○Foolis さん
- 01 左手で繋ぎたい (採点:4)
- 書きたいことはいいのですが、見せ方がややイマイチでしたかね。
最後の手をつなぐシーン、もう少し別の見せ方はできなかったかなぁ、とどうしても思ってしまいます。
ちょっと釈然としないというかそんな感じを受けました。
それが残念でした。
- 02 サンダルが飛ぶ夏 (採点:6)
- 香里と北川の関係、なんてまわりくどいんだ、と思わないではないですがいい関係ですね。
よんでいてほほえましいです。
ただちょっと祐一があゆのことを再び忘れてしまうその辺の描写がやや弱いかなぁ、と。
あと調理を上手くいない気がしました。
見せ方がやや下手というか。
ネタとしては非常にいいと思うんですが。
それが残念でした。
- 03 雪の世界より愛をこめて (採点:1)
- 設定だけを語っているという印象を受けました。
というかややこしすぎ。45KBという容量制限のことを考えるともう少し単純化してほしかったかなぁ、と思います。
- 04 グリーンスリーブスが聞こえる (採点:5)
- 色々がんばってくれているのはわかるのですががんばってください(汗
ちょっと心情がとぎれとぎれすぎますね、文体がこなれていない感じがしました。
どうも読んでいて微妙な感じが(汗
ネタとしては好きですし、グリーンリーブスは面白いと思いましたし。
それだけにちょっと残念だったなぁ、というのが本音ですが。
- 05 ネバー・エンディング・ストーリー (採点:3)
- 設定、よくここまで考えましたねー、と感嘆しましたが。
やはり香里ですね。
香里が全人類を滅ぼそうとするのかなぁ、というのが気になります。
作中で香里が自分はかわった、といいましたがやはりそれでもひっかかります。
どちらかというとああいうことになったら自殺しそうな気がしますし。
あと、やっぱりこれは香里視点の物語として書いてほしかったかなぁ、と。
微妙によんでいて最後がこれなのでしまりが悪いんですよね。
これをプロローグとしてそこからを書いてほしいというか。
それが残念でした。
- 06 友人以上恋人未満から (採点:3)
- 内容云々より前にちょっと文章が散文的というか落ち着きがないというか。
作者さん自身は相当苦しんで書いているのがわかるだけにこういう批評をするのは心苦しいのですが…。
どうもとぎれとぎれの印象を受けました。
それが残念だったです。
- 07 僕と、シオリと、スケッチブックと。 (採点:8)
- 途中の墓のシーンでほんとにやられました。
こうくるかーと感嘆。
香里の独白シーンもよかったですし、面白かったです。
ただ、最後、あっさり風味にしたかったのはわかりますが、ちょっとさみしかったのが個人的に残念だったかなぁと。
でも非常に高いレベルでまとまっていたと思います。
よかったです。
- 08 潜入捜査Kanon・僕らのたい焼きドリーム〜記憶の中のエンジェル〜 (採点:3)
- こういうの好きな人は好きでしょうが個人的には微妙だったかなぁ、と。
ちょっと設定についていけないところがありました。
- 09 鬼さんこちら (採点:9)
- はぁ…。ほんっとに感嘆しました。
あれ?魔物の設定とかおかしいような?とか思っていたのですが…。
なるほど、こういう物語を紡ぎますか。
設定が、ほんとに見事でした。
ただちょっとわかりにくかったかな。それが残念だったかと。
もうすこし違う見せ方が出来たような気がします。
- 10 硝子の向こう (採点:6)
- 作品全体に流れる、ほのぼのとした雰囲気が非常によかったです。
キャラとキャラとのやりとりがよく描けておりいい感じでした♪
- 11 春を夢見る狐達 (採点:5)
- 割とストレートな真琴シナリオの裏でしょうか。
いや、ほんとにKANONは色々なSSが作られたので(汗
まぁそれはともかく丁寧にかけてはいてよかったです。
ただ、ちょっと文章が書きなれていなかったかなぁ、とそれが残念でした。
- 13 いつかムラムラする日。 (採点:4)
- 私の理解力不足もありますが、構成がわかりにくかったです。
それが少し残念でした。文章はよかったです。
- 14 ――僕らの昨日が見ていた未来は―― (採点:7)
- 何この小ネタの嵐w
ときめもに、こんにゃくに、しすぷりにデスノに…。
非常にバカらしくてよかったです。
ただ、途中の盛り上がりのわりには最後がしまらなかったかなぁ、と。
それが残念でした。
- 15 【決別】 (採点:7)
- こうなんというか作品全体に流れるほのぼのとした雰囲気が非常によかったです。
あと部分的に非常にすきなのは、佐祐理さんとの初夜の前後のシーンですねw
これはたしかにこれくらいしてもしょうがないかもしれないですねー。
- 16 お別れのキスのことばかり考えていた (採点:6)
- 物悲しい雰囲気がいいですね。
ちょっと煮え切らない、というかそんな感じがしたのが残念でしたが、全体的にはよかったかと。
よかったです。
- 17 天野がオバサンくさいワケ〜"あの子"と呼ばれた仔〜 (採点:5)
- 展開的に最後が急ですね…。もうすこしなんとかならなかったのかなぁ、と思います。
天野の設定が個人的にはなかなかとっぴで、その点は結構好きでした。
想像妊娠のくだりとか、よかったです。
- 18 大切な忘れ物 (採点:3)
- 短いながらもうまくまとまっていましたが…。
もうちょっと何かほしかったかなぁ、という感じ。
せっかく中篇部門でいろいろかけるのですから。
あと文頭は一文字あけてください。
- 19 もう一人いる (採点:2)
- ネタとしてイマイチだったかなぁ、と。
もうちょっと文章とかいろいろがんばってほしかったです。
- 20 ボート (採点:7)
- >「そしたら栞ちゃんがものすごい目を輝かせながら色々聞いて来るんだよ。馴れ初めとか、デートの仕方とか。だから、俺の脳内でシミュレートされていた出来事を話してあげた。めっちゃ喜んでたよ。『ドラマみたいです!』って」
爆笑しました。
あと最初の部分が微妙に好きでした。
ただ告白シーンはもうすこし描写がほしかったかなぁ、と。
それが残念でした。
- 21 終わりの時 (採点:2)
- もうちょっといろいろ書き込んでほしかったというかなんというか。
あと名雪の心情も書ききれていなかったかなぁ、と思います。
それが残念でした。
- 22 恐怖のお料理合戦 (採点:6)
- 美汐と香里の勝負がほのぼのとしていてよかったです。
楽しめました。
- 23 ライク (採点:8)
- 途中でおわられたーーーーっ。
設定はめちゃくちゃ好きです。だけどだけどだけどっ。
途中でおわられたーーーーっ(激泣
ほんとに面白かっただけに残念です。
- 24 湯煙温泉旅紀行 (採点:3)
- オチは結構好きです。
ただ、途中やや冗長だったかなぁ、と。
車のシーンとか別に説明いらないような気がしますし。
それが残念でした。
- 25 太陽の眺め方 (採点:10)
- ある一冊の少女漫画からはじまる、って言う設定がいいですね。
なかなかに洒落た設定で、最後の天使の羽の表現もまたしゃれていて全体的に非常にいい感じになっていました。
あと、最後の
>『へ? 何を?』
>「結婚おめでとう」
>『は? 何よ。今更』
>「まぁ、こっちにも色々あるんだよ。でさ」
ここが秀逸ですね。
もうよかったです、最高でした。
○Ichi さん
- 04 グリーンスリーブスが聞こえる (採点:6)
- オルゴール調のものをBGMに読みましたが、確かに良い感じでした。途中までは。
終盤、『あの子』が戻ってくるハッピーエンドと、BGMが少し解離気味感じました。
コンペで使うのはいささか問題があるようにも感じます。
BGMが印象的過ぎて、肝心の文章のイメージが強く残りませんでした。
先に述べた、BGMと結末の解離が、これを助長しているのかもしれません。
全体的にみると、中盤まで非常に良質の「演出」だっただけに、惜しいと感じました。
- 06 友人以上恋人未満から (採点:6)
- お笑い分が、コメディというよりギャクに近いですね。
栞とその連れが出てきてからは、かなり釣り合いが取れてると思いましたが、
その分、序盤の香里のモノローグで受けた印象とのズレを強く感じました。
コンペ作品と言う事で、作品の方向性などを迷われたのでしょうか?
少々、作品の『色』のまとまりが無い様に感じました。
なお、この作品の香里嬢は非常に可愛く、大変美味しゅう御座いました。
ご馳走様です。
○KATUO さん
- 01 左手で繋ぎたい (採点:4)
- うーん。
最後の数行を書きたくて無理矢理事故の話を入れたように見えてしまいます。
加害者の女性は一体何のために出てきたんだかって感じです。
プロローグでさりげなく伏線入れてるのには感心しました。
- 02 サンダルが飛ぶ夏 (採点:9)
- タイトルに惚れて真っ先に読んだんですが、それに負けず劣らず中身も素敵な話でした。
ラストは予想外でした。てっきり目が覚めると思っていたので……。せっかく思い出したのに忘れちゃうなんて残念です。切ない話ですね。
あと、話の設定が自分のとかぶりまくっててとても焦りました。
読んでる最中、「絶対勝てねー」とか思ったり(笑)。
- 03 雪の世界より愛をこめて (採点:7)
- またすごい話を……。
最初は「はあ?」って感じでしたが、思いのほかよくできているのでビックリしました。
ただ、主人公が地球を庇う理由がよく分かりませんでした。
北川が失踪してから10年間も何も行動を起こさなかった火星人にも疑問が残るところです。
- 04 グリーンスリーブスが聞こえる (採点:8)
- 真琴が戻ってきた理由が安易だなあとは思いましたが、全体的にはなかなか感動的でよかったです。
この民謡、グリーンスリーブスっていうんですね。昔からよく耳にする曲だったけど、名前は初めて知りました。
お話の雰囲気ととてもよくあっていたのではないかと思います。
作中の日本語詩もすごくよかったです。でもどうせなら作詞にも挑戦してほしかったなあとも思ってみたり。
あと、途中の「なんでやねん」はおもしろかったけど、話の雰囲気を壊しているとも感じてしまいました。
- 05 ネバー・エンディング・ストーリー (採点:8)
- ジャンルが近未来ってどんな話なのかなーって思っていたんですが、うおお、すごい話ですね。
香里がとってしまった行動には「むむー」って感じですが、それ以外はなかなか楽しめました。
- 06 友人以上恋人未満から (採点:8)
- 香里と北川の性格に違和感を感じましたが、ふたりともかわいいからいいや。
初デートにラーメンなんていいですね(笑)。あのシーンはふたりの関係がとてもよく出ていたと思います。
でも誕生日プレゼントにシステム手帳はどうかなーとも思ったり。
雪だるまの中に北川が隠れているのも容易に予想できてしまいました。そこだけがちょっと残念です。
- 07 僕と、シオリと、スケッチブックと。 (採点:6)
- 普通にだまされました。
幽霊ものかと思いきや、おお! って感じです。
だけど、んー、それ以上の何かを感じることができる話ではありませんでいた。
主人公にあまり共感できなかったことが残念です。
- 10 硝子の向こう (採点:4)
- なんか地味な話でした。せっかく運動会してるのに、全然盛り上がっていないような。
ガラスのかけらがどんなふうにストーリーに絡むのかと期待していたのですが、最後まで浮いているような感じが拭えなくてちょっと残念です。
栞の口調にも違和感がありました(これは好みの問題なんですが)。
- 16 お別れのキスのことばかり考えていた (採点:10)
- 祐一のキャラにちょっと違和感がありましたが、話自体はすごく好きです。
テンポがよすぎる文章には憧れを抱きました。
あと、話の展開が自分のとかぶりまくっててとても焦りました。
読んでる最中、「絶対勝てねー」とか思ったり(笑)。
- 20 ボート (採点:4)
- ちょっと香里と北川の性格に違和感ありすぎです。
プロポーズのシーンは雰囲気も何もなく、一体どこらへんがプロポーズ?? って感じでした。
- 21 終わりの時 (採点:2)
- むー。これはちょっと……。
どいつもこいつもドライすぎます。
名雪の気持ちとかが全く伝わってきませんでした。
「えー、やっぱりそうなの?」とか。いくらなんでも軽すぎるだろ(笑)。
名雪が地の文で真琴のことを「あの娘」としか呼ばないのには何か理由があるのかと思って読んでいたのですが、そういうわけではないのでしょうか。自分の読解力がないだけ?
真琴が目の前にいるのに「あの娘」と呼んでいるのにはさすがに違和感がありました。
- 22 恐怖のお料理合戦 (採点:8)
- KANONSSでありがちな設定だとは思うのですが、話はなかなかおもしろかったです。
どのキャラもいい味出していますね。
- 24 湯煙温泉旅紀行 (採点:3)
- んー、これは……。
好みの問題なのでしょうか。どうも自分には合わなかったようです。すみませんでした。
- 25 太陽の眺め方 (採点:5)
- 最初と最後のフレーズはハチクロですかね。話の中身もなんかハチクロっぽい。
北川が最後に香里に思いを伝えるのはあまりいい気分がしませんでした。未練タラタラな感じで。
だけどこれがまたハチクロっぽくもあるんですが、でもねー。
あと、切り倒された木なんですが、わずか数年で立派に成長する木なんてあるんでしょうか。
○LM_STACK さん
- 01 左手で繋ぎたい (採点:5)
- 重大事故にならずに何よりです。
祐一の左手での生活の描写が非常に丁寧なのに感心しました。
ただ、「だって俺がまったくおんなじことを考えてしまうくらいだからな。」に至る
あゆの心情描写が抜けているようです。
- 02 サンダルが飛ぶ夏 (採点:5)
- 情景描写にかなり力が入っていますが、
物語そのものはシンプルで分かりやすいですね。
- 03 雪の世界より愛をこめて (採点:8)
- バラバラになってしまいそうな、色々なネタの羅列を、
SF風にすることで一つの物語にまとめた技量には感心してしまいます。
- 04 グリーンスリーブスが聞こえる (採点:4)
- 皆の想いを合わせれば、消えた妖狐が戻ってくるというお話ですが、
終盤で丘に集まる人数が増えて来ないと「あの子」が戻って来ないという点で、
真琴との差別化を図ったという印象があります。
- 05 ネバー・エンディング・ストーリー (採点:4)
- かなりの容量ですが、内容はSF仕立てのKanonの後日談と言った所ですね。
人形の正体は、祐一があゆに渡した天使の人形なのでしょうか?
- 06 友人以上恋人未満から (採点:5)
- 勢いで北川と付き合い始めた香里ですが、
最初は乗り気でなかったのが、段々と変化していく様子が伺えます。
ただ、タイトルとnextタグの入れ方は、もう少し洗練されていてもいいと思います。
- 07 僕と、シオリと、スケッチブックと。 (採点:5)
- 多重人格症寸前の香里を描いた、なかなかグロテスクな話ですね。
- 08 潜入捜査Kanon・僕らのたい焼きドリーム〜記憶の中のエンジェル〜 (採点:10)
- 何だか、ウィザードリーの迷宮のような世界に迷い込んだと思いきや、
いつの間にか、夢の世界に入り込んでいるという、
テキストでのモーフィングという不思議な感覚を味わえました。
- 09 鬼さんこちら (採点:5)
- 原作の改変はあるものの、物語の構造が面白いですね。
次回は原作改変なしで挑戦してみては如何でしょうか。
- 10 硝子の向こう (採点:5)
- ガラスの破片が何を意味するのか?
かなり抽象的なお話ですね。
アーサー.C.クラーク著の「2001年宇宙のオデッセイ」という小説で、
ボーマン艦長によって引き抜かれたHAL9000のボードがボーマン艦長の周りを浮遊する様子や、
ラストの方でボーマン艦長の記憶が全て引き出されて保存される場面を連想させる作品ですね。
ただ、香里と栞は小学校では同学年ではないと思いますよ。
- 11 春を夢見る狐達 (採点:4)
- ぴろは、かつて美汐のもとに現れた妖狐という設定ですね。
妖狐が消えるのは試験中だからということにすると、
真琴が水瀬家に定着するタイプのお話の辻褄が合うということになりますね。
物語自体はプロローグとエピローグ以外は、
ぴろ視点での真琴シナリオですが、改行が少ない方が読みやすく感じます。
- 13 いつかムラムラする日。 (採点:4)
- 不思議な雰囲気のオムニバスですね。
ただ、一人づつの話が長いせいか、テンポが悪くなっている感じがします。
でも、最後に佐祐理が花束を持って現れてから名雪がコマネチをするまでの展開は
よくできていたと思います。
- 14 ――僕らの昨日が見ていた未来は―― (採点:7)
- 「おばさん」と呼ばれたことに対する復讐を、
手の込んだ造りで見せてくれましたね。
- 15 【決別】 (採点:3)
- 残念ながら、私には街中を歩きながらの回想録という以上の意味が感じられませんでした。
- 16 お別れのキスのことばかり考えていた (採点:1)
- 最初は訳が分からなかったのですが、佐祐理の一弥に対する想いと、
祐一のあゆに対する想いをオーバーラップさせたというところでしょうか。
祐一が高校3年間転校なしであゆの記憶を封印していないという原作の改変と、
読み難さを勘案してこの点数になってしまいました。
- 17 天野がオバサンくさいワケ〜"あの子"と呼ばれた仔〜 (採点:5)
- 美汐が年齢不詳というアイディアは斬新ですが、
序盤は省略しても良かったのではないかと思います。
- 18 大切な忘れ物 (採点:6)
- 簡単に言うと名雪の一言が、祐一やあゆの迷いを払拭してしまう話ですが、
余計な部分が無く、読後感が良かったです。
- 19 もう一人いる (採点:5)
- 話のほとんどは、最後の艶話へのアプローチだった訳ですね。
名雪の父親が生存しているという設定は、かなり珍しいと思いますが、
名雪だけ相手が居ないのは可哀想ですね。
- 20 ボート (採点:5)
- 予定調和的ですが、よいお話でした。
北川君が病院を訪れていたという設定が珍しいですね。
- 22 恐怖のお料理合戦 (採点:6)
- 香里が麻婆豆腐に飲み込まれるという場面が斬新なお料理ギャグ。
なかなか楽しめました。
- 23 ライク (採点:5)
- タイトルの由来は、She like Ayu.でしょうか?
重たい雰囲気で話を、最後で転換させたのが良かったですね。
- 24 湯煙温泉旅紀行 (採点:6)
- 何と言う結末だ…
というのが正直な感想ですが、ディテール描写が詳細なのは良かったです。
ただ、陸自だったら、輸送用には日本車を買うと思いますけど、
『■■自■■』は何なのでしょうか?
あと、十月十日は太陰暦基準なのですが…
- 25 太陽の眺め方 (採点:10)
- 情景描写、心情描写ともに丁寧で、
なおかつ、それらの配分がバランス良くできていると思います。
○Manuke さん
- 01 左手で繋ぎたい (採点:5)
- 最後の段落に少々問題があるように感じられます。
>だから……だと思う。
の文章で、それが祐一の考えであることを明記してしまっているため、続く文章がトートロジーに見えてしまいます。
ここはあくまで、祐一があゆの思考を想像している部分とすべきではないでしょうか。
お話そのものは、適度なほのぼの感が良いですね。
ただ、台詞と地の文が同一行に続いたり、読点が不足している箇所があったりと、少し息苦しい印象がありました。
- 02 サンダルが飛ぶ夏 (採点:9)
- お話のタッチはやや新鮮味に欠けるところはありましたが、締めが鮮やかです。
祐一の感情の吐露に胸を突かれます。
ただ、前半の北川君が少し便利過ぎるように感じました(^^;)
- 04 グリーンスリーブスが聞こえる (採点:3)
- うむむ……。
取りあえず、指示通り『グリーンスリーブス』を聴きながらSSを読んでみましたが、曲の方に意識が行ってしまい文章はあまり印象に残りませんでした。
少なくとも、私にとってこの指示は逆効果でしかなかったようです。
後半で参加する人の輪が広がっていく点は良かったものの、「真琴の帰還→美汐が複雑な思い」というパターンのお話は多いので、真新しさは感じられず……。
あと、『おでん種』のネタは少々浮いている感がありました。
- 05 ネバー・エンディング・ストーリー (採点:9)
- 北川君SF繋がりですね。仲間仲間〜。
え? 一緒にするな?(^^;)
さて、いくつかツッコミをさせていただきます。
「光回線を使えば、ほぼ誤差なしの映像電話を引くことが出来る」という記述がありますが、これは通信タイムラグのことですよね?(違ったらごめんなさい)
月−地球間は38万キロメートルの距離があり、光でも往復で二秒半(通信機器によるディレイを考えればもっと)かかります。テレビの衛星中継等をご覧になれば分かる通り、会話は困難を伴うことでしょう。「ほぼタイムラグなし」と言うには少々無理があるかと思われます。
(とか言いつつ、自分のSSではちゃっかり超光速通信(^^;))
それから、香里が試みた「人工衛星からの大規模な有害ウイルス散布事件」ですが、これもかなり難しいですね。
人工衛星から地球へ物を落とすのは、そう簡単なことではありません。人工衛星からウイルスをばらまいても、多少軌道が変わるだけで、ウイルスは人工衛星の軌道近くに留まるはずです。地球に落下させるには、かなり加速する必要があります。
また、仮にウイルスが地球へ落下したとしても、速度が大きいために大気との摩擦で燃え尽きてしまう可能性が高いのではないでしょうか。
(だから失敗した、とも言えるかもしれませんが)
とは言うものの、お話の展開はとても面白いと感じました。香里の脆さをこうした行動で表現するのは、少々突飛ですがKanonのSSとしても悪くないです。
また、個人の悪意による全人類規模の災害もなかなか考えさせられる部分ですね。
- 06 友人以上恋人未満から (採点:10)
- ば、馬鹿過ぎる……(笑)
いや、面白かったです。取り澄ましているようで自爆系の香里や、純朴な北川君、元祖バカップルもいい味を出してますねー(^^;)
楽しく読ませていただきました。
- 07 僕と、シオリと、スケッチブックと。 (採点:7)
- お話の出来自体が悪いというわけではないのですが……。
名字の『美坂』が漢字で名前の『シオリ』のみがカタカナだと、この時点で『彼女』が美坂栞ではないのだろうというヒントになってしまいます。
スケッチブックがらみの部分も少し意外性に欠けるかな?
物語の展開は良い感じでした。
- 08 潜入捜査Kanon・僕らのたい焼きドリーム〜記憶の中のエンジェル〜 (採点:2)
- んー、ごめんなさい。夢オチはちょっと……。
夢オチはどんなお話も落とすことができる究極の仕掛けだからこそ、使い方には慎重を期すべきです。
色々と意味深なのは良いのですが(「届かない場所を……」とか)、「祐一個人の夢」と捉えてしまうとそれも色あせてしまいます。
- 09 鬼さんこちら (採点:10)
- 二重の意外性がとても面白かったです。
読後に改めて見ると、題名も切ない感じが良いですね。
ただ、10年前の話は改変せずとも整合性を取ることができたのでは?
- 10 硝子の向こう (採点:6)
- 「どうして百貨店?」と素で悩んでしまいました。百花屋のことですか(^^;)
原作の状況を考えると、栞が小学校で運動会に参加するのはあり得ないんじゃないかと。
ほとんど外に出ることも許されなかったわけですし、普通に学校に通える状態だったら、香里と一緒に学校へ通うことが「たったひとつの夢」になることもなさそうです。
展開は少し地味な印象ですけど、お話はそのものは悪くはないですね。
- 11 春を夢見る狐達 (採点:4)
- お話の流れはなかなか悪くないのですが……。
ちょっと原作を引用した部分が多いように思います。二次創作としては少々どうかな、と。
それから、やや狐達の表現が擬人化されすぎているようにも感じました。あくまで個人的にはですが、真琴が人間性を失っていく悲しみが真琴シナリオの肝だと思っていますので。
ぴろのキャラクタ付け自体は健気で良い印象です。
- 13 いつかムラムラする日。 (採点:3)
- ???
なんといいますか、リアクションに困るお話です。どうフォローしたものやら(^^;)
決してつまらなくはないんですけど……。
場面転換が分かりづらい箇所が多数ありました。
- 14 ――僕らの昨日が見ていた未来は―― (採点:2)
- う、うーん……。
全く面白くないというわけでもないんですが、壊れ系なのにも拘わらず展開に意外性がないのは少し残念です。
あと、「シチューとジンギスカン」の辺りがやや意味不明でした。真琴の状況がよく分かりません。
- 15 【決別】 (採点:4)
- 全体的な流れは良いのですが、文章がややこなれていない印象がありました。特に読点が少々不足している印象があります。
地の文が一人称なのか三人称なのか分かりづらく、また話し手にもぶれがあるように見えます。
加えて、個人的には「超えられない壁」のようなネタは微妙です(^^;)
- 16 お別れのキスのことばかり考えていた (採点:6)
- ごめんなさい。私には退屈なお話でした。物語自体の出来は良いのですが……。
主観的な採点ですみません。
- 17 天野がオバサンくさいワケ〜"あの子"と呼ばれた仔〜 (採点:3)
- うーん、「オバサンくさいワケ」のネタは面白いと思うのですが……。
独自設定が多いために、SSとしては今一つ楽しめませんでした。
あと、誤字等が少々見られました。ご注意を。
- 18 大切な忘れ物 (採点:5)
- このお話は三人称ではなく祐一の一人称向きかと。祐一の心情が地の文に多く表現されていますので。
少々物足りない印象はあるものの、お話の流れは悪くないですね。
- 19 もう一人いる (採点:1)
- うーん、ごめんなさい。面白く感じられませんでした。
どんでん返し的な効果を狙ったのかもしれませんが、ちょっと唐突すぎて……。
あと、名雪の役所が可哀想です(^^;)
- 20 ボート (採点:7)
- お話の展開はなかなか悪くないですね。最後の段落が良い味を出しています。
ただ、北川君が何でも知っていて香里の全てを理解できるキャラクタという印象で、やや都合が良すぎるようにも感じられました(^^;)
- 21 終わりの時 (採点:2)
- うむむ……。
意図されたことではないと思うのですが、登場人物達の言動がかなり無神経に感じられました(特に名雪)。
お話の展開そのものは悪くないのですけど……。
- 22 恐怖のお料理合戦 (採点:8)
- お話のタッチが軽快で楽しめましたが、オチが今一つ決まっていない感があります。
中盤の盛り上がりに比べると、少々パンチが効いていないという印象でした。
- 23 ライク (採点:8)
- 「別れて終わり」というパターンでなかったのは良かったのですが、展開にもう少し何か、予想通りではない要素が欲しいです。
あと、やはり祐一の抱える葛藤の解決があっさりし過ぎているのも少々気になりました。
- 24 湯煙温泉旅紀行 (採点:1)
- う、うーん……。
少々きつい書き方になってしまって申し訳ないですが、正直に言わせていただくと読むのが苦痛でした。
ここまで妄想全開なお話だと、ついていけない読み手は引いてしまいます。
あゆと真琴は名雪の引き立て役以上の存在ではありませんし、肝心の名雪も台詞が少ないため魅力を表現できているとは言い難いです。
また、露天風呂で四人の体を描写する箇所がありますが、表現の幅がないために似たり寄ったりの文章になっているのは大きなマイナス点です。
- 25 太陽の眺め方 (採点:4)
- うーん、新婚さんを朝早く起こしてその告白は、少々無神経なんじゃないかと(^^;)
それから、お話にいくつかツッコミどころがありました。
まず『大きな木』ですが、話の流れから推測すると移植されたのではなく成長したようですけど、いくらなんでも十年程度で大木にはならないと思います。
それから、名雪の「だよ」が多すぎです。だよもん星人にしても限度というものがあります。
また、重箱のすみ突きですが名雪が司会をしたのは結婚式ではなく披露宴ではないでしょうか。
ストーリーの流れ自体は悪くないと思います。
○Natsu さん
- 01 左手で繋ぎたい (採点:4)
- よくまとまってます。
内容の軽さを考えると短くしたのは正解でしょうね。
- 02 サンダルが飛ぶ夏 (採点:4)
- 祐一と北川の会話が軽すぎて読み飛ばしたくなります。テンポのよさもやりすぎると深みがなくなりますね。
すらすら読めたけど内容は記憶に残りませんでした。
オチもいまいち理解不能。あゆは結局どうなったんでしょう?
- 03 雪の世界より愛をこめて (採点:5)
- これはシリアスなのかギャグなのか……。
最後に触覚が出てきたときは吹き出しました。あそこは笑うところでいいんでしょうか。
それはともかく、原作に出てくる設定は触覚やジャムといった小ネタが多く、根幹をなす部分はほとんど出てこないため、無駄に複雑なSF的要素と相俟ってギャルゲー二次創作としてはとっつきにくいです。普通に一次創作のほうが良かったと思います。
- 04 グリーンスリーブスが聞こえる (採点:4)
- 演奏者が集まるという演出はよかったですが、ストーリーは単調で退屈でした。
グリーンスリーブスというのは全く知らないので1ページと2ページの印象は最悪です。
ところで狐の前で名前を言ってるような描写はないのに何故目覚めた妖狐は美汐の名前を知ってるのでしょう。
- 05 ネバー・エンディング・ストーリー (採点:5)
- 手紙を読むだけの内容、というのは面白い試みだと思います。
長すぎるのが欠点ですかね。ただ手紙を読むだけだったらもっと短く纏めたほうがいいと思います。
- 06 友人以上恋人未満から (採点:5)
- 香里がキャラ変わりすぎというか、文章に作者の癖が出すぎて悪い意味で気になります。
そんなわけで香里の心境の変化を可愛いとは思えず。でも北川は可愛いです(笑)
北川視点バージョンも見てみたいですね。
- 07 僕と、シオリと、スケッチブックと。 (採点:9)
- ミステリとしてはほぼ完璧な構成です。読めば読むほど味が出るというタイプの作品ですね。
幽霊というオカルトな題材ながら結末ではしっかり説明がついてるし、読み返してみると、年上と言われたときのシオリの反応や髪の長い女が来る直前のシオリなど、初読では気づかなかった伏線が随所に見られて感服しました。
文章にいたっては言う事ありません。適度に読みやすく、それでいて作品の雰囲気に合ったやや詩的な表現。文句なしに上手いです。
ただ、名雪の髪の色を描写できなかったのはちょっと痛かったかと思います。まあこれは大した意味も無く変な髪の色にするゲーム設定が悪い、と言っておきます(笑)。
それからページを分けたせいで終わりが見えなくなってるので、分けないでほしかったとは思います。
- 08 潜入捜査Kanon・僕らのたい焼きドリーム〜記憶の中のエンジェル〜 (採点:2)
- 一言で言って期待外れでした。
唐突な展開のオンパレード。収拾をつけるには夢オチしかないでしょうね。
- 09 鬼さんこちら (採点:4)
- 面白そうな雰囲気はあるのですが、設定が複雑すぎて飲み込めません。
舞シナリオに名雪を入れる必要はあったんでしょうか。余計複雑になっただけのような。
- 10 硝子の向こう (採点:4)
- 硝子の破片がモチーフとして使われてるようですが、意図が読み取れませんでした。
普通にスポーツ大会の話として書いても良かったんじゃないでしょうか。
- 11 春を夢見る狐達 (採点:4)
- 兄妹と関わってきた美汐と祐一がたまたま同じ学校の知り合いだったり、気絶していたぴろを記憶を失ってるはずの真琴が偶然見つけたり、あまりにも偶然が多すぎると思いました。
ミステリなんかでは偶然と思われた現象には大抵は何らかの根拠があるものですが、この作品でも読者が納得できるような理由をつけてほしかったです。
- 13 いつかムラムラする日。 (採点:1)
- どれもこれも中途半端でどう楽しめばいいか分かりません。
栞や舞が死んだ意味はあったんでしょうか。
- 14 ――僕らの昨日が見ていた未来は―― (採点:4)
- 壊れすぎのノリについていけませんでした。
ついでに一つ突っ込み。
>嬉しさ半分、気恥ずかしさ半分、未知なる恐怖半分
多すぎですよ。
- 15 【決別】 (採点:3)
- 一行ごとに改行を入れるのは如何なものかと。
読みにくいのもありますが、場面転換のための改行と区別が付かないです。
名雪以外のキャラがほとんど描かれないのもちょっと。何故舞を差し置いて佐祐理を選んだかぐらいは描いてほしいです。
- 16 お別れのキスのことばかり考えていた (採点:1)
- 私には理解不能な領域でしたとだけ言っておきます。
- 17 天野がオバサンくさいワケ〜"あの子"と呼ばれた仔〜 (採点:1)
- よくわかりませんでした。
- 18 大切な忘れ物 (採点:5)
- 悪くないです。
あとは文章作法を守っていただければ。
- 19 もう一人いる (採点:5)
- 内容的には一発ネタですね。タイトルの意味は次郎さんと見せかけて名雪でしょうか。
ラストの名雪の行動を暗示するものがあればもっと良かったと思います。
- 20 ボート (採点:7)
- 軽快で面白い文章に適度な長さ。中編らしい中編ですね。お手本にしたいです。
良くも悪くも捻った作品の多いこんぺでこういうのがあるとホッとしますね(笑)。
- 21 終わりの時 (採点:2)
- 祐一と名雪のセリフが無感情すぎます。
真琴シナリオ嫌いなんでしょうか?
- 22 恐怖のお料理合戦 (採点:3)
- 料理が壊滅的に下手というのは食傷気味であります。
登場したと思ったらいきなり退場した天野父。いる意味なしと思われる栞。香里はまあいいとして、あまりにも原作と違う美汐。
悲嘆にくれていた美汐を北川が救ってくれたようですが、それならなぜ祐一と会った当初の美汐はあんなにも影を帯びていたのか。
KanonのSSと呼ぶにはいろいろと粗が多すぎるように思いました。
- 23 ライク (採点:5)
- 新しく会った彼女はあゆに似ていた、という設定ですが、生かしきれていないように思いました。
祐一があゆのことで悩んだのは最初だけで、その後は以前の明るい祐一に戻ってますし、彼女も結局外見が似てるだけであゆとはなんら関係なかったし、途中で出てきた北川も名雪もほとんど何もしてないし、最後のほうで彼女にあゆのことを打ち明けてからもあっさり吹っ切ってますし、おまけに『過去の亡霊』と切り捨てる始末。
祐一にしても綾香にしてももっと葛藤を描いてほしかったです。
名雪もストーリーをオリキャラオンリーにしない可能性のある貴重なキャラですし、もっとちゃんと描いてほしかったです。
まあそういった設定の問題を除けば悪くはないと思います。
味気なくはありますけどそれをカバーするだけの文章力はあると思いますし。
ところで一つ気になったのですが、髪の細さって見ただけでわかるんでしょうか?
- 24 湯煙温泉旅紀行 (採点:7)
- 軽い筆致ながら完成度が高くて驚きました。
良質なコメディで、それでいて破綻もなく、やり過ぎな描写もない。物語としての線引きが見事です。
オチだけは今一つ。
- 25 太陽の眺め方 (採点:6)
- いいですね。
失恋した北川と名雪が魅力的に描けてますし、祐一と香里を敢えて影薄くしたのも上手くいってると思います。
景色の描写はいまいち伝わってこなかったです。実際に見ないとわからないとは割り切れましたが。
○PFR さん
- 01 左手で繋ぎたい (採点:3)
- 原作とは無縁の事故から始まる、という点にかなりの不自然さを覚えました。もっと長い話ならそれを起点として物語を展開させるという手段も使えるのでしょうが、この長さの掌編では、そこだけやけに非Kanon的(現実的)に感じられることも相俟って、そのまま隙になってしまっているように思います。
- 02 サンダルが飛ぶ夏 (採点:4)
- 申し訳ないですが、ところどころ面白かったり切れがあったりはするものの、それが全体を通してどんな意味を持つのかを理解することがほとんどできませんでした。ので、感想は、面白いっぽいけどよくわかんない、というものになってしまいます。
- 03 雪の世界より愛をこめて (採点:9)
- これは凄い。Kanonの世界観が、外側の視点から見ると如何に突っ込みどころ満載なものであるのかを諧謔的に描写しつつ、実は冷静なふりをしていた観察者が一番笑えるというアクロバットを最後に仕掛けることにより(そうするまでもなくハードボイルドな異星人という設定自体がギャグですが)、話全体がギャグとしてきちんと昇華しています。
個人的にツボだったのはあゆの抜け癖。そんな脱臼にたとえられても(笑)。
- 04 グリーンスリーブスが聞こえる (採点:6)
- 文章は、リーダビリティは確かに高いかもしれないけどでもそれだけだなと感じられてしまいました。あと特に序盤に顕著ですが、オカリナという言葉が頻出しすぎてしつこいですし、オカリナを吹くという言い回しの多さはそれに輪をかけて不自然です。
内容について苦言を呈するとすれば、登場人物に行動を決意させるきっかけに夢を用いるのは考えが足りないようにしか思えないこと、後日談が欲しいなということ、の二点でしょうか。もっとも、ありきたりな帰還ものではありますが、みんなで集まってグリーンスリーブスを歌うというシチュエーションにはとても良いものがあると思いました。個人的には、歌を歌い楽器を演奏するという行為自体についてもっと描写を尽くしてくれれば更に面白くなった気がしますが、今のままでも十分好きです。
- 05 ネバー・エンディング・ストーリー (採点:5)
- マンデーなのかサタデーなのかは明らかすぎるケアレスミスなので割とどうでもいいとしても、微妙なリアリティの欠如を感じるのですよね。人工衛星からウイルス撒いて地上に届くのかな、とか、会社名や社長の名前を無理に出さない辺りに作者の影が感じられる、とか、スイス銀行なんて銀行ないよ、とか、世界中の捜査機関の目を欺いて子供を隠蔽するなんて無理だろ、とか、月で人が生まれて健康大丈夫なんだろうか、とか、そもそもわざわざ月に住まなきゃいけない理由がよくわからない、とか、気にしなければそれまでの何気ない箇所を詰め切れていないことが、全体の完成度にかなり悪影響を与えていると思います。
- 06 友人以上恋人未満から (採点:6)
- 「本日のあたしは随分とオシャレさんである。」で萌え死にそうになりました。そうか、オシャレさんなのか。
北川のことを恋人として見ることのできない香里の思考が、あまり頭良く見えなくて不自然だと感じられました。具体的には、人間の感情を機械的に二分することが可能であるということを素朴に信じて疑っていない点が、です。
ともあれプロットとしては普通のラブコメですが、それを下地にして展開される文章や掛け合いがいちいち面白おかしいので、とても楽しく読めました。
- 07 僕と、シオリと、スケッチブックと。 (採点:7)
- わざわざシオリと表記しなきゃいけないわけがあるんだろうなーと考えて、叙述トリックを用いるにあたってアンフェアにならないようにするという以外に理由を思い浮かべることができず、だとすると美坂は漢字で書いているからシオリの正体は香里だろうと考えて読み進めていったら、まさにそのとおりだった。という感じなので、狙われているであろう効果は発揮されなかったように思います。それが欠点であるとは思いませんが。欠点というなら、偶然名簿を発見したり偶然名雪を街中で見かけたり、というふうに偶然が目立つことのほうが気になります。あと香里がちょっと感傷的すぎる気もします。
とはいえそれらは些細なことで、非常に上手で面白い作品であったと思います。個人的に凄いなと思ったのは、名雪がきわめて自然に大人なキャラとして描かれていること。それと「そして、僕は幽霊を見た。」という言い回しが何故だか気に入りました。
- 08 潜入捜査Kanon・僕らのたい焼きドリーム〜記憶の中のエンジェル〜 (採点:1)
- 申し訳ないのですが、徹頭徹尾つまらなかったです。
とりあえず一つだけ印象に残ったところを挙げますと、「さわさわと麦稈のすれる音。おかしいくらいのノスタルジー。微風のそよぐ穂群に囲まれて、どうしようもないほどの胸苦しさが迫ってくる。」。別に麦でも夏草でもいいですが、夕暮れに一面の原っぱという情景は、本当にそんなものを見たことがあるわけでないにもかかわらず脊椎反射的に郷愁を呼び起こす装置だなということを再認させられました。ひょっとしてこういう諧謔なり皮肉なりを狙ったSSだったのでしょうか。
- 09 鬼さんこちら (採点:7)
- かなりの文章力で、刀身に映り込んだ月光の描写などはただ目を見張るばかりなのですが、部分的に大仰すぎて少し自重したほうがいいのではと思うところがないではないです。
内容は、独自解釈なのでやむをえないところではあるでしょうが、多少説得力を欠いているように感じられました。原作と距離が離れすぎているのもSSとしては褒められたことではないと思います。ただ、だからこそ普通にはない想像力の飛躍やミステリ的な面白さが立ち現れているとも言えるので、一概に批判だけはできないのが難しいところです。
- 10 硝子の向こう (採点:4)
- 百花屋ではなく百貨屋の券を貰ったところで、ようやく自分が勘違いしていたことに気付いて落胆する名雪、という落ちを予想していたのですが違ったようです。
破片の比喩があまり上手くない気がしてしまって、更に「破片」という言葉を使いすぎで文章としてもあまり巧みであるとは思えず、印象はあまりよくありませんでした。本筋も、スポーツ大会とか百花屋とかの脇道に逸れすぎていて、少し冗長な感じを受けました。丁寧に書かれている、とは思うのですが。
- 11 春を夢見る狐達 (採点:3)
- 試験だとか夢見の法だとかが出てくるたびに、それについての説明が説明にのみ留まってしまって、物語の流れが滞っているように思われます。加えて夢見の法の設定から、真琴の復活という予定調和に物語を押し込めようとする意図があからさまに見て取れ、緊張感を欠いているとも感ぜられました。兄の狐がぴろだったり美汐のもとにやってきた妖狐だったりするのは結構面白いアイデアだと思ったのですが、どうにも上手く使いきれていないという印象です。
- 13 いつかムラムラする日。 (採点:6)
- 最初の一文で麻耶雄嵩を思い出したのですがあまり関係ないですかそうですか。
プロットだけを抽出すると、ごく普通のオールバッドとそこからの再生を描いた話、ということになってしまうわけですが、ごく普通などというものからは程遠いことは一読して明らかですから、内容の要約や意味の理解はこの作品にとってはほとんど無意味である、ということになるのではないかとか思います。微妙に崩れた文章、一見どうでもいいところに対する異様な執着、入り乱れる現在と過去、まるで中身のない会話、など、もっと表層的な領域において言葉と戯れているといった風情です。表層的っていうのは無論のこと褒め言葉。
もっとも、あまり精度が高いとは思えなかったのですが。時間なかったのでしょうか。
- 14 ――僕らの昨日が見ていた未来は―― (採点:4)
- 全体としては意味不明に近い感じを受けたのですが、小ネタの連発や、突っ込みなしに流されていく無数の突っ込みどころなどは面白かったです。
- 15 【決別】 (採点:5)
- 途中で放送席とか選択肢とかKITAGAWAとかのネタに走ったのを見て、何この意味不明展開、と思ったんですが、「名雪、お前は明日他の男の花嫁になるんじゃないか。」という一文への布石だったのだとわかると途端に上手いなあと感じられました。そんな感じで、ギャグとシリアスを往還することによる緩急の付け方が見事だったと思います。
もっとも、薄味な感はやはり否めず、悪い意味で印象に残らない話だったのも確かなのですが。
- 16 お別れのキスのことばかり考えていた (採点:8)
- 何を書きたいのかまったくわからないと言ってもいい意味不明さなのですが、その意味不明な曖昧さを結晶化する技術に長けている、と思いました。
- 17 天野がオバサンくさいワケ〜"あの子"と呼ばれた仔〜 (採点:4)
- タイトルはもう少しどうにかならなかったのでしょうか(笑)。
書きようによっては優れた幻想小説になった気もするのですが、現状では、一風変った美汐SS、というのにとどまっていると思います。成程なかなか面白い考え方だなとは思えても、それ以上のものではないというか。
- 18 大切な忘れ物 (採点:1)
- この種の題材は、組織してもっと大きな建造物を構築するなり、想像力を働かせて虚構の中へ象徴として定着させるなりしないと、全然駄目だと思います。お母さん生んでくれてありがとう、という感情は或いは感動的なものかもしれませんが、しかし決してそれ自体が物語であるわけではないからです。
- 19 もう一人いる (採点:2)
- そういう効果のあるジャムを原作で祐一と名雪に食べさせようとしていた秋子さんの真意とはいったい。という推理を働かせるべき結末なんでしょうか。違うか。
ミステリ調なのは好みです。が、確かに名雪の父の生死は原作では不明ですが、名雪の言動から考えて死んではいなくとも縁が切れていることは確実です。したがってこれはアンフェアだと思われます。そういう視点を取り払ってギャグとして読むことも可能ですが、そうすると中途半端な印象は拭えません。
- 20 ボート (採点:4)
- 共依存という言葉が示すとおりの、閉塞感たっぷりのだらだらとした生活の描写は退屈ですが、時折そこに情感のある文章や台詞が紛れ込むことによって織り成されるコントラストは見事。たぶん狙ったのでしょう。その効果が最も出ている最後の一文は、軽々と言っているからこそ逆に重みが出ていて気に入りました。
- 21 終わりの時 (採点:2)
- 真琴消滅の前後を名雪視点で追う、という試みは確かに珍しいのかもしれませんが、それにしたって話は原作そのままで、文体も普通、新たな解釈が加えられているわけでもなし、というのでは、申し訳ないですが何処を楽しめばいいのかわかりかねます。
- 22 恐怖のお料理合戦 (採点:1)
- 大枠のプロットから細部の描写に至るまで、すべてがあまりにもテンプレすぎます。ああこういう話なんだろうなとタイトルから想像される話がそのまま描かれている感じで、そんな何から何まで予想に収まりきった物語が楽しいはずもありません。
- 23 ライク (採点:8)
- 文体にしろタイトルにしろオリキャラにしろ、本来なら避けるべき鬼門へ敢えて突貫しているようで、読む前は嫌な予感しかしなかったのですが、読み終えてみるとなかなかよくできた話だと思えました。世界の残酷さに打ちのめされて立ちどまっていた祐一が、何か明瞭な希望を見出したわけではないけれど、それでもとりあえずは一歩先へ進めた、その姿を等身大に上手く描いている。北川、香里、名雪といったキャラクターの使い方も巧妙です。
気になった点を三つ。一。北川の登場が突然すぎるように感じました。伏線なしに同じ大学だとそのタイミングで書かれても、後付け設定かよ、としか思えません。二。「祐一の中で彼女の存在がだんだん大きくなっていくが、日々感じ取れた」これは一行で済ませて欲しくないです。三。以前KanonSSを書いたとき、登場人物が絶望とか悲しみといった類の単語を自分で用いると自らの立場に酔っているように見える、と指摘されて、成程と思ったことがあります。同じことが、この作品にも指摘できるかと思います。
- 24 湯煙温泉旅紀行 (採点:5)
- どこのエリア88だ(笑)。
エロネタに走る後半よりも、ひたすらウニモグる前半のほうが好きでした。
>「40R! 30L! 50! Flat! Fpoint!」
>「Year!」
> 別次元となった前席の様子に唖然とする祐一。いつの間にか二人は頭にインカムを付けており、息のあったコンビネーションを見せている。
特にここで爆笑(笑)。
- 25 太陽の眺め方 (採点:4)
- 名雪がだよもん星人すぎて不自然きわまりない。
タイトルはありえないくらい秀逸ですが、中身は肩の力を抜いたほうがいいのではないかという印象です。理由はたぶん二つで、第一に、大の大人が浮ついた大仰なこと言いすぎだよみたいな感じが全体的にします。最後の一文などは本当にもう少し良い代替案がなかったものかと。第二に、密度が均一なので、相対的にクライマックスの迫力が欠けてしまっているように思えます。主題と必ずしも関係のあるわけではない結婚式とか名雪との会話とかは、のちの展開を強調するためにももっとさらりと流してよかったのでは。
言葉を重ねていくのはそれはそれで一つの表現方法ですが、短く研ぎ澄まされた表現を峻別して用いることもまた大切なのではないかと愚考します。
○ebi さん
- 02 サンダルが飛ぶ夏 (採点:8)
- 文体が独特で、とても魅力的でした。読み始めて、終わりまでぐいっと一気に引っ張り込まれちゃいました。お見事です。
- 07 僕と、シオリと、スケッチブックと。 (採点:10)
- 読み終わって、くそぅーと思いながら10点をつけました(笑)悔しくなるぐらい、面白かったです。はい。
- 11 春を夢見る狐達 (採点:6)
- かなりツボに入る、凄く素敵な物語でした。
ただ少し残念、そして勿体無いと感じたのが、文章技術でしょうか。私も偉そうなことを言えたものではないんですが、この物語にそれがあれば、おそらく点数も9点、10点になっていたと思います。
いやはや、それにしても凄く素敵で優しい物語でした。
- 20 ボート (採点:6)
- まず香里と北川のやり取りが大好きです。落とし方も好みでした。
ただ、物語に密度は感じるんですが、それが小さな器での濃度のような気がしました。だからこそ、二人のやり取りが生きているとも思うんですが……。容量的にももう一回り大きな枠組みで書けそうなので、そんなことを思ってしまいました。
- 25 太陽の眺め方 (採点:7)
- ハチクロ大好きな私ですが、楽しく読ませていただきました。全体に纏まっているとは思うんですが、もう少し細部に亘って構成、推敲してもらいたかったなあとも思います。
○えびふりゃー さん
- 01 左手で繋ぎたい (採点:4)
- 左手が使えなくなって〜というネタはかなり良いです。
が、せっかくのネタが使い切れてません。
そのため、読んでいてかなり物足りない印象がのこりました。
容量的にも30Kも余裕があるんですから、もっと左手が使えなくなって云々の面白いエピソードをいれて欲しかったです。
終わり方とか悪くなかっただけに余計にそう思います。
- 02 サンダルが飛ぶ夏 (採点:8)
- ちょっと独特の文章回しが人を選ぶかなと思いました。
でも、それは確実にこの作品の魅力とも言えるので個人的にはとても楽しめました。
ただ、それだけに終わり方が……
誰も選ばないエンド後の話で、なおかつこの作品単独でみたとしてもこれ以上とないほどふさわしいエンドだとは思うんですけどね。
でも、ここまでしっかりとkanonを追っかけてるのだから、安っぽくなってもやっぱり奇跡が見たかったと思います。
- 03 雪の世界より愛をこめて (採点:7)
- ものすごいイロモノですね。
たぶん、その所為で評価はあんまりされないんじゃないかとは思いますが、私は結構好きです。
作者さんの原作に対する愛も伝わってきますしね。
ただ、最後の山場である戦闘部分の盛り上げが足りなさすぎます。
あの程度ならむしろ無くても良かったんじゃないかと思うぐらい。
イロモノ系というのはそういう決められる場所で決めておかないと締まりが悪いぐだぐだな話になってしまうので、気をつけたほうが良いかと。
あと、あえて言うならば交信相手関連をもうちょっと掘り下げても良かったんじゃないかなと思います。
最後の方に思わせぶりな事を書いてる割には、全然物語に絡んでこれていないので。
もうちょっとそこら辺のバランス感覚を磨いていけばもっと面白い話が書けると思いますよ。
- 04 グリーンスリーブスが聞こえる (採点:5)
- 作品のテーマとかは悪くないです。
が、全体的に作りが甘すぎます。
とくに、構成が即興で書いたんじゃないかと思うぐらいいい加減です。
はっきりいってエピソードをそのまま並べてあるだけですね。
あと、設定も粗いです。
おそらく大体このキャラはこんなイメージって感じに、頭の中で漠然と描いたキャラクターを使ってるだろうなと思いました。
メインである美汐ですらそうなので、キャラクターが割と曖昧で、そのもっている感情的にも軽い印象を受けました。
一番の話の肝である帰ってくる理由云々の部分も結構あっさり書かれてしまっているのでやっぱり軽いですし。
全体的に爽やかな感じで書き上げた事自体は悪くなかったとは思いますけどね。
ただ、しっかりと書き込まなければいけないところまで爽やか一辺倒じゃ、話にメリハリが無いですよ。
そして、最後。
できれば作中に挟まれる歌詞をなんとかして欲しかったです。
作者さんとしては演出に使ったつもりなんでしょうが、読んでる方から見ればじゃまくさい事この上ない。
別に使う事自体は悪くないと思いますけど、それならばそれで効果的に使って欲しかったと思います。
例えば、地の文に織り交ぜるとか、美汐とその他の人物との掛け合いに織り交ぜるとかね。
現状だと本文自体にグリンスリーブスである必然性に乏しいので余計にそんな感じです。
ネタも雰囲気も発想も悪くないだけに雰囲気で書かないでしっかりと作り込んで欲しかったと思います。
非常にもったいない作品でした。
- 05 ネバー・エンディング・ストーリー (採点:1)
- kanonじゃないですね。
オリジナルの話を書く際に、kanonから自分にとって都合の良い設定だけを拾ってきて、なおかつそれを自分の都合の良い設定に書き替えて制作した話。
まぁ、ちょっと意地悪な言い方になってしまいましたが、事実としてそう形容するのが一番的を射ていると思います。
もっとも、作者さんにはそんなつもりなんか全然無い、つまり無意識でやってる可能性が高そうですが。
そんな感じの作品なので残念ながら本流コンペというこの場では、kanonの二次創作SSとして評価のしようがありません。
真っ正面からkanonに向き合っている他の作者さんに対して失礼になりますので……
まぁ、でも作品としては結構面白かったですよ。
個人サイトとかもっとお祭り的なコンペ等の場所ならばもっと違った評価をしていたと思います。
- 06 友人以上恋人未満から (採点:9)
- 構成も良いしテンポ感も抜群。
かなりラブコメとしてはレベルの高い作品だったと思います。
ただ、一つだけ文句を付けるならば、狙いすぎだという事ですね。
雪だるまのシーンとかその他諸々、少々あざとすぎる上に先が読めます。
だから、そういうシーンでちょっとしらけてしまうんですよね。
そういうところに配慮されていれば、文句なしに十点つけていただけに、残念です。
- 07 僕と、シオリと、スケッチブックと。 (採点:7)
- 全体的にソツがなく纏められていて、非常に綺麗な作品だったと思います。
ただ、それだけにパターンとして先が読めるのが痛いですね。
型にはまりすぎているので作者さんの個性があんまり感じられません。
でも、悪いってほど悪いところもないので評価の仕方がとても難しい作品でした。
- 08 潜入捜査Kanon・僕らのたい焼きドリーム〜記憶の中のエンジェル〜 (採点:2)
- なんというか非常に感想がし辛い作品ですね。
つかみ所が無いというか、落としどころが無いというか
どこまでが故意でどこまでが無自覚でやってるのかも判断しづらいですし。
そんな風にある意味読者をいっさい拒絶するような作品なので、私は好きになれませんでした。
- 09 鬼さんこちら (採点:8)
- なかなか面白い発想の話ですね。
再構成とはちょっと違うのかもしれませんが、舞シナリオをこう作り直す事も出来るのかとちょっと感心しました。
あと、作品自体の構成も良かったですね。
ただ、上手いなとは思いましたが、面白いというのとはちょっと違う気がしました。
なんというか、文章力が発想力とか構成力に追いついていない印象があります。
解りやすいんだけど表現があっさりしすぎというか……
まぁ、単純に私の好みの問題なのかもしれないのですけどね。
- 10 硝子の向こう (採点:10)
- 全体的によく作り込まれているし、表現も綺麗なとてもすばらしい作品だと思います。
個人的には文句の付けようがないですね
- 13 いつかムラムラする日。 (採点:1)
- なんとも形容しがたい話ですね。
話のつぎ方がぐちゃぐちゃな所為か読んでいたら、酔ってしまいました。
まぁ、読む限りではわざとやってるみたいですけど……
なんの為にそんな事をしているのかを読みとるまでは耐えられませんでした。
なんというか、好み以前に体質的に合わなかったみたいです。
評価の仕方としてはある意味失礼かもしれません。
ほんとにごめんなさい。
- 14 ――僕らの昨日が見ていた未来は―― (採点:4)
- えっと顔文字は本気で勘弁してください……
読んでいて急激に萎えるというか、引くというかそんな感じです。
作中にでてくる携帯メールの文とかに使われているとかなら、気にならないんですけどね。
人間同士の会話文とか、キャラクターの感情表現とかはちゃんと文章で表現した方が良いと思いますよ。
SSなり小説なりまがりなりにも文章を読ませる作品を作っている以上は……
さて、作品ですがギャグのセンスはともかくテンポ感はかなり光る物がありますね。
多少ネタが滑ってようがテンポ感が良いので思わず笑ってしまうような場所がありました。
ギャグを強引に押し切れるセンスってのはなかなか手に入れられない物なので、今後も大事にして欲しいと思います。
しかし、全体的に言うとかなり粗いですね。
文章にしろキャラクターにしろ構成や演出にしろ、自分のセンスに頼り切って深く考えずに書いてるように見えます。
だから、作者さんのセンスと読み手側が合わないと強烈に違和感というか、不快感を味わってしまいます。
例えば、タイトルですけど、作者さん的には作中になんども登場させる意味があったんでしょう。
でも、私からしたら、ものすごいくどいし邪魔でした。
そういった風に書き手と読み手のズレが酷い箇所がいくつかあるので今後は気を付けた方が良いかと思います。
もうちょっと読み手側を楽しませるのはどうすれば良いかとか考えた方が良いですよ。
- 15 【決別】 (採点:5)
- キャラとかしっかり考えて大事に書いてるんだろうなというのが第一印象でした。
ただ、同時になんかスポンジみたいだなとも思いましたけど。
会話文主体の所為かなんというかスカスカなんですよね。
動作的表現がないというか、ラジオでも聞いてるかのように状況があやふやにしか想像出来ないというか。
だから悪くないなとは思うんですけど、30KのSSを一本読んだという充足感みたいなものは皆無でした。
作品に浸りきれないし、どかっと入り込んでくるような何かがありません。
ぐだぐだと色々言いましたけど、総括して一言でいうならば物足りない作品でした。
- 16 お別れのキスのことばかり考えていた (採点:2)
- なんというかkanonに真っ正面からけんか売ってる話ですよね。
まぁ、もっともそういう試みは悪くないと思いますけど。
ある意味もっともkanonに向き合っているわけですから。
実際、文章力も、kanonに対する理解度も高くて非の打ち所のない作品だとは思います。
ですが、なんか好きになれない。
kanonという作品が好きだからこそ、私には駄目でした。
まぁ、もっともkanonが好きな人はみんな駄目というわけじゃないでしょうけどね。
おそらく私の個人的な好みの問題だと思います。
- 17 天野がオバサンくさいワケ〜"あの子"と呼ばれた仔〜 (採点:8)
- ちょっとイロモノ的というか、独自色が強い作品ですね。
ただ、真琴シナリオの一つの解答としてはなかなか楽しめました。
きっちりと補完として押さえるべき部分は押さえてますし、しっかりと設定を練り込んで作られたんだなと感じました。
ただ、その割に表現が甘い箇所がちらほらあるのがちょっと残念でしたね。
その所為でおそらく作者さんが練った設定の何割かはこっちに伝わってないかと。
そこが本当にもったいないと思った作品でした。
- 18 大切な忘れ物 (採点:4)
- テーマとかは悪くないです。
でも、エピソードが短いというかもの足りないです。
必要な物はちゃんと入ってるので作品としては完成してると思いますけどね
ただ、容量があるからこそもっと話を膨らませて欲しかったと思います。
まぁ、容量とかで作品の善し悪しを量るのは愚の骨頂なんでしょうが……
しかしながら、やっぱり10Kの話にはわずか10K程度の厚みしか感じられません。
他の作品と比べてではなく同じテーマで2、30K分この話を書いたならばもっと良い作品になったんだろうなと思ってしまっただけにね。
やっぱりもうちょっとがんばって欲しかったと思います
それにしてもここまで最低容量ぎりぎりだと、小ネタに何らかの理由で出せなかった物をこっちに出したみたいに感じてしまうんですが。
もちろん邪推なんですけどね
- 19 もう一人いる (採点:7)
- 良いほのぼのでした。
ただ、ミスリードさせようとかそういうのは正直失敗してるかなと思いましたけど。
タイトルと一枚目読んだだけで大体の話の流れは読めましたから。
あと、一枚目の最後の方とかみたいなホラーチックな引きの部分をほのぼのと同じ感じに表現してしまうのもちょっともったいないですね。
そういうところできっちりと書き分けて話に緩急をつければ読者を引き込めるようになると思いますよ。
そういった描写コツは物書き講座みたいなサイトを探せば結構教えてくれるので、是非探してみてください。
それにしてもちょっと謎なんですが、タイトルは何故あんな位置に?
あんな場所に置く意味が全くわかりませんでした。
まぁ、別になにか問題があるってわけではないんですが、あまりにも定石から逸脱してたので妙に気になりました。
- 20 ボート (採点:3)
- 全体的には雰囲気とか掛け合いとか良い感じのSSですね。
ただ、作品としては致命的と言わざる得ない欠点があります。
それは
>で、お前は彼女の死に目にも〜
からの部分
つまり山場ですね。
そこがあまりにも軽すぎます。
チープと言い換えてもいいかもしれません。
そこまでは気持ちよく読めていたのにそこで興冷めさせられました。
描写とか演出のしかたとかの表現があまりにも雑というか軽いので、北川の言葉とか全く重みがないんですよね。
しかも、そんな重みのない言葉で香里の頑なな心が動き出すのが、もはや追い打ちです。
せっかくの山場で、せっかくの良いシーンになる場面なんですから、そこの部分にこのSS全ての力を注ぎ込むぐらいの気持ちで書いて欲しかったです。
たったの一場面で評価を全てふいにしてしまった様に感じるだけに、非常に残念に思いました。
- 21 終わりの時 (採点:2)
- 最初読んだ時シリアスじゃなくてダークなのかと一瞬とまどいました。
あまりに名雪が自分の感情を第三者視点でつまり他人事のように見ている上に、それを淡々と語っているのでかなり不気味です。
なんというか表現力が足りてないレベルじゃないですね。
全く表現されていないといっても過言ではないと思います。
とりあえず、一人称の作品の筈なのに全く一人称になっていないので一度勉強される事をおすすめします。
- 22 恐怖のお料理合戦 (採点:3)
- とりあえず、読んで思った事はサブキャラがとても好きなんだなぁと思いました。
まぁ、別にサブキャラSSがどうのこうのとは思わないんですけど。
ただしこの作品に関して言うならば少々引きましたね。
なんというか各キャラの改変具合が読んでいて痛々しい。
なんか読み手を満足させる為の改変ではなくて、作者さん自身を満足させる為の改変という印象が強いです。
作品自体も読み手を楽しませる為の作品ではなく、作者さん自身が楽しむ為に書かれてる感じがします。
だから、作者さんと趣味が合う人ならともかく、それ以外の人はまず間違いなく置いてけぼりになるかと。
まぁ、個人サイトとかに掲載されてる分には結構評価をもらう事はできるかと思います。
ただ、コンペみたいな場所ではちょっと評価され難いんじゃないでしょうか。
- 23 ライク (採点:3)
- うーん、どっちつかずですね
祐一の立ち直りの話とオリキャラのとの恋愛話で成り立っている本作ですけど、どっちもものすごく中途半端なんですよね。
ちなみに、どっちも結末がついてないからという意味ではないです。
両方とも物語として上っ面だけを追ってる程度で、全然掘り下げられてないんですよ。
その大きな原因の一つに描写の甘さにあると思います。
行動とか視覚的な描写とかはされていても祐一や綾香の感情的な描写がほとんど無いんですよね。
だから、感情の動きとか揺れみたいなものがほとんど伝わってきません。
ああ、あとどっちつかずといえば、一人称と三人称がごちゃ混ぜになってます。
そこら辺も感情の描写が出来てない要因の一つかと。
- 24 湯煙温泉旅紀行 (採点:5)
- オチと山場が無いですね。
その所為で作品に締まりがないというか、どこを一番楽しめばいいのか宙ぶらりんな状態で終わってしまいました。
早い話が、物語の基本である起承転結が全く成立してないんですよね。
具体的に言うとこの作品には転と結がありません。
そのかわりに一つの起と三つの承だけです
起は物語の始まり、要因ですが。
この話の場合だとみんなで温泉に行く事になったがそれに当たります。
で、承は起を受けて物語を広げていく場面なんですが
この作品の場合だと、温泉に行くまでのシーンと温泉でのサービスカットと名雪とのラブラブですね。
それぞれ温泉に行くという話を広げている話なんですが、どれも物語を転換させるわけでもなく、物語全体の結末にもなっていません。
ちなみに作者さんは子供制作秘話とかその直前のシーンとかが作品全体の結末と考えているかも知れませんけど。
それはあくまでの名雪とのラブラブ話の結末であって全体の結末とは言えないんですよ。
トラックのエピソードのラストで目を回す三人とかサービスシーンらすとで目を回す祐一とかと同じ意味しかもってないんですよね。
ですから、ある意味一つの物語とは言えず始まりが一緒の三つの物語といえるんですよね。
一度、構成の仕方とかを勉強される事をおすすめします。
場面場面でみればなかなか良質なほのぼのを書かれてますから、そこら辺さえきちっとすればしっかりと評価はついてくるようになると思いますよ。
- 25 太陽の眺め方 (採点:5)
- 作品自体は悪くないというかなかなか良作な部類に入ると思います。
ただ、致命的な設定が大きく評価に響く感じですね。
物語で重要な役割を持つ木の設定があまりにもいい加減すぎます。
イメージ先行で適当に書かないで、きちんと木はどういう成長するとか調べてから書いた方が良いですよ。
あまりにもそこが気になって仕方なかったので、物語に入り込めませんでした。
もうちょっとなんとかしてほしかったです。
○かき さん
- 01 左手で繋ぎたい (採点:5)
- ほのぼのちょっといい話。
内容は決して悪くありませんし、一つの二次創作としてこれで充分楽しめるものだとも思います。
でもここが競作の場であること、周囲に尺の長い(それだけ多くの内容が含まれる)話が多いことを考慮すると、相対的にこのお話に対する点数はこんな感じになっちゃいました。
何か独自の色があれば更に良くなっていたと思いますです。
- 02 サンダルが飛ぶ夏 (採点:7)
- あー、いいなぁ。内容はもとより、文章がとても素敵です。
本編後の、あゆに関する話。kanon二次創作として一番の本道を歩いた作品だと思ってます。
あゆと祐一、そしてその周囲についてとても真摯に書かれていて好感が持てました。
kanonの中であゆという少女が持つ独特の「空しさ」みたいなものもよく表現されていたと思います。
ただ、今作は内容にしろ文章にしろちょっと剥き出し過ぎたような気がしないでもないです。
多分その辺好みの問題なんだとは思いますが、でももっともにゃもにゃしてた方がこの話には合ってたような。
最初最中さんっぽい印象を受けてたんですが、読み直すと竹さんな感じがしてきました。違ったらごめんなさい。
- 03 雪の世界より愛をこめて (採点:6)
- ちくしょう、素直に「堅ゆで」を期待して読んだ僕が馬鹿だった(笑)
なんですかタコって。タコに堅ゆでやらせんなよ。正しくタコ焼きじゃないですか(笑)
タコだと分かった後にそれまでのシーンを思い出すと(悔しいことに最後までタコだと気づきませんでした)嫌でも笑えてくるんですが、うーん、ごめんなさい、もう一度頭から読み直そうという気にまではならなかったです。
ちょっと中だるみしちゃってたかなぁというのが正直なところでした。
- 04 グリーンスリーブスが聞こえる (採点:5)
- なんていうか、実にど直球な作品でした。
人の思いが奇跡を起こす。優しい話です。もろに好みの方向でした。
ですが、ちと今作はあからさま過ぎたかな、と。話の展開にしても演出にしても。
作者さんの思いが強過ぎたのかもしれません。一歩引いて見るべきだったのかも。
僕もSS書きとしてこういう優しい話系統を目指しているので、多分、作者さんの気持ちはすごく分かります(笑)
- 05 ネバー・エンディング・ストーリー (採点:5)
- これは割れそうだなぁ。とか言いながら無難な点数を入れてる僕。
文章はとても上手で形式としても面白いと思うんですが、なんだかなぁ、イマイチ楽しめませんでした。
何でかなぁと考えてみると、多分、話の中で「読み手の自分」をどこに置いていいのか分からなかったからじゃないかなぁとか。
亮輔に共感しようにも、話の大部分が潤の手紙なんで、どうも上手くいかない。潤に共感しようにも、「既に終わったこと」を更に手紙(既に書かれたもの)として読んでいるわけで、これもまたイマイチ上手くいかない。
結果として空の上から客観的に見ていたんですが、現実(亮輔の世界)には冒頭潤の死以降、何も起こっていない動いていないわけで。
読み方を知らない僕に大きな問題があったのかもしれません(笑)
相沢さんかなぁ。違ったらごめんなさいです。
- 06 友人以上恋人未満から (採点:7)
- 正々堂々ど真ん中にどストレートにラブコメ。
普通のラブコメはもう読み飽きたよーとか思ってたんですが、いやいや、僕が大幅に間違ってました。
素直に、面白かったです。香里可愛すぎ。超にやにやできました。
難しいこと言うような話でもないと思うんで、こんな簡単な感想で。
- 07 僕と、シオリと、スケッチブックと。 (採点:9)
- 45kbでこれだけ出来るんですね。正直驚きました。
恐らくは話の核として準備されたであろうミスリードも上手く効いていたと思います。
ただ、わざわざ「シオリ」と表記しなくても良かった気はします。それのせいであー多分栞じゃなくて香里なんだろうなって何となく予想できちゃう。
この話ぐらいしっかりと書かれていれば、文中で「栞」と断言されていても卑怯だなんて思いませんぜ。
文章にしろ内容にしろ致命的に好みなんですが、一点だけ、ラストをもっと書いて欲しかった。それまで仔細に描いてきたものを投げっぱなしジャーマンされた感じが。
まぁでも多分作者さんつーかえりくらさんは、こういう終わり方が好きなんでしょうね。その辺りは好みの違いなのかなぁ。
すっげえ悔しいんだけどまた高得点です。ちくしょう。
3位以内には確実に入ると思います。おめでとうございます。ちくしょう。
- 08 潜入捜査Kanon・僕らのたい焼きドリーム〜記憶の中のエンジェル〜 (採点:5)
- 遊びましたねぇ(笑)
全体を通して楽しめたことは楽しめたんですが、どうも中盤だれてしまったような。
こういうふわふわ系(と勝手に呼ばせてもらってます)=たゆたう話で、「だれ」を作ることなく書くというのはすごく難しいことだとは思いますが。
blikcatさんで間違いなさそうかなぁ。
- 09 鬼さんこちら (採点:8)
- 面白かったです。
ミスリード、話を彩る上で効果的だったと思います。
過去を挟んだ構成も、「舞」の伏線として上手くできていましたし、45kbを飽きさせないという意味でも良かったと思います。
わがままをいえば、現実世界の方での伏線がもうちっとあったら更に良かったなぁ、なんて。
あと、「パーフェクト・ブルー」にこだわった意図がイマイチ掴めなかったのですが、何か意味はあったのかなぁ。宮部みゆきかな?
もしもその言葉に特別な意図が無かったとしたら、正直、このカタカナ語は話から浮いてたと思いますです。
「ホワイト・卒業式だね」
「『卒業式』も英語にしろよ……」
個人的に今回のベストやり取り。ラストのあの場面でこれ言わせたのはすごいなぁ。
- 10 硝子の向こう (採点:6)
- 綺麗な話。割と雰囲気勝負かな。
とても安定している印象。突出したものはないけれど、安心して読み進められました。
全体的によくできていたとは思います。
が、恐らくこの話独自の色として用意されたであろう「硝子の破片」がイマイチ生きていなかったような気がします。
硝子をもっと現実世界に絡ませるべきだったかなぁ、と。そこが上手く働いていればさらに素晴らしい作品になっていたと思いますです。
『雪が降るのはいつだろう』という終わり方はすごく好みなんですが、『何か、そう、何かが、ふとわかった気がした。』はかなり唐突な感じ。そここそ筆を割いて欲しかったです。今の形じゃちょっと納得できない。
こりゃもう海老さんしかいない。しかし相変わらず僕ら本多孝好の影響強いですよね(笑)
- 11 春を夢見る狐達 (採点:10)
- あー、すんごい面白かったぁ。
ぴろ=真琴の兄という設定は初めて見たんですが、いやぁこの作品はその設定を生かして非常に上手くできていたと思います。
正直な話、文章にはまだ荒い印象を受けます。多分そんなに書き慣れてない方じゃないかなぁとか思ったり。
でもそんなの気にならなくなるぐらいに魅力的なお話でした。よく練ってあって原作とのリンクもしっかりしていて、なんていうか実に良質な二次創作でした。
改行のしかたについて。今作では一行一文の形で書いてありますが、個人的には、意味上の固まりや演出、展開的な意味を考えて改行してある作品の方が好みです。単純にいうと、もうちょっと改行が少ない方が好き。
とはいっても、web上の文章なんで、読みやすさとか色々な問題はあると思います。そのあたりはあくまで作者さんの好みでしょうね。
これ上位取らなきゃ暴れる(笑)
- 13 いつかムラムラする日。 (採点:4)
- うーん、ごめんなさい、今回はあまり楽しめなかったです。
どうも作中の時間を把握するのに一苦労。最初は栞の時みたいに逆回転していくのかなぁと思ってたんですが、違うようで。
相変わらず文章は巧みでそれ自体が魅力的なんですが、何だろう、人を書いた話の割には人に深く触れていないような。登場人物が多いせいかな。単に読み方が間違ってるのかも。
結果的には時間が解決してくれるということなのでしょうか。違うだろうなぁ。
多分僕が捉えきれる作品ではなかったんだろうなぁ、とか。
某氏の言葉を勝手に引用するなら、「相変わらず感想人泣かせの作品を書いてくる人だなあ、リーマンさんは。」というところでしょうか(笑)
- 14 ――僕らの昨日が見ていた未来は―― (採点:2)
- ごめんなさい、正直最後まで読むのが辛かったです。
道筋を特に定めることなくだらだらと書かれてる印象が。
5kb、10kbぐらいならいいんですけど、45kbとなるとちょっときつかったです。
ノリのいい文章は嫌いじゃないんですが、上手く乗れませんでした。申し訳ありません。
- 15 【決別】 (採点:3)
- 筋自体は悪くないと思うんですが、どうも納得できないところが色々と。
ストーリー上、秋子さんが弱っていることに何か意味はあるのかなぁ、とか。
『明日から名雪の旦那様』なのにまだキスもしていないのはどう考えても不自然だよなぁ、とか。例えそうだったとしても旦那より祐一を優先させたのは人としてどうだろう、とか。
タイトルにもちと問題ある気がします。冒頭とタイトルだけで内容が簡単に予想できて、しかもほぼその通りに話が進むので面白みに欠けちゃってます。
多分まだそんなに書き慣れていない方だと思います。偉そうないい方ですが、この場を糧にしてがんばって欲しいなぁと思います。
- 16 お別れのキスのことばかり考えていた (採点:8)
- いやぁ、上手いっす。
言葉の選び方、使い方が素敵過ぎます。リズムも凄くいい。
話も面白かったです。何ていうか、佐祐理さんが実に佐祐理さんでした。アホな言葉でごめんなさい。
やっぱり彼女は傷つくことを求めて生きていくんでしょうね。いつか救われると信じたいです。祐一がそう思っているように。
ただ、後半の流れがちと性急に感じました。それに祐一のキャラクタにも違和感が。こんなに達観してたかなぁ、と。
やっぱりこれ最中さんかなぁ。途中にエヴァ入れるあたり(ですよね?)も最中さんっぽいですし。違ったらごめんなさいです。
- 17 天野がオバサンくさいワケ〜"あの子"と呼ばれた仔〜 (採点:3)
- 多分相当練られた話なんだろうなと思います。細部まで意識を置いて作られたんだと思います。
ただ。こういう伝奇めいた話って、何よりもまず作中の雰囲気・空気が大切だと考えているんですが、今作はそれに失敗してしまっていたような。
必要以上に辛辣な感想となってしまうので具体的な箇所を指摘するのは避けます(ご要望があれば、掲示板やチャットなどで書かせていただきます)が、ところどころに「冷める」言葉や描写があって、それのせいで話に入り込めませんでした。
設定は面白かったと思うので、勿体無いなぁとか思ったりしました。
- 18 大切な忘れ物 (採点:4)
- あー、いいほのぼの具合だ……
なんていうか、とてもまっすぐな話でした。
作者さんの原作に対する愛情やキャラたちに対する愛情が、読んでいるこちらにまで伝わってくるような。
相対的な評価ですので点数はちょっと低めになってますが、作者さんにはこれからも書き続けて欲しいなぁと思ってます。
すっごい勝手なことを言わせてもらえるなら、できればまたこういう場にも参加していただきたいなぁ、なんてことも。
こういう、他と比較されるような場に参加している内に、めきめき力がついていくと思いますので。
偉そうな感想でごめんなさいでした。
- 19 もう一人いる (採点:4)
- 真琴がかわええ……
感想としてはもうそれだけで充分な気がします(笑)
実にほのぼのしてて、読んでて自然笑顔になっていくような話でした。
ただ、「ジャム」と銘打った話の割にはジャムが弱いなぁとか。
そもそもジャムネタはkanon二次にはありふれているわけで、よっぽどインパクトのあるものでない限り、ジャムを使うのはきつい気がします。
個人的には「ジャム」じゃなくてもういっそ「レオタード」でも良かったんじゃないかなぁとか(笑)
- 20 ボート (採点:7)
- これ好きだなぁ。
文章も内容も軽快で実に小気味好いです。
難しいことも深く考えるようなこともなくて、ただ、ああ面白かったなって思える話。実は結構貴重な気がします。
気になったところ。中盤、栞の墓のシーンはもっと書き込んで欲しかったです。ちょっと簡単にいき過ぎだと思う。
あと、ボートうんぬんは作品独特の味を出すために後から無理矢理くっつけたような印象。
でも、そういう不満点がぶっ飛ぶぐらいにラストが素敵でした。さあ、幸せになろう。いいなぁ、この終わり方。
初こんぺにして上位おめでとうございますイクミさん。割と昔から仲良くしてもらってる身として、何か鼻が高いぜ。
- 21 終わりの時 (採点:2)
- うーん、決して悪い話ではないんですが、これだけではどうにもきついと思います。
ただkanon(京アニでしょうね)の一エピソードを切り抜いてきただけ、という感じで。
一応、名雪の視点ということや祐一との会話などで差別化は図られていますが、それも充分でない気がします。
もっと筆を重ねて、作者さん独自の色を出して欲しかったなぁ、と。
- 22 恐怖のお料理合戦 (採点:3)
- ここまで来るといっそ潔いぐらいにベッタベタな話。
ベタにはベタの良さがあるとは思うんですが(僕もかなりベタな話を書くタイプなんで)、今作については、あまりにもお約束過ぎたんじゃないかなぁと。
天野さんちの玄関、栞が震えたところ辺りでもうだいたい先が予想できてしまい、実際にその通りに展開していって。
この作品独自の味といいますか魅力といいますか、そういうのが欲しかったなぁなんて思いました。
- 23 ライク (採点:6)
- 少しだけ特殊なボーイミーツガール。
好きな話です。全体的にちょっと物悲しい空気で、それが最後に少し晴れるのも素敵。綾香も魅力的ですし。
落ち着いた文体はこの話の大きな魅力だと思うんですが、でもちと淡々とし過ぎていたかなと思わないでもないです。ストーリーを進めているだけというか。
そういう印象もあってか、上手く話に入り込めなくて、読者としては浮いたところから話を眺めてた感じでした。
45kbいっぱい使って書いて欲しかったなぁなんて思いました。
- 24 湯煙温泉旅紀行 (採点:5)
- 作者さんのおっぱいへの愛情がひしひしと伝わってくる話でした。
良きほのぼのでした。ところどころに小山(おっぱいのことにあらず)があってだれさせませんし、オチも効いていると思います。
ただ、小山には事欠かないんだけど大山(大きいおっぱいのことにあらず)が無かったことがちょっと残念。
話を読み終わった時に、何だか散漫な印象が残っちゃいました。
ここ、というポイントを決めて勝負かけて欲しかったなぁとなんて思いましたです。
- 25 太陽の眺め方 (採点:4)
- 文章は普通に上手ですし、話の筋も好みです。切ない話は大好物っす。
ただ、文章が巧みだからこそ、どうしても気になる点がいくつか。
まず北川君ってば独り言多すぎですよね。北川君が独りで何か言う度に冷めていっちゃいました。
あと、美しい景色を見て、写真を見て、「なくしてなんかいなかった」という流れがイマイチ納得できませんでした。
文章から山の美しい情景は浮かんできます。雄大さも伝わってきます。その辺実にお上手です。でも、そこから、今作中のように考えが変わっていくのはどうも理解できません。「俺の悩みなんてちっぽけなものなんだ」て流れていくなら、ありきたりだけど、理解できるんですが。
「なくしてなかった」という結論に行くのなら、そもそも写真だけで良いような気がします。写真のバックにその光景が映ってて「その記憶は天使の羽のように輝いているんだから」なら十分納得もできるんですが。
あと、これが一番ひっかかったところなんですが、最後の告白って相手の都合全く考えてませんよね。
言った北川は振られてすっきりもするのでしょうが、結婚してすぐ、これから幸せになっていこうっていう時に「実は好きだったんだ」とか言われた香里さんは相当困ったと思います。冗談や笑い話みたいな形ならまだ分かるんですが、どうもこれガチっぽいですし。
作品から、作者さんが場慣れしてて実力もある方だと分かるので、糧としていただけるよう色々と書いてみました。結構辛辣な感想となってしまいましたが、許していただければ。
アルエムさんでしょうか? 違ったらごめんなさい。
○じゅう さん
- 04 グリーンスリーブスが聞こえる (採点:7)
- 原作を尊重しつつ、自分の表現したいものを書き表す。素晴らしく正統派のSSでした。
良作。
- 05 ネバー・エンディング・ストーリー (採点:3)
- こういうのもセカイ系というのでしょうか。
亮輔の立場になったつもりで手紙を読んでみたのですが、
……潤じいちゃん、それは思い込みが過ぎるのでは、と思いました。
事件を通じて、かつての恋人の気持ちを理解したと言われても、無理があるんじゃないかな、と。
そういう思考にいたるじいちゃんが痛々しい、と感じます。
また、仮に動機が当たっていたとして、香里はそれでどう言って共犯者を抱き込んだのでしょう。
宇宙開発時代を舞台にしているのは、何らかの隠喩があったのでしょうか。
特に月にこだわっているのには何かの伏線かと思うのですが私の読み落としの可能性があります。
よろしければ解説望みます。
土曜日か月曜日。
- 06 友人以上恋人未満から (採点:6)
- 悪くはない、悪くはないのですが……。
落ち着いた香里の一人称の文体と、
マンガチックなラブコメイベントとが合っていないように感じました。
(最後の「とりあえず目撃者は消す!」ぐらい、はじけているほうが、むしろしっくりきます)
- 07 僕と、シオリと、スケッチブックと。 (採点:7)
- アイデアや構成のみならそれほど目新しい話でもないでしょう。
しかし、丁寧に言葉を選んで肉付けされたおかげで読ませる作品になっています。
主人公のキャラ付けが特にいいですね。
- 08 潜入捜査Kanon・僕らのたい焼きドリーム〜記憶の中のエンジェル〜 (採点:1)
- 「Kanon」コンシューマ化!
ただしファミコン版!しかもジャンルは横スクロールアクションに変更!
という感じを受けました。
- 11 春を夢見る狐達 (採点:1)
- もう少し、考えて作品を執筆されたほうがよいと思います。
この妖狐族の設定に、いったいどれだけの意味があったのでしょうか。
固有名が存在しないとか、双子や三つ子は珍しいとか(余談ながら、普通のキツネなら五つ子六つ子ぐらい当たり前では?)
夢見の法は変化の法の二つ名を持つとか、
いろいろと設定を作っていますが、それらが全く話に活かされていません。
そんなものに文字を費やすぐらいなら、ぴろの真琴に対する愛情、覚悟をもっと丁寧に書くべきでしょう。
固有名を持たない種族が、自分達に名前がない、などと語るのはおかしなことです。
固有名の概念はあるのに、わざわざ「丘の子」などと呼んだりして頑なに使用しない理由が見当たりません。
それでいて人間達を固有名で識別しているのですから謎です。
こんなすぐ矛盾がでるような設定を何故作ったのですか。
期間限定、試験官兼補佐官といった、人間社会を思わせる用語を使っているのは、興ざめでした。
もっと、幻想領域の住人らしい言い回しがあったと思います。
対句表現(又はそれと類する表現)を異常なまでに多用しているのにはどういう意図があったのでしょうか?
ここまでされると、馬鹿の一つ覚えみたいです。ぴろをそんなキャラにする意味がわかりません。
その他気になったところ。
>それはぼくらこの山に住む狐たちが一様にして持つ不思議な神通力のことだ。
>原理とか理屈は分からない。
>ただ、だれでも必ず使えたし、誰でもどういう力なのか知っていた。
>それは願いを叶える力。
>といってもたいしたことが出来るわけではない。
神通力なら不思議なのは当たり前。
たいしたことが出来ないなら、それは神通力とは言いません。
誰でも使えるなら、それは神に通ずる力でもなんでもなく、(妖狐にとって)普通の力です。
こんなデタラメな文章は久し振りに見ました。
>「あのね、おばあちゃんお願いがあるの」
>「ああ、よいぞ」
>「あたしニンゲンになりたい」
>「駄目じゃ」
>「でも、あたしはなりたいの」
>「そうか」「ならば、お主に試験を受けてもらう」
大婆さま、どんだけ意思が弱いんですか(苦笑)。
- 13 いつかムラムラする日。 (採点:9)
- 言葉の操り方が巧みで、一字一句じっくり味わいたくなる作品でした。
無駄話を無駄の無い文章で書かれるのは、高度な技術だと思います。
- 14 ――僕らの昨日が見ていた未来は―― (採点:4)
- 私には合わなかったので、点数は低いですが、
次から次へとネタをつぎ込んでくるバイタリティには感心しました。
「ゆう〜」は面白かったです。
- 15 【決別】 (採点:4)
- 決別……決別しますかね、この二人。
これ以後も会うたびになんだかんだと理由をつけて爛れた関係になってしまいそうな気がしてなりません。
……えーと、もう少しストレートに言います。
結婚式直前にパートナーがこんなことしていたら、私だったら狂います。
相手の男をぶん殴ります。結婚を反故にします。家に帰って泣きます。
過去の恋愛の清算はせめて婚約前にやってくれよ、と。
作者さんと私とは、倫理観が根本的に違うのでしょうね。
それとはまた別の話ですが。
主題と関係のないところで北川や久瀬が悲惨な目に合ってるのには何か意味があったのでしょうか?
そんなのを普通に話のネタにしてしまえる二人の性格の悪さを表していたのでしょうか。
- 16 お別れのキスのことばかり考えていた (採点:4)
- 魅力的な文章だと思うのですが、ストーリーがよくわからないのです。
なんでこんな展開になるのだろう、と思うことしきりでした。
- 17 天野がオバサンくさいワケ〜"あの子"と呼ばれた仔〜 (採点:5)
- 前半はたらたらと話が流れていて退屈だったものの、
後半になって、畳み掛けるように美汐のギジャギジャした激情が伝わってきました。
これだけの感情表現が書ける作者さんなら、
前半でもっと美汐と妖狐とが愛し合うようになる過程を書けたはずだと思うのですが。
- 18 大切な忘れ物 (採点:5)
- よいSSでした。
一言だけ言わせて貰うと、
祐一の名雪への相談は抽象的なものにはせず、
ちゃんとあゆのことを説明すればよかったと思います。
- 21 終わりの時 (採点:3)
- ううむ、名雪が感情を抑えている、というだけでは済まないくらい、クール&ドライすぎませんか?
- 22 恐怖のお料理合戦 (採点:1)
- 料理をするのは好きだが、その腕前は最悪。作っても味見をしない。
しかし人に食べさせたがる。
食べさせられる方は、料理をしてくれる子を傷つけたくなくて、
見た目明らかに異常でも文句を言わない。
そして食べて死にそうになる。
このテンプレート地獄から逃れられない限り、お料理ギャグでは笑えません。
- 23 ライク (採点:8)
- 元々祐一の一人称で書かれたものでしょうか?そこがやや気になりましたが、
前向きなエンドは読んでいて気持ちがよかったです。
- 24 湯煙温泉旅紀行 (採点:6)
- 今回のこんぺではビターテイストの作品が多いので、
こういう作品を見るとホッとしますね。
「抗う術を〜」という言い回しの多用や、
乳房の描写で似たような表現が続いていたのがやや残念でした。
- 25 太陽の眺め方 (採点:6)
- 北川の心理描写が細かくてリアルでよいです。
弱さを描きつつそれが北川に対する好感になっているのは、文章の上手さのおかげですね。
○じゅげむ さん
- 02 サンダルが飛ぶ夏 (採点:3)
- 長い割りに、特に印象に残り辛い。日常的な会話が嫌いではないですが、展開が遅いので、ダレました。
- 05 ネバー・エンディング・ストーリー (採点:4)
- 目が疲れました。でもまぁ、面白かったです。まさか、遺書形式とは……。ただやっぱり、文章量が多くて疲れますね。急いで書いたんでしょう、推敲が足りない感じがしました。後、致命的な誤字だと思うんですが、「ブラックサタデー」と「ブラックマンデー」があります。ちょっと混乱しますね。
- 06 友人以上恋人未満から (採点:6)
- 奇をてらわなくても、面白いものってあるなぁと思わされた。難解にすればいいもんじゃないってことだね。ある意味、正統派。明太子の天丼の仕方が上手い。なるほど、前の甘ったるいバカップル会話はこのためだったのか。普通に北川が良い奴になってたのも好印象。何か奇抜な役ばっかりやらされる北川も、実際のゲームじゃこんな感じだったような気がする。しかし、喪服のまま雪だるまの中は寒いだろうなぁ。雪水で凍死しかねないでしょうね。
- 08 潜入捜査Kanon・僕らのたい焼きドリーム〜記憶の中のエンジェル〜 (採点:3)
- タイトルはバカっぽくて好きですが、潜入目的が曖昧なので、ダラダラ続いてるなぁーと最後まで読む気力が続きませんでした。最後まで送って、ああ、やっぱり夢オチなんだと云う感じでした。
- 09 鬼さんこちら (採点:7)
- 構成もテンポも非常に良かった。ただちょっと難解。佐祐理=魔物?という辺りでよく分からなくなってしまった。それと>「ごめん。俺……奇跡の子じゃないから」はちょっと狙い過ぎてる感があったように思います。
- 13 いつかムラムラする日。 (採点:5)
- 台無しだよ……台無しだよ! 単純なのに妙に効果がでかいです。
- 14 ――僕らの昨日が見ていた未来は―― (採点:6)
- 祐一のアホっぽい一人称が非常に良い。セリフの掛け合いも実にコミカルで長文を読むストレスがかなり軽減されている。ただご都合設定が目に付く。あゆ、真琴が水瀬家に入ったり、栞が生き残ったりするまではいいんですが、祐一が医大に合格ってのはちょっとやり過ぎかと。顔文字があったり、タイトルが繰り返し出てきたりは、賛否両論でしょうな。個人的には中途半端に羽目外していない分、もう好きなようにはっちゃけちゃいなw、って気分でしたが。肩肘張らずに楽に読めたのも久しぶりでした。後、ネタ満載し過ぎ。ママレードボーイ、分かる人少ないでしょww まさか、かのコンで笑うとは……
○つうじい さん
- 01 左手で繋ぎたい (採点:3)
- 文章の書き方からして、かなり書きなれた上手な方だと判断します。
普通に上手いですし。
だからこそ思いっきり厳しくつけてます。
他の作品ほどの情熱がないです。
お箸のやりとりとかよりもラブ要素が必要です。
- 02 サンダルが飛ぶ夏 (採点:7)
- 難しいなあ。凄まじいまでの構成力、完成度の高さ。
ハッピーエンドでないこと自体は否定したいけど否定しません。
誰とも結ばれなかった未来を怖いくらいリアルに書き上げてますね。
それでも女性達が誰もあんまり不幸に感じて無さそうなのがリアルだ。
名雪とか、元気な栞とか、まあ、仕方ないよねーとか思ってそう。
個人的にはラストが予想通りだったのがかなり残念。
あと、北川の人物像が私のSSと対極なのにかなりドキドキ。
上位に食い込みそう。
- 03 雪の世界より愛をこめて (採点:10)
- カノンですね。ええ、まちがいなくカノンです。
面白かったです、まちがいなく。
開始十行で格の違いを知りました。
私よりアホなSS書きさんがこの世に存在するとはびっくり。
これだけ暴走してるのに、なんか上手くまとまってるように誤解しそうになるがすごい。
ほぼ全キャラ登場してるのに、全員にきちんと見せ場があるんだからすごい。
あれだけ期待させた黒服のおっさんの正体がある意味一番すごい。
なんか褒め方が自分でも良くわかんないので、とりあえず満点あげますから満足してください。
- 04 グリーンスリーブスが聞こえる (採点:8)
- 何人がつっこむかはしらないですが、グリーンスリーブスがわかりません。
でも、それを無視できるだけの良作だと思いました。
そちらさんの作品を読むといつも思いますが、とにかく雰囲気の作り方が驚異的に上手い。
単調な展開なのに退屈になりませんでした。
天野の為に皆が集まる理由は不明でしたが、展開の上手さがそれを弱点としなかった。
この手の話は多いですが、完全なハッピーエンドはめずらしいですね。
気になったところは、途中のいくつかのギャグはない方が、この作品の完成度を高めたと思います。
あと、あの子がいなくなるあたりをもう少し濃く描写してほしかったです。
- 05 ネバー・エンディング・ストーリー (採点:5)
- すげー1点つけたいです。
でも、途中かなり引き込まれたので加点。
斬新な発想と展開に感心しました。正直ドキドキしました。
でも、最終的に北川の心理が私には理解しかねたことと、これからというところで終わるのが納得いかないです。
この後の香里の孫の登場は必要だったと思います。
その出会いで亮輔が何かを感じ取らないと、北川がただの変な人のままです。
- 07 僕と、シオリと、スケッチブックと。 (採点:6)
- 単純に読み物としては面白かったです。
香里を蝕む狂気もうまく表現されていました。
伏線もいい具合にきいてました。
気になるのはまず時間の流れ、1ヶ月間くらいに絞ったほうがよかったかと。
あの長い期間を二人で何して過ごしたのかがよく分からないです。
あとラストの主人公の考え方。
最初の書き出しとラストの一文。特にえらくあっさりとしたラスト。
主人公が死ぬ前に思い出すという考え方になったのか伝わりませんでした。
- 08 潜入捜査Kanon・僕らのたい焼きドリーム〜記憶の中のエンジェル〜 (採点:3)
- タイトルの意味がわからないです。
中身は夢の中なんで話が支離滅裂というコンセプトなんでしょうか。
そういうことなら雰囲気は出てますし、よくまとまっていたとは思います。
ちょっと難しかったです。タイトルから爆笑系を期待したので、ちょっとがっかり。
- 09 鬼さんこちら (採点:7)
- 面白かったです。舞は佐祐理さんの作った魔物ですか。
途中どんどん暗くなる展開に戸惑いましたが、後半の予想外の展開に引き込まれました。
佐祐理さんんと舞がシリアスで戦うなんて始めて見た。
ただ、やはり舞と佐祐理さんは一緒に幸せになってもらいたかったです。
- 10 硝子の向こう (採点:4)
- 状況説明も上手だし、文章もこなれていると思いますが。
今回は香里絡みで強烈な個性を持ったSSが多数参加してるので埋もれてしまった感じです。
あと、キャラに違和感。全体的に全員テンションが低い。特に祐一に見せ場なしとは・・・
話的にもおとなしめですが、運動会のシーンなどはもっと盛り上げられたと思います。
途中に強めのギャグなんかがあれば、メリハリが出てラストが雰囲気出たと思います。
- 11 春を夢見る狐達 (採点:9)
- 面白い。そして読みやすい。ジャンルの真意はわかりませんが。
ストーリーは正直言うと序盤で予想できてしまいましたが、分かっていてもおもしろかったです。
中篇だと地の文の表現を無理に難しくする人が多いですが・・・
この作品は読みやすいのに必要なものはきちんと描写されている。SSの見本だ。
兄のやさしさが心に響きました。祐一も少ない出番でいい味でてますね。
強いて言うなら大婆様の出番をもう少しだけ天野にまわして欲しかったです。
事情により満点はあげれませんが優勝候補筆頭。
- 13 いつかムラムラする日。 (採点:2)
- ユニコーンのネタが一番輝いた瞬間でした。
かなりツボでした。
しかし、全体的に私には難しかったです。
ジャンルは何が正しいのだろう。
- 14 ――僕らの昨日が見ていた未来は―― (採点:6)
- テンション高いよ。どういう精神状態で書いたんだよ。
元ネタが分からない場合はどうやって反応したらいいんだよ。
でも、私は全部のネタが分かったよ。だからかなり笑わさせたわ。
私自身はよく”今回一番馬鹿なSSですね”とか言われるSS書きですが、これには負けますわ。
作者もろバレですが、すげー上の順位かすげー下の順位になって欲しいです。
- 15 【決別】 (採点:8)
- 技巧派のSSですね。
ストーリーは王道なんですが、現在の祐一を取り巻く細かい設定がそれを忘れさせる。
ギャグもでかいのはないのですが、後で効いてきます。その技術を学びたいです。
祐一のいいかげんな態度も腹立つんですが、違和感はなかったです。
何がすばらしいかというと構成力と間の取り方に感心しました。改行って大事ですね。
名雪幸せになって欲しいです。
- 16 お別れのキスのことばかり考えていた (採点:5)
- 面白い設定ですね。
if系の話なんで仕方ないんでしょうが、キャラに違和感を感じました。
擦れている感じがするというか。
あと、二人の関係が一気に進んだ理由があまりわかりませんでした。
もう少しコミカルな感じなほうが設定が生きた気がします。
- 17 天野がオバサンくさいワケ〜"あの子"と呼ばれた仔〜 (採点:5)
- 今まで読んだみっしーの”あの子”SSの中でも一番衝撃でした。
設定も斬新で面白いです。
でも・・・
こんな天野家は嫌だ・・・
後半部分だけ突然原作とリンクするのは違和感ありかと。
半分オリジナルみたいな展開のままで締めて欲しかったです。
あとラストのシーンだけ軽いノリのなのは、キレイに終わってはいますが、作品の個性を打ち消してる気がしました。
- 18 大切な忘れ物 (採点:5)
- すごく失礼な言い方ですが、コンペ慣れしてないなと思いました。
私と比べると文章も上手で、流れも悪くないとは思います。
作品自体もやさしくて綺麗なお話でいいと思うのですが、ちょっと大人しいかなと思います。
あゆのお母さんの墓参りという発想は悪くないのですが、どこかで山場が欲しかったです。
- 19 もう一人いる (採点:2)
- ジャムよりも次郎がよくないです次郎が。
ある意味誰も予想しない父親ネタですが、それはやっちゃいけないネタだから予想しないわけで。
各所の小ネタも爆発力がたりないかと思います。
仮にこの雰囲気で行くのが目標なら、地の部分を増やして、せっかく面白くしてあるシチュエーションで笑わせるほうがいいかと。
あと、あんまりリアルな関係の真琴と祐一は見たくないのです、個人的に。
SSとしては面白いですが、私の趣味に合わなさ過ぎるので厳しくしました。
- 20 ボート (採点:7)
- 今回一番ギャグの才能を発揮している作品だと思います。
ストーリーは地味で、20KB強と短いし、特筆するものはないのに・・・(すみません)
台詞回しだけでここまで面白いとは恐れ入りました。
かなり適当に書いてあるっぽいのが逆に、作者様に私との才能の差を見せ付けられたようで泣きそうです。
同じ香里と北川のSSで参加してるだけに羨ましさが倍増ですよ。コンチクショーめ。
またこういうのを書いてください。
- 21 終わりの時 (採点:2)
- 名雪の悲しみが私には伝わりませんでした。
冷静に事実を受け入れているようで冷たく感じました。
正直名雪のキャラにかなりの違和感を感じます。
名雪はもっと感情豊かで優しい子だと思います。
- 22 恐怖のお料理合戦 (採点:5)
- コメディですね。何の変哲もないコメディですね。
目から鱗が落ちそうなほど、真っ直ぐなSSだ。
なんだかものすごく懐かしいです。
みっしーや香里のキャラに違和感がありますが、作風にはあっていると思います。
前夜祭にも参加されていた方だとお見受けしますが……違ったらすみません。
もうちょっと読む人の予想を裏切るようにすれば面白くなると思います。
- 23 ライク (採点:6)
- 普通に面白いです。
あゆの顔で話す、綾香の台詞を考えると特に面白いです。
シリアスだけどそんなに暗い感じがしなかったので読みやすかったです。
ただそれは長所でもありますが、内容を軽く見せてしまうので短所でもあるような。
もっと地の文を増やして、祐一の葛藤も多くしてシリアス面を強調したほうがジャンル”シリアス”としてはよかったかも。
>「……お前っ、これだけは言っておくけどな、」
>「分かってるよ」
の名雪の台詞には色々想像させられました。
- 24 湯煙温泉旅紀行 (採点:7)
- 序盤あれ程ウニモグで引っ張るとはおもいませんでした。
もういっそ全部ウニモグでもよかったです。
ゴムタイヤを鉄輪に履き替えて線路上を走るとかやって温泉にたどりついて欲しかったです。
ウニモグから急激にセクシーSSに変わったのでびびりました。
やりたいことだけやられた感がありますが、割と満足させてもらえました。
- 25 太陽の眺め方 (採点:8)
- 名雪が強いですね。
北川は情けないように見えますが、思いをいつまでも引きずってしまうほうが彼らしい。
途中名雪と北川がくっついたら嫌だなとか思ってましたが、名雪の行為が純粋な親切心だけでよかったです。
傷口を舐め合ったりせず、それぞれ前に進んで欲しいとおもっていたので。
○はむ さん
- 01 左手で繋ぎたい (採点:10)
- あゆあゆの握りは世界最強!
- 02 サンダルが飛ぶ夏 (採点:5)
- 北川と相沢が「女ほしー女ほしー」とか言ってダベってる作品って感じがして、序盤で心折れそうになったぜ・・・。
でも頑張って最後まで読んだぜ!
<真面目フィルターON>
読者に「なぁどうだい? 今の俺の気持ち……」って感じで言葉を投げかけるような語り口の文章は、
心に響きますね。共感を促し、同意を求めているわけです。
感性で書かれた作品は詩のようで、昔の日本独自の自然主義文学の流れを汲んだ――まさに語りの文学。
ストーリーではなく、若者たちの会話を愉しむ心境小説なのでしょう。
<真面目フィルターOFF>
・・・ってのは分かるが、文章がダラダラしすぎだと思うぜ! メリハリに乏しいのさ。
ダベってるのを表現しようとしてるのは分かるがYO!
この内容ならもっと削れるぜガリガリ。
この手の文章は緩急つけて、抑えるところは抑えて行間の妙を出すのが肝心だ。
わ・び・さ・び! これが日本人のココロデーーース!
さぁ削ろうぜ! LET’S GO ジャスティン!
ただ、最後がしんみりしてて、
まぁ悪くないので1点追加しとくぜ!
- 03 雪の世界より愛をこめて (採点:8)
- トレンチコートの男とまじかる☆さゆりんのダイアグラムは2:8ってのは分かったぜ☆
こいつの浮きは高いから限定コンボ入りまくるに違いない! 空中コンボ入れまくれるぜ北川!
- 04 グリーンスリーブスが聞こえる (採点:5)
- ここで鈴の音フィニッシュすれば完璧だぜ!
でも丘の狐たちは
うるせーー人間どもがぁぁぁあーー! 音ならすんじゃNEEE!
傷害罪で提訴すんぞヌキャァァ! 動物にも(昔は)訴訟能力あるんやぞWRYYY!
とか思ってそうだぜぇ?
<真面目フィルターON>
登場人物全てが慈愛に満ちた優しくて童話のようなお話なのですが(kanonらしい雰囲気^^)
どうなんでしょうねぇ。僕個人としましては、
そのような話しにあまり趣向がないので、なんとも申し上げられませんが……。
大人まで丘の合唱に加わるとか、僕にはとても発想できません……。夢のない奴でちょっと僕は悔しい思いしてます。
どうしても、「こいつらジブリかミュージカルかありえねー」とか思っちゃいまして。
いや別に僕はハッピーエンドが嫌いなわけではないんですがね。
kanonは辛い運命を愛する彼女と二人で乗り越える作品なのはわかってるんですがね。
ただ、同じkanonでも麻枝シナリオにはあるんですが、
人間臭さがほしかったなーと(それがあるから不評なんですが)
久弥シナリオに足りないのは、そこだと思うんですよ。
エッセンス程度でもいいですからほしいなーと。
ちょっと人物描写が(そういった意味で)薄いかなーと不満こぼしてみます。
まぁ贅沢な悩みですし、作風にも合わないので、このままのほうがよいのは分かっておりますが。
個人的好みでこの点数、恐縮。
- 05 ネバー・エンディング・ストーリー (採点:8)
- 12モンキーズだ……。
? あの企業……ウイルス……
まさか……あの企業は海馬コーポ(略
- 06 友人以上恋人未満から (採点:10)
- やばいですよこの香里の破壊力は……! いちいち面白すぎるぜ!
僕、北×香で初めて萌えたよ……。じゅるじゅる。
三幻神の一つ! 星10個の神! 『オ尻スの点滴竜』を進呈するぜ!
- 07 僕と、シオリと、スケッチブックと。 (採点:10)
- おー、これはよいですね。今回のこんぺで一番上手いと思いましたですよ!
展開もグイグイ引っ張って盛り上げてくれて面白かったですねー。この引きの良さは十代級ですよゴッドドロー!
僕みたいな不肖の輩でも一気に読めましたよ。
叙述トリックも効いてますねこりゃ一本取られました!
しかも実に丁寧な作り。いちびりたちの鑑賞にも耐える品質でしょう。
丁寧で! 上手くて! しかも上手いだけじゃなくて展開も文章も面白い! こんな作品、今時珍しいかもしれないッッ!(マテ
栞が死んだ後、香里が栞になりきろうとするってネタは、僕も考えてました。うわっ、先を越されてしまった――(死
一見して「そんなこと言う人嫌いです」とか「えへへ、恥ずかしいです」とか香里が萌えキャラ風の一人称テキストと台詞を喋るのに、
実は全身から狂気が漂っているみたいな感じで描こうかなーと。書かなくてよかった、叩かれる(汗)
香里は純真な少女のように愛らしくも切ない役どころがよく似合いますね。
ただ、ちょっと種明かしが早かったかなーっとも思いました。(ちょっとあっさりすぎた?)
グイグイ引っ張ってただけに「!?」って感じでしたから。
それだけ引きが巧みだったという証拠でしょう。こりゃ参ったぜドゴーン! なんて釣り師だギョジンさん!
もっとぐいぐい引っぱって、物語の深くまで引き込んで2,3日は引き摺るようなくらい引っ張って欲しかったと贅沢な要求してみます(ぉぉ
展開で酔わせる作品というものに飢えている僕としては、大当たりの作品でした。ありがとほ。
作者の方を知ってる気がしないでもない・・・。
だめだ作者予想なんてできん・・・。でも一位は取れそうな素敵作品、天晴れ。
この作品には! 神の一体! 『オベリスクの巨珍兵』を進呈するぜワハハハハ!
受け取れぇぇぇぇい!(ドピュ☆)
- 08 潜入捜査Kanon・僕らのたい焼きドリーム〜記憶の中のエンジェル〜 (採点:8)
- 夢のまた夢
次は徳川編!
- 09 鬼さんこちら (採点:9)
- でたよでたよ舞vs佐祐理SS!(ババーン)
あいつらガチでやらせたら百合以上に燃えますよね!(ゴゴゴ)
ゴスロリ系ヒロインの舞はやはりエログロナンセンスと血がよく似合う!(死)
佐祐理と剣を突き刺しあいながら、キスをしてお互いの体液と口の中の血を交換し激しく愛し合うシーンとか燃えましたね(ねぇよ)
そして「ずっと一緒……」とか言って雪の中で抱き合い倒れる、斬り合いをして着衣が乱れ肌の覗けた二人。いばらの森マジキタこれ(妄想というより、No13)
魔物を年間二百体召喚できる魔法少女さゆりんは! 強靭! 無敵! 最強!
粉砕! 玉砕! 大喝采ィーーーーーーーー!(ワハハハハ!)
佐祐理シナリオは発動された! 見るがいい舞! これがKANONの真実! 川澄舞召喚!(ドン☆)
これが倉田コーポレーションの力だワハハハハハハ!
原作と少し違った設定が面白かったでつ。外伝として読ませていただきました。
細かいことは気にしないのです男なら!
舞は佐祐理が産み出した存在というのが面白いですねー。
- 11 春を夢見る狐達 (採点:5)
- 狐が人間に憧れるだと? くだらん! くだらん! くだらん!! 非ぃ科学的だ!
……あれ?
おふざけフィルターを解除して真面目に書きます。
<以下うんちく>
最初、夢落ちエンドで終わったら、今回のこんぺで唯一の1点を放り込もうと思っていたのです。
理由といたしましては、「そんな風に救済されては真琴シナリオの魅力が台無しになるだろう」と。
真琴は散ることによって真価を発揮すると、僕はかんがえているからです。下手に救われたり生き返ったりしたら台無しだろうと。
ちなみに名雪は切なさ大爆発の報われない陰のヒロイン系とぼくの中では位置づけられています。
ですが、それでこそ名雪は真価を発揮すると僕は思うわけです。変に名雪エンドとかで終わったら、やっぱ台無しですよ。
やっぱ振られないとだめですよ。弄ばれないといけませんよ。卑猥な言葉で罵られないと! 嬲られないと! 刺されないと! だおー!(ぉ)
振られるから美味しい役どころと僕は思います。
こう、「もう、似合わないのかな……」みたいに、鏡で髪の毛を三つ編みにいじってる、東映版名雪が僕としては最高なわけですよ。
髪の毛いじる女の子は、切な過ぎます。
あれ? なんで名雪の話をしているんだろほ。それに真面目じゃないですねとほほ。
<うんちく終了>
さて、5点の理由はですね。返ってくるようなことを仄めかしたら上気の理由から台無しじゃないかと僕は思うわけですよ。
真琴が戻ってきたら、あの時の別れはなんやったんじゃいって感じですよ。この辺はNO4と同じ理由だったりします。
まぁ個人的な好みでございます。
さぁ冥界に還そうぜ!
- 13 いつかムラムラする日。 (採点:6)
- な ん だ こ れ は?(ぉ
分からん! 祐一がEDになったのか? ガリバー病か!(こらこら
<以下だらだらと素人が文学を論じる>
退廃的な雰囲気の漂う作品だが、退廃的=前衛芸術ではないと思う。
この作品は、恐らくこの異様な作品を目の当たりにした時の読者の驚く顔によって完成する作品だろうと思う。
その点で読者に依存しているわけだが、この作品にはその威力がちょいと弱かったと僕は感じます。
もはや退廃的=前衛的=純文学なぞという図式は、ある種のステレオタイプとなっています。
誰でも容易に受け入れられる。生まれたときから前衛としてそこにあったんですから、価値観として既に根付いているので当たり前です。
僕らには常識な”前衛”というわけです。そして、その時点で”前衛”ではないわけですよ。
僕ら若者にとっては、出雲阿国の舞のほうがよほど前衛芸術かもしれない。
今作は、そのステレオタイプ通りの反応を引き出したいと思って書いたわけでもないと思うので、書きますが。
僕としましては、この手の挑発的な作品には「ステレオタイプを打ち破るのがステレオタイプ」ってのをステレオタイプとしているので、
打ち破れなかった時点で、弱いなと思うわけです。
退廃的=前衛的なんてもう過去の価値観だと思うのです。その古典的な前衛観をあえて出すからには、『型を知り型を破る』として、それを打ち破ってもらいたかったが
それがない今作では、
僕にはただ、『こんぺに対する挑戦』と固定的な評判を期待して騒ぎたい・騒がれたいために書いた風にしか見えなかった。
まぁ、滅多に小説読まないんですが読むっていっても、池波正太郎とかの易しい文体しか読めない僕がお送りしました。
<終了>
でも俺は、きっとこれを書いた人間の心境がなんとなく分かるぜ!
とりあえずバンビーの俺は、素直にこの作品を見て面食らっとくぜ!
「な ん だ こ れ は ?w」
- 18 大切な忘れ物 (採点:10)
- 言葉は要らない。男は黙って10点投入!
- 19 もう一人いる (採点:8)
- ずばりこんな感じだな!
| \
| ('A`) ←名雪 ギシギシ
/ ̄ノ( ヘヘ ̄ ̄ アンアン/
- 21 終わりの時 (採点:10)
- 真琴シナリオの感想と批評を名雪と祐一にやらせてもなー・・・。
冷静に解説されても、どうしたもんか。
・・・・その意気込みやよし! 10点入れとくぜ!
- 22 恐怖のお料理合戦 (採点:10)
- 最高だ……。外道麻婆破壊力ありすぎだぜ・・・。
こんぺ作品って大学とか行ったり、
会社行ったり作者の日常での鬱屈をうじうじと俺みたいに
ねちっこく描きまくりが多くて辟易しちまってたが、
こいつは癒されたぜ……。潤君と新妻のようにきゃんきゃん愛らしく慕う美汐さまと
とクールビューティー&ドジッ子スキルを持つ香里ちゃんが可愛らしすぎるぜ!
よーしボキちゃん、二人とも食べちゃうぞー(ぉ
<「んー……」
< あ、ひらめいた!!
<「塩をたくさん入れすぎちゃったんだから、砂糖を入れれば相殺できるはずだわ!!」
< クールビューティー、美坂香里の下した判断の結果は、さらなる悲劇を呼ぼうとしていた。
< まるで氷山のごとき量の砂糖をスプーンですくうと、香里は一切の躊躇なく、それを麻婆豆腐の中へ突っ込んだ。”麻婆豆腐”の中へ”大量の砂糖”をぶちこんだのである!!ドーン!!
ダイナミックすぎる文章だ・・・。ちまちまと女々しい文章よりもよほど表現に面白みがあって上手いぜ・・・。
kagamiさんの地の文のようなダイナミズムだ・・・。俺も真似しようとしたことあったぜ・・・(トオイメ
これはあたらなSS文学の表現に革命をもたらすに違いない……! いやマジで。
つーか軽く敗北感覚えちまった・・・。俺も最近は真面目に書きすぎてたぜ・・・もっとはじけたいぜ……。
この作品には三幻神の中でも最高位の神! 『ラーの欲珍竜』を進呈するぜ!
- 23 ライク (採点:8)
- 月宮あゆのそっくりさん! きっと幼児体形なんですね!
コスプレさせて口調も調教すれば完璧だぜ! ハァハァ。そしてゴスロリ、これ最強。
- 24 湯煙温泉旅紀行 (採点:10)
- ところどころのユーモラスな描写と、吹っ飛んだ描写とが交差していて個人的ツボにはまりました。
<「40R! 30L! 50! Flat! Fpoint!」
<「Year!」
< 別次元となった前席の様子に唖然とする祐一。いつの間にか二人は頭にインカムを付けており、息のあったコンビネーションを見せている。
温泉行くだけなのに何やってんだよ!w
<「やめっ……やぁっ!」
< 二人がかりで岩壁に押し付けられてしまい、どこにも逃げ場がないまま弄ばれる名雪。
<「はむはむ……」
<「あむあむ……」
< あゆは乳首を口に含んだまま首で円を描くようにして吸いついており、真琴は前歯で乳首を甘噛みしながら、ざらついた舌で先端部分をちろちろとなめている。まったく異なる刺激を同時に与えられているせいか、あたりには名雪の嬌声が響き渡った。
ちくしょう! 18禁禁止だっつーのによ!
ま さ に 邪 神
お の れ 邪 神
今回一番のエロス作品はこの作品に間違いないぜ・・・。
にしてもエロス多いな。
昔だったら「舞のエッチシーンは駅弁ですねキテますね」とか言ってオフィシャルBBSで18禁話するだけでタブー視されてたのに、
時代も変わったもんだぜ。
○まてつや さん
- 01 左手で繋ぎたい (採点:6)
- うっはん。最後、甘すぎる! とっても甘くてえがったですわ。
惜しむらくは、そのおいしい利き腕エピソード以外のお話はあまり面白くなかったと言うか、削って前夜祭で出されたら良かったのにと思いました。
- 02 サンダルが飛ぶ夏 (採点:8)
- 読みやすくて、良かったです。
最後ちょっと語らせすぎているの感じがしました。もっとスマートに決まってくれるともっと好印象で読み終われたと思います。
なんか、ところどころ全部切ない。ものすごい切なかったです。
- 04 グリーンスリーブスが聞こえる (採点:6)
- 私が無知な故なのですが、緑3ブスに見えてしまい、タイトルに惹かれて今こんぺで一番最初に読んだ作品です。
文中に天野は内気で友達が少ないみたいな文章ありましたけど、原作の天野はこの事件が起こるまでは普通のそこそこ明るい少女だったのではなかったかしら?
記憶があいまいなので自信ありませんが。
内容としては、後半の追い上げが効いている感じです。
また一人、また一人と増えていく様は盛り上がってきた感がありよかったと思います。
- 06 友人以上恋人未満から (採点:10)
- あんまりにも意味深な1ページ目から不幸な終わり方になるかなぁと不安に思いながら読んでおりました(分類欄を見てない証拠)が、嬉し恥かし香里さんがラブに目覚める良作ラブコメでした。グッジョブ!
そんなわけで、ツッコミどころもないわけではないのですが、幸せな終わり方で良かったです。終わりよければ些事は気にしません。
北川くんも香里も可愛かったです。ごろごろごろごろ。
- 10 硝子の向こう (採点:7)
- 7点をつけるくらいにこの作品は評価してますし、このこんぺの中でも個人的に「面白い」方よりなんですけど、具体的な褒め言葉が何故か浮かびません、すいません。
ところどころ挿入される破片のエピソードがなんとなく重いというか、シリアスな感じが出すぎているような気がするので個人的にはもう少し抑えて欲しかったと思いました。
意味深すぎるというか、もっと軽く、回数も減らした方が個人的には好みだったかもしれません。
あーうー。やっぱり褒めてない……一応、今回のこんぺでは5本の指に入る評価なんですけど、点数分程度には好きな作品なんだけどなぁ。ごめんなさい。
- 11 春を夢見る狐達 (採点:10)
- 10点を付けておいてなんですが、このSSは個人的にツッコミどころはいくつもあります。
ただ、作品自体がとても素晴らしかったのでそれらは目を瞑りますし、その点についてはこれ以上は書きません。
素敵な作品をありがとうございました。真琴好きなんで、とっても満足でした。
ぴろを歩道橋から落とすシーンとか最高でした。
普通に上位入りそうですね。
- 13 いつかムラムラする日。 (採点:5)
- タイトルの意味が結局、さっぱりわかりませんでした。
結局、消化不良というかエピソード散らばせた割りに、ポイントどこだったのかなー、わかんないなぁ、と。
あと、個人的に違和感を感じてた点を。佐祐理さんと初対面っぽいのに「倉田さん」と呼ばないのは何故ですか? 佐祐理さん側が「相沢さん」と呼ばないのはまぁ、いいとして。
- 14 ――僕らの昨日が見ていた未来は―― (採点:10)
- わはは、参った参った。降参です。
最初「つまんねーなぁ、ギャグすべりまくりだよ! 北川の扱い酷すぎるよ!」とか思って見てたのに、1ページ目の「一緒に帰って(以下略)」でクスリとしてしまったら、まぁ、最後まで出続けるギャグの数々に感動さえした。
つまんねーネタでも「よーやるなぁ」と感心してしまうし、面白いネタなら単純にグッジョブって親指を立てたくなるし、いくらでも出てくる小ネタわからな<<いのもあるけど、ニヤリとできたし、困りました。
この青、つよきす、うたらじとかやりすぎだよニヤリとしちゃったよ。声優ネタはしらないんですけど。
少なくとも、最初から最後までこのテンションで書き続けることは自分には出来ない。作者さんのその姿にシビれたぜ。
- 20 ボート (採点:4)
- タイトルが弱いと思いました。
えー、結論それかぁ。と個人的に残念でしたー。
- 24 湯煙温泉旅紀行 (採点:5)
- 温泉での裸体(主に胸)に関する描写は気合が入っている感じでとても良かったと思います。
前半と後半でドライブパートと温泉パートが分かれているのですが、個人的に前者が合わなかったです。
2つの話がぶつぎれている感じがして、全体としてみるとあまり評価できないです。バストだけに特化してくれていれば高得点でした。
名雪の乳に対する描写がエロすぎて大好きです。
○むり さん
- 01 左手で繋ぎたい (採点:6)
- 変な感想で申し訳ないのですが、祐一が左手でご飯食べてるシーンが大分好みです。
普段当たり前にやっている食事という行為の貴重さを――箸を繰り、舌で味わい、薫りを愉しみ、口いっぱいに噛み締めることの豊かさを、感じることが出来た気がしたからです。
あゆと祐一のラブラブっぷりがとても良かったです。
見ているこっちが恥ずかしいくらい。
- 03 雪の世界より愛をこめて (採点:7)
- いわゆる「kanonじゃなくてもいい話」の中でも、群を抜いてkanonじゃなかった気がしました。
タコの姿の火星人って……
あと、人類が火星に到達しようって時代に地球侵略を企てる火星人がちょっと萌えました。
今更かよ(笑)
- 08 潜入捜査Kanon・僕らのたい焼きドリーム〜記憶の中のエンジェル〜 (採点:8)
- ダンジョンの探索、群れ集う雑魚キャラとの戦闘、イベントを経て重要アイテムの獲得……。
RPG様の話がとても好きなので、このお話も例に漏れず好きでした。
もしかしたら黒いお話なのかもしれませんし、この世界における祐一はヒキコモリオタなのかもしれませんが、細かいことは気にしないようにします。
楽しかったです。
- 13 いつかムラムラする日。 (採点:7)
- 芸術としてのエロスという言葉を久しぶりに思い出しました。
女性の裸もセックスも、快楽の追求以外の用途に用いられるなら、それはひどく物悲しい色彩で、人の生を彩るのだと。
コメディに違いないと思って読み始めたのが、いい意味で裏切られた感じでした。
悲しみを携えた不感症で勃起不全の彼らの、性器を濡らすものが涙ではなく、もっと美しい何かに生まれ変わる事を今、願って止みません。
- 16 お別れのキスのことばかり考えていた (採点:10)
- 魔法のような言葉の連なりに、惹かれたのだということです。
内容なんて半分も解っちゃいないのだけれど。
理解できないものに価値を認めるのは愚かな行為でしょうか。
この長い文字列の中に、かっちりとした意味は存在しないような気がしています。
でも何だかそれが綺麗で、
人の気持ちをそのまま絵にしたら、こんな言葉になるのかもしれない、そんなイメージを受け取っています。
- 18 大切な忘れ物 (採点:5)
- あゆの母親ってどんな人だったんでしょうね?
想像したこともないから、よくわかんないのですが。
エンディング後の一幕として、ささやかながらも素敵な話でした。
祐一を叩くあゆが可愛かったです。祐一がぽかぽか叩かれるたびに、僕の気持ちもぽかぽかしてきました。
- 19 もう一人いる (採点:6)
- つまり部屋の隣と階下の音に挟まれ聞き耳を立てた名雪が一人ベッドの中で
もう一人いる!
- 20 ボート (採点:5)
- >「まあ、でも、ベッドで香里を昇天させた数は二十回は軽く」
女性をきちんと昇天させられる時点で男としては有能だよなぁ、と思いました。
北川君はそれを特技として誇っても許容される気がします。香里にはぶん殴られるでしょうが。
過去の痛みなんて所詮過去の痛みでしかなく、時の移ろいと共に緩和されゆくものである以上、美坂香里がその痛みと向き合えたことは必然であって。
果たして彼女の妹が、もしも今このときに、今際の際の姿で立ち顕れたとすれば――彼女はどんな言葉を掛けられるのでしょう。
その首に編み上げたマフラーを巻いてやれるのでしょうか?
それとも、
それは途方もない、抜身の刃と向き合うような勇気を要するものであって、
彼女がボートを漕いでいるなら、後ろ向きなら、その刃の位置を確認することが出来ないのなら、栞の姉ではいられないのだと思います。
ですが、そんな彼女の役割を、北川は肩代わりするのだと言ってあげた。
がむしゃらにオールを引き抜く役目を、自分が成すのだと誓約した。
ならば、
自分の罪と向き合うことが、一朝一夕にはけして成しえない偉業だとしても。
ありがとう、――と。
2月1日の青い空から、華やいだ彼女の声が、聞こえたような気がしました。
- 21 終わりの時 (採点:6)
- 言葉の端々から毒々しさを感じるのですが、意図的なものなのでしょうか……
この物語に登場したキャラクタの誰一人、祐一でさえ、真琴の消失を心から悼んではいないような印象がありました。
全員ツンデレなだけかもしれませんが、それと読み取れる描写が薄かった気がします。
意図的だったら、なんかすごいことするなぁ、と思います。
意図的でなくてもすごいことしたなぁと思います。個人的に白いキャラより黒い方が好きなので、6点にしました。
- 22 恐怖のお料理合戦 (採点:6)
- >「塩をたくさん入れすぎちゃったんだから、砂糖を入れれば相殺できるはずだわ!!」
間違いなくやると思ったw
どうして料理の出来ないキャラって皆こういう発想するんだろう……。
せっかく出てきた栞の見せ場がなかったのが残念ですが、面白かったです。
北川がいい男なのがよいですね。彼はモテモテですね。これは所謂K-1ですね。
ところで、サラダ油じゃなくても400mlは多いような気が汁。止めようぜ北川。
- 23 ライク (採点:5)
- バイト帰りに降り出した雨に、行き場を無くした子猫のように、男のアパートに飛び込む少女。
濡れた髪が額に張り付き、青ざめたくちびるは白い息を吐きながら震え、そっと触れた指先は氷のように冷たくて。
見つめ返す瞳の、ひた隠しにした心の奥を白日の下に曝されるような、深さと向き合う勇気を以って。
80年代の青春ドラマのような展開をワクワクしながら追いかけていたのですが……。
綾香のキャラクタ造詣と、その気持ちの動きが余りにも軽すぎて、物語としての深みをまるっきり無くしているという印象です。
祐一の、あゆに対する気持ちを薄れさせていく課程にスポットを当てていることがその理由かもしれませんが、個人的には納得できませんでした。
綾香の祐一に対する呼び方が、苗字から名前へと明確に変化しますが、そこにどれだけの深みがあるのか。彼と彼女の間を繋ぎとめる愛とか恋とか友情とかいう名前の絆に、どれだけの時間が、思いが、行為が、その撚糸を織り上げているのか。
その深みを感じられなかったため、お話に入り込むことが出来ませんでした。
シチュエーションは非常に好みだったので、余計にそう思います。
僕が数を知らないだけかもしれませんが、純然たる恋愛小説ってあんまり見かけないから、たまに見つけるとものすごい勢いで飛び掛かってしまいます。
つまり、飛び掛かるだけの魅力はあったけれど、あんまり美味ではなかったということです。
- 24 湯煙温泉旅紀行 (採点:5)
- 湯煙の煙はひらがなの方がそれっぽい気がしています。どうでもいいですね。
テレビとかで化粧品の宣伝の文句を聞くと、肌に優しい弱酸性、みたいなフレーズが散見されるのに、温泉の場合は弱アルカリ性のものが美肌効果を喧伝されてしまう不思議。不思議です。
古い角質を溶かしてしまうためでしょうか。よくわからないのですが。
前半の燃え展開と後半のエロ展開が完全に遊離してしまっている印象で、ストーリー性云々の面で見ると首を傾げざるを得ないのですが、女性陣が程よく姦しい感じで可愛かったので帳消しです。
ご馳走さまでした。
それにしても祐一のポジションがおいしすぎます。僕もたゆんたゆんって見てみたいです。
- 25 太陽の眺め方 (採点:8)
- うまくまとまらない気持ちを伝えようとするのは、まるで恋、みたいですね。
五月の風のようなキラキラした瞬間が、胸の真ん中で渦巻いています。
それは沢山の醜さを削り落とした先にようやく僅かな表面を露出させた名雪の笑顔だったり、痛々しいほどに純朴な北川潤の横顔だったり、まるで母親のようなこの街の守り神の、雪のように降り注ぐ無数の羽根の純白だったりしました。
結婚式のスピーチで妹の話を持ち出す香里に、どんな辛い思い出も美談の名の下に浄化してしまう人間の浅ましさと、移りゆく心の生々しさを見たような気がしました。
そんなものにいちいちケチをつける気持ちも、同じように浅ましいのでしょうが――。
○コンタミン さん
- 02 サンダルが飛ぶ夏 (採点:7)
- うまい。
うまいんだけど……何も残らない。
文章のテクニックはトップクラスなのですが、エピソードが細切れで何一つ解決していないからでしょうか。
投げっぱなしの展開と言いますか……もちろん、意図的にそうしているのだと思いますが。
読み終えて「どんな話だったっけ?」とあらすじを回想した時に、
色々あった。でも悲しいんだ。ばかやろう。
としか思い出せなくて、自分に悲しくなりました。
- 03 雪の世界より愛をこめて (採点:7)
- 実は読み始めた頃は「よくあるお気楽ギャグだな」と期待していなかったのですが……
あれよあれよと引き込まれてこの点数。
筆がノッてるというか、すごく楽しそうに書いてらっしゃるんですよね。
全盛期だった頃のKANON-SSを読んでいるような、不思議な懐かしさがありました。
- 06 友人以上恋人未満から (採点:8)
- ラブで、コメで、そしてバカ。
ここまで正統派のラブコメにお目にかかれたのは久しぶりのような気がします。
特にベッドでゴロゴロと転がるシーンが最高。少女マンガみたいな初々しい恋愛に心打たれました。
- 07 僕と、シオリと、スケッチブックと。 (採点:10)
- 優勝候補の筆頭で間違いないと思います。
名雪の一言から、糸が解けるようにするすると真相が明らかになる展開がたまりません。
ゾクゾクしました。
また会話に全くと言っていいほどギャグが入っていなかったのも、よかったと思います。
今にも切れそうなほどに細く張った、透明な緊張感が保たれていました。
本コンペ唯一の10点を進呈します。
- 20 ボート (採点:9)
- これは大人にしか書けない話だよなあ、と思っております。
夢だとか理想だとか、大切にしてきたはずのものを少しずつ捨てていって、最後に残ったのは裸の自分。
まあいいか。幸せになっちゃえ。
そんな感じ。
墓前のクライマックスも素敵でした。
○琴吹 邑 さん
- 01 左手で繋ぎたい (採点:6)
- ほんわかとしたお話でした。
綿の中にくるまれたそんな印象を受けるお話でした。
- 02 サンダルが飛ぶ夏 (採点:8)
- テンポが軽快で読みやすかったです。
だんだん忘れていってしまうのが、ちょっともの悲しい感じですよね。
ONEを彷彿とさせる展開は個人的にはかなり気に入りました。
うまいなあと感じた文章でした。
- 03 雪の世界より愛をこめて (採点:7)
- SFが入ったKanon。パロディぽくて、個人的には好きです。
ただ、最後の部分がしり切れトンボの感じで残念だなと思います。
- 05 ネバー・エンディング・ストーリー (採点:6)
- 個人的には、作中に出てきたブラックマンデー事件を
香里視点で書いてもらいたいなあと思いました。
すごいそのときの香里を読みたいなと思わせる作品でした。
- 06 友人以上恋人未満から (採点:6)
- べたべたなラブコメですね。
乙女な香里がかわいかったです。
- 07 僕と、シオリと、スケッチブックと。 (採点:8)
- 完全にだまされました。
ミスリードに引っかかりまくりです。
お話もテンポ良く進み面白く読みやすかったです。
うまいなあと思った作品でした。
- 08 潜入捜査Kanon・僕らのたい焼きドリーム〜記憶の中のエンジェル〜 (採点:4)
- ゲームと現実が夢の中に反映された物語って事ですかねえ。
結局何にも解決しないのでちょっと物足りないなあと思いました。
- 09 鬼さんこちら (採点:7)
- 舞そのものが魔物だったという設定が面白いなあと思いました。
- 10 硝子の向こう (採点:6)
- 二人三脚をからめたお話。
ほのぼのしつつしっとり感があるそんなお話だなと思いました。
最後に本当に栞のことを吹っ切れたであろう香里に良かったなあと思いました。
- 11 春を夢見る狐達 (採点:9)
- 素敵なお話でした。
妖狐に関する設定もすごく良かったです。
今回の作品群の中で一番よかったと思える作品でした。
- 13 いつかムラムラする日。 (採点:1)
- シーンが混線しているのは意図的なんでしょうね?
シームレスに混線していて、読んでてわけわからなくなります。
最後まで読みましたが、結局、この話も何が言いたいのかわかりませんでした。
混線させる意味もあまり感じません。
栞の死も、舞の死も、作品に意味を与える死では無いような気がします。
タイトルも、内容といまいち合致していない気がします。
申し訳ないですけど、まったく作品の意図がわかりませんでした。
- 14 ――僕らの昨日が見ていた未来は―― (採点:4)
- 北川がいじめられっ子でちょっとかわいそうかなと思いました。
お話としては、コメディとして楽しめました。
何度も出てくるタイトルも途中笑いの要素になりましたが、あまりにも何回もでてきて、
最後のほうは食傷気味でした。
- 15 【決別】 (採点:6)
- 名雪が踏ん切りをつける話って、好きなんですよねえ。
二人の距離感が微妙で、それが良かったなと思います。
- 16 お別れのキスのことばかり考えていた (採点:5)
- ちょっと寂しげな物語でした。
気になったのは、わざわざ、原作の設定を改編しなければならないほどのお話かなと感じました。
原作の設定をわざわざ殺すことはないと思うんですけど。
佐祐理は舞の話が進まないと出てこないんですし、
わざわざ原作の設定を否定して舞台設定するよりは、
原作を考慮に入れた舞台設定の方がより親しみやすいと個人的には思います。
- 17 天野がオバサンくさいワケ〜"あの子"と呼ばれた仔〜 (採点:6)
- それは、加持祈祷ではなく、妖狐のの命を贄とし血を触媒としていた呪術
という設定が面白かったです。
重苦しい雰囲気がずっと漂っているそんなお話でした。
誤字に気が付いたので報告。
・繭一つ動かさない。
・ぐずがる
これは、ぐずるかむずがるのどちらかですね。
・フィギィア
- 18 大切な忘れ物 (採点:5)
- 多分他の人からも指摘があると思いますが、「・・・」に関して「……」を使った方が良いのかなと。
自分も、自分のblogとかでは、「・・・」普通に使ってますけど、本来中黒はそう言う使い方をしないそうなので。
お話はほのぼのとした作品で結構好きな作品です。
- 19 もう一人いる (採点:3)
- だらだらとした感じで、何とも。
微妙が一番あう言葉かなあ………。
- 20 ボート (採点:4)
- オープニングの名雪がちょっと幼すぎるかなと思います。
さすがにいきなりは泣き出さないと思うんですけど、どうでしょう?
後半栞のお墓でのシーンはもう少しタメがあった方が良いかなと思いました。
ちょっと性急すぎる印象を受けました
誤字報告です。
涅槃ちゃんと更生してきてね
以外にも
- 21 終わりの時 (採点:4)
- お話自体は結構好きなのですが、名雪の感情の揺れ方がちょっと微妙なだなあと思いました。
- 22 恐怖のお料理合戦 (採点:3)
- 美汐と香里、二人が料理下手という設定は、あまり無いよな〜と思いながら読んでました。
しかし、どんなに料理下手でも、サラダオイルと白ワインは間違えないんじゃないかな?
あとは、天野父のところは無くても良かったんじゃないかなと個人的には思います。
- 23 ライク (採点:6)
- こういう、まったりとした展開嫌いじゃないです。
もう少し盛り上がるところがあっても良いかなとは思いますけど。
誤字報告
やげて「それじゃあ、私はこれで」と
- 24 湯煙温泉旅紀行 (採点:3)
- 悪くはないのですが、やっぱりただにぎやかなだけだなあと。
ホームページで読む分には、これでも十分だと思うのですけど、
コンペの作品として考えると、ちょっと寂しいかなと思います。
最後の落ちも、悪くないのですが、せっかく全員と絡んだようににおわせているのだから、
おまえたちの誕生日がとして、それぞれ、名雪・あゆ・真琴・秋子のつっこみがあれば、
良かったんじゃないかなと思います。
あとオールエンドの時は、下手に状況説明するより、いろいろあってでごまかしちゃった方が、
安っぽい印象を与えないのかもしれないなと思いました。
- 25 太陽の眺め方 (採点:6)
- 名雪が良い味出しているよなあと思います。
その分北川がちょっと、女々しいかなと思います。
まあ、叶わない想いって、区切りをつけるまで大変なのはわかるんですけど、
ちょっと自虐的すぎかなと思ったもので。
電車の中で、そんなには長く天使の羽は見られないんじゃないかなと思いました。
たとえ車内を走ったとしても、電車の速さにはかなわないんじゃないかなと。
電車って、ほんとにあっという間に通り過ぎますし。
○衿元馬桜 さん
- 01 左手で繋ぎたい (採点:4)
- 悪くないほのぼのだと思います。
ただ『悪くない』以外に言うことがないのが少し寂しいところではあります。
- 02 サンダルが飛ぶ夏 (採点:5)
- いまいち乗り切れないまま話が進んで、いつの間にか終わっていた感じ。雰囲気だけで押していくには少々しんどかった印象です。
人形が願いを叶えてくれないのは、もう願いを使い切ってしまった後だからでしょうが、現実はそんなもんだよなぁとか思ったりもしました。
- 03 雪の世界より愛をこめて (採点:3)
- 「タコさん……」って舞の新技かと思ってたら、なんとあの人だったのね……
タコではないって言っても、実はタコなんだろうなぁ。
屋台は経営しても共食いはしない様子。やっぱり誰しも譲れない一線というものはあるのだ。
- 04 グリーンスリーブスが聞こえる (採点:4)
- 原曲を覚えてない(おそらく聞いたことはあると思うのですが)ので、ちょっとイメージが浮かび辛かったです。読み手側の問題と言えなくもないです、はい。
帰ってきて欲しいと願う思いの強さと数が決め手となるのは、少し残酷という気がしないでもないです。そんなものかなとも思いますけど。というか、むしろその残酷さが良いと思います、逆に。
- 05 ネバー・エンディング・ストーリー (採点:6)
- 無意味に話が大きくなってしまいましたけど、北川の語り口が軽妙なので割とダレずに読み切れました。面白かったです。
- 06 友人以上恋人未満から (採点:8)
- 香里が可愛すぎ(笑)
ていうか、すごい愛に溢れてて良かったなぁと思いました。段々と北川のことを好きになっていってしまう香里なんかは結構ありそうな感じ。ほら、女の子って、自分を好きになってくれる男のことを好きになるらしいですし(笑)
「どこがちょっとよ! 凄まじく驚いたわよ! 泣きそうになったわ!」とか、良かったなぁ。
- 09 鬼さんこちら (採点:3)
- この設定を良く考えたなぁ。作者さんには拍手。
しかし、ラストまで辿り着くまでに相当数の読者を振り落としている気もしますが。かくいう僕も振り落とされた内の一人だったりしますorz
- 10 硝子の向こう (採点:5)
- 助け合う姉妹の図がなんとも幸せな絵柄だったので、こっちも少しだけ幸せな気持ちになれました。ありがとうございます。
硝子の破片がモチーフとして何度か挿入されていますけど、なぜそのイメージでなければならなかったのかがいまいち分かり難かった気がしました。雰囲気的に他にも何かあったような気がします。
- 11 春を夢見る狐達 (採点:8)
- すごく素朴で丁寧な語り口で、引き込まれました。ストーリーもしっかり作ってあって好印象です。
- 13 いつかムラムラする日。 (採点:4)
- ちょっと分かりにくかった。いや、日本語としてはかなり分かりやすい部類には入るんですが、何と言ったらいいのか、作品としてどんな方向を向いているのかが分かり難いというか。作者さんはかなりの腕の持ち主であることは何となく感じ取れたので、僕には感じ取れなかった何かがこの話には隠れているのかも。だとしたらちょっと悲しい。
- 14 ――僕らの昨日が見ていた未来は―― (採点:2)
- デスノートとか、ジョイトイとか、ネタには時折くすりんこするところがありました。
というか、バレンタインについては個人的に何も語りたくなかったりします。くすん。もらえるだけいいじゃん……(泣)
- 15 【決別】 (採点:4)
- 普通に告ってるなぁという雰囲気がベタなんだけどなぜか新鮮に感じられてしまった。恋愛対象としてみれないって切ないですよねチクショウ。
- 16 お別れのキスのことばかり考えていた (採点:8)
- 全てを明らかにしない曖昧さと残酷さが同居して、非常に良い味出してます。ただ一つだけ苦言を呈するならば、後半からラストにかけて抑えが利かなくなりすぎだろうと。それとも抑える気がなかったのか。そう言われた方が納得できそうな気がします。
そして、文章上手すぎです。参りました。
- 17 天野がオバサンくさいワケ〜"あの子"と呼ばれた仔〜 (採点:5)
- アウトかセーフか、アリかナシか、で言えば『限りなく○に近い×』みたいな感じ。でもある程度しっかり作りこまれてるし、これはこれでアリかなぁと思います。
- 18 大切な忘れ物 (採点:4)
- あゆも名雪も祐一もイメージ通り、非常にSSらしいSSだったと思います。
墓の前でどんな顔をしていいか分からなかったあゆが、墓の前で『ありがとう』と言えるまでには、祐一の言葉だけじゃなくてもっと色んな葛藤があったりなんかしたんじゃないかと思います。その辺りをもっと深く描写してもらったら、もっとぐっときたんじゃないかなぁと思いました。
- 19 もう一人いる (採点:7)
- 不覚にも笑ってしまった。
どんまい、なゆなゆ。
- 20 ボート (採点:5)
- 北川×香里モノとしては、かなり平均的な出来かと思います。僕自身そのジャンルの平均を知らないので何とも言えないのですけど。じゃあ言うなって話ですね、はい。
香里のOLぶりが現実に則しているかどうかはまた別の話として、この路線でいくなら会話主体のコミカル系よりも、モノローグ先行ダウナー系の方が好みですね、僕の(苦笑) 北川と香里の爛れた同棲生活が見たかったです(笑)
- 21 終わりの時 (採点:3)
- 名雪が抱いた『負の感情』とか、祐一や秋子の喪失感など、ちょっと書き込み練り込みが足りてない印象です。何もかもがあっさりと通り過ぎてしまっていて、軽くなってしまっています。まぁ重けりゃいいのかというと、けしてそうではないのですけど。真琴との別れに抱いたイメージの違いなのかもしれません。
- 22 恐怖のお料理合戦 (採点:3)
- とりあえず、なぜ北川君がこんなに美味しい地位にいるのか、それだけがどうしてもわからない。まぁ普段祐一君のほうが散々良い目にあってるんだから、偶にはね?
料理って難しいけど、結局は愛が全てだよね。
- 23 ライク (採点:4)
- 雰囲気作りが難しかったような気がする。あゆ似の綾香の良さがもっと伝わってくる構成だったらもっと勝負出来ていたかもしれない。惜しい作品でした。
- 25 太陽の眺め方 (採点:6)
- 好きだった子が友達と結婚しました――ってリアルに想像するとかなり凹むシチュエーションですよね(汗) 北川に関して、そんな凹みぶりはよく表現されてて良かったと思います。
テーマ的に「それ散る」を思い出しました。なんでやねん。
○後三年 さん
- 02 サンダルが飛ぶ夏 (採点:8)
- 北川とのやりとりがGOOD!
- 03 雪の世界より愛をこめて (採点:7)
- SFモノでも違和感なく読めました。
文章の上手さでしょうね
- 04 グリーンスリーブスが聞こえる (採点:10)
- 美汐の「なんでやねん」で思いっきり笑いました。
物語はシリアスなのに(笑)
- 05 ネバー・エンディング・ストーリー (採点:7)
- タイトル名が最後で納得いきました。
- 06 友人以上恋人未満から (採点:10)
- 香里最高です!!!
- 08 潜入捜査Kanon・僕らのたい焼きドリーム〜記憶の中のエンジェル〜 (採点:7)
- こういうオチですか!!!!!
やられた・・・・・
- 11 春を夢見る狐達 (採点:10)
- ほのぼのとしました
- 18 大切な忘れ物 (採点:9)
- 暖かな気持ちになりました
- 21 終わりの時 (採点:7)
- 名雪視点での真琴ルートの話ですね。
そういう風な解釈もあるのかーと
○最中 さん
- 02 サンダルが飛ぶ夏 (採点:7)
- ややもすると暗くなりがちな設定にも関わらず雰囲気が明るく、最後急速に切なくなるという構成が効果的に働いていると思います。
『軽薄と軽快の違いがわからないようでは〜』など、作者さんの視点に好感を持ちました。
気になったのは、冒頭の、肩に力の入ってしまったような文章。
それと、雰囲気が軽いのは良し悪しあるもので、特にあゆと病室で会う場面などは軽すぎるんじゃないかなあと思いました。
- 07 僕と、シオリと、スケッチブックと。 (採点:7)
- 気になったのは、どうしてこの物語でこんなに癖のある作風にしてしまったのかなということで、ちょっと考えてはみたのですが、結局分からずじまいでした。
綺麗に纏めるのであれば、もっと素直なものでよかったように思うのですが(そういうものとして書いた可能性も捨てきれないのですけど、う〜ん、たぶん違いますよね)。
ちょっと反面教師的な作品だなあと思いました。
- 11 春を夢見る狐達 (採点:7)
- 夢見の法など設定に可能性を感じました。面白かったです。
これならもっと踏み込めたんじゃないかなあと欲を出してしまいます。
特に中盤、原作のぴろの場面をなぞるのに割と容量を使っているので、もっとコンパクトにして、他の何かを加えればーなんて作者でもないのに色々考えていました。笑
- 13 いつかムラムラする日。 (採点:7)
- 文章は全作品の中で一番上手いと思いました。
その割に文章よりも映像表現のような作りで、何かがぼんやりと浮かび上がってくるような作風は好みに合ってました。
その分、中心になるストーリーが曖昧なのと、視点が混乱するのがネックでしょうか。
ストーリーは、俺は気になりませんが、視点の方は、そういうものだと分かるまでは、ちょっと戸惑いました。
それと、二重鍵括弧と読点・読点の組み合わせが気になるんですが、何かもっといい方法はないですかねぇ。自分はよく迷うもので。
佐祐理さんの下着で祐一の不能が治る話、だったらいいな。笑
○心華 さん
- 14 ――僕らの昨日が見ていた未来は―― (採点:8)
- 何人鬼がいるんだか(笑)
話しは面白かったです。長くて私は少々だれましたが。
もちっと話がまとまってるとすっきり読めたかと思われます。
- 22 恐怖のお料理合戦 (採点:4)
- 祐一じゃなくて北川なんですね。
う〜ん、申し訳ないっ。なんとも言えないのです。
- 23 ライク (採点:9)
- 面白かったッス。
とりあえず、容量か締め切りの所為かは分かりませんが、最後がちょっと勿体無かったです。
せめて祐一の気持ちが晴れるなりなんなりして終われば、私はもう少し気持ちよく読み終われた気がします。
そんなわけで1点だけマイナスで。
この終わり方もこの終わり方で有りっちゃ有りって気もするんですけどね。
まぁ、私的な感想ということでご勘弁。
- 24 湯煙温泉旅紀行 (採点:4)
- 楽しめませんでした。
スイマセン、私には無理なタイプのお話でした。
- 25 太陽の眺め方 (採点:7)
- 青春って感じがしますね。
長いこと青春引っ張りすぎだろって気もしますけど、北川にしてみれば、それくらいマジだったんだなぁ〜と思えるお話しでした。
私には少々しんどい長さでしたが、それでも楽しく読ませていただきました。
ありがとうございます。
○竹仙人 さん
- 05 ネバー・エンディング・ストーリー (採点:4)
- めちゃくちゃ感想が書きづらい。
つまらないわけじゃないし、それなりに読者心をくすぐる要素もあったとは思うんだけど、なんだろう? ていうかなんで宇宙?とか。いや趣味って返ってくるのはわかってるんだけど、それでも聞かずにはいられないというか。うーん……そうか、あれだ、武器がない。高得点をつける根拠が見当たらない。尖ってはいるけど変な方角向いてるっていうか。原作との接点が薄いのも痛い。手紙で回想してるところを全部文章に起こしてゲーム化したとして、そのおまけディスクみたいな。家族計画がちょうどそんな感じなんだけど。
要するになんだ、一体どこへ行こうとしているんだと。
- 06 友人以上恋人未満から (採点:7)
- た、たまらんばい。
ラブコメでそのへんを転げまわりたくなってしまったら負けですね。
- 07 僕と、シオリと、スケッチブックと。 (採点:6)
- 変化球ではなく、おしゃれで小粋なド直球だと思いました。
手垢のつきまくった題材でも飾り付けによってはまったく問題なく仕上がることを再認できました。
いやしかし、スマートだ……。
- 08 潜入捜査Kanon・僕らのたい焼きドリーム〜記憶の中のエンジェル〜 (採点:8)
- 普通に夢オチだったのが逆に驚きでした。締め方が不満というわけではないですが、もうちょっと急角度にくるかなと予想していました。
混沌としていて所々ナンセンスで、かなり好みです。
地の文を飛ばして台詞だけに絞って読んでも、筆者の知能の高さが窺えました。
もちろんすべての文章に目を通しました。好きな文章を挙げるときりがなくなりそうです。
前半でほとんどキャラクターの固有名詞が出てこなかったのが、雰囲気作りに一役買っていた気がします。
軽くて深い、珍しいタイプの作品だと思いました。
- 13 いつかムラムラする日。 (採点:5)
- 冒頭とラストで何度か噴いたんですが、中盤や、物語全体の枠組みを捉えようと試みたところ、ちぐはぐすぎて混乱してきました。どこがどう繋がってんだ。水瀬家の居間では名雪が祐一の隣に2回座ってるし。おかしい、なんだこれは。
あまり誤字は気にならずにスルーしてしまうたちなんですが、これだけは。不覚にも一番笑いました。
>彼女の小さな手のひらには言った通り町長がデザインされたピアスが乗せられていた。
おい……おい! センスおかしい!
- 14 ――僕らの昨日が見ていた未来は―― (採点:6)
- なんだこのテンションは。いや好きですけど。
なんだこの馬鹿どもは。いや好きなんですけど。
小ネタのヒットと滑りの比率がちょうど半々くらいでこっちのテンションも上がったり下がったりでした。でもやっぱりノリは好き。
- 16 お別れのキスのことばかり考えていた (採点:10)
- 徹夜明けで、あとこれだけ読んだらもう限界俺は寝るってくらいぼんやりした頭を最初の一文で覚醒させてくれるような文章を書ける人はそう多くありません(笑)。
文章単位で褒め出したら止まらなくなるので控えますが、とにもかくにも似たようなものを抱えた二人の距離の匙加減が絶妙です。断崖絶壁の上に伸びた境界線上をふらふら渡る祐一が素敵です。ゾクゾクしてしまいました。女子高生? オーケイ。グーで殴る? ドンと来い。
しかしなんて難儀な女だろう、まったく。
でもそれがまたいいですよね。
- 18 大切な忘れ物 (採点:5)
- 不覚にも、グッときました。
- 19 もう一人いる (採点:7)
- 名雪ぃぃぃぃぃぃィィィィィィッ
設定も文章も内容も全部吹っ飛んだくらい最後が衝撃でした。噴きました。やられた。
- 20 ボート (採点:9)
- やさぐれ香里とネジのゆるんだ北川コンビの織り成す空気がものすげえアグレッシヴなんですけど、それがまたいい。大好きです。
北川と香里がおかしいのか筆者がおかしいのかはたまた狙い通りなのか、真面目な会話してるシーンなのに何回も噴いてしまいました。
これはもはやセンスだ。羨ましい!
- 23 ライク (採点:6)
- あゆと同じ外見でこの性格……ちょっとフェチにはたまりません。いや、たまりません。
漢らしい彼女にやられました。
- 24 湯煙温泉旅紀行 (採点:5)
- ものすごい勢いで関係ないですが、いやあります、あると思いたい、俺の誕生日は九月下旬の先の方です。
逆算するとウフフフフフ。
……。
やっぱり温泉って言ったら覗きですよね。
あー。おっぱい覗きてえ。
- 25 太陽の眺め方 (採点:3)
- 原作(引用元の方です)と比べたわけではないですが、と断りを入れた上で。
洗いざらいを書きすぎているためか、心理描写がことごとく上滑りしているように感じました。率直に言うとくどいです。文章量の問題ではなく、内容が同じなんですね。女々しさを表すひとつの手かもしれませんが、似たような言い回しや表現が繰り返されるため、フレーズ同士がお互いを埋もれさせて相殺してしまってます。そのせいか、膨らみっぷりの割に全体にメリハリが感じられません。
もっと行間を読ませた方が個人的には好みなのですが、うーん、肌に合わない、というところで落ち着いてしまいそうです。
基本的に情けない・うじうじ・ヘタレ男は大好きなんですが、この北川からは、そういった要素もあまり、北川本人が思っているほどは感じられませんでした。
○匿名希望(25、リーマン) さん
- 01 左手で繋ぎたい (採点:4)
- 読んでいて、微笑ましかった。ほんわかしました。
>あゆは自分の手じゃなくて俺の包帯越しの右手を見つめていた。
この場面の構図がいいなと思いました。左手を改めて見つめるというところまで。見せ方がいい。
- 02 サンダルが飛ぶ夏 (採点:8)
- 感傷的だなあ。どこかしらもうすでに終わってしまっているということを描いたものは好きです。このSSもそう。
ところどころにあるユーモアがじつに皮肉でいい(笑)。
でも全編通して、ホント、これは冷たい文章だと思った。心情が。そこがいいんですけど(笑)。
- 03 雪の世界より愛をこめて (採点:4)
- 何だろうこれは(笑)。不思議なSSでした。使われる小道具や呼び方がどことなく70〜80年代のB級SFテイストで笑ってしまった。おそらくは狙ってやっているのだろうと思いますが。嫌いじゃない(笑)。
全体的に無茶な感じがありましたが、悪くはないと思いました。ちょっとナンセンスの匂いもした。
- 04 グリーンスリーブスが聞こえる (採点:3)
- どことなくズルい感じがする(笑)。
私も歌詞とかテキストの引用をよくしますが、ここまではしたことがないです。ズルい。
これほど強調されると「グリーンスリーブスって何だったっけ?」とかパッとメロディーを思い浮かべられない私などにはちょいと辛いSSでした。
あと、特にごく序盤で「オカリナ」という単語がやたらと使われていて、クドかったです。もうちょっとシンプルでもいいと思った。
ところで、
>「あ、ぴろ!」
>「ねこさんだよー」
ここの両者の意識の差に何だか笑ってしまいました。
- 05 ネバー・エンディング・ストーリー (採点:2)
- はっきり書きますと、あまりおもしろくないと感じた原因はわりとはっきりしていて、語り口に魅力が感じられないということでした。北川からの手紙とそれを読む亮輔の反応という反復という形で、全編が淡々としているといいますか、読み物としてのおもしろさが今一つかなという感じです。
>北川くん、と美坂は言った。10年も前のように言った。だから私もつい、美坂、と返してしまった。
ここら辺は良かったと思うんですが、やはり語りとしてのおもしろさはなかったかなと思います。もちろん手紙であることを意識しての文章だとはわかっているのですけれど。
- 06 友人以上恋人未満から (採点:7)
- いいラブラブだった。ニヤニヤニヤニヤしながら読んでいた私がいる(笑)。祐一と栞のアホっぷりも良かった。
香里による一人称の文章がやたらと叙情的な部分があって、でも展開とかバカップルのせいで無効化されているような気がして、うまいなって思った。
>「何よそれ! ありえないでしょ!」
全米が同意した!
- 07 僕と、シオリと、スケッチブックと。 (採点:7)
- 全体的に青臭さがあって、そこが魅力なのかなと思いました。最後の一文は良かった。
ただ全体として何か不完全な部分があるというか、後半の種明かしが始まってからの展開のおかげで、前半のやたらと感傷的な雰囲気が損なわれてしまっているような印象があります。
それでも最後で盛り返す不思議。
- 08 潜入捜査Kanon・僕らのたい焼きドリーム〜記憶の中のエンジェル〜 (採点:2)
- ファンタジーとしてもナンセンスとしても強度が低くて、かつ冗長。変な剣からたいやきを出す場面などは良かったのですが、全体としてだらだらと綴られているような印象があって、それが「夢」というものの散漫さと言われてしまえばそれまでなのですが、どうにも楽しめませんでした。
- 09 鬼さんこちら (採点:6)
- 不思議な読後感。舞シナリオの書替えとして、おもしろい解釈だと思いました。ただ驚きの効果を狙っているためか、わかり辛くなってしまっている文章、部分があって、それはどうかと思った。
過去の場面の挿入は良かったのですが、例えば名雪の場面等は状況がわかり辛く思えます。わざとやっているようには思えず、単に読み辛かったです。
>「ホワイト・卒業式だね」
>「『卒業式』も英語にしろよ……」
このせりふに吹いた(笑)。
- 10 硝子の向こう (採点:4)
- 姉妹の物語のなかで、スポーツ大会というモチーフが浮いているように感じられました。本来であれば眼目となるべきだとは思うのですが。
どこかかみ合っていないように思えます。あと姉妹をクローズアップしすぎていて、名雪と祐一が、登場の機械の割にはあまり活かされていなかったかな、と。
- 11 春を夢見る狐達 (採点:5)
- 狐側からの真琴シナリオという趣向ではありますが、「ぼく」の目線が強すぎて、逆の角度から真琴シナリオを見つめなおすという意味では足りない感じがします。
しかしながら、この、何というか、毒気のなさがいいですね。ちょっと癒されました。
- 14 ――僕らの昨日が見ていた未来は―― (採点:5)
- 小ネタを含めて、全編のいたるところに笑わせる工夫が施されていて、何度も笑ってしまいました。しかしながら、全体像としてみるとどこか散漫な印象があります。
香里がチョコレートを取り出す場面の祐一と北川の台詞が特に笑えました。言い回しが面白い(笑)。
- 15 【決別】 (採点:1)
- カットバックやオーバーラップといった技法が生のままぽんと放り出されているような感じで、あまり効果的ではなかったように思えます。
ところで、
>さよなら、私の初恋。
この文章、ほとんど同じものを私も自分の投稿作で書くところだった(笑)。あぶなくかぶるところでした。
- 16 お別れのキスのことばかり考えていた (採点:7)
- これはイタい(笑)。
地の文の語りが流暢過ぎて、しかもどこか達観しているような部分もあって、たぶんポスト青春小説とでも呼ぶべきなのだろうと思いました。
ただ語り過ぎている部分があるような気がしないでもないです。全てが終わってからの光景という趣きで、それはとても綺麗でした。
でもやっぱりこの地の文は饒舌すぎるな(笑)。
- 17 天野がオバサンくさいワケ〜"あの子"と呼ばれた仔〜 (採点:5)
- 祐一と出会ってからがむしろ本番なんじゃないかと思ってしまったのですが、ホラーや伝奇が大好きな私にとってはかなり読ませる展開で、「もっとグロを」と地団駄を踏んでしまいました(笑)。天野の語りである以上、グロテスクさは薄くなるのはもっともなのですが。
ただ不思議な感覚だったのは、祐一との出会いを非日常へと誘うと表現していますが、読み手としては、祐一と出会ってからがゲーム内の日常で、ちょっとした反転が起こっているわけで、そこにはっとしました。
>「賞味期限切れてるお菓子があったよ?」
>「捨てなさい!」
>「500円見つけたよ」
>「返しなさい!」
このやり取りのリズムの良さはいい(笑)。
- 18 大切な忘れ物 (採点:3)
- 適切な表現か否かはともかく、墓参りに行くというのはネタとしておもしろいとは思いましたが、さらさらと流れていくようなシンプルすぎる文章があまり合っていないかなという印象です。
自分の家族とは別のお墓に手を合わせに行くということはもっと特別なことなんじゃないかと思った。もちろんそれは私が勝手に思っているだけなので、何だかあんまりあれなんですけど。
- 19 もう一人いる (採点:1)
- これは厳しい。ギャグとしては中途半端だと感じられました。もっと振り切らないと(笑)。
- 20 ボート (採点:5)
- 今回はその後の北川&香里が多い気がした(笑)。この二人が付き合い始めると、爛れた関係になるかバカップルになるかどっちかで、普通に平和な二人になる率が低い気がするのはどうしてだろう。
でもこのSSにおいては、さっぱりとした結末が用意されていて、いいなって思いました。
北川はいいセンスしてますね。いろいろと笑った(笑)。あと、ボートについての祐一にも笑った。
- 21 終わりの時 (採点:2)
- 台詞や地の文でいっぱいいっぱいで、全体の構成をスッキリさせるまでには至っていない印象です。
また、心情などの何もかもを言葉で説明し過ぎていて、あまりにも明白すぎる文章が読み物としての精度をを下げていると感じられました。
- 22 恐怖のお料理合戦 (採点:3)
- 題名からの印象とは違い、笑いの部分が思っていたよりも薄味でした。料理もので笑いの要素を濃くしすぎると大抵壊れるので(笑)、これくらいの匙加減でちょうどよかったかなと。
ただ、後半の料理で笑わせに来ているところが今一つで、あまり笑えませんでした。むしろ香里と美汐の絡みの場面がおもしろかった。
>「塩をたくさん入れすぎちゃったんだから、砂糖を入れれば相殺できるはずだわ!!」
料理できない人の思考回路って本当にこうなっていそうで怖い(笑)。
- 23 ライク (採点:4)
- 男の弱さですね。同じようなものを求め続けるというのはどんな男でも共通で、根っこにあるのは「母」なのかなというのは戯言ですが、この一篇での祐一の造形は本編の祐一っぽくて良かった。暗い感じがいい。
ただ、「綾香」は物分りがよすぎて、キャラとしての都合の良さが目立っているような気がしました。
- 24 湯煙温泉旅紀行 (採点:4)
- いいオチだ(笑)。
何だこの裸祭りはと思いつつ読んでいましたので、想定外のオチに吹きました(笑)。
- 25 太陽の眺め方 (採点:6)
- >わたしに出来るのは、ここまで
と言いつつも、かなり手助けしているような気がする(笑)。
ここまで行動してしまうのはどうなのかなと思いました。これだと北川があまりにもダメすぎる(笑)。でもそのダメさが永遠の2番手なのか。
最後の方は少し綺麗に書き過ぎているように思えました。
○涼末 さん
- 04 グリーンスリーブスが聞こえる (採点:8)
- 最後まで空気が途切れなかったので唸りました。
そして滑らかな文章心地よかったです。改行による読みやすさじゃなかったので尚更。無駄を極力省いているが故でしょうか。
後半の展開に色々意見が出るのかもしれませんが、グリーンスリーブスという民謡を引き合いに出した作品だからこそお話としてはこれで良かったのだと私は思います。
- 06 友人以上恋人未満から (採点:5)
- 甘いは正義。
非常にスイーツなお話でした。
恋愛の難しさなんて、付き合う前の人達には関係ないのだと強く示しているようでよかったです。
- 10 硝子の向こう (採点:9)
- この美坂姉妹はこの企画の中で一番好きでした。
二人の距離ってやっぱりすごく微妙だと思うんですが、最後までにそこに焦点をあててバランスよく描かれていたのが心地よかったです。
破片の部分も効果的でした。
- 16 お別れのキスのことばかり考えていた (採点:8)
- 文章技術とか空気とかその辺全てに脱帽します。
しかし、やっぱり二次創作としては何となく違和感があった気がします。
もちろん、彼女の傷であるとかそういった部分は理解はできるのですが。
うーん、ちょっとオリジナル風味が強かったせいもあるのかもしれませんね。
○昴 遼 さん
- 01 左手で繋ぎたい (採点:10)
- 内容もかなりいい作品だと思います。
落ち込むあゆに声を掛ける祐一の優しさがいい雰囲気を作っているように思えます。
口が蟹みたいなかたちに・・・どうなってるんでしょうね(笑
- 08 潜入捜査Kanon・僕らのたい焼きドリーム〜記憶の中のエンジェル〜 (採点:4)
- どうも展開が突拍子もないと思いますね。
とりあえず、どうしてあんな夢を見たか・夢の中でも一応はストーリーを分かりやすく説明、のようなことが出来ていれば、いい作品に仕上がったかと。
でもまぁ、最後の夢落ちには驚かされましたね。
- 22 恐怖のお料理合戦 (採点:7)
- 登場人物全員の立場わ関係がいまいち分かりにくいですね。
感情の起伏が激しくなってるのはギャグ向けでいい味を出してますね。
戻る