○2% さん
- 002 彼女の理 (採点:9)
- ほっとしました。捻った作品が多い中で、ストレートさが際立っていたと思います。みあのキャラクターもお気に入りです。
- 005 マジカル☆ワードを唱えよう (採点:7)
- 原作の“澪&茜と公園でワッフル”のイベントが巧く生かされていたと思います。おねはヒロイン同士の横の繋がりがあって面白いですよね。
- 006 すてるす同盟 (採点:8)
- あははっ、ギャグ万歳! ていうか、シリアスじゃんこれ! 古いのは年号じゃなくて西暦の頭が1のやつだ! でも、おねの舞台は20世紀だよ!
- 007 とある騎士の物語 (採点:8)
- か、軽っ。色々と敵に回しそうな気もしますが、それはさておき……どうせなら、
「お手」
ボクをなめんなよ。
「おう、よしよし」
ああっ、前足が勝手に!?
――くらいまで壊れてほしかったような。ラストは騎士の誓いか何かで。勝手なこといって、すみません。うーん、赤ちゃんの名前って、やっぱり……?
- 008 Search for (採点:8)
- 机の上に猫っ――この風景に感動しました。いえ、かなり本気で。
- 012 曇り色の時間 (採点:9)
- うーん、やられた。何が「やられた」だかよく分からないけれど、とにかくやられた。
- 013 『夕日の少年』 (採点:9)
- 「懐かしい」という感覚は日本人独特のものだといいますね。「nostalgie」とは少し意味合いが違う、と。私は、この作品にちくちくと懐かしさ中枢を刺激されました。何となく、昭和30年代〜60年代までの景色が混在しているようなイメージ――話は変わりますが、中〜終盤に何度か登場するたとえ話がちょっと重いような気がします。
- 016 二人が刻む永遠 (採点:9)
- 終盤を読みながら、一瞬でも「視力補助用の漢字変換システムとか読み上げシステムとかあるのに」などと考えてしまった自分を恥じました。ただ、中盤のミステリー小説のくだりには少しだけ疑問。「誰もが賞賛」「誰もが疑念」いくら世論が気まぐれとはいえ、周りの記述を読む限り、こんな状況になったとは思えないので。
- 017 欲深な微睡 (採点:6)
- 全体の構成や言葉の選択などに、少々熟れない印象を覚えます。また、浩平/瑞佳の感性も腑に落ちません。充分なフォローがあれば独自の世界観を持った佳作になり得ると期待されるだけに、惜しまれます。……理解力に欠けたダメ読者の感想としては、このくらいで。
- 023 世界は終わり、或いは始まる。 (採点:9)
- 巧い。そのうえ読みやすく、分かりやすい。こういうネタだと、思わせぶりすぎて難解になったり、逆に酷くありきたりになってしまうのが常だと思うのですが、これは素直に良かった。
ただ、瑞佳の語尾が少し「だよ」すぎるような気がしました。すごく些末なことで申し訳ないのですけれど。
- 024 【呪いの唄】 (採点:8)
- ごめんなさいやっぱり明るい話の方が良いや、というか中盤のグロいところだけ浮きすぎ――と書くつもりだったんですが。なんだか、再読したらこれで良いような気がしてきました……呪力? あと、こういうベタなオチは結構好きです。怖いですよね。
- 026 ダンスインザダーク (採点:8)
- 無性にラストが怖い。ただ、無理に筋を通しすぎているような印象が……もう少し曖昧なまま終わらせてしまっても良かったのではないでしょうか。
- 027 埋もれた夢に、あなたはいない (採点:8)
- ちょっとだけ、どきどきしながら読みました。佐織さんだけでなく、住井くんの悩みっぷりや頑張りが好感触。「嘘」や「虚構」といった単語に真っ向から対峙する――日々を斜めに浪費している私のような人間には、到底できない芸当です。
うーん、あとはコメントしづらいのですけれど……もはや使い古されているのかもしれませんが、ラストの「世界はこんなにも綺麗」っていうフレーズが無条件で好きです。序盤から終盤まで昏い雰囲気で、もしや救えないストーリーなのでは、と危惧していた矮小な精神が洗われました。きらきら。
- 030 『パラダイス☆銀河〜愛と絶望の小豆洗い〜』 (採点:8)
- 残念ながら色々と残念な点があって残念でした。七瀬戦で第一関節のアビリティが極り手になってくれたりすれば良かったなあ、とか。つっぱり大相撲はやっぱり残念度の高い買い物だったなあ、とか。
- 035 夢を観た日 (採点:8)
- 独特のスタイルで書かれていますが……リズムが良いので、特に読みにくいということはなく。むしろ、深層心理に染み込んでくる妖しい魅力の文体でした、私にとっては。夢に出そうです。とはいえひたすらひらがなだけがつづくこうへいぱぱのじゅぎょうさんかんのしーんだけはかんべんしてほしいとおもったりもしましたがいえよみましたよいちじいっくなにかしかけがあるんじゃないかとあやしみながら。
それから、文体の印象深さに対して、肝心の内容の方のインパクトが薄かったような……多分、これは私の読み込み不足だと思うのですが。
- 039 フリップフロップ (採点:10)
- 2つの世界、2人の浩平の書き分けと関連付けが至妙。一気に読めました。普段、各章の前後に短文がくっついているのは蛇足だと思っていたのですが、これは巧い。「オレ」「俺」「僕」の使い分けも「あーこれこれ、これだよ!」というか。しかも、あくまで綺麗に終わらせやがってコンチクショウ、と。それでいて、何やらシニカルな匂いも感じたのですが……これは気のせいでしょうか。
それから、そっちの畑の人間なのでFFの回路図などを思い浮かべながら読んだのですが、ストーリーの配線とキャラクターの信号にぴったりはまっているような気がしました。フリップフロップって語感も良いですしね。
- 040 こんな愛の形も良いじゃない (採点:9)
- ……小春日和? い、いえ、詩子と住井の組み合わせは難しいんじゃないかと思っていたのですが、これはすごく上手いなあ、と。
- 042 オレとあいつと彼女の事情 (採点:8)
- 爽やかな学園ドラマを目指してコケたような、ギクシャクした印象があるのですが……王道を行く南くんが、何やら格好良い。頑張れ、南くん。
- 044 小さな幕間劇 (採点:8)
- 「し〜っ、ぷぅ」とか、なんだか憎めません。でも「ラシャメンひつじ」っていったい……? それはともかく、演劇部とか文芸部とかって、こういうのやりますよね。懐かしい感じがしました。
- 045 永遠と瑞佳のあいだ (採点:7)
- なんだか……ヘンだ。
- 052 未来の二人に (採点:9)
- うわぁ、こんぺのしんがりを務めるに相応しい作品ですね。作/読者に対する強いメッセージ性を感じます。毒がなく柔らかい三人称パートと、視野が狭く辛辣な一人称パートとのギャップに、かなりドキドキしました。
○Alice さん
- 001 エターナリズム (採点:4)
- 永遠の解釈の仕方が斬新で面白いなと思いました。
ただ、キャラの描写が少しばかり薄い気がしました。
浩平のお母さんとかがいれば、それはそれで面白かったと思います。
- 002 彼女の理 (採点:8)
- 扱いの難しい――と私が思っている――繭でここまでやったのは凄いと思った。
私はこの作品、凄く好きです。
繭がわけもわからずに世界に向かって行こうとする姿を上手に書いていると思った。
これからも期待してます。
- 003 Fragment (採点:4)
- 嫌いではないのですが、中編でやるにはちとつらいプロットだったような…。
キャラクターの描写が断片的すぎるような感じがどうしても拭えませんでした。
浩平が転校してしまえる理由が御都合すぎるのはいただけないような気がします。
長編で、じっくりと煮詰めた内容であれば…あるいは…。
- 004 いつか、その日の為に (採点:6)
- 判断しずらい…。中編は本当にレベルが高いから…4作目にしてすでに感想挫折しそうな私。
読みました。なんていうか…はぐらかされてるなぁ〜っていう感触。
最初は七瀬かと思ってて、実は茜と付き合ってるってオチ。茜が結構ぽっと出てくるので違和感があったのです。
あと、巨大ハムスターとか司くんとかバリバリでてきて…正直良くわからなかったけど、完成度は高かったような……。
- 005 マジカル☆ワードを唱えよう (採点:8)
- 話の内容も構成もレベル高いですね。口惜しいと感じる自分がいます。
浩平のいない空白の一年ものSSというジャンル認定…。
茜の絡ませかたとかも、とりわけ上手いな〜と思わされてしまった作品でした。まる。
- 006 すてるす同盟 (採点:7)
- 変化球っすね。
シュンが某新世紀アニメのナルシスホモすぎてしかたありませんでいたが、ピッタリのキャラだったので違和感はありませんでした。フィフスの少年はバイだったのだかという事実とともに(ぉぃ
プロット自体は破綻もなかったと思います。すてるすについての概念の詳しい説明…ホントは欲しいところなのでしょうが、この作品であればいらないと思いました。テンポが良かったからなのだろうか?
- 007 とある騎士の物語 (採点:3)
- 発送は良いと思った。みさき先輩と盲導犬。なかなかコンペにふさわしい内容なのだろうと、結構期待しました。
けれども文章を読み、追っていくごとに、ノエルが擬人化しすぎてしまって…私はパス。
盲導犬…というのは本当に賢い犬なので、もうちっと盲導犬のことを勉強してから書くべきだったかと。浩平とフリスビーなんて…ダメですよ〜。
ホーリーナイトが出てきた時は、おいおい…って感じでしたし…。
確かにあのフラッシュは泣けるけれども…ちょっと違うよなぁ〜。
下手に擬人化しないで、徹底した三人称と盲導犬のきちんとした姿を追った作品であって欲しかったです。
- 008 Search for (採点:8)
- アニマル擬人化SS第二段?
この作品は面白かったです。素直に言える。
最初は詩子さんかな? 案の定ひっかかりましたよ。作者さん。
考え方が詩子さんチックだったので。変に前向きだったりw
それにしても徹底した物語でしたね。私このお話は好き好きっす〜。
狐のおはなしとか…遊び心もあって良かったです♪
……詩子さんが「実はネコだった」という反意に満ちた視点が捨てきれないが。永遠と浩平と茜(ヒロイン)とネコ=詩子=司にとっての永遠の対象存在とか勝手な展開をしてみる。=Alice放置プレイ決定。
- 009 Replica (採点:9)
- 怖いお話。恐怖シリーズ。世にも奇妙な物語ONEコンペ出張版でござれ〜。あばかむれおるむばしるーら〜♪
こんばんわ、ALICEです。
ジャンルに不幸とあったので、どのようなUnhappyな展開が待っているのかと思えば…本気で嫌なラストでしたね。
長森と七瀬が二人して浩平のことを覚えている…。
おおう、二股恋愛泥沼劇で不幸になるのだなぁ! 包丁でぶっさりいってしまうのだなぁ! と思ってました。ごめんなさい。私が愚かでした。
本気で面白かったです。なんとなく私の知り合いに似ている文章だったので、なんとなくアレな感じがしたのですが……はてさてどうかな?
つーか、中編レベル高すぎる。
- 010 NOISY SILENCE (採点:5)
- 浩平がヒロインとなっているSS。
結構考えているようですが、私の雑感…。佐織では主役にはなりえない気がしました。
茜と対等…までは無理だとしても、詩子と茜、瑞佳と佐織という対比で佐織というキャラクターのアイデンティティを確立したかに見えたのですが…。
ラスト、佐織自身が言っています。
「敵うわけがない。これはもともと、あたしの問題じゃなかった」
このセリフを読んだ時……この時の佐織の動機、浩平をとりもどさんと"みずか"対峙した理由がわからなくなってしまいました。
佐織と瑞佳の関係がただならぬものであった…ということがきちんと描かれていたら? 浩平のことを密かに眺めていたとか……。
ONEって人と人の絆をテーマにした作品である! と私は思っています。ですから、この作品、私はとても宙ぶらりんな感じがしてしまいました。
主観の相違、私がこのお話のキモを見落としている可能性も否めませんが。生意気いってごめんなさい。
- 011 その果ての雨 (採点:6)
- 心象風景というやつなのだろうか?
私はまだ死んだことがないのでピンときませんでした。
どこかしら不条理な作品ではあったと思いますが、理解できるなぁ〜、とか、感覚的で、さらには勘っぽくてアレなんだけど……納得してる部分が多々ありました。
ひょっとして私自身が、既に二・三回飛んでたりしてw
夢落ちなんだろうって当りはつけてましたが、茜の今際(いまわ)の際であったということだったのですねぇ〜。
- 012 曇り色の時間 (採点:9)
- 釈然としないが納得してしまったので満点です。
なんか泣けそうになってしまったので。
悔しいなぁ〜。
ずるいなぁ〜。
私にはそこまで美化することはできない、と思った。
多分、現実っていうのはとってもとっても辛いものだから。
だから永遠なんてものが欲しくなるわけで……それでもこの浩平は寂しがりやで人より弱いくせに、自分の場所に立ち続けることを選んだわけで……。
それが羨ましくなってしまったわけで…。
感想になってない。言葉にするのが下手でごめんなさい。
- 013 『夕日の少年』 (採点:7)
- 抽象的過ぎて二回読みました。まだ理解しきっていません。もう一回読まなければならないのかもしれないのですが、眠いのでもう無理です。ごめん。
とりあえず私がこのお話を読んで思ったこと、純度100%のONE汁だったのですね! そーなんですね!? と、いうことです。
面白いというわけでもないし、長文だったけどうざくもなかったし、あっというまに読み終わってあれ? 終わってるよ…なんだかどこか遠い話だったなぁ〜って感じ。
一応、読み方としてはこんなんで合っていますよね? 作者さんの意図としてはこんな感じにして欲しいんじゃないかなって…思っているのだけれど……ご理解していただけましたでしょうか?
こっちの感想も曖昧で申し訳ないけれども、このSSは"そういうもの"なのだろうと私は結論付けました。サ
ブキャラ二名における、ONEの前哨戦SS――以上。
- 014 風の辿り着く場所 −Eternal Happiness− (採点:5)
- あざとすぎるのではないでしょうか? ぶっちゃけ、つまりはわざとらしいということです。
物語に起伏を持たせて面白くするために、女の子を出したのだと思いますが、ラストが少し私の感覚とズレテイル。みさきが死ぬにしたって、女の子が死ぬにしたって、この作品のソレは安易な終わり方過ぎるきらいがあります。もっと別の終わり方はなかったのか? 作者さまにはそこを考えて欲しいって感じました。
浩平がいなくなった、その真実をみさきがじわりじわりと知ってゆく過程はとてもと〜て〜も良かったので、残念な作品でした。
中盤以降…下降する安っぽさがもったいないです。
- 015 その手を離す、その日まで。 (採点:8)
- うむ。見事でございます。
言うことなし。
良い話としか言いようがないです。
丁寧だし、文句の付け所がない! と私は思いました。
でも、それだけなのです。感動したわけでもなければ、反意を訴えたいわけではないのです。
色が…薄い?
あ〜、なにを言ってるのでしょうか。私は。
む、むつかしいです。とても難しいのですが…。
それが釈然としない自分がいる。天邪鬼ですみませんでございました。
- 016 二人が刻む永遠 (採点:8)
- レズっぽい終わり方だった……というのは流石に冗談として、このお話の締め方が余計だな、と思った。
多分この終わり方が好きだという人は大勢いると思うし、良いお話だと私も思う。
卒業を控え、今後の関係を憂う心情は丁寧であり、それにともなう一人称は客観的に描かれていたこともあり、私個人としてはすんなりと読めた。
でも、私は更に考える。二人が別れてお話が終わる。それで十分満足、いや、そっちの方が良いのではないか?
納得がいかなかったのは、安易…とまで言ってしまうのは酷だが、二人の将来が確定してしまっていること。
みさきはアメリカに行く、雪ちゃん先輩は今後を胸が締め付けられそうになりながらも迎えようとしていたのであれば……その未来が、後日談としてあっさりと語られることが酷くもったいないと思えたのです。
どうしてもその後の二人を書きたかったというのであれば、もっと控えめな内容にしてくれた方が、読後感――というか読み手に想像させる余地――をじっくりと味わう余裕が生まれたのでは? なんていってみる。
序盤、図書館独特の匂いの下り…賛成します。
ほんの少し日に焼けた紙の匂い。
誰に読まれることもなく、澱んだ時間を内包した古き図書の匂い。
それらがないまぜになった匂いが懐かしいです。
- 018 この世界は (採点:10)
- "傷ついてるのに元気だったでしょ? なんか、いいなって思ったの"
本文より引用。
これにつきる。あぁ、詩子だな、と。
それから…泣いた浩平……冷や汗たらり。
いろんな意味でやられたよ。
これ以上はなにも聞かないで下さい。
- 019 トライ (採点:7)
- うむ。青いね。
私が青っていうからAliceBlue……ふ、深い意味はないのですが………………。
―――し〜〜〜〜ん―――
い、いやあ…あははっ、うん。面白かったですよ。
氷上がなんか怪しかったです。
そこらへんの微妙さ加減が萌えに繋がるのかもしれません。
って自分! …んなわきゃないんでしょうが。作者さんすんませんでした。
(見当違いな意見にならざるを得ない、なかなか発言に困る作品でした)
- 020 Requiebros(愛の言葉) (採点:7)
- 今回のコンペはレベルが高いと思う私。
この作品もまとまってる。きちんとしてた。
瑞佳がどうしてもおさえきれない感情を茜にぶつけるシーン。
悪くはなかったが展開が急過ぎてもったいないと思った。
コンペの40kbは短いですねよね…。
- 021 夏ノ空ニ夢ハ初マリ (採点:6)
- 浩平自身が永遠を再確認意義を考えて見たが、その理由が私には思い浮かばなかった。
そもそも、このSSを書こうと思った切欠はなんだったのかを考えて見たが思い浮かびせんでした。
SS自体は丁寧でした。問題ありませんです。
ただ、どうしても展開が急作りですね。
文中、瑞佳が苛められそう(?)になっているところについては不問で良いです。
かなり強引だったけどねw
他の人はそれで嫌悪感とかいう単語を使いそうなので先手を打って……作者さん自身には必要な要素だったのだと思います。ONE本編の展開とかも交えて……。
……誰も上記の件についてのつっこみがなければ自分痛いですけど、まぁいいか。
今まで読んできた他の作品もだが、ONEのSSとはつくづく短くまとめるのが難しいのだと感じる。
- 022 はやく昔になればいい (採点:10)
- ダメ女茜が嫌いじゃないです。寧ろ好きかも。
なんていうか振り回されることに慣れているつもりで、実はすげぇダメージ受けてる…そんなイメージですね。
それから、ちゅうと半端に理性的で、はじけっぷりが足りない気もするので、もっと弾けて欲しいです。
カタルシスがチト足りないです。
明義も災難だけど、最後の一線の時に彼こそがこのお話を盛り上げることができたのだろうに…。
本文中で、明義と浩平は同一線上の場所には立てたのだから……。
南明義だけが最後の糸だったのだし…あそこで流れが変わっていたら…それはそれで逝っちゃってるお話になれたのではないだろうかとか……色々と考えてしまいました。
面白かったです。
- 023 世界は終わり、或いは始まる。 (採点:10)
- 変化球だが…嫌いじゃない。
現実(?)になったしゅんかん、なんて落ちだと思ったのだが、読んでみれば面白かった。
瑞佳と浩平の結婚、友人たちとの語らい…それで良いんじゃないの? と思うが、そのままだったら10点はあげなかったと思う。
今回のコンペは良いなぁ〜。
- 024 【呪いの唄】 (採点:9)
- 怖いよ〜。瑞佳怖いよ〜。
こんな愛はいやだぁぁぁぁぁぁ!!
…愛されてみたいけどね♪ って違うw
3段落ちだったとは…べっくらこきましただ。
うむむ…永遠の解釈…すさまじきって感じですね。
かごめの歌…世にも奇妙な物語ちっくな怖さがあったっすよ〜。
- 025 もういいよ (採点:7)
- 設定が少し作為的すぎるかな? という第一印象。
浩平と関係を持った後の七瀬と広瀬の距離はなかなか自然な位置にいるのだが…高校生だからひいちゃうのかな? よくわからないや。
しかしてこのおはなし、永遠はあるのかな? ソレが知りたい。
もし、浩平が永遠に行っているといて…それでこの結末であればちょっと納得できない。
でも、このお話が永遠に行く前のものであるのならば……続きが気になるなぁ。
- 026 ダンスインザダーク (採点:8)
- ちす。Aliceっす。
こちらの作品もおもろかったです。
瑞佳と思ったら実はみさきだったとはねぇ〜。
私はダマされ易いのすっかりとやられてしまいました。
展開として、こういうものもあるのかぁ〜とか思いました。
3段落ちとか期待してたりしてw
瑞佳⇒みさき・みさき⇒瑞佳・瑞佳⇒雪見……とか。
すみません。忘れてくらさい。
- 027 埋もれた夢に、あなたはいない (採点:5)
- ちと微妙。
文章としては説明過多な一人称すぎるきらいがある。
物語の山場が理解しずらい。
決定的なのは、山場が理解しずらい=面白くないという図式になってしまいそうで。
私の読みが浅い可能性もありますが、佐織が傍観者すぎるのが面白く感じられない一因なのかも。
自分で書いていて、納得いっているものかどうかが気になった。
- 028 歩いて帰ろう (採点:8)
- 子連れの司に期待します。
「久しぶり、茜…」
「司、まさかその子…」
というのは冗談として。
面白かったです。
なんとなく…とか言ったら申し訳ないけれども。
ちとご都合ちっくだけど永遠ってなんでもありっぽいし。
読む方としては、少しくらいの違和感も、ま、良いかでごまかせました。
ほんなこつ、失礼。
- 029 澪とみさきと長森と (採点:9)
- 色んな要素がとりこんであって面白かった。
澪とみさきの交流も結構考えていて、かなり嫌いじゃないです。
月並な台詞でごめん。
でも、この長森と浩平はかなり良い感じだったので、上記の台詞は本当のこと。
自作も期待しちょります。
- 030 『パラダイス☆銀河〜愛と絶望の小豆洗い〜』 (採点:8)
- 小豆磨(と)ごうか、人とって喰おか〜、あ〜シャリシャリ
水木先生のファンをやっているAlice。
不条理な夢を見ているような感じでした。
というか、こんな感じでわけのわからない夢を見たことってありませんか?
私はあります。
ちんちん電車に乗せられて、何故が人型サイズのウルトラマン(A-type)に捕まって、無理矢理歯磨きさせられてました。
BGMはにこにこぷんの歯磨きの歌。しゅわしゅわくちゅくちゅしゅわしゅわ〜。
これと似たような不条理さを感じました。
なんというか、真っ白い紙に一本の線が引かれたと同時に、ぐしゃぐしゃと線が乱れるような。
もう私自身なにを言っているのか良くわかりませんが、とにかく空は青いわけです。
OK?
- 031 空の在り処 (採点:8)
- 丁寧で良かった。
空白の一年間…みさきと雪見のエピソードをきちんと描いている。
納得の行く内容。
インパクトがどうしても薄くなってしまうのだが、ONEの日常とはかくあるべき。
そういったものを実践していたように思える。
- 032 ALive (採点:7)
- うむ。話が臭すぎるが上手くまとまっている。
この音楽ネタは二本目だが、こちらの作品も詩子が良い味を出していた。
照れがしばしば入る浩平も悪くない。
シュンがどうしてもわざとらしすぎるのだが、気にしすぎるほどのこともないのだと考えれば、
このお話は十分面白いと思う。
毛色がONEじゃないんだけどね。
始めに「臭い」とはいったがこれは個人の感性なんのでさほど気にする必要はないです。
- 033 コイゴコロ (採点:10)
- LOVE。
好きです。
好きだす。
好きざます。
どうも、Aliceです。辺境の地でSS系WebなんてやってるっぽいAliceっていいます。清き一票を下さい。(選挙ラッシュなので、思わず時事ネタ。時が過ぎれば寒いのでやっちゃぁいけないネ♪)
さて、脱線してしまったので感想です。
単純にこの作品、好きです。好きだす。好きざます。
詩子っていうキャラがとっても好きで、茜が二の次だったりするのですが…このSSで両方とも一辺に好きになりました。
どこが良い? というのは限定しません。いろんなところが面白かった。
ぶっちゃけ全部好きってことでしょうね。具体的に言うとほかにの部分がおざなりに思われそうなので言いません。とにかく全部良かった。
なんか変なのに捕まったと思って諦めて受け入れて下さい。
- 034 莫逆の友の恋 (採点:10)
- No.33に続いてNo.34にも殺される俺。
このSSも好きです。好きだす。好きざます。柚木って本当に良いキャラだよな〜。
問答無用で10点。
あと、しゃぼんだまの歌…俺は笑いました。その後の展開なんて考えてなかったから。
腹を抱えて笑いました。
凄いセンスです。私の目もナスになりそうです。ぺろりん。
まもちゃんと詩子これからを祈ってます。なんていうかポスト浩平同士なんで相当はちゃめちゃになりそうです。
この続き…凄く見たいなぁ〜。
この作風…誰かに似てるような気がするんですけど外れそうなので止めときます。
当ってる場合はイットキャ良かったぁぁ! って後悔するんだろうけれども玉砕するのも嫌だし。
- 035 夢を観た日 (採点:8)
- ONEだ。
見まごうことなくONEだ。
文章的な作法で相当減点されるだろうが、内容自体は申し分ない。
みさおの性格がかなりオリジナリティに溢れ、兄貴、兄さん、お兄ちゃんなどとなかなか筆舌に尽くし難い呼称を使い分けるなどなど…問題点は色々あるだろうが…このお話の帰結のさせ方が上手いと思った。
ONE本編の補完…にしては豪華すぎるかもしれないが。
SSというよりは、実際にゲームをプレイしている時に近い文体。SSチックに直してみるのも良いのではないでしょうか?
- 036 たいせつなひと (採点:9)
- 日本語が本当に下手な自分。呪い殺したいです。
上手くいえない。上手くいえないのです!
繭というキャラクターを自分が把握できていないことがもどかしい。
なにかくる感じのSSでした。
短くて御免。
でも、この作品も好きなんです。<今回のコンペは好きな作品が一杯あって困ります。
- 037 虚構少女 (採点:8)
- なんていうか、私高得点の乱れ打ちやってます。いやっほい。
この作品も面白かった。問答無用に面白かった。
留美(このSSで敢えて乙女にならんとすることの敬意を表して名前で呼ぶことにします)の一生懸命さがきゃわゆいやつやな〜って思いました。十分乙女チックな奴です。
対して浩平が大人だったなぁ〜と。
このSS…その後は七瀬ルートになるんでしょうが…浩平のあがきと七瀬の接し方が気になったりもしました。
いじょ。
- 038 廻り廻るAffection (採点:8)
- 溜息。点数高くなります。
SSだったなぁ〜。良いSSだったなぁ。
私がなにか言うのははばかられるので、語ることなし。
良かったです。
- 039 フリップフロップ (採点:10)
- ぎゃぁぁぁぁ! 満点。
面白すぎました。好き過ぎます。
ばっちりつかみはOKです。ごそっと心臓抜かれました。
みさおというファクター、浩平母のファクター…そして、瑞佳。
見事にパズルが組みあがっていた。
物語の展開が、徐々に明かされていく流れも良い。
なんていうかこの作品も問答無用で10点だす。
私、今回のコンペでは連発してるのでもうそれほど価値はないかもしれませんが、それでもこの作品は好きです。
読めて良かったと、そういわせて下さい。
- 040 こんな愛の形も良いじゃない (採点:9)
- こ、殺されると思った。
詩子と住井が頑張るSSってどれもレベルが高いなぁ〜。
このSSも然り、住井が詩子に浩平の影を見つけるっていうは素直に納得できる。
そこから恋愛に持っていくのが良いなぁ〜。
結構お約束な内容なのだろうけども、余りこれでSSを書いている人はいないと思うけれども、書かれて当然のような、それくらいの説得力がありました。
住井と浩平がカップルになる可能性も含めて、ONE―SSが熱くなりそうです。(ぉぃ)
- 041 Last Lovesong (採点:6)
- 御免、ちとやりすぎです。
ドラマすぎます。いや、SSなんだからわかり易いほうが良いのでしょうけれども……これはちょっとやりすぎ。
プロットはとても良いです。全体的な話の流れもOKです。
ただ、ONEでやるには少し生命力が溢れすぎているような気がする。(かといって私は生命力に溢れたONEを書けるはずもないのですが)
やるにしたって浩平と瑞佳、両方とももっと大人であって欲しいとか思ったりして。現実味がかけているっていうのが難点でしょうか。とはいえ、40kbが限界なので、細かい部分を削除しているかもしれないし。
根本的な主観の相違かもしれませんが…月9のドラマとかだったらいけるかも。ONEのSSとしては、厚みがまだ足りない、そう思いました。
- 042 オレとあいつと彼女の事情 (採点:7)
- これからの佐織たんに期待します。
ビバ南くん。
浩平…出てこなくても面白かったかもって思ったっす。
内容としては普通に面白い作品だったなぁというところ。以上。
- 043 夕焼け色のシンデレラ (採点:7)
- 抽象的な世界でした。どう考えようか迷ったが、素直に自分の感じたことを言えば良いのだと思う。
「ごめんね。今日がほんの少しだけで」
このセンテンスで私は、いいなぁ〜って思いました。
センスって大事です。
内容は…さきに言った通り抽象的過ぎてわかりにくかったのだけれども、これが一つの成長であって欲しいと思う所存。
- 044 小さな幕間劇 (採点:10)
- 羊の矜持? それともなんだったのだろうか。
永遠? 違う。これは幕間劇であって永遠ではないのだと思う。
揶揄が多くて少し作者に底意地の悪さを感じるが、噛めば美味しい。
顎が弱った日本人には無理な難題かもしれないけれども…と、話がズレタので修正する。
基本的な面白みが6点。繰り返し読むことで4点という異色な採点になってしまった。
ミステリーでもないのに、乗せられてしまったのが口惜しい。
つまり10点をつけたこと、これは作者への嫌味だったりもする。
それくらい、やられたなぁ、と思ってしまったのだ。
- 045 永遠と瑞佳のあいだ (採点:10)
- エッチです。物凄いエッチです。
ONEでこれを…いや、SS…二次創作でこんなことをやりやがるのかぁ? と声が裏返りました。
勿論、自分の作品については「心の棚に眠らせる、これ赤ワインのように…」ということです。フランスのことわざ(嘘
人のこと言えない変化球なげた癖に、人の変化球にはもだえっぱなしです。
このネタいつか借りそうです。インパクトでかいなぁ〜。
笑ったなぁ〜。面白かったなぁ〜。
Kanonじゃやれないネタだよな〜。
やっぱりONEは面白い。多分、Kanonよりも可能性がある……。
これからの時代はONEになりそうな…そんな気が少しだけしました。
バリ良かったバイ。
- 046 キャラメルのおまけ (採点:10)
- 子供のままでいつづけること。子供なのに大人になること。逆もまた然り。
理解できないのに理解させられること。遠くて近いもの。逆もまた然り。
怖い話だった。
よくやる、と畏怖するものまであった。
私にはここまでできなかった。ひょっとしたら失敗してしまったのかもしれない。
- 047 「わたしはあなたと歩きたい」 (採点:8)
- ベタベタだが悪くない。前回、私のコンペでやりきれなかった…そんな内容だったりもして…ちと苦笑が漏れる。
女性からのプロポーズだったらもっと激情的であっても良いような気がする。
No.45ちっくないやらしさがあっても良いと思った。二人とも大人なんだしね…というと、私がたんなるおばちゃんみたくて、こんなこと言うの、本当は嫌なんですけどね。(でも言っちゃう)
それから、瑞佳はここまで弱い女だったかなぁ〜、とちと感じた違和感…それこそが面白味であると私は思いましたよ。
頑張って下さい。
- 048 待ち合わせ (採点:10)
- 欲望のままに10点をつけるAlice。ここにも参上。某所で公開されている感想・偏差一覧で、私がいかに天然なのかを知るでしょう。
すいません。引かないで下さい。
面白かったのでつい饒舌になってしまっただけです。
内容について…みさきの心情が手に取るように理解できた。
プライドとか、不安とか。作者の一生懸命さみたいのまで見えたのはちとオーバーかも?
ちなみにこのSSで私が高感度を持ったのは浩平です。
おもねることのない浩平の態度が凄く良く映って、あぁ、これならみさきも好きになるよなぁ〜と。
というか、こんな男だったらほとんどの女が好きになりそうな感じもするのだけどね。
自然にこういう人間になれたら良いなぁ〜。
- 049 雨音は誰が為の歌 (採点:6)
- 中々どうして…う〜んMOON.な内容。
物語の流れは理解できる。結構面白く、読ませるように作っているのだけれども、どうしてもツメが甘いんでないの? と感じました。
展開が安易なんですよね。ボリュームだってあるし、なんで? 理由は文章の贅肉とでも申しましょうか。
このSSはもっとシャープにしなければ全体的に浮いてしまう。どこが浮くかといえば、ストーリーの展開が…かな?
わかりにくい物言いで申し訳ないけれども、茜との今〜結婚しようまでの下りがこの物語のラインなのだが、浩平の母の死、その理由など肝心な部分がペライ(薄っぺらい)。それは瑞佳や留美や澪が出てきてしまったからかもしれない。現状説明としてのキャラクターベースを作るのであれば詩子で充分だと思う。私的にはそういった贅肉部分が、物語の要の部分を曇らせているように感じてならないのです。
40kbという配分はかなり難しいです。私は今回どちらかと言えばプロットそのもののバランスが崩れたSSになってしまい、今更にしてそれが口惜しいのですが、この話に至っては力の入れどころ、そのバランスをもう一度考え直せば充分に名作になれる器です。
今後にかーなり期待します。
- 050 セレナードで眠らせて (採点:7)
- 長く甘い。ちとくどかったかもしれない。最後のが説明臭くてちょっと減点です。
減点って言ってもそんなんしてません。私の採点法は直感となんとなくです。
うわぁ〜当てにならねぇ〜って思ってくれると嬉しいなっと♪
さて、内容ですが徹底して浩平と茜でしたね。
男性が女性の髪の毛を洗うというの…なんていうか嫌な感じしました。
想像してみたのだがすげぇ面倒臭そうです。
乳を揉むとかそっちの方が…ってそれじゃあコンペに参加できないわけで……難しいなぁ。
- 051 南西の風は瑞穂実る平原に (採点:6)
- うーん、すまん。普通。
可もなく不可もなく。義明を茜が認めた瞬間に、浩平が帰ってくるのは予定調和になってしまい……。
物語のオチとヤマが場当たり的で…色んな意味でまだまだって感じっす。
タイトルセンス…これはもっと修行した方が良いんじゃないかな〜って思ったんだけど……ほかの人の意見も聞いてみると良いです。弱気で悪いけど。
- 052 未来の二人に (採点:10)
- 過剰なフェミニズムの揺り返しから男権の涙ぐましい見直しが叫ばれるほど、女性の強さは世に君臨している。
この一文で少し泣けました。なにもここまでいわなくたって良いじゃん! 意地悪っ!
・
・
・
とまぁ、これはどーでも良いとして…。
雪見不良説…えがった。えがったよ゛〜。
ストーリーに引き込まれてしまったし。自伝的な内容ではあるが、想像しやすい文章は好感度抜群かと。
みんなこーやって育っていくのだなぁ〜と。
みさきとの出会い編…きっぱりとした姿勢でいられる人間のSSとしては最高峰かも。
でも、この雪見って本編の立ち絵のイメージにピッタリだったかも。
この作品に対して雪見のイメージが合わない、とかのたまう人がいたら(……削除……)って言っても良いですか?
それくらい痺れたんです。
○DOH さん
- 005 マジカル☆ワードを唱えよう (採点:8)
- 出だしが最高でした。
- 006 すてるす同盟 (採点:10)
- シュンが最高。
あそこまで必死に永遠の世界に行きたがる浩平は初めて見ました。
- 007 とある騎士の物語 (採点:8)
- テンポが良かったです。
しかしながら、読点が少なかったので読み難かったです。
- 008 Search for (採点:10)
- 猫の視点というのが斬新でした。
しかし、猫と意思疎通ができる浩平って何者?
- 024 【呪いの唄】 (採点:10)
- ストーリー展開は見事。素直に面白かったです。
ただし、読点の打ち方がイマイチでした。
- 028 歩いて帰ろう (採点:8)
- >すげえ。俺のまわりは確かに馬鹿だらけだったが、こんな馬鹿にはあったことねぇ。
浩平に言われたら人として終わりでしょう。
- 029 澪とみさきと長森と (採点:9)
- アイコンタクトというより、最早テレパシーのレベルかと。
読点の打ち方がイマイチだったので、減点しました。
- 030 『パラダイス☆銀河〜愛と絶望の小豆洗い〜』 (採点:10)
- メタセコイアと女王様の茜にやられました。
- 035 夢を観た日 (採点:9)
- 演出だと思いますが、最後付近の平仮名の羅列があまりにも読み難いので減点しました。
話自体は面白かったです。
- 039 フリップフロップ (採点:9)
- 話の作り方が面白かったです。
- 045 永遠と瑞佳のあいだ (採点:6)
- 男達の馬鹿っぷりがいいです。
文章は、もう少し漢字を多用した方が読みやすいと思います。
- 050 セレナードで眠らせて (採点:9)
- タイトルも話も非常に綺麗でした。
- 051 南西の風は瑞穂実る平原に (採点:3)
- 内容がありがちすぎかと。
加えて、タイトルと内容の相関が不明。
○Foolis さん
- 001 エターナリズム (採点:1)
- ごめんなさい。生理的ともいえるくらいの嫌悪感を感じました。
どうも浩平が茜を都合のよい女としか見ていない感じがしました。
そのことに関連して思考の変化に重みを感じられませんでした。
絶対似たような失敗をすると思います、彼。
また、エターナルの世界の設定をもう少しつめて欲しかったです。
どうも描写不足に感じました。
- 002 彼女の理 (採点:9)
- 繭がほんとにいい感じで描かれていますよね。
よかったです。
あと、友人のみあちゃんもなかなか魅力があるキャラに描かれていてよかったです。
面白い女の子ですし。
- 003 Fragment (採点:7)
- アイディアとしては面白いです。
でも、うーんなんていうんでしょうか、この気持ちは。
納得しないというかなんと言うか。
(ありえないとは言い切れないんですが、うーむ……)
それが残念でした。
- 004 いつか、その日の為に (採点:7)
- いや、あのぬいぐるみを暴走させるのは危険ですよ。
ビームは出すわ、ATフィールドは張るわで。(意味分からなかったらごめんなさい)
ただ最後のシリアス部分が…やや分かりにくかったのが残念です。
- 005 マジカル☆ワードを唱えよう (採点:9)
- 大笑いしたあとに感動できる話。ほんとにそういう話ですよね…。
歌のシーンでは笑えましたし、マジカル☆ワードの話とのからめかたはうまいですしすごいです。
よかったです。ほんとに。
- 006 すてるす同盟 (採点:7)
- アイディアだけで満点をあげたくなるようなSSなんですが…
うまくその設定を生かしきっていないというかなんというか。
浩平の行動がいまいち共感できませんし…。
(でもありえる行動なんでしょうね、長森シナリオでああいうことをやった彼には)
あと、どうもシュンではなくて家計の劉に見えました。
これはこれでよかったりもしますが(笑)
(家計やられたことありますよね…?)
- 007 とある騎士の物語 (採点:5)
- 盲導犬ってああいうことを実際に思っているのかもしれませんね。
(浩平との始めのやり取りのところ)
とか思うと結構この話がユニークに思えたり。
…ただ個人的には受け入れがたかったです…。
最後の方の文章がユニークでいい感じです。
- 008 Search for (採点:9)
- 猫が主人公、というのもユニークでいい感じですね。
文章のテンポもよく非常にいい感じで読めました。
また、最後の一言がお気に入りです。
あと、微妙によかったのがKanonの真琴シナリオとの絡みです。
なんかよかったです。
- 009 Replica (採点:8)
- これも一つの永遠の世界、なのかも知れませんね。
ONE本編とはまた違った永遠で面白かったです。
各キャラの心情もよく描けていましたし。
でもどうしても聞いておきたいことが。
N7やられました?どうもそれに真っ向から対抗して作ったような話に思えたので……。
- 010 NOISY SILENCE (採点:6)
- テーマとしては非常に面白いです。
「存在」というものに結構突っ込んでいると思います。
でももう少しいろいろ書いてほしかったです。なんかこう、釈然としない感じを受けました。
微妙にこの話が終わっていないというかなんと言うかそんな感じを受けました。
- 011 その果ての雨 (採点:9)
- 作者さんの中で非常に愉快な世界を構築されてますね。
すごいです。それでいてしっかりとしたテーマはあり……。
うまいです、すごいです。
あと、後にいくにつれて文章のテンポがいいのがよかったです。
- 012 曇り色の時間 (採点:8)
- 非常に文章のテンポがいい感じですね。どんどん引き込まれました。
最後の瑞佳の台詞もいい感じでした。
面白かったです。
- 013 『夕日の少年』 (採点:5)
- 作品に流れる雰囲気は好きです。
氷上の行動もまぁわかりますが…うーん、なんていうんでしょうか。
もう少し何かほしいと思いました。
あと、ストーリー的にやや蛇足的部分が結構あるような。そこが残念でした。
- 014 風の辿り着く場所 −Eternal Happiness− (採点:9)
- みさきと琴莉のやりとり、雪見と澪とのやり取りがいい感じでした。
それぞれの交流がいい雰囲気で描かれ非常によかったです。
また、みさき先輩の気持ちが非常によく描かれていたと思います。
よかったです。
あとどうしてもひとつどうしても確認したいことが。
家族計画というゲームをやられたことがありますね?
- 015 その手を離す、その日まで。 (採点:6)
- 雪見とみさき先輩との小学生時のやり取りがいい感じでした。
ただ、もう少し描写が欲しかったように思います。
あと最後。
あと一文くらい欲しいです、なんか…。
- 016 二人が刻む永遠 (採点:7)
- 雪見とみさき先輩のやり取りがいい感じですね〜。
障害者というのはほんとに健全者にとって付き合いにくい存在だと思います。
同じ大学にそういう人がいるのですが、意識しないでおこうと思ってもやはり意識してしまうものですし。
…そうかんがえると、もう少し雪見の葛藤のシーンが欲しかったですかね。
でもいい作品でした。
- 017 欲深な微睡 (採点:7)
- 由起子さんがああなった理由がいまいち感覚としてつかめないのは、私がまだ子供だからでしょうか。それはおいといて、長森の心情がよく描けていたと思います。
よかったです。
でも初めの部分、いきなり全部空白というのはやめてほしかったような気が(汗)
- 018 この世界は (採点:6)
- 詩子の設定がオリジナリティがあり面白かったです。
ところで
>──気分で弾いているその演奏に魅力があることは否定しません
このような一文がありましたが作者さんは本当に自分の思うがままに書いているんだろうな、と思いました。普通音楽のこと好きではなかったらこうはかけないと思いますし……。(実際どうなのかは知りませんが)
ただ、ピアノを使って想いを伝えた詩子にもう少し正式な告白シーンで小悪魔的な雰囲気(なんだよ、それ)というか・・・うーん、何かがほしかったですね。と個人的には思いました。
- 019 トライ (採点:5)
- 書きたいことはいいと思います。しかし…、ちょっと見せ方がまずいと思いました。
また、感情の動きがやや急です。もう少しその辺をうまく表現してほしかったです。
- 020 Requiebros(愛の言葉) (採点:7)
- アイディアは非常にいいです。
特に、詩子が実はあいつのことを覚えている、というシーンはやられた、と素直に思いました。
確かにありえない話ではないと思いますから。
でも、非常に残念なのが描写の不足です。
もう少し、長森についての描写がほしかったです。
取り乱すシーンとか、愛の言葉を弾くことになったもう少し具体的な経緯とか。
そこが残念でした。
- 021 夏ノ空ニ夢ハ初マリ (採点:6)
- いい話だとは思うんですが……
ちょっと作者様の意図していることがわかりませんでした。
なぜ、あの夢が「永遠の序曲」を示しているのかとか。
(たしかに長森シナリオのときあのイベントがあり、そのあと浩平は永遠の世界にいきますが…
そういうことですか?)
- 022 はやく昔になればいい (採点:3)
- 始めにいっておきますが、ダークは嫌いではないです。
いや、ほんとに。
ラストはいいと思うんですが、ちょっとそこにいたるまでの茜がいやだったというかなんというか。なんか狂気的ではなく、生々しすぎるんですよね。
生々しすぎるのは苦手なんです……。
書きたいことはいいと思います。
- 023 世界は終わり、或いは始まる。 (採点:7)
- すごいというかなんというか…。いやはやすごいです。(<意味不明)
大胆に世界が構成されていますね。うまいです。
ただ、もう少し詰めて欲しかったような気もしました。
具体的にどことはいえないんですが……。
- 024 【呪いの唄】 (採点:6)
- ちょっと確認。
「――身体だけで満足していれば良かったのに」
これ、瑞佳が茜にいった言葉でいいんですよね?
いや、この話色々解釈できそうで…。作者さんはどのようなつもりでこのSSを書いたのかぜひ知りたいです。
それを前提にして話を進めます。
うーん、ダークのネタとしては面白いんですが…それほど怖さを感じなかったというか。
それが残念でした。
伏線の張り方はなかなかうまかったと思います。
でも、始め一読したときによく話が分からなかったのは残念でした。
- 025 もういいよ (採点:7)
- 話の筋は好きです。でも…、七瀬とそれなりにいい仲だったのに広瀬に走った理由が
やや描写不足に感じました。そこが残念でした。
- 026 ダンスインザダーク (採点:8)
- 見事です。狂気的な世界がたまりません。
始めは川名みさきが抱えていた暗闇と、「瑞佳」が抱えていた暗闇を暗にかけていると思っていたんですが……なるほど、こういうオチですか。
すっかりだまされましたし、狂気性がいいですね〜ほんとに。
- 027 埋もれた夢に、あなたはいない (採点:10)
- ……いいですね、ほんと。
内容もさることながら文章のテンポもよくすばらしいですね。
表現もうまいですし。
見事でした。
- 028 歩いて帰ろう (採点:6)
- 司とみずかとこうへいのやり取りがよかったです。
面白かったです。
ただ、みずかの気持ちに関してはもう少し踏み込んでほしかった気もします。
そうすれば最後の別れを阻止するシーンがもっとよくなったのではないかと。
- 029 澪とみさきと長森と (採点:5)
- ギャグがやや中途半端な感じがしました。
結局笑えなかったですし…。なんか弱いんですよ。
最後の方のほのぼのした雰囲気はよかったです。
- 030 『パラダイス☆銀河〜愛と絶望の小豆洗い〜』 (採点:7)
- やや電波はいっている感じがしますが、笑えたのでよし。
(なんだかんだでONESSコンペのギャグSSで今のところ一度も笑っていないからなぁ)
(注:ランダム採点中です)
ギャグもよくノリもいいですが、意味がわかりにくい部分があったのが非常に残念でした。
- 031 空の在り処 (採点:9)
- 雰囲気がいいですね。ほんとに。
みさき先輩と雪見との思いがひしひしと伝わってきました。
非常にいい感じでした。
よかったです。
- 032 ALive (採点:5)
- 話自体は悪くないと思いますが…うーん、なんていうんですかね。
感情の描写が少ないからか物語に入り込めなかったんですよね。
多分、そのため淡々としすぎてしまったからだと思いますが…
そこが残念でした。
- 033 コイゴコロ (採点:10)
- 茜&詩子ペアがONEで一番お気に入りの私にこのような話を書かれて10点以外の点数をつけることができようか。いや、できない。(謎)
まえまえから某SSを読もう読もうと思っている作者さんですかね(汗)
…違っていたらいやだからそれはおいておいて、見事でした。
なんか作品に流れるこのやさしい雰囲気がすごく心地よくて、茜と詩子と浩平のやり取りが非常に丁寧な描写により、すごくよく表現されていて。
もう、最高でした。
- 034 莫逆の友の恋 (採点:9)
- いろいろ見事でした。いやはやここまでやりますか。
文書のテンポが非常に個人的&非常にいい感じですし、非常に笑える話でした。
あと閑話休題のあれで読者をだまそうとしていましたね?
(事実、私はふられると思いました)
この辺の小細工も見事でした。
贅沢を言えば最後のほうもう少し何かほしかったかな…。
- 035 夢を観た日 (採点:8)
- みさおが非常にいい感じですね。ほんとに。
彼女が元気になったらこういう日常を浩平は手に入れたのでしょうか。
いや、面白かったです。
なんか作品に流れる雰囲気もよかったですし。表現もうまかったですし。
ほんとにいい感じでした。
- 036 たいせつなひと (採点:5)
- 話の筋としては悪くはないです。
いい感じの話ですし。
ただ、やや描写不足かと。
そのためにキャラの心理がやや理解しにくくなっていると思います。そこが残念でした。
- 037 虚構少女 (採点:9)
- はじめのやり取りに大笑いさせていただきました。
あと、最後の一言にとどめをさされました。
また、途中に描かれていた七瀬と旧友とのやり取りもいい感じでしたし…
よかったです。
- 038 廻り廻るAffection (採点:6)
- いい話なんですが…みさきがみさおを自分の子供にしたいといったときの気持ちが本文中の表現だけだとやや弱く感じました。
浩平からみさおことを一回聞いていることはわかりますが、本文中にどういう風に説明したかに関する描写がないので…弱く感じました。
そこが残念でした。
あと、美紗緒がラブリィでよかったです。
- 039 フリップフロップ (採点:8)
- 二つの世界の扱い方がいい感じですね。
二つ(いや、三つかな)の世界それぞれでの描写がいい感じです。
永遠との絡め方も。
あと、
>たとえばこれが物語なら、明らかに破綻している。
>伏線が足りません。心情変化が唐突です。そのキャラの性格にあっていないと思われます。
>しかしそんなこと言われても、僕としては困ってしまう。
>急速に唐突に、その感情は僕に訪れたのだから。
>僕は彼女に、長森瑞佳に、恋をした。
この文章が非常に皮肉っぽくていいです。SSコンペという場でこのような文章を読んだらもう、浩平は唐突な恋をしたんだなと納得するしかない。ほんとに。
素直にやられたと思いました。
- 040 こんな愛の形も良いじゃない (採点:5)
- ストーリーは悪くないです。結構好きです、こういうの。
でも、描写不足を感じました。
最後の詩子と護のシーン、もう少し書いてほしかったです。
- 041 Last Lovesong (採点:6)
- 色々なところでセンスのよさを感じました。
>浩平は苦笑しながら私の近くに歩いてくる。
>頭がくらくらした。なんて、ロマンチック。
こことかうまいです。なんていうか表現が。
わたしなんて絶対かけないです。テンポもいいですしね。
ただ残念なのが
・一マス開けをしていなく非常に読みにくかったこと。
・二番目の過去の回想シーンへの移りがやや分かりにくかったこと。
(文章読解力不足かなぁ…)
・展開がやや唐突に感じられる部分があること。
です。
- 042 オレとあいつと彼女の事情 (採点:7)
- 永遠の世界の設定がややONE本編に比べおかしいですが(南が思い出したあたりが)
これはこれで面白くなったのでいいと思います。
(世の中にはONE2という永遠の世界をややずらした感のあるゲームもあることですし)
(ちなみにわたしはONE2はONE2なりに好きですので)
またキャラ同士のやり取りがいい感じですね〜。ほんと。
南と七瀬のやり取りはもとより、佐織と南の関係もやや微妙なかんじで(ちなみにわたしはこういう状態がたまらなく好きです)よかったです。
- 043 夕焼け色のシンデレラ (採点:10)
- みゆきとみさきのやり取りがほんとにいいですね。
永遠の世界の設定も面白いと思います。
しかし、ところどころ誤字が見られたのが…残念です。
あと、
>エンゲル係数上げてばかりで困った子だけれど…でも、いい娘になったなあ
このせりふが妙にお気に入りです。
- 044 小さな幕間劇 (採点:5)
- 非常に面白い試みだと思います。いい発想であると思います。
でも内容が高度すぎました。
ただ、雰囲気的にこういうことなんだろうな、ということが分かるだけでしっかりとしたものがつかめない……、という訳でこの点数です。ごめんなさい。(泣)
- 045 永遠と瑞佳のあいだ (採点:2)
- 書きたいことはいいと思います。
長森の母親の言葉にすべて書かれているのでしょう。
ただ、なんていうんでしょうかね、ストーリーとして……面白くなかったです。
あれをストーリーに魅力的に盛り込めればよかったんですが。
説明ですべて語られると…。
あと、この表現↓
夜が明けて朝が来た。夜はまた来る。でもそれは、少なくともいまじゃない。
がよかったです。
ところで、作者様は何歳で、性別は何でございましょうか?
なんかすごい(大人びたというかなんというか)考えをされているので……
ちょっと気になりました。よろしかったら教えてください。
- 046 キャラメルのおまけ (採点:4)
- ややわかりにくいのが残念ですが話のアイディアとしてはいいと思います。
でも、本編からの書き写しが多いのと永遠の世界から帰ってきた浩平の描写が少ないのが残念でした。
- 047 「わたしはあなたと歩きたい」 (採点:6)
- 話の内容としてはすごくいいと思うんですが…やや、演出不足に感じました。
ちょっと淡々としすぎているというか。なんというか。
最後の演出はめちゃくちゃよかったです。
- 048 待ち合わせ (採点:5)
- 待ち合わせをする描写はいいのですが…ちょっと物足りなかったです。
なにかといわれてもはっきりということはできないんですが。
- 049 雨音は誰が為の歌 (採点:6)
- ほのぼのとした雰囲気はいいですし、ストーリーは結構好きです。
でも、もう少しなんか描写がほしいです。やはり、ちょっと唐突過ぎると思いますし……。
- 050 セレナードで眠らせて (採点:6)
- 話の内容としてはいいと思いますがやや描写不足です。
もう少しいろいろ詳しく描写してほしかったです。
- 051 南西の風は瑞穂実る平原に (採点:9)
- 惜しい、ほんとに惜しい。里村の告白シーンはたまらなく好きですし、
南と詩子と長森と茜のと中のやり取りはいいですし、長森と茜の関係の推移がいい感じなんですが……肝心の茜が長森の目を覚まさせるシーンが…もう少し描写してほしかったです。
物足りなかったです…。あそこさえよかったら間違いなく10点でした。
(もしかして容量ぎりぎりでしたか?それでしたら残念です……)
- 052 未来の二人に (採点:9)
- 作者様が大体誰か予想できているのですが…それはまぁおいといて。
(笑……ごめんなさい、もういいません)
(違っていたらすみません)
ええと、やっぱりよかったのが、雪見が高校時代に言った言葉です。
ほかにもいろいろなシーンが非常によく描けていると思いました。
いーこさんとの交流とか。見事です。
また、
>他者の物語を下らないとはねつけることは誰にでもできる。しかし、その代わりを創り上げるには並々ならぬ努力と努力で覆し得ない何かが必要なのだ。
この言葉がほんとに親近感があったのでなんかよかったです。
よりよく物語りに入り込めたというか。
○K`s さん
- 001 エターナリズム (採点:6)
- よくある「えいえん」ものかと思いきや、全く違たストーリーに驚きました。
ただ、場面の転換が掴みにくいところがあり、少々読みにくい点が見受けられました。
こういう作品は新鮮でした。これからも頑張ってくださいネ。
- 002 彼女の理 (採点:7)
- 繭の心情を良く表現できてると思います。アクションに対するリアクションがとても繭らしくて良かったです。
- 003 Fragment (採点:6)
- 文章、構成ともに悪くは無かったのですが、三章あたりの展開が雰囲気を壊しているような気がします。
- 006 すてるす同盟 (採点:8)
- まず設定が面白い、三人の掛け合いが面白ろかったですね。
爆笑っていう笑いじゃなくてニヤリとする笑いがグーでした。
こんな作品大好きです
- 030 『パラダイス☆銀河〜愛と絶望の小豆洗い〜』 (採点:6)
- 前半から中盤は空回りしている感がありましたが、後半の劇部分にはクスッと笑える部分がありました。
もう少し前半部分に力を入れれば全体的に飽きのこない作品になったかもしれません・・・・
○Liar さん
- 001 エターナリズム (採点:1)
- 色々と設定を詰め込みすぎていて、その割に説明が不足しています。
「エターナル」等のネタ自体は気に入りましたが、全体的に話が分からないのでこの点数です。
- 002 彼女の理 (採点:10)
- 文章にしても、描写にしても、恐らくは足りない部分があるのでしょう。
でも、私には正常な評価が出来ません。
みあと浩平に感情移入しすぎてしまって冷静に作品を見る事ができないんです。
役に立たなくて申し訳ありません。
- 003 Fragment (採点:9)
- なるほどー。
まさしく「永遠なんてなかったんだ」ですね。
文章にも展開にも何の不足もありません。上手い。
んー? でもこの騙しの構図ってどこかで見た事があるような……?
- 004 いつか、その日の為に (採点:5)
- 一人称の部分で三人称の様な表現をしている所がちょっと気になりました。
キャラクタが皆自分を客観視し過ぎているような気がします。
こう言うのは、神の視点……と言うのでしょうか?
それと、文章が詰まっていてちょっと見辛かったので、もうちょっと改行を多くして欲しかったな、と思います。
ストーリーや展開は面白かったです。
- 005 マジカル☆ワードを唱えよう (採点:7)
- この作者さんは演劇部員の凄さを知らないようですね。
実際に演じる前まではどれだけ渋って嫌がっていても、いざ練習が始まると誰よりも楽しそうに、率先して役を演じるのが本当の演劇部員というものです。
私はその辺りの事情を知っているので「役を恥ずかしがる澪」が受け入れられず、どうしても話に入り込めませんでした。
話の展開や文章・描写に関しては、逆に私が教わりたい位です。上手い。
ただ、ー(伸ばし棒)が――(ダーシ)になっています。
他の部分は伸ばし棒を使ってるようですから、統一するべきかと。
- 006 すてるす同盟 (採点:7)
- だから2ch用語使うのやめましょうよ、ONEのSSなんですから……。
とまれ、妙なテンポとノリで、長いはずの話をストレスなしで楽しめました。
恐らく、作者さんの基本的な腕がいいんだと思います。
文章・展開・描写については特に付け足す事が浮かびません。上手い。
- 007 とある騎士の物語 (採点:1)
- ・・・(中黒)と……(三点リーダ)が混在しています。
また、〜これ異常ボクの〜→〜これ以上ボクの〜など台詞の間違いも目立ちました。
きちんと見直しましょう。
盲導犬の視点から書く、といったアイデアは良かっただけに、残念です。
- 008 Search for (採点:1)
- 猫……はー、猫ですか。最初の方、主格が誰なのか分かりませんでした。
設定は面白いと思うんですが、私には受け入れられませんでした、すいません。
それと、誤字があります。「学生服着てる奴がえばって〜」→「〜威張って〜」
- 009 Replica (採点:8)
- 次はどんな世界なんでしょうね。ハーレムエンドとか?(笑
冗談はさておき、文章や描写に殆ど違和感のない良作だと思います。
個人的な趣味ですが、最後の「end.」は「repeat again…」の方が良かったかな、と思います(笑
- 010 NOISY SILENCE (採点:2)
- 「折原浩平」は永遠の世界に消えて、残ったのは身元不明のタロウ君……と。
みずかが永遠の世界に持っていったのは何だったんでしょうか?
彼の記憶、つまり存在していた証拠その物だったのか、浩平自身だったのか。
同様に、タロウ君は浩平なんでしょうか? それとも茜の幼なじみの司(仮名)なんでしょうか?
プロローグのやりとりを見ていると、タロウ君=司(仮名)説が正しい様にも思えますが、その場合、なぜ瑞佳が彼を知っているのか分かりません。
と言ってタロウ君=浩平説を取ると佐織と同じ状態にあるはずの、つまり司(仮名)を忘れるはずの茜がなぜ未だに彼を覚えているのか分からなくなってしまいますし……。
その辺りの説明をして頂けませんでしょうか?
佐織を使う、というアイデア自体は面白かったです。
- 011 その果ての雨 (採点:1)
- 最後の方、人称がコロコロ変わっている上に畳みかけるような展開で何が何だか分からない内に終わってしまった様な感を受けました。
途中の表現に奇妙な印象があるのもマイナスポイントです。
残念ながら、茜の走馬燈という奇抜な発想を生かし切れていないようです。
- 012 曇り色の時間 (採点:1)
- 全体的に、表現と設定に奇妙な感じを受けます。
浩平の瑞佳に対する呼称が長森ではなく「瑞佳」と言うことは、瑞佳シナリオ後という事になるんでしょうか?
だとしたら、なぜみずか(ですよね?)の名前を知らないのか、なぜ浩平が未だに永遠の世界を望んでいる様な態度を取るのかという二つの問題が発生します。
浩平が永遠の世界に行ってみずかと会うのではなく、みずかを現実の世界に連れてきて浩平と会わせるという事自体がそもそもの間違いだったような気がします。
みずかが「曇り空が好き」と言っていたのは、やけに納得してしまいました。
- 013 『夕日の少年』 (採点:4)
- 元ネタを知っていたら起きないはずの疑問ですが、ちょっと気になった事が一つ。
なぜ「山の外をとても怖がっている」はずの山羊とその親友……もとい、その山羊と親しいひつじが「山を離れている」事が「幸い」なんでしょうか?
普通なら山を一歩も出て行こうとする気すら起きませんよね?
誤字があります。好奇心満天→〜満点です。
それと、括弧は半角ではなく全角を使った方が見やすいと思います。
キャラクタの表現などが良かっただけに、もうちょっとノスタルジックな雰囲気を出して欲しかったな、と思います。
- 014 風の辿り着く場所 −Eternal Happiness− (採点:1)
- まず、オリキャラが出てくる際にはそれを明記するべきかと。
ジェットコースタードラマ、というのはこういう作品の事を言うのでしょうか?
展開が唐突で殆ど脈絡や伏線がなく、言葉は悪いのですがまるで出来の悪い寸劇を見ている様な気分になりました。
それと、これが一番の問題点ですが、オリキャラだからといって、いえオリキャラだからこそこんなにあっさり死なせている事に強い不快感を覚えました。
非常に失礼な事を言いますが、貴方は自分の創作したキャラクタに対する愛着という物がないのでしょうか?
このような失礼極まりない事を書いたのは、私がこの三崎琴莉というキャラクタを気に入ったからです。
彼女の感情表現や描写に対しては殆ど問題ないと思われる位のレベルに達している為、余計にこういう感情を抱きました。
もしこの感想で作者さんが不愉快になられたならば謝罪します。
- 015 その手を離す、その日まで。 (採点:6)
- 一つ疑問に思った事があります。
シャワー浴びた後にパジャマを着直すんですか……?
最後も何だか落ちが付いていない様な気がします。
ただ、作者さんには失礼かもしれませんが、私の作風と似通った部分があるように感じました。
その為、個人的には好みの内容です。
- 016 二人が刻む永遠 (採点:7)
- いきなり説明がずらずらっと並んでいるのにはちょっと引いてしまいました。
この作品は、中編で収まりきらない内容と設定です。
このまま中編で収めるには、例えば澪の出番を全面的にカットして、その部分を違った形で表現するなどの工夫が必要かと思われます。
というか、これだけの作品を書き上げるだけの実力ある作者さんならば恐らくその位の事は容易かと思うので、手抜きしないで作品を仕上げて下さい。
- 017 欲深な微睡 (採点:1)
- 初っ端に大きな空白があるくせに改行が少ないといった、はっきり言わせてもらうと目に悪い作品です。
他にも誤字・脱字が目立つ、展開が急すぎる、浩平の父親は死亡(澪シナリオで明記されています)しているはずなのに蒸発した事になっているなど問題が多々あります。
それと、これは特に気になった部分なんですが、浩平と瑞佳の年齢がおかしいです。
瑞佳は9月生まれ(これはトレカの設定なので知らなくてもしょうがないんですが)ですし、浩平は3月生まれ(茜シナリオで明記されています)です。
ですから、浩平が十八歳なのに瑞佳が十七歳という事はあり得ない事態なんです。
完全なまでに浩平に依存している瑞佳には特に違和感はありませんでした。
私自身、彼女は浩平に依存している様な印象を受けますので。
- 018 この世界は (採点:8)
- 文句なしの満点……と言いたい所なんですが、会話文が多いせいか、人が数名出ている場面では誰がどの台詞を言っているのか把握しにくいといった欠点があります。
もうちょっと描写や説明を増やしても良かったんじゃないでしょうか?
展開や表現に関しては問題どころか、逆に私が教わりたい位の腕前だと思います。
- 019 トライ (採点:5)
- 難しいですね……。
住井を使うならば瑞佳との間を取り持つ方が分かりやすい、かと言って、この時ONE本編では七瀬シナリオの進行中……。
文章力はそれ程問題ないと思われるので、もう少し突っ込んで設定を考えて欲しかったな、と思います。
- 020 Requiebros(愛の言葉) (採点:2)
- まず、・・・(中黒)より……(三点リーダ)の方が見栄えが良いと思います。
詩子が幼なじみの存在を覚えているという事実はないはずですから、失礼ですがご都合主義極まりないと感じました。
この作品にとって、茜は重要だと思いますが、詩子まで出して茜を救うというのは流石に蛇足かと思われます。
表現に関しても、言葉や描写不足の部分があったりして、いまいち主題を書き切れていない様な印象を受けました。
推測でしかありませんが、恐らく作者さんはSSを書き慣れていないのではないでしょうか?
チェロの名曲を使っていたりオチがしっかりと決まっている辺りにセンスを感じますので、そのまま書き慣れていけばきっと良い腕前のSS作家になれると思います。
作者さんの今後の活躍に期待します。
- 021 夏ノ空ニ夢ハ初マリ (採点:4)
- 不思議な雰囲気を持ったまま淡々と進む作品で面白かったのですが、それでも幾つかの問題があります。
まず誤字。〜なのに否に目の〜→〜嫌に目〜、〜浩平の創造になる。→〜想像に〜。
それと、確かにONE本編で使われていた設定を細かく引用すればそれらしく見えますが、この作品の場合はやり過ぎていて逆に嫌らしく感じます。
作品自体に人を引きつけるだけの力があると思うので、後一歩踏み込んで考えて欲しかったと思います。
- 022 はやく昔になればいい (採点:7)
- 誰かに縋り付いていなければ立っていることすら出来ない様な茜の、半ば精神病じみた鬱な感情がひしひしと伝わってきます。上手い。
茜の浮気相手をオリキャラにしているのは、既存のキャラクタを使った場合の反発を配慮した結果なのかも知れませんが、個人的な好みとしては全くのオリジナルよりはONE本編に登場した誰かをモチーフとしたキャラクタにして欲しかったと思います。
それと、誤字があります。山陽堂→山葉堂です。
- 023 世界は終わり、或いは始まる。 (採点:8)
- 過去=現代社会
現実=現代から百年後、
夢=クローン体の「こうへい」が冷凍装置の中で見ている「あるはずだった未来」のシミュレート
こう解釈してよろしいでしょうか?
やや設定を改変している部分がありますが、全体的に見ると殆ど違和感のない、非常に面白い作品です。
- 024 【呪いの唄】 (採点:7)
- 由起子さんと瑞佳の異常な感じが良く出ている良作だと思います。
ただ、ここまでの執念というか怨念を感じる程浩平の事を思っている二人が、なぜ永遠の世界に消えていった浩平の事を忘れてしまったのかな、と少々疑問に思いました。
それと、茜は別に「真面目が服を着ているような」性格じゃないと思うんですが……。
文章や描写については問題ないと思います。
- 025 もういいよ (採点:5)
- 広瀬を使うという試み自体は評価に値すると思いますが、独自設定を付けすぎてONEのSSを読んでいるという感じがしませんでした。
話の展開も早すぎて、広瀬はともかく浩平はなぜ広瀬を好きになったのか、きっかけや動機がはっきりしません。
言葉は悪いのですが、浩平は単に流されて関係を持ってしまっただけのようにも思えます。
文章自体には問題を感じませんでした。
- 026 ダンスインザダーク (採点:5)
- 誤字・脱字があります。〜本にガン幸福だと〜→〜本人が〜
オチの部分でちょっと分からない部分があります。
私=みさきが浩平の後ろから包丁で刺そうとして、結局どうなったんでしょうか。
川名みさきから、また「長森瑞佳」になって折原浩平・瑞佳夫妻を遠くから眺める生活に戻った、と解釈してよろしいんでしょうか?
文章や表現には特に問題はないと思います。
- 027 埋もれた夢に、あなたはいない (採点:5)
- 佐織が自己否定の極地に来ていますね。
このまま放っておくと永遠の世界に行ってしまいそうです(笑
冗談は置いといて、部分部分に奇妙な表現があり、そのせいか全体的に違和感が残ってしまいました。
最初から最後まで佐織がなぜこんなに動揺しているのか分かりませんでしたが、最後になってからなるほどこういう理由だったのか、と良い意味で騙されました。
- 028 歩いて帰ろう (採点:3)
- 擬音や感嘆符(!)疑問符(?)の使い過ぎは間抜けた印象を与える為、出来る限り抑えた方が良いと思います。
というより、前後の会話文や地の文で十分に説明出来ているのになぜわざわざ重複した表現をさせているんですか?
他にも、しっかりとした見直しさえ出来ていればまず起こり得ない単純なミスが多々あります。
話の流れやテンポが良くて面白い作品だと思うので、その辺りは本当に勿体ないと思いました。
- 029 澪とみさきと長森と (採点:3)
- 会話文に頼り過ぎている感じです。
説明や描写の方が情景を鮮明に表してくれる場合もありますので、もう少し地の文を増やすべきかと。
それと、上手く落ちていませんね。
ここは会話文を使った方が良かったんじゃないかな、と思います。
話の展開は良い感じです。
全体的にサラッとした流れで、テンポ良く読み進めました。
- 030 『パラダイス☆銀河〜愛と絶望の小豆洗い〜』 (採点:4)
- ここまで崩してしまうと返って清々しい気もしますが、そこはそれ。
この作品にはONEである必然性を殆ど感じません。
というより、これだけ独特なセンスを持っているんですから、オリジナルを書かれてはどうでしょうか?
どうしても二次創作を書きたいと思うんでしたら、もうちょっと、せめて風味だけでも原作をイメージさせる程度の崩し方をされるべきかと。
……しかし、これだけ徹底して崩れされているのになぜ浩平だけはもの凄くそれらしいんでしょうね?(笑
- 031 空の在り処 (採点:3)
- 誤字・脱字がかなりの量あります。見直しをしっかりと。
それと、最初の部分の説明は必要だと思いますが、長すぎます。
とはいえ、それは作者さんの腕の問題ではなく、ただ単にこの作品が中編に収まりきらないからだと思います。
テーマは非常に重要で難しい問題を扱っており、考えさせられるものだったと思います。
- 032 ALive (採点:1)
- 浩平が「〜二ヶ月の間ずっとここで待たされたんだぞ。」と言っているにもかかわらず、地の文では
> 1年ぶりの再開の祝いとして願いを〜
と書いていますが、一年ぶりの再開に対して二ヶ月間待っていたとはどういう事でしょうか?
話の流れや雰囲気を作る事に気が行きすぎていて、全体的に説明が不足しています。
ウッドベース・サックス・ピアノという一般的なジャズバンドの楽器を選択したセンスは良かったと思います。
- 033 コイゴコロ (採点:4)
- 強烈なラブですね。読みながら頭痛がしました(笑
オリキャラが出ている場合、きちんとジャンルにオリキャラと明記して下さい。
それと、一人称のせいか、全体的に説明口調になっている様な気がします。
詩子と茜と浩平の三角関係がこの後どういう展開を見せるのか、個人的に楽しみな作品です。あるならば続編を見てみたいと思います。
- 034 莫逆の友の恋 (採点:2)
- まず、2年では日数が四桁にはなりません。730日です。
細かくネタを入れ過ぎていて、逆にしつこく感じます。
最初の部分と途中の休憩なんだか幕間なんだか良く分かりませんが、それも入れている意味が分かりません。
全体的に話が良く分からない割には展開と話の流れ、そしてオチがしっかり決まっているので、後はその独特のテンポをONEの世界観を壊さないようにして如何に良い方向に持っていくかだけだと思います。
- 035 夢を観た日 (採点:2)
- 最初に16歳と言っていたのに17年間彼女がいないとはどういう事でしょうか?
元々の性格が割と大人しい方だったみさおを癇癖にした理由も分かりません。
この設定で書くならば、元々の高校生活ともっと近づけて部分部分で浩平が違和感を覚えるという内容にした方が良かったのではないかと。
例を挙げると、みさおの性格を瑞佳そのものにしたり、氷上(なぜ彼が出ているのかも分かりませんが)を一緒に悪戯する相手と設定したりする……といった所でしょうか。
文章や話の流れにはそれ程問題なかったと思います。
- 036 たいせつなひと (採点:2)
- まず、オリキャラが出ている場合はジャンルにオリキャラと明記して下さい。
全体的に表現や説明が少なく、サラッと流し過ぎている様な感じがします。
題材自体は非常に好きなものなので、後は文章力の問題かと思われます。
- 037 虚構少女 (採点:10)
- これは……凄いですね。
オリキャラを含めたキャラクタ全てに違和感がなく、文章力も、このこんぺ内で1・2を争う位の上手さです。
七瀬シナリオのあり得る展開を見事に書き切っていると思います。
- 038 廻り廻るAffection (採点:6)
- まず「みずか」の名前が分かっているのは瑞佳シナリオだけです。
それと、ら抜き言葉が気になります。(例=入れる→入られる)
キャラクタが立っており、エピソードがしっかりと書かれている以上、そういった細かい部分にも気を使って頂きたかったと思います。
- 039 フリップフロップ (採点:4)
- 並列……いえ何でもありません。
作者さんは煙草を吸った事がないのですか? 別に吸いながらじゃなくても火を付ける事は出来ますよ。
それとも、浩平が聞いた話という設定だからでしょうか?
誤字があります。「〜もう、私にとっても別人じゃ〜」→「〜とっても他人じゃ〜」
個人的には、
>たとえばこれが物語なら、明らかに破綻している。
> 伏線が足りません。心情変化が唐突です。そのキャラの性格にあっていないと思われます。
これは少々あざと過ぎるように思いました。
文章や全体の展開などは問題ないと思います。
- 040 こんな愛の形も良いじゃない (採点:5)
- 住井が詩子を浩平に重ねて見ていた事に気付いてからの展開がやや急すぎる気がします。
それと、ここまで住井の視点を追いかけるならば、一人称の方が良かったんじゃないでしょうか?
それ位、住井の感情描写が丁寧に描かれており、彼の気持ちが良く伝わってきました。
- 041 Last Lovesong (採点:5)
- 小学生の頃の浩平の瑞佳に対する態度は、こんな優しい物ではなく、むしろいじめっ子の方に近い、酷いものだったと思います。
文章そのもののレベルが高いと思うので、もう少し突っ込んで考えて頂きたかったな、と思います。
- 042 オレとあいつと彼女の事情 (採点:5)
- 一つだけ、ですが非常に大きい問題があります。
あれ程自分が「乙女」である事にこだわっている七瀬が、浩平にすら最後まで教える事を渋っていた「昔剣道をやっていた」という事をそんなに親しくない、というよりまともに話したことすら殆どなかった南に教えるでしょうか?
南と七瀬(最後の部分を見ていると佐織なのかも知れませんが)というカップリングの意外性が面白いと思うので、もう一歩踏み込んで考えて欲しかったと思います。
- 043 夕焼け色のシンデレラ (採点:5)
- 部分部分に奇妙な表現があるのが気になりました。
全体的な話の流れや、みさきの生み出したえいえん=みゆきの人物設定は良い物だったと思います。
- 044 小さな幕間劇 (採点:1)
- 日傘って雨除けに使えるんでしょうか? いえどうでもいい事なんですが。
とりあえず、この作品の開幕〜閉幕までの間が抽象的な題材の劇という解釈でよろしいんでしょうか?
どうにも抽象的過ぎて私には理解できませんでした。
面白くないという事ではなく採点不能という事でこの点数です。すいません。
- 045 永遠と瑞佳のあいだ (採点:3)
- 「碌に」や「誇らかな(この場合の用法としては正確には「誇らしい」ですが)」といった難しい漢字を使っているのになぜ「たいへん」や「ふつう」といった易しい漢字を使っていないのでしょうか?
誤字や脱字も多いです。しっかりと見直しましょう。
話としては、男女論の様なものも含めて楽しませて頂きました。
というかこの作品、18禁じゃないんでしょうか? いいのかなぁ……。
- 046 キャラメルのおまけ (採点:9)
- 良いですね。永遠の世界での問答を抜かして、全体的にONE本編をほぼ忠実に通っています。
特に、みずかが出ているという事を考慮したのか最後の部分にちゃんと瑞佳シナリオを通ったらしい描写がありましたが、そういう細かい部分に気を使っている所が非常に私好みです。
文章などにもなんら問題は感じず、非常に面白かったです。
- 047 「わたしはあなたと歩きたい」 (採点:3)
- 「わたしは〜」が少々多すぎる気がします。
主語がなくても日本語は通用するので、それ程の強調は必要ないかと。
瑞佳の夢の部分がなければオリジナルになってしまう……というよりあの部分はなくても話としては成立すると思います。
展開や話の流れは良かったと思います。
- 048 待ち合わせ (採点:3)
- 文法のおかしい部分や誤字・脱字が少々ありました。
しっかりと見直しをして、正しい日本語を使う事を心掛けましょう。
目が見えない人を描いているという事にこだわった描写には好感が持てます。
- 049 雨音は誰が為の歌 (採点:5)
- 3点リーダがやや多いです。
それと、誤字・脱字が幾つかありました。
キャラクタに「らしさ」が感じられて面白い作品だと思いますので、後はしっかりと見直しをしましょう。
- 050 セレナードで眠らせて (採点:2)
- 確かに茜は丁寧語が混じった口調ですが、地の文を丁寧口調にするのはどうかと思います。
個人的には、神父の言葉
>「そんな時には、お互いのことを見つめ直しなさい。あなたがこの人を選んだ理由を問い直してください」
が印象に残りました。
- 051 南西の風は瑞穂実る平原に (採点:1)
- 「普通に生きていた」はずの瑞佳が周りに心配されるような明らかにおかしい態度(=浩平の事を周りに聞いてまわる事)を取っているのは不自然だと思います。
話の展開も早すぎて、特に瑞佳が狂気の態度を取る辺りはなぜそうなったのか理由が殆ど分かりません。
中編として纏めるためにはもう少しイベントを減らした方が良いようです。
オチはしっかりと決まっていると思うので、もうちょっと話を練り直せば良い作品になると思います。
- 052 未来の二人に (採点:1)
- 文章が詰まり過ぎていて見辛いので、もっと頻繁に改行をしても良いと思います。
難しい言葉を使えば良文になるわけではありません。もっと簡単な言い回しをするよう心掛けて下さい。
私自身喫煙者でお酒も嗜みますが、子供に喫煙や飲酒を勧めるような真似はしません。
その面で良子教諭は教師というよりは大人としての資格に欠けた人物だと言わざるを得ません。
話その物は面白いと思いました。
○Nein_エアー さん
- 001 エターナリズム (採点:7)
- えいえんはなんとなくだけれども身体、精神を消耗させる場所ではないと思っていましたが、ここではそういう捉え方をしていてそれを楽しめましたが、後半はバトルとなってしまい、それからの展開は目を引くものがありませんでした。すみません、バトルは苦手なもので。
それでもえいえんのせかいに具体性を持たせたのを評価されるといいと思います。
- 002 彼女の理 (採点:8)
- 感情で評価したいのですが……感情でいいや。
身近な話だと思いました。ONEは障害者認定を受け、それと闘うヒロインが多い中、繭は健常者たちという枠の中で他者と闘います。ONEらしい話で、ストーリーの流れにはこれといって口出しするところもないように思えます。
繭だから目のいく考える風景と思考、とてもよいと思いました。
- 003 Fragment (採点:4)
- 執筆プラン、プロットは丁寧なのかもしれません。
だけど細部に無理があるような気がします。読み手に伏線をちらつかせることもなく三角関係、瑞佳の過去が明かされるので、話の中でのキャラクターは真剣でも、読み手の眼前に擦りガラスがあるようでなかなか感情移入に至りませんでした。
- 004 いつか、その日の為に (採点:7)
- なんだろう、ファンタジーに分類されるのでしょうか。抽象的な終盤にはやはりえいえんのせかいの曖昧さが関係して、どういった解釈もできるのだと思います。
ハムスターが動くことと、その終盤の関連性はどういうものなのだろうか不思議に思いました。
話全体を見渡してみると、かなり難しい話だと気付かされます。
読み手にある程度の読解を求めているのでしょう。
- 005 マジカル☆ワードを唱えよう (採点:6)
- 澪は恐ろしく速筆なのかもしれないと思いました。なんだか余計なことかもしれませんが。
ヒーローショーのような演劇は雰囲気づくりに一役かってます。
平易な文で表現というか叙述に近い形で話をなぞられています。
スケッチブックが溶けてしまうところは十分中盤の山となりえました。
- 006 すてるす同盟 (採点:8)
- 楽しめました。
意外と雰囲気を統一させることは難しいのですが、いくつかの話に分けて書かれているにもかかわらず、短い話の中にすら「お約束」を作り出してしまう手腕は大抵の人に評価されると思います。
キャラの性格改変とも受け取られそうですが、えいえんのせかいという人が住めるのかどうか危うい場所にいれば性格なんて簡単に変わってしまうでしょう。この状況で病的な要素がほとんど見られなかったのにも好感があります。
- 007 とある騎士の物語 (採点:6)
- 犬が人の言葉を高いレベルで解するというのに、無理があるような気がしますが、バンプオブチキンあたりから流れが読め始めて、それで愉しむというのは読み方としていいのかどうか迷います。原曲を知らない人にもある程度わかるのでしょう。
終盤はもっと詳細を明らかにしようとするなら、読み手は最後のノエル一人称に無理があることに気付いてしまうでしょう。
- 009 Replica (採点:9)
- 文章が上手いのだろうか、ただ内容に気を引かれたのだろうか、自分の体調がいいだけなのか、今ほどこれだけの分量を読みきって、しかも、これ以上読みたいと思ったことはありませんでした。
もし浩平が植物状態ではなくて、ただの健常者であるなら七瀬の怒りも妥当だと思います。
そこが矛盾点になるのですが、どうしてだろう、減点理由にならない。
二次創作自体のあり方も(意識したかにしろしなかったにしろ)問われていて、とても愉しめました。
- 022 はやく昔になればいい (採点:8)
- 最後の放火とそれまで重ねてきた文章との関連性が恐ろしく乏しいように思いました。
文章力はある程度評価できると思います。表現に多少つまずきが見えましたが、そこまで読み込ませるものがあるということだと推測します。
- 024 【呪いの唄】 (採点:7)
- 正統派、なのでしょうか。ポップな印象を受けました。
安孫子武丸著『殺戮にいたる病』を連想されるところから面白くなってきましたが、そこまではどうも楽しめませんでした。平凡な日常を破壊したかといえばそうでもない気がしたので。
最後も怖いといえば怖いのかな……序盤で人間味を出しておかないと、いかに二次創作といえど、ああ、それもありえるねと思わされます。
- 026 ダンスインザダーク (採点:8)
- 困った。どうしよう。用意された舞台も、そこでおこなわれていることも、納得できません。
パズルのように上手く組み立てるとわかるのかもしれませんが、不整合さは終盤に顕著です。
作風はミステリかなにかの影響下にあると思います。
それでもじっくり読ませたので評価を低くするまでには至りませんでした。
○Revin さん
- 001 エターナリズム (採点:5)
- すげえ。この手の話は初めて読みました。大体筋も通ってて、かつ面白い話でした。
ただ結末が途中で読めてしまったのが残念です。
- 002 彼女の理 (採点:8)
- 繭ストーリーでいいと思ったのはこれは最初ですな。
ひょっとすると本編より好きかも(笑)。
でも結末が読めてしまったのでちょい減点っす。
- 003 Fragment (採点:3)
- 視点を変えて書く技法はよかったと思います。
しかし、話があまり好みではありませんでした。
夢や過去が話の根幹を成すというのが個人的に好かないせいだと思います。
- 004 いつか、その日の為に (採点:8)
- いい話。途中までカラクリが読めず、最後まで楽しかったです。
でもやや話の印象が薄かったです。あっさりと読めるのですが読後に残るものがないように思います。
それでも総合して、よかったです。
- 005 マジカル☆ワードを唱えよう (採点:4)
- 流れとしてはいい感じですが、題材がちょっと嗜好に合いませんでした。
結末もちょっと食傷気味なんで。辛口ですがこの点数です。
マジカル☆ というと、やはり某かのんの某佐祐理さんが思い浮かびますね……。関係ないですが。
- 006 すてるす同盟 (採点:8)
- 最初は世界観を無視した破綻ギャグSSかと思ってたけど大間違い。素晴らしい。
ギャグ部分よりむしろ結末への運び方が好きでした。
パフェ頼んだ時のシュンかっこよかったです。
- 007 とある騎士の物語 (採点:2)
- 途中でBump of Chickenの「K」という曲のことが出てきましたが、なんだかこじつけのような。
犬が人語を理解するとか、その他にも不自然なことが結構見受けられました。
話は斬新ですが、目論見が成功しているとは思えませんでした。
- 008 Search for (採点:8)
- かっこよかったです。文章も安定してます。
「我輩は猫である」のような、動物視点からの描写は斬新だと思いました。No.7も動物視点でしたが、こちらは道端で会った猫だとは(笑)。
猫が何故人語を理解できるのかが不明なのは気になりましたが。
欠点はないのですが、もう少し話に深みが欲しかったところです。
- 010 NOISY SILENCE (採点:6)
- 面白かったです。浩平はえいえんに行ってしまうんですな。
浩平が現実から姿を消してから、佐織がみずかに説得されて最後の繋がりである名前を忘れてしまうまでの間、浩平はどこに居たんでしょうか。「現実→えいえん」と移行する際の仮の場所というのがあったのかな。
佐織が名前を忘れると同時に、茜も佐織と話して再認識しかけた浩平のことを忘れてしまうのでしょうか。もし忘れてないのなら、茜が事後経過を聞いたりしたら佐織とまた話が食い違いますよね。そういうエピソードも欲しかったかもしれません。
- 011 その果ての雨 (採点:1)
- 話がよく解りませんでした。
台詞に一行を取ってしまわない書き方も読みにくかったです。文章の作法については、多少のことでは気にしないのですが、読みにくさを感じてしまうとやはり述べずにはいられませんね。
老後のことは余計だった気もします。
- 012 曇り色の時間 (採点:10)
- 短めの傑作。ONEのSSの真髄ともいえるべき作品の一つだと思います。
文章も安定していて、安心して読めました。
状況・風景描写が素晴らしかったですね。
みずかカッコエエ……。
- 013 『夕日の少年』 (採点:9)
- 文章力・構成は素晴らしい。どこを取っても穴のない設定だと思いました。
でも個人的にネタに関してだけ-1です。
城の三人の話は、寓話にしては直接的で、もうちょっと洒落てもいいんじゃないかな〜と思いました。
- 014 風の辿り着く場所 −Eternal Happiness− (採点:8)
- うおー、オリキャラに魅力! 良作決定!
前半部分は大好きです。雪見との電話の辺り、家を出る時のみさきママとの応酬までは、「これは絶対傑作。1位の可能性あり」と思って読んでいました。母の気遣いの仕方や雪見とのやりとりに於けるみさきの機微の描写。高揚しながら読み進めていました。
そしてオリキャラの登場。末莉……ではなく、琴莉たんがすげー可愛い! そして同じ盲目の人であるという奇抜な設定にも舌を巻きました。そして悲しい結末。いい作品でした。
しかし、残念なところも多々。個人的に「生んでくれてありがとう」という考え方が好きじゃないんですよね。そう感じている人を積極的に叩く気はないですが、好かない。これは個人的なことですので聞き流してくれても結構です。
次に、最後のみさき。みさきママや雪見・澪のことを、激情とはいえ一時の感傷で切り捨てるというのはよくなかったです。みさきを失うことで悲しむ人がどれだけ居るか、居てくれるかを、彼女も解っていたはずです。
……こんなところでしょうか。あ、埋葬機関なんですね、みさきさん。インドの不死身お姉さんだったんですね(笑)。不覚にも(不意打ちやん!)笑ってしまいました。
- 015 その手を離す、その日まで。 (採点:4)
- まとまってて綺麗な作品なんですが、見せ場がないように思いました。
周りの評価はもっと高いと思います。個人的な趣味の問題なので、辛口ですがごめんなさい。
- 016 二人が刻む永遠 (採点:7)
- 素晴らしいです。
浩平が他のヒロインを選んでの、みさきのアフターストーリーと言うわけですね。
こういうの好きです。文章もそれなりに安定しています。
ただみさきと雪見の再会に関しては、やっぱり偶然にしては出来過ぎだと思わざるを得ませんでした。
物語としてそういう作為的な偶然は、多寡が違えど当然どんなそれにもあるのですが、それを如何に隠蔽・カモフラージュするかが大切だと思います。
でも話としては好きです。読んでて楽しかったです。ありがとうございました。
- 017 欲深な微睡 (採点:1)
- 話の流れが気に入りませんでした。
瑞佳や浩平の言動にも首を傾げたことが幾度か。
- 018 この世界は (採点:10)
- あー、文句なしっす。脱帽っす。
音楽のモチーフは結構ありそうなもんですが、詩子がピアノとは!
話に不自然な点もないし、安心して読めました。
読者を安心させる技術というのは、相当の文章力がないと無理でしょう。
トップ3には入るんじゃないでしょうか。いい作品をありがとうございました。
- 019 トライ (採点:7)
- 前半はとても惹かれながら読んでいました。
本編の台詞、行動をなぞり、その裏でストーリーを展開するという構成は面白かったです。
ここで名作の予感がプリプリしてたのですが。
後半でちょっと残念に思いました。
浩平のことを瑞佳が忘れ、住井が瑞佳に告白するチャンスになった時です。
住井の感情がコロコロと動きすぎたように思いました。むしろあそこで裏切って暗い方向に行った方が個人的にはよかったです(爆)。
それでもなかなかに高質の作品でした。
- 020 Requiebros(愛の言葉) (採点:4)
- うーん……。どうも瑞佳が変な感じがします。
序盤でサイコさん風味だったかと思えば、終盤ではそうでもないし。
それと、例えば客席から審査員の顔色が判るというような、状況の不自然さも納得いかないです。
でもモチーフは好きです。こういう類の話は選り好みますので(笑)。
- 021 夏ノ空ニ夢ハ初マリ (採点:7)
- 成程。中学時代ですか。いいですな。
話は大体把握できましたが、ちょっとわからないところもありました。がしかし、会話のテンポがいいので高評価です。
個人的に、人には触れられないのに椅子には触れれる、地面には立てるという微細な点が気になるのです(笑)。
- 022 はやく昔になればいい (採点:7)
- うわ。不幸っていうかダークですね。避けられない不幸な運命を綴ったというより、狂気に取り憑かれた茜の物語ですね。
うーん、愛人の書いた作品に寓話的な意味を見出すのはいいんですが、持ち上げた割に作品の押しが弱かったかな。いっそ本文をこのSSの随所に散りばめて、そこで色々と茜が考えた方が手法としては解りやすかったかもしれませぬ。
大人の世界ですねぇ。俺はまだ未成年なんでこういった世間のしがらみを経験してないんですが、情事や婚姻関係が絡んでくると話が重くなりますね……。重くなると同時に、登場人物の自分本位っぷりが赤裸々になるんですが。このSSの場合ですと茜が一般主婦の心情に近づきすぎて(現実の一般主婦に失礼 笑)、本編での純粋な茜とのギャップに苦しみました。
不倫関係がよく用いられる通俗小説の雰囲気をおねSSで見たというのが多少気に入らなかったのかもしれません(笑)。話の筋としてはONE本編ともリンクしてますし、面白かったです。
ダラダラと思うことを垂れ流してしまいました。ここまで書いといてなんですが、青二才の戯言と、話半分に聞いていただいて結構です!(笑)
- 023 世界は終わり、或いは始まる。 (採点:5)
- なんというか、今までにない感想を抱きました。
最初はあまり期待せずに読み進めてました。シーンの使い分けで進めていく手法は割と好きでしたが、ストーリーが凡庸に思えました。
しかし、途中の「ふたりの唇が触」で途切れたところで、うおっ! と思いました(笑)。
この先どうなるんだ! と。続きが気になりました。
ですが、その後の展開が強引だと思いました。数十億のはずの人類の中からたまたま浩平が選ばれるのもおかしな話ですし。勝手にクローン作るのも、この手の世界観なら宇宙の規定みたいなもので禁じられて軽々しく出来ないんじゃないでしょうか?
かなり憶測ですが(笑)。
- 024 【呪いの唄】 (採点:8)
- 嗚呼、力のある人のダークは素晴らしいなあ。
「精神破壊」「冷静な状況判断ができないほどの狂気」というのはダークの常套で、この作品もその要素をメインにしていたわけですが、それでもシナリオを展開していく文章が読ませるそれで、飽きて飛ばし読みをするなんてことはなかったです。
グロ部分の描写もなかなかにリアルでよかった。瑞佳と父親の関係も、登場人物全員がどこか常軌を逸していることになって、徹底したダーク作品に仕立て上げていたと思います。
でも先述の通り、要素が安易だと感じたので満点はつけれませんでした。是非ともこの方の、違う要素を題材にしたダークを読んでみたいですね。
- 025 もういいよ (採点:2)
- 話に無理があるような気がします。展開も唐突ですし。
題材も好みではなかったので、辛い点数です。
- 026 ダンスインザダーク (採点:6)
- 面白い。
ダークが好きだからという理由だけでなく、レベルの高い作品だとは思います。
でも問題も結構ありました。まず誤字が気になりました。
「本にガン幸福だと」はちょっと無視できませんでした(汗)。
あと気になったのですが、みさきが視神経断裂という事実は変わらないのだから、この一人称の主人公になってるみさきの視力も回復する道理がないのでは?
以上っす。読んでて楽しめました。
- 027 埋もれた夢に、あなたはいない (採点:9)
- うおー! なるほど。巧い話ですな。
佐織の葛藤の描写が巧かったです。スラスラと読めるような簡単な文章ではなかったですが、作品の味としてそれはそれでよかったと思います。
でも佐織がちょっと自虐的過ぎたかな。別に佐織の行動が、彼女自身が狂気に呑まれたいと思うほど悪辣なものであったとは思わないし、"それは客観視しているからそう思うのだろう。本人の立場・境遇から考えてみれば、あの行動は許せないことに他ならない"というわけでもないと思います。
でもよく考えたら、ひょいひょいと人が消えたりする世界って、確かに怖いものがありますよね。もしこんな世界に俺が生きていたらどうだっただろう(別に愛しい人を失うということだけに限らず 笑)、瑞佳や佐織のように振舞えるだろうか? 考えられるだろうか? ということを今一度考えさせられた作品でした。
文章構成力は称賛に値します。ありがとうございました。
- 028 歩いて帰ろう (採点:8)
- 良作ですなぁ!
唐突にえいえんに来ちゃってますけど、違和感なくというか、話に入り込めました。
でもやや斬新さに欠けるかもです。
文章力は基本的には素晴らしいですが、テンポがちょっと微妙な文とか
(その行為に対して浩平は突然起こった局地的な地震にしばらくは必死に堪えていたが)など
ありましたんで、この二点合わせての評価です。
でも、俺なんかはぜんぜん敵わない気がします。すごいっす(笑)。
- 029 澪とみさきと長森と (採点:9)
- 面白い!
ギャグも冴えてましたし、みさき先輩と澪をくっつけていきいきしてたのがいいですねぇ。
テンポのいい作品でした。
- 030 『パラダイス☆銀河〜愛と絶望の小豆洗い〜』 (採点:5)
- 面白かった。面白かったがかなり無理があるところも少々(笑)。
ギャグSSを深くは言いません。野暮ですから!
- 031 空の在り処 (採点:7)
- 良作ですね。なかなか説得力もあって、面白かったです。
わーいと真ん中に飛び込む澪がハイパー可愛かったです(笑)。
- 032 ALive (採点:5)
- いい話なんですけど、展開がベタでした。
「リハーサルでみんなを呼んでくれないか」辺りから、結末を読んでしまいました。裏切られる展開を期待してたんですが、そのまま行ってしまいました……。
俺は音楽が大好きなんで、音楽をモチーフにした話は無条件で好きになってしまう癖があります(笑)。これがもう少し意外性のある展開だったなら、もっとよく仕上がったと思います。
あと文章に関してですが、「グフッ…ガハッガハッ!」という擬音に失礼ながら笑ってしまいました。やられたRPGのボスみたいで、ちょっとおざなりだなぁと思いました。すみません、直感的な意見で、一般にはそんなことはないかもしれません。
- 033 コイゴコロ (採点:9)
- 何本目の傑作だこれは……。ダメだ、中編、勝てん……(←愚痴りすぎ)。
詩子の日常、茜の恋慕、浩平の天真爛漫さ。どれも巧く描かれています。
健気な詩子が大好き。このSSの主人公を挙げるならやはり詩子! と言いたいところですが、どのキャラも重要な役割ですよね。後日談としての性格を持ったSSでしたが、七瀬なんかもさり気なく出てきて楽しかったです。詩子の予備校での同僚も理知的な感じで話の流れに貢献していたと思います。
欲をいえば一波瀾あってほしかったな〜なんて?(笑)
- 034 莫逆の友の恋 (採点:9)
- 来た。来たね。会心の笑いが。
一番笑えたSSです(笑)。いやあ、読んでて楽しかった。
途中、ちょっと力不足のネタがあったりしたので-1点だけ。
でもホント面白かった。文章力も高いし、テンポがよくて読みやすいと思いました。
中編レベル高すぎっす。
- 035 夢を観た日 (採点:5)
- もったいない。非常に、かなり、とてももったいない。まず外見で損をしています。句読点がない、改行後の一字開けがないのはかなり損でしょう。俺はあまり気にしませんが、コンペでは厳しいのではないかと思います。
この文章力だけにそれがもったいない。文章は高度なものだと思うんです。みさおとのギャグもかなり面白かったです。
あとネタに関してですが、これが減点の要因です。まず色々と矛盾点が多いです。浩平が幼少でみさおを亡くし、夢を見ることでその開いた穴を埋めようとするのは解ります。しかし夢を見ている時点の浩平もまた幼少の頃であるはずです。にも関わらず、高校時代を巧みに想像し、これだけ難解な単語を羅列して状況を説明できるというのもおかしいと思います。通常出てくるはずのヒロインが出てこないのは頷けますが、ならばどうして氷上を知っているのかというのも疑問です。
前半〜中盤にかけての夢を見た後に浩平はみずかと盟約を結んでいるようですが、ちょっとタイムリー過ぎる感も否めません(これは俺に限っての感覚かも)。
途中に出てくる平仮名のみの文章も読みにくかったですね。雰囲気を出すことには成功していますが、もう少し方法がないものかとは思いました。
もったいないと思います。題材も悪いというわけではないのですが、矛盾点とか疑問点とかの解消が不十分でしたね。外見で損をしない文章作法と、十分な推敲能力を身につければとんでもない作品を書ける方ではないかなと思います。
- 036 たいせつなひと (採点:5)
- 話は美しいのですがインパクトが足りないか。帰還SSはコンペ中だけでもいくらか見かけているので、やはり相対評価である以上どうしても低得点にせざるを得ないです。
繭の無邪気さが友人に驚きを与える(高校に堂々と入っていって普通に会話できるなど)描写は面白かったです。
一つ疑問が。冒頭の部分で「虐めなんかされたらぶっ飛ばしてやるけどな」と述べている美亜が、中盤では「あたしなら、きっと抵抗するか……それとも……それこそ、学校に来るのを止めるだろう。いや、多分あたしが選ぶのは後者だ」となっているのは矛盾してないでしょうか。もし美亜が、友人の前だからといって虚勢を張っていたなら、それは残念なことです。
- 037 虚構少女 (採点:10)
- シリアスってなってますけど、これ、今回俺が『不幸』と銘打って出した奴より不幸じゃないですか?(爆)
話が最高に面白かったです。最高に。私的、物語の設定1位。
キャラが一番しっかりしていると思いました。
作者の主張や"こうあるべき"を書いているのではなく、ありのままの状況・展開を読者にデデーンと突き出して「どうよこれ?」というような、いい意味で乱暴な作風が印象的でした。前者が数としては多く、よい作品はむしろ前者の方が多いものですが、この作品は多聞に漏れ"て"超良作だと思いました(笑)。
読者を魅了するように散りばめられた格好いい言い回しも、ステキなギャグも(「折原に白馬が乗って」は爆笑しました)、どれも一級品でした。
誉め倒してますが全部率直に感じたことです。笑いと、そして一抹の哀愁をありがとうございました。
- 038 廻り廻るAffection (採点:4)
- 文章は安定していていい感じです。
でも如何せんストーリーが気に入りませんでした。
由起子さんの気質に多少の違和感は感じましたが、それが良作たり得なかった原因ではありません。ただ、将来につながるプロセスとしての前半があって、最後に幸せで平和な将来が待ち受けている、というのは安易ではなかったかと思います。
子供に「みさお」も安直だと思いました。
- 039 フリップフロップ (採点:3)
- なるほど。世の中に出ている仕組みになぞったわけですな。でも何故それになぞられているのか、それになぞることで何か感動が生み出されるかと問われれば、俺はその答えを予想することができないです。
物語にも魅力を感じられませんでした。みさおのキャラは「グレイト……」でしたが(笑)。
- 040 こんな愛の形も良いじゃない (採点:3)
- 話に現実味を見出せなかったという感じでした。物語なんだからそれを了解した上で読むべきであって、そこに現実性を求めるのはお門違いと言われるかもしれませんが、感情移入ができないです。
還ってくる浩平と、くっつく住井&詩子。出来すぎだと思いました。
とはいえ文章が破綻しているわけでもなく、読破は精神的に容易でした。
- 041 Last Lovesong (採点:2)
- 著者のONEの世界に対する姿勢が、真摯なのは伝わりました。
しかし、ちょっとストーリーには辟易したと言わざるを得なかったです。
キャラクターの心理描写が危ういという感じでしょうか。
やっぱり留学なんて話が持ち出されたら、一番に瑞佳の頭に浮かぶのは浩平ではないでしょうか?
- 042 オレとあいつと彼女の事情 (採点:6)
- つうか始終佐織さんに激萌なんですがいやなんでもありませんハイ。
折原帰還ネタは正直ちょっと飽き気味ですが、南の心理描写が好きでした。
しかし友情キーホルダー、ううむ(笑)。
- 043 夕焼け色のシンデレラ (採点:3)
- うーん。言い回しが、不必要なところでも婉曲的で飾り過ぎだと思いました。
キメのところでのみそうするとか、濃淡はハッキリ分ける方が俺は好きです。
あと、文章中での色々な事柄の説明が抽象的過ぎて掴みにくいこともありました。
- 044 小さな幕間劇 (採点:10)
- 巧すぎる。すみません、この感想、二回目の感想です。
一回目の感想には「ちょっと意味わかりませんね」的な感想を書いていましたが二度三度読んでハッとして全て削除して書き直しました(笑)。
まあ「相原」に惑わされたこともありますが(爆)。この誤字は致命的だと思います。
それにしても巧いですね。巧いなあ。敵わないなあ。
マイナス要素を全て差し引いても10点献上です。
- 045 永遠と瑞佳のあいだ (採点:1)
- まず主題が見えません。別にSS全てに主題を求めませんが、かといって敢えて主題を用意しないことを意図した作品だとも思えませんでした。
エロネタは良いです。むしろ好きです。しかし、この作品では必要性が感じられませんでした。読者をニヤリとさせるには露骨過ぎるし、そもそも瑞佳の羞恥心のなさにも辟易しました。いくら浩平を待ち続けたとしても人格が変わってしまうことはないでしょう。変わってしまったとしても、このような変化に魅力を感じることは出来ないです。その意味で作品として不出来ではないでしょうか。
瑞佳とのデートをすっぽかして、深夜に瑞佳を訪ねる神経も理解しがたいし(浩平の悪癖としても度を超えてます)、瑞佳の怒りを抱擁でごまかす浩平にもなんだか腹が立ちます。そのくせ何度もそれを繰り返す浩平もやはり首を傾げます。
文章構成・表現にもまだ改良の余地があると思います。妙に高いところからの物言いのような感想で恐縮ですが、言いたかったので言わせていただきました。
- 046 キャラメルのおまけ (採点:9)
- ヒョォ……。ダークっぽい感じです。なるほど、えいえんの世界の瓦解はこのようにして起こってるかもしれませんね。そうなると浩平の帰還を素直に喜べないのですが(笑)。
崩壊する世界の描写が黒くて好み。還っていく浩平が悪役にすら感じられてナイスです。
4段落目の視点もみさおに固定されてますが、みずかとともにえいえんの世界の瓦解に巻き込まれていったはずのみさおが、どうやって帰還後の浩平たちを観察しているのか? という点を除けば、甘くてどこか辛い現実を迎える、この物語の読後感はよかったです。
キャラメルのおまけという材料が非常にいい味出してますね。センスあります。
- 047 「わたしはあなたと歩きたい」 (採点:5)
- 七瀬がイギリスっすか。新しいですねぇ〜(笑)。
なかなか面白いと思ったのですが、題材がちょっと気に入らなかったです。
最後も別に、英語を持ち出さなくてよかったような気がしますね。
領収書を抱きかかえるのがカワエエですな!
- 048 待ち合わせ (採点:9)
- 途中の落ちていた携帯電話は、もしかしたらみさき先輩の真横にまで来た瞬間にえいえんへ消えてしまった浩平の遺したものだという設定なのか!? と深読みしまくってしまいましたが、そうではなかったですね(笑)。
障害のことに関しては色々と考え方があるんだろうと思います。個人的な見解としては、障害を持った人と対等にすることは無理だし(これは『普通を意識した時点で普通にするのは無理だ』とあったSSもありました)、"各々の裁量だ"と放置しておこうにも社会的な非難が絶えないだろうと思います。
この作品にはこの作品の答えというものが最後に提起されていたように思います。賛否はともかく、「春が来て、夏が来て、秋が来て、冬が来て、私の目はずっと見えなくて。だから、そばで目の代わりをしてくれる人が必要で、それは浩平君で」「それがずっとずっと続くならば、私は幸せです」
みさき先輩と浩平の二人の間には、これが一番いいのかもしれませんね。
- 049 雨音は誰が為の歌 (採点:9)
- レベル高いなあ中編。
ストーリー文句なしです。最後までノンストップで夢中になって読みました。
最後に不器用なプロポーズをするのがいかにも浩平らしいというか(笑)。
ただ子供に「つかさ」が蛇足だったように思います。
そこまでなぞらなくても十分にいい話だったと思います。
それでマイナス1点っす。あとは文句なしです! いい作品をありがとうございました!
- 050 セレナードで眠らせて (採点:8)
- 甘ったるいぜイエイ。
好きじゃないジャンルなんですが、大好きです(何)。
余すとこなく洗いたい……じゃない、洗ってやってほしい……でもない、いやでもやっぱ洗ってほしい……って、アホみたいに悶々と読んでました。
素敵でした。
- 051 南西の風は瑞穂実る平原に (採点:4)
- やっぱりONEはハッピーエンドが映えますね。
ですが途中、瑞佳の行動に不自然さを感じてしまいました。
タイトルと内容の関係がかなり希薄な気もしますが、美しいので可(ぇ
- 052 未来の二人に (採点:10)
- うわっ、何だこりゃ!(超失礼) 何と素晴らしいストーリー。巧く点数のバランスをとろうと10点はもう抑えるつもりが、こんなSS読まされたら問答無用で10ですよ。
文章力はピカイチですね。ONEらしさが全然見受けられない傑作。後日談のストーリーとしては非常に素晴らしい作品だったと思います。
子沢山みさきも気に入りましたが、名演出家雪見もいい味出してます。"なにものかを批判するには、そのなにものかを熟知した上で批判しなければならない"。いや、勝手に作った言葉ですが。世の中に対して辛辣に当たっている二人がそれでもウケる作品を送り出すというのは、その批判している対象である世の中を熟知していると示していますね。
雪見が厭世的な捻くれ者である設定はかなりよかった。理詰めで文語を用いまくり、そのくせどこか熱血である彼女のアイデンティティは確立していると思いました。小中高と、波瀾万丈な人生を送った彼女と、その師との出会いも素敵でした。
そして対するみさきも思想の根幹は雪見と似通い、それでいてまさに対称的なスタンスであるという面白さ。人間は自分にないものを持っている者に惹かれるという説もありますが、これはある意味でその説を体現していると思いました。これぞ『黄金コンビ』。……どうでしょう、末文に絡めてみましたが(爆)。
○Ryo-T さん
- 001 エターナリズム (採点:2)
- う〜ん。微妙です。盛り上がるシーンで文章力を削り、手抜きしてたあたりが少し……。それと最後のほうでも徐々にパワーが落ちてるような気がします。
え〜、それと物凄くネタ被ってごめんなさい。本当にごめんなさい。
- 003 Fragment (採点:9)
- 凄い……。面白いです。
- 004 いつか、その日の為に (採点:7)
- 純粋に面白い話でした。ツッコミ所がないほどに。文章力もあり、読後感もお見事。これは負けました〜。
- 006 すてるす同盟 (採点:4)
- くう……どう判断すればいいんだ!? と、鬼のように悩んだ作品でした。取り合えず、Kanonネタは賛否両論、評価が割れそうですね。個人的にはタイヤキの下りは好きだったんですけど、パフェの方は……イマイチとしか言えません。
それともう一つ、言っておかなければならないことが……。ごめんなさい。本当にゴメンナサイ!! ネタが一つ思い切りかぶってるのがありました。うがぁ。いやーん。
取り合えず、こんなにも脳内リンクしていた作者さんには是非とも終わった後にお話したいものです。て、ダメですか?
- 019 トライ (採点:7)
- 面白い。とにかく面白い。後味もいい。と、素直に賛辞が送れる作品でした。本当にお見事です。
- 022 はやく昔になればいい (採点:8)
- 凄い……。
アダルティーな話に僕はもうメロメロデス。
……って何言ってるんでしょうか。
とにかくお見事でした。
- 025 もういいよ (採点:6)
- こじつけたような無理矢理感がありました。話的には決して悪くないんでしょうけど、ちょっと無理が出てるかなって。
- 026 ダンスインザダーク (採点:10)
- す、すげぇ……。すごすぎです……。けど、ダークというよりはホラー、ホラーというよりはショートショートみたいな感じがしました。
- 030 『パラダイス☆銀河〜愛と絶望の小豆洗い〜』 (採点:5)
- 途中まではもう最高ーーッて感じだったんですが、オチが弱かったのとネタに勢いがなくなってきたので徐々に評価が……。
とはいえ、中篇の容量でこれだけ安定して書けるのも凄いです。これからも頑張ってください。
- 033 コイゴコロ (採点:8)
- 上手い……。茜と詩子の視点が上手く切り替わり、その状況をリアルタイムで伝えてくれました。読後感も良く、読んでて気持ちいいです。あと、これだけの長さなのに妙に軽く感じさせてくれるようなテンポの良さもありました。
- 040 こんな愛の形も良いじゃない (採点:3)
- 悪くはないんですけど、どうも最後までの展開が急過ぎて言葉が安っぽく感じました。
- 051 南西の風は瑞穂実る平原に (採点:5)
- 内容は悪くないんですが、溜めが足りないというか……とにかく文章が非常に味気なく、素っ気無いように感じました。折角ですからドロドロとした描写がもう少し見たかったです。
○S‐スケルトン さん
- 002 彼女の理 (採点:8)
- 凄く面白かったです。繭が待っている時間を書いてる話って余り見かけないのですが、これは凄く良かったです。
最初の辺りはちょっと今一かなと思って読んでたんですが。凄い良かったです。
みあの「わけてわけてわけてーっ!」って台詞が笑えました。
- 005 マジカル☆ワードを唱えよう (採点:8)
- 澪の劇は魔法少女物だったのかwちょっと見てみたいかも。
凄く面白かったです。
- 009 Replica (採点:9)
- うーん・・・感想が難しい。実際凄く面白かったですが。
精神世界か・・・結局浩平は目覚めることも無く、自分勝手な夢を見つづけるのでしょうか・・・?
それとも、目覚めるんでしょうか・・・?色々考えてしまいます。
- 016 二人が刻む永遠 (採点:10)
- 凄く面白かったです。みさき先輩と雪見先輩の友情と言うのは並々ならぬ物ですね。
みさき先輩は人気作家で雪見先輩はその担当ですか。一体どんな話を作ってるんだろう?読んでみたいかもw
- 018 この世界は (採点:10)
- クラシックに限らず音楽は殆どわかりませんが、凄くいいお話でした。
詩子のキャラが非常に良い感じです。気まぐれにいろんな曲を弾くのが凄く良かったです。
- 019 トライ (採点:9)
- 折原と住井そして氷上この3人の関係凄くいいですね。
凄く良かったです。
- 022 はやく昔になればいい (採点:9)
- うぁ・・・怖いなぁ・・・
この話、気がついたら引き込まれてたなぁ。凄く良かったです。
でもこういった話は感想や点数が難しい・・・
- 023 世界は終わり、或いは始まる。 (採点:8)
- 展開が余りに急に変わったからちょっと驚いたけど、面白かったです。
- 025 もういいよ (採点:8)
- 良いお話です。読み終わってほっとしました。
面白かったです。
- 029 澪とみさきと長森と (採点:9)
- さくっと読めて、凄く面白かったです。
澪とみさき先輩の会話の方法も面白かったです。
しかし・・・長森は結局授業を受けたのかw
- 033 コイゴコロ (採点:8)
- 詩子が浩平のことを意識し始めたときはどうなるかと思いましたが、茜と浩平の仲は壊れることは無いんですね。
いいお話でした。
- 034 莫逆の友の恋 (採点:8)
- いいお話でした。住井と詩子をくっつけるのは珍しいですね。でも自然な感じで凄く良かったです。
住井は『C子さん』というう名前を不思議に思わなかったのかな・・・
- 037 虚構少女 (採点:8)
- うーん、七瀬とは絆を作りきれなかったのか・・・。
しかし桜は微妙だな〜敵がものすごく多そうだ。
ちょっと意外な展開で面白かったです。
- 038 廻り廻るAffection (採点:8)
- いいお話でした。みさおが浩平の子供として生まれ変わるとはちょっと思いませんでした。
最後のみさおの作文も良かったです。末恐ろしいお子様ですw
○TOTO さん
- 004 いつか、その日の為に (採点:7)
- 発想は面白かったんですけど、後半ちょっと駆け足になってしまっている気がしました。
○V さん
- 002 彼女の理 (採点:9)
- 繭の一年間の話。浩平がいない一年間をがんばる話。それをここまで、いろいろな意味でしっかりと書いてある作品を読んだのは初めてのように思えます。
繭の一人称で長いお話を書くのはとても大変だと思いますが、違和感なく読めました。
うまい作品だと思います。ありがとうございました。
- 005 マジカル☆ワードを唱えよう (採点:10)
- タイトルで引いて、初めで笑って、途中でしんみりして、最後は…。
澪の健気さが、とてもよくでていて、思わずホロリときてしまいました。
初めのうちはギャグ話かと思っていたのですが…
とても素敵な話です。ものすごく気に入りました。ありがとうございました。
- 006 すてるす同盟 (採点:10)
- す、すごい話だ…。これだけうまく話を作れるひとが、こういう話を作るのも珍しいと思います。
ただ、いい話、というにはためらわれますが、とにかくすごいなあと思います。笑いあり、涙あり。
よくわからない感動と、脱力感にまみれながら10点をさしあげます。No1から読んでますが、中編はレベルが高いですね。
ありがとうございました。
- 008 Search for (採点:8)
- やさしい話だなあ、と思います。どこかほのぼのとして、そして文がうまいから読むのに苦を感じないような。とても気に入りました。
ただ、一つだけ気になったのは途中まで視点が猫だってことを何で隠すような書き方をしたのかな、ということでした。よんでいて、そのことが少ししっくりこないというか、むしろ話としてなにかもやもやが残るというか、そんな感じがしました。途中の微妙なところで出てきたからでしょうか。話全体としては猫視点なことも、流れもとてもきれいにまとまってると思うのですが…。
ありがとうございました。
- 012 曇り色の時間 (採点:8)
- 淡々とした雰囲気と、みずかと浩平の会話が、とてもいい味を出していたように思います。
文章の描写もきれいで、いい作品だなあと思います。
ありがとうございました。
- 015 その手を離す、その日まで。 (採点:8)
- シリアスな文章とほのぼのとした文章とがとてもうまく組み合わさっていて、とてもうまい作品だと思いました。
みさきSSにありがちなどことないわざとらしさをあまり感じなかったのが、とてもよかったと思います。
ありがとうございました。
- 017 欲深な微睡 (採点:9)
- すごいです。圧倒的な文章力。誰か本職の小説家の文章を読んでいるようでした。
独自の設定で、瑞佳の内面をここまで深く掘り下げた作品は今まで読んだことがありません。
ただ、oneである必要があったのかな、ということが少し気になりました。ここまで独特の瑞佳の人物だと、むしろオリジナルのほうがいいのではないかな、と。
まあ、そんなことをいったら、「えいえん」が出てこない作品には多かれ少なかれみなそんなことがいえなくもないわけですが。
すばらしい作品だと思います。ありがとうございました。
- 018 この世界は (採点:10)
- 途中までの少しコメディが入った部分と、最後の場面。どちらもとてもすばらしかったです。
詩子が音楽系の技術を持ってる作品、というのはそれなりにあるような気もしますが、一線をかくすばらしさだと思います。
特に最後の部分の情景描写には感動しました。うまく言葉が見つかりませんが。
ちなみに月光の第III楽章いきなり弾かれたら、たしかに覚えのない人はぶっとぶと思います(笑)
とても気に入りました。ありがとうございました。
- 034 莫逆の友の恋 (採点:9)
- おもしろかったです。こういう「文章のうまいギャグ話」は大好きです。
浩平と住井のコンビと、密かに浩平の影響を受けてる茜のキャラクターがすごくよかったです。
途中で入ってた選択肢はなんだったんでしょう? いみがあったらあったで困りますが笑
ありがとうございました。
- 037 虚構少女 (採点:8)
- 最後の終わり方がかなり印象強く残りました。ハッピーエンドが嫌いなわけではないですが、話の流れからすれば安易な方向に流れなかった分深い終わり方だなあと思います。
ただ、初めのほうの浩平が自分が消えかけていることを自覚しているような一文が、まだ皆が覚えているのに少し違和感を感じました。最後に消えるだけにやはり伏線として必要だったのでしょうか。
ありがとうございました。
- 045 永遠と瑞佳のあいだ (採点:8)
- えーと・・・。独特な作品ですね(笑)
住井の性格がかなりいい感じですね。文章がちょっと読みづらかったですが、これはこれでむしろ作品にあったいい形のような気がします。
なんにせよ、笑ってしまったらこっちの負けですね笑。ありがとうございました。
- 048 待ち合わせ (採点:7)
- 細かいところで申し訳ないのですが、最後のほうの、
「ぽんと頭の上に手が乗ると同時に、視界の隅で2人の間にある山が崩れるのが見えた。」
えっと、これは比喩だったんでしょうか。ハンバーガーのことなのかな、って思ってしまったんですが、二人の間のちょっと気まずいような雰囲気のことを言ったんでしょうか。「見えた」という文にあれ?と思ったので。ちょっと気になりました。
- 050 セレナードで眠らせて (採点:10)
- 文章がとてもうまくて、それでいてこっちが恥ずかしくなってくるよう二人で(笑)
とても気に入りました。珠玉の作品の一つだと思います。
ありがとうございました。
○Xardion さん
- 002 彼女の理 (採点:10)
- 素晴らしい作品に感謝を。そして、椎名繭の未来が幸せであらんことを――
- 011 その果ての雨 (採点:9)
- …素晴らしく綺麗に騙されました。ん?と思い読み進め、浩平がえいえんに行った後の茜の夢?と思いきやそういう流れだったとは。
読み終わった後に思わず拍手をしてしまいました。
- 019 トライ (採点:8)
- 瑞佳バッド(やさしくしてしまった)からの友情ものでえいえんから帰還する、という内容でいいのかな?
悪友と親友と戦友、いいですなぁ。読後感も爽やかでしたし。
ただ、長森が付け合せのパスタと化しているのがちと惜しいかな、と思います。
氷上を入れた男三人のトライアングルから、浩平、住井、長森のトライアングルへの変化が綺麗に決まっていたら…と思ってしまったのです。
- 022 はやく昔になればいい (採点:10)
- 私、茜好きの南好きなのですよね…それなのにこれは不幸もの…あああああ。
降参です。
何がって、実際にこうなりそうで、情景が浮かぶようで。ああ、南…不幸よの…
家を燃やそうとも、茜の心が浄化されることはえいえんにないのでしょうなぁ…
それでは、楽しませて(?)頂いたことに感謝を。
- 024 【呪いの唄】 (採点:9)
- 途中から由起子さんが由紀子さんになっていますな。
まあそれはそれとして、最後の台詞にやられました。ぞくっと。こう、ありそうだと思ってしまったら負けですな。
- 026 ダンスインザダーク (採点:8)
- ぐは、ものの見事に騙されました。
みさきの目が見えるようになってる? と思い読み進めていったら…やられましたね。
ただ、誤読を引き起こすために作られた感がちと強すぎるかな、という印象も抱きました。
- 030 『パラダイス☆銀河〜愛と絶望の小豆洗い〜』 (採点:8)
- むむむ、終盤までは猛烈に笑わせていただきましたが、最後でなんかパワーダウンしたような気がしました。
ヒトメボレの米だけに、というのが一番笑いましたな。
- 031 空の在り処 (採点:9)
- なんというか、凄く綺麗なSSだったなぁ、と思います。
- 045 永遠と瑞佳のあいだ (採点:9)
- あっはっは。ダメ人間ですなぁ、この浩平。
2人とも、ただの男と女という感じがして妙に親近感が沸いてしまいました。
- 052 未来の二人に (採点:8)
- この雪見の造形、終盤のみさきとのやり取りのために考え出されたものではないかと推察いたしますが、いかがでしょうか。
現実として考えるのなら、みさきのような背景を持った人間に『普通に』接することができるのは極一部の人間だけではないか、と考えたからです。私が高校生の時に…と考えたら、残念ながら私はそう対応することはできなかったでしょう。今ならできるか、と言われれば首を横に振るしかありませんし。
そういったことを考えさせられた作品でした。
○bear さん
- 034 莫逆の友の恋 (採点:10)
- 必殺技あたりで笑ってしまった。
楽しかったですよ
○nage さん
- 002 彼女の理 (採点:8)
- いいな〜♪
というのが素直な感想です。ちょっと、くどい気もしますけど。今回の変化球だらけの中でこれだけ手堅く、いい気持ちになれるの一つでもあると心が落ち着きます。
――ホントはもう少し書きたいんですが、繭シナリオをやっていないのでこの辺りで(汗 いい作品、ありがとうございました。
- 011 その果ての雨 (採点:8)
- 不思議な味のある作品でした。
- 018 この世界は (採点:9)
- 読めば読むほど味の出る話。この作品が一位を取ってくれるのが一番納得できる気がします。
はじめは冗長だと思っていたんですが、読み返せば読み返すほど、これでいいんだ、と思わされます。極限まで切り詰めたようなほかの作品と比べれば余裕はあるのだけれど、それが無駄にはなっていない。日常の積み重ねが確かな意味を出している。今回のシリアスの中でも有数の『深さ』をもった作品だった気がします。
とかまぁ、言ってますが、結局は詩子さん萌えです(笑
どの場面も詩子さんが素敵で素敵でしょうがないです。自由気ままという言葉が本当に良く似合います。今回のこんぺで最萌えです。だからこそ、最後のあたりにも響いてるような。
この作品に捧げるには似つかわしく無い言葉を並べてしまいました。
変わりに、最後に一言。
気持ちいい話でした。
- 023 世界は終わり、或いは始まる。 (採点:9)
- あまりに破天荒な展開に頭がくらくらしました。騙される快感がたっぷり。
夢・現実・過去がそれぞれ入れ替わっているように見えて、最後のどんでん返しでそれが正しかったのだ、というのがわかった瞬間は思わず膝を叩きたくなりました。唇が触れる直前で切ったのも絶妙。
ちょっと最後がくどいのと、二読目では完全にネタがあがっていて楽しめないのが残念ですが、かなり楽しめました。どうも、ありがとうございました。
- 027 埋もれた夢に、あなたはいない (採点:7)
- むむー。とりあえず好きーと宣言しておきます。ですが、と続くので。
ですが。
いまいち、読み手としてすっきりしないところが残るのです。浩平の登場がご都合主義的だとか、住井がなんか違うだとか、そーいう所もあるんですが、何よりも稲木さんのお姉さんが唐突過ぎる。それまで、見殺しによって人を殺す、殺さない、のレベルで展開しているように思えたので、戸惑ってしまいました。伏線欲しいです。
俺にとって、大きな問題点はそこだけでしたけどね。
稲木さんがほんのり可愛いです。終りの前向きなスタンスはそれまでのキャラクター構成と結びついていて、かなり好感が持てました。こういう前向きさって、自分にないから、羨ましいなぁ、と。
タイトルが今回の中で一番好きです。いまいち、読み終わった後に効果倍増とならないのが残念ですが。
- 030 『パラダイス☆銀河〜愛と絶望の小豆洗い〜』 (採点:8)
- て、適当かーーーーーーーっ!?
失礼なんでしょうが、はじめにこう思ってしまいました。やる気がないやら、あるやらのこの書きっぷりがたまらない。しかも、地の文の間合い取りが絶妙に巧いことがざらでしたし。かなりのツワモノと見た。
てゆーか、今回はエターナルブームなんでしょうか。既にもう一つエターナルな作品がありましたし。
個人的には「二つ、不埒なおかわり三昧」がツボ。アホ過ぎ。
ギャグで20K以上、完全に持ち堪えるのは凄いなーと思うので高得点。でも、本来点数つける作品じゃないですよね、コレ。ただ、馬鹿笑いするもんだー。
- 034 莫逆の友の恋 (採点:8)
- ラブコメじゃなくて、ギャグに見えるのは何故でしょう(笑
細かい文章毎にくすくす笑っていました。こういうギャグって、好きです。
ラブスラップスティックとか(違
- 037 虚構少女 (採点:9)
- ばすかも検討した上で書いているという印象を受けました。
桜のキャラはうまく書けてたなーと思います。特に「……ごめん、そんなの約束できない」というセリフは白眉でした。それまでの展開でキャラをある程度つかませておいたから書けるんだよなーとしみじみと実感。
ただ、全体的にリアリティがないというのが欠点として感じられました。上で書いた検討した上で〜というのも、構成がしっかりしているという意味では好感が持てるんですが、逆にそれが若干見え透いてしまっているということでもあると思います。キャラ造詣も早い段階で読者にわからせるというのは成功していましたが、その行動はどこかで見た範囲内に収まってしまっている気がします。
この話はリアリティが欲しいタイプの話だと思うので、ちょっと残念でした。
現実で似たようなことを企んでいた自分としては、「んなに気にせんでもなー」とか思ってしまいますが。どうせ、自分からは逃げられないし。ちなみに、俺も失敗しました(笑
本当の自分とゆーのは、やっぱりあるようで。当たり前なんですけどね。
七瀬がそれに気が付いて、そこから新しい乙女像を目指してくれれば、楽に幸せに慣れるんでしょうけどね……。そこらへんが熱血乙女の所以なのでしょうか。
余談でした。
- 039 フリップフロップ (採点:10)
- 微妙な文章の揺らぎだけで、今回私的ぶっちぎりのNO.1です。何故、このタイミングでこの文章を入れられるのだろう、というようなセンテンスがどれだけあることか。終盤で涙が出そうになる作品は数あれども、中盤の、別に盛り上がるわけでもない所でも泣きそうになる文章と言うのはほとんど初めてだと思います。
一番好きなところを二つ。
B1のみさおの名前を呼ばせる付近の読者のつかみ方は最高でした。瑞佳かわからないようにフェイクをかけておいて、あの絶妙の一行明け&ダッシュの入れ方。あそこだけで8点以下はなくなるくらい、素晴らしいタイミングでした。
B2の
『 ――冗談ばかり言っているけれど、僕は本当に心配なんだ。
きみが、どこか僕の見ていないところで、泣いていないか。 』
というくだりで再び泣きそうになりました。不思議なほどです。
恐らく、全体的な雰囲気の作り方が絶妙なんだと思いますが。今4度目くらいなんですが、まだ普通の文章で心が震えます。
微妙な風景描写で読者のイメージを繋ぐのも「なんでそんなに綺麗にいれられるんだろなー」と思わず感嘆してしまいます。
文体のコントロール――というか、書き分けも上手ですね。若干Bパートの方は崩しすぎの印象もありますが、一読が普通は限界である事を考えると、このくらいがいいのかも。『ええと』とか普通に読んでいるとひっかかる部分にまったく引っかからなかったということはそれだけ俺が雰囲気に飲まれてしまっているということなのかもしれませんが。
文体ともちょっと関係あるのかもしれませんが、話の密度の高さ、あるいは圧縮の仕方も惚れます。B・C、どちらかを独立させてもう少し膨らませても一本の話が出来る所をわざわざ二本持ってきて、どちらも話として完成されていて、その上絡み合い一つの『flip-flop Worlds』を作り上げている。完璧です。泣きそうです。
先生と呼んでもいいでしょうか。
話として若干わからない部分があったりはします。
始まりと終りにあるAパートとしておかれている部分とB・Cパートのつながりは、AがB・Cを想像してるとかかなーとか凄く曖昧にしかつかめていません。ただ、それでも『永遠』について濃度の違う三つが絡み合って十分に何かが伝わってきたのでまったく減点材料にはなりませんでした。少なくとも、俺は。
正直、文句をつけたくありません。
最高の作品をありがとうございました。
- 043 夕焼け色のシンデレラ (採点:8)
- 流石に、カタルシスは凄いですね。
ただ、序盤がわかりにくすぎましたね。そこらへんが減点かも。粗く読むと人称の変化もわからないし。
- 044 小さな幕間劇 (採点:8)
- 意味わからない、かつ、わかるというか。無理やり糸を解きほぐせばわかる気がするんですが、解きほぐさずにわかるようなわからないような感覚を楽しんだほうが正しい気がします。解体された夢なんて、夢じゃない、ということで。
とりえあず、好きー。意味のわからない雰囲気も、人を食ったような文章の作り方も、乾いた文体もどれもいとおしいです。出来るなら、もう一度繰り返して、永遠の中で、感覚としての時間が加速するのをもうちょっと見たかった気がしますが……容量的には不可能ですね。
- 050 セレナードで眠らせて (採点:7)
- まったり、と。それ以上言うこともない気がしますが。
説明的な文章で読者と距離をとることもほとんどなく、茜の心情に埋まりこんだまま、新婚の夜を体感させる。必要な説明等は適宜会話、内面独白で表現するっつーのはいっそ徹底してて気持ちいいですね。小説的、美文的な上手さを全く求めない、自己陶酔のほとんどない、文章。そこから紡がれる穏やかで日常的で自然な場面。
――妙なことをつらつら書きましたが、要するに、まったりできました、ということです。ありがとうございましたー。
○naka さん
- 019 トライ (採点:10)
- 確かに、この状況下なら長森が浩平を忘れるかどうかというのは作者に委ねられるレベルですね。
上手かったです。良い物語を有難うございました。
- 021 夏ノ空ニ夢ハ初マリ (採点:10)
- ……感服。
心理描写、情景描写共に秀逸。
良い作品を有難うございました。
- 026 ダンスインザダーク (採点:5)
- 内容としては面白かったです、ですが、どうも盛り上がりに欠けていたような。
描写の仕方の問題でしょうか。
- 030 『パラダイス☆銀河〜愛と絶望の小豆洗い〜』 (採点:9)
- 笑った。キャラの生かし方が絶妙でした。
○naoki さん
- 001 エターナリズム (採点:8)
- 文章力が追いついていない、書きなれていない。
それが唯一の欠点で、致命的ですが、お話自体は面白かった。
「エターナル」発想はなんか、バトロワを思い出しました。
文章技術についてひとつ言います。
視点は誰か一人に固定してください、でないと構成が崩れやすくなります。
(実際、この作品は崩れ気味、ピサの斜塔……あれは基礎部分を設計ミスしているから傾いているのです)
視点を大黒柱にして骨格を作り上げるのが、とりあえずの基礎です。
視点をいくつかにわけるのはもっと書き慣れしてからですね。
文章:1
人物:2
会話:1
構成:2
- 002 彼女の理 (採点:10)
- 普段空白って、ものすっごくうざく感じるんですが。
なぜかそう感じなかった。いまそれが不思議で不思議でならないんです。
良い意味で騙された気分です。
この形態が、ものすっごく繭という人間にあっているからなんではないかなぁ、と思います。
そう考えると繭というSS書き泣かせの不思議人物をまったく見事に描いているなぁ、と。
話の筋は、ある意味、よくあるパターンですが、それがまた上手で、面白い。
文章:2
人物:2+α
会話:2
構成:2
- 003 Fragment (採点:5)
- 構成の面白さは認めますが、お話自体がいくらなんでも。
えいえんはどこに行った! と思わなくもないです。
それはさておいても、正直に言うと、つまらなかった。
本編のあらすじをたどっているだけで、その切り取り方は独特だと思うのですが、それだけで終わってしまっている。
今度は、その個性を使って作者さん自身のなかにある物語を読みたいなぁ、と。
文章:1
人物:1
会話:1
構成:2
- 004 いつか、その日の為に (採点:8)
- 展開を急ぎすぎ……もしくは、どたばたが長すぎ、前振りが長すぎ。
とりあえず、勉強云々は思い切って削除して、
>家に帰ると茜がいた、理由を聞くと……
……という感じで始めればそれで充分だし、betterでしょう。
そうすると、余裕ができて、みずかたちの登場にすんなり入れるだけの伏線を張ることができます。
面白かったです、もっと文章量を割ければきっともっと面白い話になったはず。
もしくは無駄を省くか。
どちらにしろ、文章の取捨選択を厳しく。
文章:1
人物:2
会話:2
構成:1
- 005 マジカル☆ワードを唱えよう (採点:7)
- つかみが良かったけれど、途中から面白くなくなりました。
正直なところ、プリティ澪の話だけで終わるのかと期待していました。
でも茜が乱入してきて、えいえん持ち出して、話の収拾がとんでもないことになってます。
茜は蛇足。
プリティ澪は良い道具だったのに、発想だけで終わってしまっています。
それがもったいない。
いろいろ詰め込むんじゃなくて、ひとつに絞ってそれを掘り込んでいくのが真っ当な方法です。
いろいろ詰め込んで浮き彫りにする方法もありますが、それは長編の話。
文章:2
人物:2
会話:2
構成:0
- 011 その果ての雨 (採点:8)
- 2070年云々、っていらないと思う。
起承転結でいえば「結」の部分、余韻の持続、がその主な役割ですが、逆効果になってます。
別に種明かしなんてする必要もないです。
本文が綿密に事細かに書かれて、充実しているので、蛇足になってしまいましたとさ。
まあ、逆手にとって、謎を残して結末まで引っ張り続けるのも手ですね。
文章:2
人物:2
会話:2
構成:1
- 012 曇り色の時間 (採点:10)
- 素直に感動しました……んー、それ以外に何もいえないなぁ、ごめんなさい。
文章:2
人物:2
会話:2
構成:2
- 018 この世界は (採点:6)
- 設定として突っ込みたい部分はありますが、まあ、それは置いといて。
音楽を持ち込むのはともかく、それが結局のところ、羅列に過ぎなくなってしまっている。
そこがもったいない。
曲名とその曲が一致する人はあまり多くないので、
(ここに出てる半分くらいの曲は、誰しも一度は聞いたことがある曲ですし)
だからそれを補正するくらいの説明が付け加わっても良いかなぁ、と。
(あるいは、その曲の背景を示すと、親切ですね)
で、上に挙げたことよりも、もっと根本的にまずい面があって。
それは視点。ぶれているとは言いませんが、一貫していない。
だから5W1Hが曖昧になりやすく、状況がわかりにくいです。
文章:1
人物:2
会話:2
構成:0
- 022 はやく昔になればいい (採点:9)
- 茜と同じように打ち震えております。
いやはや、面白かった、ラストは秀逸!
中途半端な印象、物足りない。
唯一書ききれているのは、高柳直人。この人物造形はすばらしいです。
が、南君もそうだけど、なにより、茜が書ききれていない。
いろいろ足りないと思う、特に最後は、やはり制限バイト数に引っ張られて無理やりつなげた感があります。
もちろん、それでも非常によくまとめているとは思うのですが、まだまだ、という感じ。
制限バイト数ですべてを描ききるためには、言葉の厳選と文章の取捨選択が鍵です。
文章:1
人物:2
会話:2
構成:2
- 024 【呪いの唄】 (採点:8)
- 知ってます? 除湿機でも部屋の気温っていくらか下がるんです。
いま寒気がするのはきっとそのせいでしょう……
面白いです。
んー、ちょっとぼくとしてはつかみが悪かった。
なんというか、
>春眠暁を覚えず。
こういう始まり方をする話、って個性があるようでいて、実はそうでもないし、
>身内の贔屓を差し引いても
これも、どこかできいたようなフレーズです。
別にそれが悪いってわけでは必ずしもないのですが、たとえば、
>身内の贔屓目があるとはいっても、
とか、
>身内だから贔屓しているところはあるかもしれないけれど、
とか、まあ、言い方はいろいろ変えられるわけで、
そういう小細工的な工夫がもっとあっても良いかな、と。
>カゴのなかの鳥
これもよくある比喩なんで、もっといろんな言い換えがあって欲しいな、と。
文章:1
会話:2
人物:2
構成:2
- 025 もういいよ (採点:8)
- 良いお話でした、面白かった……感動もしました。
ただ、文章表現がちょっと。
最後の叫びなんかに代表されるけれども、この辺りの表現力を身につけたら、鬼に金棒。
それと、やはり構成がわかりにくいかと思います。
文章:1
人物:2
会話:2
構成:1
- 026 ダンスインザダーク (採点:4)
- >本にガン
本人が でしょうかね、文脈から察するに。
ミスリード、とは言わないですね、この場合。
意味わかんない、というより、納得のいかない展開。
声を聴いて踏みとどまった、ということでしょうが……。
推敲不足、のほうが近いでしょうか、一本の木から原型を彫ったばかり、という感じです。
文章:1
人物:1
会話:1
構成:0
- 027 埋もれた夢に、あなたはいない (採点:9)
- 構成にちょっと難あり、……ほんのちょびっと。
佐織が姉を失っている、ということに関する伏線が皆無なのが気になります。
いや、冒頭から無理すれば類推できますが、もっとちりばめて欲しいなぁ、と。
あと、誤字には気をつけましょう、うん。
文章:2−α
人物:2
会話:2
構成:2−α
- 030 『パラダイス☆銀河〜愛と絶望の小豆洗い〜』 (採点:9)
- 続いてください。面白いです。
(茜が、妙にはまり役……w)
文章:2+α(リズムが特に)
人物:2
会話:2
構成:1
- 035 夢を観た日 (採点:6)
- >にしゃめんだん、教師と親が、生徒および子供の進路について話し合うこと
三者面談だと思う。
(うちの高校では三者面談って言ってたけど……学校によってちがうんかな)
「?」「!」のあとは一字空けます。
原稿用紙に書く際の注意事項ですが、守ってください。
(空けたほうが読みやすいのです)
余程の理由がない限り、「……」は二マスが基本です。「――」も同様。
これは原稿用紙に書く際の注意事項ですが、守っていたほうが良いでしょう。
(もっともこれは厳密に守るべきものではありません、適宜変えるものです)
んー、途中で差し挟まれる
>――――――それがにちじょうであることをぼくは、ときどきわすれてしまうほどだった
等の文章や、どうして過去形で話してるんだ、とかいうものは、ないほうがすっきりすると思います。
あったほうがわかりやすくなるかもしれませんが、ミステリーがあるほうが読むときは楽しいです。
(ミステリー=謎 犯人探し云々とは違った意味です)
Why? という問いをずっと読者に持たせ続けて、
(この作品では、どうして15歳のみさおがいるのか、という問いです)
最後まで引っ張るほうが、読者を引き込む力は強くなります。
(謎の魅力=好奇心を刺激する)
文章:1
人物:2−α (ちょっと、みさおのキャラがステレオタイプ気味なんで)
会話:2
構成:1
- 040 こんな愛の形も良いじゃない (採点:5)
- 視点・構成がめちゃくちゃですね、これ。
で、結末はおまけみたいにくっついているありきたりなラブストーリー。
王道をするなら、堂々といかないと、また文章力が要求されます。
その文章力はありそうな気がします、だからもっとちゃんとやって欲しい、というか。
文章:1
人物:1
会話:1
構成:0
- 043 夕焼け色のシンデレラ (採点:7)
- >「永遠を知らないから、永遠じゃないって知ってるから。…全てはいつか終わってしまうと知っているから、だから人はそれを長続きさせようって頑張るんだ。幸せだってそう、いつかは終わってしまうから、せめてこの幸せよ永くあれって、頑張るの」
こういう台詞は、……読み飽きてます、こんぺに限ったことではないですが。
それと説明するんじゃなくて、感じさせる、ってことが大事かと。
あとシンデレラ、どうのこうの、というのも比喩としてはありきたりすぎて、つまらない。
あと、なんか、最後の方が冗長で、読んでいて、さっさと終われー、と思ってしまいました。
文章:1
人物:2
会話:2
構成:1
- 044 小さな幕間劇 (採点:6)
- 世界の終わりとハードボイルドワンダーランド(村上春樹)を思い出しました。
読後感としては、物足りない。
なかなか難しいものに挑戦なされたようですが、文章力が追いついていない。
あるいは推敲が足りないのかもしれません。
それと絶対的な文章量が不足しています、言葉が足りない。
というか、40kbで書ききるのは不可能なんじゃないかと。
発想は面白いです、ですが、それを活かしきれていない。
文章:1
人物:1
会話:1
構成:1
- 051 南西の風は瑞穂実る平原に (採点:7)
- 詰め込みすぎっ。
逆に言えばこれだけ詰め込んでよくまとめたものです。
三人称神視点のようですが、それがあまりうまくできているとは言いがたいです。
だから読んでいてちょっと混乱します。
展開が強引ですね。
ちょっとね、お約束の展開(ぬいぐるみと南君の恋愛)に頼りすぎかと。
納得はできても、説得力が薄いです。
文章:1
人物:2
会話:2
構成:1
- 052 未来の二人に (採点:10)
- 気持ちの良い話……雪見に強く共感します。
こういう関係がつくれたら良いなぁ。
ところで、この書き方だと読みにくいと感じる方がいらっしゃるかもしれません。
こんなつまんない理由で点数下げられることがままあるので、見た目は整えたほうが良いと思います。
文章:2
人物:2
会話:2
構成:2
○proofreader さん
- 001 エターナリズム (採点:6)
- えっと……困るなあ。いろんな意味で。
城島って、誰ですかこの漢は。社会福祉団体エターナルって。
出だし読んだとき、最近流行りのへたれかと思いきや、この展開。
この突拍子も無い発想は、賞賛に値します。発想だけじゃなく、展開や描写も結構丁寧な作りだし。
ただ、これ、ONEかと言われるとちょっと……いや、笑った……むしろ感動した、けど。特に最後の詩子がいい味。
困るなあ。まあ、本編の設定から大分かけ離れてるってことで、大幅減点としときます。少なくとも司は茜に未練はなかったはずだし。憧れの先生ってのが公式設定かどうかはおいとくとしても。
- 002 彼女の理 (採点:7)
- 正直、上手いと思う。ここまで椎名繭をそれらしく書ける人は、そうはいないだろう。
みあの造詣もよく、違和感がなかった。
ただまあ、話としてはゲームのエピローグを詳しく描写して、ちょっと付け加えただけとも言える。付け加えた部分がまたよくできてたけど、目をみはるという程でもないし。
一節の地の文で、繭の一人称と三人称がごっちゃになってたけど、これはまあ見逃せる範囲か。
理とか言うと、NOCTURNEを思い出すなあ。なんかの曲でしたっけ。
- 003 Fragment (採点:5)
- うがぁ……微妙だなあ。こんな風に変えちゃいましたか。
悪くはないと思いますが。ちょっと無理矛盾大きいかなあ。全編にわたって説明ばかりだし。事情を書くんじゃなく、キャラを書いて欲しかった。
- 004 いつか、その日の為に (採点:5)
- あれ、これもか? 司(仮名)が茜に気があったのは、デフォなの?
とりあえず、これはちょい無理やりかなあ。実際の内容はともかく、話の展開自体はよくあるし。こういう話にするなら、もっとコメディに重点を置いたほうがいいかも。
- 005 マジカル☆ワードを唱えよう (採点:6)
- プリティ☆澪はよかったんだけど。
話の展開自体はベタベタで、マジカル☆ワードってのも名前は多少違えど使い古されたネタだし。
もっと見せ方に工夫があれば。
- 006 すてるす同盟 (採点:6)
- ギャグ、かなあ。笑ったことは笑ったけど。
後から欲張りすぎて、かえって中途半端になったような。
- 007 とある騎士の物語 (採点:5)
- 子供の名前は「のえる」ってオチ?
まあ、キャラの造詣はよかったし、悪い話じゃないとは思うんだけど。
こういう変り種は、強引な設定を受け入れられなかったら辛いなあ。
- 008 Search for (採点:8)
- 変り種が変り種じゃない罠。前のよりは受け入れられますけど。
構成が絶妙。思わず猫に萌えてしまったじゃないですか。どうしてくれるんですか。
ただ、文章はアラが目立つ。構成だけじゃなく校正もしっかりね、とオチをつけてみる。
特に、
>「だけら、なに?」
は痛かった。エクスクラメーションマークも使いすぎ。後、Kanonネタは微妙。
最後の前世云々は、何か元ネタがあるんでしょうか。 猫=みさお? さすがにそれはないか。
- 009 Replica (採点:1)
- あー、どっかで似たような話読んだなあ。つまりは、ONEじゃなくてもいいわけで。
たぶん、たくさんの人からRRだと突っ込まれることでしょう。
- 010 NOISY SILENCE (採点:1)
- んーー……。技巧に走りすぎて、結局何が書きたかったのか分からん。
そういう話だ、と考えることはできるだろうけど、それが無意味に思える。
いや、ほんとに何の意味があったのか。わざわざONEの世界を壊してまで。
- 011 その果ての雨 (採点:5)
- すえう……どこの方言だろう。いや、EとRを打ち間違えただけだろうけど、笑ってしまったので。
他にもひとつ素朴な疑問が。浩平の家の表札って、折原なんだろうか。小坂じゃなくて。
しかしなるほど、走馬灯ですか。面白い趣向でしたが、結局はシナリオなぞってるだけになってるのは残念。というか、浩平が帰ってきた後、浩平と出会った頃より楽しい思い出がなかったってーのも悲しい話。
- 012 曇り色の時間 (採点:7)
- んー。こういうのは嫌いじゃない。嫌いじゃないが……んー。
これだけ? というのが正直な感想。これなら別に、中編じゃなくてもいいよなー、と。
- 013 『夕日の少年』 (採点:2)
- ノスタルジー、かなあ。
それはそうと、このいろんな話によく出てくる氷上もどきはなんとかならんかなあ。都合のいいように作り変えるにもほどがあると思うんだが。
文章も、洗練されてないような印象を受けた。いくらか文法ミスが目立ったし。
- 014 風の辿り着く場所 −Eternal Happiness− (採点:3)
- どうでもいい細かいことだけど、点字の年賀状は、「あけめして」になってたはず。
短いセンテンスで改行を挟む文章は、批判もあるかも知れないけど、ここまでくれば作者の個性として受け入れられると思う。いくつか文法ミスがあったけど。
で、まあ、話の方なんだけど。展開が安易過ぎます。ところどころの説得力に欠ける。
とりあえず、雪見があの状態のみさきを放って行く、なんてことはまずありえないかと。
しかし、また氷上もどきか……。
- 015 その手を離す、その日まで。 (採点:7)
- このタイプの補完SSは、それこそ巷に溢れてるからなあ。悪くはないんだけど、こんぺじゃ辛いかも。
せめて文章にもっと魅力があれば。今のままじゃ埋もれてしまう。
ただ、
> 自分の涙は、後で拭けばいい。
この一文がとても気に入ったので、+1点。
- 016 二人が刻む永遠 (採点:7)
- なんか、多いな。
このテーマも正直語り尽くされてるとは思う。新鮮味がない。ただ、後日談はちょっと気に入った。
誤字脱字が若干数。
- 017 欲深な微睡 (採点:1)
- いや、こんぺでキャラの名前だけ借りたオリジナル出されても。
それでなくとも、誤字脱字等の文法ミスが多すぎます。ただでさえ硬い文章なのに、つっかえつっかえ読まされるんじゃストレスたまってしょうがない。
- 018 この世界は (採点:8)
- ピアノに造詣ないもんで、ちょっと分からない部分もありましたが。けどまあ、楽しめました。この詩子なら納得できます。
茜の長台詞は何とかしたほうがよかったかも。
- 019 トライ (採点:3)
- 住井が氷上に頼まれて裏でいろいろ動いた、ってとこまでは面白かった。
でも、サブキャラにいろいろ持たせすぎたせいで、非常に嘘っぽく、陳腐に仕上がったと思う。
- 020 Requiebros(愛の言葉) (採点:5)
- いろんな意味で、微妙。
話の展開自体は、悪くは無いけど似たようなほかの話と比べると、文章も含めて埋もれてしまうレベル。
この手の話だと、曲名と素敵という言葉だけじゃあ、読者には伝わりません。
そして最後。コンクールで課題曲以外のものを弾いたらどうなるか、ちゃんと考えたんでしょうか? 安易過ぎ。先も書いたとおり、素敵だけじゃあどの程度の演奏かも分からないし、実際最後まで弾けるかどうかも怪しいし、観客からそんなに拍手喝采浴びるとは考えられない。
- 021 夏ノ空ニ夢ハ初マリ (採点:1)
- 浩平じゃねー。というか、本当にONEやったのかどうかもあやしいんですが。手法が悪かったかな。話にも魅力なし。
文章も、少なくとも読者のことを考えたものじゃない。あと、誤字がいくつか。
- 022 はやく昔になればいい (採点:6)
- タイトルで引き込まれた作品。内容もそれに沿ってる。
ただ、意欲と自信と文章力は認めるけれども……これ、思いっきり賛否分かれるだろうなあ。
話としては大嫌いだけど、文章から構成から心理描写から、評価せざるを得ない。
後、誤字などの文法ミスが結構残ってる。
- 023 世界は終わり、或いは始まる。 (採点:8)
- これはまた……度肝を抜かれたというか。「みずか」をこう解釈するとは。
ときどき挟まれる時系列にも意味があって、それがまたうまくまとまってる。
ただ、似たようなSFをどっかで読んだような気もする。
後、長森の台詞に無理やり「だよ」をつけようとして、変な言葉になってるのは困りもの。
- 024 【呪いの唄】 (採点:8)
- 純愛、かなあ?
ダークものとしては展開がありきたりだけど、まあよく書けてる。ただ途中で展開読めた分、震えるような感覚があまりなかった。こういうのは怖がらせてなんぼ、という気がしますし。
長森の事情のあたり、あまり詳しく書かなかったのは、成功してるかな。伏線も活きてるし。これ以上書くと、嫌悪感が先にくるだろうし。
- 025 もういいよ (採点:7)
- んー、締めの文はもうちょっと考えた方がよかったかも知れない。
文章作法云々については誰かが書いてくれるでしょう。
で、話はよかった。サブキャラメインの話となると、説得力に欠けるものが多い中、ちゃんと考えられてたし。後は、もっと読ませるための文章が書ければ、といったとこで。
- 026 ダンスインザダーク (採点:7)
- うーん。惜しい。ダークとしてはオーソドックスかなあ。一箇所すごい誤字があったし。
まあ浩平が、みさき先輩の目が見えるようになったからといって捨てるとは思えない、というのは置いとくとしても。
ラストはいいんだけど、その手前、何か一味ほしかったかなあ。
- 027 埋もれた夢に、あなたはいない (採点:6)
- んー。表現がくどくて、かえって話に入り込めない。
話自体はよく書けてたと思うけど、面白くともなんともなかったしなあ。
後、誤字が少し。
- 028 歩いて帰ろう (採点:1)
- 表現が冗長に思える。読点も少なくて読みにくいし。どうも読ませるための文章に思えないなあ。長く硬い言い回しをすればいい、というものではないかと。誤字等、文法ミスが結構ある。
とりあえず、司がなぜみずかとえいえんにいたのかの納得いく説明を希望。そこも含めて、展開が安易すぎ。
- 029 澪とみさきと長森と (採点:2)
- ギャグ? え、どこがですか? ああ、シリアス・ギャグ……え?
なんというか、平坦な話。結局のところ、澪とみさき先輩の会話が書きたかっただけなのかなあ。
- 030 『パラダイス☆銀河〜愛と絶望の小豆洗い〜』 (採点:5)
- んー。残念。ところどころで笑えることは笑えるんだけど、全体としてまとまりがないように思う。ギャグとしては、中途半端なできになってるかも。終わり方もどうかと思うし。
- 031 空の在り処 (採点:7)
- んあー。とりあえず、文章は綺麗で丁寧だった。
でもこの話、展開からなにから食傷気味で、魅力がなかった。今回のこんぺでさえ似たようなのがいくつかあるしなあ。
- 032 ALive (採点:7)
- 惜しいなあ。いろんな意味で。
タイトルはまた安易なのが、と思ったけど、ちょっと読んで、ああ、「a Live」とかけてるんだなあと思うと感心。
訳のわからん氷上が多い中で、まともな氷上を描いたということに素直に好感が持てた。展開はよくあるパターンだったけど、うまくまとまったとは思う。話だけならもうちょっといい点あげたいんだけどなあ。
残念なのは文章力。文章作法云々は置いといても、アラが目立つ。氷上や詩子の口調にも違和感あったし。
- 033 コイゴコロ (採点:9)
- 巧い。いろんな意味で。
話の流れも自然に思えたし、キャラクターもよく出てると思う。
ところどころに散りばめられた文に、センスを感じる。
ただちょっと、あたしはあたしは繰り返しすぎかなあ。後、タイトルが安易か。
- 034 莫逆の友の恋 (採点:3)
- んあー。笑えない、というか面白いと思えないギャグがほとんどだったなあ。たまに笑えるのがある、というくらいで。下手な鉄砲なんとやら、じゃないけど、とにかく詰め込むって手法はどうかと思った。
最後も普通だったし。詩子と一緒に詩子の父親が聞いてて、それが住井がスタンガン持って追い掛け回したサラリーマンだったりという展開を期待したんですが。それはそれで普通か。
- 035 夢を観た日 (採点:4)
- 無駄が多い。中途半端なギャグだとか、終盤の本編なぞってる説明だとか。
話自体は、ありがちながら悪くないとは思ったが、何分文章がついていってない。
とりあえず、句点つけるかどうかだけでもはっきりしてほしい。
- 036 たいせつなひと (採点:7)
- よく書けてると思いますけど、題材がありがちな以上、もう一味二味何か欲しかったといったところで。
- 037 虚構少女 (採点:7)
- んー……なんか、惜しい。
お約束の展開はいいんだけど、どうも最後が唐突で、ただの付け足しに見えてしまった。伏線とかもちゃんと張ってはあったんだけど。流れがちぐはぐに感じる。そうだなあ、話の流れは自然だけど、雰囲気の流れは不自然というか。
>黄色い線の内側で待とうとする二人に、
なぜかこの文がつぼにはまって、笑ってしまった。
- 038 廻り廻るAffection (採点:6)
- 由起子さんってそんなキャラだっけ? まあそれはいい。
誤字脱字が結構あるし、ダッシュや3点リードが過剰。まあそれも置いときましょ。
話自体は嫌いじゃないけど、なんというか、話から展開から文章から台詞回しから、どれも拙い――というか「幼い」印象を受けた。個人的な好みと言ってしまえばそれまでだけど。
- 039 フリップフロップ (採点:7)
- うーん……。なんか、主題がぼやけてるような気が。凝りすぎたかな。
- 040 こんな愛の形も良いじゃない (採点:1)
- 展開が唐突、以前に無理がある。
キャラクター達の行動・言動に違和感。住井である必然性が皆無。
文章が拙い。ところどころに誤字脱字。記憶メモリはRR。最後の空行は蛇足。
タイトルが大仰。
- 041 Last Lovesong (採点:1)
- あー……、だめだ、やっぱり。
どっかで似たような話見たことあるってのは置いとくとしても、これをONEのSSとして認めることができなかった。
大体が、小学生の浩平が長森に対して絶対にとらなかったであろう行動と台詞が大元になってるからなあ。どうあっても素直に楽しめない。
- 042 オレとあいつと彼女の事情 (採点:4)
- んー……このパターンも珍しくなくなったしなあ。住井と南の名前を入れ替えても成立する以上、高評価もできんし。やっぱ無理があるか。
とりあえず、いくつか誤字脱字があった。
- 043 夕焼け色のシンデレラ (採点:10)
- ちょっと寂しいながら、でも優しい話。よかった。
接続詞を文の間に挟む文調は、個人的にすごく好き。万人向けとは言いがたいけど。少なくともこの話にはぴったりマッチして、雰囲気出てると思う。
- 044 小さな幕間劇 (採点:5)
- ファンタジーといえば、ファンタジーかなあ。幕間劇ってこういうのだっけ?
ところどころ間延びして読みにくかった文がある。
話としても、よくある永遠のひとつで。特別思うこともなし。似たような場面を繰り返すのは、こういう話ではよく使われる手法だけど。MOON.でもあったし。でも手抜きに見えるなあ。
とりあえず、相原って誰でしょ。折原の間違いじゃないかなあ、とは思うんだけど。
- 045 永遠と瑞佳のあいだ (採点:6)
- いやまあその。るぱんるぱん。
この二人(浩平と瑞佳)なら、こういう後日談もありかなあ。もっとも、帰ってきた――いや、消える直前の浩平は、既にこれよりはマシになってたと思うけど。
しっかしこの下ネタは、ひく人が多いと思うがなあ。
一応言っておきますが、賭け麻雀は犯罪です。それと、学生の競馬も禁じられています。
- 046 キャラメルのおまけ (採点:4)
- んあー。本編の描写に、みさおを付け足しただけにしか見えないっす。何の意味があるか、分からなかった。
- 047 「わたしはあなたと歩きたい」 (採点:4)
- 展開はありきたりだし、別にONEじゃなくてもいいよなあと思いつつも、結構気に入ったので微妙な点数。
- 048 待ち合わせ (採点:6)
- んー……これくらいのは他にいくらでもあるしなあ。まあ比較的明るめだったのが好みだけど。でもこれ、いつの話だろうか。
誤字等いくつか。中には方言なのか誤字なのか判断に困るようなのもあったけど。
- 049 雨音は誰が為の歌 (採点:9)
- そういや、アンソロであったなあ。
うまくまとまったと思う。ちょっと文章が洗練されてない気もするけど、それはそれで。
プロポーズでとちる浩平が、とてもらしかった。それまでのシリアスとのギャップが出て楽しい。でも子供に、女の子だとしてもつかさと名づけるのは微妙だよなあ、と思ったりも。
- 050 セレナードで眠らせて (採点:7)
- このレベルのSSを、普通、と評する日がくるとは思わんかった。
他のと比べると、どうにも印象が弱いのは否めない。
地の文、茜視点はいいんだけど、ですます調じゃなくてもいいかなあ、と。それならそれで、徹底したほうがよさそうな気がする。
最後、セレナードは気取りすぎだろう、と思ってしまった。ない方がよかったかも。
- 051 南西の風は瑞穂実る平原に (採点:3)
- ストーカーじゃん。子供ならこんなもんか。
それにしたって、展開が強引で安直すぎ。簡単に先が読めるってのも読んでて退屈。
後、言葉の使い方とタイトルが無理やりに思える。
話として読める部分もあったので、ちょっとだけ加点するけど。
あ、そうそう。どうでもいいけど、南の一人称は「俺」じゃなくて「オレ」。
- 052 未来の二人に (採点:4)
- 意欲と文章力は認めるんだけど。
んー……ここまで設定壊しちゃうとなあ。
単に作者が自分のご高説を述べるために、キャラというかキャラの名前を借りただけ、としか思えない。ONEのSSである必要がない。
実はフィクションだった、とかならもうちょい評価もできるんだけど。
○syun さん
- 002 彼女の理 (採点:9)
- 繭視点の作品……待ってました。
中盤のだらけが無ければ間違いなく満点の作品。
- 007 とある騎士の物語 (採点:2)
- いくらなんでも無理やりすぎ。
テーマに対して内容が付いていってない。
無理して書いてる用にしか見えませんでした。
特に後半部分
- 008 Search for (採点:7)
- 面白かったけどKanonネタがちょっと抵抗感……。
- 010 NOISY SILENCE (採点:10)
- 巧い……素直にそう想いました。
それに佐織のキャラにも好感が持てますし……
- 011 その果ての雨 (採点:2)
- ラストの展開が評価できますが、それ以前の展開が読めてしまって興醒め……。
- 013 『夕日の少年』 (採点:5)
- 必然性がありません。
いろんな意味で……。
- 015 その手を離す、その日まで。 (採点:2)
- 話に説得力が無いと言うか……全体的なボリューム不足
- 016 二人が刻む永遠 (採点:9)
- 話が進んでいくにつれ点数が上がりました。
ただそういう様に序盤のパワー不足が満点に届きませんでした。
しかしまぁ浩平が全く関与しないみさき、雪見、おまけに澪のみで世界が作れるのだから凄い。
- 017 欲深な微睡 (採点:10)
- ……ONEらしい、それにおいてのボリュームのある作品。
おみそれいたしやした。
- 018 この世界は (採点:7)
- 最後が……少し物足りないです。
それまでは良かったのに……
- 019 トライ (採点:8)
- 面白い……いや、観点の微妙な独特感が凄いよかった。
- 020 Requiebros(愛の言葉) (採点:3)
- こんぺで始めて中黒を使う人を見た……。
さて感想ですが、一言言うと勿体無い。
これ、もう少し掘り下げればもっと良いものになったと思う。
特に詩子や茜を交えた、えいえんの話なんてそれを一番に感じました。
- 023 世界は終わり、或いは始まる。 (採点:7)
- 感想つけにくい作品が多いのは何故でしょうか……。
面白かったけど、何かが引っかかります。
多分ラストなのでしょうけど……それがこの点数です、はい……。
- 024 【呪いの唄】 (採点:8)
- 中盤での長森の態度がもう少し遠回りなら満点。
惜しいよぉ〜〜
- 026 ダンスインザダーク (採点:7)
- タイトル負けですかねー3の理由
- 027 埋もれた夢に、あなたはいない (採点:9)
- ああ、ONESSだ……
- 029 澪とみさきと長森と (採点:9)
- ええい、行頭一字下げとか、一行空けが見づらいとか知った事か、面白いし、澪にちょい萌えなので9点やったるわぁ〜〜〜。
すみません、素直に笑っちゃいました。
- 030 『パラダイス☆銀河〜愛と絶望の小豆洗い〜』 (採点:9)
- 何も言う事はありません。
- 032 ALive (採点:2)
- 展開を急かしすぎ、折角いい雰囲気なのに勿体ない。
- 034 莫逆の友の恋 (採点:10)
- え? あ〜〜〜う〜〜ん……えと……あ〜〜も〜〜〜
- 035 夢を観た日 (採点:7)
- 『突然席替え大作戦』に加点2。
最後があまりに直球過ぎて興醒めの感がありました。
何かもう少しひねりが……5点。
- 036 たいせつなひと (採点:8)
- 要望に近いです。これをちゃんとして繭視点でやって欲しかった……。
でも、これはこれでパー璧なので満点に近い8点と思ってください。
いや〜凄い
- 038 廻り廻るAffection (採点:8)
- 拍手……。
少し中だるみしたのが残念ですが、満足させていただきました。
ただ、由起子さんは蒼崎家の人でしょうか? 知らなかったら流してくださって結構です。
- 039 フリップフロップ (採点:9)
- ごめんなさい。文句の無い出来なんですけど満点が出ません。
好きなんですけど……なんていうか……アクが強過ぎると言うか……ごめんなさい。
- 044 小さな幕間劇 (採点:5)
- 必然性がゼロで無いから余計に評価に困る……。
一言だけ言わせて貰うともう少し劇間をあっさりさせてもよかったのかもしれない。
- 046 キャラメルのおまけ (採点:6)
- 凄いんです。もう、なんていうか圧巻なんです。
……でも、すみません、正直面白いとは感じませんでした。
- 050 セレナードで眠らせて (採点:7)
- おお、直球だ。
- 052 未来の二人に (採点:10)
- 中盤の喫煙、飲酒に関しては賛否両論が出ると思いますが、とりあえず自分は是で……
え? 感想ですか? 勘弁してください。
点数で悟って……
○toto さん
- 001 エターナリズム (採点:7)
- 突拍子もないえいえんの設定が面白い。
でもこの話、「エターナル」がどうこう、という話ではなくて、あくまで「司の生き様を見ろ!」という話なのね。
ONEの世界にこういった任侠を放り込んでみせた豪腕はすごい。
すごいが、これだけだとそういった「任侠モノ」のパロディ、としてしか見られない。
それでも最後の一文が大変渋くて良かったので、七点。
- 002 彼女の理 (採点:9)
- ぐぁあ、冷静に評価できないぞ、この作品は(w
一つ一つの描写は丁寧だし、繭の心の機微も説得力があるし、構成も巧みで引き込まれる。
つまりですな、この作品の持つ吸引力が、ワタクシが餓鬼のころ仕出かした、作中の男子のような悪事を思い起こさせるのです。
あああごめんよIさんっ! などと、過去を懺悔しつつ読んじゃいましたよ。
- 003 Fragment (採点:6)
- まずプロットありき、で書かれた話なのかな。
よく練られていて、構成にも工夫がうかがえる。
ただ、肝心の話の内容が、ギミックの犠牲になった感は否めない。
まさにギミックのためだけに死んだように思える幼なじみや、浩平が消えた理由とか、ちょっと苦しいかな、とは思う。
○“ I ” さん
- 001 エターナリズム (採点:4)
- 正直、感動はなかった。割とよくある展開だったと思います。
しかし読んでいる途中、司と浩平が一緒に帰ってきたとしたら茜を含めてどんな関係模様が描かれるのだろうと期待をしましたが、拍子抜け。最も悪く捕らえさせてもらうと手抜きにも思えるほど期待を外されてしまいました。
- 002 彼女の理 (採点:6)
- 結局、繭には「えいえん」に傍にいてくれる優しい人(たち)が必要なのだと。そして、その優しい人たちが逆に鎖となって縛っているように感じてしまいました。
みあ嬢の言っていた繭の強さというのも私には強さには見えませんでした。あれは繭が分かってないから─周囲に干渉をしないから─ああしていたと見えました。
母親の行動も何がしたくてその行動に至ったのかを感じられませんでした。子供のため? 世間体? 自分のため? どれにしろ悩んで行動しているようには思えませんでした。
- 003 Fragment (採点:5)
- 七瀬留美視点のあの終わり方からいきなり折原浩平の視点になるところに少々戸惑ったり…
病院で一命を取り留めるほどの怪我なのに記憶がはっきり残っていたり、恋人を思ってのあの行動─私はその選択に是か非かをここで言うつもりはないですが─に迷い無く考えなしに決定行動できたことに引っかかりを覚えました。どちらかというと後者の方がより感じました。
- 004 いつか、その日の為に (採点:8)
- アイデア自体は突拍子なくファンシーだけど楽しめました。大笑いよりニヤニヤって感じ。
微かな眩しさを掴み取ろうとした愚かなドリーマーって文頭文末で思い出されました。
- 005 マジカル☆ワードを唱えよう (採点:5)
- 昔、高校演劇をしていた身にとっては(原作共々)ありえない、と言わざるをえない事が多々ありましたがそれも物語りのためと思えばなんとか消化できました。いや、そうでなくともそれを物語として楽しめるかもしれません。
- 006 すてるす同盟 (採点:7)
- 最初はドラえもんのような(いい意味で)ご都合主義の展開かと思ってました。
欲を言えば中盤〜転(起承転結の転)あたりで結末が予想できてしまったことが少し残念。
- 007 とある騎士の物語 (採点:6)
- BUNP OF CHICKEN 『K』ですか
タイトルを見て曲を思い出されたのですが、まさか本編でも登場とは……
- 008 Search for (採点:8)
- よかった。
どこが良かったのか聞かれると困りますが、きっとただ単に私が好きになっていただけでしょう。
- 010 NOISY SILENCE (採点:7)
- ONEという物語において第三者ではあるが、完全に不必要な存在でない人間の視点からの物語に私的に好感触。
- 011 その果ての雨 (採点:2)
- 私は文章規則とかはよく知らないし自身あまり気にしないのですが…「改行殺し」でしたっけ? それを使っている個所とそうでない個所の統一感もなく作者さんの気分で使われている気がして目に障りました。
結局、この物語は今際の際の走馬灯なんでしょうがそれでも物語の世界観が掴めませんでした。話の舞台が繋がっているようで違うのか? と思ったり、違うにしてもそれぞれを分かつ部分がないし…
それと一つのコートに人間二人が入って歩くのはキビシイですよ。
- 012 曇り色の時間 (採点:7)
- う〜ん、私は口下手の人間のようでこの作品の感想がうまく纏まらないのですが…嫌いではないですね。
- 013 『夕日の少年』 (採点:9)
- 高校の演劇部の部費は私立でも割とシビアだったり……
そんな細かいことはいいとして、私は単純にこの舞台─世界観─が気に入りました。詩子のアクティヴさと田舎の夏っぽさがいい具合に混ざっていて、それでいてある種の物悲しさも含んだ夏の夕暮れをメインに持ってこられた事が私の琴線にふれました。
- 014 風の辿り着く場所 −Eternal Happiness− (採点:2)
- なんだかどのキャラも繰り人形に思えました。どの言葉も行動も作者さんがそうして欲しいからそうさせて後から理由付けをしたみたい。「どのキャラも生きていない」そんな印象を受けました。
あと、みさきの一人称で進んでいる物語なのに第三視点的の方が適切だろう描写も見られたことが残念。
- 015 その手を離す、その日まで。 (採点:7)
- 「盲目になったという現実をどうするのか?」これは個人的にみさき関連の物語を読む上で最も気にしている事なのですが、この物語は(結果として)明るく描かれてますね。それはそれで全く構わないのですが、出来れば(雪見視点であっても)現実を受け止めた辺りをもっと沢山書いて欲しかった。
- 016 二人が刻む永遠 (採点:10)
- いいですね。
この物語のみさきは強い。いや、強いとか凄いとかって彼女の努力、苦労や苦悩を知らない第三者の私だから一言の言葉に出来てしまうのでしょうけど。きっと自分の現実をしっかり見つめて熟考して自分の進む道を決めている人って本当に輝いて見えるのでしょうね。
みさきと雪見の掛け合いも小気味よくて思わず笑みがこぼれました。なんだかこんな関係の二人ってそのまま受け入れれましたよ。
- 018 この世界は (採点:3)
- たいした努力をしないで自分の意見と能力で天才と呼ばれることができる人は凄いですね。
あんまり曲名を羅列しない方がいいと思います。私も曲名を見て音(曲)を思い出せるものは半分くらいでしたし、曲のどの部分のイメージを物語で表現したいのかは分かりませんでした。
三月の公演に向けて年明け前から練習を開始する高校も無いと思います。あったとしても全国規模で数えて両手の指で事足りるくらいだと思われます。作者さんにとっては重要じゃないでしょうが。
- 021 夏ノ空ニ夢ハ初マリ (採点:6)
- う〜ん、馬鹿な私には感想がうまく言葉にできないです。
これといって嫌な印象は受けなかったのですが、逆に感動させられるようなことも無かった。と言ったところでしょうか。
- 022 はやく昔になればいい (採点:9)
- 正直な話、私の実年齢から考えると色々な意味で少し大人っぽい感じがある日常風景に羨ましくない気持ちとそれでも理解はできる茜の心理を上手に伝えられました。
幾つかの隠喩は個人的な趣向でかなり好きなものがありました。
- 023 世界は終わり、或いは始まる。 (採点:2)
- 物語に引き込まれずに徐々に引き剥がされた感じです。その原因は文章の構成だったり科白にキャラの記号化が見えたり誤字だったり…ラストのSFチックな所にはもう自分から離れるくらいでした。科学的なツッコミも人物の言動にもツッコミたくなる個所が多かったので。
- 024 【呪いの唄】 (採点:8)
- 終盤の『少女』の男嫌いの理由に思わず「ああ、そういうことか」と呟いてしまいました。
もう少し序盤にも狂気の複線─一瞬、引っかかるぐらいの─を入れて欲しかったかもしれません。
- 025 もういいよ (採点:9)
- う〜ん、出来ることならもっと長くして欲しかったです。(規定があるのは分かっているんですけどね)
これの三倍くらいの量があったとしたらかなり嬉しいです。そーいうわけで、少し纏めすぎかなってのが印象です。
- 027 埋もれた夢に、あなたはいない (採点:9)
- 思ったことは二つ。
一つは、原作では省かれてしまった『待っている』間─日常を演じている─を本人ではなくその傍にいる人間視点で見せられ、悩んでいる親友に対し自分はどうするかという苦悩を見せてもらえたということ。
もう一つは、最後の答え。「えいえん」は割とよくあるものかと嫌な事を思いながらも結局は自分の回答を出そうとしているという事に少し共感を覚えました。
- 029 澪とみさきと長森と (採点:5)
- 浩平の軽いノリは嫌いじゃないんですけどね。
これは日常の一片を切り取って描いたものなのでしょうか?
- 030 『パラダイス☆銀河〜愛と絶望の小豆洗い〜』 (採点:3)
- ごめんなさい。少なくとも私はこの展開は好きじゃないです。参考にもならなくて申し訳ないです。
- 031 空の在り処 (採点:10)
- いいですね。この深山さんは。冒頭の心理描写から引き込まれて夜の出会い辺りにはもう感情移入できたぐらいに。 単に好みな物語なのかもしれませんが。
- 033 コイゴコロ (採点:10)
- 同じ とは言えないけど、似たような経験をしたことのある私にとってなんとも感慨深いものです。これは。私的なことを持ち出してすみません。
- 034 莫逆の友の恋 (採点:7)
- シャボン玉飛んだ 屋根まで飛んだ 屋根まで飛んで…… いいですね。
人を笑わせるのって泣かしたり怒らせたりするより難しいことだと思います。これは笑いました。(単に私の好みだったのかもしれませんが)
- 036 たいせつなひと (採点:7)
- ONEって随分前に一通りプレイしただけで、詳しいことはあまり覚えてないのですが上手く本編と被せてあるように感じました。
- 038 廻り廻るAffection (採点:9)
- イイヒトとイイ人間関係ばかり…… (嫌味じゃないです。本音です)
元来、私は輪廻転生って逆行(やり直しの逆行)と共に毛嫌いしているんですよね。新たに生まれてくる者を上書きしているみたいな解釈ができてしまって…… 逆行は今までの自分を軽々と否定しているようで。どちらも記述した理由以外にも色々ありますし、物語(登場人物の考えや行動)にもよりますが、この話はミョーに納得してしまったり……
- 040 こんな愛の形も良いじゃない (採点:6)
- 読みやすかったです。
ただ、詩子さんのキャラクターが掴み難かったです。明るい時と真面目になっているときの差が私にはズレに感じられたところもありました。
- 041 Last Lovesong (採点:8)
- 互いの成功や成長を願って別れれる時って寂しさや哀しさ以上のものを感じられるのでしょうね?
○CABINMAILD さん
- 001 エターナリズム (採点:7)
- 永遠が現実世界にあるという発想は新鮮でした。
浩平と司のやり取りも面白かったですし、戦闘描写も分かりやすくて良かったです。
それに浩平の同室の男が、少ない出番ながらとても良い味を出してて凄く気に入りました。
ただ最後の最後に少し物足りなさを覚えました。
- 002 彼女の理 (採点:10)
- 言う事ないです、素晴しい物語どうもありがとうございました。
- 003 Fragment (採点:4)
- 途中まで瑞佳エンドの瑞佳側を書いた物だと思っていたので少し意表を付かれましたが、
それだけの様に感じました。
物語としては破綻していないので最後まですらすらと読めましたが、
残念ながら私の印象に残るものはなかったです。
- 004 いつか、その日の為に (採点:6)
- スクロールする度に画面が文字で一杯になっていたので読みにくかったです。
そうは言っても物語に入ってしまえば気にならないので、
もう少し余白をうまく使ってもらったら読み易かったと思います。
内容はとても面白かったですし、
しんみりした場面も良かったと思いました。
ラストも旨く纏まっていると思います。
- 005 マジカル☆ワードを唱えよう (採点:7)
- 面白い所とシリアスなところが旨く溶け合っていて
読みやすく、入り込みやすい物語でした。
- 006 すてるす同盟 (採点:10)
- 会話のテンポ、キャラクター、最後にうまくまとまったストーリー、全て面白く
久々に大笑いしました。
欲を言えばもう少し司の絡みが多いと良かったように感じました。
- 007 とある騎士の物語 (採点:7)
- とても面白かったです、物語としては。
原作を旨く使ってあるし、オリジナリティもあるし
オリキャラのノエルも凄く気に入りました。
ラストもありがちですけど良かったです。
悪い所は見つからないのですが、もう少し突き抜けた所も欲しかったように思えました。
(分かり難い表現で申し訳ありません)
- 008 Search for (採点:7)
- 作者さんには申し訳ないのですが
直前にNo.007の物語を読んでしまい、
オリキャラがどのような存在か早い段階で見当がついたので
面白さが少し減ってしまいました。
でも内容はとても楽しかったです。
「信頼できる情報筋」ってのが少し気になりましたが。
- 009 Replica (採点:6)
- ううん、不思議な物語でした。
きちんとした最後があっても余り見たくないような、
このままでいいような感じがしました。
- 011 その果ての雨 (採点:4)
- これのみならばもうちょっと面白いと感じていたのでしょうが、
いかんせん他とどうしても比べてしまうこの場では
物足りなさが先に来ました。
- 012 曇り色の時間 (採点:6)
- 淡々と流れる感じが結構好きです。
が、今ひとつ訴えかけられる物がなかったです。
- 013 『夕日の少年』 (採点:8)
- 夏に見る白昼夢の様な物語に感じて
面白かったというより、
ちょっと不思議でちょっと幸せな気分になりました。
- 014 風の辿り着く場所 −Eternal Happiness− (採点:7)
- みさきのお母さんの強さがとても好きです。
少し展開が唐突に感じて、読みやすい文章でしたが今一つ付いて行けない所も有りました。
- 015 その手を離す、その日まで。 (採点:7)
- ほのぼのには違いなのですが、
うまくみさきの気持ちが表されていたので
少し怖い気分も伝わってきました。
- 016 二人が刻む永遠 (採点:7)
- ラストが少し御都合主義的なところもありますが、
真剣に向き合った二人がよく書けていると思いました。
- 017 欲深な微睡 (採点:6)
- ONEとは違う瑞佳による浩平との物語、
楽しめましたが所々にある誤字に興を削がれました。
>浩平女
>白状
- 018 この世界は (採点:9)
- 凄く高いレベルで纏まっている物語で、
読んでいて何も考えられなくなる位物語に入って行く事が出来ました。
楽しかったです、
10点を入れたかったのですが個人的な理由により1点引いてしまって申し訳ありません。
- 019 トライ (採点:9)
- こういう友情物って元々弱いんですが、
見事にやられました。
楽しかったです。
読み終わって題名の意味に気づいて
楽しさ2倍で儲かった気分です。
○JING さん
- 006 すてるす同盟 (採点:7)
- 誤字が目立つのが残念です。
○あー さん
- 018 この世界は (採点:10)
- いやー。細かいところ吹き飛ばす大力ですな。素晴らしすぎる。
さすがは師匠、と思うんだけど、違ったらまぁ、師匠にしてもらうとしましょう。
- 028 歩いて帰ろう (採点:6)
- んー。
なんかネタ被った気配…
すまん。
○あおき哲夫 さん
- 001 エターナリズム (採点:7)
- …任侠ものか。
なんと突飛な解釈だろう。嫌いじゃないが。
司の人物造形が、どこかの俳優っぽいのはわざとだろうか。
氷上もそう。短刀抱えて立ち尽くしたりするとなおよかったかもしれない。まったく別な物語に成りかねないが。
そうだ。浩平の母がその宗教団体にいたのなら、もうひとつ山が作れたかもしれないなどと思う。
ともあれ、実に面白い解釈だった。
- 002 彼女の理 (採点:10)
- ううむ。お見事です。
文章技巧的にはいくつか粗が散見されるものの、そもそもこのテーマに取り組まれたことと、成し遂げたことこそを評価したい。
繭というキャラの描写はきっと難しかったことだろう。
外した時には批判すら浴びることを覚悟されていたかもしれない。
それでも真面目に、そして優しく書かれた作者には、拍手を送りたいと思います。
読ませて頂いて本当に良かった。
- 003 Fragment (採点:9)
- これまた面白い視点だが、統一した人称で書いてみて欲しかった気がする。
最終的には三人称しか有り得ないだろうが、あるいは一人称で書かれた、瑞佳が自ら消した記憶を掘り起こすような話であったなら、などと思わないでもない。
ミステリを書くような難しさがあるだろうが、その方が緊張感が持続できただろう。ちょっと七瀬に頼りすぎだ。
とはいえ面白かったわけで、枝葉の問題かもしれない。
- 004 いつか、その日の為に (採点:9)
- 爆走ハムスター萌え。でも奴なのか…。
みさおとみずかの使い方ですが、瑞佳シナリオだけが、みずか、なのだとどこかの解説サイトで読んだ記憶があります。その他は、おんなのこ、あのこ、としか表記されないとか何とか。本当だろうか。
まあ、枝葉末節ゆえ、どうでも良いことなんですが。
おおらかな世界観。そしてファンタジー。
優しさに包まれたなら、とはこういう事なのかもしれません。
しかし街中にいるのか、消えたひと。それはそれで厄介な代物だな。
- 005 マジカル☆ワードを唱えよう (採点:4)
- べたですな。
悪い訳じゃありませんが、これぐらいの中身であれば短編にまとめた方がいいでしょう。
場面場面にそれぞれ意味を持たせるべきです。まあ題材にやや難ありというところでしょうか。
- 006 すてるす同盟 (採点:9)
- こういう路地裏の隙間じみた解釈ってのは好みです。消えるまでのタイムラグなんて考えもしませんでしたが。
つまりは第二の瑞佳シナリオ、或いは第二の氷上シナリオ。セーフティネットか。
断片断片がこれほどまでに笑えるのは筆者の腕だろう。というかAHH氏以外の何ものにも出来ない作風ではある。
正直にいってラストの締めがやや厳しい。時間がなかったことを思わせる出来だ。
やっつけでもあったろうが、そう見せないのも腕か。賛否両方あるが、ううむ、どうするか。
あと題名について一言。
いままでのこんぺで、氏の命名センスははっきり言って頂けなかったが、今回はまだ良い部類かと。
ただ月姫の幻視同盟を思わせるのはどうかと思うが。
- 007 とある騎士の物語 (採点:1)
- 盲導犬を主役にしたのは結構ですが、相当に空回りしている。
しかもその描写たるや……ここまで無理解なのか、それとも知っててこれなのか、なんとも残念で仕方ありません。
悲しい。とても悲しい。
あなたの作品は二度と読みたくありません。
- 008 Search for (採点:2)
- 会話がぶっ飛んでるな。もしかしてギャグだったのだろうか。
題名では期待したんだけどな。もう少しそれぞれのキャラの性格を把握した方が良い。
猫を主役でつかうなら、かの有名映画のようにするほうがよかったかもな。ぽんぽこでも可としようか。
- 009 Replica (採点:9)
- これも胡蝶の夢か。
end.の部分に悪戯じみた作為を覚えるが、なんだろうね。
不幸系ではもう一作品あったわけだが、残念ながらこちらは一ランク落ちる。
悪いわけではない。ただ上がいたせいだ。先にこちらを読んでいれば印象も違ったかもしれない。
それとネタ被りの弊害かな。ONEという作品の性質上、仕方なかった部分ではあるが。
この作品で残念なのは氷上の占める割合が大きすぎたことだろう。
七瀬に指針するために彼の登場は仕方ないにしても、答えを正直に置きすぎたのではないだろうか。
違和感こそなかったものの七瀬が信ずるのが性急だったように思う。この場面について他の読者が気にならないのであれば筆者の誘導が巧くいっている証拠だ。だから私だけかもしれない。
ややツメの甘さは残るものの、良い作品でした。
- 010 NOISY SILENCE (採点:2)
- 物語の構成についてお勉強しましょう。
作者の脳内だけで話を完結させないで下さい。
ちゃんと文字にするか、それでなくとも意味を伝えられるようにして下さい。
比喩の使い方、伏線の埋め方、解答、すべてが中途半端。偶然だけで話を終わらせられたら困ってしまいます。
読みとろうという意欲を奪わないで下さい。
- 011 その果ての雨 (採点:2)
- ……質の悪いギャグですか。
色々と欲張りすぎて土台が崩れた感じですね。
- 012 曇り色の時間 (採点:10)
- いいね。
この世界観こそ、ふたりの作り出した世界だ。
そこには切ないほどの優しさがあるだけで悪意など必要ない。
おおいに共感する。作者も優しい人柄であるのだろう。
強いて云えば、ONEのシナリオとの融合問題だろうが、そんなもの些細なことだ。アフターだとでも思えばいい。
永遠との決別、浩平の独り立ち。その一パターンなのだから。
- 013 『夕日の少年』 (採点:10)
- なるほど、なるほど。良いお話でした。
きっと作者には独特な感性がありますね。恐ろしいほど強力な武器かと思います。
舞台の雰囲気が違う街っぽいですが、いずれ新興住宅地にでもなるんでしょう。長閑で良いかも。
夏っぽくはないけれどAIRのBGMなんか似合いそうです。もしくは…って、おそらく作者の中で決まってるメロディーがあるはずなので隠さず吐露して下さい。また洋楽ですか?
ああそれから作者に一言。
ぱんつを連想させる描写をさらりと(しかし強調するように)入れるのは如何かと。ぱんつ、ぱんつと連呼する読者が増えてしまいますよ?
- 014 風の辿り着く場所 −Eternal Happiness− (採点:4)
- KANON、家族計画、月姫、もしかしたら東鳩まで。
オリキャラに与えるパーソナリティを他作品から頂くのは正直どうか、と思わなくもない。なぜかあまり良い印象は受けなかった。異質すぎたゆえだろうか。
あと盲人盲人と連呼するのは如何か。こちらもあまり良い印象は受けない。言葉を偽れと言うのではないが様々な言い方というものもあると思うのだが。同じ表現を避けるのは短編中編では必須のことだろう。台詞についても然り。
誤字については他の方に任せるとして。
改行を多く使ったこの書式は読みにくさはないものの、文章の軽さを際だたせてしまっているようだ。
もう少し軽い話であったならこれでも良かっただろうが、人死にを扱うには、やや不向きな感が拭えない。
- 015 その手を離す、その日まで。 (採点:6)
- 友情物語か。
必ずあったであろうみさきと雪見の悩みを前面に出さなかったのが吉と出るか凶と出るか。
天の岩戸のようなお話は正直キツイかもしれなかったが、読んでみたかった気もする。無論、真っ正面から扱うには厳しすぎる主題ではあるのだが。
もう一歩踏み込んだ方が良かったかどうかは作者の物語感次第だろうか。
文章の質は悪くないものの、結果は厳しいかもしれない。
- 016 二人が刻む永遠 (採点:5)
- 色々言いたいことはあったんですが、
>『私の作品はね、私と雪ちゃん、二人の手で作り上げているんだよ』
この一文で救われた感じですね。ふたりの関係をこれほど端的に表せなかったら前半部分など非難していたかもしれません。良かったと思います。
なるべくなら雪見の心情描写をそのまま書くのではなく、動きのあるストーリーとして表現して欲しかった気がします。
構成も少々頂けなかったか。みさきが文学を志す伏線などが欲しかった気がする。その他、指摘するべき部分は多々あります。表現力もまだまだでしょう。
ですが物語の根幹を押さえるそのセンスは大事にして頂きたい。文章を書く上で必ず武器になりますから。
- 017 欲深な微睡 (採点:7)
- 微妙に破綻した物語。
ゆえに完成度は高くない。推敲不足な部分が散見される。誤字脱字もだが、文章としての体裁が妙なものも。最後の一文がそれを端的に現している。
ONEのストーリーをやや逸脱しているのは、たぶん作者の書きたかったネタとの融合が巧く昇華されていない所為だろう。こじつける理由を考える暇がなかった、というところだろうか。
どこかの短編小説からネタを頂いていると見た。女性小説家だろうか。
- 018 この世界は (採点:10)
ううむ。この詩子には萌えと言っておこう。激しく萌え。
見事な人物造形だ。生き生きとしていて、とても彼女らしい。――らしいと思わせられるところが凄い。
音楽を題材とした作品でこれは驚異的だ。
ただ、登場人物が多いせいか、誰の台詞か判りにくい部分もあった。
音楽及び関連知識の披露や詩子の性格もあって、解説する役が必要だったから仕方ないと言えば仕方ないのだが。
あと色々音楽の題名が出てくるがメロディーが思い浮かばない。これは私がクラシックをあまり知らないからだから仕方ない。聴いたことはあるのだろうが題名と結びつかないのだ。それでも読ませられる腕はお見事と言うしかない。
でもこの物語の核は浩平なのだろう。虐げられているけれどw
彼をしてしかこの話はあり得なかっただろうから。そしてやっぱり詩子がいい。最高だ。
脇役と化してしまった女の子達も魅力的で。茜がまた良い味を出していて。
是非ともグランプリをとってほしい。
しかし懐深いですね、成氏は。
- 019 トライ (採点:9)
- なるほど住井シナリオ。
絆とは、強い思いのことであるから必ずしも「愛」である必要はなかった、ですか。
なかなか面白い着眼点。二次創作とはこうでなければ。
文章は良質です。特に指摘することもない。
少々「……」が多いのが気になったが、たいしたことではないでしょう。
一点マイナスなのは、やや展開がご都合過ぎた気がするからです。先が読めますからね。
導入のインパクトにやや見合わなかった、ということで。
- 020 Requiebros(愛の言葉) (採点:10)
- 途中のお菓子の国あたりが少々浮いて見えたが、ラストが良かったので、これで。
瑞佳にとって大事なこと。彼女にとってもっとも大切なこと。そして彼女の本当の意味での意志。
それらがラストに詰まっている。
音楽を題材にした作品は他にもあったが、甲乙付けがたい。
ただ、やっぱりメロディーが浮かばないのだけれど。
クラシックには縁がないせいか。
- 021 夏ノ空ニ夢ハ初マリ (採点:10)
- ノスタルジックな装いがお見事ですね。
題名の意味がちょっとだけ不明な感じですが、流行の秋山テイストというやつでしょうか。
この作品を含めTOP10ぐらいまでの作品はすべて甲乙付けがたい。
「永遠」にも様々な解釈があって面白いもの。これは出会った頃の整合性に目を付けたと。なかなかのセンスでした。
「永遠への序曲」
これを題名にしてしまってはネタが割れると危惧したのでしょうね。説明としてはこれ以上ない言葉です。
世界の創造も良かった。個人的にはTOP3に入る出来ということで。
- 022 はやく昔になればいい (採点:10)
- 宮部みゆきか柴田よしきとか。
もう大好きだとしか言えないが。
茜の弱さを的確に見抜き、そして切なさや、その心の奥底に潜む愛を叫ぶものを巧く表現している。
それが彼女のエゴであることすら。だから切ない。やるせない。誰が悪いわけでもなかったから。
真綿で締められながら彼女は生きてきた。
底に潜むのは裏切られたという思い。でも本当は信じ切れなかった自分への不信。
彼女には消えた彼らのように逃げ場がなかった。ただ、それだけの違い、そして悲劇。切ないね。
TOP取って頂きたいが、無理なんだろうな。
でも読めて良かったです。
- 023 世界は終わり、或いは始まる。 (採点:10)
- 胡蝶の夢にコールドスリープ。そして語られる物語。
一応「夢」やら「現実」「過去」と銘打ってあるので読みやすいのはありがたい。
これは人気があるだろうな。こんぺで好まれる作品というものをちゃんと研究したのだろう。エンターテイメントとして徹底している。文章技術の使い方すら楽しませる為だけに使っている。内容の選び方も。
SFはあまり詳しくないが、人類を死滅させるほどの放射能汚染は百年程度で治まるのかな。
限定的核戦争では滅亡までは行かないだろう気もするので、全世界的規模の放射能汚染ですよね。
それとも付随した超温暖化の方だろうか。しかしそれだと東京は海の底の筈だしな。では核の冬とか。…色々考えるのも楽しい。
あと残されていた遺伝子は傷ついていなかったのだろうかという疑問もある。
まあクローン技術があるなら遺伝子の修復だって出来るのだろうけど。そんなレベルなのだろうし、可能性も低いって作中でも語られているから。
まあ些細な疑問はともかくとしてw
なんにしてもこのスケールの大きさは希有。
いくつもの終わりがみえて、でも続いていくのは優しき語り部ゆえか。
そして語り部すらいつか失われて、でも物語はなくならずに。どこかにそれは伝えられて。
読めてよかったと素直に思う。
これは創世記にでもなるのかな、なんて思ったのは秘密だ。
- 024 【呪いの唄】 (採点:9)
- ううむ。このトリックじみた構成は読者にどの程度、受け入れられるだろうか。
露骨なようで露骨でなかったり、曖昧なようで曖昧でない。技巧的ではあるが、シンプルでもある。
ダークさはやや影を潜めていて、読後の余韻に気を付けた格好だが、上位となるとどうか。
あと、叔母の設定が違うようだが、これは単なる勘違いか?
- 025 もういいよ (採点:6)
- 読み始めはどうかな、と斜め読みでしたが、みさおのくだりはよかったですね。
ご都合ではありますが悪くない。
もう少し導入部から期待を煽るような伏線を入れてくれていたなら、評価も上がったかもしれない。
描写に関してやや首を傾げる部分がある。
文の並びにしても同様に。体裁はちゃんと整えるべきだろう。
- 026 ダンスインザダーク (採点:5)
- いくつかの誤字がちょっと難解にしてくれた。
破綻気味か。さすがにこれは判らない。
捨てた男。
折原と口にしない。
「私」の呼称からして、みさきなのであろうが、最後の「浩平」が不明になってくる。
これはちょっと無理。
読み解くよりも他の作品に掛かる方がよさそうということで。
- 027 埋もれた夢に、あなたはいない (採点:10)
- お見事。
佐織SSでは過去を振り返っても第一級の出来。読めて良かった。
恋愛云々を絡めつつ、実は…という構成もお見事。
強いて云えば、モノローグはもう少し少なくても良いかも。
わずかながら読み飛ばしそうになる部分があった。まあ些細なことだが。
あと、浩平の帰還がやや淡々とし過ぎているきらいがあるが、ここは好きずきか。あっさり過ぎる浩平には笑ってしまったが。
それにしても今回は豊作だ。
- 028 歩いて帰ろう (採点:9)
- えいえんという世界はひとつしかないという解釈。なのに魅入られたのは浩平と司だけ?
氷上はどうしたのだろうは置いておくとして、みずかと司の接点はどこにあるのだろう?
話の中身は面白かった。裸の件は実にいい。みずかの慌てぶりが目に浮かぶよう。
ただ、帰還について司が残り、浩平だけが帰るという流れはどうだろう。司とみずかの接点が奈辺にあるかでかなり変わってくるのだが。
- 029 澪とみさきと長森と (採点:1)
- 帰れ。
- 030 『パラダイス☆銀河〜愛と絶望の小豆洗い〜』 (採点:6)
- 女王様な茜が良かった。意外性とはこういうものか。相当に違う気がするが。
>相手が突っ込んでくる勢いを利用してカウンター気味に肩からのタックルを決めようとするオレの考えを読んだのか相手は直前で地面を蹴りくるりと背中側に回りオレの首筋に手刀を叩き込もうとしたところを咄嗟に前方に体ごとダイブして回避。
…読者を窒息死させる気か。冒頭のミスだけで色々と大幅減。
面白いのは面白いのだが、わりと微妙だ。
- 031 空の在り処 (採点:6)
- みさきが雪見との喧嘩後、前を向こうとした切っ掛けはどこにあったのだろう。
澪を連れてくるまでに何があったのだろう。澪と触れあって、みさきは何を得たのだろう。
それぞれから受け取るものがみさきにはあったはずなのだが、雪見視点だけに少しだけ説明が足りなかったか。
うまくまとめてはいるが、ちと厳しい。もう一歩。
- 032 ALive (採点:3)
- 音楽を使った作品が他にもあったが、ジャズを使用したのはこれだけかな。
いろいろご都合が見え隠れしている点がどうにも。
書くべき部分と書かなくても良い部分の峻別をしたほうがいい。余計なことを書くとすぐに読み飛ばされる危険がある。そうなると折角の伏線すら気付かれないままだ。
三人称を書き慣れていないのか、文章自体書き慣れていないのか。
まだまだこれからだろう。
- 033 コイゴコロ (採点:7)
- 一寸、入り込めないものがあった。
ふたりの一人称という書き方は良い。このストーリーであれば間違いではない。
問題は詩子の心変わり(恋心への)が決定的になるエピソードがひとつ欲しかった。シーラカンスの場面だけではやや弱い気がする。あれは届かない浩平をイメージしたものだから、いえば浩平側からの拒絶に近い。
詩子の良いところは相手の領域にすっと入り込めることだろう。そんな彼女の特性を生かして、浩平を一瞬だけでも慌てさせられれば効果は増しただろうと思う。茜でもいい。
とまあ好き勝手なことを言うわけだが、正直、期待できる作者だと思う。
今後に期待したい。
- 034 莫逆の友の恋 (採点:9)
- 面白かった。
住井でもなく茜でもなく浩平ですら違う。なんといっても詩子が萌え。美味しいところを全部持っていきましたな。
このセンスに拍手。
最初の問題の回答…個人的にはとってもマズイ状況ですね。そのまま総合病院へ。……あ、風邪ですよ?
二番目の回答…死んでるわけですね…どうしろと? ちなみに一番。
- 035 夢を観た日 (採点:2)
- 比喩の使い方がもうどうしようもなく下手。というか意味をわかって使っているのか。
漢字の間違いに中途半端な改行、あったりなかったりする句読点。後半のはわざとだろうが。
ちゃんと推敲してから読ませて。
それからそれから。
- 036 たいせつなひと (採点:9)
- いや、こちらもいいな。
繭のお話ではネタ被ってるけど、問題ない。なにより短い言葉を効率よく配置しているから読みやすい。
視点がぶれないから読んでいて安心感がある。なかなかの良作。
- 037 虚構少女 (採点:3)
- 勿体ない。至極残念。
なんで二本ものストーリーを織り込もうとなど考えたのか。
七瀬にだけ焦点を当てていれば、こんなにもどっちつかずな物語にはならなかったのに。
題名もなかなか凝っていて期待したのだが…
- 038 廻り廻るAffection (採点:7)
- 最後が作文で終わらなければな、などと思ってしまうわけですが。
ふたりの選んだ選択については賛も非もないです。強いて云えばちょっとご都合だろうと思うぐらいですか。
取引も約束もなくて、ただ、生まれてくるならふたりの元へ。そう願いながら消えていくみさお。
なんて締め方だと泣けたかもしれないです。まあ、ありがちなんで、そのままだとなにか言ったでしょうが。
でもまあ、面白かったですよ。
魔法使いにはちょっと期待したんですけどね。
- 039 フリップフロップ (採点:8)
- 訊いてくれる?
これに惑わされるのだが…。本当に「訊」なのだろうか。「聞」ではなくて。
まるきり意味が反対になるだけに…。でもここだけ間違えるのも妙だからな。これでいいのか。どっちだろうか。
まあそれはさておき、幻惑気味な構成はそろそろマイナス要素にでもするかとか思ってしまう。こんぺでなければな、と思うのは本末転倒ではあるが。
「flip-flop」反転の物語なのは判るが、一見夢オチにすら思える。
まあ作者の意図としては胡蝶の夢じみた絵本のようなものなのだろうか。電源落としたら消えるのだろう。この世界さえも。
- 040 こんな愛の形も良いじゃない (採点:4)
- そろそろキンコンカンコンはやめませんかね。
擬音も書くものと書かないものを峻別すべきです。しかも必要でない限り書かない。お勧めしますが。
内容はまあ、普通かと。
ちょっと読み飛ばしかけました、と言うことで退屈さを強調しておきます。
惹き付けるものが欲しいですね。
- 041 Last Lovesong (採点:10)
- 同じ音楽ネタでもそれぞれ違っていて、なかなか楽しめる。この作品もいい話だった。
スト―リーとしてはまさに王道だ。
衒いもなく、考えさせることもない、本当のラブストーリー。
ウブなふたりを見ていると頬が緩んでしまった。
行頭あけだけでもしておいてくれれば読みやすかったかもしれない。残念としておこうか。
強いて云えば導入部。ここは浩平視点が良かった。ラストが浩平視点であるから、その方が収まりが良いと思う。
瑞佳で始まるなら瑞佳で。浩平で始まるなら浩平で終わらせる方が良い。参考までに。
- 042 オレとあいつと彼女の事情 (採点:10)
- 佐織SSと双璧を成しそうな南SSですね。
脇役メインではこういう話に持っていくのが王道なんでしょうか。
引き込まれる文体には驚異ですね。話に動きがあるのも良かった。良い仕事をしています。
やはり良いSSでは主人公以外にも味がないと駄目なんでしょう。
そう言う意味では出てくる佐織や住井が輝いています。特に佐織の存在感は抜きんでていた。
見事と言うことで。
ところで南森とは誰でしょう?
ONEにでてましたっけ。
- 043 夕焼け色のシンデレラ (採点:10)
- 相変わらずの奇妙な文章なのに、さまざまな言葉を重ねて読者を高みに運んでしまう技は一級品ですね。
しかし「人材」「ゴーレム」には違う言葉はなかったものか。まあ、たいしたことではないけれど。
なるべく指摘できるものは指摘するようにしているので、気付いた点などを。
まず物語の掴みがやや弱いか。モノローグの弊害だろうが、現状の把握がしづらい為、読者はややつらい。
「ここがどこかを知ってるけれども初めて来たような気がする」…なんて実に難しいね。せめて「初めて来たはずなのに、知ってる場所」とひっくり返した表現ならわかりやすいと思う。国語じゃないが。
まあ、作者がよく使う表現方法なのは知ってるからわざわざ言うまでもないことだが、一応ということで。
最近の連作を読むと、こういった言葉を使う傾向が強まっているのでやや危惧していた…という別の理由もあるが。
文半ばまで行かないと誰の一人語りか判らない、なんてことが、似た口調のキャラではよくあるので。
それにしても、ふたりのみさきをみて驚かない雪見や両親は如何なものか。面白いけど。
いっそ隠れた場所から知り合いを覗いていた、というシチュエーションでも良かったかもしれない。こそこそするふたりというのも可愛らしい気がするから。
で、色々ドジをするふたり。「わーっ! わーっ!」なんて慌てたりして。きっとチャップリンも笑ってくれるだろう。…シルクハットで彼しか思い浮かばないのは情けないのだが。たぶん違う俳優だろうな。
色々書いてますが、そのほとんどは些末なことで、物語自体の優しさは心地よいものでした。
良い感性、独特な作風、優しい視線。それらをなくすことなく今後も創作に励んで頂きたい。期待しています。
- 044 小さな幕間劇 (採点:7)
- 相原…?
ついでに、もう終わり…?
ラストで解説して欲しいとかではなくて、繋がりが判らない。
判断材料を片手分しかもらえなかったような物語。なんとなく理解できた「気」にされてしまう物語。
これはなんだろうね。みさきの伝えたかったこと、雪見の伝えたかったこと、しかも茜まで?
これは賛否両論だろうな。
- 045 永遠と瑞佳のあいだ (採点:9)
- 抱いて誤魔化すのは男の特権ですね。女はため息とともに許容するだけです。
浩平の弱さと瑞佳の弱さ、うまく描けています。作者はよく悪意を出さなかったですね。よほど自制したのでしょうか。
危うい綱渡りの関係。
角突き合わせれば喧嘩になるし、腫れ物を触らないようにすれば隔意を感じてしまう。ひとの心はそんなものですよね。だから面白い。楽しい。そして寂しい。
作中に人間くささがよく出ています。こういう観点からのお話もまた、いいものですね。
強いて云えば、作者の持ち味かと思えるこの文体。
わざとこうしているのか、もともとがこうなのか。ちょっと判断つきかねますが視点がややブレてる感じです。手ブレの激しいビデオ画面を見てしまったような印象がありました。
演出であることも考えられるのため、良いも悪いも言いかねますが、ちょっと気になったもので。
- 046 キャラメルのおまけ (採点:8)
- 悪くないんですが、他と比べるとどうしても見劣りしてしまうのが残念。
本来、みずかとみさおが同時に並び立つことはない世界だけに、このふたりについて差異を出そうとした試みは面白かった。
ただ、台詞やその他の表現がどうしても原作のそれを流用したようにしか見えなかったのが残念なところ。
崩壊する世界の描写は文句なく巧い。
ただ、作中の人物達、彼ら彼女らの生の声が聞きたかった。作為的ではない生の声。借りてきた台詞ではなく、彼女らが選んだ言葉たちを。
そんな風に思えた。
- 047 「わたしはあなたと歩きたい」 (採点:7)
- 題名は「Me, too」の方が、しっくりきたかも。
気になったのはお互いの時間的距離と、下宿の意味、院の意味、瑞佳は勤めているのかいないのか、とか、瑞佳の母親の不自然さとか、色々。
お話自体は素直なものです。
誤解するようなアクシデントもないし、妙なことを吹き込まれるわけでもない。
というわけで緊張感がやや足りなかったか。やや惜しいと言うことで。
- 048 待ち合わせ (採点:1)
- 時間軸とか。
いったいいつの物語なのだ。
浩平とみさきは同級生ででもあるのか。留年か? 雪見も一緒に。
さてそんなことより問題なのは、このキャラ、このテーマを持ってきて、この程度の物語しか書けなかったことだ。
この物語のなかで、最も気を付けて、なおかつ気を配らなければならなかったことを作者はきちんと理解しているか? していたか?
個人の考え方の違いという問題ではない。
ひとの考え方は多種多様であるから、ひとつの解釈を強制する気などさらさらない。相容れないものはどうしても相容れないし、私だって当事者ではないから真の意味での理解にはほど遠い。
ここで私が問題にしているのは、障害による様々なハンデを描いたその文章から透けて見えてくる作者の理解の無さ、というその一点だ。都合良くねじ曲げられてしまっている(そしてあからさまな)その描写の仕方だ。
みさきという個性だけを強調し、彼女と切り離し難いハンデを、健常者が深く考えもせずに書くとこうなるという典型を見せてくれた。
言葉を選ぶとか、そんな表面上での問題ではない。目が見えないという障害への理解度の低さだ。
この作品について他者がどう思うかは知らない。あるいは褒めるひともいるかもしれない。
だが私は失望した。そしてとても悲しかった。
- 049 雨音は誰が為の歌 (採点:5)
- ラストで転けました。
このオチは実に安易ですね。保険金を貰ったところまではまあまあでしたが…。
まず指摘しておくことは登場人物が多すぎること。
女性連では詩子以外はまったく必要ないです。こう言うところをばっさり切れるようになりましょう。
この作品で書くべきは「浩平の浩平による母への理解」だけで良いはずです。それ以外のことにまで手を出す必要はなかった。
最終的には浩平の視点一本で事足ります。茜に求めるべきことは浩平の不器用な優しさを受け入れること。ただ、それだけ。
シンを通るストーリーを複雑にしては駄目です。書きたいことはひとつに絞ること。その為の文章技術です。ひとつの物語(特に長編でもない限り)のなかにあれもこれもと放り込むのは感心しません。よほど巧ければ問題ないのですが。
作者の向上心を期待します。
- 050 セレナードで眠らせて (採点:7)
- これで本当に嫌な部分を書いてみて、なお愛していられる、だったら最高なんですが、そういうお話ではないから仕方ないか。
文章、描写ともに一定のレベルはクリアしています。
ただ今回のこんぺでは、少しばかりおとなしすぎたかもしれない。
それが悪いわけではないのですが。
せめて会話で楽しませて貰えたら、と望んでしまいます。
- 051 南西の風は瑞穂実る平原に (採点:4)
- 三人称、苦手ですか?
良く書けてるんですけどね。文章だけなら。
色々と気を配って、ずいぶんと推敲したんでしょう。懸命さは伝わります。
向上心溢れる作者であることを期待して言いますが、大きく問題点は三つ。小さいのはいくらでもありますが。
まず、描写文と説明文の違いを覚えること。
説明文とは「他に解釈のしようがない文」であり、描写文とは「文脈から読者に想像させる文」となる。
あなたの作品では説明文が多すぎ、読者が文脈から読みとった認識とのズレが発生している。なんでも書けばいいというものではない。同様の意味で文章の刈り込みも行うこと。
もうひとつは無駄な会話を省くこと。
あなたの作品では余計な会話が多すぎる。しかもそこにリアリティも欠けている。
瑞佳と詩子のやり取りなどはその最たるものだろう。普通、ああいう聞き方をされて、あそこまで断定的な受け答えはしない。
それと誰が主役なのか判らない。
瑞佳で始まったのなら、多くは瑞佳視点であるべきだ。
あなたの作品は三人称においてもっとも悪い使い方の部類に入る。
ストーリーテリング、その他については勉強し書き慣れてもらうほかない。
- 052 未来の二人に (採点:7)
- なるほど雪見とはこういう奴だったのか、なんて納得してみたりするが。
ただ、いーこ先生というキャラクターについては疑問符を打ちたい。
中学生時分というのは大人の不公平さと裏表を極端に嫌う世代だと私は考えている。だから小学生か高校生ならばこれでも良かったかもしれない。なのに彼女には裏表があって気の合う子供だけにおもねているという印象がある。煙草に酒、他の教師がいる場合といない場合の態度の違い、などがそうだ。であれば、この作品における雪見の性格だと嫌うタイプではないだろうか。
もしそうではないと言うならば言葉だけでなく場面を見せて欲しかった。現状ではなんとも都合良く作り上げられた感じが拭えない。皮肉屋だけではないエピソード。彼女が自分の生き方を他者に誇るような、雪見に見せられるような、そんな場面があったならと思う。
まあ私だけかもしれないが。
ということで物語的にも作為が多く感じられてしまった。
あるいは語らせ過ぎかも。
あと読み手に投げかけるような皮肉には苦笑させられた。
作者にそのつもりがあったのかないのかは不明なのだけれど。
私は読み専門ではないから多少は納得いくものの当然、反論もまたあるだろうな。
○あひる さん
- 043 夕焼け色のシンデレラ (採点:10)
- お見事です。強烈な永遠否定、そしてシンデレラのように限りある時間でも、限りあるとわかっていながらも確かに生きていくことの辛さ、難しさ、そして素晴らしさ。
ONEの根本テーマを扱いながら、オリジナリティあふれる題材と物語としての完成度。
儚いようでいて強い、そんなお話でした。
○かや さん
- 001 エターナリズム (採点:2)
- 現実としてエターナルを作り出したという発想は良い・・・のかもしれませんが、すみません、個人的にちょっと抵抗がありました。
- 002 彼女の理 (採点:10)
- すごいです。
正直、繭のssでこれだけのものを見たのは初めてのような気がします。展開的にはそう新しいものではない、繭の自立、みあのこと、みあがしてくれたこと。それは、決して独創的なものではないのですが。
最後の最後まで、話がずれることもなく、ただ綺麗に展開していき、そして繭の新しく受け入れた公式、それに集約していく、小説として構成がすごく良いと思うのです。
”せかいはてきだらけだ”
そう思っていた繭の心に変化を与えた人。
与えたのにいなくなってしまった人。だけどその人の言葉を忘れないで勇気を出して学校に通っていた繭。
そしてそれでも折れてしまいそうになる繭を助けてくれた真漢(しんのとも)
男子たちに啖呵を切るみあがすごく印象に残り・・・そして爽快でした。もう、これは私にとっては永久保存としておきますです。
- 003 Fragment (採点:6)
- 良かったです〜。
中盤くらいでうわあ、そんなのあんまりですよぅ・・・、と思い、読むのがつらくなっちゃいましたけど(笑
その後から七瀬の七瀬らしい、励まし方がそれまでの暗い雰囲気を救ってくれましたね。瑞佳側に永遠に旅立ちかねない悲劇を用意することで、本編とは違う過程を作り、そして最後にハッピーエンドに至ったのが読んでて嬉しかったですね。欲を言えば、浩平の影が薄すぎるなあ、ということですが。主題となるであろう。七瀬、沙織、真紀の女の友情、みたいなものも良かったですよー。
- 004 いつか、その日の為に (採点:5)
- ギャグで通すか、シリアスにするか、どちらかにしたほうがよかったのでは?、と思われます。
七瀬や長森の各キャラ描写は見事です、浩平のあの変さをつかんでいるようなのはうらやましい限りでが。
だからこそ、むしろギャグで通したほうが良かったようです。シリアス部分はなんだかとってつけたような感じがしてしまいまして、それが残念だったと思います。
- 005 マジカル☆ワードを唱えよう (採点:9)
- うあ・・・
さっき10点つけたssありましたが、次に読んだssがこれですか・・・
すばらしいの一言です。初めの一瞬ひいてしまいそうになるマジカル澪がこれほど見事にラストで結実するとは・・・。
部員たちのこの劇を採用した経緯にはかなり笑えましたし。
澪が浩平がいなくなったあとも一生懸命生きていたのが伝わってきます。ええ、本当に何の問題もないですよ、これは。
声にならない、だけど大きな、大きな澪の声。
その声が、世界でただ一人、澪が届けたいと思った人に伝わった、そのことをなんて素直によかったと言えるくらいに自然に書けているところなんか、私は絶対書けねえ、とか思うくらいですし(泣
”幸せになれるのだ、最後には”
その言葉どおりの展開が、なんとも良かったですねー
- 006 すてるす同盟 (採点:7)
- 極めて笑わせてくれました(笑)
ここまで壊すとむしろ爽快、という見本のようなssでしょう。通常、中途半端に壊すと反感買いかねませんが、そのあたり突っ切ってます。人によるかとは思いますが。
「あ、起きたなコイツめ」
この台詞はいろいろと確かに問題が(笑)
まあ、そういう要素もひっくるめてギャグとして受け取れるのがいいですねー
最後のほうが、むしろシュンから逃げるのをもっとメインにした方がオチ的にはよかったのではないかなあ、とかは思いつつ。
- 007 とある騎士の物語 (採点:5)
- 楽しい発想ですよね。もう一人のナイト、ということでのノエル視点の物語。
ただ一ついえることはおねでやる必要性があるかなあ、と(汗
主役がノエルですしね。でも、最後のハッピーエンドは良いですよー
- 008 Search for (採点:5)
- いろいろと伏線がありそうな感じですが。
最後に自ら書かれているようですが、浩平に惹かれたわけ、それが作中では刷り込みと牛乳をもらったことだけ、というのが残念かなあ、と思いました。
みさき先輩との七瀬の受け答えや永遠から戻ってくるかどうかの黒猫の説明などはいいなあ、と感じます。
中盤まで誰なのかな、誰なのかな、と考えさせられたのは楽しかったですよー♪
- 009 Replica (採点:2)
- お話としてはよく書き込まれてますねー。
別にダークが嫌いというわけではないんですが、なんかこう・・・消化不良もはなはだしいという感じを受けました。
- 010 NOISY SILENCE (採点:4)
- 読解力不足なんですかねー。
沙織が元気一杯で、茜に詩子への憤りとかが共感できて、7割がたまではかなり楽しんで読ませていただいていたのですが。
最後の展開はいまいちよくわかりません。もしかしたらわかりたくないのかも、とか思うのですが。
と、いうことで、今回の点はかなり個人的に、ということになるのでしょうね・・・(汗
- 011 その果ての雨 (採点:2)
- 書きたいものが何か見えません・・・。幸せな姿を書きたかったのか、違うのか。
普通とは違うお話を書きたいのだろうなあ、とは思うのですが、このあたりは読み手の好みなのかもしれませんね・・・・
- 012 曇り色の時間 (採点:6)
- 未来の浩平に、その言葉で、お話の全容がわかったような気がするのは気のせいかもですが(汗
こういうお話もあるんだなあ、と発想の転換というべきか、そんなことに感心したりさせていただきました。
- 013 『夕日の少年』 (採点:5)
- 未来を暗示するかのように、この二人の前に現れた少年、本編で、詩子は詩子なりに、忘れてはいても茜のために。雪見も同じように。そのことなのでしょうね。詩子の好奇心いっぱいの姿勢が楽しかった前半部分、山羊と羊、そしてまるで詩子たち3人の関係のようなお話そのあたりも考えさせられながら読めましたねー。
- 014 風の辿り着く場所 −Eternal Happiness− (採点:2)
- ネタの出所が、別作品からのもの、そうだろうなあ、と思うものがいくつかありましたが、いいのかなあ、と思いましたが、それは楽しいからかまいませんが、
正直、ダークは好きじゃないので厳しく点数出しちゃうところもありますが、それを踏まえても、最後が迷走していませんか?
むしろ、あのままダークで通したほうがわかりやすくまとまった気も。中途半端に何事もやるものではないなあ、といわざるを得ないような。
一言で言えば、最後がこじつけにしか思えません。
- 015 その手を離す、その日まで。 (採点:9)
- あの事故からみさき先輩がどう立ち直ったか、雪見が何をしてくれていたか、とうお話ですね。してくれた、という言い方がいかの語弊があるか、ということがよくわかるお話だと思います。
終わりの会話が二人の関係をよく表していて、そして明るい未来だけを指し示すようなラストの雰囲気が好きです。好きなss、ということでは私的にはコンペ作品でも1、2位を争うかもしれません。
- 016 二人が刻む永遠 (採点:8)
- いつまでもこうあってほしい、そんなえいえんとは別に永遠であって欲しい二人の関係を余暇瀬手頂きました。障害者は同情されるのが一番嫌うものであり、だけど同情される自分というものを悲しいほどによくわかっている、ということが、雪見との会話で現れていて、少し悲しくなりました。普通に扱ってほしい、というささやかな願いもだけど、負担をかけているのではないかと思うみさきの優しさとその現実の辛さが。
だからこそ、こういった形で二人の二人三脚の仕事が成立していくということが良かったです。
若干、作家としての成功シーンがはしょりすぎているんじゃないかなあ、とか冒頭、中盤あたりに伏線があればもっといいんじゃないかなあ、とは思いましたが、お話の雰囲気は暖かくて好きですー。
- 017 欲深な微睡 (採点:4)
- 悪くは無い作品です。おねssでなければ。
ミルクのエピソード、失踪した母親との再会、二人の結婚、でも変わらない関係、由起子さんの死。
「泣くことを忘れてしまった子供。泣くことができない子供は、心を捻じ曲げてしまうという。浩平は、泣ける場所がなかったのだ。ずっと」
小説としては良いとは思うのですが。
でも、なんだか趣旨が違うなあ、という気がします。すごく失礼なことを言ってるかもですが。
おねとして、おねらしく書いてくれれば良かったのに、と思ってしまいました。
- 018 この世界は (採点:9)
- 詩子さんとか浩平とか茜とか、一人一人の受け答えが楽しいssでした。ピアノに関する知識など、物語の裏づけになるものがしっかりしていて、そのことにまず感嘆しました。
「辛くない訳でも苦しくない訳でもないんです。でも前向きでいられるんです。辛いことの中で、苦しみを数え上げるんじゃなくて、楽しいことを見つけ出すような子です」
なんと言うか、この台詞が自然に現れたところで、すごいと思いました。全体的にはシリアスということですが、ほのぼので、楽しくて、というところが私的にお気に入りです。
- 019 トライ (採点:10)
- あの告白劇の裏事情がこういうことになっていたとは!、と思いましたねー。住井のなんだかんだ言っても友情を大切にしているところが全編で強調されていましたし、悪友、親友、戦友、このキーワードがぴったりの内容です。氷上との関係も印象的でしたし、すごく完成されているssだなあ、と思うことしきりです
- 021 夏ノ空ニ夢ハ初マリ (採点:6)
- 中学時代の瑞佳と浩平の関係、それは多分こんな風だったんでしょうねー。思春期を迎えて一番近くにいた女の子、それなりに意識していたんだろうなあ、と思います。
そして、永遠との接点。
夢か幻かはわかりませんが、そこで少なくとも瑞佳を救ってくれたことにほっとしました〜。
二人の距離を縮めることにはならなくても、二人の距離を保つ一つの出来事、小さな、小さな事件ということで。
こんなエピソードも良いなあ、と思いました〜。
- 022 はやく昔になればいい (採点:6)
- 一つのアフターとして、こういう答えもありだろうなあ、と感じました。
設定それ自体は心理的にかなり抵抗がありますが、きちんとキャラクターに肉付けがされており、茜の弱さと、それに相対する他社への求めの強さが、そしてそうなってしまったことへの過程がわかり、納得させられるものがありました。
渡辺さんの不倫あたりが、結局、茜の弱さによって実現してしまったくだりは、一回りも上の人間を、そんな人を相手にしてしまうような茜の状況の酷さを語っているようで、伏線をはっていたのかな、と思い、見事だと思いました。
まあ、初めから不倫しているあたり、しかも愛情ではなく依存を目的としているあたり、どこかすでに茜が狂っているようなので不幸極まっていますが(汗
おねでなければこういうお話は好きなので、点数の割には感想に気合が入ってしまうのが困りものですね−(お
- 023 世界は終わり、或いは始まる。 (採点:2)
- 一つの永遠の解釈ですねえ・・・
- 024 【呪いの唄】 (採点:1)
- ・・・・・まあ、確信犯なんでしょうねえ
- 025 もういいよ (採点:8)
- 序盤の方か中盤にかけての一人称が少し不自然だったこと、一箇所、七瀬と広瀬を間違えているところ、留美が物分り良すぎないかなあ、と思ったこと、位ですね、気になったのは。
かくれんぼのくだり、真紀の心情、などは心底うまいなあ、とうらやましくなりましたが(泣)
もうちょっと波乱があってもいいんじゃないかなあ、と思い、この長さで終わってしまったのが残念な作品です。
- 026 ダンスインザダーク (採点:6)
- 好みのお話ではない・・・ですが、こいうお話自体は好きなのですねー(汗
そして、みさき先輩が目が直るということはこういうことなのかも、と少し納得してしまうのも事実なのです。とはいえ、最後の結末はあんまりですが。うぐぅ・・・話としては良くても・・・ねえ・・・(泣
- 027 埋もれた夢に、あなたはいない (採点:8)
- 基本はCDドラマだと思うのですが、沙織や住井の行動は。
沙織の行動とその裏にあった過去の傷と瑞佳への嫉妬。
心の内面に踏み込んだ描写を、それもヒロイン以外の人間を一から構築するという手腕はうらやましい限りです。
シリアス一辺倒だけじゃなく、沙織のキャラが時折妙に笑える反応するとこが楽しかったですー♪
- 028 歩いて帰ろう (採点:7)
- 消化不良ととるか、これをハッピーエンドととるかによって点数は変わってくるだろうなあ、と思いますが、やはりみずか、のことを考えるとここで終わってしまうのは何か物足りない気がします。
、司の最後の伝言というものをきっと一番書きたかったのだろうなあ、と思い、その意味ではきっとお話をきちんと終えているのだろうなあ、とは思うのですが、やはりもう少しお話が欲しかったところです。
- 029 澪とみさきと長森と (採点:5)
- ほのぼのとしていて好感の持てるssですー。ただほのぼのしすぎて話しに起伏が無いのが残念ですが。
会話とか文体とかは上手なんですが、きっと初めに特に主題を決めずに書き始められたのかなあ、と感じ、それがかなり残念です。澪と先輩はもちろん、浩平と瑞佳もすごくいい味だしているんですけどねえ・・・
- 030 『パラダイス☆銀河〜愛と絶望の小豆洗い〜』 (採点:7)
- 最後の終わり方が淡白だなあ、とは思いましたが(汗
一定のギャグのテンションを保って最後まで通したのは良かったです。あえて言うならあまり盛り上がり部分が無かった感じもしたりするのですが、おねを知っていればそれだけで笑えるシーンが多かったので非常に楽しく読めました。茜の関係は本当に♪
- 031 空の在り処 (採点:10)
- たとえ浩平がいなくなっても、みさきには雪見がいる。
鳥のたとえ話が軸となり、最後の彼女の台詞につながる筋書きは見事です。
雪見や澪の存在がどれだけみさき先輩に勇気をくれたか、それがよくわかり、嬉しくなってきてしまうssでした。みsかい先輩の独白、そしてきっと一人で外に出ようとしていたみさき先輩、その勇気をくれたのは雪見で、そしてその雪見歩き出す新しい世界への一歩。
それがこのうえもない幸せへの道につながることを暗示しているような気がして。
本当に読んでよかったと思えるssでした。幸せ系ということもあるのでしょうが、それにしてもすばらしい作品です。
- 032 ALive (採点:9)
- ssというものを読んでいると、良し悪しはともかく、必ず本編の作品にとらわれているものですが、それがなければssではないとも言えるのですが。
この作品は元がおねではあるのですが、完全に物語が独立している、ということで、楽しんで読めました。起承転結がしっかりしているのですね、音楽の描写とか展開がある程度読めてしまうという難もあるのですが、自分の世界というものを作り出していることに素直にすごいと思いました。
- 033 コイゴコロ (採点:9)
- 詩子のどこまでも前向きな姿勢と、素直に自分の気持ちを話す強さ、茜の失うことへの恐怖と、愛されているという確かな自信、そんなものが実に二人らしくて楽しく、そしてわくわくして読ませていただきましたー。
雨の中、自然に浩平が選ぶシーン、そして詩子が素直に茜に気持ちを打ち明けるシーン。
展開次第ではどこまでも辛く、悲しいお話になりうるのに、そちらを選ぶことなく明るい作品に仕上げているのがすばらしかったですねー。
- 034 莫逆の友の恋 (採点:8)
- 最後が・・・残念でした。もちょっと二人の距離が近づくなら近づくで書き込んでほしいなあ、とか思っちゃいまして。住井と浩平の掛け合いは文句無く面白くて二人らしさがでていて読むのが楽しかったです。豆腐の〜〜、のくだりなぞ爆笑してました。序盤とそれ以降の文体がかなり違っているのが気になりました。序盤以降の文体はある小説に似ているなあ、とも思いましたが、かなり好きです。統一したほうがいいかもなあ、と思うのは完全に私情だとは思うのですが。
茜の策士振りが印象に残りましたー。
- 036 たいせつなひと (採点:7)
- いいお話ですー。繭がからむと難しいだろうなあ、と思い書いたことはないのですが、繭にとっての一年間、強さをくれた人、そしてその強さが繭を取り囲む人たちに確実にわかるくらいに繭自身が強くなっていることが伝わり、良いお話でした−。
強さが絆に変わり、そして強くあり続けた繭だからこそ、起きた再会。
本編のラストを髣髴とさせる展開で印象的でしたー。
- 037 虚構少女 (採点:8)
- 主題が二つ、留美の事と浩平の事。この場合、留美の事が主題だとしても。
戻らないとき、選ぶということ、それが共通しているのだと感じました。けど、浩平が消えると言うことを入れてしまったために返って全体の趣旨を薄めてしまったような感じがします。ここまで書いたのなら、浩平が戻ってくるところまで書いてくれればいいのに、と思いましたし、むしろ留美のことだけに絞ってくれたほうが良かったのではないかなあと思います。
オリキャラ二人の対照的な性格は好感が持てました。
慶子が切れたところ、それを悔やむまっすぐな姿勢。
桜の自然に何もかも受け入れる姿勢、だけど、本音を出さず、しかも現実以外には夢も希望も持たず、それでもどこか優しい彼女。
私の勝手な意見で申し訳ないのですが、この二人との関係に絞り、その上で物語がきちんと終わっていれば、私的に9点か10点をつけたと思います。
乙女に憧れ続ける留美、その姿に心うたれたのは事実で、すごくもったいないssだなあ、と感じました。作家さんの文章構成力がとんでもないなあ、と思ったからで、その意図はともかく、いろいろと読んで残念に思いました。
- 039 フリップフロップ (採点:7)
- 深いお話ですねー。
フリップフロップ回路について書いて下さっていたのでわかるような、でもわからないような、ですが。
お母さんのくだりとか普通のssとしてもすごく良いものだと思います。
つくりごとだけど偽りではない、それは柔らかな思い出とも、記憶ともなる可能性がある、そんな風に受け止めましたけど、どうなんでしょう?
- 042 オレとあいつと彼女の事情 (採点:6)
- 王道です。
ですが、それを綺麗にまとめているのが素直にいいなあ、と感じました。
振られるだろうなあ、と予想できているのに、わかっているのにがんばってしまう南と、それを黙って見つめているだろう沙織の姿を思い浮かべると、お話に魅せられていることが実感できます。
ただし、あまりにも展開が王道だった、ということはやはり気になる点ではありますが。
- 043 夕焼け色のシンデレラ (採点:9)
- みさき先輩の強さが伝わってくるお話でしたー。永遠の世界に行くことも無く、逆に自分が幸せだって、いうことを、あの頃に負けないくらい、かつて望んだ幸せよりもなお幸せだってことを証明するかのようにみゆきをこちらの世界に呼んでしまう彼女の強さが印象的でした。
- 044 小さな幕間劇 (採点:2)
- わからないとはっきり言います。
意図していることが抽象的過ぎて、読み手のことをあまり考えていない作品です。きっとそれでかまわないという意図があるのでしょうけれど、それゆえに感想が書けません・・・
- 045 永遠と瑞佳のあいだ (採点:7)
- 哲学的なお話でした・・・
変わってしまった瑞佳、だけど変わっていない瑞佳、そして困ったもんだの浩平くん。
何も書いてはいませんが、完全にギャグですね。18禁みたいですが、そこまでではなく、単純にギャグとして書かれているので楽しかったですー。
まあ、強いて言えば、読者としてもっとも共感できたのは住井くんでしょう。
そう、いちゃいちゃするのも勝手にしてくれ、と(笑)
- 046 キャラメルのおまけ (採点:4)
- おねの永遠の名シーンをつなげただけのような感じですね。
構想や考え自体はすごく深いところにあると思われ、永遠の世界というもののオリジナルな描写も斬新ですが。
私の理解力不足からか・・・それで、どうしてこういうエピローグにつながるかがわからなかったです。
もっともっと深く読んで意図がわかれば印象もかわるのかもしれないですが。
ssとして、わかりにくいもの、というのはどうかと思いました。
- 047 「わたしはあなたと歩きたい」 (採点:9)
- 読んでると恥ずかしくなってくる、そんなお話ですねえ(笑
留美が既婚というのにも衝撃を受けましたが、彼女の話がラストに結びついていて、このお話が瑞佳にとって本当に思い出に残る大切なことになったということがわかり、良かったですー
指輪本体ではなく領収書が一枚の紙切れが一生の思い出、それも素敵な話ですよね。
当初、不安にさせた分、それに見合うだけの幸せをくれる、そんなssは私はやはり好きなんだなあ、と考えさせてくれたお話です(笑)
- 049 雨音は誰が為の歌 (採点:7)
- ”幸せな家庭を作る義務と権利がある”という言葉が心の残りましたー。最後に囃されるのはお約束ですが、このプロポーズに至るまでの浩平の気持ちが伝わってくるというものです。
この家を買って、つかさ、という名前をつける、という結論への過程がよくわからないということは私の私的な感想かもしれませんが、ここだけちょっと気になりましたが。
ですが、やはりハッピーエンドはいいですねー
- 050 セレナードで眠らせて (採点:7)
- 新婚初夜の初々しさがうまく書き出されているなあ、と感心しきりです。目をつぶらせて茜のとった行動なんか、予想していた行動よりもさらにさらに恥ずかしいほどに恥ずかしくなってしまいましたよ(笑
二人互いを選んだ理由。浩平が語った言葉。二人の絆を実感させてくれたのが印象的でした。
- 051 南西の風は瑞穂実る平原に (採点:7)
- 南って、実は人気があるのかなあ、と思ってみたり(笑)
おねのキーとなるヒロインといえば、やはり茜と瑞佳ではないかなあ、と思っていますが、その二人の関係が微妙なもので読んでて緊張しましたねー。愛されていた瑞佳と親愛以上ではなかった茜、二人が同じように待ち続けていれば、当然その違いにも気が付きますねえ。瑞佳が壊れてしまう様をもう一人の自分としてみてしまう茜の悲しさは衝撃的でした。
個人的には浩平以外の男とくっついてしまうこのお話が良いものだったことが悔しいといったとこですねー(笑)
- 052 未来の二人に (採点:8)
- 雪見というキャラクターへの味付けが良かったですー。
みさき先輩が本当に望んでいるのは普通の対応で、本来普通、とはいえないみさき先輩には望めないもの、またしかし、担任教師の行いもまた正しいことなんだろう、とわかっている雪見の姿が好ましく思いました。いーこさんの存在もありますが、主題がみさき先輩との関係に絞ってあること、エピローグへのつながりが自然でまったく無理が無いこと、がすごいと感じました。
○しぐるど さん
- 001 エターナリズム (採点:7)
- これはもうアイディア勝ち。こういうの大好きです。私も書きたい。
あとは表現に力があれば10点あげても良かったんですが。
特に司が死ぬシーンはもっと頑張って欲しかったところ。
- 002 彼女の理 (採点:10)
- なんだかんだ言ってハッピーエンドが好きです。
いや、もう読み終えたときに嬉しくて仕方ありませんでした。良かったなぁ、繭。
素晴らしい読後感を与えてくれたことに感謝して。
- 005 マジカル☆ワードを唱えよう (採点:2)
- 最後の最後で一点減点です。何の捻りもなく投げっぱなしの終わり方は、ちょっと。
- 007 とある騎士の物語 (採点:1)
- 「『K』かよっ!」っと夜中に思わず叫んでしまいました。別にそれはいいんですけど、歌詞のあらすじだけ使われても……。ちゃんと表現してください。
全般的に適当さを感じました。盲導犬について、犬の習性についていい加減すぎます。
「ノエル」というのは女の子につける名前です。意味的にも、響き的にも。
わざわざ本編を再構成したのは「二人の子供に思い出の名前をつける」という(ありがちな)展開を書きたかったからなのでしょうが、ならわざわざ本編の設定を完全に無視してまで盲導犬を出す意味はないでしょう。
ONEは消えるまでの間に描写されていない隙間がかなり多くあるのですから、そこで本編と矛盾しない範囲内で何か作れたはずです。
- 009 Replica (採点:5)
- 主人公である七瀬に共感できず感情移入できないのと、浩平のキャラに違和感を感じるのが痛い。
あとこの世界が浩平の精神世界であるということの説得力も弱いように感じる。氷上の口から簡単に説明させただけだからか。
終わり方もなんだか中途半端。
- 010 NOISY SILENCE (採点:3)
- 物語として未完成。
結局佐織や茜はどうなったのか。本当に単なる偶然だったのか。記憶を失った状態とはいえ、なぜ浩平は帰ってきたのか。
……って、少年Aって浩平ですよね? でないと由起子さんに引き取られて瑞佳に世話される意味がないし。
明らかに前半部分の方が描写が濃いこと、伏線も回収できていないことから見ても、時間切れでしょうか。
次回作に期待。
- 013 『夕日の少年』 (採点:6)
- 終わり方は良かったです。
城に住む3人の少年少女の話はあまり面白くなかったかも。
英題もイマイチ。
- 017 欲深な微睡 (採点:8)
- 再読してみて大幅に評価アップ。
浩平の性格が違うこととか、瑞佳が確かに処女であったこととか、そういうのは些細なことなのかなと思えてしまいました。
何故なら、これは確かにあり得たかもしれないifだから。根っこの部分は紛れもなくONE。
- 018 この世界は (採点:7)
- 「もの好きだな」
「そうかもしれないね」
ここのセンスは凄いなぁと。ちょっと、真似できないかも。
- 019 トライ (採点:5)
- 着眼点は面白いのにもったいない、という印象。
展開が早過ぎるせいでしょう。友人を裏切るかどうかの葛藤とか、もっと書き込めるはず。
あとは情景描写ももう少しほしいところ。
容量的に厳しそうではあるんですが、そこは重要でないシーンを削ることでどうにかしてほしかったです。
- 025 もういいよ (採点:4)
- 展開は唐突だし、文章は水準以下だし、広瀬のキャラ造形は浅いし。
でも伝えたいことはこれ以上ないほどに伝わってきましたし、それに最後の一行が良かったのでこの点数。
- 026 ダンスインザダーク (採点:4)
- 安直。
浩平がみさきを捨てた理由というのもありきたりだし、そもそも浩平というキャラはそういうことをしない。
『瑞佳』が実はみさきである、ということを匂わせるような描写も一つぐらいは欲しいところ。
でも結局浩平を殺せずにまたストーキングを繰り返す、というラストは良い感じでした。
- 027 埋もれた夢に、あなたはいない (採点:4)
- やりたかったことはわかるんですけど、どうも失敗している感じ。
佐織の姉が出てくるのがやはり唐突に過ぎるかと。
あとは地の文が大仰な言葉に振り回されてしまっており、イメージが浮かばないのも問題。
- 031 空の在り処 (採点:9)
- SSのお手本みたいにきっちり、完璧にまとまってます。お見事。
技術的には本当に何の文句のつけようもないんじゃないでしょうか。
健気な澪には目頭が熱くなりましたし(笑)
ただ布団の中でのみさきの独白が、どうも私にはいまいち響かなかったので9点どまり。
- 033 コイゴコロ (採点:9)
- 「ごきげんよう」「ごきげんよう」さわやかな(以下略)
……いや、1巻しか読んでないですけどー。
詩子と茜のキャラ造形がお見事。特に茜の不安感はよく伝わってきました。
爽やかなラストも好印象。
- 036 たいせつなひと (採点:8)
- いい話なんだけど、いい話なんだけど……物足りないーっ。
- 037 虚構少女 (採点:9)
- あー、なんか好きです、この作品。作者の方とは考え方が似ていそう。
キャラとしては個人的には桜が好み。自分に一番似ているので。
どのキャラにも必要な役割があって不可欠。各キャラの立ち位置がしっかりしているため混乱もなく読みやすかったです。
ストーリーの流れも良く、ちゃんとゴールを見定めてプロットを組んでいたことをうかがわせます。
終わり方も未来を感じさせてグッド。良作でした。
- 039 フリップフロップ (採点:7)
- 「キノの旅」と見せかけつつ、構造的には「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」。
けして目新しいわけではないですけど、狙いとしては面白い。再構成というキーワードはONEの世界観に実によく合っています。
テキストのリズムも良く、読んでいて気分が良かったです。
ただ、世界Cにおける浩平の母親に対するコンプレックスがいまいち感じ取れなかったせいで、盛り上がりに欠けていたように感じられました。
あと、最後の最後で「訊いてくれる?」はちょっと。流石に締めで誤字は勘弁してください。
- 047 「わたしはあなたと歩きたい」 (採点:6)
- ラブストーリーとしては割と良い出来だとは思うし、こういうの好きでもあるんですが。
どーしてもキャラに違和感が。
- 048 待ち合わせ (採点:6)
- ピンポイントで出てくるですます調がとても効果的。
あと、先輩の目が見えずに苦労している描写を端折らずにちゃんと書いているのも好印象。
誤字脱字が多めなのはマイナスです。
○すずめつめ さん
- 001 エターナリズム (採点:6)
- バトル系のアンチユートピア。これは、読んでいて楽しかった。
>「32番とガキはどうした!?」
> 普段は「代表」と呼んでいる少女を執行部の連中が本来どういうふうに思っているかが容易に知れる。
のあたりは、お約束ですね。いいですなあ。
終わり方も、私の大好きな終わり方でした。SFっぽい感じ。
ただ、直前の盛り上がり、
私、城島司に愛着なかったんで、氏んだら氏んだでいいや、とつい思ってしまいました。
- 002 彼女の理 (採点:7)
- 現実的すぎず、空想的すぎず、といった感じで、バランスがよいです。
敵か味方か、世界を二分してしまう価値観は、将来ちょっと悲しいかな…。
- 003 Fragment (採点:4)
- 情緒不安定な物語。ちょっと好き。ちょっと嫌い。
- 004 いつか、その日の為に (採点:5)
- 激しく動揺しました。
- 005 マジカル☆ワードを唱えよう (採点:5)
- 魔法少女もの、いいですねえ。
歌詞は枯堂夏子っぽかったら、もっと良かった!(そういう問題じゃないか)。
- 006 すてるす同盟 (採点:8)
- その頃、忘れられたみずかは激怒していた――
「無差別羊爆弾、降らせてやるんだから」
- 007 とある騎士の物語 (採点:10)
- 愛敬があって、勇ましく、みさき想いの立派な騎士でした。
私も、忘れません。
- 008 Search for (採点:5)
- 物語の語られ方が現在進行形のような完了形のような―
キャラキャラが、それぞれのタイミングで何をどこまで把握しているのか、
衝撃があるのか、周知のことなのか、
何となく曖昧で、感情移入しながら読むことができなくなってしまい、
筋だけ追っていくような読み方になってしまいました。
- 009 Replica (採点:5)
- 氷上シュンの壊れっぷりがちょっと足りなかったかも知れません。
- 010 NOISY SILENCE (採点:5)
- 佐織はここでは、普通の女の子なのか、それとも理性的な女の子なのか、
通常感覚に揺らぎを与えていく、揺さぶりの部分が弱くて、
全体的に、理性的に物語が処理されているように思いました。
- 011 その果ての雨 (採点:5)
- 物語全体にうっすら漂うような、何か、基調となる雰囲気があれば。
感情移入しながら読んでいると、感情がゆらゆらとびとびです。
- 012 曇り色の時間 (採点:8)
- 暗示系の作品。こういうの、好き。
>「約束、守らなくってもいいよ。わたしのこと忘れていいよ。浩平君の今いる場所がすっごく痛くても、
>すっごく辛くても、不幸でも、絶望でも。浩平君だったら平気だよ。だいじょーぶだよ」
人生、痛くて、辛くて、不幸で、絶望なのね(しみじみ)。小悪魔ちっくですね。
- 013 『夕日の少年』 (採点:7)
- ひしひしと押し寄せてくる感じで、圧倒されました。
- 014 風の辿り着く場所 −Eternal Happiness− (採点:8)
- 最後の着地点を考えると、途中の経過はやや「やりすぎ」のような―
でも、丁寧に丁寧につくりこんで熟成された感があって、みさき先輩の見せ所は
随所によいものがあったと思います。
(ちょっと他の作品系混じっていたのは、まあ…)
- 015 その手を離す、その日まで。 (採点:6)
- とても心地よい感じですーっと読めました。
- 016 二人が刻む永遠 (採点:4)
- つい最近メタフィクションという言葉を知った私ですけど、
作品のテーマが最後になって明確に書かれているのでわかりやすいです。
ただ、それと符合して作品全体がそのテーマを消化するように展開していれば、と思います。
深山さん、お仕事がんばってください。
- 017 欲深な微睡 (採点:4)
- 複雑な心境の瑞佳ちゃん。
- 018 この世界は (採点:6)
- 採点していて一番笑いました。猫牛乳はストレス解消に絶大な効果がありそう…
牛乳は飲んでも、牛乳に飲まれるな!
曲調にあわせて文体も自在に変えられたら、もっとよかったかも(過剰注文)
- 019 トライ (採点:6)
- 氷上シュンの気持ちの中に色々なものがめぐりめぐっていて、
何だかとても人間らしく描かれていました。
- 020 Requiebros(愛の言葉) (採点:7)
- 感情の表現の仕方がとても良かったです。
- 021 夏ノ空ニ夢ハ初マリ (採点:6)
- ちょっと硬い感じがしました。
- 022 はやく昔になればいい (採点:7)
- 暖かさは、茜の中にあって、けれど、
茜の心に降り注ぐ雨が、茜に関わる人の心を冷たくしていくような感じです。
立ち止まる茜。
たとえ闇雲であれ、前に進んでいく、推進力を求めていたのかも知れません。
けれどその推進力が反転して過去に向かうとなると、これはもはや悲惨です。
現実性を追求しているように思いましたが、
えいや、で、物語としてのうそ臭さとか、やっちゃいました的な展開もあった方が
もっと楽しいような気がします(好みの問題ですけど)。
- 023 世界は終わり、或いは始まる。 (採点:6)
- SFとしては、何かちょっと足りないような気がしました。
それ以前に、SFの眼でONEを見るというのであれば、もっと良かったと思います。
純粋に、SFの「眼」だけを持って来て、ONEの本来のテーマを見るのであれば―
見る眼、と、見る対象(となるテーマ)とを両方新たに持ち寄ってきて、
ONEの世界に上乗せしてしまったような気がします。
- 024 【呪いの唄】 (採点:5)
- 由紀子さんが占いに凝っているという設定が生かしきれていません。
かごめ歌は東洋系なので、占いも東洋系で。
たとえば奇門遁甲。浩平に石兵八陣を仕掛ける由紀子さん(それもいやだなあ)。
- 025 もういいよ (採点:6)
- 朴訥というか、単刀直入というか、直球勝負というか、簡潔明瞭に
言葉を、思いを交し合っている様子がステキ的。
- 026 ダンスインザダーク (採点:6)
- 反転する話。ネクタイのあたりが伏線なのでしょうか…。
テンポよく仕上がっていて、非常に読みやすかったです。
でも、ここは是非、瑞佳ではなくて、澪でやって欲しかったと思います。
- 027 埋もれた夢に、あなたはいない (採点:4)
- 悶々とする佐織ちゃん。
思考の内容は、状況に対して、やや過剰すぎる反応のように思えました。
- 028 歩いて帰ろう (採点:5)
- 逆鱗みずかちゃん。
- 029 澪とみさきと長森と (採点:6)
- なかなかいい雰囲気。
- 030 『パラダイス☆銀河〜愛と絶望の小豆洗い〜』 (採点:7)
- 何となく親しみをもって読むことができました。
さりげなくメタセコイアをもってくるあたり、ただものではないのかも知れません。
- 031 空の在り処 (採点:9)
- > と、目の前に転んだ人間がいたのを思い出した。
部長さんの性格付けが面白かったし、ぴったりはまっていました。
(観察が基点となっていながらも、つい思考が優先しがちなところ)
- 032 ALive (採点:7)
- やがて死ぬ運命と向き合うことから生まれた物語。
悲しい終わりにアップテンポの明るいEDテーマは深くえぐられますね。
- 033 コイゴコロ (採点:5)
- 詩子が好きな浩平、どんな浩平だったのでしょう。
何となく、かも知れませんね。
>甘い物好きの浩平なら喜んでくれるだろう。
この台詞が好き。
- 034 莫逆の友の恋 (採点:6)
- 作者様の頭の中を渦巻くワールドがとても好きになれそうな、そんな気持ちで、
友達の家の週刊誌を、順番に貪り読むような気持ちで、楽しく読めました。
- 035 夢を観た日 (採点:6)
- 幼い頃に、将来の自分が見るだろう悲しい夢、の夢を見る、という話かな…
うーん。考えさせられました。
- 036 たいせつなひと (採点:10)
- なるほど、中学生の視点から見たとき、椎名繭っていう存在がこういう風に映る。
感動しました。本当に。
- 037 虚構少女 (採点:9)
- 違和感を微かに覚え、徐々にぐらぐらと覚束なくなり、不安定になり、崩れていく展開、
急転直下すぎず、なだらかすぎず、そして突き放した終わり方。余韻の感触。すべて好き。
- 038 廻り廻るAffection (採点:5)
- 「いらっしゃい」がよかった!
- 039 フリップフロップ (採点:9)
- 言霊といっていいほどのものを感じました。
道具立てと、作品の中での配置の仕方も、かなり洗練されていました。
オリジナル作品として見た場合、これはもう、10点以上。
SSとしてみた時、設定は遵守しているけど、
感覚的なものがうまく取り込めていないように思いました。
(一歩も譲らないという自負心の現れなのかも)
「夕焼け空はブートストラップ回路だね」
とかなんとか、聞きかじりの、うろ覚え。
- 040 こんな愛の形も良いじゃない (採点:10)
- ラブコメを極めつくしているなあ、という感じでした。
楽しかったです。
- 041 Last Lovesong (採点:5)
- >―――風の音色が聞こえる。
のあたりはとても綺麗だったのですが、あっという間に終わってしまい、
ちょっと物足りなく思いました。
- 042 オレとあいつと彼女の事情 (採点:6)
- 普通のラブコメの場合、邪魔者同士が処理されてから本命が結ばれるわけですけど、
現実には、本命からどんどん結ばれていくというわけですなぁ(しみじみ)。
- 043 夕焼け色のシンデレラ (採点:6)
- 滑らかにリズミカルにつながっていく言葉の連鎖が心地よく感じられました。
香りのある言葉、という印象を持ちました。
- 044 小さな幕間劇 (採点:4)
- これは演劇的に可能なのでしょうか。上昇と下降の感覚――
最後の別れは、ちょっと綺麗過ぎたかな? 痛みを伴うような何かがあれば。
- 045 永遠と瑞佳のあいだ (採点:9)
- マンハッタン・ジョーク。またつまらぬものを…。
だから好き!(壊れ気味)
瑞佳って、もともとこんなキャラだったっけ?(だった!)
妙にしっくりくるもん。(そうだよ!)
最後に…
みぃずか、ちゅわ―――ん!!(そして羊のように墜落)
- 046 キャラメルのおまけ (採点:10)
- ディスコミは偉大である!(って誰かが言ってたよ)
内的宇宙の物語、視線誘導がスムーズで色彩豊かで、とても読みやすいです。
えいえんの世界っていうと、時間とか空間とかを超越したりしますけど、
「遊び」というキーワードや、「夕焼け空の向こう側」とか、
そういったところも、かなり自由自在に使いこなせているという感じでした。
空間を切り開くのは、相対性理論っていうか、
スプレッド・シートにセルを挿入するっていう感覚かなあ。ムズカシイ。
- 047 「わたしはあなたと歩きたい」 (採点:6)
- 七瀬がかなりステキな女性になっていて、びっくりしました。
ああ、いいなあ、みんな幸せになって欲しいなあ…(思わず現実の自分を見つめる私)
- 048 待ち合わせ (採点:7)
- みさき先輩の描写が緻密でいいなと思ったら、時折、特殊能力っぽかったりして、
しかもそれがイイ!
- 049 雨音は誰が為の歌 (採点:6)
- 複雑な事情の人が、普通に輪の中に溶け込んで幸せでいられる光景という話かな。
- 050 セレナードで眠らせて (採点:7)
- 茜の心の実況中継、
独特の淡白で端的でぽつぽつと降る言葉にだんだんと馴染んできて、
とても楽しく読めました。
- 051 南西の風は瑞穂実る平原に (採点:5)
- 何か気になる仕掛けが施されていそうですが、気にしないことにしました(矛盾!?)
瑞佳がちょっと壊れかけて、どんどんみんな壊れてしまうのかと、
ちょっとわくわくしました。
- 052 未来の二人に (採点:8)
- 途中から会話がちょっと高校生離れしてしまいましたが、
雪見というフィルターは安定していたし、そのフィルターごしに見る世界も素晴らしい。
「歩く」という動作で、その人を見抜いてしまう、ところの情景にはちょっとした戦慄を覚えました。
(実際、信号待ちしていて、弓道部の集団が横断歩道を横切るとびっくりする。
肩の位置だけみていると、水平にすぅーっと流れていく感じ)
「みさきの大食いを初めて見た時の感想は如何でしたか?」
○たぶー さん
- 002 彼女の理 (採点:9)
- ほう、空白の2年(?)間はおおいですが、ここまでまとまっているのは…いやはや、浩平のあの言葉をこういうふうに発展させるとは。ですが、かなり繭らしいはなしでした。ただ…、まとまりがありすぎたかな?
修正…みあのキャラがよかったので。
- 019 トライ (採点:10)
- 前日に氷上シナリオをクリアしたせいだろうか?それともその新鮮さゆえか…?いや、作者の文章力、ひいては内容の為だろう。このシナリオは、あえて厳密な終わりは語られていない。だが、その裏側・続きとして、このものがたりは恐ろしいほどあっている。それに…こういうのもまた「ONE」だとおもいますし。絆はなにも…。てことで。
- 030 『パラダイス☆銀河〜愛と絶望の小豆洗い〜』 (採点:6)
- 笑えましたが最後が…、うーっむ、もうすこしまとまりをつけてほしかった。
- 036 たいせつなひと (採点:9)
- このてのSSは二つ目ですが、みあ視線ですね。こちらもかなりの良作です。日常の部分がいいできです。
- 037 虚構少女 (採点:10)
- 七瀬の虚構…このことに真正面からとりくんでいるところがひじょうにいい。本編自体は七瀬シナリオの分岐といったところか・・・。この終わりはかなりまとまっていたと思うし、忘れていたとはいえいひょうをつかれた。このような展開もあったと思えるほど完成度は高い。
少し本編グッドエンドバージョンとしてのアナザーを思い浮かべつつ…。
- 042 オレとあいつと彼女の事情 (採点:9)
- 南くんがかっこいいですね。ラストを変えたのはどうかと思いますが、充分良策だと思います。住井相変わらず良い味を…。
- 046 キャラメルのおまけ (採点:6)
- …人をひきつけるとは思う。
○はぐ さん
- 002 彼女の理 (採点:10)
- …何を言えばいいんでしょう…というしかなくて(苦笑)。
完成度の高さにため息ばかりがこぼれます、もちろんいい意味でのですよ?
ここまでキャラたちの心情が伝わるとすごいなぁ。
それにしてもこういう現実的な面をからめてその後を描くと、生々しいですね(^^;)
でも、現実的「過ぎない」のも良かったんだなぁと思います。
生々しさ通り越して痛々しくなりますから(笑)。
- 005 マジカル☆ワードを唱えよう (採点:9)
- すごくよかったです、なんかもぉ、これがONE(の未来)SSだぁっていうのを。
そこはかとないバカバカしさもまた(笑)<劇
多少のあれこれはあるにはありますけど、トータルパッケージで良かったです。
ボクとしての評価はこのくらいで。
とにもかくにも堪能させていただきましたー。
で、最後にとりあえず、ツッコミだけ、しておきます
>えらく
という表現を茜が使うかなぁ、と。
- 018 この世界は (採点:8)
- ピアノを使ってそれぞれのキャラの持ち味を活かすとは…すごい(^^;)
ただ…
何もここまでしつこくってほどピアノシーンにこだわりすぎたのが…
話が同じテンポで延延続いていくと、冗長でくどく感じちゃって、うーん…っていう^^;
まぁ、冗長でありながら要所要所を押さえてるんで、それほどダメって感じでもなかったので、
このくらいの採点ではあるんですけど。
最後に詩子がシリアスしたら、こんな感じだなぁと、思えるまで持ってきたキャラ描写に惹かれました。
- 025 もういいよ (採点:8)
- 広瀬のキャラの立て方といい、それを支える七瀬浩平のサブキャストがまたしっかり立てられてて、すごーくいいんですけど……。
ストーリーで生焼けしてしまってないかなぁと…。
なんかこう、もうひとつ突き抜けてないというか、せっかくの立ったキャラ達の輝きがくすんでしまってる感じがしたんです。
でも、なんかひとつでがらっと変わりそうなくらい、キャラの魅力にひかれました。
もう一歩で、ってとこでしょうか。
- 033 コイゴコロ (採点:8)
- 詩子視点と茜視点を切り替えて、二人の感情をクロスさせていて、結構ボクの好みな作品でした(^^;)
ただ、視点を切り替えてる割に、詩子偏重っぽく感じたんで、そういう面でいささか中途半端な印象も(^^;)
感情変化を綺麗に描いてる分だけ、そういう所に目が行ったのかもしれないですけど。
- 036 たいせつなひと (採点:10)
- 良かったです、ホント良かったです。
同じような題材を描いた作品がありましたけど、こっちは美亜視点からうまく捕らえていて、
キャラもうまく立ってますし、作品の流れもうまく帰結してる。
まさに(>▽<)bグッ、って気分になりました(笑)。
特に、繭から変に感情を出させないようにしていたところが、
ボク的には気に入った点でした、はい。
- 045 永遠と瑞佳のあいだ (採点:9)
- …寛大だなぁ(笑)<長森母
反則です、面白いです(笑)(ルールに反則って意味ではないですよ)
落し方もお約束通りで、コメディの基本線にのったお話で、
とっても楽しかったです、あらゆる意味で(笑)。
- 048 待ち合わせ (採点:9)
- ストーリーがいいとか、これこれこういう文章がいいとかそういうのよりも先に、
文章から漂って来るこの雰囲気にひかれたというのが率直な感想です。
一人称でいいとこを押さえてて、読んでて自然に入っていけましたし。
なんにもなくて、なんでもない話なんですけどね、それでもやっぱよかったです。
○はっぴーたん さん
- 001 エターナリズム (採点:2)
- えいえんって言う場所で労働させられている浩平、その発想は面白かったです。しかし、ほぼオリジナルである城嶋のキャラクターが特に面白いものではなく、地の文が一人称だったり三人称だったりして読みにくく、また文自体も目を引くものではなく、最後にこの話でのえいえんは別世界ではなく現実世界でただ重労働させられていただけというつまらないオチに大変がっかりした。
2点。
- 002 彼女の理 (採点:7)
- みゅーみゅーお疲れ様です。
精神年齢を高くしてしまいがちなSSにおいて、大分年齢が下がっている感じ、中学生らしさを感じました。良かったです。
みゅーの変な子っぷりに対するみあの受け止め方や返し方に心を安堵させられました。読者に感情を起伏させる良いSSと思いました。これも良かったです。
公式は繰り返し出すことで味になっていったのですが、出すタイミングかな、出し方かな、なんとなく好きになりませんでした。嫌いでもないです。4:6ぐらいです。
とてもよかったです、次回がありましたらまた是非読みたいです。
- 013 『夕日の少年』 (採点:5)
- 文章は非常に面白かったです。しかし、5点。
まず、1行日記までの前半部と雪見の後半部が1つの作品にまとまってる意味を感じれませんでした。まるで別々の話のように感じました。
次に、後半でシュンが見せてくれたいいもの、
>特にこれといった特徴のない
より始まる物語をぶっちゃけ読み飛ばしました。飛ばしてラストから戻って読み直そうとしたのですが、読めませんでした。ここだけ独立した物語。物語の要素は雪見にかかるもので、詩子には物語である意味はほとんどありません。そして、ヲチにつながる展開部を主人公に関係のない進め方でしていることにより、またONEを読みにきたのであってオリジナルストーリーを読みにきたのではないという気持ちから、どうしてもダメでした。
というわけで、5点。7点↑を差し上げたかったです。
- 019 トライ (採点:9)
- 最初、長森シナリオの裏設定補完なのかなと思ったら、まさか住井シナリオとは。
大変面白かったです。
気になった点としては、住井の提案による浩平から長森への告白シーンが盛り上がりにかけること。
乗り気になっては困ることは承知ですが、もう少し盛り上がっても良いかなと。
次に、ラスト近くで
>今度は成功した。相変わらず俺たちの呼吸は滅茶苦茶である
ここ、失敗するべきではないかなと、後ろの無茶苦茶であるを考えると。
全体を通して浩平が永遠の世界にいくため現世からとおざっている感が欲しかったです。
登場時間が短いながらもそれを醸し出せていれば10点でした。
- 052 未来の二人に (採点:1)
- とても面白い。内容だけでつけるなら高得点をつけてもよかったかもしれない、ただしこれがオリジナル小説なら。
ここがONESSを書く場であること、またWEB上であるということを考慮し1点をつけさせていただきます。
○はね〜〜 さん
- 001 エターナリズム (採点:2)
- にゃうん……(何)
……オリジナルでここまで設定を作ったのには感心致します。
細部まで見ていけば内容はかなり甘いんですが、それでもここまで築いたのは凄いと思うんですよ。
ただ……すいません、どうにも私にはONEの世界観と幻想さを壊しているようで……。えいえんが実は辛い所だと定義するならば、いっその事現実世界とは完全に切り離して、『えいえん』という名の牢獄にした方が良かったです。
浩平の名前や存在を茜以外の皆が忘れてしまったという根拠が無いんですね。消えた後も実は茜たちと同じ世界にいるという設定にしてしまうと。
後は、司のキャラですが。ドラマCDの茜編がお気に入りな私としては、司のキャラは頭の中でかなり固まっているんですが、その私にはこの話での司の性格は合いませんでした。
読んでて『何だか変だよ、この司……』と思ってしまいましたので(汗)
永遠の長であるみずかの描写も薄く、添え物になってしまっています。シュンは何だか小悪党に見えましたし……。物語の底が酷く浅く見えてしまいました。
最後までこの話の世界に入り込めなかったのが如実に点に出てしまいました。分かり辛い感想ですいません。端的に言うと『面白くないよぉ……ぐっすん』という一言なんですが(汗)
オリジナル要素の強い作品は、かなりの腕の人でも失敗する事が結構あります。ちなみにへたれSS書きの私もオリジナルの1次創作に結構手を出してますが失敗の山ですし(泣)しばらく慣れるまでは原作の設定に忠実に書くのがいいと思います。
あ、あと地の文で1人称と3人称を混ぜるのは辞めましょう(汗)場面ごとに変わる……というのでもなく、見事に混ざっていて読み辛かったです。
- 002 彼女の理 (採点:10)
- この作者さんが誰なのか、私は知りません。ただ……今思ってることがあります。
この話の感想は、私が本気で書いたら間違いなく500行を超えるでしょう。感想には確か4KBの制限があったと思いますので、とても書ききれるものではありません。
どうか、どうか掲示板は開いてください。後でちゃんと、本格的な感想を送らせて頂きます。
読後……私は涙が止まりませんでした。それは、私だけの個人的理由も大きく関わっていたとは思いますけれど、この話は私が今まで読んだ数多くの話の中で生涯私の心から消えることは無いでしょう。
はっきりとそう、断言できます。
中編の原稿を私は思いっきり落としましたが、奇しくも私が書いていた内容はこの話と80%がかぶっています(汗)クラスメートに馬鹿にされ、冷笑を浴びる繭。母親華穂さんと繭の心を通わせる場面。みあと繭との出会い。それらを本編の繭の日記の文章を辿りながら、(オリジナルも一部混入)浩平が戻ってくるまでの1年を描く……私が書いていた話そのままです。
でも、出来は……この話の方が明らかに上ですね(汗)浩平の『他人を見たら敵と思え』これをここまで話に使い切ってるのには脱帽でした。(私の話では、浩平のこの台詞は見逃してしまっています)
変にネタかぶりした私の話がでて、それが理由にこの話の評価が下がったりしなくて良かった……と思っている私はかなり問題のような気もしますが(苦笑)
多分私は、この話の作者さんと同じくらいに(それ以上?)順位が気になっています。人の作品なのに、何だか自分も一緒に戦ってる錯覚すらあるくらいで(笑)
ぜひ上位に行ってください! この話が結果発表SSで紹介されている事を本っ気で期待しています!!
本当に……本当に素晴らしい話を読ませて頂きました。ありがとうございましたっ!!
- 003 Fragment (採点:9)
- ふ、伏魔伝です、中編部門……(汗)
おかしいなぁ……短編と採点基準変えてる訳じゃないんですが、8点以上がボコボコ出ます(汗)
はい。この設定には心底驚きました。忘れている人間と覚えている人間を丸々引っくり返したというアイデアはもう本当にびっくりです。それでいて物語が破綻することなく収まっている。
長森や七瀬や広瀬のキャラ描写も実に見事です。この辺りで余計な違和感があると、物語そのものの違和感にもつながる事があるのですが、全く違和感ゼロでした。
個人的には七瀬の長森を引っ叩く所がお気に入りです〜。ああ、やっぱり『乙女希望』がテーマ曲なだけあるなぁ……(笑)長森の幼なじみ……ああ、この設定凄すぎる……。
ONEのボツネタと言われても下手したら信じそうです、私(笑)
10点でも良かったんですが、このままだと10点すら乱舞しそうなので、ちょっと10点だけは厳しくします(汗)無駄な行空けが多いので、それを減らして読みやすくして欲しいと思ったので。ラストの場面にももう少しタメを作って欲しかったなぁ……というのもあります。
どちらも本来は減点対象では無いんですが、諸般の事情により9点です。ご了承ください(滝汗)
良いお話を読ませて頂き、ありがとうございました!
- 005 マジカル☆ワードを唱えよう (採点:7)
- ピピルマピピルマプリリンパ〜(おぉ)
とりあえず、文頭は一文字開けです。
内容ですが……演劇部部員、全員ダメすぎ(笑)誰か止めろよって気はかなりしますね(笑)あ〜、でも澪を凄く上手に書いてあります。澪って長い台詞はあまり頻繁には使えませんから難しいんですよね。
後、本編のあの澪の衣装を着ている理由や、再開一発目で浩平に体当たりっていうちゃんとリンクしてあるのがいい感じです〜。
さて。そんな中惜しいと思う点が2つ。
・澪がスケッチブックを落として……という所の場面転換が明らかに速すぎる。
・ここまで演劇の骨子を作ったのなら、どこか一つでもいいので実際の澪の演技を話に盛り込んで欲しかった。
澪とスケッチブックの下りは起承転結の転だと思うんですが、その転の部分が駆け足になってます。ここはもっとしっかり書きましょう。時間軸が飛ぶならばなおの事です。初読の時には『?』という感じでしたので。(再読で全部わかりましたけどね)
タイトルはベタながら、インパクトを強く読者に与えたと思います。苦労人な雪ちゃんにも笑えます〜。
あと一歩、という感じです。これからも頑張って下さい〜。
- 006 すてるす同盟 (採点:10)
- ナ、ナンテ、コト……(ぉ)
これだけの長さで最後までダレないギャグSS、私初めて読みました。ええ、色々と突込みどころは満載ですよ。シュンとかシュンとかシュンとかシュンとか(笑)
でも、隣の住人に怒られるくらい腹抱えて大爆笑したんです。それだけでこの話は読んでよかった……と心から思えます。
まず……無駄に(笑)上手い情景描写。いえ、そのギャップがまた楽しいんですが♪
これ以上地の分増やしたら、多分このテンポが破壊されるでしょう。これよりも台詞を増やしたら、地の文不足と突っ込んだでしょう。
浩平語りの地の文、いい感じに書けてて楽しくて仕方が無いです。楽しくて楽しくて、気がつくと3読(笑)随所にあるネタも面白いです。やはりギャグの基本は『そのネタが分かってても分からなくても楽しめる話』これに尽きますね。
読んでて『3HIT!』とか頭に浮かんだり『うぐうじゃないよ! うぐぅだよ!』とかついつい浩平の独り言に突っ込んだり(笑)
さて、でキャラの描写ですが。シュン……ええ、ぎりぎりですが認めますよっ!(ぉ)スレイヤーズ風に言ったら『ををっ!』感じです。
原作の雰囲気をやばい方に限りなく特化させたらこんなのもあり……(汗)
本当か? 本当にそう思うのか、私っ!? そうかなり自問自答しましたが、ありと思った以上点が高くなるのは必然なわけで。とりあえずシュンは私の中では永遠追放に即決定です(笑)
最後に内容なんですが、参りました。全体構成がギャグなのにシリアスをしっかり盛り込む事で中間でのダレを完璧に防いでいます。パフェの下りは(3つが2つ)読んでて痺れました〜。
ああ……シュン……と感動したところで、最後に『やっぱりこいつは……』というのが良いんですねぇ……。ええ、凄く。一人残された司には同情しますが(汗)
えいえんが定員オーバーというのもいいアイデアです。まずこのシチュエーションと独特なタイトルで私をググッと引き付けました。
これに10点か? これに10点なのかっ!? そう自分に問い返す事数十回……。結局10点でした(苦笑)万人の評価は得られないかもしれません。でもっ! 私はこの話が大好きなんですよ〜。
わけの分からない感想ですいません。でも……いい話でしたぁっ!!
- 007 とある騎士の物語 (採点:4)
- あー……話は良く纏まっていると思います。思いますが……。
みさき先輩=盲目の女の子
浩平=その女の子の恋人
という風に代入して、盲導犬のノエルを描くと……8割以上はオリジナルで通じてしまうんですね、この話(汗)ラストも私的には気に入りません。
AIRの美凪トゥルーエンドで、最後にみちるという名前の女の子が出ましたが……『それは名前はみちるでも、みちる本人じゃないだろ!』というのと同じで……(汗)
あとは、日本人なのにノエルって名前は無理があるなぁ……とか(汗)
そして……ノエルの描写というか、盲導犬の描写ですが。あまりに性格が軽薄に過ぎます。フリスビーの下りはかなりずっこけました。盲導犬の訓練……受けなおした方が良くないかなぁ……と(汗)
本来の盲導犬のイメージとノエルが遠くかけ離れてるので、読んでる時も『ええ?』って思ってしまった事が何度もありました。
- 010 NOISY SILENCE (採点:6)
- う、うにゅ――っ(何)
ONEの雰囲気が良く出てる作品で、さらに長森ではなくただの一友人である佐織にスポットを当てているのは面白いと思います。キャラもよく描けていますし、話の構成もしっかりしています。
……ただ。いかんせんラストの意味が分からなかったのが致命的でした(汗)5回読んだんですが……ごめんなさい、やっぱり分かりませんでした(泣)
決して描写が弱い訳ではありません。ただ、結の意味が分からないのはやはり厳しかったです(汗)
そんなわけで、わかる範囲内で採点しました。……すいません、説明して頂けると幸いです〜(汗)
- 026 ダンスインザダーク (採点:8)
- 初読の時に、ひしひしと違和感がありました。
『何で? なんで七瀬の一人称があたしじゃなくて私なの?』
いつもの私ならば「何だ、また作者さんのミスなのかな」と思っていたでしょう。けれどこの時の私は、そんな自分の結論にまるで納得していませんでした。
……何かが、違う。それはまるで衣服のボタンを掛け間違ったかのように、騙し絵のもう一つの図案に気づきそうで気がつかない時のように。
「あんな最低な男」最初にあったこの言葉がその違和感の正体なのは今から考えると明らかですが、初読の時の私は『何か良く分からない漠然とした迫り来る黒い影』というようなモノに捕われた気すらしていました。そうです。既にこの時点で私は完璧にこの話に引き込まれてしまったのでしょう。
角膜移植の話を聞いて、私はさらに眉をしかめました。そんな手術でみさき先輩の目は治らないのは、わかっていましたから。
この時点でも物語の全貌は全く見えてきません。そう、まるで暗闇のステージにごく一部だけ光が当たっているような、そんな感覚。
「ねえ、私は、誰?」
この言葉に背中から水をぶっ掛けられたような、そんな感じが私はしました。自分の事を一番分かっていないのは、実は自分ではないか。そんな眩暈のような感覚が。
「ほら、何も分かってない!」
え? 分かるって、何? 何だろう一体。もうこの時点で私からは、活字を追っているという感覚は消えました。蟻地獄に引きずり込まれていくような気すらしましたが、抜け出すと言う発想も浮かびません。
それからしばらく『彼女』の狂った行動を眺めている時、急にステージの明かりが一斉に灯ったんです。
一瞬の眩しさの後、一体ステージの上で何が行われているかが全て白日の下にさらされた時。
観客である私は目の前の光景に凍りつき……そして、何故か笑い声が漏れました。
あは……あはは……あはははははははははははは……。
こんな光ならいらなかった。こんな光なら……見えないほうが良かった。
ステージは暗いままであるべきだったんです。それは、奇しくも舞台の上に立っている悲しい『彼女』と同じ思考で、より私の心をかき乱しました。
最後、何かが軽く音を立ててステージは幕を下ろします。そして、照明が消え……客席は再び黒に染まりました。唯一最初と違う事があるならば、二度とステージに光は灯らない事でしょう。
以上っ! 今回は私もこの作者さんに敬意を表して、ダーク調で感想を書いてみました〜。
読後のこの何ともいえない深淵さ。この話、まさに黒。ダークという言葉が実にふさわしいです。
ちなみに、私はダークが嫌いな人間です(ぉ)それでも……何というか、圧倒的な破壊力でした。しかしまあ……この話の浩平は完璧にゴミの中のゴミですね(汗)
ただし。やはり苦言を呈する事はあります。浩平が実際、こんな行動をするか(みさきを捨てるか)は、正直ありえない気がします。そりゃあ人間の心は変わる物……かもしれませんが(汗)
そして、演劇の中でのマイクのハウリングのように、作中で散見される誤字。めったな事では私は突っ込みませんが、今回は私は思いっきり全部、一つ残らず突っ込みます。この話は暗い雰囲気が命ですので、誤字は最大限注意してください。
×少々古ぼけた一軒家はだが ○少々古ぼけた一軒屋だが
×本にガン幸福だと ○本人が幸福だと
×社会化資料室 ○社会科資料室
×私ことになど ○私のことになど
×マイホーム郡 ○マイホーム群
5度に渡りこの作品を読み返し再読の度に色々な心理葛藤に心を動かされましたが、その都度これらの誤字が非常に邪魔に感じました。(特に『本にガン』)8点……この点数は辛いです、はっきり言って。
9点10点でも全然おかしくありませんが、ダーク嫌いな私としては、引くところがあればダークは点数を引きます。でも、そんな私から見てもこの作品は読者を世界に吸い込む程の迫力がありました。
うー……作者さん……あの人かなぁ……。
- 030 『パラダイス☆銀河〜愛と絶望の小豆洗い〜』 (採点:3)
- はぅん、にゃうん、ぐっすん。しくしく……(泣)
いや、別に私は壊れギャグを否定する気はありませんけど……。でも、私はこのノリついていけませんでした。
カツカレー侍、王宮護衛力士、女王様、だよもんメタセコイア、お米の精霊、みゅ――。
……所々笑うところはありましたが……でも、やっぱしついて行けません〜(汗)
茜が高笑い上げる所なんて、思わず布団に頭突っ込んで『ふんぎゃー!』って叫んでしまいました(汗)
いえ、壊れギャグだってのは重々分かってるんですけどね……。
ギャグは当たるか外れるかで評価が乱高下すると思います。そして、私には完膚なきまでにこの話はすべりました(汗)別に内容がどう、と言ってるわけではありません。
ただ私には合わなかったというだけの事ですので、あまりお気になさらないで下さい〜(汗)
○はまのじ さん
- 003 Fragment (採点:5)
- 最後まで読めたので面白くないことはなかったのですが、いかんせん説明部分が長いです。切れるところは切って、情景描写などの必要なところには肉をつけることに気を付ければもっと良くなると思います。
- 004 いつか、その日の為に (採点:9)
- とても面白く素敵なおはなしでした。他には何も言うこと無いです。
- 006 すてるす同盟 (採点:6)
- ギャグとは言いつつその実シリアスですな。私はあほちんなので最後のシーンはよく分かりませんでしたが、それ以前の部分は好きだったり。『えいえん』の隅でガタガタ震える浩平というのも面白いかも(えー)。
- 009 Replica (採点:3)
- いろいろ説明不足というか盛り上がりに欠けるというか。まあ漢七瀬がわりと格好良かったからいいか。
- 011 その果ての雨 (採点:6)
- お、お下げをバタバタさせながらしがみついてくる茜たん萌え〜。などと益体もないことを呟くには少し重たい話。穿った見方をすれば高校時代以降はそれほど楽しくなかったということなんか? と思わなくもないけど。
- 018 この世界は (採点:9)
- クラシックという、縁のない人にとってはどこまでも縁のない音楽を扱っている以上、こう言われることは覚悟の上だと思いますがあえて言います。シーンと音楽の繋がりが全然分かりませんでした。
とは言え面白くなかったわけがなく、最後までグイグイと引き込まれましたし、ラストはちょっと涙出そうになりました。うーん、私に音楽の知識があれば満点付けてたかも……。
- 019 トライ (採点:8)
- 「どきっ! 男だらけの輝く季節 ポロリ(?)もあるよ」といった感じのSSでした。悪友に親友に戦友。いいですね輝いてますね。「楽園日記@かのんSS第二回こんぺ」のときも思いましたが、男どうしの友情ってのは惹かれるものがあります。
ただ浩平と住井の『悪友』たる描写が少ないことが気になる。ONE本編でもそれほど描かれていたわけでもなかったけれども。
- 024 【呪いの唄】 (採点:2)
- この話はあまり趣味じゃないし好きでもないなぁ。なんで時間と引き替えに暗くなってるんだ俺は、とか思ってしまう。シリアスは良い。面白いギャグならもっと良い。SSというのは、もっとこうアヘアヘーと何も考えずに楽しめるものが良いんじゃないか、と思うのですよ。
まあ個人的な趣味嗜好はいいとして、瑞佳の「こんなはずじゃ――」ってのは、はたして「どんなはず」だったのかな、と。由起子さんの異常に以前から気づいていたことはそのうちバレそうな感じだけど……。ハッ、もしや某永遠を望んでいる人みたいに拉致監禁ですか? そうでなくても浩平が「お、大人の女はおっかねえ……! むしろおっぱいの膨らみ怖ろしや……」とか言い出してロリペド野郎にジョブチェンジ(具体的には澪ハァハァ)したり「あ、茜タンが死んじゃったよぅ……詩子さんの胸で慰めておくれ」とばかりに俺の脳内にしかない詩子ルートに進んだりしそうなんですが。(しません)
と、まあそんなくるくる話だったら個人的には拍手喝采なんですが、実際はそんなことはなく。それにダークかもしれないけど恐くないし。第一あんなピーな日記を見たら逃げるか警察にとどけるかするでしょ。ガチンコ勝負するにしても、保険として助っ人を呼んでおくとか。それに警察も馬鹿じゃないんだから由起子さんもとっくに捕まってると思う。そういう細かなリアリティのなさが恐くない原因かと思われます。
まあ何が言いたいかというと、今までの文章とは何のつながりもありませんが「俺の脳内彼女(えー?)である茜タンを挽き肉にしてまで押し進めたお話なんだから、きっとすごいオチがあるに違いない……っ」と思っていたら肩すかしだったですよということです。その怒りに任せてこんな長文を書いているわけで。どうせ殺すなら「瑞佳 vs 茜のキャットファイト〜血で血を洗う包丁バトル〜」とかにしてほしかったかも。
- 029 澪とみさきと長森と (採点:6)
- うーんマッタリ。澪を一時間も暗闇の中に放置プレイ(しかも掃除道具箱だから臭くて汚いし)する浩平はいけないとおもいます(笑。ただまあ、冒頭ヒロインに追いかけられる主人公というのはエロゲ系SSでは結構使い古されている印象があるので、その辺は気を付けた方がいいかと。
あと澪とみさき先輩の会話方法はすごく良いんですが、瑞佳はなぜ引っ張ってる手の位置より足の位置のほうに目がいったんだろうなと思ったり。普通手に注目しそうなものですが。
- 030 『パラダイス☆銀河〜愛と絶望の小豆洗い〜』 (採点:6)
- > 『ヒトメボレなの』
> 「なるほど、米だけに」
あははは。この二行だけで幸せになってしまいそうです。いやもうホント。すごく下らないけどメチャクチャ気になるという、ある意味SSの王道と言っても良いかと思います。ブラボー。
> 「おぉーっほっほっほっほ! パンがなければワッフルを食べればいいじゃない!」
あとこの茜はすばらしい。ワッフル三十個か……。(買収する気満々のようです)
- 033 コイゴコロ (採点:6)
- あー、何というか、そう「どうすればいいんだ」。
悪くはないはずなんだけど、特に感想が思い浮かばない。ぶっちゃけ、ぬるいな、と。仲睦まじいカップルに女がちょっかいを出す、というシチュエーションに期待するものといえば、ドロドロと沸き立つ女の情念であり、親友の裏切りであり、寝取り寝取られ嫉妬の嵐に包丁突きつけての殺し愛(?)なのですよ。や、最後のは違うか。
というわけで、私のような歪んだ嗜好の持ち主としては「しっかり纏まっていて爽やかなんだけど、物足りない」としか言えないわけです。
- 034 莫逆の友の恋 (採点:6)
- なんだかいろんなモノを目一杯詰め込みましたという感じです。「バランスが悪い」、「纏まりがない」の一言で切って捨てるのは簡単だけど、どうにも嫌いになれない面白さと勢いがあります。まぁ、ラブでコメってる部分より浩平と住井の掛け合いの方が面白いというのはそれはそれで問題があるような気がしますが。
あと、最初と途中にあった<問題>は、あれどんな意味があるんでしょうか。
- 039 フリップフロップ (採点:4)
- 最初にタイトルを見たときは「すわ工学野郎ONEチームか!?」とか思ったりしたのでちょっとがっかり。
んと、世界BとCがあってAは……あー、ONE本編のえいえん? そこでの浩平の妄想ワールドがBとCということなのかな? そのへんよくわかんないけど、気にするところでもないか。あとフリップフロップの説明の挿入箇所が唐突すぎかも。どうせなら最初に持ってくるとかしたほうが混乱しなかったかも(それはそれでネタバレが激しすぎるか)。
- 040 こんな愛の形も良いじゃない (採点:6)
- こういうSSを読むと一年間も恋人待たせやがって浩平のバカアホくそみそテクニック! と罵りたくなるのですが。ハッピーエンドは良いやね。ただ詩子のセリフが所々前後の文体と違いすぎるところがあったりして、その点が違和感があった。
- 049 雨音は誰が為の歌 (採点:6)
- 茜たちのパートと由起子さんのパートのバランスが悪いというか、由起子さんのシーンであれだけ重暗いことをやったのだから、それを払拭するなり飲み込むなりするくらいの茜パートであってほしかった。あとラストが急すぎと思った。
けど茜タンが幸せならそれでいいや(←オチはそこかよ)。
- 051 南西の風は瑞穂実る平原に (採点:4)
- 長森の頭がピーになるまでとか、茜が長森を助けようとする下りとか、長森の頭が元に戻るときなどの心情が変化する場面で、他人からではなくキャラ自身の視点で、心が動くその過程が描かれていると良かったと思う。ほんの数行で流してしまえるようなことでもないでしょうし。そのせいで後半がひどく薄っぺらい印象を受けました。
- 052 未来の二人に (採点:8)
- 文字詰まりすぎ、という内容とは関係ない部分で低い評価をくだされそうな作品。面白かったです。ただ、読んでいてなにか違和感があるなと思って考えたんですが、どうも私にとってONEとは『えいえん』であり、浩平の物語であるということらしいです。だからどうしたというわけではありませんが、浩平が消えていた間のみさき先輩や雪見さんの様子が語られていたら(たとえそれが全体のの完成度を落とす結果になろうとも)もっと良かったかなと思いました。
○ぱんD さん
- 002 彼女の理 (採点:10)
- 凄く良かった。文の組み立て方、内容、心情描写、会話文、文句のつけようがない。おそらく上位にはいるはず…
○ふうがみこと さん
- 001 エターナリズム (採点:6)
- こういった話を40K以内にまとめた点は凄く評価できると思います。描写もまとまっていて読むのにストレス感じません。
でもお話が平々凡々でした。ONEのえいえん観を逆利用しているのは面白くていきなり興味を引かれたのですが、その後はよくある話と展開。せっかくの逆利用が物語のとしての魅力に活かされていないと感じました。
途中新たに興味が沸きそうになったのはみずかが出てきた場面ですが、記憶に関する辻褄合わせのために無理矢理出したかのような印象も受け、しかもその後はまた平凡&ご都合主義の流れに行くので興味が持続しませんでした。
文章力は高いのに、勿体無いなあ。そんな印象です。
1980年代の角川を思い出した、かな? 映画とか。よく覚えてないけれど。
- 006 すてるす同盟 (採点:10)
- やられました。満足です。今こんぺでもっとも楽しく読ませていただきました。浩平の考え方やらストーリーの展開やら波長が合いまくってしまって、どう仕様もなく悶えました。この調子で原稿用紙300枚書かれたら、きっと私は金出して買ってしまいます。ええ、ええ、すっごく気に入ってしまったのです。ぶらぼーっ!
ラスト、しんみりきそうなところで「はやくきて、えいえん……」笑いましたよ。男キャラばかりというのも素敵! 浩平もシュンも司も住井もいいヤツばかりで、ラストにも納得できるし、好きな雰囲気だし、色んな意味で満足! エンターテイメントとして最高です!
あ、でも一つだけ。どつきネタが標準装備になっているのだけはちょっと趣味じゃなかったり。でもそれが前述の「はやく、はやくきて……」に繋がってるので文句無しですw
作者さん、面白い作品をありがとうございました!!!
- 011 その果ての雨 (採点:8)
- 残念、惜しい、勿体無い。そんなSSでした。
『人は亡くなる時、生前の思い出を全て捨て……』からの説明文。これは要らなかったと思うのです。むしろ、入れたら駄目。別の表現をするか、或いは説明なんて入れずに茜に天寿をまっとうさせてくれたらもっと気に入ったと思います。
あとラストの文も、私の趣味には合わないのですね〜。何がどうと訊かれたら困るのですが、おそらく伝聞調で締められているからでしょう。茜のインナースペースをコミカルににぎやかにもの悲しく書いてきたのに、最後で作者さんが物語を作ることを放棄したような印象に変わってしまったのです。伝聞調そのものに罪はありません。書き方の問題です。一番放棄・投げ捨てに見えたのは「が、これはまた別の話だろう」という文ですね。
茜の死。それ以外に描写したい内容があったのでしょうか。永遠の旅路へ出発する事(上記の邪魔な説明から考えるに、えいえんとの対比をしたかったようにも思えますが)しか描写していないのに、書く気のない事柄に期待感を持たせようとしている。しかも“この作品の完成と関係ない”のに。そんな気がしました。
正直いうと、ただかっこよさげだから書いただけなんちゃうか? と。わたしにとってはひっじょーぉに邪魔な一文だったのです。この作品の完成度を下げてしまうような、蛇足。
ここが(採点としてはマイナスにしてないけれど)私としてはマイナスです。感情的には作品への評価が4点ぐらいに変わってしまいます。
でも、まあ、かなり楽しめて読めましたし、えいえんと輪廻としての死を対比するというのは私にとって初めての視点だったので(恥ずかしいなあ……)、感謝を込めてこの点数です。
- 013 『夕日の少年』 (採点:5)
- う〜ん、好きな部分と受け付けられない部分が混在していて、点数がつけにくいです。
全体の流れは好きな部類なんですが、詩子に関する描写が私の体験や考え方と全く違うので、むしろ「舐めとんのかおんどりゃあ」て感情が沸いてきてしまいます。登場人物が嫌いなのではなく、書いている作者さんと私の体験している世界が違う、そしてその世界に関する感じ方も違う、という事です。
ぶっちゃけていうと、結局趣味に合わない。
物語としては無理に入れたエピソードが多く、破綻気味な気がします。40KBというのは長いようで短い制限。ほんとうに書きたいことがある人には無駄なシーンなんて入れる暇がないと思います。仮に書きたいことや狙いがいくつかあり全てが物語を構成する要素だとしても、数を絞りこんだほうがよかったのではないでしょうか。そしてワンシーンに持たせる意味を練りこんだほうがよかったのではないでしょうか。
- 017 欲深な微睡 (採点:3)
- 最初すっごく興味を引かれました。文章のそこかしこに「毒」が感じられてw
しかし読み進めていくうちに期待は徐々に萎んでいっちゃいました。淡々とした描写を狙って書く手法なのでしょうが、怪しげな日本語が見られる上に、読んでて疲れたのが原因です。
疲れた原因の一つは場面の時間がわかりづらいところ。そしてわかりづらいにもかかわらず、場面が変化するたびに時間があっちに飛んだりこっちに飛んだり、目まぐるしく前後し過ぎるところです。
時間軸は文章の意味を追えば確かにわかりますが、「一目見てわかる」と言った読み易さがなかったのです。どう読み易くして欲しかったかというと、例えば過去の会話であれば現在の語り口に懐かしがってるような口調を覗かせるとか、、結婚後であれば語り口において浩平に対する瑞佳の心象を変化させるとか。社会人になったあとならば生活臭を滲ませる等ですね。頭を使って目を疲れさせなくても、一目瞭然で「いつ頃か」がダイレクトに伝わってくるようにして欲しかったのです。
語る「瑞佳」の心情を交えたくないのであれば、場面の一番最初にズバリ「いつの頃か」を書いてしまうのもアリだと思います。曖昧な表現を使わず。
一番わかりやすくする方法は、この物語の中で一番古い時代にまず飛んで、それから徐々に時間を追って現在に戻っていくという構造をとる事です。17・18歳をはさんであっちこっちふらふらせずに。
またそれに加えて表現が平坦過ぎる事も一因です。話も盛り上らない。
この文体を狙ってやっている事はわかります。でも狙ってるなら狙ってるで、それでもわかりやすく、読みやすく、読者の興味を持続させる方法は色々と模索できると思うのです。この雰囲気を崩さずに。
そしてこの作者さんなら、じっくりと時間をかければそういった心配りが出来ると思うのです。私が上に記したような事とはまた違った方法で、作者さんの考えに、狙いに、あった方法で。……いや、〆切間際で時間がなかったのかもしれませんけれど(汗
結婚する前と後、そして結婚時。それに変化がないというのは狙いどおりなのでしょうが、同時に致命的過ぎます。ストーリー的に変化を感じさせなくても、文章表現では時間を感じさせて欲しかった。
とにかくそういった点ですっごく残念でした。
話自体は凄く好きです。雰囲気も好きです。キャラのイメージを「うまく」崩す事に成功してると思います。あちこちに感じる「毒」なんて私好みです。そこだけを見れば、私はこの作品に8〜9点をつけます。
でも、それでも、読み辛さから読むのをやめそうになったので、3点なんです。
いや、事実一度読むのをやめました。もとのページに戻ろうとして一番下までスクロールさせ、そしてラスト5行が目に飛び込んできたから、また興味が出て読んだのです。ブラウザの「←戻る」で戻っていたら、最後まで読んでなかったでしょう。その事実があるから、3点なんです。
非常に、非常に、残念でした。
- 024 【呪いの唄】 (採点:8)
- 9点にしたいのですが、何故か心のブレーキが掛かって8点。この長森、大好きですw
事実の発覚から決着までの流れがあっさりし過ぎのように感じました。前半部分をゆったりさせて、後半急展開! という感じを狙っていたのかもしれませんが、もっともっと凝るか、或いはすっごく短く終えるか、そのどちらかの方がよかったんじゃないかな〜。展開の早さも異常心理の描写もちょっと中途半端に感じました。字数制限があるから、色々と難しいのかもしれませんが。
あ、日記の最初の一文はすっごい好きです。実際にやられたらと思うと、すっげえ怖えぇ行動で、いかにもサイコさんという感じでした。人を殺すとかいう非日常の行動よりも、日常に普通に入りこむ異常性のほうが読者へサイコさんぶりをアピールするのに際立つんだな〜、と痛感しました。
「かごめ」の歌。この有名な歌を冒頭に持って来たからオカルト方面に行くかと思ってたのですが……サイコさん方面だったのですね。個人的に、ちょっと肩透かし。カゴと永遠以外にも色々と絡めてもらいたかった……でも、わらべ歌として子供の無邪気さや一途さと絡めたのは私好みでよかったです。
と、今気がついたのですが、ジャンル「純愛」。確かにw
こういった遊びがあると私としてはすっごい嬉しいです。
話自体はありふれてるかもしれません。つうか、この系統でありふれてない話というのは、よほど凝らないと難しいのかも……やはり字数制限か。
- 026 ダンスインザダーク (採点:8)
- 好きです、この話。
題名を眼にした時はあまり興味をそそられませんでしたが、いざ読み始めると引きこまれました。
もう熟読。私には珍しいほどはまって読みました。そういう意味では10点つけてもいいくらいです。
じゃあなんで8点なのかというと……読んでて楽しい、先が気になる、引きこまれる。それは事実なんですが、衝撃がなかったのです。読んでて暗くなったり、悲しくなったり、ソラ寒くなったり、モニターを殴りたくなったりという感情に訴える部分がなかったのです。途中で先が読めたと言う事もあるかもしれませんが(でもオチは読めませんでした)。
振り返ってみて残念の原因を探すと、角膜手術に関する描写、かな。あれはこの物語の核であり、色んな伏線の根っこでもある必要不可欠な要素ですが、それをみさき自身に語らせ考えさせ「推理」させて「証拠を探」させたせいでサイコさん風味が薄れてしまってように感じたのです。説明の描写をさらりと終えて、その後は知識をもとに「妄想」を膨らませていった方がサイコさんとして私好みでした(そんな理由で演技に長けたもの=雪見を疑う場面は好きです。思わず「んなわけあるか!」と突っ込みたくなりますが、それを信じ込むところがサイコさん?)。
この話はどちらかというとミステリーに近い気がします。サイコホラー風味の。ただ読み手がラストシーンをどのように捉えるかで、変わるかもしれません。作者さんと私の考えも違うかも〜。いく種類かに捉える事が出来て、わたしにゃあ判断つきませんけれど。
私個人は狂喜と呼ぶのではなく、心を曲げて何かにすがろうとする哀しさと優しさ・エゴ(浩平も含めて)が見えて、このラストシーンが好きです。
皮肉な世界の中で、自らの意思で踊りつづける彼女。やはりこの終わり方でよかったと思います。
ジャンルがダークとなければ、肩透かしを感じる事もなく、9〜10点つけていたかもしれません……うう、すいません。
あ、最後に……あの映画見てません(汗) SSとは関係ないのかもしれませんが、今度探してみよう……なんて、そんな気にさせてくれる作品でした。
- 030 『パラダイス☆銀河〜愛と絶望の小豆洗い〜』 (採点:2)
- こういうギャグは小ネタと波長が合えば面白いのでしょうが、合わないと辛い辛い……全く駄目でした。作者さんと私は別の世界で生きている、という事で勘弁してください。
ラストの一文で、さらにマイナス一点。
- 031 空の在り処 (採点:5)
- キャラ同士の会話が好きです。途中ニヤニヤしてしまうのもたびたびでした。でもそうしたニヤニヤも原作準拠の流れでしかないんですよね。作者さん独自の「ニヤニヤ」が感じられないのが残念でした。そういった意味ではこれ以上ないくらい二次創作なのでしょうが、やはりもの足りません。
特に前半での地の文。雪見が眼を瞑って歩くシーンや澪に服を掴まれるシーンなど、原作の描写そのままです。雪見と澪のやり取りもニヤニヤしたものの、それは原作ONEの雪見とみさきのやり取りを彷彿させられたからです。ちょいと残念でした。
また翼を傷つけた鳥という比喩はありきたりです。ありきたりな題材を使うときには、読者の先入観を逆手にとってインパクトを与えるか、あるいは先入観に沿って進めていきながら「ありきたり」で止まらずにさらなる先を見せてインパクトを与える、そういった「驚き・新鮮さ」が必要になるのではないかと思います。
個人的な事を言うと「澪ちゃんって、すごいよね」それをもっともっと絡めて書いて欲しかったです。
総じて、独創性が足りないSSだったと思いました。
- 034 莫逆の友の恋 (採点:5)
- なんでかな、なんでかな、この文章の並び方、なんでか誰かとイメージかぶるな。まあそれは置いといて。
地文に作者さんが顔を出すのはほどほどに。突っ込むべきは登場人物=相方、或いは視聴者が行うべきであって、プロデューサーが画面下に字幕を出して突っ込むのはなんか違う気がするのです。少なくともスタンダードな形ではありません(最近のバラエティでは全盛期だけど、あれはまだ強調であってツッコミそのものではないからなあ)。
これを一つのスタイルとして突き詰めていくのだとしたらそれはそれで面白いと思うのですが、まだ作品の中と外を意識させて笑いや構成に組みこむまでにはいってないと思います。単なるギャグとして見ると……すいません、手を抜いてるように見えます。事実、私は笑えませんでした。文章に軽快さを引き出している要素にはなっていると思いますが、諸刃の剣ですね。
私にとって致命的に感じたのは、詩子と住井のキャラが私のイメージと違うことでした。感じ方の違いですからなんともいえないのですが、住井が長森に告白しなかった理由は奥手だからじゃない気がするんですよね……出番の少ない詩子も、なんだか……
物語も捻りがなくて、飽くまで普通。これを安心して読めるSSと取るか、先が読めて詰まらないと取るか。私としては何か意外なものを含ませて欲しかったです。
- 041 Last Lovesong (採点:6)
- ラブストーリーOnlyというのは、著しく私の趣味からはずれるので……それを考慮して、足したり引いたり、複雑に点数をつけてみましたw
単に別れるならともかく異国の地に向かうのならば、恋人のみならず、家族等との別れも描写したほうがいいと思うのです。言語や風土、文化の違い等から来るの不安もあるでしょう。それらを物語りに組みこんで欲しかったです。
それまでの生活が劇的に変わる時、心に掛かるものは恋人との別れだけなのか。音楽や約束や、その他の事は恋人と自分とを結びつけるものでしかないのか。恋愛以外に、自分の中で確立しているものはないのか。
今まで自分の拠り所となっていたもの。それを捨て去る事になるかもしれない不安。懊悩してもさらに先に進んでいこうとする強さと、それだけ輝いて見える何かしらの目標。
その描写がおざなりになってしまうのが、私が恋愛Onlyものにイマイチのめり込めない理由です。自己を確立している人間、或いは逆に何かに拠りかからずには生きていけない人間。そういった描写をしたうえで恋愛を書かれたら、納得できるんですが……でも高校生らしいといえば高校生らしいかな〜。
このSSでもそういった事柄が見えなかったので、私の趣味からはずれました。ほのぼの恋愛・日常のひとコマ恋愛ならば恋愛物でも好きなんですが……人生を左右するほどの事柄を絡められたので、個人的こだわりが浮上してきてしまいました。私の目から見ると、この瑞佳の人生は軽すぎるのです。
話の作りがうまければうまいほど、細部が気になってしまうだけなのかも。3DCGと同じで、違和感が拭えなくなってしまうのです。
そんな観点で、再会した二人がいきなりプロポーズというのもロマンティックなんでしょうけれども、個人的には「う〜む」でした。
- 044 小さな幕間劇 (採点:6)
- う〜ん、私にとって、悪い意味でふぁんたじー。でもまあジャンルがメルヘンとか童話じゃないからいっか。
劇の始まる前の演劇部室内の会話がちょいとわざとらしい。まだ容量的に余裕があるように感じるので、もう少し自然に説明できるように凝った方が良かったのでは。
また劇内の文章表現に付いては……抽象的に比喩を用いて思わせぶりにしているだけ、という印象が強かったです。高等な知識や読解力がないとわからない仕掛けがあるのかも知れませんが、私にはそこまではわかりませんでした。ストーリー的には読み終わったあとに「ああ、結局それか」といった感情しか沸きません。テレビ番組の中でテレビ映像を流したものの、番組も映像もニュースに過ぎなかった。語る私を騙る「私」を演じようとしたが、騙るべき「私」を入れ損なった。そんな感じです。
それと幻想文学って裾野が広すぎて(SFとかホラーとか)境界曖昧ということもありますが、ファンタジー、ファンタジー……う〜ん、ふぁんたじーだとされている中で、表現的に私の嫌いな部分を持ち出されてるんですよね。結局、趣味に合わんのです。この構造をファンタジーとされているならいいのですが、もし表現を指してジャンル表示を選ばれてたら、或いはジャンルに合わせて表現を選ばれてたらイヤだなあ。いや、まあ、作者さんの考えがどういったものであるのか、私にはわからないんですがね。
劇に入るまでの世界とか温かさとかのキーワードも、少し強引な気がしました。私と作者さんの体験し感じてる世界は違うのかも知れない。でもしがらみで流れない川を劇内で出した時はちょっと期待してしまいました。劇前の川や世界の描写・冒頭なんかは皮肉が含まれてるのかな。
相原というのは……こういう皮肉を使うのならば、もう少し劇の内容自体で、ね。いや、私の考え過ぎかも。劇後物音一つしないのもちょっとした遊びかな。あああああ、読み方がひねくれはじめてる。
でもでも、このSSは技巧じゃなく皮肉重視で書かれたものとして、6点進呈いたします。技巧だったら4点。間違ってもキャラLOVEとかじゃないだろうし。
あ、それと。現実の劇でこのSSを表現する方法を考えると、すっごく面白かったです。演出に凝り甲斐があるだろうなあ、と。でもやはり、ONE本編をなぞらえるだけで終わってる気がするのが残念でした。
ぷらす、最後に。皮肉なのかそうでないのか、本当に判断しづらいSSで困りました。でも例え皮肉だとしても、こういった書き方は趣味に合わんのです。どちらかといえばお笑いにしてほしかったなあ。
- 049 雨音は誰が為の歌 (採点:4)
- 物語の設定に反して、内容が軽い。
なんつうか、各シーンの心理描写にこだわりが感じられなかった、かな。特に浩平の。
全体を通しての印象が中途半端で、ラストシーンも浮いてる感じがします。浩平が茜にプロポーズするラストシーンが主なのか、それとも浩平の家族への考えが主なのか、どちらが先に作者さんの頭の中にあったのかはわかりませんが、話としてはつながっていなければならない流れが乖離してしまっているように感じます。
ハッピーとアンハッピー、一つの作品の中で、しかも決められた字数の中で両立させるには、かなりの実力が要求されるのではないでしょうか。
- 050 セレナードで眠らせて (採点:4)
- 狙ってやっているのでしょうし、好きな人には堪らないのかもしれませんが……私はこういう地文が駄目なのです。例え一人称にしても、ですます調は駄目なんです。キャラは茜だし、基本はそれでもいいのですが、一本調子で平坦になってしまっているので所々で変調を意識したほうがいいと思います。
それとこのこんぺで感じた印象として、ONESSで恋愛もの、しかも結婚が絡んだ話だと、必ずといっていいほど「えいえんから帰ってきた」ことを浩平&ヒロイン間で会話する、という印象があるのです。何故なのかと考えてしまいます。しかもそれはほとんど同じパターンである気がします。細かい所や見せ方や作者さんの考え方は違うのでしょうが、記憶を掘り返すと、同じ印象しか残っていないのです。で、このSSも同じ印象しか受けなかったのです。
きわめて普通のSS、そんな感じでした。
○ほねほね さん
- 007 とある騎士の物語 (採点:3)
- Kですか、そうですか。
○まーきー さん
- 001 エターナリズム (採点:7)
- 熱い話ですね。でもその風圧は決して暑苦しいものではなくて。うん、楽しめました。
文章的には申し分ないし、よくまとまっていると思います。ストレスなくこれだけの長さを読ませる力量は素直に凄いな、と思えます。
ただ、ストーリーそのものからありがち感が拭えなかったために、迫力がなくややチープに感じてしまいました。初期設定がきちんとされているのは良いんですが、ストーリー展開がその設定だけにおんぶしていて、驚きがなかったんです。贅沢なお願いではあると思うんですが、緻密な設定の上に更にもう一つ、驚きがあればな、と思うんです。
また、好みの問題としてこういうえいえんの壊し方が受け入れられませんでした。長森とみずかが別人なら幼いころの盟約は機能しないし、かといって浩平が自発的にえいえんに行きたがる理由もわからないですし。こんなこというのは野暮だってことは重々わかってはいるんですけど……すみません。
- 002 彼女の理 (採点:10)
- あーもう、仕事場でこんなもの読ませないで下さい(笑)←言いがかり
繭の全てに一喜一憂して、最後にとことんまで嬉しくさせられてしまった読者がここにいます。
完璧なまでの真っ向勝負は、自信の表れでしょうか。事実それにそぐわないだけの素晴らしい出来栄えだったと思います。
ありふれたお話という声もあるでしょう。その声を否定することは出来ないとは思います。でも、これだけ真摯に書かれては、どんなコメントもかすんでしまう他ないと思っています。
SS書きとしては──こういうお話が書けないからひねった話に走ってしまうんだよなぁ、という羨望を。
SS読みとしては──こういうお話に出会えるから読むことを止められないんだよなぁ、という歓喜を。
そのどちらについても、与えてくれたことに感謝して。
この作品に、ただ有難う、と言わせていただきたいと思います。
バン。
机に叩きつける手のひらの音。
「何か反論は?」
これっぽっちもありません(笑)
ただただひたすら、ブラボーでした。
- 003 Fragment (採点:4)
- ONEの世界の再構築。その「見せ方」は上手いと思います。謎を明かしていく過程には緊迫感があるし、実際それに相応しい文章表現を丁寧に選んでいるな、と思いました。
でも、新たに提示されたその世界は、どこかで見たことあるような印象が強いものでした。それが、とても気になってしまいました。
正直僕には、設定の作りこみ方に安易さばかりが感じられてしまい、受け付けられませんでした。
世界観を変えてまでして、結局何を言いたかったのか。そうした強烈なメッセージが伝わってこなかったことが、この点数の理由です。
- 004 いつか、その日の為に (採点:8)
- 冒頭、良すぎです。カッコええー。しかもラストにしっかり持ってくるあたり、手馴れてますね。というかお知り合いの一人ではないかと邪推するのですが。違っていたらごめんなさい。
話の展開方法が本当に上手です。キャラの造形と配置、明と暗のバランス、アップダウンのタイミング、などなど、感心させられるところが目白押し。でも、読後だからこういうこと言ってますが、読んでいる時はただほえほえと楽しませてもらいました。いいなー、楽しいなー、丸くて茶色いニクいヤツ。登場シーンが最高です(笑)
ただ、最後はちょっと安易だったかもしれませんね。ショートショートだったらあの結末もありかなと思いますけど、ここまで引っ張ってしまったら、相応のオチを求めたくなってしまいます。そこまでのテンポが良かっただけに、一気に説明されまくってそのまま終わりでは、拍子抜けかな、と。
これはもしかしたら、みずかの説明ちっくな台詞に、多少萎えてしまったことが原因かもしれませんね。「想いの力の残滓」とかあからさまな単語を使われると、個人的には引いてしまうんですよ。本当にこれは趣味の問題かもしれないんですけど、出来ればシュークリームの皮みたいに淡く包んだ言葉を使ってほしかったです。そういう言葉遣いはみずかの得意技だし。
ともあれ、楽しませていただいたことは間違いないです。うん、面白かった。有難うございました。
- 005 マジカル☆ワードを唱えよう (採点:6)
- 当初のイメージに反して、わりとしっかりした構成でした。ところどころに萎える部分がありますが、澪は可愛らしく描けているし、素直に楽しませてもらえた感じです。
ただ、もうちょっとキャラを掘り込んでほしかったかもしれません。ところどころの台詞回しが台本調で、なんだか都合よさがにじみ出てしまっているので。あと、茜の役どころも食傷気味かも。こういうお約束なところがこの作品の味でもあるので、一概に悪いとは言えませんけど……。
- 006 すてるす同盟 (採点:8)
- ……この何とも曰く言いがたい読後感は、一体全体なんなのでしょうか(笑)
話の作りこみ方が上手ですね。伏線もあり、ブラフもありと、適度にひっかけてくれるので楽しめました。
ただちょっと男三人のやりとりがステレオタイプに過ぎたかも。はじめのうちは面白かったんですけど、だんだんと飽きてきてしまいました。シュンはかなりインパクトのある良いキャラですけど、それに頼ってばかりでは寂しいかなーと。浩平もわりと良い味出してるんですが……あと一つ突き抜けてほしかった気がします。
- 007 とある騎士の物語 (採点:2)
- タイトルコールまでの流れにはわりと引き付けられるものがあったのですが、その後は、いささかだらだら書きすぎだったと思います。ノエル視点で本編をなぞっただけでは、少なくとも僕の場合は飽きてきてしまいます。また、作中にある歌を模したお話なのですから、きちっと消化した上でアレンジをしないと独創性は生まれません。
あと、ラストはちょっとお約束過ぎたかもしれません。ていうか人間にあの名前をつけるのにめちゃくちゃ違和感があるんですけど……僕の感性が古いだけかなぁ。
- 008 Search for (採点:7)
- とてもよくまとまったお話だと思います。机にかかる様々なエピソードの連ね方は、素直に上手だな、と感心させられました。また、少し独特の一人称のテンポもいいし、主人公である猫も魅力的に描かれていると思います。時々こぼす言葉がけっこう好きだったり。「やるな、だんな様」とか(笑)
でも、どこかあっさりしすぎな印象が胸を離れません。あっさり感がこの作品の味とも言えるので、一概に問題視するわけでもないのですが……好みとしては、もう一つ琴線を振るわせる瞬間がほしかったな、と思います。
- 009 Replica (採点:6)
- 不幸を描くのはいいです。個人的にはダーク好きだし。
ただ、浩平の弱さの根源的な理由が、取ってつけたような事故では、お話全体に説得力や凄みは生まれないのではないかと思います。七瀬の焦燥や決意が非常に巧みに描かれていただけに、その一点が悔やまれました。
- 010 NOISY SILENCE (採点:6)
- うーん。タイトルは、人の心の深淵を意味しているのでしょうか。喧騒のさなかの静寂。台風の目。無関心ゆえの安寧。
これらに抗おうとする佐織の姿は、深淵に比してあまりに脆く。そのコントラストが奇妙な乖離感を僕に与えている。そんな印象です。
ただ、読み終えてから考えてみると、ストーリーの縦筋が終始あいまいだったために、各シーンがぼやけていたように思えます。印象に残るような場面がない。だから、何かひとつ物足りない気分でした。
- 011 その果ての雨 (採点:7)
- ラストへ至るまでのプロセスはとても面白かったです。なんとなくブラッドベリ好きですか?とか訊いてみたり。イマジネーションの世界を、読みやすいテキストがきちんきちんと描写していく過程はなかなかに気持ちいいものがあります。白い仮面の男たちの、喜劇っぽい描き方もグッド。
しかし、最後の描き方は好みからは外れてしまいました。ショートショートとして捉えるにも、どうにも尻すぼみな感じが拭えなくって。
冒頭にあれだけインパクトがあったのですから、「人は亡くなる時、生前の思い出を全て捨て、新しい世界に旅立つという。」の一文だけでお話が説明しきれてしまっては、なんだか寂しいと思うのです。この文章があったために、以降の文章が蛇足になってしまった感じがしました。
- 012 曇り色の時間 (採点:7)
- 淡い余韻が良いですねぇ。ショートショートとしてとてもよく出来たお話だと思います。タイトル付けも、何気ないようでいて上手い。こういう、タイトルの示唆する「色彩」が全編を彩るお話はかなり好みです。また、ところどころに、おぉ、と思わせるフレーズがあったりして、楽しめました。
惜しいのは、舞台がひたすら屋上での会話に限定されていたことでしょうか。もちろんそこには、限定された空間だからこそ生まれる味わい深い雰囲気があるのですが、単調さは拭いきれないかな、と。
とはいえこの雰囲気は淡々とした展開の上に成立しているわけでもありますから、難しいところなんでしょうけどね。かなりきめ細かくまとまっているように思えますから、これ以上コンパクトにするのも至難っぽいですし。うーん。
……まあ、こんな風に思ったヤツもいるってことで、軽く流しておいてください(^^;)
- 013 『夕日の少年』 (採点:8)
- まず、何をおいても詩子が魅力的です。全編を通じてらしさ満点な彼女に拍手。それは単なる趣味の問題だろうと言われようが、山を見つける前までのシーンだけでも僕ならご飯三杯いけてしまいます(笑)
個人的には、示唆するばかりで具体的な「解決」が描かれていないことには多少物足りなさを覚えるのですが、プレストーリーなのだからそれは仕方ないのでしょうね。どのエピソードもきちんと本編への布石として成立しているので、都度都度楽しめました(と言いつつ、繭の位置付けはよくわかってないんですけど/汗)。
ともあれ、元気いっぱいな詩子さんに万歳。丁寧にキャラクタを描ききってくださって、有難うございましたー。
- 014 風の辿り着く場所 −Eternal Happiness− (採点:2)
- ええと……登場人物がすごく薄っぺらな人間に思えて仕方なかったです。酷評ごめんなさい。
琴莉ちゃんの扱いなんかにも顕著なんですけど……もう少し、登場人物を思いやってください。記号的役割だけでは可哀想です(なおこれは、琴莉ちゃんを死なせたことについてだけ言及しているわけではありませんので、念のため)。もちろん作者の方はそうされているつもりなのかもしれませんが、すみません、僕の目にはそうは映りませんでした。
たとえばなんですけど、みさき先輩は簡単に「知らない人」だなんて口にしないし、そう言われたら、深山先輩はかえって心配するんじゃないかと思うのですが……。
- 015 その手を離す、その日まで。 (採点:4)
- うーん。低い点数つけづらいお話なんですが……涙を飲んで4点です。やっぱり、本編で描かれていたみさき先輩の苦しみに比して、この作品の描写だけでは厚みがないんですよね。もっと、もっと、大変だったはず。もっと、もっと、二人の絆は深かったはず。そこを限界まで頑張って誠実に描ききって、ようやく成立するテーマだと思うのですよ。個人的な好みを押し付けるようで申し訳ないのですが、一読者として僕はそう感じました。すみません。
- 016 二人が刻む永遠 (採点:7)
- 構成などについてはとても上手に作られているな、と思いました。冒頭のシーンからラストまで、一つ一つに意味があって、明確な役割があって、するすると読み進めることが出来ました。テキストも読みやすくて良い感じです。
ただ、難点もあります。それは、キャラクタの心情が遠くで描かれている気がして、いまひとつお話に入り込めなかった、という点です。おそらく、雪見が終始受け身の立場にいたことが原因ではないかと思うのですが。彼女の一人称である以上は、もっと動かしてほしかったたな、と。単に僕が雪見先輩好きだからなだけかもしれませんけど(汗
- 017 欲深な微睡 (採点:9)
- あー、面白かったー。なかなかコメントは難しいのですが、素晴らしいまでのドライブ感ですね。読み留めることすら許さないほどの迫力が、息を詰まらせます。ていうか読んでいた時呼吸をしていた自信がないです。してないはずは無いんですけど、そのくらい飲み込まれていました。
個人的に、心の奥底へ深く深く潜行していった上で「これは本当に狂気なのか?」という命題を読み手に突きつけるのが、好きなダークの路線なんですが、この作品からはそれに近いものを感じました。正気と狂気の別を読み手にすらわからなくさせる作品、という印象。このお話は決してダークだけで括れるものはないんですけどね。
でも実際、読み手をそうさせてしまうほどに深く危うい思考を、長森は貫いていますよね。しかも自覚的だし。怖いですね。深遠の淵を覗き込む怖さ。思考と紡がれる台詞とのギャップもまた、そのあたりの怖さを助長させているような感じですし。でも、そのくせ実際に語られているのは、怖さの先で艶美に花開く心だという事実。たしかに、ここまで深く沈まないと書けない話なんだろうなぁ、と思います。こんぺ最深作と勝手に認定。もう、とにかくやられました。ラストのビジュアルイメージも鳥肌ものだし、凄すぎるー。
序盤、ミルクにかかる長森の思考と行動に違和感があったので少し点数引いてますが、なんにせよ、とても楽しめました。有難うございました。
- 018 この世界は (採点:8)
- ラストの余韻。わりと好きです。ちょっとぼんやりさせすぎな感もありますが、それが元気な詩子さんのキャラクタとの面白いギャップになっていて、彼女をより魅力的に見せているのも事実なんだから仕方ないかな。
あと、会話。面白いです。クラシック聴かない人間にはちょいと優しくない気もしましたけど。不覚にも『かえるのうた』には笑わされてしまいましたし、乗倍的に脱線していくキャラたちは読んでいて凄く楽しかったです。
少し中盤が長すぎた気はしますが、楽しませてもらったことは確かです。有難うございました。
- 019 トライ (採点:6)
- 長森の役割を住井君に置き換えただけかと思っていたら、細かなところまで上手く合わせていて、わりと楽しめました。書きたいことがはっきりしていて、そこに向かってぶれることなく書く姿勢は、同じ書き手としては見習わないとなぁ、なんて思います。きっちりとお話が発展する方向に閉じているところも好印象。
ただ、「戦友」「親友」などといった言葉を連呼されると、僕はどうしても引いてしまうようです。その抵抗感は、思ったよりも自分の中で強かったようで、手放しで賞賛出来ないでいるんです。
個人的には、こういう言葉はあえて使わないように表現する方が、重みが出ると思うのですが……どうでしょうか。
- 020 Requiebros(愛の言葉) (採点:3)
- 長森の演奏を茜がさりげなく立ち聞きするシーンはなかなか好みでした。お話自体もしっかりまとまっていると思います。
けれど、必要なことは一通り語られていると思える一方で……なんというか、ほかに「魅せる」ものがないな、と。上記のシーンだけでは力不足だと思いますし。
王道といえば聞こえは良いですが、こういう誰もが考えつくようなお話を書くのであれば、どこかにインパクトがないと読み手の心には残りません。あと一工夫を、お願いします。
- 021 夏ノ空ニ夢ハ初マリ (採点:5)
- 一箇所エラいところに誤字があってのけぞりましたが……全体としてはなかなかに楽しめました。
夕陽の使い方が上手いですね。適度に浩平の焦燥感を表現していて。あと、校門でおろおろしている長森は萌えです(笑
でもそれ以外の部分は、文章が大仰すぎて内容に合っていない気がしました。一つ一つの単語が「強すぎる」という感じ。同じ理由で、浩平の気持ちのアップダウンも激しすぎるように思えます。終始その違和感をひきずりながら読むほか無かったのが、些かつらいところでした。
- 022 はやく昔になればいい (採点:7)
- 突っ走ってくれたなぁ。読み終えて最初の感想がそれです。ここまで徹底されると、もう何と言っていいものやら。個人的には、52作品中でもっとも感想付け辛いSSです。
「彼ら」に裏切られ、世界に裏切られ、自分すら裏切らずにはいられなかった茜。その描きっぷりはお見事としか言いようがないです。地の文めちゃくちゃ上手いし。52作品中でもっともスピードのあるSS、でもあると思えました。凄ぇドライブ感。
話自体を好きにはなれないのですが(というか、作者さん自身が好きになってほしいとは思ってないでしょうし)、アンチテーゼの裏にオマージュを潜める方法の一つとしては、これもありかな、と思いました。遊びを一切入れない貫徹っぷりも好印象。それでこそ冒頭の、「空のオーケストラ」のイメージが映えるってもんです。
難点は、やはり直人が表に出過ぎてしまったことでしょうか。茜を拒絶する時の彼の言葉が、自身の「空のオーケストラ」の持つ冷たさとは異なるために、「空の〜」の印象を損ねる結果に繋がっているかな、と。もっとも、下手に彼を「空の〜」のように描くと、話の趣旨が変わってしまうので難しいんですけどね。
ともあれ、まあ、こういう作品もアリなんでしょう。作者さんが刺されないか心配ですが(^^;)、読ませるお話だったことは確かです。
- 023 世界は終わり、或いは始まる。 (採点:9)
- ……なるほど。強引さは否めませんが、それを補ってあまりある魅力的なストーリーだったと思います。「物語る」ことを知っている人の書いた作品。僕自身が「物語る」ことをはっきり理解しているわけではありませんが、なんとなくそんな印象を受けました。読み手を強く引き込んで離さないその力強さには目覚しいものがありますし、すべての場面に切なさを忍ばせる描き方も良い。ていうか凄いです。他にも、冒頭と最後の御伽噺のフレーズもかなりの引き込みと余韻をもたらしてくれましたし。ああ、なんだかもう羨ましいくらい。書き手として一番大事だと思っているストーリーテリングの力をここまで見せ付けられると、細かいアラなんてどうでもよくなります。ええ、バンザイです。脱帽です。尻尾巻いて逃げてやります。それくらいに、とても、面白かったです。有難うございました。
- 024 【呪いの唄】 (採点:7)
- ダークもホラーも嫌いじゃないですけど(むしろ好き)、この作品の場合はちょっと設定が安易だったかもしれませんね。
というのも、お話の根幹である由紀子の狂気の展開方法が、占い→日記というありきたりコンボではお粗末過ぎるのではないかと思うのですよ。長森と由紀子の共通点をほのめかしておいて、最後にきっちり繋げるところは凄く凄く上手いな、と思えただけに、どうしてもその点が悔やまれてしまいます。
でも、それを補って一気に読ませるだけの筆力は素直に賞賛に値します。前半ややだらだらしていましたが(あとほんの少し短くても良かったかなーと)、後半の加速感は凄いです。否応なしに状況に飲み込まれる浩平の心境そのままに、ずるずると暗い穴に落下していく感じでした。これぞホラーの醍醐味、ですね。うん、面白かったです。
- 025 もういいよ (採点:3)
- うーん、展開に置き去りにされてしまったような、戻ってきてくださーいとお願いしたいような。えと、以下箇条書きで、展開急ぎすぎではと感じたところを挙げてみます。
・冒頭、広瀬と七瀬がなんだかいきなり仲良くなり始めたところ
・浩平が、広瀬に打ち明け話を始めたところ
・広瀬が、みさおと小さいころいっしょに遊んだことがある、と打ち明けたところ
と、おおむねこんな感じです。どれも各キャラクタの心境に変化の訪れた大事なシーンですよね。そんなでっかいインパクトが下積みもないところでいきなりやってきた上にフォローもなく駆け抜けていかれると、僕なんかは困惑したまま置いてけぼり食らってしまうわけで。
そんな理由から、僕は今回、この物語を楽しむところまでは行き着けませんでした。すみません。
- 026 ダンスインザダーク (採点:7)
- ダークというより、これはスリラーなのかな。積み重ねられたトリックが、迫力をもって押し寄せてくる感じ。なんとなく、「実はこういうことだったのだ!(バーン!)」とか、ナレーションと効果音が入りそうです。とにかく、読み手を驚かせることを優先させている。
なので、お話そのものの好き嫌いについてはあまり考えないようにしながら読みました。トリックとその「見せ方」に限定して見ていく形で。
その上での話なんですが……
展開運びはとても上手です。手馴れてる感じ。特に七瀬(雪見)の描き方は秀逸です。あの去り方によって、何かがおかしいとは思う、でも確信までは至らない、というちりちりした疑問を、読み手である僕は植え付けられてしまいました。この時点である意味負け決定です。気になるところはいくつかあったのですが、何だかんだと最後まで読まさせられてしまいました。読みやすいテキストもその一助となっていますよね。
で、以下はいちおう「気になるところ」を書いておきます。参考程度にお読みください。
まず、「角膜移植が無理→みさき先輩の目は治らない」と書いておいて「実は脳手術によって治っていた」というのは、ちょっとずるい気がしました。引っかけること自体は良いんですけど、伏線はほしかったなーと思います。あと、みさき先輩が自分を長森と思うようになった理由を、もうちょっと明示した方が良かったかな、と。それと、ラストで包丁持ち出すのはなんだか安易だったような。「光」にこだわるならば、たとえば浩平の家に火(光)をつけようとする、とかして路線を統一してほしかったかも。
以上、いろいろ書きましたが、どれも好みの問題だろと一蹴してくださっても構いません。実際好みで書いてますので。お話に飲み込まれていたのはたしかだから、あまりいちゃもん付ける必要はなかったかもしれませんしね。気を悪くされたようでしたらごめんなさい。
- 027 埋もれた夢に、あなたはいない (採点:6)
- 文章、上手いです。展開運び、こなれてます。佐織の焦燥はとてもよく伝わってきたし、伏線の張り方もお見事でした。
けれど、けれど、ああ。
佐織も「既に失った人間」だったのか! そうきたか! ここで期待度むくむく。
でも、「考えよう」。え、ここで終わり? 期待度がっくーん。
──と、なってしまいました。
ゆえに、「世界はこんなにも綺麗だった」という締めの言葉も、どこか軽く思えて。
もう少し「気付いて」からの佐織の葛藤なり努力なりを描いてほしかったです。あうあうあう、上手いのに、上手いのに、やっぱりもったいないです〜(悲
- 028 歩いて帰ろう (採点:7)
- 誤字に限らず、日本語がところどころおかしかったりしましたが……なかなかに面白かったです。このおかしなノリに飲み込まれたら、こちらの負けなのでしょう。勝ち負けじゃないですが。随所に見られるおっと思わせる表現も良。みずかは可愛くてちゃんとおしゃましてるし、司も上手い。実は頭撫でられて怒る由紀子さんに萌えましたし(笑)
ただ、冒頭の強い引き込みに対し、中盤以降は少しずつ収束していく一方だったので、単調さが拭えなかったかな、と思います。だからか、クライマックスもどこか一つ盛り上がりにかけてしまい。この辺りは、もうちょっと不意打ち食らわせたほうが良かったかもしれませんね。
いろいろ言いましたが、なかなか楽しめました。えいえんの世界の描き方としては、このくらいのすっ飛ばし方が良いのかな、なんて思ったりもしました。
- 029 澪とみさきと長森と (採点:3)
- うーん、むーん。ええと、この長さを読ませるにはかなり力不足だったかな、と思います。
澪はわりと可愛らしく描けていたと思うんですが、序盤の長森との会話は長すぎたし、お話の方向性が見えないままだらだら話は続くしで、正直最後まで読むのがつらかったです。
僕なんかが偉そうに言えることではないのですが、起承転結ないしは序破急といったストーリー構造を意識して、ところどころにインパクトを設けるようにした方が良いかな、と思います。キャラの配置(浩平・長森とみさき・澪の対比)は良い感じだったので、構造を工夫すればかなり良くなるお話なんじゃないかな、と。
- 030 『パラダイス☆銀河〜愛と絶望の小豆洗い〜』 (採点:6)
- うーん……。面白かったと言いたい気持ちと、ちょっとこれはと言いたい気持ちが半々くらいです。
ええと、以下その理由を。
・ところどころくすりと笑えるギャグがあった。+評価
・同じ位の割合で萎えるギャグがあった。−評価
・テキストのテンポがよく、すらすら読めた。+評価
・展開が冗長で途中からだれた。−評価
……という風に、良かったところと悪かったところが相殺してるんですよ。
なので、点数はどうしても平均点になってしまいました。でも前半はホント面白かったんで、あのレベルで最後まで突き抜けてもらえたら文句なしで高評価していたと思います。作者さんの他のSSも読んでみたいですね。ものすごく面白い作品がありそう。
- 031 空の在り処 (採点:9)
- 非常にシンプルなお話ですが、ここまで積み上げてくれれば言うことありません。みさきの立ち直り(というとこの場合は大げさなのですが)について、理由を明示しなかったことも上手いです。明示されていないことで、かえって自然に、「ああ、彼女はこうやって前へ進んでいくんだな」と納得することが出来ました。空がいつでも当たり前のようにそこに在るように、当たり前の何でもない日々の暮らしが、彼女を歩かせる。雪見先輩も、澪も、みさきのお母さんも、たしかにその力になっているんだな、ということが読んでいるとよくわかります。
ちなみに細かなところでは、
>大好きだよ、みさき。
ここが、さりげなく上手いなー、なんて思ったり。少しテンポを崩してまで入れることで、かえって印象的です。狙ってやってたんならマジ凄いんですけど、どうでしょうか。
まあそんな細かなところはともかく、全編に渡ってとても素敵なお話でした。有難うございました。
- 032 ALive (採点:3)
- うーむ、ちょっと浸りすぎのような。綺麗な言葉で綺麗にまとめようとするあまり、力が入りすぎているような印象を受けました。一つ一つのフレーズが、作者さんの方角だけに向かっていて、どうにもこちらの心には届かなかったな、と。
あと、全編を通じて、どこかで見たような話の連続だったのがつらいです。それでは読むほうはどうしたって先の展開を追う気力を失いますし。意外性、とまでは言いません。でも、どこかに独自性がほしいと思います。
- 033 コイゴコロ (採点:6)
- 綺麗にまとまったような、まとまっていないような。多分これは好みの問題なんでしょう。でも、僕には最後の二人の会話が唐突に思えてしまいました。特に茜なんて、詩子を思いやる描写が殆どないままでしたし(全くないわけではないですけど、結局は自分の心配の方を重く捉えている感じでした)。
でも、その他の部分は魅力的に描かれていました。とりわけキャラクタ造形は良かったです。控えめに主張する茜は萌えますし(笑)、冒頭の自転車を駆る詩子さんは素敵でした。
- 034 莫逆の友の恋 (採点:8)
- 軽快な語り口が読んでいて気持ちいいですね。お約束ながらもラストの茜の策略に乾杯。ついでに妄想癖にも乾杯(笑)
冒頭と序盤に配置された問題は、賛否が分かれるでしょうけど僕は好きです。ただ、ここでアクセントを求めるなら、中盤以降にあと一回ほしかったかも。そのあたりから状況説明が多くなってきたせいか、だらだら感がありましたので。あと、せっかく良質のラブコメディなんですから、浩平と茜のシリアスパートはいっそ省いても良かったのでは、と思います。単体でみれば良く描かれているんですけど、このお話の方向性的には余計だったかな、と。茜が健気だったから、僕としても省くのもったいないとは思うんですけど<どっちだ
なんにせよ、良質のコメディを有難うございました。浩平・住井・茜の掛け合いは、それぞれの味が出ていてとても面白かったです。
- 035 夢を観た日 (採点:4)
- みさおとの日常風景は、かなり原作の他ヒロインとの雰囲気に近くて面白いものがあったんですけど、さすがにこれは、同じテンションで長々と書きすぎだと思います。タイトルや挿入句から展開が「やがて夢が醒める」という先の展開が容易に想像つくだけに、途中からは、いつまで続くんだこれは、という気持ちになってしまって。その上、夢から醒めた後も原作のストーリーをなぞるだけでは……正直、拍子抜けしてしまいました。もっと前半〜中盤を短くして、ショートショートにするならば高評価出来たんですけど……。
- 036 たいせつなひと (採点:7)
- しっかりしたお話だな、という印象を受けました。構成とかもそうなんですけど、何よりキャラクタの心の動きをきちんと追えているところがとても良いです。読み手として、お話を楽しむ上ではそれが一番重要だと、個人的に思っているので。うん、面白かったです。
一年というスパンの長いお話のさまざまな出来事を詰め込んでいるせいか、都合良すぎるな、と思える個所もそれなりにありましたけど、鼻につくほどではありませんでした。こういう風にとても素直に書いてもらえると、こちらも大変嬉しくなってしまいます。有難うございました。
あと、追記ですが。振り返った美亜の視界を花びらが遮るシーンはとても上手でした。映像が目に浮かぶようでした。
- 037 虚構少女 (採点:9)
- 初読の時は、このラストの空虚さが“軽く”感じてしまって、低い評価をしていました。多分それは、七瀬サイドが非常に巧みに作りこまれているために、いくつも明示されている浩平サイドの伏線を読み飛ばしてしまっていたためなんだろうと思います。つまり、七瀬サイドの良さが裏目に出たという感じで。もちろん僕が迂闊だったわけですけど。
で、二度目、読み返しました。ああ、なるほど、と思いました。とても上手いです。そして面白い。ラストの余韻をなかなか言葉にすることが出来ないくらいに。
浩平の描き方がすごく上手ですね。クールになりきれない、でも諦観が入っている。そんな境界線の心を、ゆらぎを交えつつ全編にわたって書ききっていて。
でも、それはこの作品の良さのほんの一つに過ぎないんですよね。「現実」と「虚構」に関する様々な要素がぎりぎりのところでせめぎあっていて、一見とてもまとまりそうもないのに、最後にきっちり突き抜けさせている。
いや、すげえっす。結局三回読み返してますが、そのたびに上手さも良さも新しい発見がある。きっともう一回読めばまた発見があるのでしょう。あー、参ったなー。
少し気になったのは、七瀬の友達二人の性格が、ちょっと「作りすぎ」だったかな、という点です。ただこれも、40Kというサイズ制限の中では仕方ないのかな、と思えますからね。そういう意味では、文句の無い出来合いの作品だったと思います。ええ、素晴らしかったです(^^)
- 038 廻り廻るAffection (採点:3)
- 前半の殆どを費やした「家族」のやり取りは、浩平・みさき・みさおの新しい家族を描くための布石だった──のでしょうが、ちょっと長すぎかと。それと、いきなり「願いを一つ叶えることが出来ます」と言われても困ってしまいます。なんだか、みさおがあゆに見えてしまいました。
- 039 フリップフロップ (採点:8)
- フリップフロップの喩えは巧いですねー。いろいろな暗喩を含んでいて、しかもそれが物語全体とがっちり組み合わさって。このちっぽけな回路は浩平そのものなんでしょうね。変化することで保たれるものもある。たとえば浩平と瑞佳の関係のように。
前半の場面切り替えが多少わかりづらかったのですが、難しいお話をよくここまでまとめあげることが出来たな、と感心させられました。アラが結構点在していて読み取りを阻害していたので少し点数引いてしまいましたが、楽しめたことは間違いないです。良かったです。
- 040 こんな愛の形も良いじゃない (採点:2)
- 詩子さんのキャラが本編と違っているように思えます。少なくともこんなにハイテンションではないでしょう。わりとあっさり流すのが得意な子だったと思います。また、住井君の性格付けについてもハテナ印が飛び交います。
厳しいようですが、作者さんが書きやすいようにメインの二人のキャラクタの造形を変えてしまっている。そんな印象を受けたため、お話を楽しむ以前の段階で引っかかってしまいました。
- 041 Last Lovesong (採点:3)
- お話自体はきちんと構築されていると思うし、読み進めることに苦痛はなかったのですが、ちょっとべたすぎかな、と。綺麗なお話、でもそれに合わせて浩平も瑞佳もキャラが変わってしまっているような印象ですし。特に幼い頃の浩平は美化しすぎかと。瑞佳の記憶の中の話だ、という点を考慮しても。
そんなこんなで、僕にはこの作品は、オリキャラ同士のよくある話、という風にしか感じられませんでした。ゆえに点数は低めになってしまいます。もう少しONEっぽさがあればだいぶ変わったんですが……。
- 042 オレとあいつと彼女の事情 (採点:3)
- 登場人物の心境の移り変わりが記号化してしまっていたのが気になりました。そしてそれがキャラから人間味を失わせているように思えます。端的に言えば、魅力がない。それは、このお話においては大きなマイナスだったかな、と思います。
たとえば、励ます→立ち直るという流れを描くにも、その過程の中で相応の感情の機微を描く必要があります。しかしこの作品においては、そのプロセス部分がすっぽり抜け落ちていた。そんな印象を受けてしまいました。
- 043 夕焼け色のシンデレラ (採点:8)
- えーと、ちょっとは隠してください(笑)
いや、冗談ですけど。でも、こういうのを読むと、こっそり短編に参加した自分はどんどん罪悪感にまみれていくのですー。
……なんてこと書いていて、予想と違う人でしたらすみません(弱気)
前半、少し言葉の使い方にアラが見られる気がします。不安定な印象。強調表現を多用しすぎなのかもしれませんね。このあたりはもう少しあっさり流しても良いように思えます。あと、視点の変更は意図もわかるし納得出来るんですけど、少し書き方が読み手には不親切だったかもしれません。もう少しすぐにわかるようにした方が無難かな、と。僕が言うなって感じではありますが。
でも後半になると、この文体ならではの本領発揮、という感じでした。繰り返し繰り返し綴られる修辞句が、魅力的なストーリーにとても合っていて。独特の、本当に音楽を聴いているかのような独特のリズムが優しく二人を包み込んでいく過程が、読んでいてとても心地よかったです。特に最後のほうは秀逸。少し会話に硬さが見られますけれども、みさきが出した結論、それでもみゆきが笑う理由、などなどは、言葉面よりもはるかに深い味わいがあって、心ゆくまで満喫させてもらいました。本当に、この読後感の良さは貴重だと思います。有難うございました。
- 044 小さな幕間劇 (採点:8)
- 個人的な趣味に合っている、という点もありますが、なかなか楽しめました。「し〜っ、ぷぅ。」は狙いすぎな気もしますし(笑)、誤字脱字以外にもアラはいくつかありますが、野暮は言わないこととして。うん、面白かったです。
澪・みさき・雪見という三人のキャラを絡めているところが素敵ですね。矛盾はあるんですけど、核となる「浩平の永遠」のエピソードとの繋げ方が好きです。このお話の構成どおりに、前後から包み込むように、けれど少し距離が置かれていて。そして──澪だけは一歩近いところにいるのかな? メインはみさきだと思う一方で、ラストの澪の動きが凄く印象深かったのでそう思えたんですが……いずれにせよ、彼の登場シーンもまた素敵だったと思います。
しかし……下手な唄をあえて歌わさせられる七瀬は、哀れですねぇ。まーた口車に乗せられたんだろうなあ(笑)
- 045 永遠と瑞佳のあいだ (採点:4)
- ごく個人的な好みの問題なのかもしれませんが、僕にはこの作品は説明が多すぎに思えました。特に、内面の説明は多すぎではないかと。展開から決定的に速度を損ねているように思えます。ゆえに、正直読んでいてだれてしまいました。論理的に話をつなげていく力はあるし、含蓄もあるところを見ると、あえてこう書かれているようにも思えるので強くは言えませんけど。その辺りは、一読者の単なる趣味嗜好から発せられた意見という程度にお考え下さい。
ともあれ、そんなわけで僕はこの作品をあまり楽しめませんでした。楽しめたかどうかが僕の採点基準なので、巧いと思う個所はいくつもありますが、この点数にさせていただきます。すみません。
- 046 キャラメルのおまけ (採点:6)
- 表現力はものすごくある方だと見受けますが、みさおの一人称にひどく違和感がありました。というかこの子の知識が成長したことへの理由付けがない以上、アキレスと亀はまだしも外性器とか言われると僕としては引いてしまいます(汗)
それと、すみません、主題が見えませんでした。カメレオンの意味するところはわかっているつもりなんですが、その先の、結局何が言いたかったんだというところまでは手が届かないみたいです。
あうあう、そんなジレンマに陥っているので、採点回避、平均点を付けさせてもらいます。すーみーまーせーんー。
- 047 「わたしはあなたと歩きたい」 (採点:7)
- ひっさしぶりに直球なラブストーリーを読んだような気がします。なんか、新鮮で、なんか、嬉しいかも(笑)
王道もいいとこだし、ご都合主義なのも否定出来ないけど、まあ良いかなって思えてしまうのは、瑞佳がとても瑞佳らしく描けているからかな、と思います。依存心が強いくせに控えめなところとか、特に。ごく個人的には、彼女のそういうところはあんまり好きじゃないんですけど、でも、嫌いなところを含めた等身大の彼女はやっぱり可愛らしくて。最後には素直に、不器用な恋人たちに乾杯、といきたい気分になりました。こうなると作者さんの勝ちですねぇ(笑)
- 048 待ち合わせ (採点:5)
- うーん、これならいっそ完全ほのぼので通してほしかったなー、と思います。
先輩が抱えている悩みを、それが完全に晴れることがないと言い切るまで深く書いてしまった以上は、この結末では物足りなく感じてしまうんです。軽く触れる程度であれば、ほのぼのとして素直に楽しめたような気もするんですが、シリアスっぽくしてしまった以上はもっとちゃんと書き込んでほしかったなと。
以上、つい苦言を呈してしまいましたが、みさき先輩の一人称はなかなか味があって面白かったし、少女漫画のようなふわふわした雰囲気が気持ち良かったしと、良いところもたくさんあったと思います。なので、ぜひ次回は、真っ向からのほのぼの勝負(変な言葉ですが)をお願い出来れば、と思います。
- 049 雨音は誰が為の歌 (採点:2)
- 若者で埋め尽くされている山葉堂で、いきなりナーバスな話題をぺらぺら話し出す茜に物凄い抵抗を覚えました。仮にそれを瑣末なことだとしても、細かい台詞回しに気遣いが欠けているせいか、展開を急ぎすぎているせいか、キャラたちが人形のように思えてしまいました。
冒頭の雰囲気はわりと好みだったんですが……。
- 050 セレナードで眠らせて (採点:8)
- ほのぼの〜。まったり〜。
こういうのは好きです。ありふれた、恋人達の「特別な日」。
ていうか出だしはずるいです。お風呂ですか。お風呂ですか。つい鼻息が荒くなりますな(笑)
ほのぼのでこの長さを持たせた力には素直に脱帽です。また、個人的趣味ですが、たくさん笑う茜を見れて嬉しかったです。どうもでしたっ。
- 051 南西の風は瑞穂実る平原に (採点:3)
- むーん。瑞佳があまりにもあっさりと立ち直だし、茜の南に対する態度もどうかと思ったんですが……何より、終始解説調な地の文は読んでいてつらいものがありました。ゆえに、どうしても面白いと感じることは出来ず、点数も低めになってしまいました。文章そのものはしっかり書けているように思えますので、もっと軽快さがほしいかな、と。
それと、三人称の中だからといって一つの段落の中で視点がころころ変わるのは読み辛いです。このストーリーであれば、いっそのこと南君の一人称にして、瑞佳・浩平サイドの叙述を抑えた方が良かったんじゃないかな、と思いました。えらそうなこと言ってすみません。
- 052 未来の二人に (採点:9)
- むう、文句なしです。面白かった。ていうか……おーもーしーろーいー!(笑)
もう、読み易すぎ。わかり易すぎ。羨ましいなーもう。
話としてはほぼ雪見の回想録にすぎない単調なものなのに、それでここまで読ませるなんて驚きです。読み進めているうちに抱く興味・疑問・期待などに、次々と見事なまでに応えてくれる展開・文章・テンポ・キャラクター。もう気持ち良くって嬉しくって楽しくって。
ひとつだけ気になったのは、
>「うん、だって本当のことだからね。私は、客寄せのパンダと何も変わらないんだよ」
の部分でしょうか。みさき先輩は、結果的に同じことを考えていたとしても、ここまではっきり辛辣な分析はしないかなーと。ほんの少し気になった、という程度のことですが。
ともあれ、ここまで楽しませてもらえたら、もうこれ以上積み重ねる言葉はありません。素敵な雪見先輩を見せてくれて有難うございました。
○まろん さん
- 001 エターナリズム (採点:8)
- 大変楽しく読ませていただきました。 良かった所は物語の流れだと思います。全体的に流れるような物語の展開、要所要所でキチッと物語の本筋を外さないような書き方は見事だと思います。
あえて推敲するなら、セリフがやや多すぎた気がします。もう少し、背景の説明や状況説明を紹介しても悪くは無かった気がします。特に、中盤〜終盤での状況説明がやや疎かだと思います。
偉そうに言ってしまいまして申し訳ありませんでした(m_m)
- 003 Fragment (採点:10)
- ええわ〜泣けるわ〜(涙) 久しぶりに名作と思うSSを読ませていただきましたTT
良かった所は、とにかく登場人物の想いの表現方法が素晴らしい^^ 現実と空想のコラボレーションをここまで上手く表現できるのは本当に素晴らしいと思います。 後は、最後の最後まで物語の内容が濃かったことです。 いいSSでもどうしても最後のフィニッシュだけで台無し・・・というSSが幾つもありますが、このSSは最後までしっかりとした内容で好感触をもてました^^ノ
あえて欠点を挙げるなら、中盤から終盤にかけての流れがちょっと重かったかも・・・ というかそれ以外欠点が見当たらない・・・本当に作者の方、良いSSをありがとうございました
- 004 いつか、その日の為に (採点:6)
- 大変楽しく読ませていただきました。 茜のEND後バージョンということで^^;
まず、良かったところはシンプル、かつ深く状況説明を書き込んでいたこと。 特に、茜の部屋で巨大ハムスター(笑w)を発見するあたりの説明は特筆物です。全体的にみても表現方法の使い方は上手だと思います
悪かったところは、物語の初めのわかりにくさ。私だけかもしれませんが、ちょっと最初は話が分かりにくかったです。それと、全体が「現実」より「空想」の方の印象が強く、物語の本筋であるハムスターがやや霞んでしまった感じがあります。
偉そうな感想で申し訳ありませんでした^^; これからの作品も期待しております。
- 005 マジカル☆ワードを唱えよう (採点:5)
- 楽しく読ませていただきました。
まず良かったところは、物語の引っぱり方。演劇という一点においてこれだけの文章を構成出来るのは想像力が優れている点です。キャラの感情表現などの難しい場面でも共感できます。 それと、エンディングのまとめ方。よくまとまっていると思います。
悪かった点は、茜というキャラの使い方。正直、途中で茜を使った意味が良く分からなかったです。茜の浩平への想いがこの物語にぽっかりと穴をあけている気がします。澪に徹底的に焦点を絞って物語を作ったほうが読みやすいかと自分は思います。あえて茜を使うから、軽い絡み程度でよかったかな?
偉そうな感想で申し訳ありませんでした(m_m)
- 006 すてるす同盟 (採点:9)
- 大変楽しく読ませていただきました。 先の展開が楽しみながら読めるSSです。
良かった所は、それぞれのキャラが持つ個性を存分に生かしているところです。特に、脇役キャラのシュンが物語に心地よいスパイスを効かせている点に、好感が持てます。また個人的には浩平と瑞佳とこカラミが大好きですw
悪かったところは、やや中盤〜終盤の流れが今ひとつ捉えきりにくく、物語の流れが途切れがちになってしまった所です(自分がおかいしだけ?)。それと、最初の話の入り方がやや突発的な印象も受けます。もう少し物語の背景を最初に説明を付け加えたほうが良かったかもしれません。
ただ、全体的には本当に良く出来ていると思います。
- 007 とある騎士の物語 (採点:9)
- 楽しく読ませていただきました。 新しい感覚のSSに、好感を覚えます。
良かった所は、まずは犬の視点という難しい感じを浩平とのやりとりで上手く表現しきったこと。どうしてもみさきと浩平とのやりとりに目が向かってしまうけど、表現のうまさから主人公であると思われるノエルが本筋という原則から外れることなく最後まで書ききったことは特筆です。みさき&浩平との楽しい時間「光」と 浩平が消えるのと、自身の再起不能という「闇」を上手く絡めた表現方法が上手だな〜という印象があります。
悪かったところは、一つ一つの場面においての印象の軽さ。野犬とのやりとり以外が印象に残らなかったです。コミカルな流れややりとりも魅力なんですが、やや説明不足なのが残念^^;
- 008 Search for (採点:3)
- 楽しく読ませていただきました。 難しい視点からのSSでしたね^^
良かった所は、序盤〜中盤までの流れ。 上手く流れを作りながらの物語を詳しく説明しているあたりは好感触が持てます。 猫のキャラがイイ感じでにじみ出ていて面白かったです
悪かったところは中盤〜ラストまで。前半とは別人が作ったように流れが悪く、説明の詳しさも完全に裏目になっています。 多くの登場キャラが全く生きず、一人一人の印象が軽すぎる気がします。文章構成とセリフの多さが問題なのかもしれません。それと、前半のように客観的な視点を多く取り入れるともっと面白くなると思います。
- 009 Replica (採点:6)
- 楽しく読ませていただきました。
良かった所は、どこか推理小説的な感覚を思わせる文章構成と、幻想の世界という空想を現実世界と思わせるような言い回しはお見事。説明量もまずまずで、濃い内容の中にも一服の心地よい感覚を感じさせてくれました。
ちょっと悪かったのが、瑞佳が大学を辞めたあたりからの物語自体の流れ。それまでの流れるような展開がちょっと物語の流れの循環が詰まってしまったような感じです。詳しく説明しようという熱意は感じるんですが、ちょっとくど過ぎる気もします。一種の謎を残しながら(例えば、ここが折原の精神だとは単刀直入に言わず、徐々に気がつかせるという方がおもしろかったかもw)進めたほうが、ミステリアスな部分がまた面白いのではないかと思います。また、ラストもちょっと消化不良の感じ。
偉そうな感想でスマソです><
- 010 NOISY SILENCE (採点:7)
- 楽しく読ませていただきました。 頭の悪い私にはちょっとむつかしいSSでした(瀧涙
良かった所は、いい意味での前半と後半とのストーリーの雰囲気の違い。前半を読んだ限りでは「ああ、またこのネタか・・・」と思っていましたが、そこからのストーリー展開は筆者のセンスが生き、よくまとまった文章になっていると思います。
悪かったところは、どうも今ひとつ物語が中途半端な感じがします。例えば、もっと佐織のキャラを前面に押し出しても良かったかも。どうも、(瑞佳+茜)÷2 のような性格で描かれている感じが。キャラを作るのは難しいと思いますけど・・・文章自体が完璧に仕上がっているのに、主なるキャラの印象がやや薄めなのが本当に残念ですTT
何度も読み返すとスルメのように味が出てくる良いSSだと思います^^v
○みちやづき さん
- 002 彼女の理 (採点:8)
- ED近くの日記の内容を上手に纏めた作品でと思いました。
浩平が戻って来てからの三人の描写が何とも言えません。
繭のお母さんの強さにも涙です。
- 005 マジカル☆ワードを唱えよう (採点:10)
- 今回の私的最優秀です!
作品はもちろんのこと歌詞のセンスに脱帽しました。
- 008 Search for (採点:8)
- AIR的、Kanon的、ONE作品だと言う印象でした。
描写、視点、会話、構成、どれをとってもセンスの良さが覗えます。
そして最後の科白、アレには撃沈。素晴らしいの一言です。
- 016 二人が刻む永遠 (採点:8)
- こういう優しいお話は好きなんです。
- 018 この世界は (採点:8)
- 優しさの溢れた作品でした。
詩子も良い感じに周囲を掻き回していたし。
- 019 トライ (採点:8)
- 凄く異色の作品でした。
住井主役としては破格の出来かと思います。
- 024 【呪いの唄】 (採点:9)
- 所々で惜しい作品です。由起子さんの狂気と浩平の鬼気迫った感じが後もう少し出ていれば……。
あと『由紀子』と『由起子』の違いに付いて触れたいと思います。
初めは作中混ざったいたことから『ゆきこ』さんの二重人格説を自分の中で仮説としてうち立てていたのですが、単なる誤字みたいなので残念でした。
これは、誤字が在ったのがマイナス要素ではなくて、三人称であることを活かし会話文では『由起子』で地の文が『由紀子』とか。もしくは、日記後の話は統一して『由紀子』にするとか。そうした風に名前を使った方が、物語に深みが増すかもと――自分の技法の拙さは棚の上に置いてですが、愚考いたします(いや、二つ名を使うという前提のみですが)。
だけど、良作には違いありません。ジャンル分けに『純愛』と付いてるのが、尚のこと。『籠の中の鳥』にもセンスが滲み出てますから。
良い読み物に出会えたことに感謝と作者さんに敬意を込めて。
草々。
- 026 ダンスインザダーク (採点:10)
- 流石ですね。物語に引き込まれました。
多分、存じ上げた作者さんだと思うので……結果、楽しみです。
- 035 夢を観た日 (採点:7)
- センスの見受けられる作品でした。
もう少し書き慣れたら凄い作家さんに成長しそうな感じですね。
最強みさおにはちょっぴり萌えました。
- 036 たいせつなひと (採点:8)
- 良作でした。美亜視点で綴られた繭物語というのも良い感じでしたし。
欲を言うなら、もう少し繭の学校生活の描写を掘り下げて欲しかったかも。
- 037 虚構少女 (採点:9)
- まずオリキャラに個性があり、存在してることに不協和音を感じなかったところに作者氏の実力が光ります。ONEに置いての一筋の道。つまり、浩平が声を上げるのがあと少し早ければ云々のところも良い描写でした。こういう一言は物語を創るに必要ですね。
私的には最後の三行が好きです。
- 039 フリップフロップ (採点:8)
- ……ええ話や。
- 052 未来の二人に (採点:5)
- 文章技術に5点入れさせて貰いました。ただONE-SS-としてはどうでしょう。
自分が言えた科白ではないことは重々承知の上ですが、雪見を主役にしての物語にするのは無理があるかと存じます。作品を通して作者の言いたいことを、主要キャラの口を借りて言ってしまっているのが、私のストライクゾーンから大きく外れた要因でした。
あと作中おんりーの深山雪見として見たとしても行動に一貫性を感じるには、やや不鮮明。これは、描写の問題ではないのですが。
>なかなか刺激的な文章よね。何気に問題発言が多いけど、あたしは好きだなこういうの
失礼ながら、これもどうかと。作中にて、作者が作者の言い分を他キャラからお墨付きとして貰うのは。うーん、もしかしたらロマで始まる華音作品を描かれた作者氏と同じ人かも……。
いやいや、このまま感想を書くと凄い行になりそうなので、以下は自粛します。それに、この作品が批判されるために生まれたというのは、あまりに悲しいですし。
ただ、創作物として優れた作品というのは言うまでもないことです。
○みやび さん
- 001 エターナリズム (採点:2)
- 読みにくいです。もうちょっと行間空けるとかして欲しかったです。
内容は、ある意味挑戦してますね。何がしたいかは、よくわかりませんでしたけど
- 002 彼女の理 (採点:4)
- 結局、繭が自力で解決した訳じゃないんですね…。
- 003 Fragment (採点:4)
- 物語としては、面白いがイマイチ内容がついてきてないっす。
- 006 すてるす同盟 (採点:6)
- 物語を壊さない程よい笑い、そしてさわやかな終わり方
なかなか良かったです。
- 024 【呪いの唄】 (採点:6)
- 怖え…。でも、最終的には瑞佳の一人勝ち?
ここまで計画的なのに、日記なんて物に証拠を残すところに
違和感が…。でも、面白かった。
- 029 澪とみさきと長森と (採点:5)
- ほのぼの?ギャグ?どっちかといえば、ほのぼの感が強いですね。
結局、瑞佳は幸せだと、言いたかったのでしょうか?
でも、ほのぼのしてて良かったです。
○ゆえ さん
- 001 エターナリズム (採点:2)
- 最初の辺りが、カイジを思わせるような描写だっのが一番の感想。
城島と折原を使ったとこは良かったけど、永遠と現実世界の境界が分かりづらかったです。
それと、自己解釈?の永遠の世界がしっくりこず、違和感を感じました。
あえて、そういう世界観にしたんでしょうか、感想が別れそうな設定かも。
○ウェハ さん
- 001 エターナリズム (採点:3)
- やはり、同じ事を考える人は世の中に何人もいるなぁ、とまず言わせてください。
実はボクも、「えいえん」が現実にある組織、というのを考えていました。総理府直轄の永遠管理局なる政府機関に、配属された東京都知事と同じ名字の熱血国家公務員のお話。
「MOON」のFALGOにどことなく似ている秘密組織、そしてそこでの第2の人生はなかなかよく描き出されていたと思います。誘拐シーンもなかなかスピード感にあふれ、緊迫した展開は、とても楽しませていただきましたが、全体の構成の練り込みが足りないのは残念。
推敲が足りていないのが目立ってしまうのは、作者さんの実力が高いためという皮肉な結果になってしまっています。
- 002 彼女の理 (採点:9)
- 参りました。
>首を傾げた。教室の一番後ろの席。その隣には――
ここまで読むまで、物語のほとんどが演出であったことに気がつきませんでした。
世界って、現実って、こんなに酷い物だったでしょうか。ボクが見ている現実は、夢なんでしょうか。文章を読むだけなら、これほど読みにくい文章にボクはあまり出会ったことがありません。
しかし、それだけで切り捨ててしまっていいのか、と激しく思わずにいられないほどに、それは生々しい人間の叫びを伴っている。生きると言うことはきれい事ではない。それでもなお私は生きたい、多くの人の中で、多くの人と同じように、そして世界で一人しかいない私と言う人間として生きたいという、作者さんの絶望的であまりに人間の原点に近すぎる魂の叫びを。
そう、上記抜粋部分を読むまで思ってしまいました。
これほどの演出を使い切る作者さんの実力が計り知れなくなりました。評価が割れるかもしれないけどボクは好き、という感想がいくつもつくような気がします。
やや読者が時系列に混乱しやすい文章構成かと思います。そこまで演出ならもう何もいうことが無くなってしまうのですが、もう少し整理してもらえると助かります。
いや、本当に参りました。
- 003 Fragment (採点:8)
- 「えいえん」をミスリードに使うとは! なんて豪胆な作者さんでしょうか。
二次創作であることをフルに活用し、一人称視点で読者を二重に欺いて、それでなおかつプロローグとエピローグに同じシーンを持ってくることで余韻を良い物にするなど、ひとつひとつのテクニックがまるで交響曲のように絡み合い、ハーモニーを奏でるさまはまさに技のシンフォニーと言うにふさわしい。
きっちりとだまされました。もう何も言うことはありません。
- 004 いつか、その日の為に (採点:9)
- AHHさんですね。参加されていたんだ。
安定力抜群の文章がすばらしい。けしてでしゃばらない、そして適度に遊びゴコロが感じられ、それでいてしっかりと個性を感じるあたりは、まるで菅野よう子の奏でる音楽のよう。
茜って後ろからぎゅっとしたいキャラクターNo1かもしれません。「これだけはゆずれない」浩平と司のやりとりのあいだにはさまれてうろたえてあわてる茜がかわいかった。
- 005 マジカル☆ワードを唱えよう (採点:6)
- 魔法使い少女という、劇薬をうまくストーリーにからませる手腕はすばらしい。ただ、ややそこかしこにアラが見えました。タイトルとプロローグも読者を逃す原因になってしまうかもしれません。確信犯的なだけに、なおさら致命的かも。順位に恵まれない傑作のような気がします。
- 006 すてるす同盟 (採点:5)
- プロットの破天荒さは申し分ないです。ストーリーは中編の長さにぴったり。それだけにやはりちょっとホモねたにひいてしまったり、嫌悪感を感じてしまう人は多いでしょうね。無理にギャグにしてしまっているのはまだいいのですが、そのために文章の質まで落としてしまっているのは頂けません。シリアスに徹すれば上位入賞は確実だったと思うだけに残念です。
いろいろ申しましたが、タイトルの秀逸さ、プロット構築のすばらしさ、意外性に富んでなおかつ投稿部門にぴったりの長さのストーリーなど、作者さんの実力の高さがかいまみえる一作でした。実力が高いだけに狙いどころも高くて、それだけに残念な結果に終わったときのショックも大きいかと思いますが、これにめげずいい作品をこれからも送り出してほしいと思います。
- 007 とある騎士の物語 (採点:2)
- 気持ちはとても良く分かるんですが……。読者の神経を逆なでする要素を踏みまくっているように感じます。
読者の心を掴むため、なんとか感動させてやろうと考えるあまり、越えてはならない一線を踏み越えてしまったように見受けます。読者の心を動かそうとする作者さんの努力はとても良く分かります。理解できます。熱心に作品へ取り組まれた姿勢はとても評価したい。
よく、心の琴線という言い方をすることがあります。心の琴線に触れて音を鳴らすには細心の注意が必要です。そっとはじけば響きます。わしづかみにすれば切れてしまいます。いかに心の琴線に触れるか、それこそが物語を作る楽しさです。
難しいかもしれませんが、けして情熱だけは失わないで欲しい。こんな感想と点数を与えておいてあつかましいお願いですが、聞き入れていただければ幸いです。
- 008 Search for (採点:2)
- みさき先輩においしいところをすべて持っていかせているのは正解です。キャラクターをうまく掴んでいることもあわせて、とても納得のしやすい展開でした。
しかし、全般的にやや平坦なストーリーは実際の長さよりも文章を長く感じさせてしまいます。そこへ「ねこ」という原作にはなかったシチュエーションが加わったために、ちいさなミスや些細な表現、原作と異なる個所がことごとく目立つ結果になってしまっています。
場面場面の描写をまとめる力はある作者さんだと思えるだけにもったいないです。
- 009 Replica (採点:8)
- まずはジャンルでやや身構えていたんですけど、とても読後感が良かったので楽しめたことをお伝えしたいと思います。
わざとキャラクターに違和感を持たせて、オチに持っていくさりげないテクニックが好印象です。七瀬の凛とした、それでいて乙女チックなキャラクター、瑞佳のやや女々しいキャラクター、氷上シュンの不可思議さ、そして浩平の罪深さ、キャラクターたちが見事なハーモニーをかなでてストーリーを重厚にしているのは見事です。
タイトルも秀逸。このタイトルによって浩平が戻ってきたシーンにストーリーでは与えられない不安感を読者に与えることに成功しています。このようなことはこんぺでは初めての経験でした。
ただこれまた順位に恵まれない傑作になる恐れあり。理由は覚悟されていたかと思いますがジャンルの選定と、そもそも植物人間状態の患者が夢を見るか、ということです。
作者さんの能力の高さは悪魔的(ほめてます)、なによりそれを100%発揮されていることは作品としてとても幸せなことだと思うのですが、完成度の高さほどの評価は得られない気がします。それだけが残念です。
- 010 NOISY SILENCE (採点:5)
- なんだかすごく悔しいなぁ。なにか大事な宝物が埋まっているのに、見つけることができない悔しさ。最初はホントにわけわかんなくて1点付けてたんですが、読んでるうちに「これは違うんじゃないか」って思えてきて。
シェイクスピア、知ってたら分かったのかなぁ。パズルのピースの意味が分からなくてこの点数です。文章の質が高いことから推測するに、読解力さえあれば楽しめそうな作品だけに本当に申し訳ないです。
- 011 その果ての雨 (採点:7)
- ビルドアンドスクラップの異様さ。その一つ一つの情景の不可思議さは、読者を選びそうですがボクは気に入りました。
ただそれだけに、浩平がどこか醒めているのがマイナス。もっとみんなそろって狂気(ではないのですが)の世界にほおりこんでしまったほうが、序盤で引き込んだ読者を離さずに済んだと思います。
おそらく、読者の気持ちを代弁するキャラクターを一人残しておくことで、読者と世界を繋ぎ止めようとされたのだと思いますが、この不可思議さが気に入ったボクには完全に逆効果。そして、もともと不可思議さが気に入らなかった人はこのような混乱を見て、さらに作品の評価を下げたと思われます。
気になった点はそれだけです。ストーリーの着地点は、おどろきこそありませんでしたがお見事です。これほど長所と短所がはっきり見えてしまわなければ、もっともっと高い所を目指せたと思います。
- 012 曇り色の時間 (採点:4)
- 感想、付けづらいですね。
もうすこしみずかと浩平のやり取りを理解することが出来れば、印象は大きく変わったんでしょうけど、ボクにはなんのことやらさっぱりわかりませんでした。申し訳ありません。
文章の安定度は申し分なく、テーマ(どのようなテーマかは読み切れませんでした)が根底に流れているのは好印象です。
- 013 『夕日の少年』 (採点:7)
- いたちんさん主催のこんぺでタイムスリップはチャレンジだったと思います。かの名作「また逢えたらいいね」があるからです。
アイデアが先か、チャレンジ精神が先か、はたまたそんなことはまるで知らずにかはわかりませんが、そのオリジナリティの出し方は秀逸。このようなテクニックを見せることで、「こんぺ」を知っている読者をうまく引き込めたかと思います。
繭とのお話が氷上シュンとの巡り合わせのきっかけになるのですが、やや分量を使いすぎてしまったため、読者にオールキャスト風のイメージを与えてしまったように思います。自転車に乗ってからが本番であっただけに、このへんのさじ加減は微妙な所。きわどいですが、ボクの好みではぎりぎりセーフ、といったところでした。
もう文章を誉めるのはやめようかと思うくらい、中編部門参加の作品はどれも文章がしっかりしています。この作品ももちろんです。ストーリーも過不足なし。練り込みも十分に感じられるので、いい成績を取って欲しい作品の一つです。
- 014 風の辿り着く場所 −Eternal Happiness− (採点:9)
- >「久しぶりね。元気だった?」
こんなことを、さらっと言えるお母さんを尊敬します。
そして、そんな風景をさらっと書いてしまえる人に畏敬の念を覚えます。
タイトル、そしてみさきのモノローグでダメダメ感をこれでもかと強調しておきながら、この展開。物語の精緻さはもはや驚きを通り越してズルさすら感じます。
> ◇ ◇ ◇
おまけにルールにこういうことはするな、とわざわざ書いてあることをやるあたりなど、もうあきれるほかないですね。大丈夫かな、失格にならないといいけど。
>「同情なんか、絶対にしないからね」
……みさき先輩……
>「……手遅れだな、可哀想に」
これ、全カット。入れるにしてももうすこしうまいセリフがあったはず。後ろの描写が台無しになってます。ほんとはシーン全部カットしたい。こんなことのために彼女は生まれてきたんじゃない。何度も読み返すうち、ショックが和らいできて逆にリアリティが薄いと感じるようになってきました。物語的に必要だとは思いますが。
>「永遠の世界は、死のみがその入口たりうる訳ではない」
>「君の人生は君のものだ、すべては君自身が決めるんだよ」
ここを伝えるためだけに、これだけの物語を作り出したのでしょうか。
ここまで残酷な物語もめずらしいです。でも、出会えてよかったと思います。
- 015 その手を離す、その日まで。 (採点:10)
- >「みさきは、空を飛べる?」
この一言。この言葉を言うために、この言葉を輝かせるために、静かに、ひたすら静かに語られていた物語ではなかったでしょうか。
語るべき言葉すら見つかりません。この物語が生まれたこと、出会えたことへの感謝の気持ちでいっぱいです。
優しい物語を、ありがとうございました。
- 016 二人が刻む永遠 (採点:6)
- なるほど、指文字ですか。「風の辿り着く場所 −Eternal Happiness−」でも採用されていましたが、話すことの出来ない澪と目の見えないみさきのコミュニケーション方法、というのは恐らく皆さん一生懸命調べられたんでしょうね。こういう知識が得られるのはうれしいです。
物語と言うにはやや無味乾燥に思えます。雪見が舞台の真ん中で泣いたり、笑ったりいろいろしてるにもかかわらずどこかリアリティが薄く、文章を読んだときにざらつきを覚えます。
序盤の澪とみさき、ラストの雪見とみさきの対比も、リスクを背負いながらきわどいところをしっかりとまとめています。資料もたくさんお集めになられて、それに基づいて書かれたのではないかと推察します。テクニック、資料集めの地道な努力、作品に対する誠意などどれも並々ならぬ物を感じるのですが、最後まで世界に入り込めませんでした。申し訳ありません。
- 017 欲深な微睡 (採点:9)
- ONEという物語から、えいえんをすっぱ抜くという荒業にまず敬意を示したいと思います。瑞佳の一人称視点を、これほど硬い筆で書かれたその手腕は見事としか言いようがありません。読者を引き込む吸引力はまさにブラックホール並です。
浩平のドライさははっきり言うと本編ではかけらも感じることがなかったのですが、ものすごく説得力を持っていて、なるほど〜と関心することしきりでした。
筆が重ねた年輪と、その硬さと繊細さにごまかされないよう一生懸命読ませて頂きましたが、面白かったです。
- 018 この世界は (採点:8)
- >「『大岡越前』」
ここで思いっきり吹いてしまいました。なぜ大岡越前。水戸黄門でなく。
でも、どこかで大岡越前のテーマは音楽的にとても優れていると聞いたような。
>「──折原君、世界は、こんなに豊かなんだよ」
ここにたどり着くのに、詩子はどれだけの曲を弾いたのだろう。
最後まで読んだ人、どれくらいいたでしょうか。最後まで読んで、好意的な想いをこの物語に抱いたのは、どれくらいの人だったでしょうか。そんなこと、もうどうでもいい、そう思えるような、物語でした。
この物語を読みながら、登場するピアノ曲をひとつひとつ、聞いてみたいです。もちろん大岡越前込みで。
- 019 トライ (採点:5)
- サイドストーリーとしての完成度は高いと思います。住井君の一人舞台も適度に作者との距離が作られていて、好印象です。
>「……なぁ長森さん。それなりの理由があるとして、友人を見捨てる奴をどう思う?」
この住井君に対する瑞佳の答えがこの物語のテーマだったと思うので、もっとかっこいい言葉、ケレン味たっぷりのキザなせりふであって欲しかったな、と個人的には思います。
- 020 Requiebros(愛の言葉) (採点:2)
- こんぺで同様のテーマを掲げた作品はいくつもあって、ずいぶんと損をしそうな物語ですが、それ以前にどこか醒めた印象を文章から受けました。
テンションを一定に保つのではなく、作者さん自身が作品に対して情熱を持ち切れなかったような、そんな諦観に似た印象を文章を読み進めている間に感じてしまい、物語へ素直に感情移入ができませんでした。申し訳ありません。
- 021 夏ノ空ニ夢ハ初マリ (採点:3)
- 難しい……。作品との距離の取り方が分からなかったです。
タイトルでかなりひいてしまったのが尾を引いていたかな、と思います。作者さんには失礼な話ですが、「うわ、このタイトルのセンス……中身も駄目っぽそう……」と第一印象で思ってしまったのが、そのまま作品を読み終えるまで続いてしまったような感じです。
物語自体は過不足ない描写で安心して読めたのですが、内容が難解でしかもタイトルの印象をぬぐってくれるような力強さもなかったので、結局もやもやだけが残ってしまいました。
- 022 はやく昔になればいい (採点:9)
- 文章の硬さ、年輪の多さをそのまま高評価にしないよう、気をつけて読ませていただきました。
等身大の茜の姿は妖しくて美しく、外から見れば不条理でただの淫らな女である所を、徹底して主観的に描くことで読者に納得させている手腕はさすがです。この茜にどれだけ破滅と狂気のそばにある危うい魅力を感じられるかどうかは、もう読者の問題のようにも思える。
これからもじっくりと繰り返し味わっていたい逸品です。
- 023 世界は終わり、或いは始まる。 (採点:7)
- 映画「AI」を思い出しました。その愛は真実なのに、その存在は偽り。
前半部分の章わけは作品の完成度からすると大失敗だとおもいます。あやうくあのあたりで投げてしまいそうになりました。個人的な意見ですが、ダメなSSってよくそういうことをやって失敗していますから、よほど確信犯的でない限りは使わないほうがいいと思います。ボクはああいう書き方をされるとものすごく構えてしまいます。
それとは直接関係はありませんが、MIZUKAが登場するまでがとても長く、そこまででエンスト起こしてしまう読者がいたのではないかと心配になります。
MIZUKA登場後のSFテイストはボク好み。楽しませていただきました。
- 024 【呪いの唄】 (採点:7)
- もうすこし恐怖のベロシティの調節を取って欲しかったな、と。いきなり大音量でドカンとやられたので、びっくりするどころかあきれてしまいました。作者さんの狙いと気持ちは良く分かりますが、まあ、ダーク嫌いの読者からの視点から言えばこうだった、ということで。
文章の質は文句無し、ぼうぜんとしている浩平にはうまくシンクロできました。感想書いてて気がついたんですが、由起子さんのつづり、間違ってませんか?小説で確かめた限りは起きる、という字みたいですが。
ストーリーの加速度はやや都合よく進みすぎている観もないではないですが、茜の死後むしろ崩壊していくスピードを感じさせているメリットのほうが大きかったと思います。
- 025 もういいよ (採点:6)
- 広瀬の気持ちは分からなくはないけど、なんとなく浩平がただの女好きのような気がして、ちょっと受け付けられませんでした。男って自分を好きになってくれる女の子を好きになったりもするけど、自分から身を引こうとしている女の子にもっと切ない何かを感じたりもするわけで。
七瀬と浩平のカップリングが念頭にあったので、そのせいかと思います。作者さんはこの二人を恋人としては扱っていないので、広瀬との恋愛もオールグリーン、オールオッケーなのでしょう。
みさおとまきのエピソードは美しくも悲しかったですね。こういう、どこか必然をはらんだ偶然を語る物語は好きです。
- 026 ダンスインザダーク (採点:2)
- 狂気であるとか、不条理だけども誰もが持っていそうな欲望とかを逃げずに書いてもらいたかったです。
スプラッタを避けたのは好印象ですが、「なんだかよくわからない」と思わせる所までは成功しても、その先がなく読んだ後に何も残る物がありませんでした。
あと、これは読者側の問題ですが、ダンスインザダークという固有名を持ったものが映画や競走馬などいくつかあったように記憶しています(映画はダンサーインザダークだったかな?)。タイトルで「菊花賞での鬼の末足」を思い浮かべてしまう人も少なくないはずですので、もしかするとこのあたりでも読者を失うかも。
- 027 埋もれた夢に、あなたはいない (採点:5)
- 里村茜に費やすページをざっくりとカットしてしまったのは、うまいとも言えるしもう少しなんとかならなかったのかなとも思いました。
永遠に関わった三人のうち、二人は筆を尽くして書いておられるだけに、やや唐突な印象が否めなかった一方、それが二次創作の強みとも思うからです。城島司のことについて説明されても面倒なだけですしね、知ってる人にとっては。
逆に言うと、これだけしっかり瑞佳や佐織のことを書き尽くせる作者さんなら、茜をからめても大丈夫だったのではないか、とも思ってしまいます。明らかにボリュームオーバーしそうですが、たぶん、なんとか、なりそう。なりませんか? あなたなら大丈夫ですよ、きっと。
- 028 歩いて帰ろう (採点:10)
- 名は体をあらわしてますね。報われない努力だと一見見えることを、粘り強く続ける浩平の姿に好感が持てますし、一度はあきらめた夢を蘇らせる司に心動かされる人も多いでしょう。
それに象徴的なみずかの姿。努力だけではどうにもならないことはやはりあって、でもそれは誰かの怠惰であったり、あきらめであったりするのではなくて、対立する二つの存在ゆえだったりする。日常のディティールの細やかさも手伝ってとても生き生きとしています。
やはり、人間は前を向いて歩かなければいけない。立ち止まったり、すべてを棒に振ってもなお、前に進まなければ。そう、思います。そんなふうに背中をおしてくれるテーマを、文章に織り込む手腕はみごとです。
力強い物語を、ありがとうございました。
- 029 澪とみさきと長森と (採点:4)
- 微妙ですね。面白いか、といわれればつまらない、と答えます。でもまったくダメか、と問われるとそうではない、と答えたい。
かなり作品のそこかしこにアラが見えます。澪とみさきのコミュニケーション方法などは総突っ込みを受ける寸前のスレスレのところです。それがそうならないのは、みさきが澪の感情をある程度読み取れるため。それがなければボクも恐らく心の中のダメ出しハンコを押していたように思います。
妙に文章を長く感じました。キャラクターの会話はテンポも良くて、ひとつひとつの描写には無理がないのに、不思議です。こうなると、改行のせいにしたくなりますね。
- 030 『パラダイス☆銀河〜愛と絶望の小豆洗い〜』 (採点:3)
- これまた微妙なタイトル。ところどころ笑える所もあったのですが……。もうちょっと無駄にでもいいのでテンションを上げて欲しかったなぁ、とは思います。
パラダイス☆銀河と聞いて「よ・お・こ・そーここへー」と歌詞がすぐ出てきて、自分の重ねた年輪の数にため息が出てしまいました。期待も大きかっただけに、裏切られたような気持ちになったのは否めないかもしれません。
- 031 空の在り処 (採点:5)
- 飛べない翼にも意味はある、ありますよね?
読後感はさわやかで、静かなテンションの文章はボク好み、楽しませていただきました。
泣かせどころで読者よりも先に深山雪見が泣いているのはやや興ざめでしたが、それでもこの物語が点けてくれた心の中の小さな灯がとても温かくて、心地よかったことをお伝えしておきます。
- 032 ALive (採点:4)
- A LIVEですか。なるほど。
読者を楽しませよう、感動させようという作者さんの心意気は買いますが、演出がどれも空回りしている印象を受けました。まだまだ成長途中の印象を受けましたが、それと同時に可能性も感じました。情熱を失わず、これからも創作に取り組んでもらいたいです。
シュンが病弱であることをこれでもか、と強調するよりは、氷上シュン==城島司? と読者に勘ぐらせる展開を、もう少し押したほうが物語としての厚みは深まったかと思います。
- 033 コイゴコロ (採点:9)
- 王道も王道、松井にど真ん中へ直球を立て続けに投げ込むかのような物語。なんだか遠くで仁王立ちして「どうだ!」とふんぞりかえっている作者さんが目に浮かぶようです。
浩平もなぜそこまでモテモテなのかしっかりとそのあたりの理由をなにげないシーンに盛り込むあたりは、作者さんのホームスタジアムがこのジャンルであることを裏付けていると同時に、そのレベルの高さの証明でもある。お見事です。いい仕事されてます。
- 034 莫逆の友の恋 (採点:1)
- やっちゃった感いっぱいです。最初は確信犯とも思ったのですが、ラストはしっとりとまとめてしまった所を見ると、慣れないジャンルに手を出して見事自爆してしまっているように見受けます。
ギャグ・コメディは見ため以上に難しいジャンルです。難しいジャンルに果敢に挑戦した心意気は買いますが、ニッチとして狙うにはあまりにリスクが高いジャンルだったと思います。
- 035 夢を観た日 (採点:2)
- みさおとの狂暴な日常は読んでいて楽しく、それでいて悲しくて、よかったと思います。ラストちかくでしおらしいみさおの姿を見せる所もうまい。ただ、展開が読めてしまいました。この内容なら、日常風景を圧縮して短編にしたほうが展開を読者がわかってしまう前にクライマックスに持っていけたかと思います。
ところどころ句読点が抜けているのが目に付きました。句読点のある無しで、その文の時制がいつだったかを表現しているのかとも思いましたが、どうもそうではないようですし、ねらい目がちょっとわかりませんでした。なにかの演出ならちょっとリスキーだったかと思います。
- 036 たいせつなひと (採点:8)
- 丁寧な語り口、流れるようなストーリー、オリジナルキャラクタに近い登場人物たちを違和感なく描き出す筆の確かさは見事です。やや地味なようにも思いますが、テーマとコンセプトがしっかりしていているので読後感もさわやかでした。
独自の世界観を描く作品が多い中、地に足ついた普遍的なシチュエーションを描ききる姿に好感を持ちました。
- 037 虚構少女 (採点:10)
- 永遠とのからみがまるでないのに、どこか空しさを感じる物語でした。誰も大人になんかなりたくないのに、なれやしないのに、時間がだけがすぎていっていつしか大人と呼ばれるようになったような、思春期特有の感覚がよみがえるようでした。
すれ違う登場人物の想いが悲しい。それぞれがそれぞれに一途で健気なだけに、つらい。誰も間違っていないのに、すべてが間違った方向に進んでいってしまっている、そんな思い通りにならない情景が冷徹に描き出されていて、とても考えさせられました。
作者さんの思い通りに「もやもや」を読者に残すことが出来たと思います。ありがとうございました。
- 038 廻り廻るAffection (採点:10)
- 優しい物語に見えて、その実徹底して残酷な物語だと思います。でも、その残酷さとしっかり向き合った姿勢に好感が持てます。みさきが3人に見守られながら道を歩く姿、それを知っていて公園に待ち合わせる浩平、その現実はけして喜べる物ではないから、なおさらそれを描ききったことに意味がある。
人ってそれほど人に優しくなれるものではありません。誰もが強いわけでもない。みずかの提案は、その人格の幼さゆえ赦してあげられるものの、みさきにとってとても残酷なものです。果たして、同じ境遇の人でこのみずかの提案にどれだけの人が「NO」と言えるのでしょうか。
でも、みさきはその残酷な提案に「NO」と言う。みずかの幼さを責めるのではなく、その懐の深さ、浩平との絆の深さによって救いさえします。冒頭のような苦労をこれからも背負うにもかかわらず、です。
作者さんはこの命題に対し、みさきが「NO」を選択する理由を描くのに細心の注意を払われたと思います。おかげで作者さんが命題の残酷さを知っていて、それを書ききる責任と覚悟がなみなみならぬものであると感じることが出来ました。これがなければボクはこの物語を評価できなかったと思います。
ラストシーンで知ってか知らずか、美紗緒はその幼さで二人の決断を祝福します。みさきと浩平の決断がけして間違いであったり、傲慢であったり、後々残る後悔を伴う物ではなかったと確信させてくれる。
支えあう人たち。その一人一人が抱える傷と絆、それをしっかりと書ききった上での、美紗緒を含めた三人の家族の幸せな情景。みさきのいう「幸せになる努力」の結実を、心から喜べるように、逃げずにすべてを書いていただけたことに感謝したいです。
すばらしい物語を、ありがとうございました。
- 039 フリップフロップ (採点:2)
- 雰囲気は悪くないですね。みさおがかわいらしいのも好印象ですが、どこか原作の設定を理由なしにぶっ飛ばしている印象がぬぐえなくて、割と読むのに苦労しました。フリップフロップという言葉には知識があったのですが、やや展開に振り回されてしまった所もあったせいだと思います。
- 040 こんな愛の形も良いじゃない (採点:3)
- 住井君の心理にややついていけない所があったので、残念ながら物語を楽しむことが出来ませんでした。なぜそこで遠慮する必要があるのかなぁ、なんて思ってしまって。詩子に対して失礼極まりないと思うと同時に、自分に嘘ついてもしょうがないとも感じましたし。
日常風景はとても自然で、それぞれのキャラクターのらしさが出ていてよかったと思います。
- 041 Last Lovesong (採点:10)
- この作品がこんぺ出展作品であって本当に良かった。点数に感想のすべてを込めることができる。言葉がないときに、気持ちを伝える方法があって本当に良かった。
ステキな物語をありがとうございました。
- 042 オレとあいつと彼女の事情 (採点:9)
- >大和は結局、沈んだんだぞ……。
ウケました。
物語を追っていくにつれ、ヒヤヒヤしてました。そしてそれが作者さんの狙いであったことに気がついてくやしくて地団太踏んでます。茜ストーリーに帰結したら文句無しで1点付けられるようなストーリーに成り下がっちゃうよなぁ、なんて心配させておいて、しっかりそうならないところが七瀬らしい。
とにかく楽しく読ませていただきました。ラブコメって、こういうのをいうんですよね。
- 043 夕焼け色のシンデレラ (採点:10)
- みゆき、かあ。
みさきの成長を、こんなふうに見せてもらえるのはとてもうれしいです。えいえんのかたち、えいえんの意味、その作者さんの想いに直に触れられたのは、ボクにとってとても幸せなことでした。
主義主張そのままのラスト、賛否両論あると思います。でも、ボクには何も言えない。ボクの気持ちをまるで代弁してくれているかのような物語でした。えいえんを語るならこうしろ、と叱られているようにも思いました。
くやしいなあ、ボクももっとしっかりしなきゃ。厳しくも温かいメッセージを、ありがとうございました。
- 044 小さな幕間劇 (採点:10)
- くやしいなあ。あたたかいのか、冷たいのか、優しいのか、残酷なのか、それすらわからない。秘められたメッセージ、伝えたい思い、いったい、どこにむけて叫んでいるのか、そもそも叫んでいるのかどうかさえ。
時間をもらえたら、わかるときも来るのでしょうか。それとも、わからないままなのでしょうか。ボクは、ボク自身に問い続けたいと思います。少なくとも、理解する努力は続けたい。いつかはその高みに。
すばらしい作品を、ありがとうございました。
- 045 永遠と瑞佳のあいだ (採点:10)
- >「競馬です」
おおばかやろうですね(誉めてます)この浩平。それに惚れた瑞佳も瑞佳。大笑いしました。この後の展開も最高。住井ナイスツッコミ!
そしてなにより瑞佳のお母さんがかっこいい。とても魅力的です。まあ、男からすれば、ということかもしれませんが、これほどステキな女性もいない。そんなお母さんに育てられた娘はいまひとつ、そのあたりの魅力には欠けるようです(そのぶん若くてきれいです)が、そこは年輪のみがなすことのできる余裕なのかもしれませんね。
どれだけ心理描写でごまかしたって、そうは問屋は卸さんぞ、と手をわきわきさせながら作者さんに迫りたい所です。本当の所はごまかしどころか、とても共感できる、すばらしいものではあるのですが、世の中の年頃のお嬢さんを持つお父さんの気持ちを代弁して、ということで。
ともあれ楽しい物語を、ありがとうございました。お礼がわりに作者さんのお尻蹴っ飛ばしてもいいですか?
- 046 キャラメルのおまけ (採点:7)
- やや、表現に酔った所が2、3あったように思いますが、それを除けばいい作品だったと思います。彼女たちを素裸にする理由はいまいちよくわかりませんでしたけど。狙ったのかな? それとも作者さんの趣味?
浩平が去った後の世界の崩壊とみずかの血を流す様は生々しく感じることが出来ました。ボクはたまに人形を写真に取った写真集を手に取ることがあるのですが、イメージがとても重なりました。不気味でシュールで、しかも写真に取ることが出来るのですから当然のように生々しくて、でも、信じられないほど無機質で。
えいえんの風景をトレースしているところではどうなることかとどきどきしましたが、きちんと纏め上げておられてほっと一安心。面白い作品でした。
- 047 「わたしはあなたと歩きたい」 (採点:9)
- これまた甘い物語。ごちそうさまです。直球ど真ん中、時速はどれくらい出ているかはわかりませんが、ここまで王道を貫かれると、こちらも恐れ入ってしまうほかありません。
もうこうなると、タイトルも「"I love you" "me,too"」で良かったんじゃないかって思いますね。作者さんの照れが読者に伝わると、そのまま物語のマイナス評価になってしまいそうなので。
- 048 待ち合わせ (採点:1)
- 危ないとわかっていて、細心の注意を払って劇薬を取り扱おうとしたけれども、大爆発をおこしてしまった。そう感じました。ほのぼのやラブというには毒がきつすぎるし、シリアスにしては題材を扱う心構えがあまりに軽率だと思います。
- 049 雨音は誰が為の歌 (採点:2)
- ちょっとプロットが安易に感じました。たしかに、浩平には幸せになる権利と義務があると思います。えいえんから帰ってきたならなおさら。でも、物語自体をチープでリアリティに欠けるものにしてしまうと、その言葉がすべてウソに聞こえてしまう。
作者さんの思いはわかるのに、伝わってくるのに、どこか白けた自分がいて、悲しかったです。
- 050 セレナードで眠らせて (採点:8)
- まさに夜想曲、ですね。甘い物語ですが、ややアルコールの入った甘さ、とでもいいましょうか、ベタベタしてなくて(いや、実際にはしているんですけど)、心地よかったです。なにか、ハリウッド映画のプロローグだったり、エピローグだったりするような派手なオシャレさが気に入りました。(こたつはつけっぱなしなんですけどね)
一緒のお風呂(!)シーン、もっとエロティックでもよかったかな、なんて思います。髪の毛を洗う、という行為に二人の(肉体)愛のすべてを注ぎ込むような表現をちょっと期待したので、そのへんがおとなっぽくなくて残念。
- 051 南西の風は瑞穂実る平原に (採点:3)
- なんだか都合の良すぎるお話のように思えました。そうならないように、一生懸命にいろんな描写をしてくれた作者さんには申し訳ないのですが……。どうにも茜や瑞佳、南の行動に違和感を覚えてしまい、最後まで納得がいきませんでした。申し訳ありません。
- 052 未来の二人に (採点:10)
- まさに、エンダー、よう、終わらせ屋、この金めっきおならめ!
――失礼。違ったらすみません。「エンダーのゲーム」というSF小説を思い出したもので。深山さんの小学生・中学生の頃の武勇伝は、まさにエンダーを連想させた物ですから。
すごい物語がまた生まれたと感心しきりです。いーこさん最高ですね。品行方正なひとから思いっきり怒られそうですけど、こういう助言が出来る大人でありたいと思います。かっこよさで人をひきつけつつ、間違った方向に行ってしまいそうな誰かを、最悪の方向からは助ける、そんな人に。
正直に言うと、ボクは障害者の方と深い関わりを持ったことがありません。せいぜい、駅のホームで階段を降り損ねた視覚障害者の方に声をかけたくらいが関の山です。そのときも、「あの、すみません」の一言で、相手の方は慣れたかんじで「あら、行き過ぎた?」とまるで見えているかのように来た道を戻り、さっさと階段を降りていかれたのを記憶しています。
その程度の体験しかないボクには、この物語の深山さんの意見が本当に正しいのかはわかりません。もちろん、体験したことしか口にしなくていいかと問われれば、そうではないのですが、このような性質の物語は少なからず影響力を持つ以上、虚構であっても事実を踏まえていなければならないと考えます。そして、ボクにはこの物語のテーマが本当に正しいのか判断するための材料を持っていない。
翻ってみさきの言動の一つ一つには、どれをとっても共感できます。命題に対して対決しない姿勢、でも真実は見据えているポジション。
どちらが正しいのではなくて、どちらも正しいのだと思います。二つの意見を盛り込んだ上で、作者さんの意見に近い雪見視点で物語を進めた、そう解釈しました。
というのも、初読時は完全に雪見の主張しか心の中に残らなかったからです。自分が正しいと思い込んでいる人間の危うさをボクはとても恐れるのですが、雪見の視点=作者さんの視点と感じたボクは、最初1点を付けるかどうかで非常に悩みました。何回か読み直すうち、ああ、これはそうじゃないな、ってやっと気づけた次第です。点数は12点マイナス2点で10点。10点オーバーなのはテクニカル加点、マイナス2点は上に書いた、雪見の主張が本当に正しいのか分からないボクがいるためです。
さすが広木さん、鋭い筆はお見事です。熱い物語を、ありがとうございました。
○ガウガウ さん
- 005 マジカル☆ワードを唱えよう (採点:7)
- 雪見の突っ込みぶりにまず爆笑。
けど後半のシリアスな部分に無理なく繋がっていくのが面白い。
ただ最後のあたりの「マジカル☆ワード」が違和感があったですね。
- 007 とある騎士の物語 (採点:8)
- 本編の流れにノエルを加えるというのは面白いと思いますけど、少し無理があった気もしますね。
ただ話の流れ自体は凄く好きです。最後に死ぬところを除いてですが。ちょっと最後が中途半端に感じました。
- 014 風の辿り着く場所 −Eternal Happiness− (採点:5)
- 話の流れはいいと思うのですが…これはシリアスですけど、一部ダークとも思えるんですが。
最初の方の、『生んでくれて、生かしてくれて――ありがとう――。』という場面は好きなのですが、それがあるだけに琴莉の死がよけいにきつかったですね。
- 015 その手を離す、その日まで。 (採点:7)
- 二人の絆が感じられるようで素晴らしかったです。
最後の『わたしは、まだまだみさきの手を離す気なんて、無いんだから』はみさきの思いがとってもよく表れているようで良かったです。
全体的に平坦な、物足りないものを感じたんですが、それは好みの問題なんでしょうね。
- 018 この世界は (採点:9)
- 詩子の事が明るみに出るたびに価値観が崩壊していく浩平が笑えます。
特にテンポのいい掛け合いが続くのは凄いの一言です。
中身として感情をピアノで表すっていうのが新鮮な感じで面白かったですし、そこに茜と浩平の突っ込みも入って楽しめました。
最初は通してギャグやほのぼのに近いかと思ってたんですが、最後でシリアスである意味がわかりましたね。
- 032 ALive (採点:6)
- シュンの生き様、永遠を捨てて僅かな間でも生きた証を心に残す為にバンドを組む、というのがよかったですね。
ただ“」”の前に“。”をつけるのはちょっと見難い感じがしました。
それと所々で文章の流れがおかしなとこがあったりしたのですが…これは容量にあわせる為に削った事が原因だったりするのでしょうか?
自分はそこで苦労したのでそう感じた訳なんですが。
- 052 未来の二人に (採点:10)
- 雪見の皮肉れた生き様が気に入りました。そうだなぁと頷ける所が沢山あって妙に感情移入が…
それとみさきに遠慮の無い言葉をかけて、それにみさきが感謝する場面が二人の関係を表しているようで好きですね。特にいーこさんのどこまでも世の中を皮肉った忠言が凄く面白かったですね。まさしくその通りと頷いてしまいましたよ。
○コロ さん
- 030 『パラダイス☆銀河〜愛と絶望の小豆洗い〜』 (採点:7)
- 楽しく読ませて頂きました。
笑える部分が多く、勢いがあったので、狙っているのが分かる部分でスカしたときの反動も小さく、最後まで良い流れで読み切れました。
読後、「もっと読みたい」と思わせられましたが、それは大オチが用意されていない為では? と善し悪しの判断に迷いました。そこがバチッと決まっていればプラス2点して良い作品だったのですが。
一番笑えたポイント=『ふ、ふんがー』からの展開。
- 040 こんな愛の形も良いじゃない (採点:8)
- うーん。なんだろ? なんだろ? この読後の首筋が突っ張るカンジ…。
考えた事をそのまま文にすると、きっととんでもなく長くなってしまうので、感じたままを書きますから伝わらないのは勘弁して下さい。
『レールに沿って終着した』でしょうか。操られた駒が駒で終わりを迎えた…いや、この事は別段悪い事では無いとおもうのですが…あーなんだろ? すみません訳分からない事を書いて。
作品については、序盤は書き方に違和感がありすぎて正直飛ばそうと思ったのですが、弁当を三人で食べるシーンから良くなったので読みきりました。
キャラも上手に書いてありました。
○阿倍碧郎 さん
- 005 マジカル☆ワードを唱えよう (採点:9)
- うーむ、面白い。ベタな劇を演じるキャラたちのベタなお話とベタな終わり。にも関わらず
これほどまでに面白いというのはある意味奇跡としか言い様がないかもしれません。それだけ
しっかりと文章とキャラと、展開と話を作りこんでおられるということなのでしょう。こんな
に面白可愛い澪は久しぶりに拝見いたしました。マジカル☆ワード、素晴らしいです。
- 007 とある騎士の物語 (採点:10)
- いやー……これは凄い。こんぺに出展するんじゃなかったと思わされた、二つめのお話
です。おそらく指摘される方は多いと思いますが、妙に文章の作法が不一致だったりする
点が、序盤非常に気になりました。終盤も気にはなったのですが、しかしそんなものを抜
きにしてひたすら物語として凄い綺麗。完璧といっても良いでしょう。中編の分量であり
ながら、一歩も留まるところなく読めた。これだけでもう感動ものです。
文章自体は平易なものです。ですが、その平易なものを積み重ねてここまできちんとし
た、かつ素晴らしいお話しを紡げるのだと思うと、やはり文章の下手な僕もかなり励まさ
れる気分にもなったり(^^; ノエルの男ぶりに、本当にひきつけられます。浩平の強さ、
みさきの優しさも美しい。これだけの容量で、こんな素敵な『物語』になっている。そこ
に、本当に感動させられました。
いやはや、本当に本当にお見事です!
- 008 Search for (採点:9)
- 上手い……こんぺ作品の中では異色だと思うのですが、ここまで丁寧に仕上げられると
そのことになんの違和感も感じられません。序盤、少々説明文が長く入り込み辛いとは思
いますけれど(もっとも、これは僕が言えた義理ではないのですが(笑))、そこを越えて
しまえばあとはもう面白い面白い。完全な第三者視点でここまでONEキャラを、特に七瀬
とみさきをしっかり描いた作品を、僕は他に知りません。ラスト近辺のみさきの、きっと
自信ありげなねこさんへの表情が目に浮かびました。とにかく素敵なお話でした、本当に。
- 013 『夕日の少年』 (採点:7)
- とても丁寧な文章と、的確な詩子把握(詩子の把握はこんぺ全体的に上手な気もしますが)。
自転車にかける夢と情景描写などなど、好感を持てる部分が随所に見られます。見られますが、
この長さ、あるいは短さで描くにしてはちょっとターゲットがぶれているというか、視点を切
り替えすぎであるような気がします。これは僕がまとめることを得手としていない人間だから
かもしれませんが、この長さでなら話は一本道であったほうが良かったような、そんな気がし
ます。
- 014 風の辿り着く場所 −Eternal Happiness− (採点:7)
- とても、理不尽なお話です。僕がある意味一番苦手とする、死ぬために出てくるキャラ
がなんともかわいそうで、悲しくて。もちろんそれをそう思わせるだけの力量がおありに
なって、その通りにキャラを描き出しているからこそであり、その意味では僕は作者さん
の術中に完全に陥ってしまったのかもしれませんが、それにしてもやはり苦手な話である
事は疑いありません。これすら不幸系と呼んで欲しい僕は、しかしやはりよほど甘ったれ
なのかもしれませんね(^^;
上述した、嗜好的に受け付けない部分はありますが、話自体は非常に丁寧に作りこまれ
ていると思います。みさき、澪、雪見のトリオは極めて良く使われる三人ですが、これも
特徴ある描かれ方。みさきのお母さんが出てくるのは珍しいですが、これまた非常に良い
感じに仕上がっています。キャラクターを掴む才能がおありな方が書いておられるのでし
ょうね、苦手な身としては羨ましい限りです。ただそれ故、上述した不満が出てきてしま
ったとも言えるのですが。
- 015 その手を離す、その日まで。 (採点:8)
- 比較的ストレートな、みさきと雪見の物語ですね。捻りはさほどないものの、
でもすうっと入ってゆけて気持ちよく読みきることができるのはとても丁寧に書
きこまれているからだと思います。普通の話を普通以上に読ませるというのは、
実はとても大変な事ですからね。それがきちんと出来ているのは凄いと思います。
個人的にはもう少し長く、もう一ひねり欲しかったかも。
- 016 二人が刻む永遠 (採点:8)
- 新人賞をとった作品が読みたかったです(笑)。
と、それはともかく。話としては纏った良い、優しいお話でした。みさきと雪見の関係
の再定義みたいな感じでしょうか。特にみさきの目の事について、かなり踏み込んだ表現
が多かったのは印象的でした。それが正しいのかどうかは僕には解りませんが、違和感は
感じなかったです。この辺には色々な意見はある様ですが、表現しようとする事は、決し
て間違っていないと思うので。
ただ最初に書いた、新人賞をとった作品と言うアイテムがあまりに魅力的に過ぎました
(笑)。ミステリ好きな人間としては、それが読みたい、紹介だけで済ませないでくれっと
いう気分になってしまったのも真実です。無理だとは解っていますけれどね、こんぺでそ
れを描くのは(^^;
- 018 この世界は (採点:9)
- バーチャルグランドピアノ。
そんな感じのお話でしょうか。曲名を見るだけで曲が浮かんでくる人になら、その作曲者の名前
や性格、作曲の癖まで解る人にならこれほど楽しめるお話もない様な、そんな気がします。僕は残
念ながらその辺さっぱりなので(笑)そういう楽しみ方は出来ませんでしたが。でもその部分も十分
面白かったですし、最後付近の詩子が町の音を聞くの辺りがとても綺麗だったのでよかったと思い
ます。モーツァルトは確かに無駄に軽薄で無駄に上手い気がする作曲家さんですね、僕はあのある
種の無駄さ加減が好きですが(^^;
しかし本当にピアノを上手く弾くには、身体的条件は重要らしいですね。ショパンの指はえらく
大きく開いたって話を聞いたことがある気がします。僕はピアノはひけない人ですが、手も凄く小
さいので(普通の女の子より小さい)弾けたとしても辛いだろうなあという気はします。その辺り
の詩子の苦悩とか気持ちとかが詳しければよかったなあと、あとは僕が浅学で頭の中に音楽が流れ
てくれなかったので一点引かせて頂きました。まあしかし、見せないからこその詩子であるような
気もしますけれどね(^^;
- 019 トライ (採点:9)
- 青春ドラマ……ですが、僕はこういう話も好きなんだなあと思わされます(^^;
もちろんそれは質の高い文章を書いておられるからに違いないわけですが。少しだけ
『楽園日記』を思い出させる、男たちのみのドラマ展開。その手の要素が少ないとはい
え基本的にギャルゲーであるONEの二次創作で女性キャラを用いないというのはとんでも
ないハンデであるはずなのに、それを一切感じさせない展開の上手さ。シュンの退場が
ちょっと早いような気もするのですが、住井がそのあたりを見事にカバーしてくれてい
ます。あとさりげなく、住井の行動の本編補完になっているところも好感度高し。
- 021 夏ノ空ニ夢ハ初マリ (採点:7)
- 今回全体的に多い話だと思うんですが、文章は上手いし構成も悪くない。悪くないんです
が、日常とえいえんの接続があまり上手く行っていないケースが多いという、そのケースに
このお話も当てはまっている気がします。浩平と長森のペアとその日常、掛け合いは本当に
凄く上手なんですが、そこにシュンやえいえんというファクターを加えた途端、どこか話が
乖離してしまう気がする。自分が読んでいるパートがどこなのか、どういう背景なのか、な
ぜこういう描写になっているのかを追いかけ辛い。40キロというのはそんなに長い容量では
ないだけに、この辺りが詰ってしまうのは仕方ない事なのかもしれませんが、どうせならど
ちらかに特化した方が良かったような、そんな印象を受けました。
- 023 世界は終わり、或いは始まる。 (採点:10)
- 凄く迷いました。迷いましたが、とりあえずこんぺに出展するんじゃなかったと思わされた
三つ目のお話であるということ、及び最後の部分を読み返してみたら印象がかなり変わったと
いう観点から満点をつけさせて頂きます。凄い作品でした。
正直に言えば、【真実】から先を読んだ時には点数を半分以下にしようかと思いました。そ
れくらいあの流れは唐突で、それまでのほぼ完璧といっても良いであろう雰囲気とキャラを粉
砕する物に見えました。それがあったからどうだったかという問題はありますが、もう少しこ
の結末を明示する何かがあるべきだったように思います。
しかし読み返せば、そして二次創作というものの本義に戻れば、こういうエンディングもあ
りなのかなと思えてきます。かなり大技荒業ですが、結果としては浩平と、そしてONEという
ゲームを貫いているテーマを徹底的に描ききる手段として優れている気もします。やっぱり微
妙だとは思うんですけれどね、僕のようなハッピーエンド至上主義者からすると(^^; でもや
はり面白いと思えたので、これはこれで素晴らしいと痛感します。
そこに至る前、あれだけキャラを出しておきながら僅かもくどくならないこと、及びこれだ
けぶつ切りにした視点の中でも統一感を出せること。その両方の技量にはただただ感心するば
かりです。あのまま、何か違う捻りを加えたハッピーエンドだったならやはり文句なく満点だ
ったでしょう。そういう確かな技術と前説という裏打ちがあったからこそ、この結末にも僕は
納得が出来たのだと思います。今回のこんぺにおいては、色々な二人の関係を突き詰めて、徹
底して描いたお話がありますが、このお話における浩平と長森の関係はほぼ完璧かと思われま
す。それがラストにああなるとは……お話としては、確かに強烈で凄いです、はい。
なんともはや、お見事です!
- 025 もういいよ (採点:9)
- まさか広瀬と浩平の話になるとは思っておりませんでした。やはり序盤の流れがあまりに
綺麗な七瀬モードだったので(笑)、ついそちらかとばかり。そう思わされるくらい、七瀬と
浩平の掛け合いは素晴らしいです。今まで見た中で一番じゃないかな……広瀬の物語であり
ながら、しかしこの二人を作者さんがとてもとても大切にしているのが見える、そういう序
盤でした。中盤から後半、広瀬へ流れるところも自然で見事。
ただ、いわば仮想広瀬シナリオと呼べそうなくらいレベルが高いお話ですが、そうするに
はもう少し容量が欲しかった気がします。これでもかなり完成している所はかなり驚嘆に値
するとは思うのですが、もうちょっとやっぱり丁寧でゆっくりとしたリズムの三人を見たか
ったのが、満点にしなかった理由です。
最後の『もういいよ』、本当に素敵に響きますね。タイトルとはどうあるべきかの、確か
な模範です、本当に。
- 031 空の在り処 (採点:9)
- 優しいお話です。
この言葉、たくさん書いてきましたが、多分今回の中編作品の中で一番優しいお話だと思い
ます。少しだけ、ほんの少しだけ似たテーマで出展させて頂いた身として、とても勉強になり
ました。素敵なお話、ありがとうございます。
- 033 コイゴコロ (採点:10)
- 前回は四回書いた文句を、今回は六本目に読んだこの作品に最初に書かせて頂きます。
こんぺに出展するんじゃなかった……と思わされた今回最初の作品でした。僕なんかにそんな
事を思わせても仕方ないとお考えかもしれませんが、まあ一人の似非物書きがそう思って、でも
読んだ後『うわ、すげー』って叫んでいた事くらいはちらっと覚えておいて頂けると嬉しいです。
お話自体は王道の恋愛ものだと思うのですが、丁寧な描写と、茜と詩子という関係をしっかり
描いておられる部分がそれをちょっと違う風味にも仕上げていると思います。個人的になにより
上手だと思わされたのは、茜と詩子の一人称視点の違いの際立たせ方。もちろん性格も物の見方
も違う二人ですからそれが当然なのですが、良く特徴を捉えた上で、いかにもらしい二人を描い
ておられる所に感心させられました。もうちょっと人称転換の間は空けるか、あるいは何かで区
切られた方が良いかもと最初は思ったのですが、ここまで書き分けがなされていれば問題ないで
す、はい。
最後、走る詩子と手を繋ぐ茜が全てですね。そして微笑みあう……続編を読みたいと思わせな
い、あとは読者の皆さんのご想像にお任せしますだと僕は解釈しましたが、その辺りの引き際ま
で完璧です。
締め切り直前読み返してみて、やっぱり凄い話だなあとつくづく思います。違うかもしれませ
んが、詩子と七瀬の会話にあるえいえんへの小さなオマージュとか、アップルパイの作り方その
他。心情描写含めて、男の方が書いておられるのだろうかと、正直疑いたくなるくらい(^^; 今
回僕の中でのナンバーワンはこのお話に決定です。本当に凄い。
いやはや、お見事です!
- 034 莫逆の友の恋 (採点:9)
- うー、面白いっ。地の文に微妙な言葉が加わる辺りはちょっと気になりますが、でも慣れて
くればそれすら面白くなってきます。とにかく浩平と住井の掛け合いをここまで見事に描かれ
た段階でもう完敗。実際ゲーム中での二人はこんな感じでふっ飛んでますもんね(^^; いやは
や、本当に面白かったです!
- 036 たいせつなひと (採点:9)
- 繭作品というだけである意味色眼鏡で見てしまう気がする自分が、作中某キャラと微かに重な
って見えた気がします。そんなものは書く人の力量次第、腕次第。全くもって素敵な繭であり、
美亜であり、ゲーム本編のエンディングまでの一年を繋ぐ、とても優しく、とても強いお話だっ
たと思います。
繭というのはとにかく描くのが難しいと思う。一人称を避けられたのは正解だと思いますが、
三人称にしたってそれは簡単ではないでしょう。僕だったら絶対に無理か、精神年齢が十歳く
らい上になった一人称になってしまうと思います。このお話が素敵なのは、繭というキャラを
等身大で、大きすぎず小さすぎず、優しく強く描ききれた所になにより集約されているに違い
ないわけで、その腕前には本当に感心させられるばかりです。彼女自身、彼女を支え、支えら
れるクラスメイトとその周りの雰囲気を描かれた作者さんに乾杯であります。
- 038 廻り廻るAffection (採点:9)
- 満点かどうか、ちょっと迷って9点にさせて頂きました。前半は凄く面白い。ドラえもんの
のび太の結婚前夜という、割と有名であろうお話を思い出す展開ですが、でも浩平とみさき
の結婚前日なら確かにこんな感じだろうなあと、本当に感心しながら読ませて頂きました。わ
けても由起子さんの描写が秀逸。本編では全くキャラクタライズされていない人ですが、でも
こんな人でも良いなあと素直に納得させられました。みさきの両親、雪見、瑞佳、全ての対応
が当に、結婚を前とした二人に相対するそれとして完璧だったと思います。
それ故、中盤以降えいえんと絡めてしまったのがなんだかとても違和感を感じてしまいまし
た。それまでがとても現実的、地に足の付いたお話だっただけに乖離についてゆき辛かったと
いうのが本音かもしれません。あのまま普通に、みさきと浩平の会話で締めていれば10点をつ
けさせてい頂いたかもしれません。
ただ、これは確かに微妙な部分です。そういう終わり方では物足りなさを感じてしまった可
能性も無きにしも非ず。ONEの根幹にあるえいえんをも含めたという意味では完璧なのかもし
れないのですが……接続に違和感がなければ、ということなのかもしれません。
とまあ、色々書かせていただきましたが凄く面白い作品でした。いいお話は多いですが、で
もここまですらすらと引き込まれるお話はさほどありません。本当に、素敵な作品でした。
- 039 フリップフロップ (採点:9)
- 凄い……。
なんか凄すぎて満点がつけられないとか、そんな訳の解らない理由での採点になりました。
むー、ほんと凄いな。全体的に文章構成が揺れている、それこそがこのお話の魅力な訳です
が、こういう手段は凄く難しくて一歩間違えるとわけのわからない話で終わってしまいがち。
これにはそれが、全然感じられません。これだけ視点というか、一人称の主観を揺らせなが
ら話を纏めている技量には正直、ただただ驚くばかりです。うーん、本当に凄い……。
- 041 Last Lovesong (採点:9)
- とても優しく、とても暖かく、とても素敵なラブストーリー。
それが全てで、完璧で、そこからもう一歩何かあれば満点という感じでしょうか。でも、
本当に優しく真っ直ぐな物語だったと思います。今回、全般的にちょっと捻った物語が多
い中、なんだか凄くほっとさせられるお話でした。そして優しさでした。
- 042 オレとあいつと彼女の事情 (採点:8)
- 綺麗で、でも典型的なラブコメだなあ……南君、浩平とそっくりだし……と思っていたら、
そこを逆手に取られました(笑)。うーん、上手い。ラブコメの王道なんですが、でも王道には
王道のよさがあり、またそれをここまで書けるというのは並々ならぬ物語構築とキャラ構成の
力があるという事に他ならないわけです。七瀬の造型は本当に見事です。オリキャラの部分が
多いのがちょっと気になりますが、でも優しく丁寧な造型で違和感はないです。
ラストも本当に王道なのでもうちょっと捻りが欲しかったなあとか思いますが、でもそれは
最初に書いた部分でフォローされていますね。安定した、素敵なラブコメ&七瀬ストーリーで
した。南君に幸あらんことを、最後に彼を気に入ってしまった一読者として祈らせて頂きます
です(^^;
- 052 未来の二人に (採点:5)
- 文章は上手いのでしょうが、あまりに読み辛いです。僕が言えた義理ではないとは思うの
ですが、内容自体が決して読みやすい物ではないだけに、その辺りの工夫が欲しかった様に
思います。雪見というキャラ造型にはかなり違和感を覚えますが、しかしこれは間違いなく、
元々特徴付けがなされていなかった雪見というキャラに対していつの間にか抱いていた先入
観によるものだと思うので、さほど気にはなりません。こういう彼女もありかなとは思いま
す。
○一般市民D さん
- 001 エターナリズム (採点:8)
- 最初からいい作品です。楽しませてもらいました。
だが私的には最後がいらないので。
- 002 彼女の理 (採点:10)
- みあがかっこいい。
気に入りました
- 003 Fragment (採点:6)
- 前半が好きですね。
後半みると「ああなるほど」って感じがいいです
だが印象が薄い。
- 004 いつか、その日の為に (採点:7)
- いや話は気に入ったんですが、印象派薄いかな?
- 005 マジカル☆ワードを唱えよう (採点:10)
- ある意味、王道のような作品
詩子さん・・・w
- 006 すてるす同盟 (採点:10)
- よし来た!(自分的に)一位にふさわしい作品が!
最高だぁぁぁぁぁ!!って感じです。
絶対一位ですとも、ええこれ本当。
というわけで作者殿、ファンになりました。
それはさておき良い作品です。ギャグにふさわしい。
- 007 とある騎士の物語 (採点:10)
- ノエル良い味だしてます。
こういう話は大好きです、歌のくだりで展開が読めるのもぎゃくにいいですし
- 008 Search for (採点:10)
- 猫さんストーカーいいです。
(自分的には)トップ3近くにははいるような作品
- 009 Replica (採点:9)
- ジャンルが不幸ではない気もしますね。
好きですこういう作品は
- 010 NOISY SILENCE (採点:7)
- そうかこういう手があったかって感じです
でも印象が薄い気配が
- 011 その果ての雨 (採点:10)
- 一回読むのが限度ですね、自分には
でもものすごく考えさせる後味の悪さ(?)が凄いし
最後の誤字はこの文字の方があってそうですね。
(いつまでも楽しかった時代にとどまりたいですね〜・・・。
(自分的には)印象はトップです
- 012 曇り色の時間 (採点:8)
- いい作品だけどなんかたりないですね。
- 013 『夕日の少年』 (採点:9)
- なんか気に入りました〜。
いや説明はむずかしいけど
- 014 風の辿り着く場所 −Eternal Happiness− (採点:7)
- なんというかむずかしい話です。
でもなんか足りない
- 015 その手を離す、その日まで。 (採点:9)
- ほのぼのしてていいですね〜。
- 016 二人が刻む永遠 (採点:9)
- みさきが書いた小説を見てみたい。
最初と後半の雰囲気がちがうのも良いです。
- 017 欲深な微睡 (採点:7)
- なんというか、どういうことかが
- 018 この世界は (採点:9)
- 曲が数曲わからない・・・。だが良い
でも万人うけはしないんだろうな〜と思いますね。
- 019 トライ (採点:10)
- 住井かっこいいなぁ。
いいやつだよ本当に
- 020 Requiebros(愛の言葉) (採点:10)
- 最後の詩子さんの辺りで何故か泣けました。
- 021 夏ノ空ニ夢ハ初マリ (採点:6)
- 結構いいですね〜。
いやよくわからないけど
- 022 はやく昔になればいい (採点:8)
- 不思議な話ですね・・
もうどうしようもないところが。
- 023 世界は終わり、或いは始まる。 (採点:10)
- 感想は一言でいうならよくわからない。
- 024 【呪いの唄】 (採点:10)
- 最後がぞくぞくっと来ました。
最初を見ていたらとてもこんな結末になると予想できませんねぇ。(まぁできる人もいるんだろうが)
>「――身体だけで満足していれば良かったのに」
このセリフのくだりが気に入りました。
- 025 もういいよ (採点:9)
- 後半付近の約束の話が泣けました。
- 026 ダンスインザダーク (採点:9)
- 最後のくだりが唐突すぎるかな?
でもいいんですがね。
- 027 埋もれた夢に、あなたはいない (採点:10)
- こういうの好きです。
個人的にはシリアス物では一位ですね。
内容と文が良すぎて
- 028 歩いて帰ろう (採点:9)
- いいです。
やっぱりこういう話は好きです。
- 029 澪とみさきと長森と (採点:6)
- 可もなく不可もなくって感じですかね?
シリアスになりきれてないし、ギャグにもなりきれてないような・・。
- 030 『パラダイス☆銀河〜愛と絶望の小豆洗い〜』 (採点:10)
- 脚本家志望だけどこういうのやりたいなぁとおもわせる作品
面白かったです。
- 031 空の在り処 (採点:8)
- なんとなくほのぼのした感じがいいです。
- 032 ALive (採点:8)
- 後半がどうもなにかたりないので。
- 033 コイゴコロ (採点:8)
- 友情物いい、詩子さんのなげやりっぷりも
- 034 莫逆の友の恋 (採点:10)
- 私は「2.俺は死なない、たとえ五臓六腑を撒き散らそうとも」です。
それはいいとしていいですねこういう作品。
最初のインパクトもさることながら面白いです。
個人的にトップ3にはいっちゃったりするぐらい
- 035 夢を観た日 (採点:7)
- 不発弾のくだりと最後の雰囲気の違いが凄い・・。
- 036 たいせつなひと (採点:9)
- こういう考えさせるような物語はやはりいいです。
- 037 虚構少女 (採点:9)
- いいですね。
最後が少しむずかしいですが。
- 038 廻り廻るAffection (採点:10)
- 泣けるぞ〜。
最後の選択も二人なら絶対そっちとると思うし
- 039 フリップフロップ (採点:9)
- よくわからないけどいい話だと思います。
途中の語りみたいなところも
- 040 こんな愛の形も良いじゃない (採点:10)
- 相棒に恋したって良いじゃない?
名言かも・・・・・
- 042 オレとあいつと彼女の事情 (採点:10)
- 恋愛物?ではこれが一番です。
- 044 小さな幕間劇 (採点:9)
- むずかしくて理解できませんが、なんかいい気分になったので。
- 045 永遠と瑞佳のあいだ (採点:8)
- 後半が笑えましたね〜。
- 047 「わたしはあなたと歩きたい」 (採点:8)
- ほのぼのいい
- 051 南西の風は瑞穂実る平原に (採点:7)
- 個人的には好きなんですかなんか足りないのでこれぐらいに。
○羽霜 さん
- 006 すてるす同盟 (採点:8)
- あああああ…どうしよう、すっごく好きです、コレ。
ギャグとして見たら4点。しかしやられました。
それ以上に話が好み(+1)、シュンとのやりとりが好み(+1)、瑞佳が健気で可愛い(+1)、ギャグとしてみなければ普通に面白い(+1)。
…ラストは、ちょっと良く分からなかったです。
いやしかし、シュン君 萌 え さ せ す ぎ で す よ。(私を)
- 008 Search for (採点:10)
- 感情が動かされるって、こういうことを言うんでしょうか。感動しました。
凄い、上手い、面白い、良い、素敵。
なんだかその辺に転がっていそうな言葉ばかりで申し訳ないですが、このSSを読んだ感想です。
決して猫に感情移入したわけじゃないのに、この猫が大好きになりました。
物語の途中ではなく、読み終えた後に涙が出てきました。
展開もテンポも良くて、驚かされてばかりでした。凄く面白かったです。ありがとうございました。
- 017 欲深な微睡 (採点:7)
- 回想録が延々と語られる形式で、事実を淡々述べているだけだったのが惜しいなあ、と思います。
舞台が凄く作りこまれていて、設定が凄く好みだっただけに。
それでも文章は丁寧で読みやすく、厭きずに読ませていただきました。
傷だらけの浩平と一緒に寝る長森あたりのエピソードに身悶えました。
「大怪我してるからHできないね」、可愛すぎる名ゼリフです(笑)。萌。
- 024 【呪いの唄】 (採点:8)
- ラストが、とても好きです。
余韻がいつまでも響いている感じがして。
……浩平に幸あれ。
- 034 莫逆の友の恋 (採点:10)
- この話、大好きです…!
もうノリが、小ネタが、無理やりなハッピーエンドが、全てがツボでした。
ストーカー疑惑あたりから、もう声あげて笑いっぱなしでした。
もの凄い勢いとギャグ(コメディ!?)なのに、原作を壊していないのがさすが。
凄く面白かったです、ありがとうございました。
ただ…謎の問題2問…無くても良かったかなぁ…と。ただ、その意味不明さも良いんですが(笑)。
- 040 こんな愛の形も良いじゃない (採点:7)
- 小綺麗にまとまっていて、良い話だと思います。
柚木も茜も可愛いですしvvv
ただ、ラスト、モノローグは余計だったかも。
口付けを交わしてそのまま終わりの方が余韻に浸れた気がします。個人的な好みですけど。
- 041 Last Lovesong (採点:6)
- 雰囲気や、2人の会話などはとても好きなのですが―――……。
不思議な違和感があるまま、最後まで読んでしまいました。うーん。
- 044 小さな幕間劇 (採点:4)
- すみません…話に込められたメッセージが…難しかったです…。
幕間劇自体の不思議な雰囲気と、話の展開は面白かったですし、好きなのですが。
○岡純平 さん
- 002 彼女の理 (採点:10)
- 椎名繭という少女に、作者氏はなにがしか切実に共鳴するものを
見出しているのかな、とそのような印象を抱きました。
そのような深読みをしたくなるほどに、繭の内面描写は綿密かつ理解溢れるものでした。
そして、そのこまやかさに裏打ちされているために、
「せかいにてきがいる。」という苛酷な現実と、その重みに打ち勝ったあとの
「でも、きっと、なにがあっても、だいじょーぶ!」という繭のほがらかさが
素晴らしい説得力をもちえているのだと思います。
また、出来たてのグラタンの熱い香ばしさや、縁側に降る陽射しの心地よさなど――すなわち
この作品世界の底に漂う雰囲気というべきものを、作者氏はきちんと感じとり、
また読者である僕に伝えることがなしえていました。
この作品を読めて嬉しかったという賞賛をこめて、10点をつけさせてもらいます。
いままで出会った繭SSのなかで、あるいはベスト1に挙げられるかもしれないほど大好きです。
手放しの絶賛ばかりでは書く際の参考にならないかもしれないので、いくつか気づいた点も。
まず、タイトルにややキレが欠けるうらみがないとは言い切れません。
「彼女の理」という語句を冒頭やラストの見せ場で複数回もちだしている以上、
作者氏にとってなんらかの思い入れがある表題なのかもしれませんが。
また、繭の描写の的確さに比して、彼女を迫害する愚か者たちにいささか現実味が足りないかもしれません。
それが作品のどのあたりに現れているかというと、たとえばいじめの種類が類型的な点であると思えます。
牛乳をかける・黒板に悪態を書きつらねる・靴を隠すなど、どれも「お約束」な感が拭えず、
連中の腐れた心根を細部まで具体的につかみとれてないような気がしました。
それら屑野郎の悪辣さを余すところなくあぶりだせていれば、
繭とみあの美点がさらに輝いたのではなかろうかと。
ともあれ、力作お疲れさまでした>作者氏&繭
- 017 欲深な微睡 (採点:9)
- >私の言葉が、なにかしら、浩平に辿り着いたのかもしれない。
>「浩平のバカ! いてくれるだけで良いのに…それだけで良かったのに…」
>かみさま、どうか、生きていけますように。
これらのセリフの直球ぶりが、若干の面映さと一緒にストレートに読者の僕の心に届いてきました。
こういう真摯さは、妙に技巧ばかりが凝らしてある作品よりずっと好ましく思えます。
よって、今後に期待という意味もくわえて、この点数を差し上げたく思います。
文体が長森の一人称にしては生硬すぎるとか、描写と説明のバランスが崩れているとか、
技術上のアラは率直な話、少なくありませんでした。
が、それらは書き馴れていけば是正されるものだと思います。
とにかくこの真摯さを保ったまま、徐々に地力をつけていけば優れた書き手が生まれる――そんな気がしました。
- 019 トライ (採点:8)
- 冒頭の聞き書きふう一人称に興味をそそられ、読みつづけることに決めました。
しかし全編が淡々と進むので、爽やかさとともに物足りなさも覚えてしまいました。
浩平が長森に告白するシーンや、煮え切らない態度をとる浩平の胸倉を住井がつかむシーンなど、
住井の複雑な内心をもっと精緻に、また執拗に過激に描写してもいいのではないでしょうか?
失恋だの、悪友の愚かしげな振舞いへの苛立ちだのは、爽やかなだけではおさまらない感情なのですから。
地に足のついた文章力をお持ちのかたのようなので、もっと八方破れになれば傑作ができあがる気がします。
クライマックスでの住井の吹っ切れぶりは見事でした。このシーンのために1,5点プラス。
- 024 【呪いの唄】 (採点:4)
- ストーリーじたいはかなり凄惨なのですが、それに釣り合うだけの狂気や妄執の迫力が、描写などにはうかがえませんでした。
また、凄惨さをきちんと受けとめられるだけの書き手の懐の深さといったものも、作品から見てとれません。
前者をきわめれば、たとえば某『蜘蛛のノクターン』になり、
後者を書ききれば、美少女ゲームを例に取れば『アトラク=ナクア』『Blow』のごとき傑作が生まれるのかもしれません。
そして、この種のストーリーからは凡作も佳作もなかなかつむぎだされないと思います。
駄作か怪作か傑作か、作品の行く末はその三つの極北なのではないでしょうか?
当作品に対する僕の評価は、失礼ながら点数の通りです。
ですが、いわゆるダーク物の二次創作に挑戦したその心意気(業の深さ?)は、個人的に高く評価しています。
次回作に期待しています。
- 025 もういいよ (採点:7)
- 序盤のマクラの振りかただけで判ずると、今回のコンペ作品のなかでも指折りの出来だと見えました。
まず冒頭の一行で大いに腹を抱えさせてもらいましたし、それ以降のテンションも落ちていません。
さらに、キャラクター三人の描写も的確で、そのうえ華があります。
それぞれ原作に準拠した性格描写でありながら、原作とは異なる魅力もつけくわえられているようです(特に広瀬)
これが二次創作の醍醐味だよなあとさえ感嘆しつつ、当然、後半の展開にもおおいに期待しながら読み進めました。
その後半なのですが……正直、まったく納得がいかない展開でした。
べつだん浩平が広瀬と恋仲になるのはかまわないと思います。しかしそこへ至るまでの説得力がいささか……。
広瀬が浩平を好きになる過程も、浩平がその求愛に応える過程も、少なからず唐突です。
そして、自分の友人と彼氏がくっついた大事件に対する七瀬の反応は、謎の一言。
このSSを読み終えて連想したのは、ONEの長森シナリオでした。
あちらも序盤のラブコメ路線から、告白イベントを経て浩平と彼女の関係が激変しています。
そして、あのシナリオでの浩平の惑乱ぶりは、ONE全編のなかでもっともプレイヤーの好悪が別れた箇所のひとつでした。
しかしあのアクのつよいストーリーは良かれ悪しかれプレイヤーに鮮烈な印象を刻印し、
結果としてONEが名作と称えられるのに一役かっている――そう僕は考えます。
浩平と広瀬、浩平と七瀬、広瀬と七瀬の関係――それらをもしこのSSが十全に書ききれていたら、
とくに七瀬ファンからは複雑な感慨をひきだしたかもしれません。
しかしそうだとしても、この三角関係の行く末を深く突き詰めてゆくべきではないだろうか、そう思います。
- 030 『パラダイス☆銀河〜愛と絶望の小豆洗い〜』 (採点:8)
- 楽しませてもらいました。
メタセコイアのシーンをMOONのウッドブロック.、翼が生えるシーンをAIRの翼人ネタと重ねながら読んでしまった以上、
ラストはKanonの奇跡ネタないし夢オチとかで締めるべきだと感じました。
9点をつけなかったのはそのためです。
- 031 空の在り処 (採点:7)
- うーん……この作品をどんな基準から読みすすめればいいのか、迷いました。
ごく当たり前の萌えSSなのか、もっと深いところに突っ込もうとしたシリアスSSなのか。
(分類にはシリアス物とありますけど)
萌えSSとしてみれば、完成度は相当高いと思います。
しかしその高さは、裏を返せばややこじんまりとまとまってしまった印象にも繋がっています。
シリアスSSとして読むと、雪見が目を瞑って体育館を横断したシーンは、
なにかしら非常に鋭く重いテーマの芽を感じさせました。
盲人と健常者のあいだの深くて暗い河を垣間見せられた気がします。
しかしシリアス物に不可欠な、人間描写における深みはいささか物足りない……? たとえば
>「光を見失っちゃったから、いまは、ちょっとだけ翼を休めてたんだ。(中略)でも……もう、大丈夫だから」
自他共に親友と認める相手が「もう大丈夫」などと微笑んだら、
それはこちらを安心させるための強がりではないのか?
そう気を配って疑ってみるのが真っ当な友達というものでしょう。
演劇部長として多くのクラブメンバーの上に立っていた雪見ならば、そのくらいの心配りは充分なしえるはずです。
そのあたりの現実的な優しさが作品から見えてこないので、
ラストなどの美しい情景が、シリアスSSとしてはいまひとつ心に迫ってきませんでした。
きわめて礼を失した言い種になりますが、美しさが綺麗事に見えた、とも……
あと文章について。
>みさきと一緒に食卓に着くと、六人はかけられるテーブルに料理がところ狭しと並んでいた。
山盛りの料理、と作者氏および雪見はあっさりと「抽象的に」「説明」なさっていますが、
「具体的には」どんなご馳走が供されたのか「描写」してほしい、そう強く思います。
揚物・煮物・汁物・焼き物・和え物・干し物・漬け物・蒸し物・鍋物・炒め物・練り物・巻き物etc
世間に知られるご馳走をしごく大雑把に分類しただけで、こんなにもたくさんの調理法が挙げられます。
これらをあまたの食材と組み合わせれば、できあがるご馳走の種類は万単位に軽く及ぶでしょう。
それら考えうる種々のご馳走のなかで、雪見たちが実際に口に運んだのはどれなのでしょうか。
そのあたりを描くことで、読者はいっそう作品およびヒロインたちに感情移入しやすくなると思います。
――似たような描写不足は、作中のあちこちに散見された気がします。
- 037 虚構少女 (採点:4)
- 原作におけるヒロインを、オリジナルキャラクターが怒鳴りつける。
そのような展開を読者に有無をいわせず飲み込ませるには
・ヒロインの言動が相当に常軌を逸している
・怒鳴りつける側のあれこれが、丁寧かつ魅力あふれるように描写されている
この2点が必須だと思います。
具体的な技巧をひとつ指摘すると、オリキャラのフルネームを冒頭から提示するのはいかがなものかと。
MOON.のA棟巡回員、ONEの髭、Kanonの久瀬のように、名前を与えないことで
脇役の過度の自己主張を避け、なおかついぶし銀などの魅力を読者にもたらす手があるのでは
- 051 南西の風は瑞穂実る平原に (採点:9)
- 作者氏も、またこのSS自体も、なにか正しい道を歩んでいる気がします。妙な言い種ですが。
南の告白を茜がいったん拒むシーンなどは、シビアーな現実から作者氏が目を逸らしてない感があります。
原則、たいがいの人間は好きになった異性には笑っていて欲しいとおもうはずですが、
にもかかわらずこのような重いシーンを書こうとしたその心意気に共鳴しました。
てらいのない真情は読者の心を揺さぶると、この作品を読んで再確認しました。
あとは人間や世界への洞察を深めていけさえすれば、この作者氏はなにも思いわずらうこともないのではと。
……な〜んて偉そうですね俺(汗)。でも本音。
○仮面の男 さん
- 001 エターナリズム (採点:4)
- 記憶を奪ったものが強制労働施設に送られると
いうのは面白い発想だと思いましたが、アクシ
ョンも含めて全般的に緊迫を感じませんでした。
- 002 彼女の理 (採点:10)
- 最初に告白します。読んで号泣しました。
それだけでも、他の作品とは明らかに、
一線を画してます。
少し幼げな語り口で、周りの人間に支え
られて少しずつ強くなっていく繭の姿が、
胸を奮わせる物語として、完璧に描き切
られていました。難しいテーマを40KBと
いう容量でここまでまとめきった力量に
は、素直に脱帽です。
私に取って、中編の中では間違いなく、
ナンバーワンでした。
- 003 Fragment (採点:7)
- 死んだと思ってました、騙されました。
と、敗北宣言をしたところで。
なかなかに面白い『記憶』喪失の解釈で
した。ただ、学校全体に緘口令を敷くと
いうのは些か無理のあるような気もしま
す。現実的な解釈で徹底するならば、そ
の辺りをもう少しよく練っていれば良か
ったなと思いました。
- 004 いつか、その日の為に (採点:6)
- ハムスターを追跡しているときの浩平と七瀬が
活き活きとしていて面白かったです。
- 005 マジカル☆ワードを唱えよう (採点:5)
- ななか6/17の作中作を思い出すような、優しい魔法少女
もののノリは好きです。ただ、劇を意識したならもう少
し大袈裟に、芝居じみた表現や科白が欲しかったです。
- 006 すてるす同盟 (採点:5)
- 所々、くすりとさせられる描写はあるのですが、時折
混ざるシリアスとのバランスに付いていけず、いまい
ちのめりこめませんでした。
- 007 とある騎士の物語 (採点:5)
- 視点が犬というのは面白いですし、小気味良い展開では
あったのですが、盲導犬という設定にされている点で、
宜しくない描写が色々あったような気がします。
視点が犬だからという点を差っぴいても、浩平がノエルに
対してやってることは危険過ぎます。あと、主人は盲導犬
に対する危険行為があったら厳重に戒めるよう、訓練の過
程で教育を受けてる筈ですから、みさきが何も注意しない
のも不自然ですし。
お話自体は良かったのですが、その辺りで少し引っかかっ
てしまいました。
- 008 Search for (採点:7)
- 成程、前世……そういうことかと、一人で勝手に
納得してしまいました。
視点故の違和感も覚えませんでしたし、性格付け
もあってか、気紛れな猫を上手く表現してたと思
います。
- 009 Replica (採点:7)
- 一つの世界が残酷に壊れていくまでの過程が上手く
描写されてて、良かったです。無限に続く救いの無
さと転落感には、背筋がぞくっとしました。
- 010 NOISY SILENCE (採点:5)
- 引き込まれる語り口でしたが、ラストで一気に物語の
焦点がぼやけてしまった気がします。引用のセンスも
好きだっただけに、とても惜しいと思いました。
- 011 その果ての雨 (採点:6)
- 最後まで読み終わり、成程と納得しました。死への
緩やかな旅路だったのですね。そう考えると、ああ
甘ったるいなあと思っていた二人の歩みも些か重い
もののように思えてきます。割と私の死生観に近い
ためか、共感して読むことができました。
しかし、雪見も澪も100歳前後まで生きたのか……。
凄いです。
- 012 曇り色の時間 (採点:7)
- みずかと浩平のやり取りが面白かったです。生意気な
ちびっこをここまで可愛く描けるというのは、素敵で
す。あと、タイトルの付け方がとても上手い作品だな
と思いました。
- 013 『夕日の少年』 (採点:7)
- 詩子のお転婆な性格を示す描写がとても爽やかで、
読んでて面白かったです。ただ、比喩の深みが少
し薄いなと思いました。その辺をもうちっと細か
く記して欲しかったです。
あと、少年の描写に山下和美氏の『不思議な少年』と
いう作品を思い起こしたことを、述べておきます。
- 014 風の辿り着く場所 −Eternal Happiness− (採点:8)
- 冷たさと優しさ、もしかしたら前者が圧倒的なのかも
しれない世界で、それでも現実を選んだみさき先輩の
強さを感じました。文章の運びもあっさりとしながら
力強く、物語に彩りを添えてました。或いは、物語に
とてもぴったりとした文章というのでしょうか。
ただ、最後の交通事故は……死以外の別のやり方が
なかったのかなーと思いました。それだけが唯一、
不満点です。
- 015 その手を離す、その日まで。 (採点:6)
- 全体的に、とてもほっとするお話でした。手を
取り合って寄り添える二人の友情は読んでて、
とてもほのぼのとしました。
ただ、みさきの外の世界に対する恐怖があまり
感じられなかったように思えます。
- 016 二人が刻む永遠 (採点:8)
- メタミステリ作家、川名みさき……個人的に、無茶苦茶
ぐっと来る設定でした。どんな作品なのか、是非とも読
んでみたいなーと思いましたよ。
とまあ、戯言はさておき。みさきと雪見、二人の在り方が、
心をぎゅうと掴む形で表現されていて、良かったです。お
互いを不器用に想い合う姿もまた、素敵でした。
- 017 欲深な微睡 (採点:9)
- 切々と迫る感情が胸を突き刺すようでした。これは、
ちょっと言葉にできないくらいの凄さです。ここま
で一人の人間の感情を描けるということに、羨まし
さすら感じます。
ただ、描写が真に迫っているだけに、浩平が底辺に辿り
着いたところで物語の終わってしまったのが、残念でし
た。その先、感情の溢れた時の彼らまで描かれていれば、
文句なしで満点だったのですが。
- 018 この世界は (採点:6)
- お話のテンポが全体的に良いですし、何より思い入れの
ある楽曲が一杯でてくるのが個人的にツボでした。ただ、
テンポの良さが分かるだけに少々、最後が物足りなかっ
たです。ラストにもう一山くらいあると、もう少し盛り
上がったのではないかと思います。
- 019 トライ (採点:6)
- 住井が絆になるという展開は面白かったですが、
各ヒロインとの絆に同するような印象的なエピ
ソードがなかったので、そこが少し惜しいなと
思いました。個人的には、もう一個くらい劇的
な場面があっても良かった気がします。
- 020 Requiebros(愛の言葉) (採点:7)
- 瑞佳の己の貫き方は、確かにコンクールの決まりを
破ったかもしれない。だが、それ故に有る瑞佳の強
さと決意を感じました。私が決まりを余り破ったこ
とのない人間だからでしょうか、余計に強い憧憬を
感じます。良いラストシーンを作り上げてました。
- 021 夏ノ空ニ夢ハ初マリ (採点:7)
- 中編の作品には構図のやけにややこしい作品が多
いのですが、これは単線でない構造を持ちながら
理解しやすく、お話としてもすーっと入っていけ
ます。瑞佳と浩平の微妙な距離もきちんと出てい
たと思いました。
あと、長森だから光合成……のくだりは面白かっ
たです。飲み物、吹きそうになりました。
- 022 はやく昔になればいい (採点:4)
- 文体は割と好みなのですが、不幸というジャンルの良作に
感じられる転落感や酩酊感が、この作品からは感じられま
せんでした。落とすならとことん落として欲しかったです。
- 023 世界は終わり、或いは始まる。 (採点:9)
- わ、まさかこのような着地点だとは……。
ラストまで読んでから『過去』『現実』『夢』のパートを吟
味し直し、もう一度読み返してみると確かに結末を匂わす
描写が幾つもあり、改めて作品の凄さを確認しました。
SF的でありますが、私としてはそこまでの伏線を張り隠し
切ったミステリィ的な技量もまた、素晴らしいと思います。
素直に脱帽です。
- 024 【呪いの唄】 (採点:5)
- 私はミステリィ系が好きな人間なので、そういう節の見える
物語は好きなのですが、残念なことに中途半端の感が否めま
せんでした。瑞佳の行動が余りに浮き出ていて不自然で、い
かにも黒幕っぽく見え、ラストの展開が全然、意外でありま
せん。もう少しその辺りを練れば、良いと思いました。
- 025 もういいよ (採点:7)
- 浩平と広瀬、二人の関係がみさおを通じて一点で
繋がる描写は読み終えて、なかなか上手いなーと、
思いました。
- 026 ダンスインザダーク (採点:4)
- みさきと瑞佳の関係が反転するまでの構図と
真実、それに至るまでの線はきちんとしてい
ますが、ラストで何を示唆したかったかの情
報が余りに少な過ぎて、置いてけぼりを食ら
った感があります。
ダーク系特有の不条理さも、度が過ぎていた
ため、正面から受け止められなかったです。
- 027 埋もれた夢に、あなたはいない (採点:8)
- 親友であるが故に何とかしようと頑張り、そして
空回っていく姿が健気で痛々しかったです。今は
まだ駄目だけど、考えた先にどうか答えを見出せ
ますようにと、願わずにいられなくなる話でした。
葛藤の描き方が、上手いなーというのが印象です。
- 028 歩いて帰ろう (採点:8)
- 永遠の世界での明るくコミカルな生活で、それでいて
育たない土地や突破できない森など、どこか救いの無
い世界観が上手く出ていました。また、そこまでの展
開があるからラストの脱出劇もまた、印象的になった
と思います。
あと、浩平に翻弄されるみずかが可愛かったです。
- 029 澪とみさきと長森と (採点:5)
- 中盤の、澪とみさきのやり取りがなかなか面白かったです。
それ故、浩平と長森側の会話に勢いのなかったのが少し残
念でした。
- 030 『パラダイス☆銀河〜愛と絶望の小豆洗い〜』 (採点:6)
- ギャグを見るにはギャグ好きの目が必要だ……、
ということで。
途中までのかけ合いは非常に面白かったのですが、
ラストは微妙にオちてない気がします。本当に笑
える作品を書くにはある種の計算高さが必要なの
ですが、最後まで勢いだけで突っ走って、オチを
軽んてる感じがしました。
- 031 空の在り処 (採点:9)
- 会話や心情の積み重ね方が非常に秀逸でした。
目立った山場はないのですが、それでも最後
まで惹き付けられて離さない、素敵な物語の
運び方だったと思います。ストーリィ・テリ
ングのとても上手い方とお見受けしました。
- 032 ALive (採点:7)
- 永遠ではなく、限られた現実を生きることを選んだ少年。
恐らく、氷上シュンのシナリオ後を想定して書かれたと
思うのですが、浩平と同じく現実を選び、最後に『思い』
を残した彼の生き方は、なかなかに印象的でした。
- 033 コイゴコロ (採点:7)
- 煩悶とした感情を持て余す茜に、心揺らされました。
物静かで怜悧な女性が悩んでいる姿というのは不謹
慎なのでしょうが、とても魅力的に映りました。き
っと私がそういうの、好きだからと思います。
あと、ラストでますます泥沼になったというのに、
何故か爽やかに思えるのは、詩子さんが非常にさ
ばさばしているでしょうか。ライバル宣言という
のはとても好きなシチュエイションなので、思わ
ずにやりとしてしまいした。
- 034 莫逆の友の恋 (採点:3)
- ギャグっぽい展開かと思えば、その雰囲気を止めて無理矢理
シリアスっぽい雰囲気にもっていく。二つの流れの連続ばか
りで、上手く描けば出た筈の勢いがすっかり殺されていて、
散漫な作りになっていたように感じます。ラストも尻切れ蜻
蛉でしたし、もう少しメリハリを付けた展開の方が私は良か
ったと思いました。
- 035 夢を観た日 (採点:5)
- ラストが余りに唐突過ぎて、読み終えても何を
感じたら良いのかいまいち分かりませんでした。
- 036 たいせつなひと (採点:9)
- 繭の、辛いことや苦しいことに立ち向かう強さが、
淡々ながらも切々と伝わってきました。繭に関わ
る友人達も良い味を出していましたし、物語の作
り方も丁寧だったと思います。
- 037 虚構少女 (採点:6)
- 留美の昔のクラスメイトとのやり取りは、読んで
いてぐっと来るものがあったのですが、それ故に
結末が物足りなく感じます。七瀬の決意や昔の友
達、そして折原から受けた影響の部分の描写が、
少し消化不良だと思いました。
- 038 廻り廻るAffection (採点:9)
- 浩平とみさき、それぞれの生き方に影響を与えてきた
人たちに対する想いと感謝の気持ちを伝える場面、み
さおの存在を受け入れ真の意味でえいえんと決着をつ
ける場面、どれもがドラマティックで、ぐっと来るも
のがあります。
これらの物語の積み重ね方があったから、ラストは思
わずじーんときました。色々あるけど、幸せに向かっ
て頑張っている。そんな結末を感じさせてくれた、と
ても優しい気持ちになれるお話でした。
- 039 フリップフロップ (採点:9)
- 物語の作り方や世界の交差のさせ方が、とても秀逸でした。
二つ以上の世界を交差させる作品はこんぺでもいくつか
見ましたが、その中では一、二を争うと思います。
一応、専門で学んでたという経緯があったりするための
思い入れなのですが、世界の入れ替えをフリップ・フロ
ップ回路に例えるというセンスは凄く好きです。
- 040 こんな愛の形も良いじゃない (採点:7)
- 詩子と住井の支えていく関係、惹かれていく関係、
それぞれがコミカルに、時には真剣に描かれてて、
面白かったです。
あと、非常に個人的なことですが。日本語題、英語題
それぞれに意味を持たせるタイトルの付け方は素敵だ
と思いました。その点でプラス1点しました。
- 041 Last Lovesong (採点:7)
- 浩平と瑞佳、二人の絆が淡々として、それでいて
ゆっくりと胸に染み込むようでした。あと、四倍
返しのところはくすりと来ました。こういうさり
気ない伏線を張ってある作品は好きなのですよ。
- 042 オレとあいつと彼女の事情 (採点:3)
- 意図したい展開は分かるのですが、各場面場面の
移り変わりに唐突なものを感じて、いまいち入り
込めませんでした。ラストももう少し丁寧に描か
れていれば良いなと思いました。途切れ方が、唐
突な感じがします。
- 043 夕焼け色のシンデレラ (採点:6)
- みさきの心から生まれたみゆきという存在。二人の
僅かな時間が、優しいながらも強さを持つみさきを
際立たせていて、素敵でした。ラストの別れも綺麗
ながら、前進に満ちたものであったと思います。
あと、私信ながら。
『大切なものは、きっと目に見えないんだよ』
という言葉、私も大好きです。星の王子さまは
やっぱ、名作ですよねー。
- 044 小さな幕間劇 (採点:6)
- 作中劇は永遠の世界と、脱出の例えでしょうか?
そうでなかったらごめんなさい。
なかなか独特な世界で嫌いじゃないのですが、少し練り
きれてない感じがしました。二度、同じような場面が
出てくるなら、それぞれで情景や心情の描写を細かく
変える……くらいの心遣いが欲しかったです。
- 045 永遠と瑞佳のあいだ (採点:7)
- 割り切らない男のでてくる物語は基本的に好きじゃ
ないのですが、そういうのには一先ず目を瞑り、
採点の部分から取り除いて作品自体を見ますと。
とにかく心の機微の描き方が細やかで、溜息がで
るくらいでした。男女関係について冷めた目を
向けているのも、好感が持てます。
あと、付け加えるならば。
青いなーと思うと共に、分かるなーとも思う話で、
こうなんちゅーか居た堪れなくなりかけました。
多分、これを懐かしいと思ってしまった点で、か
つて私は似たような弱い精神構造を持っていたこ
とを自覚してしまいましたよ。
若さゆえの過ちは認めたくないものです。
- 046 キャラメルのおまけ (採点:8)
- 後半の、みさおとみずかが壊れゆく世界でもがき苦しむ
姿はとても痛々しくて、心を締め付けられるようでした。
ただ、前半は本編をなぞるだけの描写だけでなく、もう
少し作者自身の描写が欲しかったです。それをするだけ
の力量はお持ちの方と思いますので、逆にそこだけ厳し
く採点しました。
- 047 「わたしはあなたと歩きたい」 (採点:8)
- 瑞佳の心情描写が、とても細やかで綺麗でした。
不器用で、それでも少しずつ進んでいく精神を
きちんと描いてる物語で、文体もそれに合わせ
て控えめに抑えられてて、好みです。
- 048 待ち合わせ (採点:7)
- 前向きそうで、実はちょっと後ろ向きなみさきに、
読んでいてハラハラしたり、ほっとしたり。感情の
動きが分かり易く、魅力的だったと思います。
- 049 雨音は誰が為の歌 (採点:8)
- 全体的に、丁寧に積み上げられたお話という印象を
受けました。それぞれの想いが、強く伝わってきま
したし、何より由起子さんが口上を切る場面が格好
良かったです。
- 050 セレナードで眠らせて (採点:6)
- 浩平と茜のしっとりとした関係が、丁寧に描かれてて
その辺は好感触でした。良い部分を見るだけが恋愛で
はない……それを知りながらお互いを慈しめる関係は、
きっと末永く続いていくんだろーなーと、確信めいた
ものを抱きました。
ただ、淡々とし過ぎて少し物足りない感じもしました。
話にもう少し盛り上がりがあると、良かったかもしれ
ません。
- 051 南西の風は瑞穂実る平原に (採点:6)
- 喪失の体験をしたもの同士、それを取り巻く人たちが
奮戦するお話を、丁寧に作っていると思いました。南
くんの奮戦振りは格好よかったのですが、それだけに
茜との関係が進展していく部分の描写が少し足りない
のが少し残念でした。
○夏葵 さん
- 001 エターナリズム (採点:6)
- うわー。これはまたすごい解釈のお話ですねー。
しかも司くん、任侠ものです。印象では高倉建ですが、死んじゃうんで松方弘樹か田宮二郎(笑<笑ってる場合じゃない。
オリジナリティでは一番でしょう。任侠部門賞を差し上げます。
場面転換や、回想(これは微妙)を入れるときには一行空けて貰えると読みやすかったです。
- 002 彼女の理 (採点:10)
- いやもう凄いとしか。
擬音多めなのが、繭の心情をストレートに伝えてくれます。その技術の使い方に感嘆します。
これはもう、なんて言えば良いんでしょう。
いやはや奥が深いですね。勉強になりました。
- 003 Fragment (採点:10)
- 二転三転させるような設定が巧い。七瀬の役どころがまた良い感じ。
浩平が「消えた」という事象を、実は瑞佳だけの認識にしてしまう大胆さ。
いやーアイデアとはいろいろあるものですね。
- 004 いつか、その日の為に (採点:10)
- やー、しんみりしますねー。
こんな優しいお話を書きたかったです。…(涙
幽玄の世界というか、こちらとあちらの境界線というのはいつだって琴線に触れます。
それはきっと自分は後悔をしながら生きてるからだろうなぁ、と思うわけです。
逢いたいけど、もう逢えない人がいるから。
いや、良いお話でした。
- 009 Replica (採点:9)
- ネタばらしがややストレートすぎるかも、とか思っちゃうんですが、それが主題ではないのでいいんでしょうね。
私も当初はこの手のネタで書こうと思ってたんですが、どうにも誰かと被りそうな気がしてやめた経緯があります。
ま、正解だったなぁと思います。この作品には敵いそうもないですから(笑
良い作品でした。
- 012 曇り色の時間 (採点:10)
- 大傑作。
何でこんなの書けるのか。SSって凄いねを実感。
えいえんの世界観解釈にはこんぺでも色々とあったんですが、この世界が一番好き。
優しさに包まれていて、それでも厳しくて。えいえんには悪意は必要ないですよね。悪意は現実にしかないのだから。現実だけで充分だから。
諸手をあげて賞賛です。
- 013 『夕日の少年』 (採点:10)
- なんともノスタルジックな世界観。格好いい。
こんなに優しいお話が書けたらいいなあ、と羨ましがることにします。
あー、この作風こそ……って、また間違えると嫌だから黙っておきます。はい(苦笑
- 015 その手を離す、その日まで。 (採点:8)
- ええなー。
まさに親友という感じです。
- 017 欲深な微睡 (採点:9)
- しょ、小学生の頃にですか。
なんてうらや……いやいや(汗
妊婦の夢というのは、いろんなものを抱えているという暗示らしいですね。
この瑞佳はだから浩平を抱え込んでいるわけですね。彼女のおおらかさをちょっと俗っぽくするとこんなかんじなのでしょう。
しかしまあ、浩平以外と付き合おうという発想が、彼女にあったかというと首を傾げるわけですが。
まあたいしたことではないですね。
- 018 この世界は (採点:10)
- 楽しいときは楽しいって言わないと。
なので、面白かったら素直に面白いと言います。
めちゃめちゃ切なかったです。<ツッコミどころです。
音楽を文章に組み込むのは実際、難しいと思っていました。
でもこの作品ではさらりとそれを成している。凄いですね。
ただ、名前は判っても実際の音楽を知らなければ想像できないのがネックかと思ったり。でもクラシックをほとんど知らない私だけかもな〜。知ってればもっと楽しめたのかも。
とはいえお話自体には瑕疵にすらならず、読むことにつっかえることもなく。いやさすがテンポが良い。
なにはともあれ勉強させて頂きました。
また十点一杯取ってください。今度こそ一位で。
あ、違うひとです、なんて言わずに(笑
- 019 トライ (採点:8)
- 題名に一考ありな気がしました。まあ小さな事なんですけどね。
この三人の組み合わせというのは珍しくて面白かったです。
爽やかでした。
- 020 Requiebros(愛の言葉) (採点:10)
- 巧いなー。巧いです。
そして締めがなんとも優しくて。
物語の底辺に流れるものが、愛おしくなります。浩平はきっと還ってきますね。この世界に。音楽にはそれだけの力があるんだと思いたいです。
瑞佳の祈りも、まさに。
いやー読めて良かった。
- 021 夏ノ空ニ夢ハ初マリ (採点:10)
- なんで茜が居たのだろうとか思っちゃだめですか(笑
あれが違う世界なんですねぇ。うんうん。構成もいいし文章なんか見事ですよねー。
はあ、自信をなくします。まあ、もともとそんなものはないのですが(苦笑
- 022 はやく昔になればいい (採点:10)
- 不幸系と言うことですが、ほぼダークと同部門と言っていいでしょうか。
ええと、完敗と言わせて頂きます(涙
痛いですね。色んなものが。
掛け違えたボタンであったり、少しだけズレた心の有り様と言い、二次創作の枠をちょっとだけ踏み越えて。
彼女が最後に気付いた罪悪感は本当に恐ろしかったでしょう。昔に戻りたい。判ります。判ってしまうんですね。
茜というキャラではなく、茜という女性。現実さを欠きながら現実に生きて、目を逸らし続けて、でも忘れきれずに。
彼女の不幸は、他人を信じられない事ではなくて、自分を信じられなかったこと。
彼女を狂わせた男達と救いきれなかった男達。もはや言葉がありません。
消える世界が彼女にもあったなら。
- 023 世界は終わり、或いは始まる。 (採点:10)
- 独創性溢れる作風には感嘆するばかりです。
ほとんど気にならない程度の不自然さ(妊婦にビールのましちゃまずいでしょう(笑)とか、放射能汚染はどうなった? とか)を軽く飲み込むスケールの大きさのみならず、細部の心遣い、内包されるテーマ、その他は乱造される商業作を軽く上回っています。
「永遠」についていろんな解釈が読めるだろうと思っていましたが、基本的には内面世界とSFに二分されている感じですね。あとはファンタジーだったり黄泉まがいだったりでしょうか。夢オチもかな。
流石に平行世界は前回こんぺのおかげで皆さん控えていたようですね(笑
その中でもこの解釈は面白かった。
厳しくて切ないですが、でも優しいラストには胸を打たれました。
いやはや、二次創作の奥深さを再認識できました。
ありがとうございます、と言わせて頂きます。
- 025 もういいよ (採点:9)
- 着眼点が見事でした。
みさおとの接点なんてほとんどのひとが考えてませんでしたよね。
そういう意味では独創性溢れていると思います。
鬼ごっこというのも良かったです。
スカート穿いての缶蹴りの方が見たかったな、と思ってしまった自分の頭には参りましたけど(苦笑
- 026 ダンスインザダーク (採点:7)
- 結局は瑞佳だったわけでしょうか。
でも呼称が違うのかな…。よく判りません(汗
- 027 埋もれた夢に、あなたはいない (採点:10)
- やー、凄いです。
永遠に他者が踏みこむ、なんて考えもしませんでした。
明かされる真実と共に緊張感があって惹き付けられました。
世界は残酷ですけど、優しいんですよね。それは誰にでも公平に。
うーん。読めて良かったです。
- 028 歩いて帰ろう (採点:9)
- 司とみずかは知り合いだったですか。
浩平とふたりだけだったはずの世界に、彼が入ることで日常性というものが生まれたように見えました。
なんだか幸せそうで……でも、というのが作者の目論見なんでしょうかね?
ちょっと深読みしすぎでしょうか。
- 030 『パラダイス☆銀河〜愛と絶望の小豆洗い〜』 (採点:7)
- いやー笑いました(笑
茜がサイコーです。ええ、ワッフル食わなきゃねえ。繭も忘れずに。
- 031 空の在り処 (採点:8)
- ……どうしてみさきは吹っ切れたのでしょうね?
ちょっとよくわからなかったのですが。
とまあそれはともかく、三人のやりとりが実に楽しかった。
良いトリオになりますよねー。言い合う三人が目に浮かぶようでした。
良い文章書きますよね。羨ましい。
- 033 コイゴコロ (採点:10)
- 読むもの読むものすべて良い作品ばかり。
これで本当に順位がついちゃうんでしょうか。心配です。
ほのかな恋心、そして嫉妬。
綺麗に書かれてますね。浩平の鈍感さが良い味です、はい。
詩子が好きな方には、やや辛いところでしょうか(笑
- 034 莫逆の友の恋 (採点:9)
- 詩子さん、さいこーっ!
住井君はもう逃げられませんね。
青春だ。くそー。
- 035 夢を観た日 (採点:7)
- ううむ、月姫か、なんて思ってしまった(笑
これも夢オチになっちゃうんでしょうかね。どうなんでしょう。
優しい悪魔の名はドライアードだったりするんでしょうか<それは精霊。
あ、夢魔だったり……って(以下略
伏線が少なかったのでやや意表をつかれましたね。
まあ、みさおがでている時点で伏線と言われればそうなんでしょうけど。
でもコメディなんだと信じてやみませんでした(笑
- 036 たいせつなひと (採点:9)
- はー、ぐっときました。
繭の強さを良く描けています。そうですね。彼女彼女らはきっと純粋なんですよね。曲がることを知らず、ただひとつの約束を信じる。
例え教えてもらったことだとしても、それを続けられることはきっと難しいのだから、と。
良いものを読ませて頂きました。
- 037 虚構少女 (採点:5)
- 違う七瀬シナリオですかね。
七瀬が周囲を騙そうとしていたことに気付く、という流れは面白かったのですが。なぜこちらを主題にしなかったんでしょう?
色々面白い物語になると思ったんですが。
- 038 廻り廻るAffection (採点:7)
- これまた優しいお話です。
みさきの父親の言葉には、ほろっときましたね。
でも、美沙緒の作文は余計だったかなぁ。
なんで一年生にして、平仮名を多用したのでしょうか。三年生とか四年生ではいけなかったのでしょうか。
それぐらいの年齢だとあまり不自然さはなかった気がします。
でも良いお話でした。
- 039 フリップフロップ (採点:10)
- 識認識を取り入れた作品が多いようで、読み解くにも苦労します。
この認識すら本来は誤っているのかもしれませんが、ともかく。良い作品でした。
一体、いくつ目の十点なんでしょうか(笑
読んでいる読者の世界までにも疑問(というか問いかけかな)を提示するやり方は、一歩間違えれば鼻につくわけですが、そのあたり巧く誤魔化している印象があります。良い意味で、ですよ。
スケールの大きさでは、もう一つ上の作品がありましたが、こちらも負けてはいないと思います。
- 041 Last Lovesong (採点:9)
- 鳥肌立ちましたー。
ハーモニカの消したようなって銀かなにかなんでしょうか。溶かしたら付くんですかね。
作詞する瑞佳。いいですね。音楽留学と言えば最近はイタリアなんですか?
楽器とか作ってるからそういう人たちが多いんでしょうね。
とらハの「ゆうひ」とか思い出したりします。確かこんな感じでしたよね。
にしても、こんなプロポーズなんて夢のまた夢ですねー(苦笑
- 042 オレとあいつと彼女の事情 (採点:10)
- 南くんかっちょえー。
佐織ちゃん萌えー。
切なくてでも優しくてええお話でした(落涙
もはやため息しか出ません。上手だよなー。
- 043 夕焼け色のシンデレラ (採点:10)
- あー、これは碧郎さんだろうなぁ。
なんとも優しい物語です。そしてちょっとだけファンタジー。
「ふたりのみさき」ってなんだかそれだけで楽しくなります。ふたりもいたらそれはもう大変に違いない(笑
>劇から出てきたような出で立ちのみゆきは、高い帽子にそっと手をかけて。
>大きく円を描きながら降ろして、芝居がかった仕草で手を体の前にして腰をすっと引く。
>左足を後ろに引きながら、ゆっくり、丁寧にそして頭を下げる。
なんでしょうか、この映像に訴えかける描写。感服です。鳥肌が立ちましたよ。
綺麗だなぁ。私には一生書けないです。羨ましいなぁと思います。はい。
どこか「猫の恩返し」を彷彿とさせるんですね。ストーリーこそ全然違いますけど。
ああタキシードのせいかな。もし空でも飛んで見せたらすごかったでしょうね。
ますますのご活躍を期待します。
- 044 小さな幕間劇 (採点:7)
- ううん、イマイチよくわかりませんでした(汗
みさきがなんで茜のことまで知ってたんでしょう?
何か読み違えでもしてるのだろうか…
さておき、優しいお話でした。
みさきが伝えたい物語が良く描けていたと思います。
手タレって……羊でしょうかね。
- 045 永遠と瑞佳のあいだ (採点:8)
- あはははは。
いや、楽しい。
浩平と瑞佳の揺らぎをこんなにも楽しく描けるのは凄いですね。
住井が居ることによって、ふたりの世界が泥沼になるのも防いでいる。
見事な構成だと思います。
- 047 「わたしはあなたと歩きたい」 (採点:9)
- あー、格好いいなあ。
七瀬がまた良い役どころですね。
瑞佳は大学院ですか? 勤めてるって書いてあったようなんですが……。
あと、片道二時間はちょっとやりすぎかな〜とか思いました(笑
なんにしても面白かったです。
とにかくラストがいいですね。
- 050 セレナードで眠らせて (採点:7)
- あまーい。思わず赤面です(照
茜の不安さがよく描けてます。ただ、同棲してて結婚が二十歳っていうのは、期間的にどうなんでしょう。短いようなそうでもないような。……学生結婚? 社会人なのかな。
この手の作品は、きっと中編部門では損をしてますね。
短編でしたらもっと評価も違ったでしょうが。
- 051 南西の風は瑞穂実る平原に (採点:7)
- やや文が硬い気もしますが、ええお話でした。
ちょっと作者が雰囲気を語りすぎかなーとか些細な感想もあるんですが、まあそれぐらいです。
これもいいなぁ。
- 052 未来の二人に (採点:9)
- ちょっと読みにくかったですが、そこは縦読みソフトで(笑
中間ちょっとだれちゃった感じもありますけど、雪見という造形が見事でしたね。
作中で息を通わせているのが見えるようでした。こんな友人が居るだけでみさきは幸せですね。
○火鳥 さん
- 008 Search for (採点:10)
- はい、神。もう何もかもが完璧です。
正直に言って、手放しで誉めるどころかあまりに感動して何も言えないくらいです。
……と言うと手抜きに思われるかもしれない(笑)ので、あえて挙げるなら、地の文の言いまわし。
『人間に惚れた猫』の立場から、ストレートに感情を表現することもあれば、クールにヒロインたち(主に七瀬)を外の視点から眺めたり、でもやっぱり浩平が好きで好きでたまらないというオーラが滲み出ていたりして、もう読んでいて楽しくて楽しくてしょうがなかったです。
二読目では、浩平を探し求めて町中を駆け巡る(本当に駆けて巡ったんだよなー。くぅー!)彼女の一途さに悶えまくりでした(笑)
それに、
>ただ、尻尾が一本になっていたのが以前と違っていたが
でさりげなく七瀬シナリオであることを指していたり、
>ざしゅ。
でありながら
>手を振るった
というやり方でヒントを与えていたり、正体を暴露するときさえ、本当にさりげなく書くあたりが実に素晴らしい。
加えて、浩平が人の記憶の中で復活するその瞬間から始まる躍動感、無駄のない展開、その書き方、もう完璧です。どうなるんだろう、どうなるんだろう、と心の底からわくわくしながら読んでました。
ただ、これはなんというか個人的な、そう超個人的な好みなんですが、最後の一行はいらなかった。これがなければONESSとして微妙なものになると言われても、やっぱりほしくなかったー。どうしても安っぽい設定に見えてしまって。
えっと、繰り返すようですけどこれは完全に個人的な好みですので。
単純に猫萌えーーーーと叫んでいたかったー(笑)
- 037 虚構少女 (採点:9)
- オリキャラとちょっといい話。こんなもんか、と思って読み進めていたら、最後でガガン。それまでのストーリーの結果が、こういう流れへの伏線になっていたとは!
参りました。すんばらしいです。
- 044 小さな幕間劇 (採点:9)
- カゲロウの羽とか、ラシャメンひつじとか、人魚姫とか、すっごく好みです。いいなぁ。こういうお話が書けるっていいなぁ。
二読目で、詩子さんの仕事を理解して笑えました。手タレだと聞かされたときの詩子さんの反応を想像すると、二度笑えます。
ひとつだけ気になったのが、最後の相原という男の子。えっと、これって誰なんでしょう。純粋に疑問なので、教えてくださると嬉しいです。
○久慈光樹 さん
- 001 エターナリズム (採点:2)
- これはまた前衛的な……
「えいえんのせかい」は楽園じゃない、という切り込みは良かったと思います、が、なんだか期待していたものとは違うというか、明後日の方向に話が行ってしまったような……
どんなに設定を改変しようとも、「これはONEのSSだ! ONEじゃないとできない!」という物が一つはないと、厳しいと思うのです。
- 002 彼女の理 (採点:9)
- いやね、読んでいる途中では気になった部分が多々あったんですよ、なかでも三人称の視点が繭寄りになったかと思えば突然に神の視点になったりとかはかなり気になりました。それでも読み終えてみると「ああいい話だ」という感想以外には浮かばない。見事でした。
SS書きとしてONEのキャラでは繭は鬼門だと思っているのですが、見事に書ききっていますね。繭を完全に障害児として扱ってるのは賛否が分かれそうですが。
- 003 Fragment (採点:8)
- タネ明かしと思わせて最後にもう一つどんでん返しを持ってくる、見事な手法でした。
キャラクターも活き活きと書かれていて、特に七瀬がよかったです。
ただ話の展開的に佐織と広瀬は必要なかったんじゃないでしょうか。七瀬だけいれば事足りたような気がします。この二人の存在がゲーム本編とのギャップになってしまい、読んでいて「ああ独自の設定なのかな」と思い、タネ明かしのインパクトを削ってしまっていたように思います。
- 004 いつか、その日の為に (採点:7)
- ぬいぐるみと追いかけっこのあたりまでは非常に面白かったんですけれども。
オチは少々メルヘン過ぎて、拍子抜けでした。急に足が地につかなくなったというか、綺麗に終わらせようとするあまり、急ぎすぎたのではないでしょうか。読者として置いてけぼりにされてしまったような印象でした。
- 005 マジカル☆ワードを唱えよう (採点:3)
- いい話ではあったんですけれど、シリアスとギャグのバランスが悪かったかもしれません。最初はノリノリでギャグを書いていたが、シリアス部分を書き始めたらノってしまってそのまま最後まで書いちゃった、なにかそんな印象を受けました。
ちなみにあの主題歌は痛々しくて見ていられませんでした……
- 006 すてるす同盟 (採点:3)
- うーん、ギャグにあまりとやかく言うのも無粋ですが、なんか話の筋として破綻しているような……?
ギャグはそれなりに楽しめましたし、シリアス部分も良いところはあったのですが、ややバランスが良くなかったように思いました。ギャグならギャグ、シリアスならシリアスできっちり書き分けて欲しかったですね。締めるべき部分は締める、それがしっかりできていないとこういう系統のお話は成功しないように思います。
- 007 とある騎士の物語 (採点:5)
- 面白かったです。盲導犬の視点という着眼点も良かったと思います。
それでもやはりちょっと最後がお約束すぎというか、バンプの「K」そのまんまなのはちょっといただけないかな、と。ここまでやるなら元ネタとしての歌は引用すべきではなかったような気がします。あの歌詞が出てきた時点でラストが思い切り予想できてしまって、しかもその予想の範囲内で終わってしまったためになんだか物足りなさが残りました。
- 008 Search for (採点:7)
- 面白かったですがKanonネタで減点。雰囲気壊してます。
いい話でした、猫の視点もよく書けていて、最後は人間になりました的な安易なオチではないあたりも好感が持てました。
ただ主人公を猫だと明かすタイミングはもう少し演出してもよかったように思います。
- 009 Replica (採点:6)
- ううむ……
非常に面白かったです、キャラが活き活きしていましたし、オチも良かったと思います。
それでも前半の雰囲気から、人間関係にスポットを当てた作品だと思って期待して読んでいただけに、種明かし部分は悪い意味で唖然としました。オイオイKanonかよ! みたいな。
こういう路線も悪くないと思いますし、展開も良かったんですけれど、あまりにも境目がはっきりしてしまっているだけに戸惑いました。
ううー、惜しい!
- 010 NOISY SILENCE (採点:9)
- このラストは非常に秀逸だと思いました。形だけ見れば元通りであるようでいて、決定的に変質してしまっている二人の関係。作者さんが狙ったのかは微妙ですが、読みようによってはこれ以上残酷な結末はないんじゃないでしょうか。そういう意味で、「瑞佳さん」という最後の台詞が非常に鮮烈でした。
惜しむらくはみずかと佐織の対決の場面。ちょっとわかり辛かったです。エピローグでの佐織の扱いも然り。こっちはぜんぜん理解できませんでした。どういうことなのだろう?
- 011 その果ての雨 (採点:5)
- 前半の不思議な雰囲気はとても魅力的でした。細かいことを考えるのが野暮に思えてくるくらいに。
ただああいうオチをつけられてしまうとなぁ、というのが正直な感想です。まるで素敵な手品のタネ明かしをされたような、なんだか拍子抜けというか、がっかりしてしまいました。
それから最後、なんか茜はメチャメチャ後悔してません? 天寿を全うした、という印象じゃないのですけれども。
- 012 曇り色の時間 (採点:6)
- オチてねぇ……
非常に悔しかったです、なんといいますか、読んでいる最中はもう10点確定だったんですよ、非常に話に惹き込まれ、翻弄されました。
ただオチが……
「読者に想像を委ねる」というのは諸刃の剣ですがそれだけに魅力的だと思います、ですが私がこの作品から受けた印象はそれではなく、「結末の描写を放棄している」というものでした。どうして最後まで書ききって下さらなかったのか。話をどう収束させるのか、どのような結末が用意されているのか、わくわくしながら読んでいた私がまるでバカみたいです。
うう、悔しい。
- 013 『夕日の少年』 (採点:8)
- 面白かったです。
雪見の語る山羊とひつじとオオカミの話は実によくできたたとえ話だと思いました、ゲームをプレイしたことがあるのならなるほどと手を叩く内容だと思います。でもだからこそ、この時点での雪見が話す内容としてはちょっと具体的すぎるような気がしました、特にオオカミ。いずれは山羊にもオオカミが現れるのでしょうけれど、それが山(高校)と限定されてしまうのは俯瞰的すぎるかな、と。
それから全体的に少し状況がわかりづらかったです。情景描写がやや装飾過多だったように思います。
- 017 欲深な微睡 (採点:7)
- 迂闊な感想を書けない系統の話ですが、まぁ迂闊ですから私は。
淡々としていて迫力のある文章でした、ただのあらすじと言えなくも無い、でもそれでいて読む人をグイグイと惹き込んでしまうだけのパワーに溢れてる。いいなぁこういう文章が書けるようになりたいです。
ただ話の展開としては結末にもっと手酷い崩壊が待っていると思って読んでいただけに、このラストは若干拍子抜けかもしれません。
それと私はこの話に会話は必要なかったように思いました。「台詞」はあって然るべきだと思いますが、「会話」は必要なかった。どうも会話のたびに地の文の持つ迫力が薄れてしまっているような印象を受け、そこが非常に残念でした。
- 019 トライ (採点:6)
- 面白かったです、男同士の友情みたいなテーマは好きですし、よく書けていたと思います。
ですが気になる点も多かったですね、まずは氷上、殺してしまったのはちょっとなぁ。「氷上が逝った」という場面のすぐ後に「デートのセッティング」みたいな言葉が出てきて、ちょっとどうかと思いました。人が一人死ぬというのはもっと大事だと思うんですけれども。
あと「悪友」とか「戦友」とかを台詞として話させてしまっているのはちょっと…… 面と向かって口に出すには随分と恥ずかしい台詞だと思うのですけれども。おかげでラストの2行が単なる繰り返しみたいになってしまって効果が薄れてしまっていると思いました。
- 020 Requiebros(愛の言葉) (採点:6)
- いいお話でした、ラストも非常に綺麗に決まっていましたし、茜と詩子のくだりも自然だったと思います。
ただところどころ、気になる点がありました。
まずは冒頭、瑞佳が一人ウサギのぬいぐるみに話し掛ける場面。ジャンルが記載されていないこともあって、私は初めダークかと思いましたよ。それにしては狂気の描写が甘いなぁなんて感想を抱いたほどです。後の展開を考えても、あの描写の存在は理解に苦しむのですが。
あとは茜たちと「お菓子の国」について語る場面。段落下げ忘れがあったことから見るに、恐らく作者さんが一番力を入れて、でもそれが故にやや興奮気味に走ってしまったのではないかと感じました。もう少し筆致を抑えていれば、逆にもっと説得力が出たのではないかと思います。現状ではやや置いてけぼり感が。
- 021 夏ノ空ニ夢ハ初マリ (採点:8)
- 良かったです、いい話でした。
「夢の章」の時系列がよくわからなかったのですが。茜がいて長森がああいう状態にあるということは未来の場面なのでしょうけれど、その割には「クラスメイトになったら」と茜が口にしていますし。既に生徒であるならばまだ中学生である浩平とは同じクラスになどなることはありえないと思うんですけれど、うーん。とりあえずこのパートはちょっと存在意義というかよくわからなかったですね、ラストああいう形で落とすのであれば不必要だったように思います。
- 022 はやく昔になればいい (採点:3)
- オチは意表を突かれたというか、茜がああいう行動に出るとは思っていなかっただけに、ひどく意外に感じました。でも不自然ではなかったあたりがよかったです。
ただ話それ自体に難がありすぎるような……
文章もひどく読み辛かったです。中盤の停滞した雰囲気と相まって、こんぺでなければダルくなって途中で読むのをやめてしまったと思います。
- 023 世界は終わり、或いは始まる。 (採点:4)
- なんてオチだ……
どういう風に話を収束させるのか興味あったんですけれど、思いもよらぬ結果でしたね。でもこれはちょっと反則というか、こういう形にするのなら、前半部をああも細切れにする必要があったのでしょうか? 読み返すと伏線が張られていることは判るのですが、逆を言えば読み返さないとそれがわからない。
構成は非常に上手いと思います、恐らく推敲を重ねた作品なんだと思います。ですがちょっとこのオチは突飛すぎました私には。
- 024 【呪いの唄】 (採点:10)
- うわー……
言葉がないです、読み終わった後に、もうどうしようもないくらい嫌な気分にさせてくれる傑作でした。すげー……
ホラーというよりも、サイコスリラーでしょうか。とにかく展開が読めず、最後のどんでん返し(とはちょっと違うのかな?)に圧倒されました。とにかくここまで徹底されると、むしろ清々しさすら感じてしまいます。
読んでいて一番ショックだったのは、茜が電車に……のくだりではなく、むしろラスト前の長森でした。だから男嫌いだったのね…… なんだかもう圧倒されるばかり、こういうダークな話を書いてみたいものだと痛切に感じました。
実は私も同ジャンルで出展したりしているのですが、これ読んでやはり出すのではなかったと激しく後悔しています。完敗です。
- 025 もういいよ (採点:3)
- ううむ、なんだか平日の昼下がりにやっているドラマを見ているような。
広瀬の過去もあれだけ引っ張った挙句には拍子抜けするような内容でしたし、なによりみさおのくだりはご都合主義的といいますか、昼メロ的といいますか。過去を語るのにキャラにそのまま喋らせるのは、やや安直過ぎるのではないかと思いました。
なにより七瀬の扱いがちょっと…… ラストであっさりとああいう形に落ち着いてしまうのを不自然に感じてしまいました。伏線は張ってあったのでしょうけれど、ちょっと弱かったかな。
- 027 埋もれた夢に、あなたはいない (採点:3)
- どうも読んでいてちぐはぐというか、主人公で語り手である佐織の感情の遷移についていけませんでした。一人称というのはある程度は読者を共感させないとダメだと思うのですが、どうもこう読んでいて置いてけぼりというか、彼女の一人称で語られる言葉に読み手である私の感情がついていけませんでした。
オチもちょっと悪い感じに期待を裏切られましたね、まだ佐織は浩平のことを好きだった、みたいなオチである方が頷けました。いきなり完全にオリジナルの設定を突きつけられても共感できないというか、なんというか。前半にもうちょっと伏線を張ってあればまた印象も変わったんでしょうけれども。
- 029 澪とみさきと長森と (採点:8)
- ああいいなあこういう優しい話。澪とみさきという二人をテーマにして、これだけ優しい話が書けるのはとっても羨ましいです。美化するのではなく、あくまで自然に。読んでいてとても優しい気持ちにさせてくれる良作でした。
そしてそんな澪とみさきに対比させるには、浩平と長森というのはちょっと役者不足というか、アイコンタクトというのもちょっとなぁ、と。対比の構図として一方の描写が秀逸すぎて、バランスが取れていない印象でした。
ああそれと口のきけない澪を1時間ロッカーに閉じ込めるというのは、割合にシャレにならない行為であるような……
- 030 『パラダイス☆銀河〜愛と絶望の小豆洗い〜』 (採点:6)
- 序盤から中盤にかけてはメチャメチャ面白かったです。このままの勢いを維持できていれば間違いなく10点だったのに…… 終盤の失速っぷりは目を覆いたくなるほどでした。やはりあのテンションを最後まで維持するのは無理だったか。
失礼ながらこれ半分に削って短編に出していたら上位は確実だったと思います。残念。
- 031 空の在り処 (採点:9)
- 良い話でした。
特に感心したのが、序盤の体育館で一人歩く雪見。正直こういうしっかりした描写ができるのは羨ましいですね。書き方うんぬんではなく、しっかりと盲目という事実を捉え、それをキャラクターに表現させているのは素晴らしいと感じました。
ただ逆にそれ以降はあまりみさきに関して触れられていなかったのが残念なところです、ちょっと澪と分散してしまったかな? みさきだけに話を絞った方が良かったような気がします。
- 033 コイゴコロ (採点:6)
- ラストいいですね、こういう終わり方でよかったです、詩子が簡単に諦めてしまっていたら、恐らく興醒めしたと思います。
三角関係という割合に難しいテーマを、しっかりと書ききった良作だと思います。こういうテーマって安っぽくなっちゃうんですよね、手を抜くと。その点この作品はしっかりと丁寧に書き込まれていたと思います。
難を挙げるなら、七瀬。いくらなんでもあの扱いは酷い。チョイ役であまり意味も無く出てきたオリキャラたちと同じ扱いですか…… いや、なんか訳のわからんオリキャラとくっついちゃってる時点でより酷い扱いと言えるかも。残念です。
- 034 莫逆の友の恋 (採点:9)
- 前半部分読んでかなりハズレ感が漂っていたんですけれども。結果としては非常に面白く、この点数です。やられた。
前半と後半の違いは何かと思って読み返してみると、地の文でしょうねやっぱり。前半は地の文に色がありすぎるというか、作者の影が見えるような地の文はちょっと…… 後半を読む限りでは会話のテンポと普通の参院賞だけで十分に笑わせるだけのパワーがあるのですから、前半部みたいなノリは必要なかったように思います。
ともあれ、笑いました。「ガンダーラ」で噴き出した時点で私の負けです。ちくしょう。
- 035 夢を観た日 (採点:3)
- ううん……
話の構成としてはオーソドックスで、夢の部分は長すぎて、夢から覚めてはほぼ本編をなぞっただけ。
なんだかすごくもったいない作品だったように思います。みさおがはねっかえり妹ですげー期待して読み進めたんですけれども…… ときどき挿入されるダーシで始まる部分の描写が頻繁すぎて効果が薄れてしまっているというか逆にうざったかったです。そもみさおの描写自体がやりすぎ、あれではただ粗暴なだけでキャラクターとしての魅力に欠けます。
ああもう。「ONEでイモウト物!」と期待しただけに、非常に残念無念。
- 039 フリップフロップ (採点:7)
- 物語の構成に関しては、狙いはわかりますしタイトルともうまく絡ませているとは思うのですが、完全に成功しているとは言えないような? 各パートの表題も恐らくは作者さんが意図していたほどには機能していないと思います。
ですがこの話の魅力はそういった構成面ではなく、純粋に各パートが魅力的である点にあるのだと思います。下手に構成に凝るのではなく、じっくりと内容で勝負して欲しかったように思いました。
- 042 オレとあいつと彼女の事情 (採点:7)
- 非常に良く纏まった良作であったと思います。七瀬は非常に七瀬らしかったですし。
ただこのお話であれば、話の中心は七瀬ではなくて南と佐織にした方が良かったのではないかと思いました。七瀬は基本的に原作準拠なわけですから、あまり多くを語る必要は無かったと思うのです。今のままですと佐織がなんか当て馬っぽくてちょっと……
- 044 小さな幕間劇 (採点:4)
- 「相原」って誰……?
それはさて置き、雰囲気としてはよく出来ていたと思います。作中劇としてもう少し工夫が欲しかったという点と、ファンタジーっぽい不可思議さがもう少し出せていればもっとよかったと思いますが。
いやまぁそれだけに、ラストシーンでの誤字は致命的というか、なんだか一気に冷めてしまいました。よりによってここで誤字か……みたいな。
- 045 永遠と瑞佳のあいだ (採点:10)
- わはははっ! お口はともかく、オシリはダメだろ。
序盤の文章がギャグになりきれてなくてひどくぎこちない印象だったので、-1点しようか迷いましたがラスト面白かったので10点です。
いやしかし巧いですね、三人称の心情描写としては中編随一でしょう。かなりしつこくてクドイですが、それもまた味があっていい感じでした。
これでもかとばかりにキャラ(瑞佳)を壊した話でしたけれど、むしろ好印象です。やはりしっかりした力量と丁寧さがあれば、二次創作にタブーは存在しないのだと、そう感じさせてくれる快作です。お見事でした。
- 046 キャラメルのおまけ (採点:5)
- 中盤までの、原作に沿った形でのえいえんのせかいの描写は秀逸だったと思います。原作に沿っているというよりはほとんどそのまんまなのに、みさおの視点でそれを感じさせない。非常に上手いと思いました。
ところが中盤過ぎ、なんだか一気に別の話になってしまったような気がします。特に崩壊のくだりは血なまぐさすぎていままで築き上げてきた雰囲気まで崩壊してしまったように思います。
ラストはきっちり決まっているのですけれど、とにかくあの血なまぐささが強烈過ぎて。
- 048 待ち合わせ (採点:1)
- この手のテーマは鬼門ですね、誰かさんみたいにドギツク悪意に満ちた方面に展開するならいざ知らず、前向きにしかも正面からぶつかろうとすると非常に難しい。
作者さんにお尋ねしたいのですが、目隠しをして一人で外を歩いたことがありますか? 電車に乗ったことがありますか? 私にはそんな経験はありません、ありませんが、それがとても恐ろしく、恐らくは不可能であることくらいは想像がつきます。地図とはぜんぜん違う、とは作中の言葉ですが、作者さんこそ地図で確認するのと同じような認識で、作中の盲目のみさきに街を歩かせていませんか? 「今日はデート。私のおしゃれに杖は入っていない」という台詞には、正直、開いた口が塞がりませんでした。
こういう非常に迂闊な描写のせいで、せっかくのテーマがとても薄っぺらいものになってしまっていると思います。
非常に偉そうなことを書いて申し訳ございませんでした。それでもこういうテーマを安易に形にしてしまうと、私みたいなひねくれ者から思わぬ反発を受けることもあるのだということだけは知っておいていただけると幸いです。
○京一 さん
- 017 欲深な微睡 (採点:10)
- 本編とはかなり違った話でしたが、なぜか感動を覚えてしまいました。
浩平のあの日、あの時感じていた気持ちが少しわかったような気になりました。
○屈折する星屑 さん
- 002 彼女の理 (採点:8)
- 読み終えて、とても爽やかな気持ちになれました。
誰にでもきっと「敵じゃない人」がいて、そして誰もが誰かの「敵じゃない人」になることが出来るのでしょうね。
- 004 いつか、その日の為に (採点:3)
- もっとガシガシ削った方がいいと思います。文章量が多くて、伝えようとしてるのは解るんですけど、逆に情景を浮かべにくかったです。
話としては、どうにも好きになれないタイプの話です。「えいえん」を使った話って、よほど上手くやらないと、原作との間で違和感が生じるんですよね。納得できるほどの内容ではなかったかな。
- 007 とある騎士の物語 (採点:1)
- あまりにも人間すぎる……なんてつまらない意見に聞こえるかもしれませんが、そう感じてしまったことは事実です。犬の一人称でいくなら、それなりに犬っぽくする努力をしましょう。
あと、犬とそんな喧嘩するなよ浩平w
- 018 この世界は (採点:10)
- どどそそららそー ふぁふぁみみれれどー
……のやつなんでしょうかね。なつかしいなぁ。
クラシックとかに明るくない私にはちょっと情景が浮かばないですが、お話としてはとても良かったと思います。
会話で笑えて、最後はちょっと切なくなって。
それまでとはがらりと雰囲気が変わったラストが、最初読んだ時はなんとなく物足りない印象でしたが、よく見るとすごく綺麗なシーンですね。短い言葉で色々伝えるのは、すごいなぁ。
もしかしてこれは本編を意識した詩子シナリオで、ラストの浩平は消えかけてたりするのでしょうか。とか不意に思いました。時期的に、本編と重なるので。
作品自体はクラシックというより、J-POPみたいな印象。文章での表現とか描写とかが特別美しい訳ではないのだけど、物語としては解りやすくて完成されていると言えるのかもしれないな、とか思いました。勝手に思いました。よく解りませんが。
でも、いろいろと深い意味が隠されてそうですね。特にモーツァルト関連で。
嫌いなモーツァルトの「きらきら星」を弾いたのは、モーツァルトは上手く弾けないのは解っているけど、その中から自分に出来るものを探し出して、想いを伝えたい、ってことなのでしょうか。手の大きさは変えられない――自分に出来ることは限られているけれど、それでも何か楽しいこと、出来ることを見つけ出す……?
上手く説明できないもどかしさがあります。作品をちゃんと理解出来ていないってことですね、むぅ。
ちょっと気になったりしたこと。
>数日前に卒業式があった。冬休みに入っている校舎に、人の気配はほとんどない。
一瞬考え込んでしまいました。卒業式の後に冬休み……あれ?、と。卒業式が終わっても、しばらく学校はありますし……んん?
ともあれ、素晴らしい作品でした。ありがとうございました。
- 026 ダンスインザダーク (採点:7)
- なんていうか、いろんな意味でダークですね。あるいはブラック。
最後まですらすら読めて、でもそのぶん心に残るものは少なかったかもしれません。
ダーク読むといつもくらーい気分になるんですが、この作品は比較的あっさり系でしたね。
とりあえず、面白かった、とは言っておきますが。
- 028 歩いて帰ろう (採点:4)
- >「ただの友達だったんなら……待ったりはしないだろうな」
ちょっとくらい待ったれよ、とか思いました。どーでもいーですが。
変な世界観。嫌いではないですが、でも私はこの作品の世界には浸れなかったです。解りにくい部分が多いかも。
- 033 コイゴコロ (採点:6)
- 決して悪くはないのだけど、何かこう、ガツンと来るものがなかった気がします。
オリキャラや七瀬の扱いが、やや中途半端だったかもしれません。
でも、シーラカンスは上手いと思いました。
>甘酸っぱいリンゴの味が、なんだか私を溶かしていくみたいだった。
>雨の中で勢いよく開いたピンク色の傘は、私を何からでも守ってくれそうな気がした。
個人的に、なんかいいなーと思ったところ。これ、好きです。
- 039 フリップフロップ (採点:9)
- 面白い物語を読んだ時、作中で語られること全てを理解しきることが出来なければ、心の中にもやもやしたものが残ることがあります。けれど、本当にそれが面白い作品であれば、そのもやもやを感動が覆い隠してくれると個人的に思います。
この作品では、そのもやもやの方が少しだけ大きかったかもしれません。二つ(三つ?)の世界がどういう接点を持つのか――そもそも接点など存在しないのかもしれませんが――そこにどういう意味があったのかが、漠然としか理解できない。「えいえん」の扱いや「世界の果て」もそう。そこで語られていることを、自分が解っているのかいないのかすら解らない。面白いといえば面白いのですが、どうにも素直に褒められないのです。
もちろんこれは作者さんが悪いのではなく、私の読解力がないのが悪いのですが。個人的な好みとして、もう少しストレートな方が好きだなぁというだけのことで。
ですが、それでも私はこの作品、十分好きです。雰囲気の全く違うBとCの世界の両方ともがとても綺麗に描かれている。特にBの浩平の、瑞佳への、そしてみさおへの心情にはなにやら共感できる部分があって、つい自分を重ねてしまいました。
それでは、いい作品をありがとうございました。そして、もしよければ、是非この作品についての解説をお願いしたいです。
それと最後にひとつ。「キノの旅」、好きですか?
- 050 セレナードで眠らせて (採点:4)
- タイトルに惹かれて読ませていただいたのですが……このキワモノ揃いのなかでは、インパクトにかけるかなと思いました。ひたすらラブラブ、悪くはないですけどね。短編にまとめたらもっとよくなったかも。
○蛍 さん
- 001 エターナリズム (採点:6)
- ず、随分地味なえいえんの世界……。なんとなく“はだしのゲン”隆太の刑務所脱出を想像した。
- 005 マジカル☆ワードを唱えよう (採点:6)
- ベタベタハッピー♪
やっぱり澪はコスチュームチェンジすることで必殺技を――いえ、なんでもないです。
- 006 すてるす同盟 (採点:9)
- あ、こうゆうのもありかも。
って思いました。
この時期の本編にはない浩平の明るさとゆうか楽観さがよかったです。シュンの性格についてはノーコメントで(笑)
それにしても“すてるす”と聞いてまず思い浮かんだのが数年前に流行ったヨーヨー(ステルスファイヤーとか)の名前だとは……。うわ、懐かし。
- 016 二人が刻む永遠 (採点:7)
- まず、図書館では静かにしましょう(笑)
最初はアメリカ行ってちゃっかり視力でも回復させて来るんじゃないかと思ったんですけどね。
けどそれはまだ未来(さき)が視えないだけでいつかきっと――なんて。
- 022 はやく昔になればいい (採点:7)
- 結局、茜はまた忘れられずに昔の自分に戻るわけですね。
それにしても南が茜とくっ付く話って結構多いですね〜。本編で唯一茜関係の絡みがあるからかな。
- 024 【呪いの唄】 (採点:10)
- なんか……すごい。ダークでうまく書けてる作品、初めてみました。
途中までは由紀子さんの計画通りに言っていたと思いながらも、それも結局はみずかの思惑通りだったと。……あれ? そうなると時間的な矛盾が生じて来るような……? 俺が上手く読みこめてないのかな。
とにかく、よかった(こうゆう内容によかったってゆうのもなんですけど)です。
- 025 もういいよ (採点:8)
- 良い話ですね。
でも題名だけ見ると「……もういいよ(投げやり)」見えちゃうのが残念。
あとはいくつか誰のセリフかわかりにくい部分があったのも残念ですね。
- 028 歩いて帰ろう (採点:5)
- 熊ですね。
えいえん熊?
- 029 澪とみさきと長森と (採点:5)
- この書き方が良いほうに転ぶのか悪いほうに転ぶのかは他のみなさんにまかせるとして、
ふつ〜、ですね。
- 045 永遠と瑞佳のあいだ (採点:6)
- 完全に“天丼”ですね。いや、別にそれがダメだとゆうわけでは……。
それよりこれって18禁際どくないっすか?
- 046 キャラメルのおまけ (採点:5)
- もともと本編での“キャラメルのおまけ”が何を意味しているのか分かってない自分にはちょっとわからなかったです。
いくらみさお視点でも“ちゃん”が多過ぎた、かな。
- 052 未来の二人に (採点:8)
- まぁこうゆう設定もありですよね、この人には。
ただちょっと二人の出会う時期が本編とズレてたのが気になりましたけど、文句の対象にはならないでしょう、きっと、たぶん、おそらく……。こうしないと話が成立しないわけだし。
あと関係ない話だと思いますけど、KanonのSSこんぺでもこういった書き方の作品ありましたね。栞の話……だったかな。
○剛久 さん
- 030 『パラダイス☆銀河〜愛と絶望の小豆洗い〜』 (採点:7)
- 女王様茜に負けました。
○佐藤一 さん
- 001 エターナリズム (採点:4)
- ……斬新ですな。
とりあえず、茜ヒロインにこだわらなくてもいい気がします。
茜である利点が、それほど生きていない様にも感じるし。
あと、氷上が管理者ですか?
ちょっと違和感がありました。
- 002 彼女の理 (採点:10)
- すごいです。
ほのぼのからシリアスに向けての流れとか、感心するばかりです。
物語の中に、引き込まれました。
いじめとかの描写も、中々にリアルです。
読み始めて2本目で、こんなすごいの読んでどうしよう。とか、要らない心配してます。
うわぁ。
こんなの書けたらなぁ。
うらやましい。
- 003 Fragment (採点:9)
- う〜、すごいです。
物語が、二転三転変わって……。
なんか、瑞佳も永遠に行ってそうな話ですね。
かなわないなぁ。もう……。
ところで、佐織って誰でしたっけ?
思い出せない私を赦してくださいw
- 004 いつか、その日の為に (採点:7)
- 動く主……。
か、可愛いかも……。
司が帰ってきた理由に、私は説得されませんでした。
ので、世界に入りきれなかったです。
- 005 マジカル☆ワードを唱えよう (採点:7)
- 見たいなぁ。魔法少女マジカル澪。
こほん。
えっと、茜が待っている描写があるのに、結局作中では、待っている事には大きな変化が無くて、何となく残念です。
浩平が帰ってきたことで、何かしらの転機にはなるんでしょうけど……。
- 006 すてるす同盟 (採点:7)
- 面白かったです。
けど、最後でちょっと減点。
瑞佳の捜索願で、よく分からなくなったし。
どうせなら、最後までギャグで突っ走ってほしかったなぁ。と
はやく、はやくきて、えいえん。は最高でしたが。
- 007 とある騎士の物語 (採点:1)
- まず、盲導犬は物凄い訓練を受けています。突然人に咆えたり、ましてやテーブルに体当たりなどしません。盲目の方にとって、日常生活上、盲導犬は極めて重要です。それが、かような程度では、役に立つどころか大変危険です。
ノエルは盲導犬として、失格です。あれではただのペット犬です。
それに、別に遊ばないわけでもないはずです。
ただ、主人の許可なしに、おかしな事をしない。そういう風に訓練を受けているはず。
そして、街中に野犬など、説得力低すぎです。
しかも、三匹で済んでしまうんですか?
いくらなんでも少なすぎでしょう。
いきなり出てきた歌も、とってつけたようです。もっと伏線をはってください。タイトル以外にも。
ついでに、これはイフ物にするよりもアフターものにしておいた方が良かったと思います。
さらに、ラストのあれ、たぶんそういうつもりなんでしょうけど、いくらなんでも犬の名前をわが子につけるやつは、奇特すぎです。
>後には思い出の残ったフリスビーだけが……
私が思うにこの後はすべて蛇足だと思います。
出来る限り1点はつけたくなかったんですが、進めば進むほどどんどん減点していきました。
盲導犬やらなんやらの設定は現実のものを使いましょう。
いい加減に感じました。
厳しい事を申しましたが、これは率直な感想です。
これをバネにしていただければ、幸いです。
- 008 Search for (採点:8)
- み、みさお?
みさおなのか!?
どうなんですか!?
ねぇ!?
はっ。
すみません。取り乱しまして。
あんまりに最後の衝撃が強すぎて、感想がぶっ飛んでしまいますた。
えと、どこと無く猫がコメディ風味でいい感じだと思いました。
話自体もいいと思います。
みさおの衝撃で加点しました。
- 009 Replica (採点:5)
- 正直、ひどく中途半端な感触でした。
後、氷上が不思議キャラとはいえ、そこまで知っている氷上は何者なんでしょう?
便利な説明役過ぎて、違和感を禁じ得ませんでした。
最も、誰がそれをやったところで、説明役には変わりないでしょが。
- 010 NOISY SILENCE (採点:6)
- えと……。
終わりが、よく分かりませんでした。
少年Aが浩平っぽいのはともかく、他がさっぱり分からなかったです。
- 011 その果ての雨 (採点:5)
- 第一に、死に対する概念に、少し疑問を感じました。
ま、それは人それぞれとして、あれだけ嫌がってたのに、何で穏やかだったんでしょう?
そして、茜の走馬灯の様なものだとするなら、なぜ、浩平視点だったんでしょう?
最後に、パタパタ動くおさげって……なんで?
- 012 曇り色の時間 (採点:3)
- 話し相手は、永遠のみずかなんでしょうけど、違うと思います。
最初、先輩かと思いました。
問答の内容云々じゃなくて、そこばっかり気になりました。
- 013 『夕日の少年』 (採点:7)
- 何で詩子と雪見って思ったんですけど……。
うわぁ。そういう共通点でしたか……。
びっくり。
時折脱字とか有ったけど、文章もしっかりしてるし、全体的な雰囲気もいい、良作だと思います。
あ、後、あの英語って、どういう意味ですか?
英語苦手なんで、教えていただければ幸いです。
- 024 【呪いの唄】 (採点:9)
- 純愛?
純愛……。
純粋では……あるか……。
最初のほうが少しだけ冗長に感じた次第です。
貴重なダークゆえに、点数が少しだけアップです。
作品そのものも良かったですし。
- 026 ダンスインザダーク (採点:10)
- うぐぅ。
みさき先輩……。
凄く良かったです。
なんか言葉が出ません……。
今度は茜デスカ?
うぐぅ。
ふと思った事は、前回のかのんコンペの「復讐という名の代償行為」という作品に、少し似てるかも、って事ですが。犯人が実は…てところとか
まさか……。
久慈さん?
○沙友 さん
- 001 エターナリズム (採点:5)
- ヤ@@@@とか言ったら危ないですかそうですか。
……と中の人が呟きましたがなんのことやら。
シリアスなのかギャグなのか。
多分両方、かな。
シュンくんがこわいです。
- 003 Fragment (採点:6)
- 現実的な「えいえん」の解釈……というよりは、幻想色をあえて廃してみた
お話、という解釈でいいんでしょうか。
変化球は変化球ですが……なまじか、「えいえん」を解釈するよりはいいのかもしれない。
- 004 いつか、その日の為に (採点:7)
- 前半のコメディ色と後半のえいえんの解決をきかりまとめたお話。
秋桜とかどうですか。好きですか。好きですが私は。(<関係ない)
読んだヒトのなかには前半のままでいてほしいというひとがいるやもしれません。
- 005 マジカル☆ワードを唱えよう (採点:6)
- 出来れば演劇路線を最後までバージョンがみたいです。
書いてください。
EDまで。
- 006 すてるす同盟 (採点:7)
- 変化球ーっ!(感想を身構えてバットが空を切った)
……しかしシュンくん同性愛説はデフォルトなんですかやぱし。
- 008 Search for (採点:6)
- きつねきつねーっ。
黒猫さんは「だれ」なのかなとか思いました。
- 009 Replica (採点:6)
- 浩平くんが「何らかの事情」で世界を作って「えいえん」を擬似的に説明しよう
と試みる方法はこのお話みたいになるかと思うのですが解決役に(とゆてもBAD
ですケド)七瀬さんを使うあたりは良いかんじかも。
あるいは茜さんがその役割にふさわしいですが、ある意味「ありふれている」か
もしれないですし。
現実逃避ばんざぁいポイント+1。
- 010 NOISY SILENCE (採点:8)
- さおりさんの謎解き風味。
個人的にさおりさんといえばバレーのヒトですと中のひとがゆてますがそれは
おいといて、さおりさんがメインぽいのは意外でした+1。
茜さんが「彼」を好きだたのではなくて「詩子さんが彼をすきだた」解釈に+1。
「ふたりがすき」という台詞に+1。
単純にさおりさんが浩平くんのことを好きなことに気がついて帰還する、という
よりは最後のおちのようなほうがより効果的なのかもしれませんねぇ。
- 011 その果ての雨 (採点:7)
- シュールさ+1、オチ+1。
- 013 『夕日の少年』 (採点:9)
- 好きです。文章が好き。テンポが好き。流れが好き。
詩子さんの言動の描写も、雪見さんのたとえ話も好き。
これから「なに」が彼女たちに起こるのかを読者は知っている。
知っているからこそ、その世界に、お話に思い入れを持つことができるのだと思います。
そんなイメージを明確に言葉に出来た一編だと評します。
敬意を込めてこれからも頑張てください、を贈ります。
"〜"closed. という形を良く使いますが同志を見つけた気分です。関係ないですけど。
- 014 風の辿り着く場所 −Eternal Happiness− (採点:6)
- 短めに綴られるお話は読みやすい上に感情移入を高めるのでよかたとおもいます。
- 015 その手を離す、その日まで。 (採点:7)
- 友情すばらしいですポイント+1、ほのぼのすきなので+1。
- 016 二人が刻む永遠 (採点:6)
- みさき先輩が書いた小説読んでみたいです。
作品中にその文章が組み込まれていると面白かたかなーと思います。
ハンディキャップ描写及び知識についてはコメントはしません。
- 017 欲深な微睡 (採点:6)
- えちぽい。
とても。
タイトルの妙技です。
- 018 この世界は (採点:7)
- 音楽の素養がないとちょとわかりづらいですね。
でもそれもまた、作品か。
「お母さん聞」というのは「お母さん調」(へ長調とかの調)であていますか?
テクニカルタームではそうかくこともあるのかもしれない、と思たのですが、
よくわからなかたので。
誤字だとしても点数には影響していません。
- 019 トライ (採点:6)
- 男の子アナザーED?
住井くんの心情が丁寧に書かれていると思いました。
- 020 Requiebros(愛の言葉) (採点:5)
- 長森さんは「柚木さん」とよびそうなきがします。
いやそれだけで深い意味はないんですが。
- 021 夏ノ空ニ夢ハ初マリ (採点:6)
- 永遠の解釈と流れはきかりまとまていたとおもいます。
- 022 はやく昔になればいい (採点:5)
- 少し読みづらかたかなぁと。
苦手なジャンルなので上手く評価できません。すみません。
- 023 世界は終わり、或いは始まる。 (採点:7)
- マウンドから投げられる球を待ていたら、いきなり背後に現れたボールに
あたて昏倒しました。
……よくわからないですがそんな読後感です。
- 030 『パラダイス☆銀河〜愛と絶望の小豆洗い〜』 (採点:9)
- 最初から最後までギャグ。
すばらしい。
私が知てるひとのノリによく似てますが、あてますでしょうか。
外れるとはずかしいのでいいませんが。
今回の作品は途中までノリがよくても最後にはきれにまとめる
のが多いせいか「暴走もの」というのが少なかたのですが、
これはとても面白かたです。
- 036 たいせつなひと (採点:8)
- やられました。
ええほんとに。
またくもてやられました。
がびーんという感じ……。
短いセンテンスにお話の流れをしかりまとめているあたりに脱帽でした。
それからごめんなさい。ほんとにごめんなさい。
○七瀬ユウジ さん
- 009 Replica (採点:6)
- ストーリーがよく作り込まれていると感心しました。
ただもう一押しする何かが足りない気がします。badendゆえの宿命か?
基本5点 + ストーリー1点 = 6点
- 010 NOISY SILENCE (採点:7)
- 話に引き込まれました。ラストをどう見るかが難しいところです。
基本5点 + ストーリー1点 + ラスト1点 = 7点
- 011 その果ての雨 (採点:6)
- ランダムで最初に選ばれたのですが、重いものを読んでしまいました。
評価は・・・難しい。どう評価していいかわからない…。
基本5点 + 不思議1点 = 6点
- 019 トライ (採点:6)
- 住井メインでここまでひっぱったのはおみごとと言いたい。
一部、駆け足的な展開の場面もあったのがおしい。
基本5点 + 独創性1点 = 6点
- 020 Requiebros(愛の言葉) (採点:6)
- 綺麗にまとまっているんですが、もう一歩何かが足りない気がします…
物語も完結していない印象を受けますし。
基本5点 + 構成1点 = 6点
- 022 はやく昔になればいい (採点:8)
- 知らない名前がたくさんでてきて戸惑いましたが、
未来の茜をここまで深く扱った作品というのは、初めて読みました。
ただ、最後はちと強引か?
基本5点 + 構成 2点 + 読みやすさ1点 + 独自性 1点 − ラスト1点 = 8点
- 024 【呪いの唄】 (採点:7)
- 序盤から中盤にかけての急転が効いてますね。怖いです…。
ただ話の展開としてはもうワンポイント、
群を抜ける強いものがあるといい作品になれると思います。
基本5点 + 構成1点 + 不利ジャンル 1点 = 7点
- 025 もういいよ (採点:5)
- もうちょっと広瀬を好きになる過程を書いて欲しかった。
いつの間にか好きになってしまったという感じを受けたので。
- 026 ダンスインザダーク (採点:5)
- ひねりすぎですかね…。途中のひっくりがえしはよかったんですが、
ラストでわけわかんなくなってしまいました。
2回読み返したんですけどね…。
基本5点 + 意外性1点 − 構成1点 = 5点
- 030 『パラダイス☆銀河〜愛と絶望の小豆洗い〜』 (採点:9)
- はめをはずしすぎ。
基本5点 + 独創性2点 + 面白さ1点 + 暴走1点 = 9点
- 033 コイゴコロ (採点:5)
- ちょっと長すぎるかと、もうすこしスリムにして短編部門で出すテーマかなと感じました。
- 036 たいせつなひと (採点:8)
- 「ついぞ」や「何某」といった中学生らしくない発言がちょっと目に付きましたが、
筆者の考える繭の魅力が良く出ていたと思います。
基本5点 + 文の巧さ 2点 + 最適文量 1点 = 8点
- 037 虚構少女 (採点:7)
- ドタバタのちシリアス(不幸?)の展開をどう評価するか難しいところです。
オリキャラが生きてる(だだのチョイ役に終っていない)のがいいですね。
なんでBadEndにしちゃったんでしょうか…。
基本5点 + オリキャラ2点 = 7点
- 039 フリップフロップ (採点:8)
- 二つの話を切り替えるタイミングがうまい。
飽きずに読める文章のうまさも光る良作だと思います。
基本5点 + 世界B1点 +世界C1点 + 読みやすさ1点 = 8点
○宗助 さん
- 001 エターナリズム (採点:3)
- 構成、演出、台詞回し等において特に目新しいところもなく、文章は並以下。
地の文がほぼすべて説明文になっているのはいかがなものか。
- 002 彼女の理 (採点:5)
- シーンにおける主観の意味をもう少し考えるといいと思う。繭視点では繭の語彙で、その他ではその他なりの語彙で書くべきだろう。
- 003 Fragment (採点:8)
- 最後まで読ませるだけの筆力、構成はかなりの完成度だと思う。少しだけ引っかかりを覚えた部分もあったが、それ以外はグー。
二次創作すべてにこのくらいのレベルがあれば貪るように読みふけるだろうね。
- 004 いつか、その日の為に (採点:8)
- 細かいところは割愛。
NO.1から順繰りに読んでいって現時点での最高評価。「えいえんのせかい」の使い方、キャラクターのつかみ方、文章等かなり高いレベルでまとまっている、違和感は感じなかった。
久しぶりにONEss読んだけど七瀬はおいしいキャラクターだな、と再認識。
- 005 マジカル☆ワードを唱えよう (採点:6)
- 読むのが苦痛でなければ6点つけてます。
大部分の二次創作作品に言えることだがもう少しネタ出しを真剣にやったほうがいい。
最初の数行だけで落ちが読めてしまうのはいただけないし、そこに至るまでの過程でもベタの域を出ていない。
- 006 すてるす同盟 (採点:7)
- ギャグ小説ならばもう少し短くするといい。十分私の感性にはヒットしたがちょっと間延びしている。
- 007 とある騎士の物語 (採点:1)
- 序盤で読むのをやめました。盲導犬がどういうものか表層しか知らない人間が書いたのが素人目にもよくわかる。
シチュエーションだけでものを書くとこうも醜悪になるという好例。
実際にこんな盲導犬がいたら速攻で再訓練です。突っ込んではいけないのかもしれませんが……
盲導犬というネタに目をつぶってみてもこの手の作品は巷にあふれています。
- 008 Search for (採点:5)
- 最初は誰の話かと思いました。>猫
猫である必然性があまり感じられないのと演出に無理があるのでこの点数。
そもそも信頼できる情報筋って何ですか?
- 009 Replica (採点:7)
- 浩平弱すぎ(藁
自覚なく自分の世界を構築しているならまだ救われる可能性もあるが、自覚しているのでそれもなし。
だからこそ七瀬の強さが際立って見えるのですが。
- 010 NOISY SILENCE (採点:6)
- 荘子の胡蝶の夢を額面道理に捕らえた小説と受け取ればよろしいのでしょうか? 何がいいたいのか自分にはさっぱりわかりませんでした。
- 011 その果ての雨 (採点:2)
- 文章は並以下、日本語はおかしい、読後感は悪い。ごめん俺には誉めるところが見つからなかった。
- 012 曇り色の時間 (採点:5)
- 端的にいえば不思議少女が浩平を薫陶して去っていくお話。ひねりも何もなくごくありふれた話でした。もっとネタ出しをしっかりしましょう。
- 014 風の辿り着く場所 −Eternal Happiness− (採点:7)
- 琴莉との会話の流れは評価できるが殺してしまったのはいただけない。その直後のみさきの行動にも納得いかない。
ところで、目の見えない人間はそんなに簡単に外を出歩けるものなのか? 知らんけど。
- 042 オレとあいつと彼女の事情 (採点:6)
- それと、折原。七瀬はずっとお前のことを待ってたんだ。こんないい子、他にはいないぞ。必ず幸せにしてやれよ。
↑ 何で主人公に彼女を譲るときのサブの科白なんで通り一遍等なのだろう、この部分で自分の中では安い小説だと言う評価。代替科白希望それ以外は気になるところはとくになし。
- 043 夕焼け色のシンデレラ (採点:4)
- 801小説一歩手前、どこに見せ場があるのかわかりません。
- 045 永遠と瑞佳のあいだ (採点:4)
- 回りくどい表現は自爆の素。あと漢字変換をしっかりしてくれと思う、確信犯なのかもしれないが…
住井との掛け合いは結構好きでした。
- 047 「わたしはあなたと歩きたい」 (採点:6)
- 二次創作ならではのつくりだなぁと思いました。でき自体は悪くないとは思うのだが、結婚ネタ自体がありふれているため相当なインパクトがなければ客の目はひきつけられんだろう。
- 048 待ち合わせ (採点:5)
- 結局みさきは前に進んでいるように見えてその実進んでいないように思えるのはわたしだけ?
- 049 雨音は誰が為の歌 (採点:7)
- 見せ場は浩平の親族たちとの会話であろうと思う。
死んでしまった人間が何を思えるわけでもなく、故に生者は死者をただ悼むべし。
しかし、4つ年下の従弟君、壮絶に低脳ですな。よほど甘やかされて育ったのでしょう(笑
- 050 セレナードで眠らせて (採点:7)
- ちょっと大人になった浩平と茜の雰囲気出てて結構良かったですよ。ベタベタ甘甘なアフターストーリーでなくてほっとしたってのが本音かな。
○春日 姫宮 さん
- 007 とある騎士の物語 (採点:10)
- よくある話かもしれませんが、それでも琴線に触れました。いい物語をありがとうございます。
表現技法を磨き、より高みをめざしてほしいと思います。
- 008 Search for (採点:8)
- 展開の上手さ、キャラのらしさが光っていました。とくに猫の表現はナイスです(猫がパソコン用語をつかうのには少し違和感を感じましたが)。登場時間は少ないながら、しっかりとらしさを残してくれた名雪(そういえば彼女が追いかけたのは黒猫でしたね。飼い猫だったと思いますが)とみさきの存在がこの話に奥行きを与えてくれます。
ただ、構成がちょっとわかりにくかったのと、最後のシーンは必要性を感じなかったのが残念。たぶん後者は僕の読解が足りないせいでしょうが。
- 009 Replica (採点:10)
- 僕が知る中で最高のダークSSは「復讐という名の代償行為」ですが、それに匹敵する出来だったと思います。
ただ単にダークなだけではなくて、そこに留美の強さが通っているところにこの作品の美しさがありました。同時に、やっぱり彼女は浩平のことが好きなんだな……と。
すばらしい作品。読ませていただいてありがとうございます。
- 011 その果ての雨 (採点:9)
- 他作品の感想で「星新一」「ショートショート」という言葉をちらほらと見かけましたが、この作品はまさにその評価があてはまると思います。
高レベルの文章とあっと言わせるどんでん返し。お見事です。
- 013 『夕日の少年』 (採点:6)
- 正直話の意図は読み取り難いのですが、読んでいて不思議な感覚がしました。面白い、とも違う。感動した、とも違う。……でもこの感覚ノスタルジーかな???
何点をつけるべきかかなり迷いました。あるいは10点をつけてもおかしくないような気がします。
- 014 風の辿り着く場所 −Eternal Happiness− (採点:1)
- 今回は短編で苛烈な物言いをした反省から「良いなあ」と思った作品にしかレスを返さないつもりだったのですが、どうしても納得できない作品でしたので書かせていただきます。
このような読者もいるということでお聞きいただけると幸いです。
次のような点に、抵抗を感じました。
1、あの程度のことで(一時的にとはいえ)みさきを見捨てる「親友」雪見、澪。
2、気分によって性格が激しく変化するみさき。例えば「現実に未練はない」と言って自殺する彼女は、支えられているのに気がついたとする前半に矛盾します。更に言えば原作の彼女はあのようなキャラではないです。
3、1、2の点を除いても、全体的にキャラ造詣が不自然。
4、エヴァのラストを真似たようなラスト、家族計画からそのまま持ってきたようなキャラ(こちらの勘違いかもしれませんが)。
5、ラストで唐突に登場する氷上シュン、そして読者に伝えることを放棄しているかのような彼の言動。
このような感想を書くのは、そもそも理不尽なキャラの死に激しく抵抗を感じるからなので、せめてジャンルにダークか不幸と付記してほしかったです。それだけで、この作品に対する印象も大分変わったと思いますので。
- 017 欲深な微睡 (採点:8)
- ある意味とんでもない作品ですね。原作の設定をかなり改変し、理由の明示されない死や交接といった一部の(ひょっとすると多くの)読者にはタブーとなる要素をこれでもか! というくらい使っているという。そもそも小学生同士って法に触れている気が……。
でも面白かったです。僕にとっての些細な問題は、作品のパワーとリアリティにねじ伏せられました。おそらく作者の方は1点をたくさんもらう覚悟で、これだけ尖がった物語を書いたのだと思いますが、僕はこの作品と上手くシンクロした1人のようです。
設定が違うとはいえ、浩平とみずかの関係は深く深く描かれていて、原作の世界観を損なわずに押し広げた感さえあるのは凄いことだと僕は思います。
かのんこんぺでも、この作品のように地雷圏を走っていながらリアリティと作品のパワーで上位入賞した作品はありましたが、個人的にはこういう作品にこそ上位をとってもらいたいです。
ただ、冒頭の
かみさま、どうか、生きていけますように
は作品の雰囲気にそぐわない気がするのですが、どうでしょう?
- 022 はやく昔になればいい (採点:10)
- 今回最高の完成度を持った作品でした。とても面白かったです。
- 043 夕焼け色のシンデレラ (採点:8)
- みさきにもえいえんがある。という前提にはやや違和感を覚えました。
しかし、それを吹き飛ばすほどの暖かな物語。とてもよい作品でした。
- 050 セレナードで眠らせて (採点:7)
- お約束がいっぱい詰め込まれた普通の、でも素敵な物語でした。
- 052 未来の二人に (採点:5)
- 良くできた作品だと思いますが、この物語には多少の違和感を覚えます。
「男の美学」を持った女性達(雪見や詩子、良子)はおそらく多くの読者に違和感を与えると思いますし、そもそも作者の方よりも幾分下の世代の人達からすれば、こういった美学自体、「流行んない」のではないのでしょうか? 少なくとも、尾崎豊が歌ったような高校と、現在の高校は大きく異なります。
とはいえ、それを認識した上でこのような作品を書いているのであれば、作風は曲げないで欲しいと思います。上に書いたような違和感があるとはいえ、世界観は十分に描かれきっていました。
ここまで書いておいて、作者の方が女性とか20代前半とか言われたらショックですが。
○神城蒼 さん
- 005 マジカル☆ワードを唱えよう (採点:3)
- ……ジャンル分けをしていない理由が分かったような気がします。
正直はじめの三分の一でダウンしました。そこまででそがれた気力は最後まで戻ることは無く、シリアス面にも悪い影響を及ぼしました。
あと、「!」の後ろは一行空けましょう。……中編で初めて文法作法について触れた気がする。
- 006 すてるす同盟 (採点:10)
- うーん、なんというか、ツッコミどころがないわけではないですし、多分誰かツッコむでしょうが、正直面白かったので10点です。
読み始めたときは多分話に重みのない小ネタ集で終わると思いましたが、キッチリと軸があり、またギャグもなかなかのもの。
ギャグはとことんギャグ、シリアスはとことんシリアスがいいという人は少なくないでしょうが、私はこのくらいがちょうどいいです。
司、シュン、浩平で対等に行動するというのは結構新鮮でした。司やシュンは大抵超越者的なポジションで使われることが多いので。正直かなり嫌いじゃないです。
私も中編出していますが、間違いなく負けている、とだけ。
- 014 風の辿り着く場所 −Eternal Happiness− (採点:7)
- エピローグがあれじゃなければもう二点プラスしました。
タイトルが違っていればもう一点プラスしました。
エピローグ、とりあえず超越者が出てきたので問答無用で一点減点。今回のこんぺ、超越者多すぎ。
で、内容に関してですが、エピローグが違っていれば十点です。
琴莉が死んで、躊躇無く自殺した人間がたった一言で目が覚める? 出来の悪い冗談です。だから超越者が出てくると減点してるんですが。
個人的にはダークはあまり好きではないですが、これならまだエピローグなしで終わった方がよかったかも。
- 030 『パラダイス☆銀河〜愛と絶望の小豆洗い〜』 (採点:1)
- もう一本のギャグものが面白かったので結構期待して呼んでいたんですけど、ただ、とりあえず、どこまでも果てしなく痛かった。
ただの支離滅裂ぶっ壊れギャグ。そう分かった時点でもう期待度は激減。最後までいい意味で期待を裏切ってくれることはなく、最初から最後まで、完璧に、一片の例外もなく、クスリとも笑えなかった。
まあ、基本的にシリアス好きのヘボSS書きの言い分なんで聞き流してくれて結構なんですが、文法ミス以外でここまでズタボロな感想を書いたのは生まれて初めてかもしれません。
- 033 コイゴコロ (採点:5)
- 良くも悪くもオーソドックス。話の先があまりにも読めすぎて途中から惰性で読んでしまいました。
茜と詩子、香里と名雪、香里と栞の三角関係モノは正直見飽きました(ONEは普段読まないのではじめてですが、多分いっぱいあるでしょう)
内容はともかく、描写は評価できます。雰囲気がよく伝わってきて、難しい言葉はないですがいい描写です。
それにしても、汎用キャラの名前、マリみてで間違いないですよね?(笑)
- 040 こんな愛の形も良いじゃない (採点:6)
- 悪くない話でした。
が、完全に王道を貫いたストーリー。序盤で物語の全容が読めてしまい、そして最後までいい意味での裏切りがなかったのが残念です。
あと、感覚的なことで申し訳ないんですが、地の文について。
描写のリズムが好きになれません。正確には違うんですが、いい表現が見つからないので、とりあえず『堅い』と表現しておきます。
厳格な三人称描写。一人称との差別化という意味では見事だとは思いますが、あまりに厳格すぎて心理描写が弱い気がします。
作中でキャラがどう行動してもその行動の説得力に欠ける気がします。終始無感動なままで終わってしまった感じがしました。
- 042 オレとあいつと彼女の事情 (採点:6)
- ……終わって無いじゃん(苦笑)
まあ、幼馴染がいる時点でこの結果は予測できましたが、それにしても、七瀬に対するイメージが最悪なんですがw
というか、もしかしてラストシーン慌てて書きました? どうも展開を急ぎすぎてる感があるんですが……。
あ、あと台詞と地の文のバランスが悪いです。台詞主体で進むSSは書くの簡単なんですが、読んでいてクるものがありません。
- 051 南西の風は瑞穂実る平原に (採点:3)
- あー……。なんと言ったらいいのやら。
理性が完全に飛んでいるはずの人間が張り手一発で復活。
もう何年も想い続けていたはずの幼馴染をあっさり忘れて他の男に走ってみたりとなんだかもう論理展開に無理を感じます。簡単に言えば、展開を急ぎすぎ。山場だからこそじっくり落ち着いた書き込みをしてほしいです。
話全体に盛り上がりにかけました。山場であるはずの和解シーンも必要以上に無関心になってしまいます。
浩平が帰ってきたのもイマイチ。帰ってくるのは問題ないですが、あんなにあっけない帰還になるなら正直ないほうがマシだと私は思います。
○酔狂 さん
- 001 エターナリズム (採点:6)
- 最初からオチは割れますが、主張がはっきりしているので面白さは変わらないです。
プロローグが無ければもっとスリリングでしたね。
盛り上げに関してはわざと薄くされてるような印象ですが、その分、
クライマックスの対決シーンの意味づけを、もっと頑張って欲しいと思いました。
#さもないと本当に無意味になってしまう。
折原・城島コンビの淡い友情、いいです。カコイイ!
- 002 彼女の理 (採点:8)
- 「おわり。」ですか(笑)。最後でずっこけ。
それはともかく、ここまで踏み込んだこと、それを下品にせずに書き切られたこと
に敬意を表します。
前半の時制の転換が全く分からなくて、章変わりごとに身構えてしまいましたし、
そのことに意味があるようにも思えないので、読みやすいとは言えないのですが、
それでも各章の力のある内容が本当に素晴らしいと思いました。
もちろん、このままでは、みあは別の神様という風にも取れてしまうわけで、
繭が彼女を選ぶということの意味にまで到達して欲しいです。
ですが、お話としてはここまででも十分かと。
私には精神薄弱の妹がいるので、繭シナリオをやったときには大阪までライター刺し
に行こうかと思ったものです。本編もこのぐらい踏み込んでくれていたら、
これほどoneにトラウマを感じ続けることも無かったのになぁと思いました。
- 003 Fragment (採点:5)
- 七瀬萌え〜(えー
これはこれでSS王道としての完成形だと思います。
モノローグ型でありながらしつこくなく、無理が少なく、読みやすい文章で、
好感が持てました。
七瀬のウェットさと瑞佳のクールさのコントラストもいいですね。
テーマをはっきりさせるという意味では、浩平視点は明らかに要らなかったかな、と。
- 005 マジカル☆ワードを唱えよう (採点:4)
- うう、劇が終わるところぐらいまで、かなり面白かったのですが、
ラストがちょっと……
いっそ、ラスト無しでも……(無茶を言う)
ちょっと脈絡無い感じですよね。
アッパー系に行き過ぎない、さりとて電波も忘れない(笑)ほのぼので、
まあ嫌いじゃないのですが、こういう話は綺麗にオチて欲しいところです。
- 006 すてるす同盟 (採点:6)
- シュン最強。
前半もかなり笑えました。
- 009 Replica (採点:6)
- 正しい(謎)んですが、どこかもう一つ切れ味が鈍いような気がしました。
短編の方が良かったかも……?
ごめんなさい、追記するかもしれません。
- 052 未来の二人に (採点:8)
- 良いです。時間が無くて最後の一本はタイトルで選びましたが、これにして良かった。
この作品のどこが良いかは、たぶん作者が一番分かってる(笑)と思いますし、
私の感想が「それ以上」にならないところが、この作品が余りにも人為的
であることの証かなぁとは思います。
でも、それを差っ引いても面白かったし、楽しめました。
困ったところは、モノローグ形式の欠点をもろにかぶってしまって、雪見が
余りにも一方的なことですね。だから書き込み勝負、いかに力技で納得させるか
ということになるんですが、私の印象だとまだちょっと厳しいです。
彼女の刺々しさ、攻撃性みたいなのを読むこと自体は結構楽しいんですが。
○杉田俊輔 さん
- 001 エターナリズム (採点:6)
- 物語としては面白かったです。ONEのSSとしては異色かと思いましたが、わりとすんなりと物語に入っていけましたし。
ただ、地の文がやや読みにくいと感じました。主観が転換するのは悪い事ではないとは思いますけど、わかりにくい。気付かないうちに視点が変っていたりしたのは、読者に対して不親切かも知れません。
- 002 彼女の理 (採点:9)
- こういう雰囲気の作品は凄く好きだな、と思いました。繭の「強さ」と、みあの「強さ」。どちらも、かけがえのないものだと思います。だからこそ、繭はきっと、幸せになれるんじゃないでしょうか。
ただ、1つだけ――気になったのは、1つ1つの文章や段落の長さです。雰囲気がとてもいい感じなだけに、文章自体のテンポ(というか読みやすさ)にも配慮していただければ、もっと良かったと思います。
- 003 Fragment (採点:8)
- ストーリーの構成が上手いですね。ああ、こういうのもアリなんだなぁと、1人でうんうんと肯いてしまいましたよ(w
ただ、タイトルの"Fragment"の意味って何だったのでしょうか? エピローグにあった幸せの欠片? 瑞佳が夢で見た記憶の欠片? 壊れた瑞佳の心の中の浩平の欠片?
・・・まぁ、ちょっと気になっただけです。
- 004 いつか、その日の為に (採点:7)
- ヌイグルミが振り向いたシーンで爆笑(w いいですね、このセンス。凄く好きです。最後の終わり方もキレイで良かったと思います。
ただ気になったのは、地の文・会話文両方共に長いってことですね。会話文が2行以上になると、ちょっと読みにくい感じがしました。
- 005 マジカル☆ワードを唱えよう (採点:7)
- 楽しくて、面白い話でした。同時に、切なくもあって……。ONEの世界観が上手く表現されていたんじゃないかなと、思います。茜と澪の組合せは個人的に好きです。あと、詩子さんも。
……それにしても、「魔法少女・プリティ澪」は相当恥ずかしいですね?(w
- 006 すてるす同盟 (採点:5)
- ……これはギャグなんですか? そうですか。
- 015 その手を離す、その日まで。 (採点:8)
- みさき先輩と雪見先輩、大好きですっ(力説
さておき、とてもほのぼのするいいお話でしたね。2人が手を繋ぐワケ。それは、とても悲しい事だけど、2人が手を繋いでる事自体は、とても温かな感じがしました。
こういう2人の自然な雰囲気を出すのは並大抵の事ではないはずです。僕も頑張らなくては……。
- 018 この世界は (採点:10)
- 大好きです……こういう話が。大好きです……詩子さんが。
音楽に関する内容は、やや蛇足かなと思ったところもありましたが、そういう部分も全てひっくるめて、この雰囲気はとても良いと思います。
詩子と浩平の関係。詩子による、世界の理。……ああ、この世界は。
- 031 空の在り処 (採点:8)
- みさき先輩と雪見先輩のお話……だと思うのですが、澪が良い味を出してましたね。
ONEらしさがとてもよく出ていたお話だったと思います。こういう話、結構好きです。
- 033 コイゴコロ (採点:9)
- 詩子さん萌えーvv(ヲイ
いいですねこういう三角関係も。恥ずかしいですね、本当に。茜と詩子、2人の心の動きが楽しめました。
- 034 莫逆の友の恋 (採点:6)
- 詩子さんと住井のラブコメはちょっとムカつきますが(笑)、いいお話でした。茜がいい味出してます。
ただ……導入部の『問題』とか、前半にあった『閑話休憩』の存在意義がよく分かりませんでした。第一、閑話休憩って何でしょうか? 閑話休題?
- 040 こんな愛の形も良いじゃない (採点:8)
- 詩子さんと住井のラブコメはやっぱりちょっとムカつくんですが(笑)。でも、本作のタイトルじゃないですけど、「こんな愛の形も良い」のかもしれませんね。
「こういうのもアリ」って読者に思わせるというのは、二次創作作家としての目標でしょうけど、それが達成されているイイ作品だったと思います。
- 050 セレナードで眠らせて (採点:8)
- とても好きなお話でした。2人の新婚生活、きっと幸せなものになるでしょうね。なって欲しいです。
○雪蛙 さん
- 001 エターナリズム (採点:3)
- まず永遠が意外なものだったことでちょっと意表をつかれました。それは良かったと思います。
しかし全体的に納得のいかないとこがあります。
みずかが記憶を元に戻すという記述があるのに司が戻ることを怖がる理由がわかりません。茜が「誰ですか」というとは思えないのですが。あと茜がセクハラ発言をするような人に惚れるでしょうか?これが個人的に納得いかなかったのでこの点数です。
- 002 彼女の理 (採点:10)
- 非常に良かったと思います。テンポが良く夢中になって読めました。特に最初の1は日常での友達とのやり取りがほのぼのと描かれていた良かったと思います。
- 003 Fragment (採点:8)
- 非常に自分好みで好きですねこうゆう話。というか嫌いなジャンルってあんまりないんですがね。なぜ十点でないかというとこのお話だと七瀬が救われないのがうむむーかなと。どうしようもないとこを減点対象にするのは心苦しいですがこれが正直な感想です。
- 004 いつか、その日の為に (採点:10)
- 文句なしです。なにも言うことはありません。序盤はドタバタ調で大笑いさせてもらいましたし、終盤の締め方もまとまっていると思います。
- 005 マジカル☆ワードを唱えよう (採点:8)
- 茜の使い方がうまいと思います。一緒にワッフルを食べたことを思い出したシーンは良かったです。
欲を言えばもうちょっと意外性とかがあればよかったかなと思います。
- 006 すてるす同盟 (採点:10)
- 言うことはありません。
導入部(シュンと司に会うところ)から事件が起こる部分の流れがスムーズで自然と話しに入っていけました。
ギャグにも大笑いさせてもらいましたし、最高です。
誤字・脱字がありましたが補った余りある作品でした。読めてよかったです。
- 007 とある騎士の物語 (採点:2)
- 可もなく不可もなくというところでしょうか。
ノエルが死んでも特に感情も動きませんでしたし。感情移入するにはちょっとパワー不足かなと。
- 008 Search for (採点:4)
- ネコ視点としてよく書けていたと思います。
ただラストのオチがイマイチ理解できません。終わり良ければの逆でこの点数ということで。
- 009 Replica (採点:1)
- イマイチ落ちがよく理解できません。
永遠と何かしら関連付けていればよかったのではないかと思います。
- 010 NOISY SILENCE (採点:4)
- 読解力の不足でしょうか?意図が理解できません。結局佐織は浩平の事を忘れたということいいのでしょうか?
唯一覚えていたのが佐織という設定は面白かったのですが生かしきれてないかなと思います。
- 011 その果ての雨 (採点:5)
- 茜が死ぬ(老衰)するところを書いたのは着眼点としては面白いと思います。
ただちょっとダークかシリアスか判別しづらいですね。死というのを否定的に書いてあるようで個人的に好感がもてませんでした。
- 012 曇り色の時間 (採点:8)
- みずかと浩平のやりとりが微笑ましたかったです。
みずかの一つのイメージ形だと思わされるキャラで親しみが持てました。
結局浩平はみずかからの宿題にどんな答を出したのでしょう?という疑問が残りましたが。
- 013 『夕日の少年』 (採点:9)
- 非常に良かったと思います。
実はこんなことがあった系のSSですね。
ただ繭をだす必要があったのかなと思いました。氷上と出会うきっかけだけに使うのはどうかなと。
あと一つ誤字がありましたので。
- 014 風の辿り着く場所 −Eternal Happiness− (採点:6)
- 最初に上げてどん底まで落としてちょっと上げたという感じですね。
琴莉がなぜあの場所にいたのかわからないこととあれはみさきを庇ったってことでしょうか?
そこがちょっと描写不足かなと思います。
- 015 その手を離す、その日まで。 (採点:10)
- 自分の好みのツボにおもいっきりはまってる文章です。みさき×雪見すごく好きなもんで。
みさきの右隣に彼氏がいても左隣には雪見がいる。そんな文章になってると思います。
題名から作品の暖かさが伝わってきて、とにかく最高級の賛辞を送らせてもらいます。
- 016 二人が刻む永遠 (採点:10)
- 二度目なんですが自分はみさき×雪見がこの上なく好きでして。もうこれだけで十点確定なんですよね。
特に前半の雪見の心象シーンは胸を打たれました。
ただ後半がちょっと早足だったかなというのと澪の未来も書いて欲しかったと思います。
- 017 欲深な微睡 (採点:6)
- まずこの世界に永遠は関係ありませんね。浩平消えてないし。
瑞佳の一人称でちょっと難しい文章だったと思います。それに瑞佳が浩平に依存しているというのもちょっと好みに合わなかったかなと。傷心の浩平を受け入れていく過程までは良かったのですが。
ちょっと採点が難しかったと思います。
- 018 この世界は (採点:10)
- パーフェクトです。
詩子はサブキャラで色々な設定の出来るキャラではあります。詩子の天真爛漫なキャラにあった設定だと思います。作者さんはこれを書くにあったって資料を調べたのでしょうか?どちらにしろ博識であることは間違いありません。浩平と詩子の掛け合いに茜が絶妙なタイミングで両者に突っ込む。
一つだけ誤字(関心→感心)がありましたがノープロブレム。読めてよかったです。
- 019 トライ (採点:8)
- 実は裏ではこんなことがあったんですね?いや発想がいいと思います、住井と氷上の取り合わせとは。
このトライという題名はどこからきたのでしょうか?文章から分からないのでこの点数ということで。
- 020 Requiebros(愛の言葉) (採点:9)
- 非常に良かったのですがこのストーリーなら茜と詩子をメインにしてほしかったと思いました。
- 021 夏ノ空ニ夢ハ初マリ (採点:3)
- えー結局茜と出会ったのは夢の中か現実どっちだったのでしょうか?まあどちらにしろ出てきた理由ももたらされた効果もよく分かりません。
- 023 世界は終わり、或いは始まる。 (採点:10)
- おもしろかったです。それぞれの場面転換がうまいと思います。
かなり考えさせられる話でまとまってると思います。
- 024 【呪いの唄】 (採点:7)
- 怖いっす。最初ほのぼの幸せムードだったのに。見事な堕としだと思います。
ただ茜を殺すだけに使うというのはどうかなと。
- 025 もういいよ (採点:10)
- 読後感さっぱりの気持ちの良い話です。
浩平×広瀬は見たことなかったんですがとても良かったです。
- 026 ダンスインザダーク (採点:9)
- 暗いー。ダークだあー。かなり気の滅入るお話でした。ダークとしては成功でしょう。みさき萌えの人からは反感かいそうですが。
果たして脳内手術を受けて目が見えるようになるのかという疑問はあります。
あとこれだと浩平は永遠の世界に行かなかったのでしょうか(みさき先輩を捨てて瑞佳にはしったという記述があります)?盲人に対する憐れみ程度の絆では戻ってこれないような気がします。
- 027 埋もれた夢に、あなたはいない (採点:10)
- ストーリーの構成、佐織の心境を絵に描いたような表し方、場面転換の前後のつなぎ方。どれも群を抜いてすごいです。
読めてよかったです。
- 028 歩いて帰ろう (採点:9)
- ほのぼのとした浩平と司の友情をよく描かれていたと思います。こうゆうのは好きですね。
みずかの叫びには胸打たれました。
- 030 『パラダイス☆銀河〜愛と絶望の小豆洗い〜』 (採点:8)
- 全員登場させているのがすごい。しかも強引さゆえのおもしろさがある。笑えました。
- 031 空の在り処 (採点:9)
- ほのシリでしょうか?浩平を待つみさき先輩が本当に健気です。
- 032 ALive (採点:8)
- なんと切ない文章。氷上の心をよく表していたと思います。
- 033 コイゴコロ (採点:6)
- おもしろいとは思うのですが内容そのものはベタですのでこの点数ということで。
- 034 莫逆の友の恋 (採点:10)
- 住井×詩子とは。やられました。というか爆笑で腹筋がやばかったです。最高でした。
- 035 夢を観た日 (採点:9)
- 大笑いさせてもらいました。ただあえていうなら最後のシリアスが中途半端に挿入されているのがきになります。シリアス部をもうちょっと長くしてほしかったです。
- 036 たいせつなひと (採点:5)
- 今回投稿されているSSの中ではちょっと訴えているものが弱いかなと。
えらそうなことは言えないのですがあまり山場もなく平坦な文章になってしまっていると思います。
- 037 虚構少女 (採点:9)
- 訴えてくるものがありました。感動です。
オリキャラに関して慶子はともかく最初の桜にははっきり言ってむかつきました。けど話が進んでいくうちに自分好みの好きなキャラになりましたね。本人はひねくれていると言いましたが最後の決別のところは果てしなく正直な奴だったと思います。
- 038 廻り廻るAffection (採点:10)
- みさきの告白のところは目を潤ませながら読ましていただきました。自分は果てしなくみさき×雪見に弱いもので、ってこれ書くの三回目っす。
作文のとこでみずかをみづかと書いてある。そんな小技にすら微笑ましさを感じました。
最後のほうもまとまっていて胸がすーっとしました。
個人的ですが続きとか過去話書いて欲しいですね。特に浩平が二回振られたとこのやりとりとか。
- 039 フリップフロップ (採点:7)
- 最初と最後はなんだか詩的ですね。おもしろかったです。
- 040 こんな愛の形も良いじゃない (採点:7)
- おもしろかったです。
あと輪後はりんごのまちがいでしょうか?
- 041 Last Lovesong (採点:9)
- 距離を越えた二人の絆に感動しました。
ただ子供の頃の浩平が瑞佳のことを瑞佳ちゃんと呼んでいたのは違和感がありました。子供のころから長森で通していたはずなのに。
あとラストのシーンで感動しておきながら完璧わがままなんですがfour years laterは無いほうがいいかもしれません。というかなくてもいいものになってたと思います。あったからといって作品を損なうものではないのですが一応思ったことを意見としてのべさせて頂きます。
- 042 オレとあいつと彼女の事情 (採点:4)
- ずっと七瀬のことを考えていたとはいえそれだけでは思い出す理由としては弱いと思います。
- 044 小さな幕間劇 (採点:8)
- とても綺麗な文章でおもしろいと思います。
ただ最後の所は相原ではなく折原ではないでしょうか?
- 045 永遠と瑞佳のあいだ (採点:10)
- 話がかなり難しかったですが前後の対比は見事の一言に尽きます。笑わしてもらいました。
- 047 「わたしはあなたと歩きたい」 (採点:10)
- ぐはぁ。甘い。甘すぎますこのSSは。
微妙に七瀬もすごいキャラになってるし最高です。
- 048 待ち合わせ (採点:4)
- まあベタな内容で可もなく不可もなくという感じです。
- 049 雨音は誰が為の歌 (採点:3)
- 母の死をきっかけにどうゆう思考が働いて茜へのプロポーズになったのかよく分かりません。
- 050 セレナードで眠らせて (採点:7)
- 甘々。
- 051 南西の風は瑞穂実る平原に (採点:9)
- 茜と南がくっつく、それ自体はいいのですがただやさしくされただけで茜が南を好きになるのかがちょっと疑問です。
あと壊れてる時の瑞佳が本当に痛かった。
- 052 未来の二人に (採点:10)
- この点以外考えられません。いーこさん、中学生の教師としてそれはないだろうとか、雪見とみさきの出会い、なんか雪見の十五年間すべてをみさきが呑んだというかとにかく劇的だなと。文句なし。読めて良かった。
○草壁てつろう さん
- 005 マジカル☆ワードを唱えよう (採点:7)
- いいお話です。伝えたい何かを感じました。
そして、……不思議な親近感もw
- 008 Search for (採点:7)
- 面白かったです。格好いい猫ですね。
- 037 虚構少女 (採点:7)
- 面白かったです。
オリキャラ――なのですが、とても個性的に描けていてすんなり容認。七瀬達との掛け合いも楽しいし、地の文の語り口がまた上手い。ひねりの効いた展開と相まって、どんどんお話の中に入り込めました。
それなのに、……ああ、時間切れなのでしょうか、オチが……。
浩平、消す必要が全く無いと思いました。もったいないです。
○大蛇屋 さん
- 002 彼女の理 (採点:10)
- そうか、これが椎名繭だったのか。
これまでいまいち掴めていなかった椎名繭というキャラ。
それを、このSSを読み終えて、上記のように思いました。
この娘って、こんなに魅力的だったんだ。そう感じました。
いやもう、このSS好きだ! みあも、繭も、この話も、みんな素敵でした。
- 017 欲深な微睡 (採点:1)
- 瑞佳が他の男と付き合っていたとか、浩平と既に経験を済ませていたとか、そういう素材の問題ではないです。そういう関係だったとしても、それが浩平であり瑞佳であるなら何らの問題もないです。
このSSは、ONEというゲーム、そして長森瑞佳と折原浩平というキャラクターを独自の方向から見た作者氏なりの視点の結果かもしれません。
ですが、申し訳ありませんが、私には到底受け入れられないものでした。
独善的な評価だとは思いますが、1点を入れさせていただきます。
- 018 この世界は (採点:10)
- 詩子さん、面白すぎるっす(笑)
ああ、でもそれだけじゃないんです。
なんか言葉が浮かばないのだけれど。心が震えたと言いますか。
10点入れさせてもらってる作品に共通するんですが、こんな作品を読ませていただきありがとう。そんな気分です。
- 020 Requiebros(愛の言葉) (採点:10)
- うーん、なんでだろうか。
なにか凄く衝撃的なものがあったわけではないのだけれど。
でも、どうしてもこの作品には10点をつけたい。
丁寧に紡がれたお話、そして瑞佳、詩子、茜の思い。なんだか、優しい気持ちを感じました。
とてもよかったです。それ以上に語る言葉はなし。
- 022 はやく昔になればいい (採点:9)
- うわぁ…………
うーむ。
ランダムでみたので、ジャンルが不幸なのを知ったのは読後でした。でも、あまり不幸とは感じなかったですね。読み終わったときは、ああこうなってしまったのか、というどこか納得にも似た感慨だけがありました。寂しいですね。そう思いました。うーむ、自分でも何を言ってるか良く分かってません(苦笑)
- 031 空の在り処 (採点:10)
- いったい何を言えって言うんですか(苦笑)
もう、ありがとうとしか言えないですよ。
この話を読ませていただけたことに、感謝を。
- 035 夢を観た日 (採点:9)
- いきなり緞帳がおりてしまうかのように、終る夢。
この前兆も何もない唐突な断ち切り方が、凄く印象的で、同時に良かったと思います。
このみさおが実にいいキャラで、また浩平とのやり取りも面白かっただけに、浩平のごっそり心が削られたような気持ちがダイレクトに伝わってきた気がする。
ところで、これ点数は関係ないんですけど、みさおの夢を見てたのは、まだ由起子さんのところに来たばかりの時期だったんでしょうか? 高校生みたいだし、髭や氷上がいるし。
えいえんの中で見てる夢なのか、それとも盟約を結ぶ前に独りで見てた夢なのか。それがちょっと気になりました。いや、はっきりいってそんな整合性なんてこの場合どうでもいい気もしますが。
とにかく、良かったです。
○竹 さん
- 001 エターナリズム (採点:5)
- 『MOON.』や『バトルロワイヤル』を連想しました。
ONEのあやふやな世界観を物理的に解消してましたが、そうするとどうしても不備が生じますにゃー。この話だと、まだ現象的な要素はしっかりと残っているのですが、そこだけ手加え無しというのが逆に違和感になってしまいまして。
尤も、焦点はそこじゃなく、司だとは思います。
んでも、中途半端に現実味を帯びているせいで、どうしても設定に目が行ってしまいました。
他に、男臭さメーター振り切れてます。そういうの、基本的には嫌いじゃあないんですが。どうも魅せ方がストレートかつ安直過ぎて、逆に白々しさが先に立ちました。
- 002 彼女の理 (採点:8)
- 実は繭のシナリオは既に忘却の彼方だったりしますので、そこのところは度外視して。
みあが居なかったら一体どうなっていたのだろう、そういう事を考えると、世界はなかなかに残酷だと思います。救いの無い話も良いですが、ひとりの少女の強さと健気さを描き、そして困難を乗り越えての成長、更に友情劇と。心を揺さぶる要素に富んだ話だと思いました。
ただ少し……イジメのレヴェルが低すぎるとは感じましたが、陰湿さ、惨さという点を考えると、あれで良かったのかなとも。
ううむ、繭のシナリオも再履修しておけば良かった……
- 003 Fragment (採点:7)
- これまた練ったなあ……というのが、一読した直後の偽らざる心境です。
一つ明らかになる度に、素直に驚いてしまう自分が居ました。
正直、冒頭は、原作を切り取った絵かよと辟易しかけたのですが、読み終えると、あらら、早まった、と。
しっかりと構築されていると思うのですが、七瀬と瑞佳の切り替えの点では、台詞をどちらかに絞ったほうがスムーズに流れるのではないかと思い、そこが残念でした。
- 004 いつか、その日の為に (採点:6)
- 頭文字ぴ……や、何でも。
現象自体は面白い、んですけど、ちょっと急ぎすぎ……性急かなあと感じてしまいました。
話の内部では、コミカルな雰囲気がキャラをグッと引き立てていて、魅力的に纏められていたと思います。随所でニタつきました。
が、それを挟む髄の部分が、どうもしっくりきませんでした。司の何たらなのか、それとも浩平側なのか、或いはえいえんなのか。どこに焦点を合わせればいいのかなあ、と。
- 005 マジカル☆ワードを唱えよう (採点:2)
- 全体的に見て、妙にせかせかしていると言うか、整合性が不足しがちと言うか。キャラの心情が、ただ読んだだけでは伝わりにくい。そういう体裁をしていたふうに思います。
もっと随所で丁寧に書き込めば、すんなりと入り込む事が出来たのかも知れませんが。
- 006 すてるす同盟 (採点:9)
- 良い……良いよこれ……モウ最高だ……ギャグ部も……その四分の一ほどのシリアス部も……言う事ないくらい……いや、ある事はあるのですが。
さっそく。
みんなキャラが立ってて、だからこそ掛け合いが面白い。中でもシュンは格別。原作中の情報が少ないとは言え見事にそれを崩さず更にギャグ要素まで加えられていて、またそのギャグ……この場合はキャラの使い回し方というんでしょうか、それが好みときた。兎にも角にもキャラ造形能力と、それら個々のキャラクターの持ち味をいかんなく発揮させる抜群のタイミングには舌を巻きました。ただ、敢えて苦言を呈せば、若干ですが司とシュンの見分けがつかない箇所があり、それが残念でした(語尾が「〜な」と「〜ね」の二種類あったからでしょうか)。それゆえに、司の存在感が一際薄く感じられてしまい――他が濃すぎるという面もありますが――、魅力にもやや欠けるかな、と。逆に見れば、無個性な司が他の二人を際立たせている事でもあるのですが。それに、司まで濃くすると、弊害が出まくる予感もしますし。
…などと書いているうちに、配役はやっぱりバランスが良かった、と落ち着きました。
そしてシリアス。浩平には惜しみない賛辞を贈らせていただきます。もうサイコウだ、あの突き離し。科白を脳が認識した途端、意識せずに「浩平キターーーーーー!」と、叫んでしまいました。…頭の中で。
これほど動的な――地の分を挿入する余裕(必要)が無いという意味で――話なのに、この雰囲気の出し入れの巧みさ。これにはお見事の一言しか出ません。
「読者に細かい事を気にさせない」技術にとことん長けていると感じました。
むっちゃ好みっす。
- 007 とある騎士の物語 (採点:3)
- まさかのえるってオチじゃあ……ところでこの名前、何か由来はあるでしょうか。どうしてもこれじゃなきゃいけない、というような。
いや、和風の名前にしたら、もちっと馴染み易かったかなとか思った次第で。ラストでも「おいおい……」という印象を持たないでしょうし。
『K』の歌詞を殆ど直に出されるのは、印象が悪いかも知れません。もっと抽象的に説明すればそういうのは減らせると思うので、軽率だと感じました。これは、自分の度量が狭いからなのですが。
話自体は、おちゃらけた主人公のせいでどうにも雰囲気が纏まりませんが、文章次第で感動を誘う内容だったのではないか。……と感じただけに、全体的に雑然としているのは残念に映ります。
個人的に、SSではなくて物語調の歌詞に作り上げたら、良いものになりそうな予感。
- 008 Search for (採点:4)
- むおお、動物モノ二連発。今度は猫か。次は熊かなあ。
途中までズッポリ騙されていたのにばらし方がなんだか安易で、勿体無い感がしました。あと、Kanonネタは妙に浮いてました。たぶん、100%の読者が分かるでしょうが、それによるメリットはあんまり計算出来ないと思うのです。気付いても、「うん」で終わってしまうと。雰囲気に対して軽すぎるとでも言いますか。逆に白ける読者は居るでしょうね。
彼女が惚れた理由が最後まで有耶無耶にされていましたが、ちょっと、自分にとってはどうでもいい事ではなかったようです。ゴメンなさい。作中以外に、それっぽいエピソード一つでも欲しいところでした。
- 009 Replica (採点:6)
- 幾らなんでも浩平が弱すぎる……が、そこを否定すると何も始まりませぬ。
不幸っちゃ、不幸ですよね。
こうして何度も何度も、繰り返し都合の良い世界を構築しては、見つかる度に造り直して。
不確定な現実を恐れて、絶対的安心な自身の内包世界に留まり続ける。
時が経てば経つほど、疑心暗鬼を生じて。益々恐れて、そしてどんどん深みに嵌っていく……と。
何故、安らぎを求めるのか。何故、不確定な現実を恐れるのか。
漠然と恐怖めいた感覚が浩平に刷り込まれていましたが、それがどういった理由から来るのか、考えても分かりませんでした。……じゃなくて、納得に至りませんでした。
- 010 NOISY SILENCE (採点:5)
- えーっと……前半までは、奇特な観点に惹かれて、興味深く読んだのですが。
しかし後半から終盤。結局は何がどうなったのかという事で……有耶無耶のまま終わってしまった感がありました。
心象風景なのかな、とも考えましたが……現実なのか何なのか。現象的過ぎて、難解でした。
- 011 その果ての雨 (採点:4)
- 何ともまあ、けったいなお話で。
月面のような世界を想像しながら読み進めました。一体どういう状況なのだろうと考えに考え抜いて、それでも夢オチくらいしか思い浮かばず、結局はそれも含んでいたようでありますが(かな?)。なるほど。死に際だったとは。
気になったのは、表札が折原なのはわざとなのだろうか、という事で……でも茜の記憶を辿っていたのなら、やっぱり小坂なのかなあとも。
そして最後、どうして記憶も存在も思い出も温もりも全て消えた後に名前を呟いているのか。名前が出るのは即ち、全てが消えたわけではないという事の証明にもなります。矛盾しているので、前後に何か補足が欲しいところでした。
内容を総括すると、ヒトの死に際、今までの人生が走馬灯のように走り抜けていく場面を描いた作品。斬新であったとは思います。が、言葉を悪くすると、ただ殺しただけでもあります。
書きたかったのは果たして、俗に言う天寿を全うしての死に至る過程なのでしょうか。
- 012 曇り色の時間 (採点:3)
- ロリコンすか。浩平。
なんつうんだろうか……唐突さが全てというか、一体どうしてこう展開していくのかなあと……どういう状況から物語が始まったのか。
屋上にみずかが居て、浩平と楽しそうに会話。えいえんを示唆させる内容だったり、くだらない言い合いであったり。これは何なのだろう。
置いていかないでー。
- 013 『夕日の少年』 (採点:6)
- 一にも二にも雰囲気萌え。
ただ、後半の物語のところで、何を況やとしているか……と、うんうん悩んでしまいました。
やっぱ長いのを連続して読むと疲れるッすね〜。ゲフゥ。
- 014 風の辿り着く場所 −Eternal Happiness− (採点:4)
- 事故の前後で、目が視えてるんじゃないかと思ってしまう箇所が幾つか。
そしてそれを始め、どうもその辺の状況を飲み込むにあたって、不自然さを感じてしまうのです。
盲目の琴莉が同じく盲目のみさきを追い掛けて、家からどの程度離れているのかは分からないですが、大通りの交差点まで来るのか、とか。
琴莉とみさき、二人とも撥ねられて宙を舞った筈なのに、何故みさきは放置されているのだろう、とか。
おそらく衝撃の瞬間に琴莉の手を離れたであろう白杖に血が付着しているのか、とか。
ガラスの破片とは、路上での出来事ですから砕け散ったフロントガラスだと思うのですが、それだと粉々になるわけで、突き刺すほどの破片になるのか、とか。
一旦気になると、もう次から次へと……邪推までしても、どんどん疑問が湧いてきてしまいました。何でだろう。
- 015 その手を離す、その日まで。 (採点:3)
- 友情劇。
好きなんですが、どうにも小ぢんまりとしていて、それ故読んでいて退屈しました。
退屈は最大の敵。
- 016 二人が刻む永遠 (採点:4)
- 可もなく、不可もなく。……苦言を呈せば、ゆったり感が強すぎて、読んでいるうちにだれてしまいました。もう少しメリハリがあれば良かったと思います。
無個性的な作品、という印象が強く残りました。
- 017 欲深な微睡 (採点:2)
- 全体を通して起伏がなく、その上えらく説明的かつ機械的な文章で綴られていたので、読んで楽しむという概念がどっかに消えてしまいました。…ごめんなさい、ちょっと疲れてます。
…ポジティブに読まないと、味をしめるのは難しいかも。
名前だけ借りたオリジナルキャラクターによる独白をぼんやりと眺めているような印象でした。
- 018 この世界は (採点:6)
- 無学でゴメンなさい。童謡以外は殆どピンときませんでした。最後の最後も分からなくて、しかしそれで済ませてしまうのがあまりにも勿体無い気がして、脳内で南こうせつの「妹」と入れ替えて読了しました。……あ、あかん。今は亡きみさおとの未来を思い描いて浩平がこれを一人侘しく口ずさむ絵を想像したら、泣ける。(重ね重ねゴメンなさい)
作中に漂う雰囲気……というより、色が好きです。終盤あたりの。
しかし、それまでは、余分なものを出しすぎかなあと感じてしまったのです。
つまり、ちょっと詩子の設定にかまけすぎかな、と。
- 019 トライ (採点:3)
- 急かし過ぎ〜。特に台詞回しが安易過ぎて、一歩引いてしまいました。離れて読むと、チープさが全面に出て映る類だと思うのです。あんまり乱発すると逆に興醒めします。
それっぽい台詞群などは特に、それなりの下積みを重ねて使わないとかえって自分の首を絞めかねない諸刃の剣。結構刃が食い込んでいるようです。
浩平がただの柄の悪いあんちゃん化してて、それはキャラのごく一面を描いただけに過ぎないと思うのですが、そこしか書かなかったらそれが全てになってしまうわけで。印象はよろしくないです。
この速度が普通だとすると、作風の好みに引っ掛かってしまったのかも知れません。
- 020 Requiebros(愛の言葉) (採点:3)
- うむう……イマイチ魅力に欠ける。
キャラ造詣が浅く感じられます。
物語としての深さとでも言うのか、場面場面での雰囲気が出ていないと。
悪く言えば、言葉だけ……読んでいて、内実まで踏み込んで解釈する気力が湧きませんでした。
- 021 夏ノ空ニ夢ハ初マリ (採点:6)
- いや、好きですよ。好きなのですけど。とりあえず、好きなのは間違いないです。
でも。
…なんか浩平、原作より大人っぽーっ! 一体何なんだその達観さはっ。中三かっ。
何ですかね、やっぱり取りまく環境によって多少は振る舞いが変わるでしょうか(住井とか悪友達もその一因と)。
随所で適当に煙に撒かれたような感覚でした。それも、「うん? ……ま、いいか」で納得してしまう類のやり方で。だから、それ以降のストレスになる事もなく。
- 022 はやく昔になればいい (採点:7)
- もはやプロなんだかアマなんだか……その辺に売っててもまるで違和感なさそうです。
こういう場に出すには、ちと題材が生々しすぎて反感を買うかも知れないっすね。かく言う自分も、頭の中の心にガンガン警報が響き渡りました。それが今まで味わった事のない、一種異様な感覚――なんて言うんでしょう、恐れと警戒と言いようのない切迫感とが均等に混ざり合ったような――だったために戸惑い、迷いましたが、採点は抑え気味に。
原作を遥か彼方へうっちゃってました。それくら圧倒的で、どこまでも鋭利で、凄みすら感じられて。込み入った過去を持つ里村茜という専業主婦の人間的弱さや脆さを、その日常からねっとりと描かれていて。……ねっとり過ぎて、それが自分には仇になったのかも。
凄い作品だったと、そう感じます。
- 023 世界は終わり、或いは始まる。 (採点:5)
- 逆さま……ではなくて。なるほどなるほどぅ。
最低二回は読まないと分かりにくいかも。現実とは、そういう現実かー。まさしく現実でした。
何なんだろう、何をどう結びつけるんだろうと頭を悩ませながら読み進めたので……最後に判明しても、なかなか精神疲労が蓄積。
何しろ、【現実】パートを「えいえん」と誤解していたので、この並べ方は何なんだ、時系列が一体どうなっているのだこれは……うわ、騙されたー。という。
勝手に泥ダンスしてしまいました。うわん。
- 024 【呪いの唄】 (採点:8)
- 確か由起子と茜は面識があった筈ですが……原作で一度、助けてますし。
にしては、態度が余所余所しいような。
で……由起子って、浩平の母親の妹だったと記憶してますが……ひょっとして下調べ不足?
……と、前半で気になった事をつらつらと書いてから、今読み終えました。なるほど、設定改変でしたか。
まず、純愛というカテゴライズが……なるほどなあと、膝を打ってしまいました。いや、まさしく。
ラスト、瑞佳については一読しただけでは理解に至らず読み返しましたが、現場に瑞佳が出現して色々やって、んで由起子を落っことした、という解釈で合ってるでしょうか。
純粋ですねえ……真っ直ぐだ、真っ直ぐすぎらあ。魅力的であります。由起子よりも瑞佳が好きっす。
狂気は純粋がゆえに到達する状態、とか。逆もありますが。
日記を発掘……いや、元から知っていたのでしょうか、それを絶妙のタイミングで浩平に見せる……実に策略家であります。
由起子が帰宅した際、或いはその前後から監視していたのでしょうか。そしてタイミングを見計らって襲撃、ドボン、と。
この辺は想像ですよん。
が……その、鬼ごっこの辺り。確かに、ホラーの要素を含んだ演出としては効果があると思います。鬼気(危機)迫る逼迫感とでも言うべき……まあ、そんな感じの。
雰囲気はとても出るでしょう、この出し方ならば。
しかしそれが理由か、細かく無理を通している節が見受けられました……が、じゃあ他にどないせっちゅうねん、という事で……野暮というものですね。
組み立て方は、上手かったと思います。茜が噛ませ犬というか捨て駒でしたが、兎にも角にも殺し方が素敵。一番惨い、ある種残虐で魅力的な、惹き付けられてやまないやり方で殺してくれました。ありがとうございます。ここで一気にのめり込みました。
長いが、気にならない。良し悪しを判断する一つの目盛りですね。
面白かったです。
- 025 もういいよ (採点:7)
- これまた上手い具合に縫合されてましたー。
タイトルから連想したのは、もう人生の何もかもが嫌、そんな投げやり状態な人間を描いた話でした。「もうどーでもいいよ」というニヒリスト的なニュアンスで。
……見事に外れちった。
冒頭で、てっきり二人がカップリングなのかと……あの時点では友達関係でしたか。
隠し方とか、出し方とか、なかなかに堂に入ってたと思います。
欲を言えば、もうちょっと台詞を控え気味に、地の文を気取らせ気味にして欲しかったかも。雰囲気の好みなのですけど。
面白かったです。
- 026 ダンスインザダーク (採点:6)
- エンドレス?
真相には騙されました。えっ、こんなのアリ! みたいな。
が、どーいった心理の果てにこうなったんでしょうかなあ……変身願望? 憧れ? 嫉妬? 羨望? 願望と妄想の精神的な具現化? 捨てられたショック? 自分を瑞佳だと思い込むって……あうーっ。
親はどんな反応したんだろう……こんな状態でありながらもつつがなく日常生活を送ってる風でありましたので、気になりました。
読中読後に色々と悩んでしまう話だったため、低めですが。面白くはありました。
- 027 埋もれた夢に、あなたはいない (採点:9)
- ぐも、ぐももも。
良い。良いぞこれは。良いです。良くて、更に善い作品だ。
じゃあ一体何が良いのか? ……何でしょうねえ……アイデアもそそられるし、淡々と、しかし無駄な文は一切無い切り詰められた組み立て。あと住井萌え。
唯一、佐織の真相が判明した段階では驚きを通り越して違和感まで達してしまったのですが、最後まで読むとなんのその。
よくもこれだけ魅了さしてくれるものだと……正直、面白かったです。
- 028 歩いて帰ろう (採点:6)
- あっちらこっちら、端々で気になる事はあるのですが、えいえんのアットホームな雰囲気が好きでした。
作中に漂う、落ち着いた空気とでも言うのか。まったり感が。
時に、浩平。
……幼女に一体何さらしとんじゃあ! 裸体晒した上に誘導尋問たあ、男の風上にも置けん! だから、ね、こっちに来て。そのコツを教えて。
- 029 澪とみさきと長森と (採点:1)
- 読んでいて、凄くだれました。幾らなんでも、内容と容量にギャップがありすぎだと思います。
長い分、続きが気にならないものは途中から流し読みます。
内容については、細部が色々と気になる話でした。煮詰め不足な印象が。
- 030 『パラダイス☆銀河〜愛と絶望の小豆洗い〜』 (採点:3)
- ぶっ飛びすぎッすねえ……のっけからの唐突さは兎も角、序盤からラストまで乱射が過ぎて、終盤には荒唐無稽とさえ感じてしまいました。
あ、これいいな、というギャグも中にはあったんですけど、あー、なんかなー、というのが多勢を占めました。出るキャラ出るキャラに無理にギャグ役割を当てるものだから収拾つかなくなって、終いには暴走しているだけ、という印象に。
申し訳ありませんが、ギャグとして好きにはなれませんでした。
- 031 空の在り処 (採点:7)
- ゆったりしたお話でした。
静かで、丁寧で、優しい。そんな話。
目立った欠点もなく、インパクトもなく。その代わり、上のような美点があると。
面白い、とは言い難い……つか、求めるモノが違いますしね。
どう形容したらいいのだろう。兎にも角にも良い話でした。
- 032 ALive (採点:2)
- 薄いなあ……
完了形が連続多用されている文章のせいか、描写に深みが感じられず、また展開の安易さ、キャラの立ち回りの意図・理由が不明瞭、など諸々の要因もあり、上っ面だけという感覚が抜けませんでした。最後まで。
- 033 コイゴコロ (採点:6)
- 恋心って、どんな心なのかとか思って。辞書で索引したら「恋しいと思う心」とありました。むう。そんなものかなあ。
綺麗に纏まりすぎているのが……言い換えると、不自然なほどに波風立たなかった点が不満でした。それは、この二人ならではなのでしょうが、するとこの違和感の正体は何なんだという事で……なんなんだろう。とにかく、読んでいてしっくりこない。ただ漠然と、物足りなさが残りました。
内容そのものは、タイトルに沿ってしっかりと書いてあると思います。
- 035 夢を観た日 (採点:5)
- うむう、乱暴だなー。内容そのものではなくて、この雑然としている、しすぎている紙面が。
逆にその大雑把さが武器になっているとも思うのですが。でも、やっぱし荒い。
冒頭で爆笑しました。体がゴムマリのように床を跳ねる。さしずめ脊髄肋骨粉砕、と言ったところでしょうか。惨すぎます。
夢の中ではありますが、みさおと浩平の二人。力関係はちと好きにはなれませんが、それだけのモノが失われたのだ、という重さを計るには良かったのだと思います。なんたって強烈ですもの。
- 036 たいせつなひと (採点:4)
- ネタ被り……002と。
しかも、モロ。
生憎と、向こうを先に読んだ上、なかなかに気に入ってしまったもので……申し訳なし。
イジメ。
小学生かよ……と、画面の前で呟く自分の姿が。
中三の、それも不良男子のする事ではないっす。あまりにも低レヴェルで、臨場感に欠けます。
そんでもって、繭の強さを表しきれてないなと。あすこで強いと言われても、いまいちピンと来ないです。尤も、あるキャラの内面を、第三者の視点から深みを出すまで描くのは難しいとは思います。
……やっぱり、多角的に見ても、002のが数段良いと思います。
- 037 虚構少女 (採点:8)
- 実に良い。良いぜよ。
出だしは、何だか「こどちゃ」っぽくて引っかかったのですが、だからこそ顔を一つ近づけて読もうという気になりました。つまり、後ろ向きな感情が引き金で。
ですが、少し読んだら、すぐにのめり込みました。
兎にも角にも留美の周囲に立ち回るキャラたちの毒舌節ったらもう……種類は違えど、どれもこれも好きでした。「よくぞ言ってくれた!」と諸手を挙げて喜んでしまう、そんな応酬がたくさん見れて満足です。中でも、初っ端から悟りの境地に突入していた感のある浩平のcoolな口撃の数々には舌を巻きました。
更に、それだけで満足していたのに、浩平の指摘に対する留美の反応。ここでこう来るかっ!? と目をひん剥きましたが、やはり満足。
好みっす。それはもう。
- 038 廻り廻るAffection (採点:4)
- 何もあんな漢臭さぷんぷんにしなくたって……由起子。
あれでちょっと、いやかなり、イメージ狂いました。
そんで、話は……みずかのアレ、超常現象的な要素ですが、正直、好きではないです。
奇跡だとか、世界に上書きだとか、んな壮絶なものを、一言であっさり言ってくれるな、と。
一見すると究極の選択めいた場面も、その土台がそれ……つまり可変事象というあやふやなものですから、無理やりさ加減がイイ感じに滲み出て、なんだか軽いです。
総括すると、自分が違和感なく読むには、説明と説得力が不足していたという事になりそうです。
たぶん容量はギリギリでしょうが、後半を見て、そして前半を見返すと、不必要なまでに書きすぎている印象を持ちました。
- 039 フリップフロップ (採点:7)
- なんじゃ、なんじゃこりは。
面白い? ……なかなかに、面白い。
と言うより、興味深い?
…同じだー。
ちょっと読んだだけでは実体が掴めない類の話。なんだか不思議な読後感。読み返すとそれが損なわれそうなので、一度で止めておきます。
- 040 こんな愛の形も良いじゃない (採点:4)
- 機械的とでもいうのかしら。
地の文が、文字通り説明としての役割しか果たしてないんで、読んでいて面白味がないのです。なんだか硬いし。
極論すれば、どんな風に書いたってストーリーは流れていきますから、内容に見合うよう、もっと色気づいた文章のが良いんではないかと思ったりしました。
言い換えれば、作品と作者の間の“距離”が広すぎる……そう感じてしまって、それだけ冷めてしまうのです。
- 041 Last Lovesong (採点:3)
- ただひたすらに、気障ったらしい……と。個人的に、ロマンスをとっこしてその域にまで達してます。作中に漂うきな臭さを、汚染されているとさえ感じてしまいました。が、己の好みを引っぺがせば、それは作者の色なのでしょう。自分には合わなかったようです。
話は変わり、幼少時の浩平。なんだか別人みたい、というか別人? 設定が変わってるんでしょうか、真空飛び膝蹴りごっこして遊ぶような人間には見えませんです。
- 042 オレとあいつと彼女の事情 (採点:4)
- どこかで見たような……そんな感覚が常にストーキングしてきて。
読んでいて、さほど退屈はしませんでした。退屈はしなかったんです。
んでも、ここはこうで、ここはこうだな、などと安易に予想してみると、的中する。この展開は頂けないです。美味しくないです。何か尖がった要素が無い場合、それは王道ではなく使い古されたやり方として捉えられてしまいますから。…たぶん。
難解過ぎても良くないですけど、あまりあからさま過ぎても面白味が無いっす。
あと感じたのは……南一人称であるにもかかわらず、彼が気付いた事、思った事など、実際に誰かとの対話で明かされるまで、心理的にそのカケラも見えないのは些か無理があると。要は全体的に明示と暗示の使い方を考慮して欲しかったっつう事で……全部踏まえた上でそうしているのでしたらゴメンなさい。
- 043 夕焼け色のシンデレラ (採点:3)
- なんでこうもきな臭い話が多いんだろ……能動的に読まないと首を傾げてしまうような類の。
あー……なんだかんだで酔ってるなあと。文章。
読んでいてやきもき。
- 044 小さな幕間劇 (採点:4)
- なんだろう……なんでこんなに臭うんだ。もう、こういうのはお腹いっぱいっす。読むだけで疲れる。
この劇、語り手として語られてましたが、その実一体どんな舞台になったのか、想像力が及びませんです。随分と大掛かりなセットが必要になってきそうですが。
……相原って誰だろう。子? ……うーん。
えいえんを描いた劇だとは思うのですが、如何せん比喩にまで頭を回す気力が起きませんでした。
- 045 永遠と瑞佳のあいだ (採点:10)
- うんもう、ヤラシイね! サックする。初めて見ました。なるほど。教養ですね。サックされてえ。
サイコウでーす!(巨人の阿部風に。知らんかったらゴメンなさい)
のっけから奇妙な日本語表現――味わい深いとでも言うんでしょうか、そんな文章。開始四行で味をしめてしまい、そうするともう、止まらない。読み終えて時計で確認したら、あれ、いつの間にか20分も経ってるし。これだ、読んでいて時間など二の次三の次になってしまうような作品を待ってたんだっ。
そんでもって、随所で垣間見える(つうかモロ見せ)作者の顔がもうたまらんばい……展開・地の文ともども、ユーモラスでセンシティブで絶妙なナンセンス加減。そしてエロス。
部屋に忍び込んだ辺りではまだシビア路線で行くんかなーと訝しげな気持ちもありましたが、プチ強姦?→やっぱり和姦! しかもアナルで! のコンボが炸裂してからはいやっはー。このヘンタイどもめが。
そして何気に最後……冒頭が「ケツ」で、ラストが「ケツの穴」なんですよね。もう、大爆笑。なんでこんな細かいトコまでやっちゃってくれますか。ケツの「穴」を思いッきり蹴飛ばす住井。サイコウだ。痔には気をつけましょう。
- 046 キャラメルのおまけ (採点:5)
- 面白いとは思います。でも、それは着眼点。完成度も高いですが、如何せん、読んでいてだれてしまったのは残念。退屈は人類の敵。あれッスね、漫才のように視聴者を惹き込む力が無い。題材に興味がなかったら流されてしまう類だと思います。
一つだけ読む場合だったら、読めて良かったなーと思う話だとは感じます。
んが、自分のように四十何作品目かに読むとなると、それも似た傾向のものが多くて辟易してる場合ですと……そういうわけに。ぎゃふん。
- 047 「わたしはあなたと歩きたい」 (採点:8)
- 微笑ましい話です。読んでいて下品な笑いばかり出てしまう自分のすず黒さに気付かせてくれました。くひ、くひひひ。
ややもすると、その辺の恋愛小説に成り下がる……ん? それって凄い事では? …成り上がる。
ぶっちゃけ話自体は、それこそ少女漫画で幾度となく使われた手法で、ありがちですが、コンパクトながらも丁寧に書き込んであって、とても心地良い。
今回の作品群の中においての位置付けは……そーですね、訳の分からない群生物がそんじょそこらに生えている密林の中に咲く、一輪の花とでも。毒が無いし、一際美しい。
- 048 待ち合わせ (採点:6)
- 軽快さが気に入りました。
あんまり感想が湧いてこない類かも。
のほほ〜ん。
- 049 雨音は誰が為の歌 (採点:5)
- 前半の物々しい雰囲気から、およ、これはって仄かに期待を寄せましたが。
……なんか山場が、なんでああもあっさり風味なのかという不満が残りました。もっと出して欲しいんであります。雰囲気。それまでの丁寧さと打って変わって書き込む量が少なかったため、プロポーズに踏み切るタイミングっつうか、いきなり飛んでるよーとでも言うか。
- 050 セレナードで眠らせて (採点:7)
- 雰囲気が出てました。
投票締め切りに追われてさえいなければ、もっと入り込んで読めたと思います。うーん、残念。
おかげで感想も淡白に……お二人さん、お幸せにー。
- 051 南西の風は瑞穂実る平原に (採点:7)
- むむ……非常に洗練されているとは思うのですが、肝心なところで書き込み不足のやうな。
容量に食われました? なんだか勿体無いっす。
あああ、時間が無いからこれにて。
- 052 未来の二人に (採点:8)
- 感想書く時間がなくて申し訳ないです。
なんつうか、読ませてくれました。
○中山古都 さん
- 006 すてるす同盟 (採点:10)
- 永遠に捕われかけた3人の、それなりに前向きな生活風景が面白い。
それでいて切なさを感じさせる話の構成が見事で、じんと来ました。
バランスが絶妙ですね。良作です。
- 018 この世界は (採点:9)
- 優しい感じのお話というのが第一印象でした。
詩子の設定にも違和感を感じず、非常に素直に読めました。
茜や浩平との会話のテンポも良い感じで、面白かったです。
- 027 埋もれた夢に、あなたはいない (採点:9)
- 深い。人も世界も醜くそして美しい。
読後、一抹の寂しさと共に清々しさを感じました。
構成も良く、一気に読めました。良作です。
- 033 コイゴコロ (採点:8)
- 切ない。それが第一印象です。
微妙な三角関係がうまく描かれており、読後感は爽やかでした。
恋の切なさが、気持ちよくまとまっていて良い感じの作品です。
- 040 こんな愛の形も良いじゃない (採点:8)
- この組み合わせは珍しい。とはいえ上手くまとまっていると思います。
それぞれの恋の形がよく描かれていて、何か好きです。
- 052 未来の二人に (採点:10)
- 雪見とみさきがかなり「カッコイイ」ですね。
自分の信念を言葉に出来、それを実践できる人はそうはいないでしょう。
二人の友情の始まりも非常に納得できる感じで、心に残った作品です。
○長森長 さん
- 001 エターナリズム (採点:5)
- 途中までギャグだと思い読み進めていたのですが……実はシリアスだったんですね。少し、驚きです。
永遠を現実世界の団体とみなし、物語を展開する。それ自体は面白い試みだと思うのですが、ここまで改変してしまいますと、原作の設定が意味を成さなくなってしまうような気がします。
司の描写が原作のイメージと差がありすぎる点にも違和感を感じました(憧れの先生の死が受け止められなくて永遠に旅立つ繊細な印象)。
- 002 彼女の理 (採点:10)
- ONESSでは一、二を争うほど難しいと言われている繭の思考を、ほぼ完全にトレス出来ているのが素晴らしい。
確たる自分の視点を持ちながら、それを登場人物に置き換えて表現する。SSの基本中の基本なのですが、現実にそれを実現できているのはほんの一握り。恐らく、かなり熟練された書き手さんだと思います。
内容の方は、繭エンディングで描かれていた日記の保管ものなのですが、それがもう……あまりの描写の上手さに、読んでる途中痛くて痛くて。ラスト間際の解決シーンでは、それまでの苛めの部分がそこを盛り上げる為の伏線だと判っていても、終始涙腺が緩みっぱなしでした。
このような良作を世に送り出してくださった作者様に乾杯っ!
- 003 Fragment (採点:7)
- 「こうちゃん」と聞くと某長女を思い出してしまうのですが、まぁそれはさておき。
本文中にミスリーディングを誘う表現を多用するのは良いのですが、その結末が「偶然」に強く作用されるものだと少し、消化不良な感は否めないかと。推理小説で探偵が犯人だったような。そんな感じで。
最初と最後を合わせる手法や各キャラクターに振り分けられた自然な役割、爽やかな読後感は良かったと思います。
- 004 いつか、その日の為に (採点:8)
- 最初の「僕」は司だったわけですね。同級生ONEヒロイン総登場のドタバタ活劇で読者を惹き込み、そのままラストに向けて集束させる手腕はお見事の一言。
唯一つ苦言を呈させて頂けるなら、適度な範囲で改行し、もう少し読みやすくして頂ければ有り難かったかな、と。
- 005 マジカル☆ワードを唱えよう (採点:8)
- 演劇部の部長なら予め貰った台本を通しで読んでみて、役柄の割り振りとか考えるんじゃないかな、とあえて無粋な突込みを。
序盤、読み終えて「色物かよっ!」
すいませんすいません、浅慮な自分ですいません。
劇の内容にも、舞台背景にも、そして登場人物にも全てに意味があった訳ですね。
原作中でも語られている澪の強さ、その拠り所とされている浩平との思い出。
さらに心の支えが失われた時の年相応の脆さまで、ほぼ完全に表現できていると思います。
欲を言えば、澪エンディングに出てくるあの友人も出して欲しかったかな、とか。
- 006 すてるす同盟 (採点:7)
- 随所に散りばめられた小ネタにはニヤリとさせられました。
浩平とシュンのやり取りも、くど過ぎず、かといって淡白でなく。程よい感じでまとめられていた思います。
ただ、ギャグとシリアスの切り替えが少し中途半端だったような。
最後までギャグを貫き通すか、それともコメディ要素を極力薄めてシリアス色を強くするか。
どちらかに徹していれば、設定を生かした怪作、もとい快作と成り得たような気がします。
- 007 とある騎士の物語 (採点:5)
- 私は福祉関係には全くの素人なのですが、そんな私が見ても首を傾げざるを得ないような部分がいくつか見受けられました。
(学校以外)外に出れないみさきがどうやって訓練場に通ったのか。
みさきは盲導犬を取得できる基準を満たしているのか。
あと、常に冷静でいることが最大の資質とされている盲導犬が、ああも感情を剥き出しにするのはちょっと……無理があるかな、と。
SSだから、ではなく、ほとんど知識のない人も読むSSだからこそ、その辺りの情報を念入りに調査し、読者に誤った認識を与えないよう細心の注意を払って書き上げる必要があったと思います。
「K」の引用には、純粋にセンスの良さを感じました。
- 008 Search for (採点:6)
- 観測者として猫を選んだのは面白いのですが、若干その理由付けが弱い気が。
成体である野良猫でなく、例えば長森の家で飼っている子猫などを用いれば、刷り込みに対する説得力も増したと思います。
その分、新鮮味は薄れてしまうのですが……。
あと、クライマックス部分での演出が、少し過剰ぎみに見えました。
誰もいない屋上とはいえ、ああも説明口調で泣き叫ぶのかな、と。
フェンスに向けて嗚咽している所をみさきに話しかけられ、それで緊張の線が途切れてすがりつく、とかなら、自然な流れに見えたかもしれません。
……なんか押しつけがましい意見ばかりですね。すいません。
ところでこの猫って雌、ですよね?
- 009 Replica (採点:5)
- この世界、一番不幸なのは消されてしまう「登場人物」ではなく、「浩平」自身なのかもしれませんね……。
- 010 NOISY SILENCE (採点:6)
- うん、佐織はイメージ通り。
茜や長森みたいな受動的なヒロインには、詩子や(この作品に出てくる)佐織のような能動的なキャラが相方として映えますね。
『一番近くにいる人は忘れる』
本編とは異なる理なのに、すんなりと読めてしまう。後で修正されるとはいえ、このような発想が飛び出す点が素晴らしい&羨ましいです。
なのに何故この得点?
……自分でも良く判りません。強いて理由を上げれば、自分の読解力の低さでしょうか。
ラストまで読み進めて「えっ、もう終わり?」
恐らく、何らかの要素を見逃しているのでしょうが……。
- 011 その果ての雨 (採点:6)
- ちょっと好物ネタに頼り過ぎな感もありましたが、ちっさい茜でも〜マンタイ。なにも問題なしですタイ!
……と思ったら回顧録、だったわけですね。ふ〜む。難しい。
幸せと不幸の二つで分けるなら、この茜は間違いなく幸せの部類に入るでしょう。
愛する人と結ばれ、天寿を全うし、さらに親友たちに見守られて穏やかに息を引き取る。
しかし崩れゆく記憶を垣間見た私には、それを羨ましく感じる事が出来ませんでした。
あと微妙な線なのですが、漢数字が少し読みづらいのが気になりました。
いや、小説形体としては正しいとは思うのですが。
- 012 曇り色の時間 (採点:7)
- 何か独特の雰囲気のある作品ですね。
「長森」は日常の象徴でしょうか?
- 013 『夕日の少年』 (採点:5)
- 単なる誤字脱字でなく、文法的におかしな点が多々見受けられます。
時折ハッとさせられるような巧みな情景描写が挿入されていただけに、なおさら残念です。
- 017 欲深な微睡 (採点:5)
- 浩平がえいえんを望むのではなく、自らを律する事によって絶望を耐え抜いたのであれば、長森がこの作品に出てくるような「瑞佳」になった可能性もあったと思います。
本編中でも、傍から見れば長森が一方的に浩平の世話を焼いているようで、その実浩平に依存していたような描写もありましたし。
そしてその「瑞佳」が感じたであろう葛藤。
思春期の少女にありがちな、他人から見ればなんでもないような悩みから、暗く、重い、自分と、そして幼馴染である「浩平」の存在意義まで。
非常に巧みに描かれていると思います。
そう、設定的な面にさえ目を瞑れれば、一人の少女の克明なる手記として読めたのですが――残念ながら私には許容する事が出来ませんでした。
狭量な感想人で申し訳ありません……。
- 018 この世界は (採点:5)
- 会話文の比率を減らし、状況説明以外の地の文を追加する事で、今とはかなり印象が変わると思います。
……や――の多用は諸刃の剣。玄人でもお勧めできない、とどなたかがおっしゃっていたような気が。
物語の流れを断ち切ることも多いので、心持ち控えめにしたほうが宜しいかと。
専門的な知識が必要なネタは不利ですよ。例え使用するにしても、誰でも判るよう簡単な説明文は必要かな。
繰り返し表現も抑え目で。簡単でもいいので、描写方法を変えるとか。
お話自体は、普通に読ませて頂きました。
特に後半、演奏終了後の流れは、なかなか綺麗にまとまっていたかと。
良く調べないと判らないような本編設定も随所に盛りこまれていましたので、作者様は本当にONEが好きなんだな、と勝手に納得して一人頷いていました。
- 022 はやく昔になればいい (採点:6)
- 実は高柳が司で、茜に忘れられていたのを恨んで復讐を企てていた――とか考えていたのですが、そんな単純な物ではなく茜の内面の問題だったんですね。安直過ぎる自分に反省。
- 024 【呪いの唄】 (採点:7)
- 再読してみれば、実に上手く伏線が散りばめられていたんだなぁ、とつくづく感じ入ったり。
例えば導入部のみを見ても、
>実にタイミング良く現れる奴だ。
>三人でいる時はこんなアクシデントが多い。
等、結末を知って初めて意味を持つピースがそこかしらで見つけられ、嬉しくなってきます。
アイスクリーム事件も、長森が由起子の占いを信じさせる為に行ったんだな、と。
そう、前半はかなり上手く考えられていると思います。が、気になったのは後半。
茜を突き飛ばした由起子が現場に残っているのは不自然だし、ずっと日記を書いていたのもご都合主義的な感じがするし、問い詰められて豹変する部分も唐突過ぎる印象を受けますし。
ヒールで浩平に追いつく脚力も謎です。何より緊迫感を増すはずのホラー部分(?)が全然怖くない。
ホラーでなくダークものとして上記疑問点がじっくりと書き込まれてあれば、文句なしに最高クラスの評価を付けさせて頂いたと思います。
- 025 もういいよ (採点:5)
- 広瀬と七瀬の対決シーンが欲しかったような。
「私、折原が好き」「私、折原と寝たの!」バシーン
……まぁ上のは冗談として、浩平が七瀬を庇うイベントを通過している以上、何らかのフォローは必要だったと思います。
七瀬に浩平を異性として認識していないことを語らせるとか、広瀬の態度を見て七瀬に身を引く決意をさせるとか。
みさお――浩平――広瀬関連の「かくれんぼ」イベントに関しては、物語の核となるだけあってよく練られており、矛盾点も見当たりませんでした。
でもその前段階。高校生にもなって急にかくれんぼがやりたいと言い出した七瀬。
そして過去告白。ベッドシーン。
この辺の流れの不自然さが少し、目に付きました。
特に後者は、泣き出した広瀬を抱きしめるだけでも良かったような気がします。そんな無理に押し倒さなくても……。
- 026 ダンスインザダーク (採点:9)
- 上手いなぁ。なるほど、あのコーヒー牛乳は実は巧妙なトリックだった訳ですね。
もし本当の長森なら、「こんなの邪道だよもん!」てな感じで握りつぶしていただろうから(違
家族には何て呼ばれていたのだろう?とか、雪見を刺したみさきが何故ストーキングを続行できるのだろう?とか、多少の疑問点は浮かびましたが、ある程度理由に見当が付くので、あまり深く考えずに読み進めておきました。
出来れば本文中でも詳しく説明して欲しかったのですが……そこまでしてしまうと物語全体が安っぽくなってしまう可能性が強いので、このままの方が良いのでしょうね。
とりあえず雪見告白時までみさきだと気付かなかった時点で私の負け、ということで。
ところでタイトルは何故カタカナなんでしょう?
- 027 埋もれた夢に、あなたはいない (採点:8)
- ――なるほど、そう来ましたか。
中盤辺りまでは佐織の行動に憤慨しまくりの自分。
親友だったら打ち明けてやれよ。
どうして住井を使うんだ?
何故そんなに自分が傷つくことを恐れる?
完全に作者様の思惑通りに。まさに釈迦の掌に乗っている孫悟空状態。
なんで自分より長森の方が強いと思うんだろう、年齢の割に大人びた思考だな、そこまでして浩平が消えたことを認めない理由は?
読中で感じた数々の疑問点も、あの過去を読めば納得できます。
まさに構成の勝利、ですね。
- 028 歩いて帰ろう (採点:5)
- 最後の浩平の台詞は、かなり無責任かと。
帰れる確証がないのに茜にその言葉をかける。結果、希望を再度見出した茜はずっと司を待つこととなる。
司も、みずかをそのままにしておけない、と、自ら残ることを志願しておいて、いつかは帰れる、と伝えることを願う。
普通にほのぼのコメディちょっといい話、として読めれば良いのですが、童話でも「めでたしめでたし」の後に浮気とかあるだろ!と、現実的なことを考えるタイプなもので……
情緒の無い突っ込み、申し訳ありません。
- 029 澪とみさきと長森と (採点:6)
- ゲーム本編を彷彿させる雰囲気に後押しされ、サクサク読み進めることが出来ました。
ただ、幾分冗長過ぎる感も否めません。動きが少なく、ほとんど会話のみで進行しているため、人によっては途中でダレてしまう可能性もあります。
一つ一つの掛け合いに割く容量を少なめにし、もうあと二、三イベントを追加すれば、丁度バランスが取れて全体的に引き締まったのではないかな、と思いました。
- 030 『パラダイス☆銀河〜愛と絶望の小豆洗い〜』 (採点:7)
- 茜登場の件では笑わせて貰ったのですが……いかんせん濃すぎ!
もう少し全体的にギャグをばらけさせて欲しかったです。部分部分は面白いので。
いや、勢いで押して行く話なのは理解しているのですが、こうも濃いネタが続くと、素材一つ一つの持ち味が殺されちょっと勿体無いかな、と。
- 033 コイゴコロ (採点:5)
- 既存の登場人物で代用可能な部分は、出来うる限りオリキャラを使わない方が良いような気が。
詩子と茜の交互視点、詩子が浩平への気持ちを認識してエピローグ。
浩平がある程度揺れているのならともかく、開始直後から完全に茜に傾いてしまっているのが読み取れるので、その辺りのドラマ性を増せばもう少し盛りあがったのではないかな、とは思います。
- 034 莫逆の友の恋 (採点:10)
- いや、もう、言うことなしです。
小ネタにまで伏線を張り巡らす構成力、程よくシリアスを織り交ぜる展開力、読者に疑問点を抱かせない説得力。
混同されがちな住井と浩平の性格が完全に書き分け出来ている点にも感心しました。
- 035 夢を観た日 (採点:5)
- みさお物は、大体二つの系統に分類されます。
一つはみさおが死ななかったと仮定してその後の世界を描く設定改変もの。
そしてもう一つがえいえん。浩平が想像し、創造した世界でみさおと過ごす「えいえん」もの。
これは後者ですね。長森らヒロイン陣がいなかったのは幼い頃の想像だからでしょうか。
それにしては髭がいることが気にかかりますが。
上記疑問点は別にすると、読み始めてすぐに「えいえん」ものだと気づきました。
それからは読み方をみさおと過ごす日常を追う方向に修正し、どれだけ「物語」として楽しめるかを注視して読み進めて行ったのですが……。
少し、突拍子過ぎるかな。病弱な妹が健康を回復し、大切な人を守る為に強くなる。比較的よく見かける設定ですが、有りだとは思います。
が、師匠だの最強だのの単語が飛び交うと急速に現実味が薄れ、嘘臭い世界観に。
フィクションに対してなに言ってるんだ、と思われるかもしれませんが、架空の世界では架空の世界なりにある程度の枠組みは必要です。
確かにONEキャラを使用した異世界ファンタジーもの等も存在しますが、「現実」を認識してそこを舞台としている以上、通常妹キャラクター以上の華美な装飾は必要なかったのではないでしょうか?
- 036 たいせつなひと (採点:6)
- え〜っと、みあが繭に一目惚れして守ってあげようと決意したのでしょうか?
そうでないなら、みあとその友人が繭を守ろうとする理由付けが少し弱いような気がします。
導入部を見る限り、みあは興味なし、他の友人に至っては嫌悪感さえ抱いているのに、自分たちが苛められるかもしれない危険を冒してまで繭を助けるかな、と
折角のみあ視点、徐々に繭に惹かれて行く様子をもっと克明に描いて欲しかったです。
容量的にもまだかなりの余裕があったようなので。
学校訪問イベントは、なかなか良いアイディアだと思いました。
- 037 虚構少女 (採点:8)
- オリキャラは違和感なく溶け込んでいましたし、お話自体ももう一つの七瀬シナリオとして無理なく展開していましたし、その辺りでは全く問題なく、いやむしろ非常によく書き込まれていたと思うのですが……後味悪っ!
友人と和解できずに別れたり、中途半端な状態のまま浩平が消えたり、と、偽りの七瀬を表現する為に必要な方法と判っていても、読み進めるのに結構精神力を労しました。
それが作者様の狙いだとすれば、そのものズバリで的中している訳ですが……。
- 040 こんな愛の形も良いじゃない (採点:5)
- 空白行が多いなぁ、と思っていたのですが、まさかこれが最後のどんでん返しの為の伏線だったとはっ!
……考えすぎですか?
- 041 Last Lovesong (採点:5)
- 作者様の思惑とずれた見方になってしまいますが、最低限の(設定的な)説明は必要だと思います。
浩平がえいえんに消えた痕跡があるのに、舞台は高校三年のクリスマス前。
もし半年程度で帰ってこれたのなら、その辺りの理由と当時の状況を、簡単でも良いので描写しておいて欲しかったです。
それと浩平の性格。特に過去回想においては、美化しすぎかと。
沈んでいる瑞佳のスカートめくりをして励ますぐらいが彼のイメージにはあっているような気がします。
あるいは、長森を苛めていいのはぼくだけだ、とか。
上記設定を抜きにして考えれば、恋愛と夢の間を揺れ動く一人の少女の心情が巧みに描かれていたと思います。
- 044 小さな幕間劇 (採点:6)
- ジャンルを見て剣と魔法の世界を想像してしまったのですが、メタ的なお話だったんですね。
ラストの相原少年は浩平でいいのかな?
- 045 永遠と瑞佳のあいだ (採点:5)
- この浩平は望んで「えいえん」へと旅立ったのでしょうか?
ただそれだと茜の幼なじみ同様、現実世界への復帰がありえないはずなんですが。本人の意思で「あちら」にいった場合。
結局の所、二人にはこういう関係も似合っている、として締めくくられていますが、私には浩平がたんなるヒモ崩れにしか見えませんでした。
あと、特に理由のない場合、常用漢字は使用した方が読みやすいですよ。
- 046 キャラメルのおまけ (採点:8)
- 単に「えいえん」を描いただけではなく、作中になんらかのメッセージ性が盛り込まれているのでしょうが……今の私のレベルでは、それを読み解く事は叶いませんでした。無念。
キャラメルのおまけの比喩対象や、みさおの本当の正体も、判る人には判るんですよね。私ももっと本を読まないと……。
- 047 「わたしはあなたと歩きたい」 (採点:7)
- しっとりとした落ち着いた感じのお話ですね。
笑い所や泣き所はありませんでしたが、安心して読み進めることが出来ました。
「適齢期の女性は強い!」じゃなくて、「七瀬格好良い!」でもなくて、「お二人さん、お幸せに!」
- 051 南西の風は瑞穂実る平原に (採点:6)
- たった二人の女子生徒の関係でクラスの雰囲気がこうも変わるものかな、とか、瑞佳の親友の佐織はどうしていたんだろう、とか、細かい部分での疑問点はありましたが、一つの読み物、アフターストーリーとして綺麗にまとまっていたと思います。
ただ、ぬいぐるみに食事をさせようとする場面は、少しやり過ぎじゃないかと。
ここまで行ってしまうと、親を呼ばれる・もしくは病院に連れて行かれる等、遠まわしで見守るだけですまない事態に陥るような気がするのですが。
正気に戻った後も、クラスメイトは普通に接しない(接せない)でしょうし。
○辻音楽士 さん
- 005 マジカル☆ワードを唱えよう (採点:7)
- 今回のコンペで最も印象に残った作品の一つ。だが、それだけに終盤での失速(私にはそのように感じられた。)が残念であり、本当に惜しい。
- 027 埋もれた夢に、あなたはいない (採点:7)
- ラストの一節に「鮮やかなモノクローム」(第2回かのんSSこんぺ中篇部門10位入賞作品)の最後の一節を思い起こした。こういう一節で締めくくられている物語って、実は結構好みだったりします。
- 043 夕焼け色のシンデレラ (採点:7)
- 最初に謝っておきます。間違えていたらごめんなさい。碧郎さんですか?
○天葉あさみ さん
- 029 澪とみさきと長森と (採点:7)
- ほのぼのとした情景が浮かんできました。
- 052 未来の二人に (採点:6)
- 「いい作品でした」ただそれだけです。
○投票者二回目 さん
- 001 エターナリズム (採点:9)
- 浩平対シュンは体勢が解りにくかったです。
城島対シュンは長い一文があって読みにくかったです。
葬式での浩平の台詞は特に私の心を打ちました。なんだか熱いSSですね。
- 002 彼女の理 (採点:8)
- 題材のとっつきにくい作品ですが、そこに作者様の心意気すら感じます。
構成は読みやすい物でしたし、繭視点の幼い表現も上手く演出にされていたとも思いました。
しかし終盤の台詞には首を捻ります。そこは繭だから仕方が無いのですが、それでも何とかして欲しかったです。
- 003 Fragment (採点:9)
- 空き具合が何とも言えません。ホイールだと手数を要し、PageDownだと空白と文章のバランスが絶妙に不快です。
イベントの数が少ない気がします。
もっと色々な場面を描写しても良かったのではないでしょうか。
最後のEpilogue againには感動しました……?
よく考えると更に文章量が目減りしているわけですね。もう少し読みたかったのですが。
- 004 いつか、その日の為に (採点:2)
- 展開が中だるみしているように思えます。色々と削ぎ落とせる所があったのではないのでしょうか。
話のテンポさえ良ければもう少し高い点をつけた筈なだけに残念です。
- 005 マジカル☆ワードを唱えよう (採点:5)
- 試みは斬新なのですが、斬新が過ぎて在り来たりとも思えます。
本筋自体は至って真面目なので普通に読めましたが、ギャグかコメディだったら読めなかったかもしれません。
最後は浩平にトリを攫われた、という感じでした。台詞の単純さと相まって、物語が台無しになってしまった気がします。
- 006 すてるす同盟 (採点:8)
- 中盤からのギャグとシリアスの切り替えが頻繁かつ極端で堪りません。もう少し上手い繋げ方はなかったのでしょうか。
シリアスパートが好みだったので、シュンがシリアスを直ぐにギャグにしてしまうのは悲しい事でした。
- 007 とある騎士の物語 (採点:1)
- 話の展開がありきたりではないでしょうか。色々な所から借りてきている、という印象があります。
実況中継をさせるだけでは視点を移したとは言えないのではないでしょうか。
感嘆符には読者を驚かせる効果がありますので、乱用は熟慮の上で行って欲しいのですが。
ホーリーナイトのスペルは作中で両方を表示するべきではないでしょうか。
歌詞にリアリティが無さ過ぎるのはどうすればよいのでしょうか。
人を襲うような野犬は直ぐに捕まると思うのですが、一年間誰も襲わなかったのでしょうか。
日本人なのにノエルなどと名付けられてしまう赤ん坊が気の毒で仕方ないのですが。
設定の不備が多いように思えます。文を書く前にプロットをよく見直してみてはいかがでしょうか。
- 008 Search for (採点:10)
- 天気、なんて言い方をする若者がいるのでしょうか。
句点抜けも通常は気にしないのですが、十点の作品には完璧を期待していたので悩みました。
冒頭での伏線から“猫”の明示までの間が不安でした。
猫が町を出る場面は前半の伏線の為に移動してきたのでしょうか。何の前触れも無く場面が転換したので戸惑いました。
結びの転換は気に入っていますが、猫は何故人間になることを嫌っているのでしょうか。謎が残ってしまいました。
何のかんの言いましたが、緻密な構成の小説は読んでいて気持ちの良いものです。作者様の今後の活躍も期待しています。
- 009 Replica (採点:4)
- シュンとの邂逅の時点で七瀬が世界を終わらせる事は予想出来るのですから、
それ以降こそが重要なのではないでしょうか。未完の印象が拭えません。
ループさせるにせよ、現実に繋がるにせよ、とにかく書いて欲しかったです。
- 010 NOISY SILENCE (採点:4)
- オリキャラとも言える佐織の設定に馴染めませんでした。オリキャラの導入はもう少し丁寧に行って欲しいです。
茜がいきなり激しくなるのには引きました。
エピローグが唐突だったように思えました。解答が冒頭のみ、というのは間を置きすぎてるのではないでしょうか。
そういった要素諸々を含めた総合的な展開がいま一つ不自然に思えたので、少し低めに評価をしました。
- 011 その果ての雨 (採点:6)
- 完璧に忘れ去られている司の事を想うと涙が零れそうです。
不自然に思えた文は幾つかありましたが、主題や作風は実に好みでした。作者様の今後の活躍に期待しています。
- 012 曇り色の時間 (採点:6)
- 現実に対しての諦めを作品の主題に据えているように感じます。読んでいて鬱になりました。(誉め言葉のつもりです)
舞台は殆ど屋上のみ、絡む人物は瑞佳だけ、要のみずかとの会話も装飾的な物が中心です。
物語が薄かったという印象が強く残り、どうにも中編作品を一本読んだ気分になれませんでした。
- 013 『夕日の少年』 (採点:9)
- 登山部よりも山岳部の方が一般的な名称ではないでしょうか。
全編に渡って橙色の情景を感じる作品でした。
色彩や風景の描写が豊富で、とてもノスタルジックです。
しかし、豊富な色彩描写、段落の大きさの為、読むのが疲れる作品であると思います。
この話で一人だけ何も得ていない繭が妙に気の毒でした。なんだか導入の便利屋みたいです。
- 014 風の辿り着く場所 −Eternal Happiness− (採点:4)
- 作中の誤字は書き手の日本語能力を疑う程のレベルです。どうしてこんな誤りをしてしまったのでしょうか。
章の題目が安直過ぎるのではないでしょうか。
文体のパロディは慎むべきではないでしょうか。
出会って一日の人間がそこまで心に残るものでしょうか。
近郊に住む同級の障害者同士が初対面の筈は無いと思うのですが。
琴莉のキャラクターは既存の人物を連想させるのですが。
構築された世界には不可解な点が満ち溢れています。プロットをもっと煮詰めてみてはいかがでしょうか。
- 015 その手を離す、その日まで。 (採点:2)
- 過去に何があったのかを知っている以上はどうしても中盤までの盛り上がりに欠けてしまいます。
それ以降の内容も簡単に類推出来るものですので、物語を楽しめませんでした。
- 016 二人が刻む永遠 (採点:7)
- 温かみのある作品でした。特に用語についてのフォローが行き届いている所に好感を持ちました。
- 017 欲深な微睡 (採点:4)
- 推敲とか誤字とかの次元ではなく、文章自体が完成していないのではないでしょうか。
ベータ版の状態で採点しなければならない事を残念に思います。
作風、完成度の関係で高順位は望めないのでしょうが、創作部分は面白かったです。
結果発表後に完全版を読めると信じていますので、頑張って下さい。
- 018 この世界は (採点:8)
- 台本のような文章ですが、何故か話の展開は普通に理解出来ました。脚本家の方なのでしょうか。
精華という名の高等学校は実在します。問題は無いとは思いますが。
『関心』のような誤変換の典型は最優先でチェックして貰いたいところです。
クラシックはまだしも、民謡は意外と聴く機会が無いものだと思います。
随所の小ネタまでもが音楽絡みですので、人によっては中盤に何も価値を見出せないのではないでしょうか。
最低でも終盤の伏線になっているスケルツォ第二番、小犬のワルツは作中で解説するべきだったと思います。
確かに難解な作品ですが、それは読み手次第でもあるので減点にするべきではないように思えます。
この明らかにコンペに不利な題材選択が作者様の心意気故ならば寧ろ加点したいぐらいです。
今回の順位は奮わないかもしれませんが、作者様の今後の活躍には期待しています。
ついでに今後の作品に解説が付録する事にも期待しています。
- 020 Requiebros(愛の言葉) (採点:6)
- 作中では『・』の数を使いわけていますが、二点リーダ(‥)と三点リーダ(…)の方が見栄えがするのではないでしょうか。
中黒の多用はそこで流れが止まってしまうように感じる為、私は好みません。
『夢のおわりに』から『愛の言葉』へと長森の心情が移っていく過程が話の筋なのですから、
『夢のおわりに』に当てはまる状況である事を明示した方が効果的だったのではないでしょうか。
中盤の夢については特にそう思います。
『愛の言葉』を演奏するようになる心情は本番の直前に描写するべきであったように思えます。
時間的にも場面的にも間に一つ挟まっているので、流れを感じにくかったです。
- 021 夏ノ空ニ夢ハ初マリ (採点:5)
- 中学時代という設定は面白かったのですが、本筋が単調だったのではないでしょうか。
中盤からは本編の説明が大半ですので退屈でした。
- 022 はやく昔になればいい (採点:10)
- この作品を一介のSS作家が執筆したとは思えないのですが。私的評価では中編部門一位です。
茜の行動、世界観の為に減点する投票者が確実に増えるだろう事が惜しまれます。
- 023 世界は終わり、或いは始まる。 (採点:10)
- 二重引用符は始めと終わりを使い分けて欲しかったです。
半角文字は特に気になりませんでした。
基因は起因の誤りでしょうか。
妊娠している長森が飲酒をするというのは考え難い事です。
『携帯電話を取り出すと手元で操作すると』『有名だっとしても』 微妙です。
『痛々しい位までの欲望』 語感の明るい言い回しを望みます。加えて脱字です。
細かい指摘でしたが、十点の作品には完璧を期待してしまうという心理を理解して頂けると助かります。
初読の途中までは章の副題が安易であると思っていました。
読み終わった今は、納得しつつ、悲しいです。
読者の心に何かを残す、という点ではSS最高峰の作品ではないのか、とさえ思いました。作者様の今後の活躍も期待しています。
- 024 【呪いの唄】 (採点:6)
- かごめかごめを特に使う必要はあったのでしょうか。解釈が多岐にわたる歌ですから変に勘ぐってしまいました。
“由紀子”のような紛らわしい漢字は単語置換ソフトでのファイル内一括変換をお勧めします。
“ファイルから置換”などはいかがでしょうか。小犬のワルツから探せる筈です。
この作品では特に由起子と由紀子が混ざっているので、流石に印象が悪いです。
長森の伏線が多いので、由起子の後に来るか、と思っていたのですが。本当に最後だけなのが残念でした。
由起子の恐ろしさが足りない気がします。これはただの危ない人です。一人だけ薹が立っていますし。
浩平の逃げが不満です。もっと恐怖と悲痛で彩りつつ引き伸ばして欲しかったです。
全体的にもう少し突き落としてもいいのでは、と思いました。
- 025 もういいよ (採点:1)
- 読点が過剰ではないでしょうか。
独白部は広瀬視点である事を利用すればもっと効果的に演出できたのではないでしょうか。
みさおと広瀬が友達、などという決定的な情報はクライマックスで明かされても説得力に欠けるのではないでしょうか。
色々な部分が読みにくい作品でした。
- 026 ダンスインザダーク (採点:6)
- 本にガン幸福が作者様の仇名にならなければ良いのですが。少し心配です。
>浩平が川名みさきさんを一人の女性として見ていたことを誰よりも知っている私は。
>浩平を憎むことなど、できはしないのだ。
これは主人公がみさきだと示された時点で前提条件が覆ってしまいます。
>それこそが浩平くんのなかの私、「川名みさき」だったのだ。
>盲人ではなくなった私は、既に川名みさきではなかったのだ。
この辺りで先程のくだりを絡めた強い憎しみ、又は愛情を前面に出す事を希望します。ふれる狂気だけでは不満です。
みさき達との対比自体は楽しめたのですが、浩平(及びリアル長森)が綺麗なままの作品だ、という印象が残ってしまいました。
最後のループは秀逸でした。素晴らしくダークなオチだと思います。
- 027 埋もれた夢に、あなたはいない (採点:5)
- 大仰な文体が不自然に思えます。作品に入り込めていなかったので逆に冷めてしまいました。
- 028 歩いて帰ろう (採点:8)
- 自然な展開、読者を飽きさせない小ネタといった作者様の技術が光る作品でした。
それと同時に、無難に纏まった癖の無い作品だったとも思いました。
人物の役割や感情の動き方が余りにもステレオタイプだったのではないでしょうか。
浩平‥‥元気な主人公。困難にもめげずに頑張って、最後には目的を成就する。
司‥‥‥最初は無関心。次第に主人公に共感し、最後は「ありがとう」→「さようなら」
みずか‥最初は好感を寄せるが、自分から離れていく主人公に可愛さ余って敵化。最後は「ごめんなさい」
みずかは少し違いましたが、これは相当にありふれた設定です。
早い段階で終わり方を予想してしまった者としては、何かしらの工夫をして欲しかったです。
- 029 澪とみさきと長森と (採点:1)
- 作者様の題材に対しての責任感が不足しているように見受けられます。
無邪気さを大っぴらに咎めるのは憚られるのですが、仕方の無い事と割り切らせて頂きます。
暗所恐怖症の兆候すら伺える唖者をロッカーに閉じ込めて、それが平然と流されるものでしょうか。
掃除当番を全員に押し付けられた場合、その悲しみは如何ばかりでしょうか。
触手話や指点字について知らない障害者などは有り得ないのではないでしょうか。
最低でも盲聾者の意思伝達手段についての下調べが必要だったのではないでしょうか。
作品の評価は二点ですが、私見では失格対象ですので便宜上一点としました。
文面こそ整えていますが、私の心中は悲憤にて慷慨しています。その所以を察してください。
- 030 『パラダイス☆銀河〜愛と絶望の小豆洗い〜』 (採点:3)
- 不条理ギャグには半端なストーリーなど必要ないのではないでしょうか。
筋の不条理が気になって、ギャグを楽しめませんでした。ギャグ自体は面白かったのですが。
点数は少し酷い気もするのですが、ギャグはオッズが高いから外したら悲惨に決まってる……ということで三点、残念賞です。
- 031 空の在り処 (採点:5)
- 途中からの澪とのやり取りが冗長に思えます。
澪の役割はあくまでもきっかけなのですから、簡潔に纏めるべきだったのではないでしょうか。
- 032 ALive (採点:1)
- 作中の音楽関係の描写は殆ど全てが間違っています。空想だけで創作をする事はお勧めできません。
- 033 コイゴコロ (採点:9)
- 徐々に雲行きを悪くしておいて最後に快晴、という展開が心地よかったです。
- 034 莫逆の友の恋 (採点:9)
- ジャンルがラブコメという所からしてギャグですね。素晴らしいネタでした。
シャボン玉のシリアスは不意打ち過ぎます。初めは新手のギャグかと思いました。
終わり方が呆気ない、という印象がありました。途中までのギャグが仇になっているのが不思議です。何故いきなりラブコメに??
点数は悩んだのですが、ギャグはオッズが高いから配当を大きくしてもいいのかなあ……ということで九点です。おめでとうございます。
- 035 夢を観た日 (採点:7)
- 句点抜けや改行ミスが最悪に多いです。〆切直前の慌てぶりを想像してしまい、悲しくなりました。
同時進行のシリアスとコメディが実に切ないです。
ラストが簡単に予想出来てしまうのは問題だとは思いますが、わかっていても切ないんです。
しかしその分だけ、夢が破綻した後は退屈でした。まず最初の平仮名で読み気を削がれました。それ以降も単調だと思います。
オープニングのパロは面白かったのですが、何か別の作品を揶揄しているように見えるのが気になります。
とりあえず全体的にパロディが多い作品でした。元ネタが理解出来なかったものもあったと思います。
- 036 たいせつなひと (採点:4)
- 楽観の度合いが私の好みではありませんでした。どうにも痛々しく思えてなりません。
- 037 虚構少女 (採点:3)
- 導入で相当に引きました。読むのをやめようか、とさえ考えました。
オリジナルキャラクターについての設定がしっかりしているのは解るのですが、読み手には順を追って説明するべきではないでしょうか。
- 039 フリップフロップ (採点:8)
- 章の区切りにはセクション(§)のような記号を使えば見栄えがすると思います。
みさおの台詞には『っ』が多いです。キャラ作りはもっとさりげなく行うべきではないでしょうか。
世界Bは時間順に、Cは叙述順に対して章番号を振っていることになる点が気になりました。
>「こ・こ・だ・よ」
私個人は中黒の多い文は流れをとめてしまうものだと思っていますので、回転の速い場面でこのような表現を使って欲しくはありません。
私の作品に対する理解が十分かどうかが不明です。以下は世界観を含んだ感想ですが、間違っていそうならスルーして下さい。
『永遠視点での並列世界の俯瞰(構築)』とも、『夢(永遠)と現実』とも、はたまたその両方であるとも解釈できるように思えます。
題意を考慮すると『永遠視点での並列世界の構築』が適当……であって欲しい、というのが私の希望です。
『序.「世界の果て・B」』
文体が世界Aと同じで混乱しますが、ここをどう取るかで解釈がわかれるのでしょうか。先と同じ理由からAとして欲しかったです。
意外性の高い解釈としては、『序章と終章の物語を紡ぐ人は作者様』という若干危険なものがあります。
この手のオチは嫌いなので違うと思いたいのですが、その解釈でもとりあえず問題は無いように思える事が只々恐ろしいです。
- 040 こんな愛の形も良いじゃない (採点:1)
- 登場人物の言動が不条理です。
文章の単純さは最早小説とは呼べないレベルです。
話の本筋やネタには問題は(多分)ありませんので、まずは普通の文章を書けるようにしてみては如何でしょうか。
- 041 Last Lovesong (採点:2)
- 二次創作の利点を手放しているような作品ですので加点が難しいです。
ここまで設定を変えるのならば、いっそ創作にしたほうが良かったのではないでしょうか。
- 042 オレとあいつと彼女の事情 (採点:5)
- 佐織、南についての設定は殆ど創作になるのですが、どうしても動かし方が不自然に思えてなりません。
嗜好の問題のようにも思えますので、私の意見は適度に無視して下さい。
- 043 夕焼け色のシンデレラ (採点:7)
- 会話で一気に謎解き、というのは物語らしくないように思えます。
イベントを交えて少しずつ展開させて欲しかったです。
- 044 小さな幕間劇 (採点:2)
- ここまで本格的にやっておいて幕間劇とは、これ如何に。幕間劇とは『幕の下りている休憩中に行う軽い劇』の事ではないのでしょうか。
肝心の劇の内容は本編での永遠を絵本風にアレンジしただけのように思えます。むしろ導入部の方が面白かったです。
野暮な事ですが、この劇を卒業式(?)で上演したら演劇部の立場は相当に悪くなると思います。
人名ミスは雪見の記憶違いだとしても、消えていただけの浩平に精悍な顔つきをされても困ります。作中の劇は只の劇だと思ってました。
みさきは永遠を感受して台本を書いていた、ということでしょうか。明示されていないので判りません。
- 045 永遠と瑞佳のあいだ (採点:3)
- 浩平がある意味リアルで面白いのですが、主人公にここまで泥を被せるのは逆効果なのではないでしょうか。
博打や人間論について熱く語る作風はどこか福本マンガを彷彿とさせました。次回作は是非アゴの長い主人公で御願いします。
- 046 キャラメルのおまけ (採点:3)
- 長く読むのが疲れる文体でした。章の大きさや区切り方が微妙な点も作品の読み難さとなっているように思えます。
- 047 「わたしはあなたと歩きたい」 (採点:10)
- どのキャラも年齢相応の振舞いが似合っていて、恋愛ドラマのような格好良さがある作品でした。
七瀬との出会いのアレンジにはしびれました。浩平の美化が素敵です。
しかし作中の七瀬は乙女というよりは淑女ですね。進化でもしたんでしょうか?
- 048 待ち合わせ (採点:7)
- 実際には喋っていない台詞にも鉤括弧を使っている点が気になりました。
作品の細部までに渡った描写は私にとって少し冗長でしたが、その丁寧さは心地良いものでした。
待ち合わせ中の出来事の叙述という本筋の単純さを考慮すれば、実に読みやすい状態だったと思います。
それでも七点なのは、その丁寧さが誤字の数とあまりに反比例しているため、八点をつけることが憚られたためです。
- 049 雨音は誰が為の歌 (採点:3)
- 悲劇の主人公、それを助ける天佑、周りには良い人と悪い人。
これでは余程上手く見せなければ物語には成り得ないのではないでしょうか。
- 051 南西の風は瑞穂実る平原に (採点:2)
- 会話文と括弧での心情描写が多すぎるのではないでしょうか。どうにも読みにくいです。
話の筋はドロドロで実に好みなのですが、直接的すぎる文章が小説らしさを失わせているように思えました。
- 052 未来の二人に (採点:7)
- コンペ的な判断により、原作との相違と読みにくさを減点にしました。自サイトならば行間を取る必要がありそうです。
丁寧な構成とテンポの良さ、自然に導入された創作部分は高く評価したいです。読みやすく、面白い作品でした。
全体としては満足しましたが、結びの一文には余韻を感じませんでした。
○美鈴まさき さん
- 001 エターナリズム (採点:7)
- エンターテイメントですね。読み終わった時『Vシネマ』一本見終わった感じが……。
ああっ、悪い意味じゃ無いですよ。勢い重視の文章と司のガラの悪さ(笑)からそう感じた訳で、落ち着いた文章と性格で書いたらハリウッド・サスペンスになるのですね。
お話自体はしっかり楽しめました。ただ、文章はもっと洗練出来ると思います。
一文字を変えて繰り返す表現(名前忘れた)が多く、かえって煩わしく感じたり、人称がころころ変わって話の流れに乗りにくかったりと、ちょっと読みにくい所もありました。
段落分けをもっと多く取って、場面や心情表現の区別をハッキリさせても良かったのでは。
- 002 彼女の理 (採点:5)
- 1章は冗長であまり必要なく感じた。また地の文が、繭の心情なのか、ナレーションなのか、時々ハッキリしなくなる。
繭の強さがしっかり文章で表されているが、文体や視覚的文章構成などの、いわゆる書き方の荒々しさがそれの伝達を妨げている感がある。
実際、何回か読み直した結果、初見時よりかなり私的評価があがった作品だ。
書き方は人の好みなので強くは言えないが、もう少し読みやすければ加点したと思う。
- 003 Fragment (採点:8)
- お話の構成、文章の洗練度、横書きのWEB上での閲覧を前提にしてある改行と改行と行間の取り方。文句の付け所がありません。が、読み終わって釈然としない何かが……。
このお話、瑞佳シナリオ、ひいてはONEの世界観そのものをひっくり返してしまう、と感じました。それ自体はいいいと思います。
ただ、仮にそれを主題にしたのなら、原作のラストそのままで無くてもいいのでは? 脈絡無く出てきた幼なじみ(しかも亡くなっている)に自分が折り合いを付けられないのか?
色々考え、もう一度読み直してみましたが、やっぱりもやもやがとれず……。
最終的にこの点数を付けさせてもらいました。自分の読解力が低いせいでしょうね。絶対点としては10点の作品です。
- 004 いつか、その日の為に (採点:6)
- 動くぬいぐるみ(主)……シュールだ。でもそれに必然性を感じることが出来なかった。
また、コメディ調の中盤までとシリアス調の後半との切り替えが急だと感じた。ここにワンクッションの意味も含めて、なぜ(主)や猫などにしかえいえんから帰還できないのか、の説明や推測があればスキッと読めたと思う。
あと、もっと改行を行って欲しい。文章が詰まってちょっと読みづらいです。
- 007 とある騎士の物語 (採点:6)
- ハッキリ言ってよくある話。なのに……最後うるっとしちゃいました。
ノエルがしっかり書けているからでしょう。浩平と互角に渡り合えるキャラはなかなか居ませんし。
ただ、みさきシナリオをなぞるのではなく、オリジナルの展開でノエルの魅力を全開させて欲しかったな。
最後の『続き』も、個人的には無くていいと思う。
- 019 トライ (採点:7)
- 住井君、カッコイイです。
お話的にはシュンシナリオの救済というか、住井シナリオというか。
男二人分の想いでも浩平を繋ぎ止めるには力不足では無いかと思ったが、ときに友情パワーは愛情を超える、ということで。
『悪友』と『親友』と『戦友』──微妙な違い。でもこれ以上ない表現。とても気に入りました。
- 024 【呪いの唄】 (採点:6)
- こわっ!
ダーク系は苦手なのですが、サイコ・ホラーとして見れば王道まっしぐら。
由起子の歪んだ愛情といい、それを操っていたのは瑞佳だったという二段落ちといい、良い意味での陰湿感を堪能出来ました。『かごめかごめ』はかなり効きましたし。
ただ、ストーリーを重視する為、由起子の設定を原作から変更したのは、個人的に違和感を払拭出来ませんでしたが。(浩平の母の妹→父の妹)
- 026 ダンスインザダーク (採点:3)
- 私はダーク系は苦手である。人の一人を破壊してまで伝えたいメッセージを、私が持ち得ていないからなのだろうが。
そのダーク嫌いを乗り越えるパワーがこの作品には無かった。そしてエンターテイメントとしてもとらえることが出来なかった。
それ以前にキャラクターに、無視できない違和感を感じたからである。
浩平はみさきの本質を好きになった訳だし、みさきも捨てられたとしても、悲しみこそすれ壊れはしないはず。そうなるまで雪見が放っておくはずがない。
ともあれ、畑が違う訳だから、むげに低い点を付けたく無いが、原作からは想定しにくい話なので、減点させてもらった。
- 030 『パラダイス☆銀河〜愛と絶望の小豆洗い〜』 (採点:3)
- ギャグということですが、私のツボとはかけ離れていて、楽しめませんでした。
単発の小ネタが続いただけ、という単調さも感じました。一つの大ネタを炸裂させる為の小ネタ、だったら良かったのでしょう。
『餡〜とろける味覚へ〜』は結構惹かれますが。
- 033 コイゴコロ (採点:8)
- 微妙な乙女心をしっかりとらえてる作品。えいえんをシーラカンスにたとえたり、詩子の心情に合わせて変化する天候などの小道具も、良い味出てます。
ただ、茜は少々淡泊だったかな? もっと心を揺さぶらせても良かったと思います。
傘を持って浩平を迎えに行くところで、『思わず幼なじみ(司)と浩平との別れを思い出し、いてもたっても居られなくなった茜』なんて描写が入るとおもしろかったかも。
- 036 たいせつなひと (採点:5)
- 破綻無く書けてますが、裏を返せば繭の日記をなぞっただけ、という印象も受けました。美亜の心の変化をもっと掘り下げると、話に深みが出るのかな。
教室移動時の事件を『友達になろう』の前に持ってくると『繭は強かった』をより強調させることが出来ると思います。
また高校を訪ねるくだりは必要ないのでは? 繭に首を振らせて、浩平が居なくなったことに対する繭なりの解釈を説明させると、美亜は一発ノックアウトでしょう。
- 044 小さな幕間劇 (採点:3)
- ファンタジー系は苦手である。ごめんなさい、読み取れませんでした。
えいえんを劇に置き換えたことの必然性と、それによって語られるはずのメッセージをとらえることが出ません。
自分の読解力不足なのか、感性の違いなのか……。
- 050 セレナードで眠らせて (採点:4)
- 全編通してほのぼの、は良いのだが、中編のサイズだとさすがに冗長だと感じざるを得ない。
各シチュエーションの内容をシェイプアップして、逆にプロポーズや神父の言葉のくだりを強調させると、バランスがとれるのでは。
- 052 未来の二人に (採点:9)
- アウトローな雪見さん……カッコイイです!尖りすぎのような気もしますが。
コラムの原稿という設定なので、もう一歩雪見から離れた視点で書いてもいいと思います。特に2、3章。
あ、でも心理描写を削ると、みさきを好きになった動機がうすれるか。うーん、微妙なところですね。
それと改行が少ないのと、漢字変換が多いのとが相まって、読みにくくなってます。漢字は作者の作者の趣味もあると思いますが、改行はもっと多くした方がいいと思います。
『文字がびっしり詰まっているのを見て、それだけでひいてしまった』という意見も少なくありませんし。
個人的に上位に入って欲しい作品ですが、設定が肌に合わない人は点数低いんだろうな。
あと、いーこさんの妹って、まさかしー(ガフッ、ゴフッ)……いえ、いいです。
○歩く人 さん
- 001 エターナリズム (採点:7)
- あまりに予想外な展開に唖然。そして笑いました。最後も結構良かった。文章についても言うこと無しです。最初城島って誰?とか思いましたが・・・。
気になる点は、浩平がこの「えいえんの世界エターナル」にどうやって辿り着いたか、または連れてこられたのか(「ふわっと全身が浮き上がるような感じがして」着いた訳でもないだろうし、薬を使ったなら側にいたはずの茜が気付くだろうし)と、茜の「嫌」発言と、特定の記憶を忘却させられるみずかなら脱出時に執行部に浩平達の記憶を忘れさせれば良いのでは?とか、みずかを拘束するのは不可能では?(記憶操作が出来るなら自由に自分を思い出させたり忘れさせたり出来るだろうし)とか、それ以前にどうやってみずかをさらってきたのか?とか、城島司って何となく優男っぽい想像をしていたのに随分と豪快だなぁとか・・・あと誤字が一箇所あったかな・・・その他細かい点がちらほらと・・・。
とはいえ、茜が「嫌です。」じゃなくて「嫌」と言った点以外は突っ込んでも大して意味がないと思いますが。そこを突き詰めるべき小説には感じられませんから。あとタイトルですが、見た瞬間ギャグ物かと思いました。内容を考えると良いか悪いか微妙なタイトルです。
- 002 彼女の理 (採点:10)
- 何というか、凄味のある作品。特に締めが見事。最高の余韻を残してくれました。素晴らしいプロットと、それを表現しきる高い文章力、構成、そしてそのセンス。感服しました。ただ、タイトルは普通?に付けたっぽいですね……高望みすればもうちょっと目を引くか、或いは読み終わった後に思わずなるほどなぁと感心させるくらいのタイトル(こちらがより望ましい)が欲しいところです。後、牛乳のシーンと台詞「友達になろう」前後のシーンについて、インパクトは強かったのですが、後で冷静になって考えてみるとちょっと演出過剰かなとも感じました。牛乳の方は特に。多分意図してなのでしょうが。
『椎名。他人を見たら敵と思え。それが世の鉄則だ』……作品を読み終わればなるほどと感じます。うまいなぁ……。
- 003 Fragment (採点:8)
- 文章、構成等に関しては言うこと無しです。瑞佳やその周りの人物の設定はかなり練りあげられていると思いますし、彼女らの反応や心情も違和感無く理解できます。かなり扱いの難しそうな設定(違和感を感じそうな)をうまく使いこなしていると思います。少なくとも自分には大きな違和感は有りませんでしたし、それに何よりグッと来る物が有りました。夢の下りも良かった……七瀬が結構な事情通なのは意外でしたが。いくら瑞佳の友達だからってそういうこと教えるような関係者が居るかなーと……そうそう教えられるような内容じゃないですから……。
- 004 いつか、その日の為に (採点:8)
- これはまた一風変わったお話で……面白かったです。最初から最後まで意外性に富んだお話で、先が読めませんでした。そのせいかかなり楽しく読めました。もう少し読みやすくする工夫をしてもらえればもっと良かったです。
一つ疑問に思ったんですが、浩平は二年の三学期終わりから出席していないのなら二年の出席日数は十分足りているのではないでしょうか。二年の三学期にテストを受けていないから単位がやばいという話だけなら分かるんですが。
- 005 マジカル☆ワードを唱えよう (採点:3)
- 最初の導入部分は非常に良かった。引き込まれました。ネタも良かった。ただ、中盤以降は何となくまとまりに欠けるような感じがします。茜に関しても中途半端っぽい感じ。中盤の「雨が降り始めた」部分も唐突すぎかと。いらないとすら感じました。茜のエピソードについてはそれほど触れる必要がなかったように思います。劇もあっさり終わらせてるし。終わりも何だか足りない。もっとすっきりと終わらせてほしかった。
- 006 すてるす同盟 (採点:7)
- 添削が必要な個所が二ヶ所ありました。
面白い。本気で笑いました。タイトルも何だか凄く良いし。本音を言えば設定にかなり無理があるのですが、ギャグであるならば我慢できる範疇だったかなと。シリアスな部分もそれほど浮いていたわけじゃないし。面白かったです。
- 007 とある騎士の物語 (採点:3)
- 良いお話です。良いお話なんだけど、それ以上に引っかかる点も多い。盲導犬って職務中は吠えないように訓練されていたような……?野犬に囲まれたら何とも言えませんが、食堂では吠えないかと(それ以前に食堂には入れないだろうし、吠えるような犬なら尚更)。あと、学校内で盲導犬を連れてるようにも見えますが、それもちょっとあり得ないかと。あと、野犬についてですが、一度人間を襲った犬なら大概は保健所が捕獲に乗り出しそうなものなのですが……まあ、これについては断言できませんが、同じ犬が普通に彷徨いてるというのもかなり不自然かと。それとラストのシーンについてですが、名前はノエルと思わせるかのような感じですが……ノエルはちょっとまずいかと。
- 008 Search for (採点:7)
- うまい。実に読ませてくれる文章です。楽しく拝見できました。ただ、狐の件やら変な女に追いかけ回されたとかいう所は不要かと。このネタを知らない人にとっては何のことか分からないでしょうし、そういう人達が見た場合この小説は別の小説の続編か外伝か、或いは続編があるのかと誤解する可能性もあります。あと、要添削箇所が二箇所有ります。
- 009 Replica (採点:6)
- むむぅ……最初は何だか安易に出来事が進んでいくなぁとか思いましたが、なるほど浩平の夢だったというわけですね。一応納得しました。なかなかに面白いお話でした。が、消化不良なラストがもどかしいです。
それにしてもこの浩平はかなりの精神虚弱者ですねぇ……ちょっと苛つく。
- 010 NOISY SILENCE (採点:6)
- まず前半部の茜登場のシーンが都合良すぎて気に入らない。が、エピローグはかなり好き。ラストの部分はどうしてそうなったのかは分かりませんが(少年Aの存在)、この作品に関して言えば、まあ、良いかなと。それにこのラストはミステリーっぽくて良かったです。余韻の良さを重視して5点より高い点を付けておきます。本当は6.5点くらいですが……。
- 011 その果ての雨 (採点:5)
- 添削が必要です。
妙に良かった。ちょっと意味不明ですが。あと、茜が何故猫?なのかが分かりません。大した理由が無くても別にかまわないかなとは思うのですが、猫と言えば瑞佳と考えてしまうので……あと、おさげがぱたぱたしているわけですが……茜顔の人面猫みたいな感じですか?
- 012 曇り色の時間 (採点:5)
- みずかとの会話で浩平の言っていることが変だと感じましたが、浩平の心が子供のままだと考えれば変でもないのかな……穏やかな調子でゆったり読める小説でした。
- 013 『夕日の少年』 (採点:6)
- 要添削一箇所。詩子が凄く良かったのですが、何だか区切りが良くない終わり方です。あと、少年が何故こういうことを語ったのかがちょっと微妙に不明ですが。それぞれ違うキャラに付くサブキャラですからね……浩平が茜を選ぶなら雪見は関係無いし、みさきの場合もまたしかり。どうなんでしょう?それとも全く別の理由なのでしょうか……。
- 014 風の辿り着く場所 −Eternal Happiness− (採点:4)
- 後半から目まぐるしく変わっていきましたが、まあ、それはいいとして、いきなり自害ですか……あり得ない話でもない気はしますが、やっぱり少し変な感じがします。それとラストですが、ちょっと足りない気がします。いきなりクライマックスに入った感じもしますし。ちょっと唐突過ぎかと。
- 015 その手を離す、その日まで。 (採点:8)
- 良かった。が、一箇所だけ。後半部で「じゃあ、行ってきますね」からで高校時代に場面が変わったことを読者に明確に分からせた方が良いのではないかと……実際途中まで気付きませんでした。それ以外は特にないです。二人の掛け合いが凄く印象的で良かったです。締め方が若干気になると言えば気になりますが……。
- 016 二人が刻む永遠 (採点:9)
- 九点。これはかなり良い。特に締めが良い。後味最高です。気になるところとしては、まず作中の雪見の悩み(障害者がどうとか、高校を卒業したらどう接すればよいかとか)について、みさきの目が見えなくなって六年以上経過しても未だに悩むことなのかと言う点と、もう一つ「だが、それに対し、侵しがたいものを覚えた人間がいたのも事実だ。」と、断定していますが、この事実とやらは作中には書かれてはいないですよね?この作品とは別のところで雪見がそういうエピソードを見聞きしたことがあると解釈すればいいのかな……いきなり断定されると少しとまどいます。
非常にレベルの高い作品。良かったです。
- 017 欲深な微睡 (採点:6)
- 要添削箇所が最低三箇所。元が何か分からないのもありました。
人物の名と多少の設定を借りた別物小説……瑞佳自伝?……ぽいのですが、まあ、良しとします。気になる点とすれば浩平の母親が登場したときの浩平の態度です。動揺する可能性はあっても、こういう動揺は考えにくいかと。まあ、人物設定のみ借りただけならこれでも良いのですが……。
それにしても……由起子さんは結局寂しかったということなのでしょうかねぇ……何というか、嫌な死に方です。
- 018 この世界は (採点:7)
- 前半と後半は良かった。特に後半は感じる物がありました。中盤は……まあ、やりとりが結構楽しかったから良しとします。ただ、途中から瑞佳が全く登場しなくなったのがちょっと違和感。それにしても……モーツァルトの曲ってそういう曲なんですね。音楽はサッパリだから何とも言えませんが……。
- 019 トライ (採点:2)
- 悪くはないんですが……ちょっと自分には合わないです。
- 020 Requiebros(愛の言葉) (採点:9)
- 何というか、綺麗な小説です。バックに花が咲いているのかも知れません。非常に良い小説でした。音楽のことはサッパリなので何とも言えませんが、サッパリな人にはこれで十分でしょう。それなり以上に見識のある人にとってはどうか分かりませんが。あと、オケって何でしょう?文の前後から判断するに、オーケストラの略だと思うのですが……。専門用語的な略語は使わない方が良いです。まあ、ついやってしまった感じに見えますが……慣れ親しんでくると当たり前のように使ってしまうというのはよく分かるんですけどね……。
それと、タイトルが非常に良かったです。最初にも書きましたが、少女漫画?のように花がバックに飾られているかのような小説でした。正に愛の言葉。良かったです。
- 021 夏ノ空ニ夢ハ初マリ (採点:5)
- あれ(茜と話をしてから以降)は結局浩平の夢ということだったのでしょうか?悪くはないのですが、微妙に疑問です。
- 022 はやく昔になればいい (採点:7)
- 設定が凄いですね……ラストなんて鬼気迫るものがあります。逝く所まで逝っちゃった茜が怖いです。何だか色々諦めている(割り切っている?)南と切羽詰った茜に七点。結局詩子はきっかけだったようですね……。
- 023 世界は終わり、或いは始まる。 (採点:5)
- なかなかに面白かったのですが、最後の現実で突っ込み個所が満載してます。が、ここはこういうものとしておきます。あと、妊婦に酒を勧めるのはどうかと。それと、最後は流石に唐突過ぎでしょう。前触れが欠片も無いです。……小説冒頭の【過去】は読み終わった後に初めてその意味に気付かされました。ここは妙に感じるものがありました。
- 024 【呪いの唄】 (採点:8)
- 怖ええ……。かなりキテマス。びびりました。しかし……どの辺が純愛?
- 025 もういいよ (採点:9)
- 話してしてはほとんど見ない広瀬ですが、この話は非常に良かった。特に浩平と広瀬をつなげるみさおのエピソードが心に染みます。こんぺでもない限り読まなかったであろう作品ですが(主役が広瀬なので)、こういう作品を見ると損しているのかもと思わせてくれます。秀作です。
- 026 ダンスインザダーク (採点:7)
- 秀作。非常にうまい。特に設定は絶妙です。何度も意表をつかれました。驚きが一杯です。で、自分がみさきだと自覚しても結局今まで通り見守るわけですね。「ただいま、瑞佳」という言葉に何を見いだしたのでしょうか……それとも浩平の声の方に何かを?しかし……現実逃避するにしても普通は幸せな想像をするものだと思いますが……まあ、それだとありきたりで面白くないかな……。しかし、二年間ひたすら影から見守っているみさきはある意味怖いです。ところで、浩平はみさきの存在に気付いていないのでしょうか……実は既に気付いていながらどうにも出来ず放置しているのでしょうか……この方が信憑性有りそう。
……あと、とんでもない誤字があります。チェックはきちんとしましょう。この誤字で一人あたり二点くらい損するかも……言い過ぎかな。
- 027 埋もれた夢に、あなたはいない (採点:5)
- 最後になるほど、と思わせる小説です。なかなかに面白かった。あと、ものすごく目立つ誤字があります。ちゃんとチェックしましょう。
- 028 歩いて帰ろう (採点:5)
- 遥か昔からあるえいえんに一人居続けたみずか。そこに’初めて’足を踏み入れたのが司で、(えいえんが存在していた時間に比べて)ほぼ同時に二人目の浩平が入ってきた訳ですね……確率的にあり得ないのでは?と、二人しか居ないということに深い疑問を感じます。が、こういうことを言い出すと限が無いので放っておきます。登場人物がなかなかに面白いキャラばかりで楽しく読めました。後は色々もう少し納得させてもらえればと思います。
- 029 澪とみさきと長森と (採点:6)
- 文章としてはかなり稚拙かも知れません。が、みさきと澪の関係が意外と良く出来ているなぁとも感じました。結構楽しく読めたので六点。
- 030 『パラダイス☆銀河〜愛と絶望の小豆洗い〜』 (採点:1)
- 疲れた。ところで、秋田禎信氏を知っていますか?富士見書房の「魔術士オーフェン・無謀編」でも良いです。知らないなら別に良いです。知っているなら……まあ、とりあえず頑張りましょう。
- 031 空の在り処 (採点:7)
- うむ、いい小説です。漢字の使い方に変なところがありましたが。鳥かごの喩えはなかなか良かったです。
- 032 ALive (採点:3)
- 氷上君の後ろにはやはり花びらが舞っていたりするのですか?倒れた瞬間椿の花が落ちたに違いないとか思ったり。それはともかく、氷上ははかなさが迸ってますね。やりすぎな気はしますが。ラストは……自分には合わないです。滑稽に見えます。
- 033 コイゴコロ (採点:8)
- うーん、青春?それはともかく、少女漫画ならこういう感じだろうなと思わせる小説です。特に茜と詩子の心情がうまく表現されていました。秀作です。こういう場合、主人公が鈍感なのもやはりお約束なのでしょうね……。
序盤に「あたし」が多く使われているのが多少目に付きました。もう少し減らした方が良いかと。まあ、先に進むにつれ気にならなくなりましたが……物語に没頭していったからでしょう。その辺り文章がうまいなぁと感じたりします。
- 034 莫逆の友の恋 (採点:9)
- オモロイ。ワロタ。……こういうのは大好きです。良いセンスしてます。最初の髭の場合は良いオチです。締め(オチ?)もなかなか。久々に爆笑しました。えー、とはいえ、冷静に突っ込みたい箇所が二箇所あったりします。「高校までは選ぶ基準に友人を置いても問題はなかったが」こう書くと詩子と茜が同じ高校であるかのように受け取られます。それと、一人でフルコーラスは出来ません……それとも意味を知っていてあえてフルコーラスなのでしょうか?
後は、ジャンルのラブコメですが、むしろ「恋愛、コメディ」とでもした方が良いかと。ラブ色なんてコメディにかき消されてます。それにラブなのは脇役(茜、浩平)の方でしょう。それとジャンルに茜、詩子も入れてあげましょう。
冷静に突っ込みたい箇所がなければ満点。笑いながら読んでいるところでふと冷静にさせられると少し興ざめです。惜しかった……。
- 035 夢を観た日 (採点:8)
- うん、これは雰囲気出てます。少年(浩平)の絶望が切ににじみ出ています。凄く伝わってきました。が、準備室の下りとかは物語の本筋から考えて長すぎ(細かすぎ)かと思います。
全体としては非常に印象の強い良い小説でした。
- 036 たいせつなひと (採点:7)
- うむ、いい感じ。文章構成等は特に言うことありません。繭も美亜もうまく表現されていると思います。感動的ですらありました。良いお話でした。
- 037 虚構少女 (採点:6)
- 彼女が乙女になったとして、それで何を手に入れるのでしょう?と思ってみたり。そもそも乙女の定義って何でしょう?ここまで思いつめていたのか七瀬よ、と思わせる作品。自身の存在意義に関わるほど乙女にこだわるんですね。しかも自分で乙女とは何か具体的に分かってないようだし……。どうしようもないです。正に虚構です。
ここまで思いつめるだけの理由を提示した方が良いと思います。先輩に言われた、あこがれだから、程度で友達や今までの居場所を捨てられるもんじゃないでしょうし。まあ、あこがれで全て捨てる人もいるんですけどね。とはいえ乙女になるためにというのは流石に……。
技術的なことは何も言うこと無いです。いずれにせよ七瀬の覚悟はよく伝わってきました。明らかに不毛で実現不可能とは思いますが。浩平についても色々感じるものがありました。作品としては良かったと思います。
- 038 廻り廻るAffection (採点:6)
- 誤字が多いです。ちゃんと確認しましょう。内容についてですが、なかなかに感動的なお話です。と言っても永遠世界の部分は正直あまり好きではないのですが……理屈が微妙におかしく感じますので。ラストの作文はなかなかに良かったです。「みずか」を「みづか」と書いているのにはちょっと興ざめですが。
- 039 フリップフロップ (採点:10)
- むう……滅茶苦茶うまい。ため息すら出てきます。なんて綺麗な文章。魅せてくれます。特に母親との一時が凄く印象に残りました。その光景が目に浮かぶようです。どちらの世界も人物が凄く魅力的で、かつ情景、心情描写、構成、プロットその他見事としか言いようが無いです。締めもタイトルも絶妙。もう全部良し。満点超えてます。ところで、Aは最後に持ってきたわけですね。後で何故Bから始まるのかと思いましたが……なるほど、納得しました。……タイトルは英語でも良かったとは思うんですけどね。
余韻が最高な作品。堪能させていただきました。
- 040 こんな愛の形も良いじゃない (採点:5)
- 誤字が幾つか。ひどいのもあります。ちゃんとチェックしましょう。
ものすげぇむず痒いですね。妙に気恥ずかしくなります。ところで、浩平を「アイツ」ともったいぶるシーンがありますが、ちょっとわざとらし過ぎかなーと。名前のド忘れなら納得できますが……。
- 041 Last Lovesong (採点:8)
- 何というか、情景を思い浮かべるとかなり恥ずかしいですね、これ。こういう類の別れと再会は結構ありふれてますが、それがむしろ良かったような気がします。安心して読めました。
住井と七瀬が付き合っているというのがかなりのインパクトでした。ちょっと吃驚です。気になる点は現在から子供の頃へ時代が変わることがはっきりとは分からない点です。少し読んでやっと時代が変わっていることに気付くというのはあまりよろしくないかと。それと子供時代に浩平が「瑞佳ちゃん」と呼ぶのはかなり違和感があります。
とはいえ、なかなかに気持ちの良いHappy end物で、楽しく拝見させていただきました。良かったです。
- 042 オレとあいつと彼女の事情 (採点:4)
- むう……登場人物に先入観が無ければ素直に読めたのですが……違和感がどうにも拭えません。公式設定ではないと思われますが、設定を考えるなら南は茜を、中崎?は七瀬を好いているという感じなので……色んな二次創作の影響でしょう。それと佐織は強いて言うなら住井あたりの幼馴染と言う風に……あと、南ってこんなに器用に他人を演じられるような奴だったかなとか……。
- 043 夕焼け色のシンデレラ (採点:8)
- なるほど、と感心するような内容。斬新かつうまく書き上げられている。見事です。文章もきれいで言うことなし……だったら良かったのですが、設定上のことを考えると雪見の胸が大きいのは納得できなかったりします。あと、細かい話ですが、その後にみゆきが同程度の大きさの胸に対して「羨ましい」と言っています。同じ大きさなら羨むことはないと思うのですが。
全体としては相当にレベルが高いと思われます。きれいで後味が良い作品。良かったです。
- 044 小さな幕間劇 (採点:6)
- なかなかにシュールな劇でしたが、面白かったです。意味は何となく程度にしか分からなかったのですが。ところで、最後の相原って誰ですか?意味が分からないのですが……。
- 045 永遠と瑞佳のあいだ (採点:8)
- 良いですねぇ。良すぎです。ところで、後ろは前もって入念な準備しないと切れますよ。汚いし。ゴム使えば汚くはないかもしれませんが。それに括約筋がえらいことになるかもしれません。あと、いきなりで感じるってことは彼女は普段から後ろを弄ってたと言うことですか?凄いですね(汗
言っていることにはある程度納得できます。……しかし、この浩平は相当なロクデナシですね。目をそらさないというのは立派かも知れませんが(開き直りにも見えますが)、デートの約束忘れて勝てもしない賭け事を優先するのはさすがに……。本物のロクデナシです。住井の言う通り馬鹿ですね。
結構ツボにはまりました。面白かったです。
- 046 キャラメルのおまけ (採点:8)
- 非常にレベルの高い作品だと思います。構成、文章、プロット全て何も言うこと無いです。特に表現がうまい。始まりから終わりまで飽きることなく読むことが出来ました。ですが、個人的な好みとして浩平にはみずかがこうならないようにフォローして欲しかった。また浩平はそうするべきだとも思いますから。
- 047 「わたしはあなたと歩きたい」 (採点:9)
- ああ〜何だかラストが凄くいい。タイトルもいい感じ。表現もなかなかにグッド。甘痒い小説、堪能させていただきました。
- 048 待ち合わせ (採点:6)
- 「ぽんと頭の上に手が乗ると同時に、視界の隅で2人の間にある山が崩れるのが見えた。」これは前後から判断してみさきの視点に感じますが……ここは直すべきかと。あと、要添削箇所が最低一箇所。
みさきの心情がうまく表現出来ていると思います。なかなかに良い物語でした。
- 049 雨音は誰が為の歌 (採点:7)
- なかなかに良いお話です。テンポも良く、飽きずに最後まで読むことが出来ました。特に最後のプロポーズは凄く良かった。良作です。
- 050 セレナードで眠らせて (採点:7)
- 少々ありきたりですが、幸せで良い感じです。楽しく拝見できました。
- 051 南西の風は瑞穂実る平原に (採点:4)
- うーむ……言いたいことが山ほど有りますが、とりあえず添削箇所が一箇所……二箇所?あります。内容は悪くはなかったのですが、反応がちょっと単純かなと……例えば瑞佳を正気に戻すために茜が彼女を諭した所とか……そう簡単に戻る訳がないと自分なんかは思います。ところどころちょっとあっさりしすぎです。
- 052 未来の二人に (採点:8)
- 二人とも格好良いですね。自身の経験に基付く人間観が印象的でした。秀作です。
○名無し@デフォ さん
- 001 エターナリズム (採点:2)
- 微妙。アクションものを書きたかったのか何を書きたかったのかが、アクションシーンを書いてあるためにはっきりしなくなっている。
- 001 エターナリズム (採点:9)
- エターナリズムってやっぱり某団体のパロディーだよなあ、、それにしてもこんなに汗臭いONEのSSは初めて読みました、最後に茜の涙を拭う所がツボでした。
- 002 彼女の理 (採点:10)
- 読んでて涙が出てきそうになった。いじめられた身としては檻という概念はわかるが、ただそれにしてもいじめがひどすぎるそこがちょっと・・・。
けどいい作品です。
- 003 Fragment (採点:3)
- 新しい世界観だが、状況説明がうまくできないせいかどうも読みづらい。あと七瀬と瑞佳と浩平の三角関係ももう少し書いてくれると七瀬の立場がはっきりしたかも
- 004 いつか、その日の為に (採点:5)
- ぬいぐるみというところはおもしろかったが、相対評価で低くなったということで。
- 005 マジカル☆ワードを唱えよう (採点:9)
- 激しくワラタ。おもしろかったです。シリアスなはなしながらそれを感じさせないコミカルさ。うまいです。
ただ詩子が脚本を書いたにもかかわらず演劇にほとんど関わってこないところが、ちょっと違和感があった
- 006 すてるす同盟 (採点:2)
- ギャグとしては最初の方はおもしろかったんだが、あとの方になればなるほどつまらなく落ちはいまいち。
- 006 すてるす同盟 (採点:8)
- 世界中に忘れられてもこんな馬鹿な仲間がいれば幸せじゃないかな、と思ってしまいました。
- 007 とある騎士の物語 (採点:1)
- とりあえず。盲導犬というものをわかっているのかと問いたい。あえて一ついうなら学校側の受け入れはたぶん進んでないと思うぞ。家が近いということで間違いなく受け入れは却下されるはず。
あとBUMP好きなのはわかるが全然物語とあってない。野犬は意味もなく勝手に襲いかかってくるか?KEYの作品ぐらいやったことあるでしょ?あの野犬が襲ってきたときにはどういう理由付けがなされていた?
全く考えられていない作品。
- 008 Search for (採点:3)
- 猫というところに支店を当てて書いたのは非常にいいんですけど、そのことををあまり生かせてない感じがします。
- 009 Replica (採点:3)
- うーん物語の道半ばといったことろですか。浩平がその後新しい世界を造ったのか現実の七瀬がどう行動したのかが知りたいところ。
しかしパラレルワールドの話はつじつまが合わなくなってきますよね。
- 010 NOISY SILENCE (採点:3)
- いや宙ぶらりんだから宙ぶらりんで終わらせたんだろうけど、身元不明の少年はどこから来た?
ふつう病院ではなく、警察に補導されないか?
- 011 その果ての雨 (採点:1)
- 話と最後に脈絡が何もない。走馬燈ならもっといろいろ思い出を。これだけしか書かれてないと。だから何?って感じになった印象がありました。死への恐怖とか、そんな風にとるならそれもありだけど。
- 012 曇り色の時間 (採点:9)
- いやはやもう何も言うことないです。話のつなげ方、おわり方といい度素人の私がいうことは何もありません。
- 013 『夕日の少年』 (採点:7)
- おもしろかったのだが、尻切れトンボ。あえておわらさないのもよかったかもしれないが、どうも後味が悪い。あとたとえ話というかおとぎ話はあまりうまくなかった。詩子の描写は特筆すべきもの
- 014 風の辿り着く場所 −Eternal Happiness− (採点:1)
- この作品に1点を付けたのはただ一つのことほかの作品を取り入れて書いているからだ。文も悪くないストーリーも悪くない。ただその一つのことだけでこの作品をだめにしていると私は考える。あと〜話っていう見出しも読みにくくするだけ。そういう点で点数はあげられません。
- 015 その手を離す、その日まで。 (採点:8)
- 外連味のない文章ですらすら読めたところが逆に印象的。それほどまでに話にとぎれがなく、話を読ませるところがすごいと思った。
- 016 二人が刻む永遠 (採点:5)
- 澪が最初出てくるのにあとから絡んでこない。最初の方のコミュニケーションができるようになったことが何もあとになって絡んでこないし。ちょっとそういう点で話がとぎれている感じがする。
- 017 欲深な微睡 (採点:3)
- いまいちだったかな。長い文章の割に何を書きたかったのやら・・・。由起子の死あまり関わってこないし物語の中で重要な意味を持つものとも思えなかった
- 017 欲深な微睡 (採点:10)
- ちょっとおばさんくさかったけど、抜群に上手かったので。
- 018 この世界は (採点:6)
- ちょっと言い方が回りくどいのと、ゴチャゴチャしてるのが勿体ないです、それとちょっとマニアックすぎ。でも作品の雰囲気は好きです、ピアノも好きだし。
- 018 この世界は (採点:10)
- 登場した曲の大半を知らなくて(´・ω・`)
曲を脳内で再生できたなら、印象もまた変わったような。たぶん上方修正。
- 018 この世界は (採点:7)
- ギャグかと思ったらシリアスですか。音楽に関してはよくわからないが、うまくまとまっていたと思う。
ただエピソードがそれぞれバラバラでつながった話には感じなかった。
- 019 トライ (採点:7)
- 一言で言うなら住井エンドっていう感じですか。どうせなら浩平が消えたあとをもっとそれっぽくした方がおもしろかったかな。
- 020 Requiebros(愛の言葉) (採点:6)
- よかったとしかいいようがないです。点数がいまいちつけてないのは音楽ネタが今回多かったから。疎い私にとってはちょっとおなかいっぱい。
- 021 夏ノ空ニ夢ハ初マリ (採点:3)
- 話が交錯しすぎ。脈絡がなく非常に読みづらかった。それでさらに何が書きたいかも伝わらなかった。
さらにいうなら何の予兆もないのに、たかだか夢を見たぐらいでえいえんへいく恐怖を感じられるところがいまいち話としてつながらなかった。
- 022 はやく昔になればいい (採点:1)
- うーん不幸はいいんだが、何を書きたかったか主眼がはっきりしない。
あと待つことと頼ることは違うのではないだろうかと。茜というキャラは頼るではなく待つキャラじゃなかったっけ?
- 023 世界は終わり、或いは始まる。 (採点:1)
- 苦労のあとは非常によくわかる。だが文がいまいちおもしろくない。また落ちもいまいちだ。、また話が交錯しすぎてなにがなにやら・・・。
- 023 世界は終わり、或いは始まる。 (採点:4)
- 落ちにビックリと言うか、やりすぎな感じが、それにそれまで積み上げてきた設定と合ってないような、、、登場人物の掛け合いが上手く書かれてただけにちょっと勿体ない気がする。
- 024 【呪いの唄】 (採点:6)
- こわっ。けどおもしろいです。短編ではホラーがすくなかっただけによけいにおもしろかったです。
ただなぜ仲良くしていた瑞佳が真っ先に殺されなかったのかは疑問。あと日記の見つけ方もいまいち…。
- 024 【呪いの唄】 (採点:9)
- なんとなくこうなってしまうんだろうかと予想はついたけど、最後まで一気に読まされてしまった、面白かったです。由紀子さん怖すぎ、長森はもっと怖い、、
- 025 もういいよ (採点:6)
- ドレスで待っていた七瀬に比べたら、なんてことないのだが高校生でかくれんぼをするのはかなり恥ずかしいかと。今日び子供の遊び場も減っているし。ってそんなことはどうでもいいか。
最後の無縁仏はちょっと頂けないな。
あと折原が広瀬に惚れているのが、ケーキ持っていくところまで読者にとってわからなかったところもちょっと…
- 026 ダンスインザダーク (採点:2)
- どう評価していいやら・・・。何も見えてないのは読者の私のほうかもしれないです
- 026 ダンスインザダーク (採点:10)
- ONEの嫉妬もの=瑞佳ヒロインという頭があった身には絶妙のどんでん返しでした。
「盲人ではなくなった私は、既に川名みさきではなかったのだ!」のセリフも、無意識の内に
“見えないからこそのみさき、喋れないからこその澪”という考えを持ってしまっている自分に
気づかせてくれたように思います。この話の浩平を責められないな…との自省もこめて、最高点。
- 026 ダンスインザダーク (採点:9)
- なんでかなとつぶやくみさきがひたすら哀れです、、、鬼畜な浩平、萌え。
- 027 埋もれた夢に、あなたはいない (採点:9)
- 第三者の立場から観ている物語なのかなと思ったら、当事者ですか。設定、構成がものすごくうまいです。
- 028 歩いて帰ろう (採点:1)
- うーん、話に山がない。何と言っていいやら。取り合えず私にとっては気に入らなかったということで。
- 028 歩いて帰ろう (採点:7)
- 最初から最後までほのぼのとした雰囲気があってよかったです。
- 029 澪とみさきと長森と (採点:5)
- ほのぼのとしていて読みやすいが、琵琶法師のたとえはちょっと・・・。べつに諸行無常をうたってるワケじゃないんだから
- 029 澪とみさきと長森と (採点:5)
- 中盤までの展開がだらだらしていてしんどかった、カットしてもよかったと思う。みさきがでてきてからはすいっと読めた。
- 030 『パラダイス☆銀河〜愛と絶望の小豆洗い〜』 (採点:1)
- あーごめん全然うけなかった。最初っから壊れすぎで引き込まれなかった。
- 030 『パラダイス☆銀河〜愛と絶望の小豆洗い〜』 (採点:7)
- ナンセンスの極致とも言えますが、中にはこういう何も考えずに笑える話も良いのではないかと。
どうせなら広瀬も出して欲しかった。
- 031 空の在り処 (採点:4)
- よかったのだが、途中の みさきも、本人に聞いたことがあるらしい。
というところが気になった。
- 032 ALive (採点:6)
- よかったんだが最後をはかなく終わらせてほしかったなと、死んだ人の思いを書くよりも残った人の思いを書いてほしかったなと思ったり。
- 033 コイゴコロ (採点:7)
- 彼女たちの友情関係のその後がきにかかる。それはおいておいて、
まず途中で七瀬がでテク手それにより詩子が恋愛感情を思う。ところがよかった、しっかりとした動機付けがあって。あと浩平の鈍さがよかった。
- 034 莫逆の友の恋 (採点:1)
- ギャグにしてもラブコメにしてもいまいち見せ場も山場もなかった
- 034 莫逆の友の恋 (採点:8)
- 冒頭と真ん中の意味のない問いとか、シャボン玉のちょっといい話とか、意外と策士な茜とか、
住井×詩子という取り合わせの珍しさとか、色々良かったです。ただ二度目の休憩後の現状整理は
余計だったような。
- 035 夢を観た日 (採点:2)
- 高校の頃の話からいきなり、小学時代に戻るのはちょっとつながりが悪い。ギャグともシリアスともつかないネタがいまいちだった。
- 036 たいせつなひと (採点:6)
- ほのぼのとしたいいSSなのだが、澪のエンディングはできた友達がみあだけでほかには話してくれる人がいなかったみたいなところがよかったのではないかと思う。
- 037 虚構少女 (採点:4)
- 一番最後の部分ない方がよかった。それのせいでいきなり違和感のあるようになってしまった。
- 037 虚構少女 (採点:8)
- 二人の対照的なオリキャラを使って七瀬の心の葛藤を上手く表現していたと思います、ただ最後の台詞を言わせるためにわざわざ浩平をエイエソ送りにする必要は無かったのでは?
- 038 廻り廻るAffection (採点:4)
- 浩平が自分の意志でさらにみさきを連れて行けるっていうのはちょっといただけないかなー。もともと浩平だけの盟約だし。
あと時制的なことも昼間からパーティを開いていたの?
あと由起子さんの口調が男言葉なのかきにかかる。
最後に譲れない一つ、小学一年生は使う文房具は鉛筆です。
- 039 フリップフロップ (採点:5)
- 文自体は三つともおもしろかったのだが、二つ交錯させる必要はあったのかと、どうせならどちらか一つに絞って詳細に書いてほしかった。
あと
>別人じゃないんだから
は他人じゃないんだからの間違いですか?
- 040 こんな愛の形も良いじゃない (採点:1)
- 些細なミスが気になった。「最高の注意」って細心の注意では?
あと住井はなぜ今まで忘れていたくせに、一年間という待たせたくせにと正確にわかるのか?
あと結末がいまいち。なんか先の読める話だった。
- 041 Last Lovesong (採点:6)
- 音楽というテーマで隠している割に甘いあまあまですよ。とっても甘ーいストーリーでした。
ただ浩平は四年間何をしていたのかが気にかかるかな。
- 042 オレとあいつと彼女の事情 (採点:2)
- なんかこういう話はONEという物語にはそぐわない気がする。そういう個人的な理由であまり点数は出せないです。すいません
- 043 夕焼け色のシンデレラ (採点:9)
- いうことなくすばらしいですただ最後の方が展開がAIRに似ていた分だけ1点減点です。
- 044 小さな幕間劇 (採点:6)
- 何かと思ったらえいえんのせかいでしたか。ただ澪がどの役をやっていたか、また他の人が劇にどのように絡んできたかが書かれていないのがちょっとかな。まあそれを主眼にしていないからでしょうが。
それにしても最後の相原って誰?とか思いました。
- 045 永遠と瑞佳のあいだ (採点:1)
- 18禁というほどでもないがエロネタは微妙なこと。どうせエロネタならこんなコンペなんて微妙なところで使わなくてもいいのに…。
- 045 永遠と瑞佳のあいだ (採点:7)
- 基本的に逃げる男、という新鮮かつ適切な浩平の解釈が白眉だったように思います。
…あと、長森さん初めての後ろでその感想はどうよと小一時間(略
- 046 キャラメルのおまけ (採点:4)
- この世界でみずかはみさおの分身として扱われているんでしょうか、それともそれとも別の存在?ちょっとそれがわからなかった。
あと最後が唐突かも。
- 047 「わたしはあなたと歩きたい」 (採点:5)
- 指輪ではなく領収書っていうところはよかったです。ただ英語はそれでいいのかなと。
- 048 待ち合わせ (採点:5)
- 目が見えない恐怖がいかほどのものかわからないが、いい感じで書けていたと思う。ただ最後の方鞄から取り出したのは「時計」となってますが、どこかで時計が出てきましたっけ?
- 049 雨音は誰が為の歌 (採点:4)
- メインテーマは家族ですか。けどちょっと宗教団体のところがいらなかったかも
- 050 セレナードで眠らせて (採点:3)
- 可もなく不可もなく。ただほかのキャラでも同じストーリーが書けそうなのでその分はかなりの減点
- 051 南西の風は瑞穂実る平原に (採点:4)
- 途中の瑞佳の気を遣って南と茜を二人っきりにするというシーンには疑問を感じる。二人で思い人を待つのではなかったのかと?だから芽生えた友情ではなかったのかと。
あとはおおむねおもしろかったです。
- 052 未来の二人に (採点:4)
- 改行したほうがいいです読みにくい。
あと雪見の性格が・・・。きつすぎます。小学校であいて泣き出しても蹴るって・・・。ふつうなら転校ものですね。そういう意味で問題を感じる作です。
- 052 未来の二人に (採点:10)
- 他の作品とは一線を画す中身の濃さ。13点くらいつけたかった。
#イーコがシーコ姉という小ネタ設定も(・∀・)
○蒙 さん
- 001 エターナリズム (採点:3)
- 自称社会福祉団体「エターナル」
独創的です。
アクションも最高です。
俺の中の城島司像が「剃りこみ禿げで不精髭の似合うイカしたマッチョメン」に変換されました。
茜はこんな男に惚れたのでしょうか。
むしろ俺が惚れそうです。抱いてくれ!
とりあえずこれを読んでONESSだと胸を張って言えないのでこの点数にさせていただきました。
いや、好きですよ?こういうの。
むしろ愛しているといってもいいくらいです(司を)
- 002 彼女の理 (採点:9)
- 個人的な疵が刺激されて暴れながら泣きそうになりました。
全作品中最も心を動かされた作品です。
感動、とはまた違うのかもしれませんが。
- 006 すてるす同盟 (採点:9)
- 立ち技を極めた男 折原浩平
グラウンドの覇者 氷上シュン
二人の熱い拳のディスカッションに感動の涙が止まりません。
ツボです。笑いました。
- 018 この世界は (採点:10)
- 「海の上のピアニスト」という映画を思い出しました。
詩子さん、ちょっとスペック高すぎな気がしないでもないですが、文句無しに面白かったです。
詩子さん最高!と叫びたい感じです。
今まで読んだ詩子SSのなかで最良の作品だと思います。
- 024 【呪いの唄】 (採点:5)
- 純愛とストーカーは紙一重といいますが……
このSS、白か黒かと聞かれたら「邪黒」と答えた方がよさげだなーとか。
サイコホラーですね。
愛の泥沼劇場。
角川ホラーあたりに似合いそうなドロドロ感です。
ただ茜が死んだとき、浩平にもう少し悶えて欲しかった。
- 025 もういいよ (採点:6)
- 広瀬で来るとは……ツワモノですな。
屈折した画鋲少女最高です。
- 026 ダンスインザダーク (採点:4)
- ドロドロズルズルした感情が伝わって来ました。グへァ。
ラストの展開が良く解からなかったです。
- 030 『パラダイス☆銀河〜愛と絶望の小豆洗い〜』 (採点:4)
- 「良くってよ、良くってよ! ワタクシ、今とっても気分が良くってよ!」
という台詞を、よりによって茜に言わせる辺り「やるな!」と感じました。
意外と似合っていそうな所が驚きです。
でも、ちょっと笑えませんでした。
- 033 コイゴコロ (採点:7)
- やはり詩子さんはイイですね。
本当は詩子さんの素晴らしさについて小一時間語りつづけたいところですが、今23:08なのでまた今度。
おもしろかったです。
- 034 莫逆の友の恋 (採点:4)
- こういう書き方は凄く好きだし笑えます。
でもシャボン玉のクダリがちょっと唐突だったというか、余計だったというか…そんなような感じがしました。どうせならオールコメディで通して欲しかった。
- 040 こんな愛の形も良いじゃない (採点:6)
- 題名、冒頭を読んで「あ、百合かな?」とか思ってしまいました。
ゴメンナサイ。
浩平の親友だった住井が、浩平消滅後に喪失感を感じ、女折原の異名を持つ詩子に惹かれるというのは
なるほど、と思いました。見事。
ところで貴方は茜×詩子派?詩子×茜派?
- 052 未来の二人に (採点:9)
- 練りこまれてるなー、と感じました。
ツッパリ雪ちゃんがとてもはまり役でグー。
ただ、こまめに改行をしてもらえないと、ちと読みにくいです。
最後の作品だったので余計にきつかった…。
○由大 さん
- 001 エターナリズム (採点:7)
- 嫌なえいえんだなぁ……。シュンが悪役というのも珍しいかも。
途中、司の独白の場面が司なのか浩平なのか。区別がつきにくい。
- 002 彼女の理 (採点:9)
- 繭の話としては、とてもありがちなんだけど。
でも、すごく良かった。
地の文に味のある作品はやはり良い。
- 003 Fragment (採点:6)
- 本編とは違う設定も、そのSSの中で辻褄があっていれば、特に問題はないと思っています。
その点で纏まっていると思いますが。うーん、ただそれだけと言ってしまうと申し訳ないですが。
なるほど、で終わってしまいました。
- 004 いつか、その日の為に (採点:7)
- 取りあえず。ビジュアル的に可笑しい。アイディアの勝利。
前半部、瑞佳や七瀬とのやりとりがもたつく印象を受ける。
- 005 マジカル☆ワードを唱えよう (採点:5)
- べたべたなのですが。澪の可愛さがあればそれも良いか、と。
- 006 すてるす同盟 (採点:3)
- どうも。ギャグとしてもシリアスとしても中途半端。
- 007 とある騎士の物語 (採点:5)
- さくさくと読めて、良い話。
演出上の問題だろうけど。最後だけ視点がおかしいかも。どうも違和感がある。
第三者の視点じゃなくて、赤ちゃんの視点にした方がしっくり来るかな。まぁ、好みで。
- 008 Search for (採点:4)
- 結局、なぜ猫なのか、というのが良く分からない。
- 009 Replica (採点:5)
- 世界ノ秘密を明かすのは、やはりシュンの役目になるんだろうか。
最後があっさりし過ぎな気もするし、それで良いのかとも思うけど。奇を衒ったけど、上手く書ききれなかったという印象を受けます。
- 010 NOISY SILENCE (採点:6)
- なるほど。世界とは斯くも曖昧なのかも知れません。
最後が急ぎすぎた印象が……。
- 011 その果ての雨 (採点:4)
- 最後の四行が、作者さんのやりたかった仕掛けなのでしょうが。
ちょっと文章が不自然というか。老婆という言葉なんかが。
- 012 曇り色の時間 (採点:5)
- 浩平が「えいえん」に旅立つことなく終わる、という話で良いのでしょうか?
話としてはどうだろうか。あっさりというか淡々としてしまっているというか。それが持ち味な気もしますが。
あまり響くものがなかったので、この点数。抽象的ですいません。
- 013 『夕日の少年』 (採点:6)
- 夕陽という言わばありふれた題材を上手く料理していると思います。話は面白かったです。
文章は全体的に硬く、書きなれていない印象を受けます。
例えば、下から四行目「感慨深さ」。この場面で使う言葉としては大袈裟ではないでしょうか。単に「嬉しさ」にしてみるとか。最後の行、わざわざ「料理部と登山部」を繰り返す必要もないと思います。
まぁ、私如きが言うのはアレですし、この指摘が正しいとは限りません。作者さんの感性が一番ですが。
- 014 風の辿り着く場所 −Eternal Happiness− (採点:5)
- 琴莉の死とそれを乗り越えるみさきを描くのであれば、前半は冗長すぎるのではないでしょうか。
前半はそれはそれで三人が巧く書けていると思いますし、後半の琴莉も悪くないのですが、ふたつのバランスは良くないかと。
- 015 その手を離す、その日まで。 (採点:6)
- すごく丁寧で、綺麗な話。
ただみさきと雪見の話といえば、多分こんな話になるんだろうな、という話ではあるのですが。
とても好感が持てました。
- 016 二人が刻む永遠 (採点:5)
- やっぱり、みさきの将来って物書きですよねぇ。そんなイメージ。
全体的に少し急ぎ過ぎという印象。
- 017 欲深な微睡 (採点:5)
- なんというか。すごく独自の雰囲気を感じるのは確か。
ただ、やはりこんな長森はあまり見たくないというか……。
- 018 この世界は (採点:3)
- 詩子が楽器を弾くという話が多い気がする……。
それはさて置き。中盤がかなりダレてしまいます。同じようなことの繰り返しというか。
- 019 トライ (採点:5)
- 着眼点は面白い。なるほど住井とシュンの間にそんな約束があったのかも。
ただ、全体的に台詞が説明的過ぎ。そんなわざとらしい独り言を言うかなぁ、とか。
- 020 Requiebros(愛の言葉) (採点:4)
- 今回、音楽ネタが多いなあ。
それはさて置き。最大の見せ場は当日だと思うのですが、その描写が少なく、逆に直前に詩子の告白という結構大きな出来事を据えてしまっているので、最後の「当日」がおまけみたいに見えます。
この最後の場面をもっと書くと読む人の心にも残るのではないでしょうか。
- 021 夏ノ空ニ夢ハ初マリ (採点:5)
- 中学生であるにしては、浩平も瑞佳も「えいえん」について知り過ぎている気もしますが。
つくりは丁寧だと思います。ただ、結局何をしたかったのか、良く見えてきませんでした。
- 022 はやく昔になればいい (採点:4)
- 巧いと思うし、最後のシーンはぞくりと来ましたが。
この作品に登場する茜は、多分浩平も司も帰って来なかった未来の茜なのでしょうが。
あんまり見たくないなあ、というのが本音です。
- 024 【呪いの唄】 (採点:7)
- こういったダークなのも嫌いじゃないです。ストーリーの流れも悪くない。
7点なのは……結局、長森が黒幕というのがありきたりかなぁ、なんて思ってしまったり。
- 025 もういいよ (採点:3)
- かくれんぼ、という題材の選び方は面白いと思いますが。
まず、この話では浩平はえいえんに行ってないということでしょうか?
行って帰ってきたなら七瀬エンド後ということになるし、行っていないのならば七瀬ルートから分岐して広瀬ルートということ? だとしたら、最後それを示唆して欲しいかな、と。
広瀬と浩平が結ばれる理由も納得が行かない。傷の舐めあい?
- 026 ダンスインザダーク (採点:3)
- 「私」は瑞佳だと思ったら実はみさきで、でもやっぱり瑞佳だったということでしょうか?
最後、夜から朝まで時間が飛んだ間に何かあったのでしょうか?
私の瞳に映った「彼」とは浩平のことなのか、それとも更に裏があるのか?
えーと、すいません。よく解りませんでした。
- 027 埋もれた夢に、あなたはいない (採点:8)
- 佐織という本編には殆ど登場しないキャラを使いながら、その登場しない故の特殊性を上手く利用していると思う。
「ONE2」ではないけど。実は「えいえん」って結構普遍的なものなのかも。
最後の最後は蛇足かなぁ、と個人的には。茜との会話で終わった方がすっきりする気もしますが。まぁ、好みで。
- 028 歩いて帰ろう (採点:6)
- 「えいえん」を失おうとするみずかの話は割と見かけます。今回は司を絡める話も多いですし。
悪いできではないですが、その中で突き抜けることは出来なかったといった感じ。
- 029 澪とみさきと長森と (採点:3)
- いい話ではあるけど。
引っぱり過ぎ。もっと中盤カットできるはず。……中編にならないかも知れませんが。
アイディア出しの時点で選択を間違ってしまったかも知れません。
- 030 『パラダイス☆銀河〜愛と絶望の小豆洗い〜』 (採点:6)
- 「なるほど、米だけに」で笑ってしまった。
ただ、全体的に狙いすぎかなぁ、とも。タイトルとか。
- 031 空の在り処 (採点:8)
- あー、もう。良い話でした。
真夜中に布団の中で喋りあうみさきと雪見がなんか、友達という感じ。
喧嘩の仕方も微笑ましい。
- 032 ALive (採点:5)
- 最初のパートだけ一字下げがしていないのはどうしてでしょう?
話は良い話だった。全体のバランスが良い感じ。
- 033 コイゴコロ (採点:8)
- 詩子は普段にぎやかしな分、こういった秘めた恋心という話が合うように思う。
茜と詩子、ふたりの微妙な関係が良い。
- 034 莫逆の友の恋 (採点:9)
- これぞエンタテイメント。基本はギャグで、時折しんみり。策士な茜がいい味出してる。
うーん。最後はどっちなんだろう?
C子さんが「今はちょっといいかも」っていうのは浩平or住井? 多分後者だと思うけど。どちらとも取れるような気がするのは自分の読解力の無さですかね。個人的には最後は振られて終わって欲しかったかも。
- 035 夢を観た日 (採点:4)
- みさおとの未来を夢に見る、というのはありがち。
しかも大抵、そのみさおはやけに元気あり余る妹キャラなんだけど。やっぱりこういうのが萌えなんだろうか。
まぁ、これは本編のみさおの逆のイメージということなんだろうけど。
文章自体は悪くないと思いますので、やはり独創性ということになるのでしょう。
- 036 たいせつなひと (採点:7)
- 繭の話というと、どうしても未亜がセットになってしまいますね。
ストーリーは正直ありふれてますが。それでも良い話に違いはなく。
- 037 虚構少女 (採点:7)
- ぱっと見のタイトルで一番惹かれた。オリキャラである留美の旧友もでしゃばり過ぎず、でも存在感がある。
最後が惜しいかも。それまで七瀬の話だったのに、いきなり浩平の話になってしまったようで。
- 038 廻り廻るAffection (採点:6)
- 良い話でした。みさきの周りの人たちが優しい。だから、きっと彼女も優しくあれるのでしょう。
ただ、後半のみずか登場以降は、ちょっと話がずれてしまった感じが。急に御伽噺になってしまったというか。
きっと作者さんの書きたかったことはこちらなのでしょうが。
- 039 フリップフロップ (採点:8)
- これは巧い。
みさおが生きてる世界という話自体はありがちなんだけど。組み合わせ次第で如何様にでもできるということ。
個人的には浩平と母親の別れの場面が好き。
- 040 こんな愛の形も良いじゃない (採点:5)
- 最後の詩子の告白の場面は結構好きです。
うーん。ただ、どうにも「♪」が気になって……。
- 041 Last Lovesong (採点:5)
- やはり地の文は一字下げした方が読みやすいように思います。
しっとりとした良い文章が心に残りますが、現在と過去が紛らわしく感じます。
- 042 オレとあいつと彼女の事情 (採点:4)
- 七瀬のストーリーとして一定の評価はしますが。
すいません。正直、本編では一言二言しか話さない南や佐織を中心に、彼らの恋愛物語を見せられても感情移入できませんでした。
- 043 夕焼け色のシンデレラ (採点:4)
- いきなりのみゆきの登場に戸惑ってしまい、そこから読んでもいまいち彼女の存在が掴み切れない。
うーん。こう言ってしまっては申し訳ないですが。美凪とみちる?
- 044 小さな幕間劇 (採点:4)
- 幕間劇自体は「えいえん」を示唆した不思議な話で好きなのですが。
SS全体に占める割合が大きすぎはしませんでしょうか。
そして、恐らく多くの指摘があると思いますが。
「相原」とは誰でしょう? オリキャラ? それとも「折原」の間違い?
多分、後者だと思いますが。このミスはちょっと痛いです。
- 045 永遠と瑞佳のあいだ (採点:5)
- 全体に漂う雰囲気が、もの悲しく。しかし可笑しい。
漢字を使っていないのは、ワザとなのだろうか。でも、気になってしまう。
- 046 キャラメルのおまけ (採点:6)
- 中盤が本編の表現そのままになってしまっているかなぁ、と。
抽象的な世界の描き方は巧いと思います。
- 047 「わたしはあなたと歩きたい」 (採点:4)
- ここに出てくる浩平や瑞佳が、原作の高校生である彼らの延長上にある人物なのかどうか。
文章は巧いと思うが、逆に綺麗すぎて、らしくない。
- 048 待ち合わせ (採点:4)
- みさきの口調は柔らかくて好印象です。
ただ、まぁ、それだけと言ってしまうと申し訳ないですが。
- 049 雨音は誰が為の歌 (採点:4)
- 最後が唐突かなあ、と。
どうも全体に単調で、最後に至るまで話にのめり込めませんでした。
- 050 セレナードで眠らせて (採点:7)
- 淡々と、想いを口にする茜が良い味。作者さん独特の書き方のおかげだろう。
- 051 南西の風は瑞穂実る平原に (採点:4)
- 瑞佳が現実に戻る場面が安易かなぁ。その後の南と茜が付き合い始めるのも。
茜と瑞佳の心の動きなんかは良い感じなのですが。
- 052 未来の二人に (採点:6)
- 「アリア系銀河鉄道」なんてネタを持ってくる時点で作者さんが限定されそう……。
それはさて置き。
雪見とみさきの友人関係って何時からでしたっけ? 小学生の時からだったと思いますが。
文章は非常に緻密だと思います。こんなことまで書くかというような気の入れよう。密度が濃い。
最後の一文は心に残る。ここで「黄金」という言葉を持ってくるのか。
さて、本編の描写だけでは雪見がこのような人物だというのは想像が付かない。
そこで、どれだけ「ああ、そんな裏話があったのか」という感想を読者に持たせられるかが作者の腕の見せ所。斜に構えた雪見というのは、なるほどひとつの見方だとは思います。
でも、作者の方の思う人間像が先にあって、それに雪見を当てはめたというように見えてしまうのは穿ち過ぎでしょうか。
戻る