった気が。
でも、地の文での「の」は、やらない方が良かったのではないかなぁと思わないでもないです。
おりびいさん、かな?

06 20億のヒトデ (採点:8)
タイトルとジャンルでまずやられました。何ですか、ヒトデって(笑
内容についてですが、いや、本当に笑いました。
もう終始笑ってましたが、特に風子の話の中、ラストに宇宙へ旅立つところの適当さがたまらない。
ああいうところで人をわらかすなんて、相当なセンスの持ち主ですねあなたっ。
そして、あふれ出すおっぱいへの愛情。でもきっと運命のおっぱい星人は現れません。
ところどころ春原が作者様に見えました。多分にじみ出たんでしょうね。仕方ない仕方ない。
うーん、これあまりにも藤村流さんだと思うのですが、出されてるのか微妙。うーん…

07 ふたりのsolitaire (採点:10)
今回一番衝撃的な作品でした。
高い筆力。迸るセンス。艶やかなエロス(えー
悲しいとも切ないとも違う読後感。んー何て言ったらいいか分かりません。
とりあえず好みは分かれるだろうなと。オリジナル度高いですし。
一位を取りそうな作品ではないかなぁと思います。でも好きだ。愛してる。
この杉坂さんに激しく愛されてみたい僕。ちょっと恐そうだけど。
作者様の予想はつきません。ただ魔球使いの雨音さんならこういうのも書かれそうな気がするような、しないような。

08 幸せなら手をつなごう (採点:9)
これはフクロウさんだろうなぁ。読み始めて30秒ぐらいで確信しました。
違ったら全力で謝りますが、多分違わないと思ふのです(笑 相変わらずの文章力。うめぇ。
風子にとって救いのない終わりを感じていただけに、ラストの逆転は嬉しかったです。
両の手があるんですよね。言われてみれば当たり前のことなんだけど。
ただ、終わり方があっさりとし過ぎているというか。うーん、好みの問題ですかね、これは。あと容量とかの。
全体を通して前回ほどの癖がなく、大多数に受け入れられそうな気がします。三位以内は確実かな?

09 『月見』 (採点:5)
幸せなほのぼのでした。
個人的には椋との会話が好き。
ゲーム本編の後には、きっとこういう日が続いているんだろうなぁ思います。
ただ、ラストの涙はちょっと安易過ぎる気がしないでも。

11 絶望に揺れる船の上で針の穴の希望に起死回生の一投を (採点:5)
春原が自分のことを智代に話し出すところがちょっと不自然でした。
二人の近づくきっかけが欲しくて、無理やりそういう流れを作ったような感じが。
こういう、がんばろうとする春原は好きです。
タイトルに最中さんの影響を感じます(笑 ……ち、違ったらごめんなさいっ^^;
そんでもって作者はまてつやさんを予想してみまふ。

12 ハレルヤ (採点:6)
ことみちゃんと汐のコンビ、いい味出してますね。
ベタなお話。過去にとんだところでだいたいの流れは見えてきました。
でもベタっていうのはそれが良いからベタになったわけで。特に親娘の会話は良かったです。
ただ、何箇所か意図されたであろう感動のポイントさえもそれに埋もれちゃった感じが。
こっちの予想する以上の何かが欲しかったなぁと。それってすごく難しいことだと思うのですが^^;

13 ミ☆ ミ☆ ミ☆ 星の帰り道 ミ☆ ミ☆ ミ☆ (採点:8)
いいなぁ。全体の雰囲気が好きです。
これだけのキャラを出しながら、その全てが魅力的。
特にその中心にいる汐が可愛すぎる。激しくらぶ。
主題というか、扱う内容は結構シリアスなものなのに、
それをこうやって温かな雰囲気で作り上げるのは本当に凄いと思う。素直に嫉妬します(えー
さすがはROUAGE汐の偉い人。……ですよね?

14 ひとりぼっちのかみさまとゆびきり (採点:7)
全体的に、地の文がちょっと説明調なのが気になりました。
内容についてですが、これ、「少女」があまりにも切ないですね。
ひとりぼっちのかみさま。全て平仮名であることを含めて、すんごくぴったりな表現だと思います。
それと風子独特の温かさ。他のヒロインの誰でもなく、風子じゃないと少女を救うことはできなかったんだろうなと。
ただ最後はちょっと予想通り過ぎたかなぁと。ちと安易な感じがしないでもないです。
個人的に、結構話が被ったのが痛い……^^;
萌え系のアルエムさんと予想してみます。

○しんか さん

01 道化――Buffon―― (採点:4)
道化を演じてる春原って言う視点は面白かったけど、私の中にあるイメージの春原とずれててどーにもしっくり来なかった。
でも、なるほど、そーゆー見方もあるんだなぁ〜って、見てて面白かった。

02 春まであと少し (採点:3)
途中で終わったように感じで、尻切れトンボだなぁ〜と思ったらnextページがあったのね、ビックリした。
う〜ん、でも終わり方がなんか微妙。つまらないわけではないけど、面白いわけでもない、微妙。

03 花びらの向こう側 (採点:6)
面白かった。オリキャラさんの視点とか、気持ちとか、スゲェよくわかる感じも読んでて気分よかったです。渚が妙に可愛いところを見ると、渚信者さんか? とか思ったり……(笑)
キャラにも、SSにも愛の詰まった面白い作品でした。私、この作品好き。

04 記憶の肖像と世界の歩み (採点:4)
私だったら、「記憶の肖像と、世界の歩み」って感じに中に句読点を入れるかな。まぁんなことたぁどーでも良いことなのです。
取っ掛かりに時間が要るお話、読めるまでが少ししんどい。読めるようになればそこそこ進むけど、途中またちょっとダレル。削るところがなかっただけに、ちょっと残念な気がした。
この人の中で仁科りえと言うキャラがちゃんとできていて愛を感じます。

05 ヒーロー (採点:5)
いい話だと思います、単純にタイトルも、内容も。ことみサイドにおける、ああなるほどなぁ〜と感じる解釈の仕方があって、それを踏まえて成長していくことみの姿があって、素直に感動できました。
ことみの問題があっさりと解決してしまったのが勿体無い限り。ここら辺りにもう一山あればもっと面白くなったのではないでしょうか?
英語の会話については、もう少し英語らしい会話の成立のさせ方があった方が、より外国って感じが出てよかったんじゃないかな。

06 20億のヒトデ (採点:6)
これ絶対ヒトデ同盟の人だろうっ!! 読んで30秒の感想がそれ。ここまで風子ができる人は風子同盟関係者以外に居ないっ!! あいやさワラタワラタ。
確かに、汐、風子系は話をSF形にしやすいですよね。でもどうせだったら「ホシ」と名乗られても「ヒトデ」と風子には呼び続けて欲しかったなぁ〜。
いや、でもこれはホントに凄いと思う。マジで面白い、一気に読める。俺、これもプッシュ。……しかし私、こういうギャグものに甘いな……

07 ふたりのsolitaire (採点:5)
話が重いなぁ〜。40kb近くの重い話を読むのはちょっとしんどかった。ただ、ラストの〆方が凄く好き。
こーゆー終わり語って、凄くいいなぁ〜って思う。私が好きな終わり方してる。終盤までがあそこまで重いからこそ、最後で感動できる話でした。

08 幸せなら手をつなごう (採点:3)
どーせだったら、タイトルも「幸せなら手と手をつなごう」の方がタイトルにも説得力が出たんじゃなかろうかと思ってます。
2次創作らしいIFの形でした。2次創作と割り切って読むからこそいい話だと思う、こーゆーことができるのも2次創作の特権ですよね。
ただ、話が淡々としてるから、読める人と読めない人が居るんじゃないかな。
私は何とか読んだって感じ。もうちょっとあちこちに風子らしいギャグとかがあった方が話のエッセンスになったんじゃないでしょうか。

09 『月見』 (採点:3)
オチが甘いっ! それから、朋也が父親って感覚じゃないっ。近くの友達に父親になるヤツなったやつがいたら、そいつから話を聴いてみてください。ちょっと私的にこのSSは無しでした。
ンなわけで、私が読む限りでは結構粗が見つかるSS。ほのぼのしてたり、幻想世界の話をラストにオーバーラップさせるのはなかなか面白かったです。

10 ゆめから覚めて (採点:7)
言い方悪いけど、上手い。ごめん、そんな言葉くらいしか上手く出てこない。読んだって言うよりも話自体に読まされたって感じがする(いい意味でね)。
話の作りが丁寧だからだと思う、すんなりと違和感、抵抗なく読めた。凄くまとまってるしさ、こーゆー面白い話書ける人って単純に凄いと思う。
夢が終っちゃうのがちょっともったいない気もしたけど、それが大切なことも分からせてくれる。で、結局彼女は何者?10点とか出したいけど、癪に触るから7点(笑)。

11 絶望に揺れる船の上で針の穴の希望に起死回生の一投を (採点:4)
春原が朋也っぽくなってる。春原主体で書くとシリアスになるかギャグになるかなんだけど、今回はシリアスが多いですね。
こーゆー春原が居るってのも悪くないと思います。でもちょっとカッコ良過ぎでなぁい?(笑)とか思わんでもないですけど、それはそれ、ってことで納得しております。

12 ハレルヤ (採点:3)
……シーンごとにページが変わるのは便利だが、それごとに長さがちょろちょろと変わるのがまだるっこしいです。
しかもなんか似たような台詞が出て来るし……アニメの冒頭で前回のラストがチョロッと出てくるような感覚。正直、不必要に感じました。
ギャグ自体には笑わせていただきました。補完話の割りに、本編と違うところがちらりほらりとあって、そこも引っ掛かりました。

14 ひとりぼっちのかみさまとゆびきり (採点:5)
読み難いですっ!! たのんます、もう少し人が読むことを考えて頂きたいです。
ディスプレイで文字を見るときと、紙面で見るときとはスタンスを変えないと、読む方が萎えます。
シリアスなの書いてんのは凄くよく解るんですけど、たのんます、もう少し読みやすくしてください。話が面白いだけに、勿体無いです。

○すなふ さん

01 道化――Buffon―― (採点:2)
 完全に好みでの評価になってしまって申し訳ないのですが、私は割と原理主義者っぽいところがありまして、キャラ観が自分のそれと異なっていると評価できない、というところがあります。
 崩しキャラである春原を、真っ直ぐに描いた、というあたりは好感が持てますし、そうやって救済したいという気持ちもよく解ります。けれど、どうもイマイチ成功しているようには見えませんでした。若いから、ということで仕方ないのかも知れませんが、うじうじ悩んでいるだけのように見える。あるいは、完全な一人称体であることが、一層拒否反応を促しているのかもしれません。
 あるいは、早苗さんのキャラをリアルに崩しきっていないところが、違和感に繋がっているのカッも。彼女、優しすぎますよね。どうも現実とファンタジーの間で調整不足かな、と思いました。これなら、春原をもっと格好良く描くなりして、読む側になんらかのカタルシスを与えて欲しかったと思う。

 本編では不当に貶められている春原ですが、彼にも内的な葛藤が十分にある、というのは理解できますし、キャラ補完作として良い出来なんです。矛盾していますけど‥‥。


02 春まであと少し (採点:6)
 汐ルートバッドエンド後、再び歩き始めるまでの朋也と、そのきっかけとなった智代の些細な行動。さりげなく物語を誘導していって、キャラを更生させるという手法は好きですし、成功していると思います。描写がとても丁寧で良かった。お茶を勧め、夕食を作って食べるシーンなんて、ただそう描写しているだけなのに、じんわりと来ました。ああ、でも、ラストにタイトルを持ってくるのは、フォントの関係もあって効いてなかったです。
 あと、私はやっぱり智代が好きなんだな、と思わされました(笑)


03 花びらの向こう側 (採点:8)
 普通に巧い。一番くどくない一人称だったと思います。これなら、物語にすっと入り込めます。それに、オリキャラな割には、作者自身があまり出てこず、あくまでキャラをキャラとして立てていったのは良かった。
 3on3の裏側をチョイスしたのもなかなか無い着眼点だったと思います。新鮮でしたし、試合の生き生きとした描写を素直に楽しめました。良作をありがとうございます。
 しかし、青春やね。

04 記憶の肖像と世界の歩み (採点:6)
 普通にいいお話でした。最後が尻切れ気味かも。

05 ヒーロー (採点:1)
 地の文のモノローグ部分が全て「〜なの」で終わるのが辛すぎました。内的であれ外的であれ、ことみだけに物語を紡がせるとメリハリが失われるので、もう少し文章の強弱なり何らかの変化をつけて欲しかったです。
 内容について、全般的に『幼い』と思います。ただ、着眼として、鞄の道筋を辿る旅、というのは面白かった。でも、面白そうなアイデアだったのに、最初の一件だけで(でも、スティーブ一家の設定は良かったと思う)、ちょっと尻すぼみ、残念でした。何が何でも朋也へと収束させようって拘らなくても良かったんじゃないかなあ。

06 20億のヒトデ (採点:10)
 10回くらい笑えたので、もうそれだけで10点さし上げても良いんじゃないでしょうか(笑)


07 ふたりのsolitaire (採点:7)
 珍しい感じかも。もろに百合、というのは新鮮で、あと普通に巧くて、ぬぬぬ、と唸ってしまいました。多少はドロドロしていましたが、最後までそれを引きずらなかったのには好感です。んー、いや、しかし、点数つけるのに悩みますね。好きなんですけどね。

08 幸せなら手をつなごう (採点:3)
 読み通すのがきついのは、シリアス、と銘打ったからだけではないと思います。内容の是非に入る前に、一文一文が重すぎます。まだ一人称でないだけマシですが‥‥。
 文が巧みなのはよく解るので、飾らずに語って欲しいと思いました。ともすれば『背伸び』と受け止められます、これだと。しっかり練り上げた作品でしょうし、作者の方からすれば自信もあるのだと思います。あと一息、しっかり「抜く」こと。あとは「素」の文を書く、ということ。以上二点を常に心がけて欲しいです。読者には読者なりのキャラ観があり、クラナド世界があって、その読者世界に多様にフィットできるような形態で描いて(言うなれば媚びて)欲しい、私は。あくまで読者からの感想ですけど。

 テーマとしては、なぜ風子が、というところが弱いかなと。絆を作りつつ、選択できる糸は一本だけ、という残酷さが肝なんやね、と思いながら読んでいたので、朋也は風子の繋がりが弱いなあ、と。で、ラストを見るとそうでもない。しっかり風子は帰って来れているし、ハテ? と再読――というより、二度目は拾い読みでしたけれど。多分に感覚的すぎるストーリー(そういうのは決して嫌いではないですが)の割に、ヒントとなりそうな描写が多すぎて(というか大仰過ぎて)、物語としては『絆』一点で押し通しているようにも見えて、やっぱり感覚的に読んだ方がいいのか、と思いつつ、どう読め、という誘導も不親切かなあ。


09 『月見』 (採点:4)
 ハテナ感漂う一品というか、好きなシチュエーションで、好きな流れなんですけど、中編でしみじみのみ、というのは埋没してしまうかも。

10 ゆめから覚めて (採点:8)
 あ、これ面白い、と数行読んで思いました。こういった軽妙さは見習いたいです。そして、これも真っ向から幻想世界に取り組んだ(取り組もうとした)作ですが、こちらは意外に解釈が少なかったですね。もう少し、理解しやすい形で提示してくれても――と思ったりしましたが、それだと本編なぞるだけになりそうで、うぬー。

11 絶望に揺れる船の上で針の穴の希望に起死回生の一投を (採点:2)
 タイトルがどうにもこうにもイマイチ。
 あー、うー、智代スキーにはきつい‥‥。本当に好みでこの点数です。ごめんなさい。

 スタートは綺麗に決めたと思うのですが、だんだん特有の主人公だらだら語り系へとシフトしていったのが残念でした。



12 ハレルヤ (採点:10)
 結構バカ系です。そういうの好きです。アシモフ噴いた。
 そしてアホなのに良い話というのは、卑怯なものなのです。
 あざとさ(キャラ付けはともかく、漢字の使い方であるとか、言葉の切り方とか)に対しての好みの差はあれ、スキ無く、きっちり練り上げられた作品に、満点さし上げます。ごちそうさまでした。
 これで「実は流して書いたんですよね」とか言われたら刺す。

13 ミ☆ ミ☆ ミ☆ 星の帰り道 ミ☆ ミ☆ ミ☆ (採点:5)
 タイトルが何事だ‥‥(笑)

 汐があざといけれど、それでいーのだ、と思わせてしまうくらいには可愛かったので良しとします。アホさの混ぜ方が巧いですよね、シリアス作だったのに‥‥。
 お話に脈絡はあまり無かったですよね。いや、無理に何かに収束させようとするより、よほど好感なんですが、雪が星に見える、というのはちょっと無理があるような。


14 ひとりぼっちのかみさまとゆびきり (採点:9)
 タイトルが激ラブ。
 筆力がある、と一目で分かる作品は安心して読めて◎です。そして、説明過多気味ながら、適切に手を抜いた感じの描写(こんな評ですんません)も、ときおりハッとさせられる文章がある中で、リズムを取る上で非常に読みやすい――のかな?(←悪文ですねこれ) が、スタートして早々の誤字はいただけないですね(笑)

 幻想世界にコミットする話を正面から読まされたのは久しぶりです。少女ってこんなに饒舌なのか、と思いながら読んでいました。ものすんごい説明ばかりで、把握しづらくてひぃひぃ言いながら読んでいた感はありますが、でもこの作は凄いなあ。でも、作者さん的には、まだ書ききれなかったんじゃないかな?と思っています。尺の問題もあるのでしょうけど。

○ふうがみこと さん

01 道化――Buffon―― (採点:6)
面白かったです。春原シナリオの裏側としては上手くまとまっていますし、納得できます。
ですが個人的には春原の心情の描写をもっと細かく行ってもらいたかった。キャラの心の内をどこまで・どのように表現するか、は作品評価の傾向を決める要素だと思います。このSSにおいてはその表現の仕方で同じ内容、同じ結末でも、ずいぶんと印象が変わってきそう。そこにもう少し力を割いて貰えれば、すんげぇ私好みになっていた予感がするので残念です。
あと最後の一行はちょっと余分に感じました。本編をプレイしている人間は知っていることですし、その本編があってこそのこのSSだし。


02 春まであと少し (採点:6)
 読み始めてまず感じたことは、雰囲気作りに失敗しているな、ということでした。
 寂寥感か虚無感か、大事なものを失った人間の心情を表現しようとしていたのでしょうが、文章の向きがぶれすぎてる気がしました。
 例えば冒頭の数行では淡々と素っ気無く葬儀の様子が描かれています。これは悲しみが大きすぎる際の描写としては常套手段ですが、その後すぐにタバコに関して心情の独白が入ってしまう。この時点で主人公が無感動ではないと読者に感じられてしまうと思うのです。
 ところがその後も淡々と素っ気無い描写は続く。ところどころに独白を交えて。その結果、表現方法に一貫性が見られずどうしてもちぐはぐに感じ、主人公の悲しみが深いとは感じられなくなってしまう。
 読者の頭の中にはセオリーとしての表現方法が既にインプットされてます。なぞるにしても覆すにしても、そのセオリーを意識して書かなければ上手く読者操作はできないと思います。
 主人公の心が通常とは違っているのだと伝えるために冒頭のような文体を選んだのならば、作者さん自らが感情を殺して耐えて書かなければならないかと。主人公の心情を伏線のように小出しにするにしても、それはあからさまに行ってはいけない。漏れないように亀裂を手で押さえているのにどうしてもその隙間からこぼれてくる、そんな書き方が私は好きです。個人的な趣味の話ですけどw 

 あと一番気になった点は、このSSは読者に主人公の心を「紹介」してる印象があったんですよね。
 そうではなく、主人公の心を筋道立てて読ませて欲しかったです。

03 花びらの向こう側 (採点:9)
 読み始めの頃は「なんか物足りない」という印象でした。主人公の口調も文体もあっさりしすぎていて、所々に出てくる一人突っ込みや独白も、正直滑って見えていました。
 ストーリー展開もさらさらと気にもならずに流れていくだけで、いまいち気分が乗らない。原作の裏舞台であることが仇になって先の展開が読めるということも手伝っていたでしょう。
 しかしバスケの試合が始まり、読み進めるにつれてだんだんとその印象が変わっていきました。そして終盤にくると物語の中に引きずり込まれていました。冒頭部分で感じていたあっさりとした口調・文体・ツッコミ独白。それらの積み重ねによりどこか満足感を味わえなく飢えていて、しかし何事にも踏み込めず一歩引いたスタンスを取り続ける、熱くなりきれない空虚さを持った主人公……そうしたイメージを植えつけられていたからだと思います。それが最後の「埋められる人」というキーワードに重なったからこそ、土壇場に来て一気に引きずり込まれたんだと思います。また「穴を埋めたのは自分たちの力」という言葉も、主人公と渚たちの関わりを小さな範囲にとどめた物語の構成がそのまま表しているように感じられてしまい、もう脱帽。
 気が付けば、私が当初感じていた不満は全てひるがえって、物語の最後に活かされるという凄まじい罠w。いやほんとうに、力作だと思います。最後の主人公と渚との会話では、舞い散る桜並木の坂道で、風に髪をなびかせながら語り合う二人の姿が妄想全開で浮かんでいましたから。そうか、木村ってこういう顔なのか、と勝手に納得していたりしてw
 テーマに沿って演出されていた全ての事柄に、なんか参りました。読者としてこのSSが好きなことはもちろん、同時にこの作者さんの物書きとしてのスタイルに感服です。

04 記憶の肖像と世界の歩み (採点:6)
 う〜む、話がライト過ぎです。
 前半読み進めている最中には「語り口調に似合わず残酷な話だな」と考えていました。だからこそ後半、主人公がことみに対して感情をあらわにする場面ではほっとしたのですが……その後の流れが、鬱積していたものに比べて軽すぎる気がしたのです。
 ただ一度、このような喧嘩ともいえず愚痴ともいえないような会話のやり取りをするだけで「幽霊」が消えてしまうのならば、それまで主人公が抱えていたはずのものが軽すぎます。時間や世界を語られても、そこに共感を得られない。
 仁科の抱える感情を軽く流すこと自体は構いませんが(物語の雰囲気自体は一つにまとまってますし)、それならばもともとの悩み自体を重くせずに、解決方法にあった重さに設定しておくべきだと思いました。

05 ヒーロー (採点:7)
 なんというか、面白かったです。キスの場面ではほんわかとした気分になったりして。
 でもさすがにこれだけ「なの」を貫かれると疲れてしまいます。これによる味を否定はしませんが、それでも読者を疲れさせない方法を模索して欲しかったです。キスシーンのように、場面そのものの面白さによってとか、語調のテンポを変えたりとか。雰囲気や印象を変えずに行うこともできるんじゃないかなぁ、と。
 ま、ここらへんは作者さんの目的が奈辺にあるのか分かりませんので、なんというか、なのですが。
 ただ私の目には「なの」が単なる文体としての特徴・雰囲気作りのようにしか映らなかったので、ストーリーや心情にかかった仕掛けが「なの」に対してあったならばもっと楽しめたんじゃないかと、そう思いもしました。

06 20億のヒトデ (採点:8)
 8点か9点か悩んでいたのですが、ラストのタイヤキ星人によって8点にしました。
 遊びたいのはわかりますが(笑

 宇宙人が出てきてタイトル表示、この時点で既に笑ってしまい、物語に引き込まれてしまいました。
 物語や会話のテンポもいいし、キャラクターの特徴やお約束も踏まえてうま〜く料理されている感じです。コメディの手本のように思えました。
 ただ、その見本たるゆえに、予想を超えたようなぶっ飛び具合がなかった点だけが残念。読み手としてはヒトデ星人だけが意外で、そのあとは予定調和で進んでいくように見えましたから。もうすこし意外性が演出できれば私的には満点だったと思います。

 個人的に一番好きなのは
>「ちょ……おま……。こんな光景を望んでいるのかよっ?」
>『うん』
 の場面です。なんだか可愛らしいです。
 とにかく楽しませていただきましたw。作者さん、ありがとうございました。

07 ふたりのsolitaire (採点:10)
 …………ぅあ。
 参った。やられました。これは、すごい。
 淡々と続く主人公の独白。でもその心情の描写力が素晴らしいです。中盤で入るクラナドとの関連がむしろ蛇足に感じてしまうほどに、お見事(二次創作かどうかではなく、盛り上げかたが原作に依存せず作品内で成功しているという意味です)。
 ストーリー展開としては単純にダークに進んだり、或いはハッピーエンドにしたり、滑稽なコメディにしたり、様々な選択しやすい演出が考えられたと思います。事実、私は読者として、そういった幾つもの予測が頭をかすめていました。
 ですがそのどれでもなく、もっとも書きにくい正道を選択して、書き切った。奇を衒わずに真っ向勝負した。
 あるべき姿に進んで、あるべき形に落ち着く。それなのに、読者の感情に起伏を与えられる。その筆力に脱帽です。
 ただただ感服。私もこういった話が書けたらなぁ……

08 幸せなら手をつなごう (採点:7)
 このような書き方があるのはわかっているつもりなのですが……朋也のような人間がメインの一人である場合には、自分にはどうやら生理的に受け付けないようです。オリジナルでならば気にならないのでしょうが、どうしても原作の朋也に対するキャライメージ・先入観が私の感情を逆なでします。
 ラストか近付くにつれ、この手法が上手いこと効果を現して読者の心を盛り上げていくのですが、当初に感じたマイナスイメージを払拭するほどには(個人的に)いきませんでした。こらは私の心が狭いからということで……こういう読み方しか出来ない自分自身に「何て勿体無いことしてるんだ」と思わないでもないのですが、こればっかりは……
 とりあえず作品の完成度から、感情点を差し引いた点数をw

09 『月見』 (採点:4)
 いきなり舞台がはじまったときには戸惑いました。
 構築している空気はなかなか面白いと思うのですが、それは狙ってのものとは違う気がします。
 決められた出番に沿って決められた台詞を吐く。それも一つの舞台のようで味はありますが、原作が積み重ねた内容を読者にただ紹介するだけでなく、このSSの中で積み上げる作者さん独自のものを見せて欲しかったです。

10 ゆめから覚めて (採点:6)
 まず一つ、読んでいてどうしても違和感が拭えなかった点があります。それは主人公が風子や公子……特に公子に抱く信頼感です。
 初対面にもかかわらず、心中の印象だけで彼女らの人間性を全面肯定しています。そうしなければ話は進みませんし、ある程度のご都合主義も仕方がないとは思いますが、枝葉に本筋にとそれを頻繁に用いられてはそのご都合主義の面だけが際立ってしまいます。
 プレイヤーとしては風子や公子が信用に足る人間だと知ってはいても、読者としては主人公がその結論に至るまでの描写をしてもらわなければお話になりません。コミカルな会話もその違和感を助長させてしまいます。読者のゲームプレイヤーとしての先入観に委ねるのではなく、作品としての説得力を重視してもらいたいと思いました。
 また、話の筋は結構好みなのですが、ラストの事実が明らかになる点や夢から醒める点の描写が非常に勿体無いです。
 本来ならば風子や公子との楽しい会話も、示唆する夢(現実)の描写も、このラストを活かすためにあるべきだと思います。前フリに負けないほどの描写を見せて、驚きや感動などを演出して欲しかったです。

11 絶望に揺れる船の上で針の穴の希望に起死回生の一投を (採点:5)
 展開に難ありかな、と。
 キャラクターが簡単に心情を吐露しすぎのような気がします。設定として他人に話していない過去があっても、ソレは各キャラが耐えて堪えて秘めていたのだという描写があって初めて読者に「重いもの」「大切なもの」としての認識が伝わると思うのです。
 陸上でトラックを走るにしても、短距離走で伝えたい内容のゴールテープを切ることばかり考えるのではなく、長距離走でラストスパートに賭けるために戦略を練り、構成を考えられてもいいかと思います。
 人が他人に心を開くシチュエーションを工夫し、そういった展開に話を持っていくよう努力することがこのような話では大事だと思います。

12 ハレルヤ (採点:8)
 うう、面白いですし、いいお話です。しかし悲しいかな、尺が足りなかった……そんな印象です。
 中盤の劇のシーンから汐と渚の問答までが、あまりにもあっさりすぎです。特に劇のシーン。ここはどのような場面になるかを読者は知っているのですから、劇の描写以上に、それを「初めて見る」汐の描写をじっくりして欲しかったのです。それがなければ読者にとって新鮮に感じられませんし、またそれでこそ、後のオチまでのシリアスな流れが活きてくると思うのです。
 でも悲しいかな、それを書くには本当に容量が足りなかったのでしょう。改ページごとに繰り返される『私、岡崎汐には…』といい、繰り返されるだんごといい、作者さんは描写を積み重ねて最後につなげようとしていたように見受けられますが、前半を楽しくそして丁寧に描写しすぎたあまりに、そのしわ寄せが中盤以降にかかってきてしまった気がします。問答にしろ汐の納得にしろ、タメをつくる時間がなかった、読者に想像させ気分を盛り上がらせる余裕がなかった、そう感じました。
 本当、話の内容としてはすごく好きですし、前半のコメディ(というかパロディ?)部分もとても面白かったのですが、その部分で物語の完成度というか満足度が一つも二つも落ちているのが非常に残念でした。シナリオ部分ではなくテキスト部分で心を動かされていたのなら、文句なく満点をつけていたと思います。
 うあ〜うあ〜…………めっさ悔しい(涙)。ぜひとも容量気にせず思うがままに筆を振るって私を感動させていただきたかったですぅぅぅ〜

 ま、実は足りなかったものは容量ではなく時間だったり根気だったりする可能性もありますがw。全部想像です。わはは。

 それと改ページ。私は改ページの多用はあまり好まない人間なんですが、このような明確な意識を持った遣い方(『私、岡崎汐には…』)をされると全く気にならないのかな? とこの作品を読んで思い当たりました。むしろ感心してしまうという。
 こんぺを繰り返した末の新発見。どうもありがとうございましたw

13 ミ☆ ミ☆ ミ☆ 星の帰り道 ミ☆ ミ☆ ミ☆ (採点:5)
 こういう汐ちゃんも可愛くていいな、と思えました。
 キャラ同士のやり取りは面白いし魅力もありますが、全体としてみると冒頭部分の内容がぼやけてしまっている印象です。物語に一本、芯を入れる意図があったのならば、そこから脱線し過ぎないように自らを戒めるセルフコントロールが必要かも?(笑
 いや、その脱線部分がどちらかと言えばこのSSの味だとは思いますが。

 それと読点の遣い方には何かこだわりがあるように思えますが、もしそうならば、そのこだわりに即して文章も操った方がいいと思います。
 小説・SSにおける日常の描写というのは、日常を見たまま聞いたままに文にするのではなく、「文章」に直す作業が必要ではないでしょうか。例えば現実世界の日常で用いる「視覚」と文章で用いる「視覚」は意味合いが変わるのですから。

14 ひとりぼっちのかみさまとゆびきり (採点:5)
 うーん、作者さんの抱えている世界が私の世界とあまり重なりませんでした。
 冒頭の奇跡の定義にしても、その他の事柄にしても、作者さんの内部で当然に存在していて説明のいらない事象が、私にとっては不自然で違和感を覚えるものになっています。
 まぁ、そうした気になるもの一つ一つは物語全体においては些細な事柄なのかもしれませんが、積み重なると無視できなくなります。また、そのような違和感を気にさせない筆力や、或いは心配りが文章を書く際には必要ではないかとも思うのです。
 また話の内容自体は非常にシンプルであることも残念。単に作者さんの内空間を披露しただけに終わっている気がします。その内空間を読者に紹介するために書くのではなく、読者を楽しませるため(楽しみ方には色々ありますが)に読ませて欲しかったところです。

○まてつや さん

01 道化――Buffon―― (採点:9)
 参りました。
 しまった。春原の退部ネタは、こういう理由でやれば良かったのかと目から鱗。
 同じ春原メインで書いた身としては素直に白旗を振らせていただきます。ナイスジョブ。

02 春まであと少し (採点:8)
 こういうのって、キレイにみせるの大変だなと思うのですが。
 最終的に、なんだかとても納得させられたものですから、良かったです。

06 20億のヒトデ (採点:10)
 春原の発言にああいう反応をする渚と風子がどうにもなぁと思ったのだけが不満でした。
 逆に言うと、それ以外はパーフェクツ! 何この世界(笑)
 とても楽しく読めました。持ってけ満点!

07 ふたりのsolitaire (採点:10)
 なんだ。ごめん、満点以外つけようがないよ。
 タイトルの曲は知らないし、音楽のことなんかちっともわからないし、この話を理解しきってるなんて言えないけれども。
 それでも、10点入れさせてください。
 入れさせてください。

 圧倒されました。

10 ゆめから覚めて (採点:6)
 風子が風子らしいので、良かったですっ。

12 ハレルヤ (採点:7)
 ことみちゃんがお茶目だ(笑)
 とても興味深い話だったのですが、一部不満な点があったのでこんな点数です、ごめんなさいね。

14 ひとりぼっちのかみさまとゆびきり (採点:8)
 序盤の風子のセリフがらしくて好きです。
 終盤の追い上げにやられて加点しました。

○りきお さん

01 道化――Buffon―― (採点:3)
芽衣シナリオの春原視点と言うことで、
目新しさは無いですが、それなりに楽しかったです。
…春原も春原なりに悩んでいるんだなあ、と思いましたよw

ただ、正直コンペ出品作としては、他の作品と比べると…見劣りますね、
内容とか、着眼点とか。

02 春まであと少し (採点:5)
正直、微妙です。良いのか、悪いのか。
智代を登場させたのは、あのセリフを言わせたかったから、なんでしょうか?
暗めの文体は嫌いでは無いのですが…。

曖昧に終わってしまった汐編の終わりとしては、
1つの答えを出しているな、とは思いました。

03 花びらの向こう側 (採点:8)
「オリキャラ」と言うだけで普段は嫌悪感を持ってしまうんですが、
十分、本編にいておかしくない(名前が無いだけ)キャラで、
すんなりと読むことが出来ました。
それに、なかなか面白かったです。
展開とかに目新しいものはありませんでしたが、こうやって名も無いキャラに
焦点を当てたSSってのは新鮮で良かったと思います。

渚…こうやって見ると罪深いなあ(^-^;

04 記憶の肖像と世界の歩み (採点:6)
結構良いですね。
終わり方が「ええっ?! これで終わり?!」
って思ってしまったのが残念です。

仁科とことみを絡める上で、非常に自然で面白い話でした。
それだけに、終わり方が…ね。
もし続きの話があるのなら、是非読みたいとは思いました。

05 ヒーロー (採点:1)
正直、厳しいと思います。
ここに出品しているSSの中でも、とりわけ完成度が低い。
言いたいことはわからなくとも無いのですが、
話の内容があまり1貫しているようには思えませんでしたし、
見せ場的なものもあまりありませんでしたので。

誤字が多かったのもそれに拍車をかけています。
SSとしての面白さを見出すことが出来なかったのが、一番痛いと思いました。

06 20億のヒトデ (採点:7)
くだらない…。全くくだらなかったです……。





……でも、こういうSSが、コンペの中に1つあっても良いですよね(^-^;
個人的には非常に笑わせていただきましたw
オチも悪くないですしね。

ただ感想とか、採点とかはしづらいですね…。

07 ふたりのsolitaire (採点:7)
仁科と杉坂のSSって言うのがあるってのは知っていたんですが、
今回は初めて読ませていただいたって感じです。

人によって賛否が分かれそうな気がするんですが…悪く無かったです。
こんなエピソードも、CLANNADの中にあっても良いんだろうな、と素直に思いました。

個人的には、Afterで出てくる2人のエピソードも加わっていれば、
もう少し良い終わり方ができたかなあ、とは思いますが。
あとは好みの問題でしょう。

08 幸せなら手をつなごう (採点:5)
う〜ん。
評価するのが非常に難しいですね。
ちなみに、劇までは「本編の新たな切り口」と言う感じで、
非常に新鮮で面白かったんですが、校門で待っているところ〜劇あたり、
風子が消えるあたりの展開が、
もうちょいじっくりと行っても良かったんじゃないかって思いました。

エピローグも説明不足で、かなり残念に思いました。

09 『月見』 (採点:2)
一言で言うと、あまり面白くありませんでした。
渚アフターで風子が汐と居るのが納得いきませんし、
SS全体としても、話の軸があるようで無い。
登場人物が、岡崎家の3人と、杏と椋と言うのもあまり意味があるように思えませんでした。

10 ゆめから覚めて (採点:7)
僕が思い描いている少女とは、少しイメージが異なりますが、
このネタのSSを読むのは初めてだったので、非常に興味深く読めました。

ただ、SSとして「面白いかどうか?」という意味では、少し足りないと思いました。
あまりにも考察的だったので。
ただ、CLANNADのこの部分で描いたことに対しては、ポイント高いです。

11 絶望に揺れる船の上で針の穴の希望に起死回生の一投を (採点:10)
素直に思ったのは、本編やアフターの智代もこうなら、
もっと智代を好きになれていただろうなあ、と言うことですw

春原と…くっ付くところまで行っていないのですが、
そこへ流れる過程が、本編と照らし合わせても自然で無理が無かったです。
中編としての長さも生かしきった、かなり良い作品だと思いました。

…鷹文と芽衣、早っ(何

12 ハレルヤ (採点:9)
出だしは突拍子が無いなあ、と思っていましたが、後半にかけての話の持っていき方は、
ちょっとずるいくらいに良かったですね。

…しかし、智代アフターの影響は少しは受けていたんでしょうか(違っていたらすいません)

渚の遺したことを思い出せました。

13 ミ☆ ミ☆ ミ☆ 星の帰り道 ミ☆ ミ☆ ミ☆ (採点:7)
終わり方は良いですw
しかしトータルとして見ると、結構微妙な気が…。
前半部分の、渚を印象付ける部分と、中盤のドタバタが
どうもかみ合っていないような…。

まあ何より、汐の性格は面白いですし、
朋也との関係の描き方も、凄く絵になってましたね。
中盤のドタバタが少し疲れますが、良いSSだと思います。

14 ひとりぼっちのかみさまとゆびきり (採点:6)
CLANNADの世界観をしっかり理解しているなあ、と感心しましたw
風子と少女を絡めた内容は、納得も出来、新鮮さもあり良かったと思います。
少女と風子、公子と風子の会話部分は良く出来ていたと思います。

ただ難点も。
途中の説明的な部分。要は幻想世界の少女の説明部分が、かなりSSの流れ的なものや、
完成度を低くしてしまった気がして、その辺が残念でなりません。
もう少し、上手く幻想世界の少女に関する説明を簡素にして、
その分を風子や少女とのやり取りに使えたら良かったのになあ、と。

でも、目の付け所とかは好きです。読後感が良いのも○です。

○アルエム さん

02 春まであと少し (採点:9)
 渚と汐を亡くした後の朋也の心情、それを気遣う智代の心。それらを繊細に繊細に表していて、ぐっと来ました。
 最後に原作の冒頭とリンクさせていくところが凄く巧くて……ああもう、なんていうか、もう、この作品を見れたことをうれしく思います。ありがとうございます。

08 幸せなら手をつなごう (採点:10)
なんでしょう? もう感嘆の吐息しか出てきません。凄いです。凄すぎます。
この作品は原作での風子ノーマルエンドの派生っというとおかしいのですが、また違ったストーリーを丁寧に丁寧に書かれていて、感動しました。
あとタイトルの意味も、読み終わった後「ああ、なるほど」と思えてよかったです。
僕も今回、このこんぺに作品を出させていただき、その作品は風子がメインなのですが、もうなんていうか素直に負けたと思うことができません。

えっと、後は、ただの揚げ足取りなので、お気になさらずなのですが、ちょっと春原や秋生の話し方に違和感を感じたかなぁ。
まぁ、まるっきり違うというわけでもありませんし、ホントにただの揚げ足取りなのですが……すみませんOTL

10 ゆめから覚めて (採点:8)
 負けましたOTL
 僕も今回のこんぺに出した作品は風子×幻想世界の汐ものなのですが…………負けた。それはもう完膚なきまでにOTL
 幻想世界の表現の仕方が凄く巧くて感嘆の吐息しか出てきません。それにストーリーも緻密に作られていて凄く面白かったです。
 なにより、風子と公子さんを巧く表せていました。そうですよね。風子ってこんな感じですよねOTL
 
 ただ、これはちょっとした不満なのですが、最後に少し唐突感を感じてしまいました。容量のこともあることですし、なにより、もっと唐突に終わっている作品を書いた僕が言えた義理じゃないのですが、もっと最後を肉付けしたらもっと面白くなったなぁっと思ってしまったものでOTL

12 ハレルヤ (採点:9)
 いいなぁ。
 登場人物全員がいい味出していてとてもよかったです。
 ストーリーのほうも、展開が読めてしまったものの、読了後、とても爽やかで暖かな気持ちになれましたし〜。
 感動したっとは少し違いますが、見終わった後に、ほんわかとした気持ちになれる作品でした〜。

○カビコ さん

11 絶望に揺れる船の上で針の穴の希望に起死回生の一投を (採点:10)
多々瑕疵としか思えない部分はあるけれど、
採点に関しては単純に好き嫌いを反映させるということで。
まるっ。

○雨音 さん

01 道化――Buffon―― (採点:4)
内容よりも女の子の存在のほうが気になる……。

いや、別に内容が悪かったわけじゃありません。
原作を踏襲しつつオリジナルな展開を挟む形は、
意外性に大きく欠けますけどその分安定してますし。
早苗さんの説得も、まぁ悪くは無かったと思います。
でも……なんというか、インパクトが……。
これなら別に、原作で十分なんじゃないかなぁと、どうしてもそう思ってしまいました。

結果、内容よりも女の子のこととか最後の「衝撃の事実」とかそちらに注目してしまい、
いまひとつ楽しみきれませんでした。

02 春まであと少し (採点:8)
重苦しい雰囲気のなか、智代が登場し、
いったいどんな展開になるのかと思っていたら、
終始、静かに進んでいって、少し驚きましたが、こういう雰囲気は好きです。
随時差し込まれる回想の言葉がどれも印象的で素敵でした。
ラストにタイトルを入れる形式も、結構好みだったりします。
朋也の心に降り積もった冷たい雪のとける音が聞こえてくるような、そんなお話でした。

不満点としては、どうして智代だったのか、の説明が無いことでしょうか。
過去に大きなつながりがあったわけではない彼女が登場することの必然性がないように感じます。
別段、他のキャラにしていたとしても、大きな変化はなかったのでは?
このあたり、智代だからこその展開がほしかったように思いました。

03 花びらの向こう側 (採点:5)
うーん、難しいなぁ。
この木村という少年は実に青春少年(?)なわけですが、
それにしてはあんまりにも綺麗過ぎるなぁと。
もちろん、ドロドロしてれば良いってもんじゃないのですが、
綺麗過ぎるのもいまひとつ面白みが足りないような気がします。

というか、作中では何とか木村くんの存在に意味があったように語っていますが、
実際のところ、彼の意味ってそんなに大きかったのかなぁ、と。
オリキャラを登場させてまで書かなければならないような裏場面ではないように思いました。

04 記憶の肖像と世界の歩み (採点:10)
>岡崎朋也ともう一人(名前は忘れた)
酷ぇっ!!?(笑

と、まぁそれはどうでもいいのですが(更に酷い
とりあえず……仁科りえのSSは、何でこうも良作揃いなんだろう。
仁科さんの過去も心理も、開けられないケースも幽霊も、実に良く出来ていました。
ことみや朋也の問題と重ね合わせるあたりも良いです。
ことみパパのあの手紙の一文は、きっと誰にも共通するものなのでしょうね。
まぁ、朋也に偉そうに語る権利があるのかって疑問はありますが(苦笑
とにかく、全体的にゆったりペースなので、やや間延びするのではという危惧はありましたが、そんなことも無く、
スッキリと纏まった中篇作品でした。

05 ヒーロー (採点:5)
中篇部門で20.34KBというのはチャレンジャー過ぎる(汗
っていうか、34KBを切って短編で出せば良かったのに……。

と、それはともかく。
とりあえず、ヒーローってのがクマのぬいぐるみだとは。
意外でしたが、とても素敵なお話でした。
こういうのも、ロマンティックですよねぇ。

ただ、一人称地の文なのですが、何も喋り口調を真似なくとも……。
「〜なの」が連発していて、読みにくいことこの上なしでした。
おかげでせっかくの雰囲気が崩れてしまっているというかなんというか。
これはこれで良いのかもしれませんが、なんとなく苦手でした。

06 20億のヒトデ (採点:7)
この、すでにオフィシャルの域に達している風子っぷりは
たぶん風子同盟の方なのだろうと思います。

まぁそれはともかく。
実にツッコミ所の多い作品でした。
いや、もちろんいい意味で。
風子の素ボケっぷりが素敵です。
さらになんでも宇宙をつける陳腐さが堪らないです。
これを書いた人は分かってるなぁ〜♪(ぉ
ラストがやや入り乱れ過ぎていて、
ちょっと、何がなにやら分かりづらかったですが、
楽しく読める作品でした♪

07 ふたりのsolitaire (採点:6)
百合モノ!?
しかも切ない系!!?
……いや、まさかこの手の作品をこんぺで読めるとは。
なんというか、いろんな意味でチャレンジャーだなぁ(汗

こういう作品も好きなのですが、杉坂の性格がやや鼻につきました。
ここから成長した姿を描いていてくれれば良かったのですが……。
この手のネタは「マリア様がみてる」の「佐藤聖」を思い出すのですが、
その後の成長した姿があって初めて救われるお話ですし。

全体的にすごく良く書けているとは思うのですが、高評価はつけにくかったです。

08 幸せなら手をつなごう (採点:6)
うーん、いまいちよく分からない……。
とりあえず、渚シナリオ的風子エンド……というか、風子ノーマルエンド渚風味、かな?(何
分からないってのは、話の内容というよりも、朋也が求めるものです。
つまり、彼は何がしたかったのか……。
全体的にすごく厚みのある話なのですが、いまひとつ伝わってこないというか、楽しめないというか。
三人称ではなく、一人称だったら良かったのになぁと思ってしまいました。

また、個人的には、もう少しエピローグに分量を割いても良かったのではないのかと思います。
これだとあんまりにも簡単過ぎるというかなんというか……。
それまでの厚みに比べて、薄っぺらい感じがありました。

09 『月見』 (採点:3)
風子、放置プレイ……。
ってか、なんで彼女は登場していたんだろう?
なんか、意味あります?

内容に関しては、とにかく描写不足。
朋也の淡々とした一人称のおかげで、何がなにやら、状況が分からない部分が多かったです。
また、主題に対して非常に回りくどい形で説明しているので(椋の部分なんか特に)、
これも全体の分かりにくさを助長させていました。
あるいは面白かったかもしれない作品、というのが現状の感想です。

10 ゆめから覚めて (採点:9)
幻想世界は未だよく分からない設定だったりします。
いろいろなSSで登場してますけど、今ひとつ共通見解がないですしね。
そんなわけで、「しほ」の存在が何だったのか、良く分かりませんでした。
風子と同じ夢の中の存在なら、汐が眠っていなきゃいけないわけですし。
一人の人間としての汐と世界としての汐の違いなのかもしれませんが、
だとしたらラストで目覚めたのが誰なのか不明ですし。

と、そんな不満点はあるのですが……。
その辺りを考慮に入れても、良く出来ていたと思います。
記憶喪失という設定も、風子のおかげで必要以上に重々しくなっていないですしね。
終始、優しい雰囲気で、とても気持ちよく読めました。

11 絶望に揺れる船の上で針の穴の希望に起死回生の一投を (採点:9)
天才の苦悩は凡人には分からず、凡人の苦悩は天才には分からない、みたいな感じで、
でも両者とも生きているのは同じ世界……。

というわけで、智代の
>「私といっしょだったな。春原」
という台詞が実に秀逸でした。
この作品の全てが見事に集約されているなぁと。

智代が春原の家にやってくる辺りは、ちょっと無理を押し通してるなぁという印象があったのですが、
まぁ、それはあまり気にしないでおきましょう(苦笑
実際、どうしても気になるほど、ではなかったですし。
ラストに関しては、ちゃんとくっついてほしかったような、
くっついてしまうと出来すぎなような微妙な感触です。
まぁ、どっちにしても、もう少し春原の心象を入れてほしかったですが。

ともかく、非常に安定した秀作でした♪

13 ミ☆ ミ☆ ミ☆ 星の帰り道 ミ☆ ミ☆ ミ☆ (採点:6)
なんか、微妙にネタ被りしてたり……(汗

いや、まぁ、それはともかく。
幸せそうな岡崎親娘のお話でした。
登場キャラ全員が活き活きとしていて、読んでいて気持ち良いです。。
渚は死んでしまっているわけですが、その悲しさを僅かに残しつつ、
そこから立ち直った人々の姿がとても素敵でした。

ただ、ラストはちょっと、よくあるドタバタ物になってしまっていたかも。
もっと雰囲気を大切にしてほしかったかなぁと思いました。

14 ひとりぼっちのかみさまとゆびきり (採点:7)
タイトル、良いなぁ。
幻想世界の少女=「ひとりぼっちのかみさま」という表現は、素敵です。
この辺りのセンスは、欲しいところだなぁ。

が、その少女が風子を呼んだ、という設定はちょっと微妙でした。
色々と説明していて、なんとか理屈を持たせていますけど、
なんとなく、別のキャラになってしまっているような印象がありました。
また、全体的に、説明に偏っていたのも残念でした。
もうちょっと、雰囲気を重視してほしかったなぁと。

○奏鳴 さん

01 道化――Buffon―― (採点:5)
 こういう風に解釈する春原もあるのですね。新鮮でした。
 ただ、この解釈でもってCLANNAD本編をプレイしたとして、春原が(複数の意味で)より面白く見えるのかというと、そうでもないような気がします。
 本編の裏側を見せる手法としては決して悪くないと思いますが、裏側の解釈そのものに、そこまで魅力を感じなかったのが本音です。

02 春まであと少し (採点:5)
 なんとも判断に困る作品です。
 この物語における智代の役割は、きっかけ以上の役割を果たしていないように見えて、結局朋也一人の話に思えてきます。
 それはそれでアリなのかもしれませんが、そうだとしても智代である必要がこの話には見出せませんでした。
 あるいは、智代視点の描写でもあったなら、まったく別の面白みを見出せたのかもしれません。それが作者の本意に沿うかどうかは分かりませんが。

03 花びらの向こう側 (採点:7)
 テーマそのものはとても共感できる話なのですが、オリキャラや原作のキャラに至るまで人物の造形が平凡で、ラストのテーマ部分が出てくるまでは少し退屈でした。
 また、テーマをラストだけで示すのではなく、彼らに空いていた心の穴を匂わせる描写を、前半部分でちりばめておいた方がよかったかもしれません。それだけで、主人公の人物造形も変化が出るでしょうし。

05 ヒーロー (採点:3)
 とてもよみにくいです。文末の大半が「の」で終わるのは、私にはテンポが合わないみたい。
 内容そのものを見るなら、好みの部類に入るのですが、適切な容量で書かれた作品とは到底思えませんでした。余っている20kの容量でも書けるかどうか。
 例えば序盤の紳士に鞄を渡されるエピソードや追悼セレモニー。中盤にある大学に入ってからの六年間の話。どれもそれだけで短編や中編の一本が書けそうな話だと思います。そういったものが、ことごとく軽い描写で流された事もあって、重要そうなエピソードだけかいつまんで読む方向にシフトしたら、いつのまにかラストまで着てしまいました。結局主題が分からずじまい。
 最後の岡崎家とのやり取りを主眼にしたかったのなら、ホームステイしている辺りから始めて、それまでを回想として処理した方がすっきりすると思いました(それでも容量的に厳しいでしょうが)。
 ぬいぐるみの歩みを主眼にしたかったなら、長編として取り組んだ方が良かった気がします。
 取り扱っているエピソードそのものは好みだったので、余計に残念でした。

06 20億のヒトデ (採点:6)
 ヒトデ話とだんご話。
 わけわかんねー、とか思いながら楽しく読ませてもらってたけど、ホシのお母さんが出てきたあたりでだれてきました。
 タイトル通りに20億のヒトデが来襲してくるオチとかだったらなー、と。好みの話ですけど。

07 ふたりのsolitaire (採点:4)
 文章の雰囲気が統一されていて、それは本当に見事だと思うのですが、肝心の文体が肌に合いませんでした。
 こんな得点を与えるような作品ではないと思うけれど、こればっかりはしょうがないというか。

08 幸せなら手をつなごう (採点:9)
 言う事はないです。点数だけ貰ってください。

09 『月見』 (採点:3)
 短編部門で出すような話を中編部門で出した作品。
 それが第一印象で、再度読み直してもその印象は覆りませんでした。
 椋の台詞と朋也の心理描写が妙に饒舌で、それもまたあまり良い印象を受けませんでした。
 嫌いな作品でも、苦手な作品でもないのですが、高い得点にする根拠が私には見付からず、こういう得点に。

10 ゆめから覚めて (採点:7)
 幻想世界は私にとって鬼門なのですが、そこから出た少女の話ならなんとなく許容できると、今更知りました。極めて私事ですが。
 現状でも悪くないですけど、もっと盛り上がりを見せた方が良かったかもしれません。それができるだけの用意は出来ていたと思います。
 もっとも、風子とのお別れのシーンのようなあっさりした所も、持ち味であるような気がします。この辺は好みですかね。

11 絶望に揺れる船の上で針の穴の希望に起死回生の一投を (採点:8)
 序盤以外に、春原のバカキャラが引き出せていないのはちょっと残念かな。朋也がいないので仕方ないのかもしれないけど。
 劣等感を押し出した春原の描写は、素直に読めるくらいに丁寧でとても好感が持てます。本編から考えると、ここまで簡単に自分をさらけ出すようには見えないけど、嘘つけないような状況に智代が追い込んでいる。そう考えると、二人はバランスの良い関係なのかもしれませんね。
 ただ、ラストはちょっと微妙な気がします。春原がカッコよすぎる割には、台詞回しがあまりスムースでないような。あまりにスムースでも困るんですが、なんか、こう、すっきりしないなー、と。

12 ハレルヤ (採点:9)
 なんといっても汐が可愛らしいです。
 ギャグキャラとシリアスキャラの、バランスが上手く取れていて、読んでて取っ掛かりを覚えることはありませんでした。
 唯一言いたいのは、渚を呼び出すシーンが唐突のように思えた事でしょうか。それまでに、渚と汐の絡みをもう一つくらい入れたほうが良かったかもしれません(難しいでしょうが)。
 まあ、それにしたって、私がもう少しこの話を楽しみたいと考えているところがあるからでしょう。この汐と渚の絡みなら、いくらでも見てみたい気がする。

13 ミ☆ ミ☆ ミ☆ 星の帰り道 ミ☆ ミ☆ ミ☆ (採点:7)
 読んでて楽しい話でした。別に大きな起伏のある話じゃないのですが、こういうのも別に良いかな、と。
 ……しかし、この汐は普段どういう交友関係で過ごしているのでしょうね。同世代の女の子にプロレスネタは通じないし。

14 ひとりぼっちのかみさまとゆびきり (採点:6)
 作者の解釈を十分に楽しむには、自分の解釈もある程度用意されてないといけないと考えています。それゆえに、本編の幻想世界をほぼ読み流していた私には、こういうタイプの話に高得点を付けることができません。
 ただ、話自体はかなり上手いと思いました。中盤に説明が固まっている点以外は、タイトルも、ラストの締めも非常に良く出来ていると思います。
 採点回避はできないので、点を付けることになるのですが、この点は好みを抜いた場合での最高得点と解釈してもらってもかまいません。

○藤村流 さん

01 道化――Buffon―― (採点:4)
春原の過去を書き切っている作品は少ないので、その解釈が面白かったです。
ただ、作品と文章のテンションが噛み合っていないように思いました。
春原がふざけている場面も、文章が落ち着いているために浮いてしまった印象があります。
また、春原が助けた女の子の扱いも、あそこまでする必要はないのかなと。



02 春まであと少し (採点:6)
タイトルの使い方に感服。
まさにそこから始まるという感じでした。
後半、少し文章がくどかった印象がありました。
智代アフターの台詞を持ってきたところなど、狙いすぎた部分があったかもしれません。

03 花びらの向こう側 (採点:8)
オリキャラを上手く使い切ったなと思いました。
抵抗なく読み進められたのは、最後までキャラの思いが一途だったからだと思います。
最後の最後に、あともうひとつ書き込みがあれば、というところでした。
全体の文章量と比較して、そこだけがあっさりしすぎていたように感じました。
中盤の盛り上がりは最高だったので。

04 記憶の肖像と世界の歩み (採点:8)
出来るなら、最後にエピローグとしてもうひとつほしかったです。
起承転結の承が長く転が後ろの方に来ていたため、結論部分が短くなっていたように感じました。
ことみと仁科さんの遣り取りは好きです。あの長い遣り取りが、転の盛り上がりにも繋がったのだと思いますし。


05 ヒーロー (採点:3)
地の文が読みにくかったです。
ことみであることが分かれば、それほど語尾にこだわる必要はなかったように思います。
また、作品の舞台があちこちに飛び、時間も頻繁に加速するので、話についていけませんでした。
ことみが世界を回ることについて書きたかったのか、朋也ともの再会を書きたかったのか。
両方の繋がりが弱かったので、話の説得力に欠けていたように感じました。

06 20億のヒトデ (採点:7)
純粋な笑いをありがとうございます。
とはいえ、風子だからこそ成り立つ話だとは思いますが。
飽きさせず、続きが楽しみな展開ではありましたが、多少中盤の盛り上がりに欠けていたように思います。



07 ふたりのsolitaire (採点:9)
感服。
ほぼオリジナルにせざるを得ないキャラの人格を、最大限に高められた作品だと思います。
相応の文章力がなければ出来ないことでしょうし。
ただ、それだけ文章に依存した構成だったと思います。


08 幸せなら手をつなごう (採点:4)
本編を再編するなら、本編と異なる部分を詳しく書き込んだ方が理解しやすいと思います。
また、使い慣れていない文章の修飾が多いように感じられました。そこが読みづらさに繋がった面も。
心情面は深く描かれていましたが、最後の再会をもっと深く書き込んでほしかったように思います。


09 『月見』 (採点:6)
テンポよく読めましたが、会話文が多く必要とする地の文が足りないように感じました。
会話文で全て説明しようとするあまり、会話文が説明ぽくなってしまった感も。
それでいて、ある程度スムーズに話を進められる技術は凄いと思いました。

10 ゆめから覚めて (採点:9)
テンポの良さが異常です。
中篇なのに物凄く早く読めました。
ただ、最後の説明不足が響いて、読後感はいまひとつ。
説明しきらない面白さもあるとは思いますが、
幻想世界は作者さんの解釈によるところが大きいですので、
そこはわずかでもヒントを与えてくれた方がわかりやすくはあったと思います。
一応、答えらしきものは浮かんでいるのですが、確証には至らず……。
私の理解力不足のせいなのですが、すっきりしない……。

11 絶望に揺れる船の上で針の穴の希望に起死回生の一投を (採点:5)
ひとつの話が終わった後に、またひとつの波が来たので驚きました。
芽衣と鷹文の交際辺りから話が急になったので、いまひとつ付いていけないところが。
告白のシーンも山場のひとつだと思いますので、もっと多く書き込んでほしかったです。

12 ハレルヤ (採点:7)
不思議空間。
導入があまりにも不条理であるため、中盤の盛り上がりも若干冷めた目で見てしまいます。
中盤の展開は好きだったので、前半の浮き具合がどうも気になってしまいました。
終盤も、若干尻すぼみだったように思います。


13 ミ☆ ミ☆ ミ☆ 星の帰り道 ミ☆ ミ☆ ミ☆ (採点:3)
前半と後半の空気が違いすぎ、まるっきり別の作品のように思えました。
前半の空気を引き立たせるためのパーティなら、あそこまで延々と引っ張る必要はなかったかと。
冒頭から前半、そして最後のシーンまでの流れはとても好きなので、長すぎるパーティにだれてしまった感があります。
また、文章中の視点の移動が激しく、統一されていないために多少混乱したところも。


14 ひとりぼっちのかみさまとゆびきり (採点:5)
非常に上手く、丁寧に書き込まれているのですが、何故か読みにくかったです。
短くまとめられる話を無理に長くしたようにも感じられました。
それが多少くどさになってしまったのかもしれません。
その一方で、風子と女の子が再会するシーンはあっさりしすぎているため、それがアンバランスに感じてしまった面も。


○峰生ゆたか さん

01 道化――Buffon―― (採点:7)
 読んでいて、感嘆のため息が出ました。
 春原の葛藤が非常に良く書けていると思います。
 ただちょっと美化しすぎているかなと、多少の違和感を感じました。

03 花びらの向こう側 (採点:8)
 中盤熱く、終盤しんみりと。文句なしに良かったです。
 ラストの「穴」の比喩表現が少し唐突かなとも感じましたが、渚との掛け合いは良いなぁと思いました。

04 記憶の肖像と世界の歩み (採点:7)
 良いお話でした。
 非常に丁寧なつくりで、惹きこまれます。


05 ヒーロー (採点:4)
 key作品らしい良いお話なのですが、少し会話文で分かり辛いところが。
 後、キスは少しえげつないかなぁと思いました。

06 20億のヒトデ (採点:8)
 笑い通しでした。
 まさか、幻想世界までギャグにしてしまうとは。脱帽です。

07 ふたりのsolitaire (採点:6)
 …重い。
 緻密で丁寧。読んでいて圧倒されました。

08 幸せなら手をつなごう (採点:9)
 ホロリ。切なくて、とても良い話でした。
 劇とからめた演出も秀逸。言葉もありません。


09 『月見』 (採点:4)
 悪くはないんだけど、20k越すために代わる代わる登場人物を出したというか、なんか座りが悪い。
 もう少しアクセントとなるものが欲しかった。

10 ゆめから覚めて (採点:6)
 中盤、変化が少なく、ちょっと読むのに疲れました。
 ラスト直前、幻想世界終わりが好き。

11 絶望に揺れる船の上で針の穴の希望に起死回生の一投を (採点:4)
 春原と智代、視点を変えて話はわかりやすくなるけれど、どっちつかずで内容は薄くなったように思います。
 サブキャラ同士をくっつけるというのはちょっと強引かな。話の展開上必要に迫られて、という印象を受けた。

12 ハレルヤ (採点:6)
 良い話でした。テンポも良く、軽いノリの時も、シリアスな時も全て高水準。
 母娘が会う時期も良く考えられていると思いました。

13 ミ☆ ミ☆ ミ☆ 星の帰り道 ミ☆ ミ☆ ミ☆ (採点:4)
 冒頭、ラストのしんみりとした空気が好きです。
 中盤、最初のほのぼのは良かったのですが、ラストのドタバタはちょっとしらけました。
 また中盤が長すぎて、他との密度との違いからバランスが悪く感じました。

14 ひとりぼっちのかみさまとゆびきり (採点:4)
 風景の描写はきれいでしたが、序盤、句読点の位置に違和感。
 幻想世界の少女の動きが唐突(ガラクタを持って小屋に戻る件)。
 前半風子を「弱く」描いていたため、後半「強く」なっていたことも引っ掛かりました。少し変化の描写が足りないかな、と。
 あと、設定の解釈にちょっと馴染めませんでした。


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