Top Ka1 Ka2短 Ka2中 痕短 痕中 痕長 ONE短 ONE中 家計 月姫 Ka3短 Ka3中 Ka3超短 Ka4小 Ka4本 オリ肉 Ka5短 CLA1短 ONE2 Ka5中 CLA1中 オリ2 オリ3 Ka6小 Ka6本 AIR オリ4掌 オリ4短

○2% さん

01 スケッチブック (採点:7)
前半を読んでいるときの心情「脱げ>美汐たん」
後半を   〃  「あっぱれ>美汐たん」

――と、冗談はさておき。何はともあれ、美汐の魅力が出色でした。相対的に栞の印象は弱かったかも。祐一は……残念ながら魅力ゼロ。
全体として、文章はところどころ投げ遣りだし、ストーリーらしいストーリーもないのだけれど……無性に読後感の良いおはなしでした。素直に読めて良かったと思えます。

02 HEARTS (採点:3)
や、書き方がちょっと独特なので読むのは大変でしたが……ほのぼの予定調和な展開が、実は結構楽しかったりもしたのです。

03 春遠からじ (採点:5)
結局、祐一がことさら街を出たがる理由が分からず消化不良気味かも。ストーリーが淡々としている割にキャラクターたちの行動はかなり突飛で、本文に書かれている以上に何か激しい原因の存在を想像させるのですが……
――余談ですが、このおはなしの登場人物の中では、美汐さんがこの上なく素敵でした。

04 ハッピーエンドをもう一度! (採点:9)
色々素敵なおはなしだったけれど、とりあえず3つだけ。
・ものすごく読みやすかった!
・名雪に惚れた(特に、「少しは自分で考えたほうがいいんじゃない」あたり)!
・前半、名雪と秋子さんが目立ちすぎてあゆに活躍の場があるのかどうか心配したけれど、それは杞憂でした!

05 ごきげんよう、お姉さま (採点:4)
読みながら、自分の恋人が♀×♀にハマるのと♂×♂にハマるのとどちらが酷いかなぁ……と哲学的な思索に耽ってみたのですが、結局答えは出ませんでした。難しいですね。

06 彼女の子 (採点:4)
最後の一文はちょっと魅力的だったけれど、全体としては「よくあるライトなダークだなぁ」という印象。祐一や医師の精神方面を掘り下げてあれば、もう少しインパクトがあったかも。

07 確率と戯れながら君は凛とする (採点:9)
偶然と必然、灯油、エトセトラ――不条理なラストに向けてきちんと伏線が張ってある構成が凄い。こうなると、ジャンルに「ダーク」と明記しなければならないせいで(読む前に)ストーリーの可能性が狭められてしまうという事実が惜しい感じ。

あえて難点を挙げると、(前半の文体が硬質で綺麗なのに対して)狂気が表出してくる後半になって文章が少し日常っぽい方向へ崩れているのがアンパランス(執筆時間切れ?)、とか、前半に香里の狂気を匂わせる伏線がほしかったなー、とか、今わの際に患者を苦しむに任せておく医者や両親はいないんじゃないかなー、とか。

あと、本文中のところどころ、活字なら傍点(ヽヽ)を打つ場面をテキストでどう表記したものか苦労なさっているような気がするのは……気のせいでしょうか。

08 今日から今までの日 (採点:3)
意図的なのかそうでないのか、ぎこちない文章スタイルと言葉遣いが妙な雰囲気をかもしだしていて味わい深い作品でした。でも、現状ではちょっとストーリーになっていないような気がします。

09 いつかの夏に、届くよに。 (採点:9)
あー、これを高評価するのは何やら負けた気がして嫌なんですが……無性に心を揺さぶられてしまったので高い点を付けるしかないです。Track 9できちんと収束しているのも好印象。あと、「もぷー」で+2点くらい。

10 けれど輝く夜空のように (採点:7)
若干安直な設定とはいえ、真相が明かされるのはまだかまだかとワクワクしながら読めました。それから、祐一が目覚し時計を返すくだり(素直な目覚しメッセージを返すというシチュエーションは、原作などにある「特別なメッセージを吹き込む」よりもはるかに未来を予感させますね)など、印象深いシーンの数々も。
とはいえ、文章のぎこちなさがちょっと苦しい。台詞が不自然なのとネタが滑っているのは気にせず読もうと思えば可能だけれど、地の文が……なんというか、ストーリーを「説明」しているだけで、「物語」っていないという感覚。語り手である祐一の語彙が、Kanon世界のそれではなく2005年の現実社会のそれになってしまっているように思います(故意にそうなさっているのでしたら申し訳ありません)。

11 光 (採点:7)
残念ながらそれほどインパクトはなかったけれど、とても読みやすいおはなしでした。
――あと、ミユキ先生がちょっと良かった。

12 Secand two (採点:6)
名雪が名雪っぽくなかったり、北川が北川っぽくなかったり、ストーリーがKanonっぽくなかったり、時間がなかったのか文章が崩れていたり、気になる点は色々あるのだけれど。読後感は割と良さげ。少し、古き良き時代の少女漫画を連想しました……少しだけ。

13 今宵もまた、逢いましょう (採点:8)
元々幽霊モノが好きというのもあるけれど、シチュエーションが素敵でした。愚直なくらいに真っ直ぐなストーリーが好印象です。展開のリズムが小説というよりコマを並べていく漫画のような雰囲気になっているけれど、それもまた素敵。
難点といえば、地の文や台詞に少し硬い印象があるところだけれど……口調が硬いおかげで終盤の決め台詞が格好よく決まっているようなところもあるので、要はバランスでしょうか……

14 女狐観察日記 (採点:4)
前半を読んでいる間は、「祐一の俺様キャラが徹底してないなぁ……たまにやたらと卑屈になるなんて、なんと情けないことか」と思っていたのだけれど。後半はほのぼのしていて、ニヤニヤしながら読めました。ベタなオチも結構好きです。
あと、タイトルも面白い(語感は良くないけれど)。前半、だんだん真琴が文字通り女狐っぽくなっていって……後半、女狐は名雪の方だったのか、と。

15 この街コンクール (採点:5)
うーん、残念。もう一展開ほしかった。ジャンルで期待大だっただけに、惜しい。
――というか、この「コンクール」の選考基準は何なんだろ……原稿が小学生の作文にしか見えないのだけれど……

余談ですが、この作品で思わず頷いてしまったのは、
>駄目って言葉は人妻か処女が好んで使う否定文句らしいよ。普通の女性は嫌って言うんだって
です。どこかに出典が……?

16 妖狐物語 (採点:6)
シリアスなストーリーながら、ストレートな展開なので安心して読めました。
冒頭の文章は絵本っぽくないけれど、10歳相手なら……ギリギリありかな、といったところ。
ただ、多少引っかかる部分もあって物語に入り込めなかった面も。「(真一が)生まれていたはずである」から「生まれていたはずがない」へ至る祐一の思考の流れが追えなかったこととか、妖狐の存在を隠すためとはいえ娘の妊娠の噂を広める両親はちょっと考えられないぞ、とか。

17 風の盆 (採点:10)
普通の幽霊モノだと思っていて、二段階の仕掛けに気付きませんでした。やられた。名雪の声も姿も見えない、というシチュエーションだったとは……
――と、それを抜いても、とにかく綺麗なおはなしでした。惚れた。

18 雨の音 (採点:8)
夢と現の間で揺れる危ういストーリーの魅力もさることながら、名雪がとてもキュートでした。祐一のベッドにうずくまって涙を流す彼女のビジュアルインパクトと、天使の人形を叩き落とす彼女の意志の強さに心を揺さぶられてみたり。
文章のスタイルは少々読み難めではあったけれど、それを補ってあまりあるほど印象深い作品でした。

19 春風駘蕩 (採点:8)
冒頭の印象から「きっとドロドロで救いのないストーリーだ」と勝手に決め付けながら読み進めたので、意外にも淡々とした展開に、安心したような物足りないような。タイトルがタイトルなので、淡々としているのは当然といえば当然なのですが。
トータルな印象としては「すべてのKanonプレーヤーの中にある《物語》になる以前のイメージを寄せ集めた」という感じでインパクトが弱めでしたが、ラストの名雪のシーンは地に足がついているようでいて物語中盤のふわふわした空気の残滓も感じさせる絶妙な雰囲気で、割と記憶に残りそうな予感があります。特に、
>ちらっと頬を覗かせて、いとこが「帰ろ」と呼んで来る。
のあたりが……

20 世界の果てでアイに哭く獣たちの賛歌 (採点:4)
魔物ネタでミリタリーが出てきたことで、インパクトはありました。それに、雰囲気も。でも、何が書きたいのか最後まで掴めませんでした。ごめんなさい。あと、最初はパニックものだと思えたのにラストがホラーっぽくなってしまったあたり、個人的には残念です。

余談ながら、このタイトルは非常に壊れギャグっぽいというかギャグ以外にあり得ないと思うのですが……私の感覚がおかしいのでしょうか?

21 透明なてのひらが (採点:6)
最初、時系列を勘違いしてしまって混乱したけれど(原作の舞台の2年前じゃなくて、原作直前の12月の出来事を2年後に回想しているのだと思っていました……)、精神年齢低めの秋子さんがひたすらキュートでした。自信まんまんの体重計とか、糸偏がいっぱいとか。柔らかなビジュアルが浮かんでくる描写のおかげか、読後に優しい気分になれる良作でした。

22 密室に踊る猫 (採点:9)
とてもノリが良くて楽しく読めました。それぞれは小さなネタとはいえ、「名雪ヒゲ事件」と「栞の暗号」という二つの謎があったのでストーリーが薄いという印象もなかったし。
ソツがなさすぎるせいで若干インパクトに欠けるようにも思えたけれど、個人的には「問題を解かずに約束を果たした」という展開が爽快だったので読後感も良好です(確かに、本文を読み返すことのできる読者には簡単な問題でも、実際に謎掛けされたら無理に近いでしょうね)。
――で、最後に一点だけ。このおはなしの一番のミステリである「秋子さんの仕事」が未解決のままなので、続編に期待します。

23 言い出せなかった。 (採点:5)
それ、ドップラーじゃなくて単なるエコーじゃ……
や、あまりにもしょーもなさすぎて(良い意味で)、コメントが浮かびません(良い意味で)。

……あ、ネタのひとつとはいえ、真琴の36巻のエピソードはちょっと普通に素適でした。

24 光があの娘であるように (採点:6)
何やら手抜きの気配というか、悪ノリしすぎというか……なのに、なぜか憎めない、そんなおはなしでした。
少しオヤジ臭い栞とかなりネジの緩んだ名雪のコンビが妙に……なんというか、ほのぼのしていて、とにかく良かった。

25 その手のひらに紡ぐもの (採点:8)
このおはなしが他の方々にどう読まれるのか気になるところですが、こういう設定の曖昧な飛躍は二次創作の醍醐味なのかもしれないな、と思います。冒頭、そっけなくバラバラに始まった「舞」と「天野」の軸が陰に陽に繋がっていくところとか、祐一と名雪と思しき人物が単なる通行人Aとしてすれ違っていくところとか。
むしろ気になったのは焼却炉前のシーンの不自然さのほう。舞台は嵐で、芝居がかった台詞を吐き出すには絶好のシチュエーションのはずなのに、ちょっと飲み込めなかった。たぶん「それ、猫抱えながら言う台詞じゃないだろ」とか、そういう些細な原因で。
――とはいえ、何はともあれ、読んでいてドキドキする作品でした。

あと、蛇足ですが、このおはなしの舞台は高校ですよね? 生徒会長が内申云々という記述をみると中学かな、とも思うんですが……

26 そこに彼女がいなかったから (採点:5)
淡々とした感じの語りがかなり好きです。それだけに、おはなしがちょっとまとまっていないように感じられてしまうのが残念。場面の切り替えをページ区切りではなく文章で表現してほしかったかな、と。

27 かおりんのお弁当大作戦 (採点:4)
こういう紋切型のコメディは割と好きなのですが……このおはなしの場合、香里をことさら電波ちゃんな設定にしてストーリーが面白くなったか、となるとかなり疑問。個人的には、もっとほのぼの路線な展開を希望です。

28 死んでからやってみたい10のこと。 (採点:10)
タイトルからコメディだと思って、読み始めてシリアスだったのかと感心、途中でやっぱりアホ話だったのかよ、と突っ込みを入れつつ、最終的には訳が分からなくなった(良い意味で!)。色々混ざってる。やばい。これはやばい。とにかく言葉の端々が良い。気の利いた端的表現あり、ダラダラ長いのになぜか読んでいて心地良いセンテンスあり。シチュエーションも良い。なにこれ。ふんふんふん……で、構成にもやられた。どんどんラストの一点へ収束する展開が至妙。後半のシーンが途切れ途切れなのも、栞の時間旅行(?)の雰囲気を醸し出していて良好。しかも、えーじゃないかとか、お髭がチクチクまで伏線だったのかよこれ! なんかやばいんで、雄一がひとりいたけど満点にしちゃう。

29 サマーソルジャー (採点:10)
栞さん、あんた、生活にめちゃくちゃメリハリあるって。ないのはバストだけだって……と、戯言はさておき。
やられた。描写がいちいち小気味良くて素適だし(冒頭の「答えてくれないかな。」なんかが個人的にツボ)、それに、欠点のない出来映えだと思うので素直に満点を付けます。

余談。私も、アレはタンクローリーだと思ってました。

30 手と手をつないで (採点:7)
助詞がおかしかったり、動詞が変だったりするのだけれど。とてもストレートで、読後感の良いおはなしでした。終盤息切れする作品の多い中で、後半になって勢いを増していくこの作品はすごく貴重なんじゃないかな、と。

31 最強の女 (採点:5)
冒頭の北川の語りにすごく勢いがあって期待したのに……中盤以降(特に名雪パート)の台詞が若干微妙な雰囲気で意気消沈。ラストに下ネタを持ってくるのは面白いけれど、それも含めて冒頭ほどの印象深さはなかったかな、と。
とにかく、序盤は素敵でした。

○Foolis さん

01 スケッチブック (採点:5)
話の流れとしては結構好きなんだけど、全体的に印象が淡々としてしまっているのがちょっと残念でした。
なかなか本とか、絵とか小道具はきいていて面白いんですけどね。
まぁ山とかの流れをつくるのは難しいのはよくわかるんですが(汗


02 HEARTS (採点:2)
話として書きたいことはいいとおもうのですが…。
自分の大切な人について見直す、というのはなかなか私も好きなネタですし。
でも、肝心の話が面白くない。
それが残念でした。

あと文章規則を守ってほしかったです。
・文頭は一文字あける
・句点、読点を文章につける(一部ついていない)(わざとかもしれませんが)
・鍵カッコのおわりに。はつけない。
気をつけてくださいまし。


03 春遠からじ (採点:1)
やりたいことはなんとなく、本当になんとなくですがわかります。
でもあまりにも状況がわかりにくい。
オールエンド後みたいなのを基礎としているのでしょうが、それをちゃんと説明してくれないとどうしてもおいてけぼり感を食らった感じがします。それが残念でした。
あと、香里が自分勝手すぎるかなぁと。ちょっとその辺に違和感を覚えました。
厳しい意見になって申し訳ない(汗。

あと文頭は一文字あけてくださいね。

04 ハッピーエンドをもう一度! (採点:9)
あゆが目覚めてから記憶がないっていうのは結構珍しいかなぁと思いました。
記憶を失ったあゆと祐一のやりとりが非常にほのぼのとしていて良かったです。
あの1月の記憶を失っていてもやっぱりこの二人はこの二人だなぁ、と思って。
#まぁ当然かもしれませんが。

記憶が戻ってからのシーンもほんとにいいですね。
非常によくまとまった作品だと思いました。
よかったです。

05 ごきげんよう、お姉さま (採点:9)
ああああ、惜しい、ほんとに惜しい、ちょっと落ちてないなぁのが残念だと思いました。
ほんとに残念とおもったら容量ギリギリだったんですね。
ご愁傷様です…。

作者さんは百合好きな方なんでしょうか?
百合への情念が伝わってきて面白かったです。
本当に最初から最後まで長さを感じさせない物語でした。
ストーリーとしてはまぁお約束的なものですが、ほんとに非常に楽しめました。
良かったです。
ただ…オチにもう一工夫あれば…っ。
ほんとに容量との戦いだったのはわかるんですがっ。

06 彼女の子 (採点:6)
まさか夢の内容がそのまま現実になるとはなぁ…。
読んでて身震いがしました。
もう少しやさしい話かな、と思いましたので。


奇形児。
私は写真でしかみたことないのですが、
ほんとにこういってはなんですが、気持ち悪いですよね。
自分の子供がそんな子供に産まれたら…と思うと恐怖です。
その辺の心情がうまくかけていて良かったです。
非常に雰囲気がよく出ていましたし。
また奇形児の描写がほんとに気持ち悪くよかったです。


ただ()の表現は個人的にイマイチかなぁ、と思いました。
まぁこれは作者の方の好き好きですから、しょうがない問題ですけど。

07 確率と戯れながら君は凛とする (採点:4)
最後のほうはまでなるほどなるほど…と読んでいったのですが…
最後の展開は明らかに読者を置いてきぼりにしているでしょう(汗

何回か最後のシーンを読み直してわかったんですが曲解することしか出来なかったんですね…香里は。
そのことはあまりにも哀しく、そして狂気ですね…。
その辺をうまく書いて欲しかったです。
っていっても容量ギリギリなのか(汗

08 今日から今までの日 (採点:2)
うーん、舞の思考回路がちょっとなぁ…と思います。
最後のじさつにまるで説得力がないです。
あと佐祐理さんの話をださない方が話としてはすっきりまとまったかと。

後心理描写で言わせてもらうと。
>てれ隠しで声を張り上げていた
舞はこの辺の機微がわからなかったと思います。
どうして顔を赤くしているんだろう?とかそういう反応だと思いますが、はて。

あと誤字一つ
>学校だ建つらしい

あと文頭は全部一文字あけているのは意味ないですよ(汗
鍵カッコのところはあけないのが普通です。
あと文章の最後にも。をちゃんとつけて欲しかったですね。


09 いつかの夏に、届くよに。 (採点:6)
スイカに絡んだ、9つの物語。
堪能させていただきました。
どの物語もキャラらしさがでていてよかったです。
でも舞のときの祐一は流石にひどすぎるとおもう…。
舞は可愛くよかったですが。

10 けれど輝く夜空のように (採点:5)
なるほど、あの時祐一が死んだという物語ですね。
アイディアとしてはとても面白いです。
でもちょっと料理不足に感じたのが残念でした。
もう少し見せ方とかもあったと思いますし。

まぁ難しいところなんですがw

11 光 (採点:8)
栞が死んでいたときの光景を夢にみる。
それはひょっとしたら、香里に与えられた罰だったのかもしれないですね。
最後、栞が助かったのをみて正直やられました。
そして浮かんできたのが上記考え。

なぜ、こんな夢をみたのか。
そこに焦点をあててこの話を考えると、非常に面白いな、そう感じました。
内容もよかったですし、よかったです。

12 Secand two (採点:6)
香里と祐一の告白シーン、とにかくやられました。
そうきましたか。
まさかまさかの二人でした。
叙述トリックに見事に嵌らされたという感じ。

名雪と北川の微妙な関係もみていて面白かったですが、もう一歩なにかがほしかったですね。
その辺が残念でした。


13 今宵もまた、逢いましょう (採点:7)
ネタとしてはややありがちですが栞の幽霊と北川のやりとりがほんとに楽しかったです。
ほのぼのとしていてほんとによかった。文章のテンポもよかったですし。
シリアス部分は正直もう一歩ほしかったですが、全体的に上手くまとまっていてよかったです。
面白かったです。

ただ文頭は一文字あけましょう♪

14 女狐観察日記 (採点:6)
どういう奴らだ、をい(汗
この二人を操っているのがさらに秋子さんというわけですな。
世の中って恐ろしい。
ネタとして始めはちょっと嫌悪感を覚えたのですが、名雪の日記をみてから爆笑していたので個人的にはよしって感じでした。
なんかえらそーなSSって苦手なので、私(汗

15 この街コンクール (採点:5)
OK、認めよう、悔いなく発表できたことに意味があるというのは。
でもやっぱり結果を何らかの形で書いて欲しかったですね。
そして、そのあとの栞とのやりとりとか。
蛇足っぽくなりそうですが、個人的にはほしいなぁと思います。

街についての主張は面白かったです。
香里のデータによる好きではなく、自分がこう思うから、という主張はいいと思いましたし、
また共感できるものでした。
私だったら香里のレポートが一番好きですね。

しかし、まさかSSコンペにこういう作品が来るとはなぁと思いました。

16 妖狐物語 (採点:6)
なんか最後しかけがありそうなのはわかるんですが…しかけの内容がわからない(汗
#ないのかもしれませんが。

真一が10歳児のわりには大人びすぎていると思いましたが、
妖狐ということでとりあえず納得。
妖狐を交えての3人のやりとりが独特でよかったです。


17 風の盆 (採点:8)
だーまーさーれーたー。
最果てのイマというゲームで同様のトリックを使われていたのを思い出しましたが、
見事でした。
コレって結構難しいですよねぇ。

雰囲気も良かったですし、トリックも見事でしたしよかったです♪

18 雨の音 (採点:10)
お見事。真名雪シナリオといってもいいくらいの出来でした。
最後のあゆと名雪とのやりとりがもう、たまらなく良かったです。
作品全体の雰囲気も非常によかったです。

ただ、文頭は一文字あけてほしかったなぁ…。
あと改行がちょっと変(汗

19 春風駘蕩 (採点:5)
ちょっと哀しい現実の物語。
夢の中でしか、あゆと祐一は会えないんですよね…。
しかも、ちゃんとあゆと夢であえるとは限らなくて。

ちょっと優しく、それでいて切ない物語だと思いました。
#解釈まちがっていたらごめんなさい。
なかなかよかったですが、ちょっとわかりにくかったので1点減点しました(汗
あとこの脱字が残念。
>ふたりの子どもは再会を約して消えてしまう
約束して、ですよね?

20 世界の果てでアイに哭く獣たちの賛歌 (採点:1)
えーーーーと、結局何がやりたかったので?
落ちてないですし(汗
いや、落ちているのかな?
うーん、個人的にあわなかっただけかもしれませんが。

あと確立ではなくて確率ですよ、といっておきます。

21 透明なてのひらが (採点:6)
思春期にありがちなやりとりで面白かったです。
読んでて楽しい気持ちになれました。


名雪は祐一のことが好きだったんじゃないか、という反論をふと思いましたが、
あれは恋ではなかったと、この時期の名雪は思っていたかもしれませんから個人的には納得できました。
#いや、なんとなくつっこまれてそうなので

ていうか何気なくこの作品設定ミスが多いんですよね…
>『香里のシスコンが直りますよう……に……
香里に妹がいることは名雪はしらないはず
>バスト83
二年前からまったく成長してないのですかっ。
さすがに不自然かとw


22 密室に踊る猫 (採点:6)
ザアルナブホノ

ジイレニベマハ

ハマベニレイジ
ということですね。

まぁ結構小ネタがきいていて楽しめました。
二ページ目のあれもなるほど、と思いましたし。
ただ、もう少し見せ方を上手くしてほしかったな、と。
それが残念でした。

23 言い出せなかった。 (採点:6)
オチで爆笑。
タイトルをそう使うとは、ほんとにお見事。
参りました、降参。
いや、それまではこの辺祐一がひどすぎるなぁとか色々思っていたのですが、まさかそうくるとはなぁ…。

もうすべて許せてしまいます。
ただ、ところどころ文頭一文字あいていないのが残念。

24 光があの娘であるように (採点:5)
なんか尻切れトンボな感じがするのが残念。
そのせいでイマイチ落ちていないと言うかなんというか。
ふたりのやりとりはほのぼのしていてよかったのですが。

25 その手のひらに紡ぐもの (採点:8)
ちょっとした叙述トリックでしょうか。
たしかに天野というのは、世の中には五万といるわけですしw
ちょっと無理やりな感はありますが、感情移入しやすいですし、
この試みは成功したと思います。

舞と天野のやりとりがよかったです。
温もりについて、二人が語り合うシーンが特に印象的でした。
最後がちょっとしりきれとんぼな感があるのが残念ですね。

26 そこに彼女がいなかったから (採点:4)
栞は夢の中で幸せになった、ということですね。
うーん、まぁアイディアとしてはありだとおもうんですけど、
これ私昔書いたんですよねーよく似たネタで(汗

どうしてもそれを考えるとちょっと評価が低めになってしまいます(汗
#斬新さみたいなのがないから。
雰囲気とかはわりかし好きでしたが、もう少し地の文を増やして欲しかったような気がします…。


27 かおりんのお弁当大作戦 (採点:6)
ネタとしては結構ありかと思いますが楽しめました。
最後まで楽しく読みました。
怒った香里ってなんかギャグSSでいい感じなんですよね♪

後祐一のこの台詞に爆笑
>(こいつが噂のツンデレか……)
そうきたかって感じでした。
最後は欲をいえばもうひとひねりほしかったかなぁとおもいますが、よかったです。

28 死んでからやってみたい10のこと。 (採点:6)
ちょっとしたSFみたいな話ということでいいのでしょうか。
ちょっと全体像はよくみえないんですけど、ところどころ、面白い部分があったのでよかったです。
ただ、やっぱり全体像がみれなかったのが残念ですね。
まぁ私の読解力不足のせいでしょうが(汗

29 サマーソルジャー (採点:7)
栞と北川のやりとりがほんとにいいですねー。
みていてほほえましいというかなんというか。
あと香里と祐一が似ている、そして北川と栞が似ている、というのは面白いと思いました。
あと最後の〆がいい感じでした。
よかったです。

30 手と手をつないで (採点:5)
ちょっと真琴の首を絞めるシーンが違和感を覚えました。
美汐、そういうことするかなぁ、と思います。
最後は上手くまとまっていてよかったですが。

31 最強の女 (採点:6)
これセーフなのか(汗
内容は好きでしたけど。
たしかにお互い気をつかいすぎるのは悪いことですよね…。
その辺の描写はよかったです。

まぁH関係の話はわらわせていただきましたがw

○KATUO さん

01 スケッチブック (採点:6)
話は悪くないのですが、全体的に説明不足というか、描写不足が目立つのではないかと思いました。三人称の視点が揺れているのも気になります。

02 HEARTS (採点:1)
これはこれである意味すごいパワーを感じました。ネタとしては上出来ですが、話は全くおもしろくありませんでした。ごめんなさい。

17 風の盆 (採点:10)
読み返して二度泣けてしまいました。
「これは名雪の分な」「わ、ありがとう、祐一」だなんて…。切ないよお…(涙)。
素敵な言葉をたくさんくれた夏美ちゃんも大好きです。
胸がいっぱいになる、優しいお話をありがとうございました。

18 雨の音 (採点:4)
うーん。全体的に分かりづらいという印象が残りました。難解というより説明不足のような。
書こうとする内容やアイデアはすごくいいと思うのですが、その背景やら何やらが説明しきれていないように感じられます。抽象的な言葉(「少し透明な青色」とか。なんのこっちゃ(笑))が多いのも、話をより分かりづらいものにしていると思います。

24 光があの娘であるように (採点:3)
名雪の性格や言動にかなり違和感がありました。あんなに軽くはないと思います。そのためか、話の中身も軽く見えてしまいます。作者の方は明るい話にしようと書かれたのではないかと思いますが、明るい話を通り越してふざけた話になってしまっています。人の死についてなんとも軽はずみな発言がでてきたり。残された者たちの気持ちを一切無視した考えですよね。栞は結局何をするために下界に降りてきたのかもよく分かりません。

26 そこに彼女がいなかったから (採点:3)
うーん、バッドエンド風味……。栞にしろあゆにしろ、願ったのはあんな未来じゃなかったはずです。タイトルの「彼女」も誰のことを指しているのかイマイチ分かりません。

30 手と手をつないで (採点:6)
悪くはないです。だけど美汐が「あの子」を捨てたという過去に、前半では全く触れていないのが気になりました。まるできれいさっぱり忘れているかのようにも見えます。美汐の「あの子」がいつまでも帰ってこない理由としてはとても説得力がありますが、その場合の美汐の悲しみやトラウマは半端じゃないはずです。伏線(私が見逃しただけだったらごめんなさい)のひとつでも入れておけばだいぶ印象が変わったのかもしれませんが、美汐の独白部分があまりにも唐突に感じてなりません。

○LM_STACK_ さん

02 HEARTS (採点:6)
確かに、収まるところに収まっていますね。
ゲーム本編でも名雪の強さは群を抜いていますね。
このSSでは、秋子さんが、皆を戦わせることによって
場をうまく治めたと行った所でしょうか。


03 春遠からじ (採点:5)
ALLエンドかつ独白調なので、長い詩のようでした。
切り株の辺りで、あゆも登場させてもいいかなとは思いました。

04 ハッピーエンドをもう一度! (採点:4)
何と言うか、こう抽象的な表現が結構多いですね。
タイトルから察するにハッピーエンドが2回あることになるわけですが、
1回めは大木の下で見た幻、2回めはあゆの意識が戻ったことで良いのでしょうか?

05 ごきげんよう、お姉さま (採点:9)
「マリア様が見てる」ですか。
山あり谷ありで楽しませていただきました。

06 彼女の子 (採点:6)
ダークというか、近親婚の結果生まれて、
まもなく死に掛けている乳児の話ですね。
産科医の描写が良かったと思いますが、
前にあった事件のショックから立ち直る
経過もあったら良かったかもしれないです。

普通だったらあんな事件に遭遇して同じ仕事を続けられるとは思えません。

07 確率と戯れながら君は凛とする (採点:5)
ダークですね。親友のはずの名雪の家を燃やしてしまうほどの、香里の狂気が非常に怖いです。

08 今日から今までの日 (採点:1)
ゲームの内容とだいぶ差があるのと、あっさりしすぎな所がありますね。

09 いつかの夏に、届くよに。 (採点:5)
スイカをコンセプトにしたオムニバス形式ですね。
総じてまとまったお話になっていましたが、
不可解なのはあゆと香里の話ですね。
逆に良かったのは栞と北川の話です。


10 けれど輝く夜空のように (採点:3)
ちょっと恐い話ですね。
あと、あゆが水瀬家の一員になっているのが何故かと言う事と、
名雪が祐一の死を知らないことが不思議です。

11 光 (採点:7)
夢落ちですが、だめな姉を栞も含めて周囲の人が救ったというわけですね。
一つ不思議なのは、何故2月1日まで生きられないだろうと宣告したのに、
3月14日に手術をしたのかということですね。やっぱりこれもミユキ先生の
挫折の一つにカウントすべきことなのでしょう。


12 Secand two (採点:7)
北川と名雪がくっつくのかと思ったら、実は違っていたという。
正直言って、見事に「騙された」という感想です。
ただ、名雪のモノローグが冗長かなとは思いました。

13 今宵もまた、逢いましょう (採点:6)
栞幽霊ものとしては、北川が主人公なのを初めて読んだのですが、
筋が通った話でなかなか良かったです。

14 女狐観察日記 (採点:5)
いわゆる「U-1」のパロディーですね。
奴隷扱いしていた名雪に、奴隷のように思われているとも知らない祐一が可愛く思えてきました。


15 この街コンクール (採点:6)
語り手が栞からいつの間にか名雪に変わっているというのがポイントですね。
北川君のスピーチを省略したことで、冗長にならずにまとまったという感じですね。


16 妖狐物語 (採点:4)
全体的な構成や、エピソードの絡め方は良いと思いますが、
〆の部分が混乱気味な印象を受けます。

17 風の盆 (採点:3)
ちょっとダーク気味ですね。
名雪死亡ですか。

18 雨の音 (採点:6)
あゆの超能力で名雪に夢を見させるあたりは、
観点が面白いですね。


19 春風駘蕩 (採点:3)
力作ですね。
青空エンドからここまで話を膨らませる力量はすごいと思います。
ただ、長すぎてポイントが定まらなかったという印象も受けます。

20 世界の果てでアイに哭く獣たちの賛歌 (採点:5)
随分と無茶苦茶な世界を構築しましたね。


21 透明なてのひらが (採点:5)
秋子視点のお話ですね。
子ども達を見て自身の過去を思い出すというのが面白いですね。

22 密室に踊る猫 (採点:5)
導入部、本文、ラブラブモードの〆という具合にページ分けしたわけですね。
「密室に踊る猫」というタイトルからピロでも出てくるんじゃないかと、思ってしまいました。

23 言い出せなかった。 (採点:10)
すばらしい名作です。
他に言葉は要りません。

24 光があの娘であるように (採点:3)
名雪と栞を引き合わせたときに、栞が死亡するケースってありましたっけ?
多分、私の読解力不足のせいだろうと思いますが、
個々のフレーズは悪くないのですが、話全体としてのまとまりというか、
何を言いたいのかが良く分からなかったです。


25 その手のひらに紡ぐもの (採点:2)
歳の差が…
まあ、ぶっ飛びシナリオの登場人物だから良いのかもしれないですが。
やっぱり、歳の差が…

26 そこに彼女がいなかったから (採点:5)
結構難解な話ですね。
約束をした相手が誰なのか?
栞の生死は?
いずれも、謎に包まれたままです。

27 かおりんのお弁当大作戦 (採点:10)
Mrビーンなんかを思わせるような、英国風のギャグセンスですね。
ワシャワシャ動く物体の正体が気になります。

28 死んでからやってみたい10のこと。 (採点:8)
タイトルと内容が一致していない気がしますが、
死霊となって漂う栞が、死後に残された人々の様子を見てゆくという物語ですが、
結局、祐一の未練が栞を現世に縛り付けているということだったと。
祐一の巾着袋の中に居る間に10の事をするのでしょうか。

29 サマーソルジャー (採点:5)
カッターナイフのエピソードと、香里と北川をくっ付ける話を織り交ぜていますが、
なんか不思議な感じがするお話ですね。


30 手と手をつないで (採点:8)
タイトルからは想像もつかないシリアスさですが、
感動的なお話ですね。
祐一と美汐の差は、実は最後に消えるときの対応にあったという解釈も、
違和感無く受け入れられますし、天野母子が水瀬母子より弱かったという辺りも
筋が通っていて良いです。


31 最強の女 (採点:8)
18禁すれすれというか●●コンペ向きですね。
でもまあ、最近のテレビドラマのような露骨なエロティックさが無いのが良い所ですけど。
この中で最強の女は、やっぱり名雪なのでしょうか?
ぜひ聞かせてください。

○Longhorn さん

01 スケッチブック (採点:8)
こんな話があってもいいかもしれませんね。

02 HEARTS (採点:1)
楽しそうで、なによりです。

03 春遠からじ (採点:4)
ゲームしかやったことのない僕はオールエンドというのはどうもイメージし辛いのです。
栞の話なら栞エンドだけでいいんじゃないかな? とつい思ってしまうのです。

04 ハッピーエンドをもう一度! (採点:7)
王道中の王道。
一つくらいあると安心できますね。やっぱりたいやきだよねというか。

05 ごきげんよう、お姉さま (採点:9)
……(゚д゚ )

( ゚д゚)……

…( ゚д゚ )…

(゚д゚)シメジ

06 彼女の子 (採点:2)
どこまでオリジナルでどこからギャグかパロディなのかわからない話でした。
"V"とか"エイリアン"のパロディっぽいところもあるし……昔の探偵小説なんかにも似たフレーズがあったかもと思うところも幾つか。
うーむ、そしてパロディ満載でないとすると、残念なことに筋が現実離れしている上にストレート過ぎて面白く(または怖く)ないんですよね。

心配なのは、もっとこういう話に対しておおらかな時代だったら笑い話(または怪奇物)で済むところを、今の時代だけに味噌糞に批判する人が出てきそうなことです。

07 確率と戯れながら君は凛とする (採点:8)
ダーク読んで「切ない話だな」と思うことがたまにあるんですよ。
これはそんな話でした。コンペでは第三回かのんこんぺの「受精卵」以来でしょうか。
GJ。

08 今日から今までの日 (採点:3)
そういえば、舞バッドで舞のお母さんてどうなるんでしょう。
「まるで10年以上前に死んでいたような状態」で家から見つかるんでしょうか。
ちょっとホラーですよね。

09 いつかの夏に、届くよに。 (採点:10)
すいません、舞のところシングルカットしてください。
ボーナストラックで佐祐理さんと祐一の掛け合い付けて。
買いますから。20枚くらいは。

10 けれど輝く夜空のように (採点:5)
実は7年前に死んでいたんだよ! な、なんだってー!
 ……という構成は、実はあゆ本人を使ってやった方が効果的だったのではないでしょうか。

11 光 (採点:7)
悪夢落ちとはおもわなんだ。
直球と見せかけて実は手元で揺れて落ちる球というか、不思議な構成のお話でした。

12 Secand two (採点:8)
青春だなあ。
テレビドラマだとこれが第1話で、ここからドロドロのグチュグチュな人間関係が始まるんでしょうけれども、このお話でそうなったら寂しいかな。
いや、見たいかも……

13 今宵もまた、逢いましょう (採点:6)
今回内々の競作なんでしょうか、ほぼ同様のネタのお話が3つも……
これはその中では王道というか、普通に始まって普通に終わるお話で、やや印象が薄くなってしまったのが残念です。

14 女狐観察日記 (採点:4)
ファンディスクみたいな内容で、こういうのは絵付きシステム付きでやる方がいいよなあと。
短編でぎっちりと纏めると綺麗なタイプのお話ですね。

15 この街コンクール (採点:3)
すみません、並べられたスピーチを続けて読むのは苦手なもので。

16 妖狐物語 (採点:5)
設定的にちょっと無理っぽいところや、本編のリフレイン的な筋など、何か物足りない部分があるのです。
ただ、安易に美汐と祐一をくっつけていないところなど、細かい部分がこの筋立てに合っていて、全体としては上手に纏まっていると思います。

17 風の盆 (採点:9)
仕掛けに多分完全にやられました。
最初名雪が死んでるんだろうなと思いつつ読み進めたのに、北川と香里の「水瀬だって……」「名雪の前よ」でアレ? 離婚かと戸惑わされまして。
そうすると死んでいるのは栞か? とソワソワし、最後にやっぱり……という流れ。
くそう。でも満点は上げないぞ。これで勘弁。

18 雨の音 (採点:5)
僕は子供っぽいんで、平行世界ネタだとバックの「ONE」みたいに最後は何らかの結論に達する方が好みです。
このお話、尻切れではないんですけど、ちょっと曖昧な結末だなと思ってしまいました。
謎解きが聞きたいような、自分で読解したいような微妙な雰囲気。

19 春風駘蕩 (採点:10)
暗色じゃなくて、やり直しじゃなくて、お涙頂戴じゃなくて、全員死亡じゃない青空エンドってコンペ初じゃないでしょうか。

さらりと名作。

20 世界の果てでアイに哭く獣たちの賛歌 (採点:2)
残念だけど怖くないんですよね、と書こうと思ったらジャンル表記はホラーアクションじゃなくて「不幸」。
うーん、確かに不幸かもしれない。多分最初でもう死んでるし。

余談ですがこの手の話は筒井康隆の「三丁目が戦争です」だったかな? あれがいいですよね。

21 透明なてのひらが (採点:7)
名雪が可愛いですね。年齢設定もあるのでしょうけれども、妙に大人びていないのが良かったです。
香里が自分の家族のことを(栞のことで深刻な状態になる以前に)名雪に喋っていたのかどうかはグレーゾーンだと思います。
ただ、個人的には本編中で名雪が祐一に対して香里の家族のことを「知っているけど知らないことにしていた」というのもアリかなと思いますので、さほど大きな違和感はありませんでした。

22 密室に踊る猫 (採点:6)
謎解きという味付けをしたラブラブという組み立てに見えてしまいまして……
今回同じような組み合わせが多いものですから、印象がどうしても薄めになってしまいました。

23 言い出せなかった。 (採点:2)
そうですかー、としか。落ちは何かもう一つ二つ伏線でも張ってあればもうちょっと生きてきたかと思うのですが。

24 光があの娘であるように (採点:9)
13、28と好対照の、こちらはこちらで楽しいお話でした。
お相手は立ち位置的には名雪以外でもいいと思うのですが、名雪というキャラクターが上手に活かされているなぁというのが強い印象として残りました。

25 その手のひらに紡ぐもの (採点:4)
視点の女の子の名前を書くときにわざわざ苗字を使うのは、ミスリードを誘うには強引過ぎるかと。
天野さんに沿った視点の部分が長いわけですから、ここはもっと曖昧に「彼女」で行っても良かったのではないかと思います。

26 そこに彼女がいなかったから (採点:7)
マッチを擦り終わった後は、寂しいものですね。
こういう組み立てでなく、あからさまな伏線を幾つか張っておいて含みを残し、伏線は張りっぱなしで終わるとかいうタイプでも良かったかも。
(ガイナックス流ですが……)
うーんKanonのSSとしてはそっちの方がありがちかな?

27 かおりんのお弁当大作戦 (採点:4)
みんだなおの4コマ思い出しました。意外に覚えてる人多いんですね。懐かしいなぁアウト。

28 死んでからやってみたい10のこと。 (採点:5)
最終的に消えたり生き返ったりしないラストは、他の人との接点がないことや一人称がたりという設定と上手くマッチしているかと。
作者当ては苦手ですが、「まことだった。」を書いた作者さんじゃないかな? 
文体と文章が微妙にミスマッチで、雰囲気作りのためにわざわざやってるのかな、とも思えます。
ただ、以前も似たことを感想に書いたことがありますが、序盤の「である」体の混じる文体はかなり堅苦しいイメージで、僕にはいまひとつしっくりきませんでした。

29 サマーソルジャー (採点:8)
軽妙でいいお話でした。なんといいますか、腕の確かな料理人が堅実に作った料理、という感じで、そつなしというか。
でも全体的にビッグマグナム北川先生(31)ほどのインパクトはなかったかも。

30 手と手をつないで (採点:6)
真琴の話といえば美汐が友人というのは定番になっているけれど、実は真琴と美汐が友達になる過程の話は、最近(最初から?)数少ないことに気付きました。
実際のところ、帰ってきた真琴と美汐が友人関係になるかどうかは全くもって不明だし、美汐が真琴をちゃん付けで呼んだりする可能性もあるわけですよね。
このお話はそのあたり丁寧に手を抜かずに描かれていて好感を持ちました。

31 最強の女 (採点:7)
ビッグマグナム北川先生。



ありがちな話にありがちなエッチ話を絡ませて更にありがちな展開に!
でもお約束やステレオタイプの塊は安心して読めるんですよねえ。文章も完成されてますし。
短編に出ていたら9点以上付けてたかな。

○Manuke さん

01 スケッチブック (採点:3)
アプローチは面白いと思います。ただ、展開に色々と理不尽な点が……。
文化祭への出品って、そんな風に選別するでしょうか?
「初めて声を掛けた生徒」が美汐というのも、納得行かない感じです。
美汐が裸なのに栞が気付かないというのはちょっと(^^;)
加えて、トム・クランシーが「年頃の女の子が読むような本じゃない」というのは偏見
ですよ〜。

02 HEARTS (採点:2)
コミカルなのはいいんですが、ちょっとキャラクタの行動が表面的過ぎるように感じら
れますね。
それから、台詞ばかりが連続するのは頂けません。もう少し地の文を挟んだ方が良いか
と思われます。

また、細かいことですが、文章の書式に少々誤りが散見されます。
最低限、文章の末尾に句点『。』、文章の途中に読点『、』を適時入れることをお勧め
しますです。
内容に影響するわけではありませんが、印象は良くなるはずですよー。

03 春遠からじ (採点:3)
えーっと……。
すみません。どんな意図のSSなのか良く分かりませんでした。
美汐は可愛くて良い感じです。

04 ハッピーエンドをもう一度! (採点:6)
終わり方がすっきりとしていて良いですね。
個人的には、祐一がそこまで苦悩するか少し疑問には感じますけど。

05 ごきげんよう、お姉さま (採点:7)
オチは読めちゃったんですが、それでも面白かったです。
ただ、前半で祐一の心情描写が少々多めであったため、やや愚痴っぽく感じてしまいま
した。

06 彼女の子 (採点:1)
 

07 確率と戯れながら君は凛とする (採点:5)
うーん、シリアスな印象のお話からの急展開という構図は良いんですが……。
爆弾はやめておいた方が良かったように思えます。ここで嘘っぽく感じてしまいました。
ちょっと勿体ないかも。
あと、末尾に今一つ緊張感が足りず、異常事態なのにも拘わらず不思議とコミカルな印
象があります。

08 今日から今までの日 (採点:3)

どうして舞の過去を改変したのか理解できませんでした。
(経緯が異なったから、結末が変化したということでしょうか)
再登場していきなり殺される祐一君は気の毒ですが(^^;)、ここは鬼気迫る感じが良かっ
たと思います。

09 いつかの夏に、届くよに。 (採点:4)
うーむむ……。
結構好きなタイプの話のはずなのに、何故か没頭できませんでした。
どこが悪いということはありません。純粋に相性の問題のような気がします。
曖昧な言い方でごめんなさいです。
あえて言葉にするとしたら、「距離感が掴めない」といった辺りでしょうか。

10 けれど輝く夜空のように (採点:5)
仕掛けとして面白くはあるんですが……。
基本的に原作のあゆシナリオと同じに見えてしまうんですよね。あゆと祐一の立場を入
れ換えただけで。
加えて、あゆの場合には他人で、かつ亡くなってはいなかった訳ですが、このSSでは祐
一が実際に死んでしまっています。この場合、親しいいとこである名雪とあゆが葬儀に
参列しないことは考えにくいのでは?
もう少し、このお話ならではの要素があれば良かったと思います。

#細かいことですが、「いわずともなが」は「いわずもがな」の間違い?

11 光 (採点:7)
ありがちかもしれないけれど、これでいいんだと思います。
ただ、三月中に学校へ復帰するのは日程的に難しそうな気が……(^^;)

12 Secand two (採点:6)
あれ? これで終わりなんですか?
なんだかとてもぶつ切り感が……。もう少し余韻が欲しかったと感じます。
物語の雰囲気は悪くないですね。

13 今宵もまた、逢いましょう (採点:8)
優しい雰囲気のお話でした。北川君、やけに格好いいし(^^;)
都合のいい奇跡かもしれないけど、それで構わないと思います。Kanonなんですから。

14 女狐観察日記 (採点:2)
……えっと。
ごめんなさい。面白く感じられませんでした。
秋子さんはもっと凄い日記をつけてらっしゃるんでしょうか?(^^;)

15 この街コンクール (採点:3)
うーん……。スピーチにふさわしい内容とは思えませんでした。
それから、原作の内容を振り返る以上のプラスアルファが足りないように感じます。
裏で暗躍する栞は可愛くて良いです(^^;)

16 妖狐物語 (採点:5)
悪い話とは思わないんですが……。
どうしてこんな複雑な関係を設定されたのか、ちょっと納得できない部分がありました。
物語の終わり方も、原作と差別化ができていないように見えますし。
こましゃくれているようで純粋な真一君は良い感じでした。

17 風の盆 (採点:8)
完全に騙されました(^^;)
しかし、読み返してみて思うのですが、これは気付けませんよー(笑)

叙述トリックを除いた部分を純粋にSSとして評価すると、少しばかり原作との距離を感
じてしまいますね。
題材から考えて仕方のないことではあるのですが。

18 雨の音 (採点:7)
うむむ……。
夢と現実の二重構造は確かに面白いのですが、祐一とあゆが見ている夢と、名雪ルート
に近いであろう現実が同時進行していたように読めてしまいました。
……二股?(^^;)
あと、栞の設定改変は不要だったように思うのです。栞ファンとしては(笑)

19 春風駘蕩 (採点:9)
切ないお話でした。
後悔を胸に、この祐一君は生きていくんですね。
祐一君の元に、いつか春は訪れるんでしょうか。

20 世界の果てでアイに哭く獣たちの賛歌 (採点:9)
……上手い。
こういうオチを持ってきましたか。なるほど。
これは悪夢ですねー。
ただ、ハーラン・エリスンの流れを汲むタイトルはちと食傷気味かも(^^;)

21 透明なてのひらが (採点:8)
良い雰囲気のお話でした。
このお話では、秋子さんはごく普通のお母さんなんですね。その自然な性格付けが、お
話自体に心地良さを与えているように思います。

一点だけ、細かいことですが香里は家のことを他人に話したがらないはずです。だから
『シスコン〜』の下りはどうかな、と感じました。

23 言い出せなかった。 (採点:5)
途中のネタは、今一つ笑えませんでした。ごめんなさい。
「またサプライズ・バースデー……」と、少々落胆もしました。
しかし――オチは良し!
タイトルの使い方には、にやりとさせられました〜。

24 光があの娘であるように (採点:6)
うーん、うーん。評価が難しい……。
雰囲気はとても好きです。深刻にならない会話も楽しいですし、素っ気ないほどにあっ
さりとした終わり方も、これはこれで良し、かな。
ただ、設定に少々不満が残りました。
特に天国の描写は、死に対する悲しみや畏れを霧散させてしまいますし。
(完全なコメディなら構わないんですが)
親しい人間からは見えないとか、24時間期限等も、細かい設定の割にはあまり活用され
ているとは言い難い気がします。

25 その手のひらに紡ぐもの (採点:10)
何故か『天野』が名字だったので、何かあるかなと思っていたら……こういうトリック
でしたか。意表をつかれました。(教師は某智代嬢かと思ってました(笑))
いや、これは良かったです。
祐一と関わらない舞って、悲劇的に描かれることが多いように感じます。が、これは佐
祐理さんとの関係も含めて、原作の舞の先にあることが納得でき、かつ良質なSSに仕上
がっていますね〜。
可愛いからという理由でニュービートルを選ぶ、教師になった舞。可愛いです(^^;)

26 そこに彼女がいなかったから (採点:4)
このSSであゆの言う奇跡と願い、少々軽く感じてしまいます。
だからこそ、この結末に繋がったということなのでしょうか。
最後の祐一のシーンは、少し切なくて良い感じでした。

27 かおりんのお弁当大作戦 (採点:2)
カミーユですかと(^^;)
うむむ、すみません。あまり面白く感じられませんでした。

ところで、香里ってクールビューティーに属するんでしょうか。
原作では名雪に抱きついたりしますから、個人的には違う印象なのですが。

28 死んでからやってみたい10のこと。 (採点:7)
わ、笑えない……(^^;)
いや、面白いんですけどねー。
結末が唐突なのは意図されてのこととは思いますが、やはり少々物足りなく感じました。

29 サマーソルジャー (採点:10)
素敵すぎです(^^;) 楽しいお話をありがとうございました。
キャラクタ達が生き生きと動いていて、しかも物語としてのバランスも良く取れている
と感じます。
(「色々ついてます」の台詞はなかなか意味深ですし)
香里と北川君も微笑ましくて良いのですが、特に栞が非常に魅力的でした。

30 手と手をつないで (採点:4)
うーん、祐一がかなり無神経ですね。
でも美汐はそれ以上に身勝手なような気がします(^^;)
真琴は健気で良い印象でした。

31 最強の女 (採点:2)
……えーと。ごめんなさい、面白く感じられませんでした。
時間軸はなかなか凝っていますねー。

○Mynona さん

02 HEARTS (採点:3)
 わ、これは。堂々とやったのがいいですね。こういうのはやっぱり照れがあっちゃ。てらいのないところがいいと思います。


03 春遠からじ (採点:3)
 自分の悪い面に自覚的な祐一は嫌いじゃないです。別れの演出も独自だと思います。――しかし、エンドはカップルで落とさない方が自然な気がします。


04 ハッピーエンドをもう一度! (採点:4)
 好きなのはどのあゆなのか……という問題を、悩みごまかし自分勝手な結論も出しという、祐一の独り善がりな部分とそうせざるを得ない悲しみを、大変興味深く読みました。記憶がやってきてしまうまでのあゆがもう可愛くて、そして哀れで……。


05 ごきげんよう、お姉さま (採点:4)
 どうも苦手な栞でした。申し訳ないです。可愛いんですが、イベント発生の時期にちょっとおいおいと思ってしまいました。


06 彼女の子 (採点:2)
 ごめんなさい、ぴんと来ませんでした。こういうネタでは、医者は安心させる側にまわるのが定番だと思います。そして、その助言があっても打ち消せない妄想として描写してもらった方が僕は怖いです。


07 確率と戯れながら君は凛とする (採点:4)
 この展開なら、なるべく原作に似た振る舞い・思考パターンのキャラたちの方が衝撃があるような……特に祐一は普通っぽいキャラの方が怖い気がするなあと思いながら読みました。


08 今日から今までの日 (採点:3)
 じっくりとしたテンポで舞の心理を抑え目に描写されると面白そうな感じがするのですが……。狂気の踏み台としての日常が足りていないのかも……。


09 いつかの夏に、届くよに。 (採点:10)
 目にはさやかに見えねども。――もう、なんていうか。


10 けれど輝く夜空のように (採点:6)
 じらしてじらして核心に近づかない、この回りくどさがいい感じで。――ん? これは祐一君、向こうにいっちゃうかな?……ああ、なるほど。こうやって裏返しの側からあゆシナリオを照射できるんですね。そうすれば、自然な展開で別れが演出できる、と……。着想よし、誘導もよしですね。あゆシナリオの鏡像になりきって「いない」ことが、意図的なのかそうでないのか分かりませんが、皮肉な余韻をもたらしていると思います。


11 光 (採点:6)
 浸れたのですが、感情の表出部分に引っ掛かる感じがありました。お医者さん、役割に対してややキャラが強いかなとも。基調となっているトーン・視線は大変に心地よいです。


13 今宵もまた、逢いましょう (採点:7)
 クラスメイトをイチゴ好き少女と称えてしまう心情を想像したら、もう、むっちゃ遠いとぼけた視線なんで……。そこで釣り上げられて、そのまま最後まで引っ張られました。女の子の前で他人の話題ばっかりしてるところがまた切ないくらいイイやつでもう……。


14 女狐観察日記 (採点:6)
 こういうキャラには、外界との軋轢とそこから生ずるほのかな悲しみと滑稽さを期待してしまいます。それを名雪の視点が表すのだろうと思いますが……、もう一度最後は祐一視点に戻るとよかったのかなあ……。いや、でも、これはこれで乾いた空虚さがあっていいのか……しかし、その場合はもっと突き放した視点が……。いい、とは思うんですが、どうもまだよくつかめてません。


15 この街コンクール (採点:6)
 手紙ものの変形ですね、こういうの好きです。
 栞の一人称ですが、聞き手を意識しているなら気取りが足りない気が、意識していないなら語り口調過ぎる気がします。逆にはっきりと聴衆がいるはずの他キャラのスピーチ部分は、独り言要素が強いような、そんな漠然とした印象です――個人的な感覚で申し訳ないですが。


16 妖狐物語 (採点:4)
 素材自体は面白いと思うのですが、どうしてか背景世界の実感のようなものがつかめませんでした。ひょっとしたら十年が長いのでは。短くしにくい事情も分かる気はするのですが……。


17 風の盆 (採点:4)
 この成長のしかたは苦手でした。ごめんなさい。時間と成熟とスレっぷりのバランスがいまひとつに感じてしまったのです。


18 雨の音 (採点:7)
 世界の描き方が面白い。なるほど、と思います。心のどこかで大変にすっきりとするものがありました。落としどころの舵取りのおかげかな、という気がします。


20 世界の果てでアイに哭く獣たちの賛歌 (採点:7)
 おー。なんか凄い。調子外れ加減がいいですねこれは。笑いによる舞シナリオの浄化でした。個人的に。


21 透明なてのひらが (採点:5)
 うまいと思うのですが、秋子と名雪のキャラがなんだか釈然としませんでした。そして、その違和感の原因は主にこちらの側にあるような気もしています。自分の感覚に従うべきかどうかよく分からないので、棄権という意味で中間点をつけさせていただきます。


22 密室に踊る猫 (採点:8)
 可愛いなあ。スタンダードで可愛くて安心して見られるキャラでした。しっかりしたお話の構成も。勤め先問答などに、知性としゃれっ気を感じます。こういう言い方が許されればですが。
>「ずっとって程じゃないな。暗号が短かったのは覚えてるから、零時ごろだとは当たりを付けてた」
 こんなせりふが出ちゃうところ見ると、実は暗号解いててでもとぼけてるんじゃないかなあなどと思ってみました。


23 言い出せなかった。 (採点:5)
 何だか意外なほど読みやすい、とは失礼な物言いになるのでしょうが……散らかりそうな小ネタをこれだけ使ってるのにふしぎふしぎ。抑制が効いてるからなのかなあ。うまいと思います。


24 光があの娘であるように (採点:9)
 こういう何気ない寂しさって、もの悲しいな、悲しいな。


25 その手のひらに紡ぐもの (採点:5)
 学食のすれ違いシーンが素的だなあ。舞が大変にお上手。女教師のかっこう似合いそうだなあ。

26 そこに彼女がいなかったから (採点:6)
 この無常感は……。
 栞とあゆの会話は、ラストでの落下感を大きくするための仕掛けと思うのですが、個人的には表面上の会話だけでのすれ違いの方が好みです。――希望の部分は香里で煽って。
 サゲの部分で賛否あると思いますが、僕はぶつ切りで生なショックを受けました。


27 かおりんのお弁当大作戦 (採点:5)
こういう話を無性に読みたくなることがあります。意外な場所でなんだか懐かしいものを見かけたようなほのぼのとした気分です。


28 死んでからやってみたい10のこと。 (採点:9)
 タイトル見た瞬間に、これはやられるかなあと思って身構えて、そして、やっぱりやられてしまいました。


30 手と手をつないで (採点:8)
 この何故はきっと世界の外側の都合による不条理で、そんな事情を知ることも出来ない美汐が……強いなあ……憐れだなあ。


31 最強の女 (採点:5)
 なるほど、こういう構成は面白いですね。
 楽しそうでいいなあ。CDドラマな雰囲気。


○Natsu さん

01 スケッチブック (採点:5)
ほのぼのですね。
森でのスケッチシーンは素晴らしいです。幻想的な雰囲気が描けてました。
ただ、祐一と美汐に絵を贈るなら祐一の見せ場をもう少しつくってほしかったです。もしくは祐一は全面カットするとか。
中途半端にあゆを出してるのもマイナスです。

02 HEARTS (採点:1)
原作を知ってればこういう発想は普通に出てこないと思うんですが……。

03 春遠からじ (採点:8)
やばい、涙が……。
感動もしないのにうら寂しさだけで泣けるとは思いませんでした。
文章力、タイトル、共に満点です。
ただ一つ、祐一が出て行く理由にもう少し説得力が欲しかった。その点だけ惜しい。

04 ハッピーエンドをもう一度! (採点:4)
文章は綺麗だし、キャラも魅力的でしたが、面白味という点では物足りません。
内容はリハビリ日記みたいで、Kanonならでは、というシーンが少なかったです。
むしろ途中で『現実の前では誰もが無力』『奇跡に満ちていない』という文がありましたが、奇跡の物語であるKanonのSSで言うのは原作にとってもこの作品にとってもマイナスにしかならないと思います。

05 ごきげんよう、お姉さま (採点:5)
単純な構成ですが、テンポがよく、すらすら読める文章でした。
名雪のキャラが最高です。
オチが読めたのは残念。

06 彼女の子 (採点:3)
展開は普通だし、読んでて気分が悪いとは感じても怖いとは思いませんでした。

07 確率と戯れながら君は凛とする (採点:3)
ラストで興醒め。
ストーリーの展開と、香里と祐一の変化が唐突すぎてついていけませんでした。
家に爆弾を仕掛けるというのもリアリティがなくてうそ臭いと思いました。

08 今日から今までの日 (採点:1)
突っ込みどころが多すぎてどう書いていいやら……。
原作の焼き直しで退屈な展開、安直なラスト。
どうしようもありません。

09 いつかの夏に、届くよに。 (採点:1)
こういう電波に高評価は出せません。

10 けれど輝く夜空のように (採点:3)
この展開は、私としては受け入れがたいですね。
ベタと言われようが、祐一は助けてほしかったし、たとえ助からないにしてもあゆたちのその後は書いてほしかったです。
普通に救いのない結末で、読んでていい気分はしませんでした。

11 光 (採点:8)
理屈ではなく、感覚で読める作品ですね。
ストーリーそのものは平凡なものの、優しさともの悲しさがいつまでも心に響く文章でした。
前半までは満点です。
後半は説明口調が多くなったので減点。

12 Secand two (採点:7)
正直好きな話ではありません。
修飾過剰な文章は読んでて退屈です。
それでも面白いと言わずにはいられない。参りました。
好みさえ合ってれば余裕で満点だったと思います。

13 今宵もまた、逢いましょう (採点:3)
地の文が少なく、場面転換が多いので、一つ一つのシーンが薄いです。
容量の関係かわかりませんが、展開を急ぎすぎてるせいで、心理描写などがおざなりになってると思いました。
それから栞シナリオのキーパーソンである祐一の扱いが悪かったのも減点対象です。

14 女狐観察日記 (採点:1)
ギャグと割り切ることはできませんでした。
キャラ壊しはやりすぎると不快感しか残りません。
文章を見る限り、初心者とは思えませんが。

15 この街コンクール (採点:1)
読んでる間はひたすら退屈でした。
スピーチの上下にあるSSらしき文章が浮いてます。
スピーチも内容は街についてと言いながら実際は栞シナリオの紹介になってます。
最後に北川を出した意味はなんでしょう?

17 風の盆 (採点:7)
文章と構成がものすごく上手いです。技術面だけなら満点をつけたいぐらい。
特に上手いと思ったのは栞が生きている点です。
あとは名雪エンドなのになぜ生きてるか、それが説明できてればさらに良かったです。

ただ、せっかくの仕掛けがストーリー上、大した意味を持たないのが残念です。
何というか、仕掛けが作品の価値を上げているのではなく、作品そのものが仕掛けを鑑賞するためにあるように感じました。

18 雨の音 (採点:3)
Kanon本編は夢だった、という話でしょうか。
栞は生きていたんだし、他のヒロインも生きているんでしょうね。
でもこれは都合の悪いことを夢でごまかしてるに過ぎないと思います。

19 春風駘蕩 (採点:3)
謎めいた展開やシリアスなシーンなど様々な場面がありますが、文章が常に一定のリズムで、あっさりしすぎているため、読んでて感情の変化が味わえません。
また、散りばめられた伏線が回収できていないように思いました。
読後に謎だけが残るけど別に知りたいとも思わない、そんな作品です。

20 世界の果てでアイに哭く獣たちの賛歌 (採点:3)
何でしょうこのオチは。
物語の仕組みが最後まで理解できずに終わりました。
アクションシーンは面白かったので少しだけ加点。それでも低得点だけど。

21 透明なてのひらが (採点:9)
名雪が可愛い!
香里が可愛い!
秋子さんが滅茶苦茶可愛い!

原作補完として完璧です。
これは名雪エンド限定ですね。
読んでいくうちに「名雪エンドであってくれ」と本気で思いましたから。
原作への愛がなければ絶対に書けない話です。

幸せいっぱいの雰囲気、魅力あふれるキャラクター、もはやどこから褒めていいかわかりません。
これさえ読めればこんぺは大成功と言いたいぐらいの作品でした。
1位になれるよう祈っております。

22 密室に踊る猫 (採点:6)
ノリのいい話でした。
こういうのは雰囲気勝負でしょうからキャラの楽しい気分を味わえれば成功です。

23 言い出せなかった。 (採点:9)
オールエンドの矛盾も不条理も全てが許せる作品のお手本ですね。できればジャンルにオールエンドと書いてほしかったです。
オチも小ネタもすべてが面白かった。
最後のタイトルを見たときは完璧にやられました。脱帽です。

24 光があの娘であるように (採点:6)
独特の文体が面白いです。
ストーリーは平凡でしたが、読み心地がよく、最後まで飽きませんでした。
締めも個人的には良かったと思います。

25 その手のひらに紡ぐもの (採点:1)
今回こんぺでワーストです。
内容がつまらない作品はいくつかありますが、読むのが苦痛な作品はそれ以下です。
読みやすい文章を心がけてください。できないわけではないでしょう。

26 そこに彼女がいなかったから (採点:3)
原作の焼き直しですね。
さすがに原作そのままだと高評価はできません。
ハッピーエンドとの分岐点でも書いてくれれば面白くなったかもしれませんが。

ところで作者は原作で栞が助からない結末を見て驚いたからこの話を書いたのでしょうか。
実際私もエンディングを迎えたときは驚いたのですが、どうもそう勘繰ってしまいます。

27 かおりんのお弁当大作戦 (採点:2)
最初は普通だったのにだんだん非現実的な展開になってますね。
この手の暴力系コメディはいくつも見てきたし、特に笑いどころもなかったので評価は低いです。

28 死んでからやってみたい10のこと。 (採点:3)
場面転換が唐突で話に繋がりが見えないと思いました。
それでも雰囲気で魅了する話もあるのですが、この作品にそれはありませんでした。

29 サマーソルジャー (採点:7)
面白い、まさに群像ですね。
長さが気にならないテンポの良さに引き込まれました。
思いついたことを忘れないうちに文字にしてるような、そんな勢いを感じました。

30 手と手をつないで (採点:7)
何故あの子が帰ってこないか、この作品に一つの答えがあるかと期待して読みました。
結果は、微妙です。
確かに答えはあったのですが、オリジナルの要素が大きすぎて感情移入できませんでした。
美汐が真琴を殺そうとするのも納得いかなかったし。
ただ、文章も構成も穴はなかったし、何よりも真琴が帰ってくる話にどうしてもついてくる『あの子』について逃げずに描ききったのは素晴らしい。
単純な面白さは少し物足りなかったのですが、題材と完成度を評価してそれなりの高得点を捧げます。

31 最強の女 (採点:3)
ここまで特化した作品はある意味凄いと言うべきか。
途中で話の流れが変わるのかと思いきや最後まで変わらず。
せめてジャンル表記してあれば割り切ることもできたかもしれません。

とにかく、面白いかどうかで聞かれれば面白くないし、こんぺでこういう作品を読みたいとは思いません。

○Nekozuku さん

01 スケッチブック (採点:7)
クランシーを読む女の子が好きです。
彼女はきっと、インスピレーションを刺激する人なのでしょう。
題材や出てくる小物が、とても好みでした。

02 HEARTS (採点:5)
ああ、その手なのかーと思わせておいて、その後の展開がありました。
もうっちょと、その、要素が欲しいところで。
特にラストのオチとか。

03 春遠からじ (採点:6)
キミョーニウムに笑ってしまいました。原子量のでかそうな物質で。
文体が面白い、先が気になって読みたくなる。
気になるのは、2人以外の彼女たちがどうなったか。

04 ハッピーエンドをもう一度! (採点:5)
細かいトコですが、養子と直接的に書かず婉曲に表現して欲しい。
彼女本人の葛藤なんかが書いてあると、わかりやすいかも。
全く触れられていない実の父母への思いとかも。


09 いつかの夏に、届くよに。 (採点:9)
「届くように」じゃなく「届くよに」って、ピッタリですね。


15 この街コンクール (採点:5)
アイディアは判るのですが、今ひとつ何か足りないような。

16 妖狐物語 (採点:7)
面白いストーリーだと思う。設定や背景なんかも。
ただ、それを表現するのにこの容量では難しかったのではないかと。
もっとじっくり掘り下げて欲しいと感じました。

17 風の盆 (採点:7)
前半、名雪の記述が微妙。
二人に姿が見えているのか、いないのかで、かなり雰囲気が変わると思います。
いないと思うのですが、どうでしょう?

19 春風駘蕩 (採点:7)
良くできたSSだと思います。
それ以上に求めるのは、やっぱり駄目でしょうか。

23 言い出せなかった。 (採点:6)
ともかく、ラストで笑ってしまったので。

24 光があの娘であるように (採点:9)
口調とか、整合性とか、そんなものより世界観が面白い。
ラストも好み。
脱力感の中で、ちょっとだけ漂う雰囲気が素晴らしい。

25 その手のひらに紡ぐもの (採点:7)
人物設定(年代)を理解するのに時間がかかりました。
雰囲気は良いと思うのですが、少々違和感。
また、教師になった背景や成長について説明が欲しいところで。


27 かおりんのお弁当大作戦 (採点:8)
なにはともあれ趣味です(笑)
もっと怪しげで危ない装置や放射線なんかが出てくると、私的に嬉しい。
キンカンで爆弾ができるのではないかと思ったり。

28 死んでからやってみたい10のこと。 (採点:9)
落差が素敵。
読み直した時に、とても味のある物語だと思いました。
基本のとなる部分以外で関連が見いだせたりすると、尚よろしいかと。

30 手と手をつないで (採点:7)
あの子が帰ってこなかった彼女の行動を、責めることができません。
だから違いが認められないのでして。
故に、ストーリーの根幹に疑問を持ってしまいました。

○Revin さん

01 スケッチブック (採点:4)
一糸まとわぬ姿に興奮しました。

05 ごきげんよう、お姉さま (採点:10)
俺もその中に入れてください。

06 彼女の子 (採点:2)
む、むむ。
結局どうなったんだろう。

15 この街コンクール (採点:6)
スピーチそれぞれに、キャラのらしさが出ていて面白かったです。
北川のも聞きたかった(笑)

19 春風駘蕩 (採点:7)
上手い。綺麗。

23 言い出せなかった。 (採点:6)
オチのつけ方が素晴らしい(笑)

27 かおりんのお弁当大作戦 (採点:6)
笑った。すごい世界だ

28 死んでからやってみたい10のこと。 (採点:9)
途中でにおわされた寂しさ、笑い、ほのぼの・・・俺の持っているキャラへの愛着を程よくくすぐってくれるいい作品でした。

○toto さん

03 春遠からじ (採点:7)
小説というよりはゲームっぽいテキストだと思いました。
改行がリズムを生み出している。

さておき、ある時期にこういったSSを貪るように読んでいたことが確かにあったような気がしてます。もう今はよく思い出せませんが。
キャラ同士の掛け合いやオールエンドライクな展開のひとつひとつがなんだか懐かしくて、嬉しかったです。

09 いつかの夏に、届くよに。 (採点:8)
Kanonに夏って似合うよなぁ、と改めて思いました。
名雪の「そこがかわいいんだけど。」に悶絶。

そしてボーナストラックが68曲目。あるあるwwwww
あれ、うざいですよね。

12 Secand two (採点:6)
名雪と北川がくっつく話とばかり思って、
「……お前のことが、好きだ」が北川の名雪への告白だとばかり思って、
そのあと見事に騙されたことに気付いてぽかーんと口を開けて、
そして北川との合流でいよいよクライマックスかと前のめりになって、

あれれ、ここで終わり?

んー、なんかぶつ切り、という感じが。北川の「結局俺たちってセカンドでしかなかったんだよな」さえ伏線だと思って読んでましたし。
ここはまだまだ盛り上げられましたよ。アゲアゲですよ。

17 風の盆 (採点:8)
騙されたー……

という感覚がどうしても抜けません。冷静に考えるとこれ、ちょっとずるいよなぁ、とか思ってしまったり(笑)。
でも、涙ぐみかけてしまったのは事実なのでした。

20 世界の果てでアイに哭く獣たちの賛歌 (採点:4)
END.

とか言われても困りますよwww
ちょwww解説www求むwwwww


文章は良かったです。

21 透明なてのひらが (採点:9)
この母と娘のやりとりはとても良いです。
というか、秋子さんが可愛い(笑)。

そして物語の方はというと、今こんぺ随一の完成度だと感じました。
過不足なしの展開といい、丁寧な描写といい。

とても暖かくて、良いお話でした。

28 死んでからやってみたい10のこと。 (採点:9)
文章の端々に溢れるセンスに触れると、いい感じにびんびんしてきました。
インスピレーションの嵐。

○Gara さん

01 スケッチブック (採点:6)
うーん……なんと言いますか、地の文が全般的にこなれてないですね。
「そう言った」とか「〜は答えた」とかの「この台詞を言いました」という説明がちょっと多い感じです。
また、「何故自画像では無いのか」のシーンや「言われてみれば」のシーン等の「頭の中で考えた描写」と「実際口に出した台詞」とで同じ内容が重複する箇所も散見します。この場合考えている内容を省略するか表現を変えるかしないと文章がくどくなります。
キャラクターには分かっている事が読者には説明されない、という「描写不足」な展開が散見します。例えば「トム・クランシーの小説がどう少女向きではないのか」とか「グラスファイバーのイメージからどんな羽が書き加えられてどんな絵になったのか」とか「『美坂なら分かる』という模写の欠点とは何か」とか。

文章面はそろそろ置いておきまして内容面に関して。
栞の原作での設定の「留年」を変えた理由って何なんでしょう?
この話って別に栞が「留年した一年生」のままでも特に問題なく同じ話がかけそうな気がするんですが。ここを変更してしまった所為で栞が「闘病中も進級に向けて勉強していた」ことになってしまい、「死期を悟って達観していた」という栞の設定が有耶無耶になってしまっています。二月の時点で「病気が治った」として、それから猛勉強してトップ合格は流石に無理があります。「特例」で済ませちゃう位なら留年の設定のままの方が自然だったんではないかと。
森の中のスケッチのシーン。女神のイメージで半裸、というのはまあ分かるんですけど、その格好のまま夜の森の中を「必死で歩」かせて、草原を「どのくらい歩いたか見当もつかないほど」歩かせる、という展開は無理があると思います。
「肌が傷つかないように長ズボンを穿かせた」のに、ズボンも下着も無い状態で獣道を長距離歩かせてしまっては、美汐の体、ずたずたになってしまっていると思います。ついでに言うと「衣装を返したら一糸纏わぬ姿」って事は靴すら履いてないみたいだし……
フルヌードでものみの丘の風に吹かれる美汐、を描写したくて無理を通しちゃった印象ですね。

美汐と栞の交流と友情物SS、としてはとても素敵な話です。
ただ、この話を描ききるには、練り込みと推敲がちょっと足りなかったかもですね。

02 HEARTS (採点:1)
……久々に見ました……このパターン……
祐一争奪戦物(ってジャンルあるのかな……)としてはギャグもバトルもラブも実に中途半端です。
「一番大事な人に気付く」というオチで話を締めるのも強引ですね。典型的な「面白そうだから戦わせて、決着付けられなくて誤魔化した」パターンではないかと。
冒頭であゆと対峙してた筈の秋子が、「いつもと変わらない笑顔」で「あら、あゆちゃん」って展開も変だし……作者さん、全く先の展開考えないで書き進めてますよね、これ。
ついでに指摘。「祐一が強い子が好き」だから「戦う」のに、「祐一も参加」してどうするんでしょう??根本的に基本設定が変です。
どうにも、「楽しめる箇所」が見つかりませんでした。

03 春遠からじ (採点:5)
ストーリーとしては綺麗に流れている話です。文章もリズムがあり綺麗です。
でも、なんとも言えない消化不良を起こす話、ですね……。

基本的な大前提である筈の「この世界でのこれまでの展開」がばっさりと省略されているので、世界観把握が全く出来ません。
普通に考えると原作の設定からは有り得ない状況が詰め込まれ過ぎていて、読んでいて落ち着かず、居心地が悪いです。
この話、矛盾や困惑を最小限にする為にも、栞シナリオからだけ展開するべきだったんではないでしょうか?正直、他のヒロイン達との別れが羅列している所為で、栞の存在が決定的に薄いです。
この世界で祐一が栞を「振った」件に関して理由も状況も描かれていないので、ストーリーの「核」である筈の「祐一と栞の関係」がさっぱり見えてこないのが厳しいですね。
正直言って話が薄いです。

04 ハッピーエンドをもう一度! (採点:8)
あゆの目覚め、という案外しっかりと書き込まれる事の少ないテーマを、丁寧に綺麗に描いてくれた作品ですね。
忘れる、という事に関して名雪と交わされる会話が、普段表に出ない名雪の心情を間接的に描き出す展開は綺麗でしたけど、ラストで結局あゆが記憶を取り戻すので、結果的に名雪の言葉が現状から浮いた形になっちゃったのがちょっと勿体無いですね。何らかの解決が欲しかった気がします。
と、言うか、「名雪の感情」を推察させるシーンを挟んでいるこの描写だと、「名雪の目の前で」展開されるバカップルぶりに素直に感情移入しにくくて辛いですね。折角ですから祐一と一緒に浮かれた気分で読みたかったシーンでした。

05 ごきげんよう、お姉さま (採点:6)
うむー……凄まじく感情移入の難しい作品ですね……
ギャグ的展開なんですから仕方ないんですけど、それにしたって栞の気持ちが全く見えません。作者さん的にはこの話の栞の気持ちって理解できるんでしょうか?
そして、ラストの名雪の気持ちに至っては……想像不能、って言うか、突っ込み所すら分かりません……
百合物純愛小説、てのに嵌った経験が無い人間には展開全体が難解ですね。
まー、理解しようとか思わないで、ギャグ的展開として「こういう話だ」で済ませるべきなんでしょうねぇ。そのスタンスで読む限りは十分に楽しめる話でした。

06 彼女の子 (採点:4)
うーん……
ヤバいテーマで来ましたねー……

倫理とか影響とかって辺りを敢えて割愛して読めばリアルな恐怖を描いたダーク作品だとは言えるんですけど……
正直、現実に出産を体験又は立ち会う人にとっては不謹慎だし、障害を持って産まれた人には残酷です。

ダークとして以外の部分で不快を覚えてしまうのはやはりマイナスですね。

07 確率と戯れながら君は凛とする (採点:7)
描写を連ねて描き出される鬱々とした展開を、ひどく沈着な狂気が破壊するカタルシスにも似たラストが異様に迫力ありました。
ダーク、ってジャンルに求めるものとは方向性が微妙に違う気もしますけど、これはこれでアリですね。

香里の「戦略」の中身が少々気になりますね。
祐一を「苦しませる」ために、香里が祐一と「付き合う」必要ってあったんでしょうか?
栞の最後を伝えた上で即死しない致命傷を与えるだけで充分だった気がするんですけどね?
仮に祐一が香里に本気になっていたら、ただの心中になって「遺志」とはずれた結果になった危険性もありますし、「付き合わなかった」方が成功しやすかったように思うんですけど。

10 けれど輝く夜空のように (採点:6)
IFストーリーですね。割合良く練られてるとは思うんですけど……練り込まれてるかって言うと少々物足りない気はしますね。
祐一が「この街」で「死んだ」以上、普通は親類である名雪にだってその死は伝えられる筈。
名雪に伏せる事にしてしまうと、母一人子一人である秋子は祐一の通夜にも葬式にも行けなくなってしまいます。
更に言えば、祐一の死の状況を知っている筈のあゆを引き取るのも問題が出てきます。祐一とあゆを入れ替えてる設定なんですから、あゆも記憶喪失に陥っているという事なんでしょうけど、その場合祐一の存在自体を忘れていなければ記憶に矛盾がでてきます。
どうにもこの話の設定通りの状況を構成し得る流れが想定できません。恐らく作者さんも細かく設定できていないのではないかな?

14 女狐観察日記 (採点:3)
笑いにくいな……
既存のキャラの性格を違うものに変えてその結果本来の展開からずれていく、いわゆる壊れ系ギャグ、な訳ですけど、本編と重なってるエピソードがほとんど無い為に、「ずれ」の滑稽が発生せず、結果的に単なるオリジナルギャグになってます。
正直、オリジナルギャグとしては振りと落ちがうまく呼応してなくて、切れが無いですね。
この落ちにするのなら、真琴の話はもっと削って、名雪のエピソードを振りのメインにしておいた方が綺麗に落ちたんでは?

15 この街コンクール (採点:2)
……えーと……原作世界への解釈の発表、お疲れ様でした。それもキャラクターに語らせるという面倒であろう手法を用いてまで。
…………で……すいません、「ストーリー」は??
まあ、ジャンルで「スピーチ」なんて書いてるんだし、普通の「ストーリー」期待したらいけないのかもですけど、そうすると「SSで競う場」でこの作品から何処を読めばいいのか非常に困惑しますね……
あと、この展開で「あゆ」の件を匂わせるのって蛇足感強かったです。

23 言い出せなかった。 (採点:3)
えーと、全員無事世界では良くある事ですけど、この話、基本設定さっぱり分かりませんね(笑
ぬるいギャグとお約束の繰り返しがなんとも言えないマンネリ的定番感を醸し出していて、今までにそこら中で読んだような既視感を終始感じました。
……このネタで競ってほんとに良かったんですか?

27 かおりんのお弁当大作戦 (採点:3)
まあタイトルの時点でギャグなのは見当つきましたけど……意味不明の暴走ナンセンス的なギャグ、って、ある意味捨てネタであって……正直こういう場だと「評価」ってのが必要なんで読んで困りますね……
本編との矛盾なんてこの系に突っ込むだけ野暮ですけど、一応ひとつだけ。流石の水瀬親子でも、「おでん種」は買いに行って貰ってた筈では?ここを変えちゃうと「大きなおでん種」のネタが通じなくなりません?
ギャグとしては無茶が多くて笑い所に辛い話でした。触手がワシャワシャする料理、って流石に笑うより先に気持ち悪いです。漫画なら絵柄でなんとかなるかもですけど小説では笑いにくいですね。

28 死んでからやってみたい10のこと。 (採点:8)
栞の幽霊状態での一人称って死生観の問題とかあって結構難しいジャンルかと思いますけど、変に過干渉させずにあくまで霊体としての傍観者に栞のポジションを置いた事で無理な剥離も無く綺麗に纏まったかと。
栞視点では時間軸が逆行している設定ですけど、そうするとこの先はどうなるんでしょうね?拠り代が出来た事によって以降は安定して同じ時間軸を過ごせるんならいいんですけどね。このまま自分の生存中の世界へ逆行ジャンプし続けるとしたら、結構霊体的には楽しくない日常になりそうです。

29 サマーソルジャー (採点:10)
うわ。ものの見事に綺麗に全体が決まってますねー。
栞シナリオ後の世界で香里が北川と付き合う展開、は、それこそ「有り余る程有り触れてる程有り勝ち」な定番中の定番なんですけど、その設定をこうも綺麗な群像劇に纏め上げる手腕は素晴らしいものがあります。
先に栞と北川を友人にしてしまう、という展開なんか特に巧さを感じましたね。これで一気に栞の感情と行動に筋が通って、立ち位置が明確になりました。案外目立たないけど非常に非凡なるファインプレイかと。

30 手と手をつないで (採点:6)
何故か冒頭の辺りに文章的ミステイクが集中してますね。
「信じる事が出来なかった」なら掛かるのは「知らせ『を』」の筈。とか、「連絡がかかった」よりは「電話がかかった」もしくは「連絡があった」だろう。とか、「水瀬さんの家」が一箇所「相沢さんの家」になってる。とか、「お呼ばれしたすることがある」とか……
このままのペースで最後まで行くのか、と最初はちょっとげんなりしました。結局以降はそんなに変な表現は出てこなかったので、この辺りを執筆や修正している時に特に集中を欠いていたんでしょうけどね。

美汐の妖狐が帰ってこない件を「美汐が拒絶したから」と解いて、美汐の後悔と嫉妬による心の闇を描く構成は綺麗でした。綺麗に決まり過ぎて、解決の方法が「依存」という形になってしまったのはちょっと残念でしたけどね。もう少し、先々は前向きになれそうな建設的な未来の予兆とかも欲しかったとこです。

31 最強の女 (採点:5)
むー、冒頭でインパクトたっぷりにぶつけられた割に、「最低」の言葉の真意が語られないままで仲直りしちゃう展開って消化不良おこしますね……
前後の内容と小説的女心を考慮すれば、「女に恥じかかせて!」的な憤りの一言かなと推察はできるんですけど、それだけのもんだったなら引っ張りすぎですね。
ここまでメインに据えるんだったなら、恥ずかしさを圧して頑張る香里側の心理描写とか、駄目だった事への責任感とか悔しさ悲しさとか、怒った態度で通してしまう自分への内省的思いとか、あれこれ描写しておいて欲しかったとこです。その上でならどうしようもない気持ちから出た「最低」の台詞、って位置付けもできますし、北川の方から歩み寄ってきてくれた事による安堵とか嬉しさとか照れとかで香里の憤りが昇華する展開にだって出来た筈。
現状では、癇癪起こした彼女に男が自分から折れたらなんか巧くいった、という程度の浅い感情描写に留まってしまいます。香里側の肝心なとこの描写が欠けてる感じですね。
章毎に語り手を変えた上に、時間軸を混在させる、というのは煩雑になり過ぎますね。章の数字が不連続で時間軸を組み立てないとならない構成は読んでいて混乱ばかりを招きます。この場合は視点変更は控えた方が良かったかと。下手に香里視点がある所為で余計に香里の内面描写の足りなさが目に付いてしまいます。三人称で統一しておく位が適当だったんではないかな。

あとまあ、書きたかったテーマ的には仕方ないのは分かるんですけど、香里の設定から栞の病気という前提抜いちゃうと、香里のキャラが変わりすぎてしまって「Kanonの香里」がメインである意味合いが薄れます。なんとかもう一工夫欲しかったとこですね。

○えりくら さん

03 春遠からじ (採点:7)
祐一の本命は誰なのか僕には最後まで分からなかったです。
しかしまぁ、幸せそうでいいですな。
この祐一はヘタレ気味だけど、そのヘタレ具合がすごく上手く表現されてるなぁ、と感じました。
(切り株に向かって報告、とか)

04 ハッピーエンドをもう一度! (採点:9)
上手い!
あゆシナリオの「食い足りない感」を見事に補完した傑作ですね!

05 ごきげんよう、お姉さま (採点:9)
僕の中で名雪お姉さま化は十分アリなんです(@_@;)
すごい面白かったので9点です。

06 彼女の子 (採点:9)
医師に告知を受けてからの祐一の心理描写が凄い。震えました。
祐一の夢の描写なんかは京○夏彦ばりですわ。

12 Secand two (採点:7)
・・・カップリングの予想外れた・・・
主役になれなかった二人に幸あれ。

14 女狐観察日記 (採点:4)
黒っ!

15 この街コンクール (採点:6)
きっと心温まり系の新聞記事になって、その写真にはちゃっかり栞も入ってるんだろうなぁと勝手に予想。

16 妖狐物語 (採点:9)
単純に真一くんのキャラが良かったと思った。ただ、年の割には達観しすぎてるかも。

17 風の盆 (採点:9)
仕掛けに気づいてもう一度頭から読み直してみたけど、細かい所にも矛盾が無い。
いやぁ、やられました。脱帽。


21 透明なてのひらが (採点:8)
気をもたせるような態度取るなよ!ってことでしょうか。気持ち分かるなぁ、どっちも。

22 密室に踊る猫 (採点:9)
楽しめたのでプラス2点!「クセウヂルカス!」


27 かおりんのお弁当大作戦 (採点:7)
「こいつが噂のツンデレか・・・」で吹いた(笑)

28 死んでからやってみたい10のこと。 (採点:10)
なんか感動しちゃったんだからしょうがない。
自分の骨が拾われるのをただ見ている栞にぐっときました。


31 最強の女 (採点:9)
いいなぁ、みんな生き生きしてるなぁ。美坂チームの未来に乾杯!

○かき さん

03 春遠からじ (採点:4)
あああああ。惜しい。すごく惜しい気がします。
それぞれのキャラに割り当てられたシーン、なかなか面白かったです。
あゆについてはちょっと首を捻るところがありましたが、まぁそれはよしとしても。
祐一が街を出る理由が……
栞の言葉通りだったとしてもあまりにも弱過ぎますし、そもそもどうして栞がそれに気づいたのか分からない。
直前に香里からの拒絶があっただけに、祐一の決断には、もっとそれらしい理由が欲しかったです。
それがあれば、道化ものとして良作になったと思うのですが……

05 ごきげんよう、お姉さま (採点:8)
あああああああ、だいっすきだあああああーーーーーー
コメディのお手本のような話でした。
にんまりさせながらほのぼの、ちょっといい話を挟んで、最後に爆弾投下。何とも美しい形です。
おにゃのこ同士って一種の芸術だと思う。思うんだ。
上位を期待。

06 彼女の子 (採点:2)
これほどの奇形になると、親からの遺伝よりもむしろ化学物質や放射線による影響ではないかと思います。
と真面目に考えてみます。
きちんとした知識を持った上で扱われたのかちょっと疑問を持ってしまいました。
僕が無知なだけだったらごめんなさい^^;
恐らく狙ったのでしょうが、いやーな気持ちになれました。

07 確率と戯れながら君は凛とする (採点:8)
最後の方、読んでいてゾクゾクしました。うまいなぁ。
「笑いが止まらない。最低だ」これ凄い。何でこんなの思いつくんだろう。
タイトルも好きです。ただ、作品の中で確率、偶然、必然、その辺りのことをもっともっと強調して欲しかったかも。
ともあれ、見事なダークでした。このキレ具合は復路鵜さんかなぁ。

09 いつかの夏に、届くよに。 (採点:10)
いいなぁ。めちゃめちゃいい。超大好きです。
よくこれだけのものを詰め込めましたね。すげえ。
ちょっと評価は分かれるかもしれませんが、こういう形もありだと思えました。
一つ一つのエピソードが素敵過ぎます。
それぞれ全く違った味なんだけど、全体を見ると、不思議とまとまった雰囲気が。
何て言うんだろ。カノン詰め合わせというかそんな感じ。いやしかしこれは本当にすごい腕です。
こういう変わったことやるのはあの方かあの方のどちらかかなぁと思うのですが、自信無いから書かないでおきます(笑
個人的にはこれに一位取ってほしいっす。評価割れそうだからきついかも、ですが。

11 光 (採点:6)
スタンダードな良作。
実力のある方なんだと思います。全体的に高いレベルでした。
ただ、それ以上の、これといった特徴もなかったかなぁと。
「どこかで見た話」の域を超えられなかった気がします。
偉そうにすいません^^;

12 Secand two (採点:9)
うわあああああーーーーー
切ない。これは切ないっすよ、先生。すっげえ好きです。
最初の方からそういう空気が漂ってはいたのですが、ラストのだいたい5kbぐらいでしょうか、完璧にやられました。
シリアスの中にもちょっとした笑いが入っていて、読者を飽きさせない作り。
地の文、セリフ、共に高水準でところどころ溢れるセンス。
自分の思う一つの理想形に近いのですが、一つ、一つだけ。最後、締め方だけがどうにも合わなかったのです。
二人にくっつけと言っているわけではなくて、何かもっとこう、ほら、こう何て言うかうまい終わり方があったんじゃないかなぁと。
ちくしょう、言葉にならない。……言葉にできない僕の思いを受け取ってください(えー
まだ全作品に目を通してはいませんが、とりあえず上位は固いだろうと思います。

15 この街コンクール (採点:6)
名雪さん可愛すぎです。
他に色々書こうと思ったことがあったはずなのですが、彼女のスピーチで全部飛んでいきました。
この名雪もらっていいですか?(えー

16 妖狐物語 (採点:7)
好き。
細かいつっこみどころはありますが、そんなもの全部吹き飛んでしまうぐらいの作品。
真一の最期は、どうしても真琴の二番煎じになってしまうから短めにまとめられたのでしょうか。
個人的にはもう少し描写して欲しかった気もしますが、考えてみるとこれはこれで良かったのかも。
切ないけれどとても優しい話でした。

17 風の盆 (採点:8)
やられました。まさかそうだったとは。
読み返してみて、一度も北川と香里は名雪の言葉に答えていなかったことに気づきました。
うまいなぁ。それで不自然にならないような会話、流れにしたのは相当な技量だと思います。
名雪も切ないけど、それ以上に、夏美のセリフの一つ一つが胸にこたえました。

18 雨の音 (採点:6)
失礼な物言いになってしまいますが、文章の回し方や、展開、セリフなど、随所にまだこなれていない感じを受けました。
ですが、話自体の面白さ、魅力でいうと、今回のこんぺの中でも上位にあるのではないかと。
作者様のこれからにちょっと注目したいです。
……偉そうなことほざいてごめんなさい^^;

19 春風駘蕩 (採点:9)
あああああ。素晴らしい。
センスの違いを感じます。これから先、自分がどれだけ書き慣れて技術をつけていったとしても、これは書けないだろうなと。
全体を覆う、おだやかだけど寂しげな空気。正に駘蕩。読み始めて15秒で飲み込まれました。
特に終わり方が好きです。少し悪い言い方をするなら中途半端。だけどそれがこの作品にはすごく合う。
万人受けはしない話だろうと思います。でも上位行ってほしいなぁ。

21 透明なてのひらが (採点:7)
秋子さんが可愛すぎます。それもひどくリアル。
話自体もすごく面白かったです。優しくて温かいほのぼのでした。
ただ、最後のパートがちょっと物足りなかった。時間が足りなかったのかな、と。
「透明なてのひらが」素敵なタイトルでした。
でもこれも最後の方でもっと上手く絡めてほしかったです。やっぱりつくづく時間なのでしょうが^^;

29 サマーソルジャー (採点:9)
あまりにも素敵な青春模様。
それぞれのキャラが活き活きとしていて、群像って言葉は確かにぴったり。
主役であるところの栞と北川とのやり取りがナイス過ぎます。こういう頭が切れる同士の会話って好きです。
地の文も見事。軽い文章でリズムよく読み進めていけました。
ところどころセンス溢れる言い回しがあって、同じ書き手としては羨ましい限りです。
全体的に、文句をつけるところが見当たりません。残り一点は決定力不足、という感じでしょうか。わがままな読者です^^;
上位、おめでとうございます(笑

○じゅう さん

01 スケッチブック (採点:5)
あらら?
作者さんがこの作品で語りたいことは語りきりましたか?
投稿締め切りに追われてしまったのでしょうか?
1〜5までの雰囲気やテンポで最後までいってまとめてほしかったです。


02 HEARTS (採点:1)
無理矢理バトル展開にしておきながら、バトル描写のおざなりっぷりがすごい

03 春遠からじ (採点:1)
>他人に支えを求めるくせに、自分はなにひとつ行わない。それどころか、頼られればさっさと逃げる。

なんでこんな奴が、少女たちを救えたのか……?

05 ごきげんよう、お姉さま (採点:2)
百合がどうこう言う前に、展開が読めすぎて……楽しめなかったです。申し訳なかったですけど。

06 彼女の子 (採点:1)
んんん……。
>元気な子供が生まれたら、これまでのことは笑い話にでもしてください
このクズ医者がっ!

祐一が、畸形児の可能性を聞いたとき、
グロテスクな姿への恐怖しか思いわずらっていないのが一番の問題。
実際何が一番つらいかって、子供が生まれたあとの生活でしょう。
結婚して家庭を築く男とは思えませんでした。

08 今日から今までの日 (採点:4)
原作と違うラストに持っていくための説得力として
祐一に対する愛憎の描写がもっとほしかったですね。


09 いつかの夏に、届くよに。 (採点:9)
なんだろ、この作者さん。
なんでもない話(褒め言葉)のオムニバスだけで貫き通してしまいましたか。
エンドレスでダラダラ聴き続けたい、そんな世界でしたね。

10 けれど輝く夜空のように (採点:5)
ん……疑問点が二つほど。
祐一は何故、自分が消える日を「明日……っと、もう今日ですね」と把握しているのか?
名雪は何故、祐一の死を知らないのか?
ということです。

12 Secand two (採点:8)
second?

それはともかくとして。
丁寧に、丁寧に心理描写を重ねて、よい青春ドラマになったと思います。
ちょっとした騙しも入っていたので+1点。

13 今宵もまた、逢いましょう (採点:2)
前半部分での栞ちゃんの頭の悪そうな言動は一体…?

コミカルな部分とシリアスな部分との融合がよろしくないですね。
北川君も栞ちゃんも、ふざけてたと思った次の瞬間には寂しそうにしてたり、と
不自然な感情の切り替えが酷く目につきました。
あとは、北川君の心理描写が不足しているため、
悪い意味でのカッコつけ野郎に見えました。

14 女狐観察日記 (採点:2)
悪いSSじゃないんですよ。構成的には。
でも、毒っ気が強すぎて、読むのが辛かったです。



15 この街コンクール (採点:8)
同じ風景を撮っても、プロの写真家のものと素人の観光写真とでは明らかに違うように、
原作の撮り方を工夫すると、奇をてらわない題材でも面白く読めますね。
よかったです。

16 妖狐物語 (採点:2)
シチュエーション優先のために大切なことをいろいろと置き去りにしている話です。

人間世界への執着がないのに、なぜ真一が人間に変身するのか、という設定上の疑問がまずあります。
両親の心配や迷惑を考えず、勝手に退学して狐の子を育てる美汐。
両親に経済的にどっぷり甘えているのに、
表面上、自分の手で育てるためだけにそんなわがままを言ったのでしょうか。
それとも、養育費は美汐がバイトして稼いだのでしょうか?
しかし、そうだとすると、美汐の家庭に入りこんできた祐一をあっさり迎え入れるのは変ですね。
また、結婚前の娘が妊娠したという噂を流す両親というのも異常です。
人間の真琴ではなく動物の真琴に対して嫉妬する祐一も変態みたいで気持ち悪いです。

17 風の盆 (採点:7)
技巧賞。

18 雨の音 (採点:6)
展開の構成は悪くないと思うのです。
でも、あゆが説明口調で謎の種明かしをするところと、
名雪が初対面のあゆに対し、怒鳴りつけるように説教を始めるところで
テンポのもたつきを感じました。
少しは二人に面識があった、という設定のほうがよりスムーズになったと思うのです。

20 世界の果てでアイに哭く獣たちの賛歌 (採点:5)
ひととおり読めば、魔物とはどういうものであるか、
ということが漠然とわかってくるのですが、
ここで終わりと云うのは中途半端な感じがします。
謎を残したまま終わるという手段は否定しません。が、
あの錯誤シーンは終わらせるタイミングではないと思います。


21 透明なてのひらが (採点:6)
悪くない話、というか、中学生恋愛として好掌編なんですけど、
秋子さんが、ものすごく子供っぽいという違和感が拭えず、
そこが受け入れられなかったです。
原作と変わっているから、という理由だけじゃなく、
この話の母親役として。


22 密室に踊る猫 (採点:5)
栞が真実を看破したとき、なぜあんなに香里が慌てているのですか?
自ら推理ゲーム仕立てにして盛り上げているぐらい楽しんでいるのに。
単なるイタズラなのだから犯人をずっと隠し続ける意味もないですよね。

ちなみに栞の暗号は、読者にやさしく、祐一に厳しい感じですね。
あの暗号をすぐに口にできるあたり、
この作品における栞のIQはかなり高いという設定なのでしょう。
しかし「SSを読み返せない」祐一にはちょっとヒントが厳しいと思います。
だから「ヒントとして適しているか」の判断力は栞に欠けていますね。

23 言い出せなかった。 (採点:3)
最後のオチにもっていくための、
登場人物たちのドタバタな日常というのはわかるのですが、
いささか長すぎでダレてしまいました。
短編向きの題材だと思います。


24 光があの娘であるように (採点:3)
栞の口調が下品なのは何故?

それはそれとして、
この作品世界では、死というものは遠い場所への引越し程度の重みしかないのですね。
個人的に一番引っかかったところです。
そういう世界観を認めるとしても――んんん。

栞の言う「るーる」は
クラナドの風子シナリオでのルールを彷彿とさせますが、
設定を話に活かさなければ使用する意味はないように思えます。

最後、ブツッと切れて終わったのはちょっと面白かったです。

26 そこに彼女がいなかったから (採点:4)
「諦めたらそこで試合終了ですよ」
「あゆ先生……幸せな未来が欲しいです」

諦めずに願い続けていれば、きっと叶う、というあゆの論はどうなんでしょう。
そういうのって、自分も努力して叶えようとする願いの場合ではないでしょうか。
他力本願を延々と続けよ、というのには疑問を感じます。

それとも、結末から逆に考えると、
願えば叶うということは幻想にしかすぎないことを分かった上で、
あゆが気休めを言ったのかもしれませんね。
その可能性もあるので、そこらへんを加味して、これぐらいの点数です。

27 かおりんのお弁当大作戦 (採点:1)
ラブコメに登場する女の子の料理って、
とても上手いか、とても下手かの両極端な場合が多すぎると、前々から思っていました。
そして、下手な子ほど、他人に無理やり食べさせたがるのも何故だろうと、前々から思っていました。

ドタバタラブコメのテンプレートにKanonキャラを当てはめるだけではなく、
作者さんのオリジナルアイデアが1割程度でもいいから読みたかった。
それが感想です。

28 死んでからやってみたい10のこと。 (採点:4)
火葬場のシーンが良かったと思います。
それより前の部分は……いらないですね。

30 手と手をつないで (採点:6)
美汐が、自分の中の負の感情と向き合いつつそれを克服していく過程がなかなか良かったです。
けれど、真琴の首を絞めるっていうのは過剰演出な気もします。
殺意を抱いてしまった、という程度で良かったのではないでしょうか。
首を絞められた直後なのに、聖人のようにあっさり美汐を許す真琴にややわざとらしさを感じてしまったので。

31 最強の女 (採点:6)
さわやか青春フォーマットにリアルな若い性の悩みを織り交ぜるという、
ある意味教科書的作品です。
ここまでぶっちゃけるかなあ、と思いつつ、
シモの話も出来てしまう、という仲良し関係には多少憧れの念も。


よし、慣れてきたらこの次のステップはスワ××××だ!(最低)

○つうじい さん

01 スケッチブック (採点:4)
文章はすごく丁寧に書いてあって感心しました。
ただ、盛り上がるところが少なかった事と、一部不要と思われるエピソードが気になりました。
あと、栞のキャラが私の思うものと違いました。

「それに絵の中の私に浮気されるのも嫌です」

って台詞好きです。

02 HEARTS (採点:4)
同じギャグで参加したもの(そのつもりじゃなかったらすみません)として、純粋にその情熱を感じました。
できれば次回コンペでも作品を読んでみたいです。

03 春遠からじ (採点:5)
文章が素直に上手だと感心しました。
台詞まわしが独特で興味を惹かれました。
ただ舞達や真琴達が絡んできたのはどういう意図だったんでしょうか。
去っていく祐一を演出するなら、栞がもうすこし登場して説明的であってもよかったかと。

04 ハッピーエンドをもう一度! (採点:10)
正直言ってあんまり好きな話ではないです。
タイトルのつけ方もどうかと思いますし。
でも満点をつけたのは純粋に完成度の高さを評価してです。
作者さんのカノンワールドをこれでもかって程に見せつけられてしまいました。
そして確かにカノン延長線上であるその世界に引き込まれたんでしかたないです。
シリアスに満点つけることは珍しいのですが、正直完敗です。お見事。
個人的には私の作品が順番的にこれの次に読まれる可能性が高いのには泣きそうです。

06 彼女の子 (採点:1)
作者さんの技量の高さにはびっくりしました、演出の上手さは素人とは思えないです。
祐一の恐怖や不安が、読んでいるものにもじわりじわりと伝わってきました。
この作品はカノンである必要がまったくないのに、高得点をつけるつもりでした。
ラストに救いがあれば……ほんのすこしでよかったんです。
中途半の評価は逆に失礼な気がするので、いっそ最低点にしときます。
全作品の中でもっとも衝撃受けました。

07 確率と戯れながら君は凛とする (採点:1)
二発連続でダーク作品を読んでジャンルにダークを記載する必要性を感じてます。
話としては面白いです。
祐一が二階に上がってからは全く予想外の展開で感心さえしました。
でも私は香里が好きなんで……これは認めれません。

08 今日から今までの日 (採点:1)
並び順が悪すぎる。
先のダーク2作品のレベルが高いので、インパクトがないように感じられました。
だからなのか作者さんがこの作品を書いた理由が見つけられなかったです。


09 いつかの夏に、届くよに。 (採点:6)
台詞まわし、間の取り方、構成、展開、オチすべて私ならありえないSSだなと。
私がギャグSS書きだから芸風が違うとかではなくて・・・根本的に違うのはおそらく感性。
私にとっては特殊な電波、特殊な個性。
文章力は文句ない上手いのでので、評価しにくい不思議な感じがしました。


10 けれど輝く夜空のように (採点:6)
七年前死んでいたのが祐一だったら……というifですか。
よく思いついたなと、その発想力にはただただ感心です。
でも……もったいない。
これを長編の方で100キロバイトくらいで書いてくれたら、すごいことになったと思います。
中篇で参加させるのはとにかくもったいないの一言。
でもその台詞回しに笑わされる自分が悲しいです。





11 光 (採点:8)
うまいなあ、なんでこういう風に書けるのだろうか。
この先どうなっていくんだろうとドキドキさせる演出がうまい。
最後は平凡とも思いますが、個人的にはハッピーエンドでよかったです。
唯一気になるのはミユキ先生の存在、特別活躍もしなかったのが予想外でした。

12 Secand two (採点:4)
今回特に評価に困る作品の一つです。
文章力、構成等の技術面ではかなり高い評価、わたしなんかより数段お上手。
ただ、キャラクターにかなりの違和感を感じます。
誰一人私の知ってるカノンキャラが登場してない。
オリジナルコンペとかなら9点以上なんですが。

13 今宵もまた、逢いましょう (採点:8)
今回の参加作品の中でも特に地の分が少ない作品だと思うんですが・・・
内容が薄く感じないのは、台詞まわしが上手くサクサク読み進めることが出来たからですね。
栞と香里の絡みのシーンがすこし淡白に感じられたこと意外は文句なしです。
北川メインとしてはまれに見る良作。
香里が元気になってよかったです。

14 女狐観察日記 (採点:2)
なんか独特の才能を感じさせられて、すごい複雑なんですけど。
これはこれで面白いですが、やられた感が満載なんで低めの点にしておきます。

15 この街コンクール (採点:5)
スピーチと街が関係してないっす。
スピーチの内容が個人的すぎるっす。
時間足らなかったのがバレバレっす。
序盤がすごい素敵で、期待しまくりだったので後半がっかりです。
でもキライに慣れなかったのは作者さんの文章の質が私好みだったからです。
他の作品どこに行ったら読めます?

16 妖狐物語 (採点:10)
この話を中篇でまとめるのは大変だったでしょうが……
序盤はこのとんでもない設定でどうなっていくのかドキドキしました。
中盤は予想外の真相に話がまとまるのか心配しました。
後半は見事にまとまった話に感動しました。
この内容で美汐が確かに美汐なのがすごい。
オリキャラものですから賛否が分かれるでしょうが、私はこの素晴らしい完成度の作品を絶対的に支持します。

17 風の盆 (採点:8)
途中ちょっと違和感を感じて戸惑いましたが、そういう話でしたか、うまくまとめてますね。
設定と話の流れはすこし強引かと思いましたが、面白い。
夏美の登場から真相が明かされるあたりの演出はうまいなあ。



18 雨の音 (採点:8)
面白いです。
名雪のキャラに違和感は感じましたが(特に人形を叩き落したあたりから)
こういう真実があってもいいかなと思わせるほどの説得力がありました。
残念なのはラストがやけにあっさりしてることでしょうか。

19 春風駘蕩 (採点:7)
雰囲気が出ていて、面白かったです。
文章も良くまとまっていて、上手さを感じました。
文句はどこにもつけれないんですが、高得点までいかなかったのは・・・
ゆっくりな展開のせいと、ヒロイン達が誰も幸福になってない事かなと。

20 世界の果てでアイに哭く獣たちの賛歌 (採点:1)
壮大なアナザーストーリーなだけにせめて長編に完結した話を出して欲しかった。
佐祐理が出てからがかなり強引に終了ですね。
その直前までは、次の展開にドキドキしたんで残念。

21 透明なてのひらが (採点:6)
名雪に恋の物語があったら嫌だ!秋子さんがおばさんっぽくて駄目だ!
って中盤まで思っていたのですが……いいお話でした。
きちんと本編につながっていく、ささやかな思い出話として楽しめました。

22 密室に踊る猫 (採点:5)
ほのぼのですね。
推理モノではなく。
事件の真相が地味すぎて残念。
会話のテンポなどは好みで、ギャグも冴えてました。

23 言い出せなかった。 (採点:9)
チクショウ!爆笑した!くやしいっす!
中盤までの技巧派なギャグも感心させられたが、オチがうまい……タイトルそう使いますか、すげー感動です。
途中ちょっといい話になって失速したように感じたんですが、ラストで取り返した。
登場人物が多すぎるのも、ラストの一発ギャグをうまく演出しているなあ。

24 光があの娘であるように (採点:7)
いい意味で裏切られました。
まず名雪のキャラははげしく違うし、内容は今回のほかの参加作品とあちこち微妙にかぶってて、いい点数つけにくいかなと。
ただ途中から独自の路線を進みだして、引き込まれました。
最後にはこんな名雪もたまにはいいと思わされました。
それってすごいことだ。


25 その手のひらに紡ぐもの (採点:5)
細かいことを考えないなら9点以上つけたい……
しかしカノンコンペなので、年齢のことを考慮してここは心を鬼にして減点します。
祐一が去っていたなら、こんな舞はいないとも思いますし。

26 そこに彼女がいなかったから (採点:5)
あゆや奇跡の使い方はうまいなと思いましたが、もうちょっと書き足して欲しかったです。
栞の心理描写ももうすこし濃厚なら、作品に深く入っていけたかなと。
このラストは賛否が分かれそうですね。

27 かおりんのお弁当大作戦 (採点:7)
ベタベタなのに、キレがある。
だから「ごふぅっ!」で爆笑しました。
普通のネタなのに悔しいなぁ。



28 死んでからやってみたい10のこと。 (採点:9)
失礼な言い方かもしれませんが、SSとしては完成しきってないと感じました。
推敲が足りてないですし、完成度だけなら平均以下かも。
でも……ただ単純に大好きです。あなたの文章が。
誤字やらオチの強引さやら、あちこちに見える大量のマイナス要素を差し引いても大好きです。
堅苦しい表現が少ない分、読みやすくて作品の勢いが消えてない、あっという間に引き込まれるのが感動。
あと、映画監督シリーズとか……絶対私では思いつけないです。


29 サマーソルジャー (採点:5)
普通に面白いんですが、他の作品に比べるとパンチが効いてない感じです。
あと、北川がちょっと二枚目で、香里がそんな北川にベタ惚れしてるのにも違和感。
やはり北川は犬っぽくないと……

30 手と手をつないで (採点:7)
面白い。
私の中のイメージでの”美汐とあの子”の関係とは大きく違う展開だったので興味深かったです。
でも、いつのまにかこの話の方が私のイメージより現実的だなと思わされました。
それだけ美汐のキャラがリアルに描かれていたからだと思います。
ただすこし残念なのが、ラストの美汐の心が開かれていくシーンがあっさりしすぎかなと。
もう少し強いエピソードが欲しかったです。

31 最強の女 (採点:4)
エロいよ。
テンション高いよ。
良くやってくれました……とは思いますが。
高得点はあげません。
色々過去を思い出してしまって、一部笑えませんでしたから。
個人的な理由ですな。

○まてつや さん

01 スケッチブック (採点:7)
 二人の出会いがなんとなく自然でいいですね。
 内容も素敵なお話でした。
 惜しむらくはラストというかなんというか、もっと尺があっても良かったのではないかと思いました。
 これで終わり? と正直思ってしまいましたので。

02 HEARTS (採点:1)
 「・」の使い方を統一した方が読みやすくなると思います。2つと3つの場所が意味があってわけてあるのではなく感じられました。
 それに「・」自体を多用し過ぎているようにも感じます。
 その辺りを含め、全体的に読みやすくして欲しいなぁと感じました。

05 ごきげんよう、お姉さま (採点:9)
 むぅ。こういう話書きそうな作家さんを思い浮かべると数人頭に出てきますが。
 誰でしょうか。ししょーかな?
 オチが想像できるのと中途半端だったなぁと感じた以外はとてもたのしく読めました。
 ナイスジョブ。

06 彼女の子 (採点:7)
 いいところついてると思いました。
 ゾクゾクするような感覚も味わえました、けれどあと一味何かさらに欲しい気がしました。
 なんだろう。

07 確率と戯れながら君は凛とする (採点:8)
 うーん、好きなんだけどなぁ。
 おもしろかったんだけど、ダークにしなくても良かったかなぁという感じ。
 あと、最後の祐一の笑いがちょっと良くわからないかも。

08 今日から今までの日 (採点:5)
 書き方が独特ですね。
 ダーク作品が3本並んでこれで最後なんですが、先に読んだ二つと比べて、怖くない。
 悪くはないけれど、最後の最後で、風船が膨らまずにしぼんでしまった感じでした。

11 光 (採点:7)
 大逆転という感じです。
 うーん、しっかりと終盤にやられてしまいました。
 グッドジョブ。

12 Secand two (採点:8)
 英語のつづり間違ってません?
 さておき、こういうの好きだなぁ。読みやすくて面白かったです。
 欲を言えば、あそこで終わりでなくてもう少し続いて欲しかった。

13 今宵もまた、逢いましょう (採点:9)
 いいんじゃないでしょうか。
 誰もが深すぎる程度まで強引な行動を取らずにここに終着するのはとても自然に受け入れられました。
 ナイスジョブ。

15 この街コンクール (採点:5)
 こういう話にしては前振りは頑張ってる感じ。
 だからと言って内容が面白かったかと言われるとそれほどでも。
 オチがなんか、もっとあればなぁ。
 ジャンルがジャンルだけに、しょうがないのか。これが作者さんのしたかったことならば仕方ないことなのかな。

16 妖狐物語 (採点:8)
 美汐の行動力すごい。あと、両親そんなにものわかりよくていいんですか!?
 なんとなく、美汐の両親像にいいイメージがないんですよね。
 さておき、オリキャラも活きていて、いい話だったと思います。
 なんかやさしい感じがしていい締めでした。

18 雨の音 (採点:3)
>まるで麻薬を吸っているようだと思った。
 ぞくりとする文章だと思いました。ここは好きです。

 話し全体として結局どうなのかよくわかりませんでした。
 祐一はどこいったの……。

21 透明なてのひらが (採点:7)
 みかんで名雪を叩くかなぁ?
 ちょっと茶目っ気のある秋子さん、違和感あるようでもあるし、合っているような気もします。
 終盤はなかなか良かったんじゃないかと思います。

22 密室に踊る猫 (採点:6)
 くそぅ。暗号解くために序盤何度も読んじゃったじゃないか(笑)
 すぐになんか解けないよ。これじゃあ、自分では栞には会えませんね。

23 言い出せなかった。 (採点:6)
 真琴のエピソードだけ、なんか微笑ましいと感じました。
 オチはなかなか良かったんじゃないでしょうか。
 途中は笑えるとことそうでないところがあって結局±0かな。

24 光があの娘であるように (採点:8)
 文章の書き方及び話の綺麗さからするに、TOTOさんのような気がします。かのこん短編3のときと文章イメージが同じに感じました。違うかもしれませんが。
 会話、面白いです。たまにどっちがどっちかわからなくなるのがたまにあったけれど。栞の言葉遣いが汚いなぁと感じるものもあったけど。
 終盤の名雪の独白いいですね。
 素敵な作品でした。

25 その手のひらに紡ぐもの (採点:7)
 とてもいい話だと思います。
 この話で語られた「優しさ」だけでなく、順送りといいましょうか。
 伝わっていくものって大事だと思います。
 こんなに深くはないですけど、天野さんで似たような話を考えたことはあります。でも、表現が難しそうで出来ませんでした。
 このお話は、その難しさを丁寧に書ききった感があったいいですね。
 タイトルも読み終わった後で思うに、なかなか良いと思いました。

26 そこに彼女がいなかったから (採点:4)



28 死んでからやってみたい10のこと。 (採点:5)
 タイトルが素敵です。読む気にさせてくれます。
 会話は楽しかったけれど、全体的な話としてはどうなのかな、う〜ん。

29 サマーソルジャー (採点:7)
 竹仙人さん。かな?
 会話、面白かったです。楽しい話でした。
 で、今回のこんぺ栞が多くて、並び順のせいなんですけどもっと早めに読めば楽しめたのかなと思えたのが残念。作者さまの責任じゃないですけどね。

30 手と手をつないで (採点:6)
 ぞくぞくしました。
 ありだとは思います。けど、怖かった(笑)

○りょと さん

01 スケッチブック (採点:3)
 明らかに詰め込みすぎです。伝えたいことがたくさんあったのはわかりますが、それをばら撒きすぎて何を伝えたかったのかまったく見えてきませんでした。
 あと、読んでて思ったんですが、初期の村上春樹に影響受けてるんじゃないかなぁ、と。
 人のことはさっぱり言えないですが、こういう形式は確かに楽で、見栄えもいいです。けど、そこはかとなく文章自体狙っていかないと微妙なことになります。読んでいた限り、割と普通な文章ばかりでしたのでそこが気になりました。メリハリがつけられる構成だからこそ、最低限求められるものがあると思うんです。

02 HEARTS (採点:3)
 すげぇ。基本を全部押さえてるなぁと思いました。懐かしささえ感じさせてくれます。
 ここがそういう場でしたら、それなりに評価してましたが、ごめんなさい。
 結果はアレだと思うんですが、ここを出発点にして頑張って下さい。結果をバネにして努力すれば、きっと素晴らしい書き手になるはずです。
 そう、私は思っております。今後のご活躍に期待しております。

03 春遠からじ (採点:5)
 まず、行頭一字空けは基本っちゃ基本っす。覚えといて損はないっす。採点には加えてないんですが一応。

 と言ったところで、感想を。
 お話は結構好きでした。ストレートでも、飽きさせない面白さがあると思います。
 雰囲気を保ったままで、読ませる力があると感じました。結構素直に最後まで読むことができました。
 ただ、栞のところにぽっかりと穴があって、そこに追いつくのが結構大変でした。その辺から入った方がお話としては完成度が増したのではないでしょうか。香里がなんで怒ってるのかも、最初はわからなかったですし。

04 ハッピーエンドをもう一度! (採点:6)
 ごちそうさまです。
 えと、結構しっかり描こうとしてるのに好感触。が、そのために最後辺りのご都合が結構合いませんでした。その辺がダメだった為に、ラストシーンもひどく安っぽく見えてしまったのがあります。
 説明描写が多かったのもちと厳しかったです。無茶を言うなら、情景描写の割合をもっと増やして欲しかった。ハッピーエンドにする為、という目的のためのこの話でしたけど、個人的にはテーマ自体を変えた方が話的には合うと感じていたので。
 つか、痒かった。すごく。

05 ごきげんよう、お姉さま (採点:4)
 つうじいさんっぽいですが、間違ってたらごめんなさい。
 構成がちとまずい。書くべき部分と書かなくてもいい部分が見えてないため、恐ろしく読みづらかったです。
 あと、割とオチもネタも単調すぎるのがダメでした。ストレートすぎます。
 もうちょい捻くれた視点を。もし、最初の予想が合ってたのなら余計に。

06 彼女の子 (採点:1)
 ぶっちゃけ今回は1点つける気はありませんでしたが、これはどうしようもねぇ。
 まず、第一に、幾らなんでも産婦人科医がおかしすぎる。あそこまで妊婦とその夫に対して不安を煽る産婦人科医なんて聞いたことないです。事務的に、可能性があるだけ、最初の時に伝えるくらいなら構いません。その後がしつこい。正直、違和感どころの話じゃなかったです。医者不信なんでしょうか、作者さんは。
 あと、幾らなんでも奇形児だからってのあそこまで嫌な事に描くことなかったんじゃないでしょうか。ぶっちゃけダークというよりは、単に嫌な話でした。キャラそれぞれが安っぽすぎる。主観を決め付けすぎている、というか読者に押し付けすぎていてどうしても反感を抱いてしまいました。その辺が狙いでしたのなら、ぴったりはまっていたと言わざるを得ないです。

 とりあえず、読んでて辛かったです。ダークだから、という意味ではなく。
 あと、これは採点には加えてないんですが、いくらなんでも過剰な改行が無意味すぎます。ぎっちり詰まってるとチラチラして読みづらいっていう感じでしょうが、私個人としてはこっちの方が辛かったです。

07 確率と戯れながら君は凛とする (採点:6)
 前半の話を構築していく過程はかなり冷静だったと思います。けど、文章に関しては冷静じゃなかった。そんな気がします。その手の制御と計算をもうちょいきっちりやってほしかった。
 中頃になるとそれまで構築していたどちらかと言えばねちっこい文章スタイルさえ崩れてしまいます。ペースを保って欲しかった。そして、展開のスピードもいきなり急発進しすぎじゃないかと思うんです。いきなり爆弾、なんて言われても突飛すぎてなんだかなぁ、と思いました。説明口調がやけに多かったのはそう言ったところから来た皺寄せだと思います。徐々に向かっていく形、滑らかなストーリー構成を行って欲しかった作品でした。
 それを最も感じたのは心情的な要素、ぶっちゃけ祐一も香里も最初から何も変わらないスタンスな訳です。崩れていく感じを出そうとしてる、そんな気が読んでてしたんですが、その二人の心情描写がまったく持って変化を感じなかった。何にせよ、結局は説明的な文章に頼りすぎたってのが原因くさいです。情報として入ってくるだけで、感情移入が一切できませんでした。

08 今日から今までの日 (採点:2)
 なんかこう、垂れ流してるだけだなぁという印象です。読んだ後、「ふーん、そっかぁ」くらいしか思えなかったのが辛い。
 雰囲気作りをしようとしてるのは凄く感じました。欲を言えばもっとメリハリを。幼い頃のところはまだ幼くしきれてない印象があります。そして、成長した後の描写は逆。
 そういった細かい事に気を配りつつ、今度はお話を作る事自体に力を注いで欲しいです。

10 けれど輝く夜空のように (採点:4)
 えーと、それ散る好きですか? 俺、雪村の為なら舞人のお母さんに殴りかかるくらいに好きなんですけど殺されますね、きっと。

 おもっくそ話逸れましたが、とりあえず、感想を。
 懐かしくも切なくなるガンダム小ネタのフックを食らって、もうダメだと倒れそうになりましたけど、なかなかに読めました。
 原作の始めの頃の描写の中に少しずつエッセンスを加えていく手法はかなり良かったです。最後のシーンがなんかよく理解できてないんですが、まあその辺は。
 物語を作ろうとしている姿勢、それを高く評価します。盛り上げどころもきちんとメリハリつけていてぐーです。ですが、なんかわからないんですけど、個人的には楽しめませんでした。出来自体はかなりしっかりしてるのは認めます。本当に、なんでかなぁ。
 てな訳でこの点数。ごめんなさい。

11 光 (採点:7)
 話の展開的に予想通りだったのがあれでした。一つだけ予想と違ったのはハッピーエンドだった事。
 話自体はかなり好きな部類でした。時系列の分解がやや不完全でわかりづらさが残ってしまってるのが残念ですが、話を読む限りでは確かにあのように配置するしかない、とは思います。

12 Secand two (採点:7)
 文章は成長する気配をビンビン感じるんですが、まだこなれてない印象。とりあえず、まず最初に言うべきなのは改行に頼るのよくないですよ、と。
 で、内容の話に入りたいと思います。ぶっちゃけます。

 名雪モエス。

 本気で、9点くらい入れようと思ってました。思春期っぽい二人のやり取りが相当ツボ。祐一の遠回しな相談も含めて、順当にいってれば僕は愛を捧げてました。ぶっちゃけ名雪結婚して欲しいと思った。
 けど、あの転換でおもっくそ萎えました。ほのラブとしていい雰囲気だったのががっちりと潰されました。返して。俺の萌えを返してっ。
 という訳でこの点数です。こう、起承転結を考えてる姿勢は高く評価してるんですけど、如何せんそれまで構築したものを壊しすぎじゃあ! ってな感じ。
 なんか失礼なこと書きまくった気がしますが、俺、この作者さんになら付いていきたいです。あの、序盤から中盤までの名雪とのお付き合いを認めて下さい!

13 今宵もまた、逢いましょう (採点:7)
 あい、大好き。うん、好きです。
 なんか栞幽霊話に好きな話多いなー、なんて思わないことないです。北川のいい奴っぷりとか結構好きですし、美坂チームの友情話としても楽しめました。
 一応、行頭一字空けや無意味な改行が多かった事も言っときます。基本的文章作法ですんで、なんだかんだでやっとくと、少なくともこういう場では一つ二つ順位上がります。

14 女狐観察日記 (採点:2)
 ぶっちゃけるとU-1好きなんですが、これはあからさまに狙っててアレでした。アンチテーゼとして出しているのか。でも、それだけを内容にするのは個人的にはSSの扱うべきテーマからは外れてます。
 と見せかけて、終盤を見ると結構印象変わるんですよね。頑張ってる印象が結構強いです。どんでん返しを追求した上でのアレなのか、なんて思いました。
 けど、ごめんなさい。幾らなんでもこりゃーねーだろー的印象。ループ的なカホリは好きなんですけどね。けど、結構ガッデムです。夢オチにしては捻ってましたが。
 とりあえず、改行しすぎは萎えますんで改行多用はちょっと控えてほしいなぁ、とかそんな感じです。あとは趣味が合わなかったということで了承してください。

15 この街コンクール (採点:5)
 正直、あの独白はあまり面白いものじゃなかったですし、ストーリーもないに等しい。独白自体は焼き増しなり垂れ流し。3,4点どっちかかな、と思ってたんですが。
 最後の一言で確実に1点はあがりました。結構ぐっときますというか、書き手泣かせか。私は悔いなく発表できた事はないですが。
 まあ、その辺は冗談としても、最後の一言、額面以上の何かを感じます。背景なり、そしてそれぞれの心境なり。その辺がすごくぐっときました。なんでこんな点数です。

16 妖狐物語 (採点:8)
 美汐モエス。
 なんか今後の展開とか、まったく書かれてない内容が見えてくるよい話でした。読後感もとても気持ちよかったです。

17 風の盆 (採点:9)
 なんだろう。徐々にピースが当てはまっていくのが実に爽快でした。そして、読んでいる内に段々と少しずつ、でも確実に変わっていく空気が実にナイスです。
 結構満足ですけど、割と一直線だったのが気になりました。とはいっても、この作品に関してはその一直線っぷりがいいところなのかもしれません。ううむ。
 なにやら難しいんで、苦言は出さないでおこうと思います。個人的にはとても好きです。

22 密室に踊る猫 (採点:4)
 うっひゃあ。こらまたなんていったらいいのか。採点に超困る。
 悪くないです。悪くないんですが、基本的に何が書きたいのかが散在していて、主題を掴み損ねたまま終わってしまいました。
 てか、ミステリーとして描いたなら申し訳ないです。私、根本的にミステリーアレルギーでして、読めないんです。雰囲気はいいですし、文章もきちんとしてます。採点しないようにしようかとも考えましたが、まあ趣味貫くのも一興かと。
 

23 言い出せなかった。 (採点:8)
好き。採点期間終わる寸前ですw 読めてよかったw

24 光があの娘であるように (採点:5)
 なんて言ったらいいのか。
 内容がないっす。ついでに言うなら、成氏の『また逢えたらいいね。』のインスパイヤっぽくてヤでした。私のほかにもそう感じた人は少なからずいるはず。
 会話はテンポがイマイチ悪い気がします。「幽霊は?」「信じない」ってのは好きなんですが。とりあえず、三点リーダに頼るのはあまり感心しません。
 

27 かおりんのお弁当大作戦 (採点:10)
 結婚してください作者様。つか、この感想書いてる時、既に7回読み返しました。たぶん、これからもちょくちょく読みます。らぶ。

 文章はテンポよし。素直に情景が流れてくるいい文章です。
 そして、あれ。もう、なんといいましょうか。萌え。それしかない。萌えは世界を救う。
 あと、色々端々の単語見てセンスあるなぁ、と感じました。デス声とか、ありえない。ところどころに散りばめられている小ネタも実に楽しく、また配置も絶妙です。
 もう一つ、読み返して思ったんですが、構成が実にうまいなぁと思いました。漫画的なものなんですけど、実にうまく表現してます。結構、ああいうコマ割りを浮かばせてくれるような書き方って難しいんですが……脱帽です。
 とりあえず、素敵な話をどうもありがとうです。初っ端から求婚しましたけれど、本気で作者非公開とかなら泣きます。個人的にはHPとかにも雪崩れ込む勢いです。全部読んで全感想つけるくらいラブ。
 という訳で、求婚は冗談としても。
 お、おともだちになってくださいっ。
 くらいは本気で言います。ファンになりました。これからも頑張って下さい。

28 死んでからやってみたい10のこと。 (採点:8)
 うわ、超意外なストレート。個人的には栞エンド突入を予想してただけにかなり裏切られました。無論、いい意味で、です。
 祐一と名雪が泣くシーン。かなり好きでしたが、最後のおちゃらけっぽい書き方がどうも。ここはこのままシリアスで突っ走って欲しかった。その前のおちゃらけっぽい、でも強がっている描写があって、そこでそういう成分は十分取れていただけに。そして、そんな微妙な空気のコメディが実に好きだったために。
 そういう訳で、それぞれの哀しみ方を巧く表現している秀作でした。お話としても十分面白く、そして何よりあまり見ない話でありました。そういうのを掘り出してくるところも高評価。
 正直な話、9点差し上げてもいい話だとは思います。しかし、最後のそれが気になって仕方ない。てか、この作者さんとは毎回どこか微妙に合わないなぁ、とか思わなくもないですw

29 サマーソルジャー (採点:9)
 TOTOさんか竹じゃないかと予想。当たってたら死ぬほど悔しいけれど素敵でした。
 序盤から流れていく歌うようなテンポのよさがGJ。栞萌え。祐一萌え。玄関で顔だけ出してる香里マジ萌え。乙女ちくネ。
 割と会話文と地の文の配分が好き。TOTOさんだったら許して、竹だったら地団太踏む。悔しい。
 そんな感じ。

31 最強の女 (採点:5)
 うーん。独白による場面転換。試そうとしてるのはわかるんですが、やっぱり難しいですよね。
 素直につまんなかったです。いや、話自体は決して嫌いな話ではないんですが、形式が思い切り阻害していました。
 なんかこう、こういう形式って話を選ぶと思うんですよね。

○カミュ さん

29 サマーソルジャー (採点:3)




○コンタミン さん

05 ごきげんよう、お姉さま (採点:9)
いいですねえ。
伏線の張り方やキャラクターの使い方がうまい、理想的なコメディーでした。
ラストを絶叫で締めたのは、少しもったいなかったかも。
この異常な状況を綺麗にまとめる、粋な一文が欲しかったです。

07 確率と戯れながら君は凛とする (採点:9)
惜しい……
今回のダーク作品群では突出した作品だったと思います。クライマックス、数字を羅列しながら淡々と語る香里の狂気に背筋がゾクゾクしました。
ですがそこまでが素晴らしかっただけに、ラストのあっけなさは少々残念でした。
ラスト付近に香里の台詞で「外から名雪の声が……」といった意味のものがありましたが、読者としてはここで名雪が(そしておそらく他の人も)助かったことがわかり、少し「安心」してしまったのです。
そして緊張感が抜けた状態で、物足りない気分のままエンディングを迎えてしまいました。
むしろここはダークらしく、香里の狂気でさらに陰惨な気分にさせてほしかったと思います。
祐一の目の前で名雪を爆殺するくらいの狂気で……


11 光 (採点:10)
これに10点入れずに何に入れるっ。というわけで唯一の10点満点、個人的No.1の作品でした。
オープニングから一貫して続く不安な描写。見え隠れする最悪の結末。そしてすべてをひっくり返すハッピーエンド……構成の見事さにため息が出ます。
ラストシーンでのありがとうのくり返し。
締めの一文でのタイトルへのフィードバック。
すばらしかったです。
お見事。




12 Secand two (採点:8)
個人的に大好物なお話です。
頭の中の予想を覆されて、あっと思う瞬間。全てを知った上で最初からもう一度読み返してみる楽しみ。
ミスリードものって、読むのも楽しいですが、書くのも楽しいんですよね。
ああ、このシーンを書いているとき、作者さんはわくわくしながら言葉をひねり出しているんだろうなあ、なんてことを考えて嬉しくなりました。
ごちそうさまでした。次回もぜひ、おかわりをいただきたいです。



31 最強の女 (採点:7)
美坂チームモノ、ばんざい。
読んでいて顔が綻ぶようなぼのぼのとしたお話、大好きです。
上から見下ろして説教するでもなく、哲学を主張するでもなく、自分たちの問題を自分たちの力で自分たちなりに解決する。
四人のそんな等身大の物語に、温かな気分になりました。
それともう一つ。
下ネタ、ばんざい。



○シリウス さん

13 今宵もまた、逢いましょう (採点:9)
単純によかった。短編であるのがもったいない・・・悪く言えば短編だと物足りないとも感じました。

27 かおりんのお弁当大作戦 (採点:8)
カミーユwww

31 最強の女 (採点:5)
辛口にいうと微妙。キャラクターの個性は出てたかと思いますが。

○ボンクラーズ大阪担当 さん

01 スケッチブック (採点:3)
 うーん微妙。
 硬い文章というよりは慣れていない印象。
 地の文を上手く使えばもっと濃くできたんじゃないかと思います。

02 HEARTS (採点:1)
 う〜ん……すごい。ほんとすごい。
 それ以外に言葉もないです。

03 春遠からじ (採点:4)
 特筆すべきは文体なのかなぁ。田中ロミオっぽい風景を切り取るような
短い文章は嫌いではないんだけど、というかむしろ好きなんだけど、これ
はぎこちないと言うしかない。同一人物のセリフなのに「 」で区切られ
たりしていますが、これ、ナチュラルな文章なんでしょうか? 文頭空け
といい、ゲームだと気にならないんですが、SSとして読むと自然に思え
ませんでした。

04 ハッピーエンドをもう一度! (採点:2)
 ハッピーエンド至高主義の僕ですが、これを読んでハッピーエンドでよ
かった、とはとても思えません。

05 ごきげんよう、お姉さま (採点:1)
 作りこみが足りない。強引すぎる。設定は明らかにマリみてから持って
きてるときた。クロスオーバーが禁止されていない以上、こういった設定
の水増し方法も認められるんだろうけど、安易(設定を持ってきた事以外
なにをしたかわからないという意味)で、なにより軽率にすぎる。どこに
オリジナリティがありますか。歯に衣着せぬ言い方するならパクリじゃん
これ。

06 彼女の子 (採点:1)
 カエルのような赤子ってことは無脳な状態なわけで、夜に母親が殺しに
行くまで生きてるもんなのかしら。いや、読んだ感じハイファンタジーな
のでそんなとこに突っ込みいれるのは野暮なんでしょうけど、世界観にそ
れでよしとさせるだけの説得力がなかった。

07 確率と戯れながら君は凛とする (採点:6)
 個人的にダークの定義ってのは救いのなさだと思っています。
 その意味ではこの作品は今回のこんぺの中で唯一きちんとダークしてた
と思います。ただ、スマートさに欠けた印象強い。鮮麗されていなかった、
でもいい。
 彼女が打ち上げの話を彼女が知らぬままだったらどうだったんでしょう。
おそらく彼女は東京へ行くだろうし祐一は行かないでしょう。そうなって
しまったとき、彼女は彼女のいう偶然という言葉で全てを受け入れてしまう
気がして、そのあたりがどうも救いであるように感じてしまいました。
 ラストの淡白さもちと気に食わなかった。祐一正気保ってないし……。
 逃げないで書いてくれたら点数はもう少し違ったと思う。

08 今日から今までの日 (採点:1)
 前から8割は書く必要あったんでしょうか。本編ほぼそのままで読む価値を
を見つけられないんですが。やっと出てきた見知らぬ物語はあっという間に終
っちゃうし読み応えなさすぎ。

10 けれど輝く夜空のように (採点:2)
 物語はボロボロなんだけど、決定的な破綻を成す前に物語が終ってしまっ
たというか、綱渡りを成功させてしまったというか。
 色んな意味で後味の悪い話。

11 光 (採点:5)
 綺麗な話ですね

12 Secand two (採点:3)
 オチ読めたなぁ……。
 個人的な好みですけど、
>流れもボケもつっこみでさえも〜
>どうしてアドリブで〜
 とか入れない方がいいと思います。外したときダメージでかいので。

13 今宵もまた、逢いましょう (採点:2)
 陳腐。

14 女狐観察日記 (採点:1)
 クスリともできませんでした。
 ギャグという作品のカテゴライズの仕方が根本的に違うのでしょうね。
たとえジャンル表記がなくとも点数はかわりませんが。

15 この街コンクール (採点:1)
 確かにスピーチだと思います。それ以上でもそれ以下でもなく。
 他の方はわかりませんが、僕なんかはSSが読みたかったなあ、と思っ
てみたりするわけです。

16 妖狐物語 (採点:1)
 いや、出来自体はもっと評価されてしかるべきものだと思うんですよ。
これは一切の比喩なしに。けどまあ一読者として思ったことを至極端的に
表すなら「うざっ」なわけで。
 僕の許容域の狭さによるものか若さへの妬みなのかはわかりませんが肌
に合いませんでした。

17 風の盆 (採点:6)
 かなり完成度は高い。構成も文章力も申し分ない。ただ、点数の上限が
10なので差別化はかりたいのも事実なわけで。
 主要キャラが死んだのに味気ないのと、後半が好みじゃない点で申し訳
ありませんが引かせてもらいます。いや、つっても夏美が死んでたら間違
いなく1点つけてましたけど。

18 雨の音 (採点:4)
 展開が強引でやや速いかなぁ。イマイチこのSS内の時間の経過が理解で
きませんでした。わかりやすく本編との違いを描写してほしかったです。
 まあなんだかんだいって最大のマイナス要因は名雪の嫌いな面が前面に
押し出されてたからなんですが。

19 春風駘蕩 (採点:9)
 上位行っていただきたい。
 ニ、三疑問が残りますが、あのエンドからここまで派生させることがで
きるとは。極めて個人的な理由によりこのエンドには思い入れがあるので
それだけでもかなり好評価。
 ラストも綺麗で、すげー好き。陳腐な奇跡のハッピーエンドで終ってた
らどうしようかと思いました。読めてよかった。

20 世界の果てでアイに哭く獣たちの賛歌 (採点:3)
 試みは面白いと思うんですが、ぶっちゃけ意味がわからんです。つーか
これはラストでようやく物語が始まるとこなんじゃないでしょうか?

21 透明なてのひらが (採点:3)
 もうちょっと高くてもいいのかもしれないけど、ラストがどうしても
納得できなかったので。
 途中まで好きだっただけにちょっと下げすぎたかも…

22 密室に踊る猫 (採点:5)
 真っ当なほのぼの系ってひさしぶりに読んだ気がする。点数がかんばし
くないのは、個人的に好きなジャンルじゃないから。そこそこ楽しめたけ
ど、そこで終ってしまうのがなんか不満というかなんというか。
 ところで、ハマベニレイジって暗号は簡単に解けたんですが、祐一の言
葉がちょっとひっかかってたりします。
 読み直してみても栞の態度から待ち合わせ系だと推測するのは無理だと
思うし、何より、短い→零時頃という推移が理解できませんでした。 
 大切なとこ読み飛ばしてたらごめんなさい。

23 言い出せなかった。 (採点:4)
 タイトルが最後の文章を飾るっていうのはよく見る形なはずなのに、
このフォントだとなぜか笑ってしまう。ツボ入った。

24 光があの娘であるように (採点:7)
 読み易いけど軽いわけじゃない。けど理想かといわれれば首を捻らざるを
得ない。そんな妙な味のある文章でした。高いレベルで纏まっていて、僕に
は決して書けないレベルで纏まってると思うんですが、こう……もう一捻り
というかインパクトというか、そーいうのが欲しかったです。

25 その手のひらに紡ぐもの (採点:8)
 好き。かなり好き。
 話し方やら外見の描写の細かさから教師が舞であることはすぐに察する事
ができたけど、読ませる魅力が確かにあった。
 これを本編の設定(というかキャラの年齢)を弄らずにやってくれていた
ら間違いなく10点出してました。
 どことなく中嶋ミカ(だっけかな?)の歌っぽい

26 そこに彼女がいなかったから (採点:4)
 栞が祐一の告白を一度断りあゆの言葉を聞いて、祐一と誕生日までの一週
間、普通の女の子として生活して人形に願いを呟いて最期を迎えた、って事
でいいんですかね? いいんですかね、というか僕にはそれ以外に受け取れ
なかったわけですが。
 となると、タイトルにある彼女ってのは誰なんでしょう。病室に人形があ
るってことはあゆがいるわけだし……ん〜。
 全体的に挿入話っぽかったので一点引きました。

27 かおりんのお弁当大作戦 (採点:1)
 読んでる間に評価上下しまくったけど、これ以外にない。

28 死んでからやってみたい10のこと。 (採点:9)
 文章力や会話のチョイスもさることながら、上手いと思ったのが見せ方。
ほんといい女ですよね、名雪。名雪嫌いなんですけど、そう思いました。
 ほんとに10個あれば間違いなく満点だったんだけど不満と期待で一点マ
イナス。……すんません嫉妬です。もっと読みたかったです。
 10個とは言わない5個でいいから……いや、マジで。お願い。僕にだけ
でいいから!

29 サマーソルジャー (採点:9)
 大好き。
 ほんと竹仙人さんは会話のセンスあるよなぁ、羨ましい。ほのほのしてる
とこは本当に微笑ましくて悔しいくらい。突出してるのは会話センスという
見せ方(魅せ方?)だと思うんですが、他はもうただただ好みだというしか
ない。好き。らぶ。

 あ、一点分はタイトルですw

30 手と手をつないで (採点:5)
 ハッピーエンド至高主義なのが疑われそうだけど、終わりが納得できない。
 それ以外は可もなく不可もなくといった感じ。

31 最強の女 (採点:4)
 タイトルから目も当てられないイタタなSSかと思ってたのに、何この
真っ当なほのコメ。いや、ほのラブか? 褒めてます。一応。
 とはいえ下品……下世話か。過ぎた話だった。

○雨音 さん

01 スケッチブック (採点:3)
なんと言うべきなのか……。
思いっきり端的に言ってしまえば、「纏まりが足りない」でしょう。
その最大の原因は、やはり三点リーダによる無意味な分割でしょうね。
なんでそんなところで切る必要があるんだ?と思わせる部分がほとんどでした。
そのおかげで、主題が曖昧になっています。
栞が絵を描くことと、美汐の過去とがいまいち上手く接合されていません。
また、キャラをもうちょっと(SSっぽく)強調しても良かったのではないかと。
それだけで、随分印象が変わってきますし。

ともかく、今ひとつ楽しめませんでした。

02 HEARTS (採点:1)
地の文で句点を使わなかろうが、閉じ括弧の前に句点があろうが、
もちろん地の文の先頭にスペースが入っていないからとか三点リーダを使っていないからとか、
そういった理由では基本的に減点はしない方針の私なのですが、
この複合技には見事にノックダウンされてしまいました。
いっそわざとやっているのではないかと邪推してしまいたくなるほどです。

で、内容に関してですけど……コメントすることは特にありません。
今後、精進してくれることを祈っています。

03 春遠からじ (採点:5)
うーん、久しぶりに読んでいて気持ちの良い文章に出会えました
一つ一つの表現が良く、掛け合いが面白すぎます。
なんとなく、田中ロミオさんを髣髴とさせる作品でした。

が、残念なことに、内容に関しては、陳腐の一言に尽きてしまいます。
祐一が勝手な理由で町を離れ、それを追って栞が大学に進学する、
という展開には、何の面白みも感じられませんでした。
また、美坂家のシーン。あれで全てに決着がついたと結論する祐一には呆れるしかありませんでした。

掛け合いが面白いんだから、いっそギャグ作品にしてしまえば良かったのに……。
非常に、残念でした。

04 ハッピーエンドをもう一度! (採点:7)
原作では目覚めた後、サクっと幸せになっていたあゆですが、
意識を失っていた間の記憶がなかった場合、色々と大変だったのでしょうねぇ。

というわけで、タイトルから、
共に過ごした記憶のないあゆともう一度恋人になりハッピーエンドを迎えるお話、だと思ってたのに!!
なぁんで、あんなに簡単に思い出させちゃうかなぁ(汗
キスで思い出すなんて、ロマンティックかもしれないですけど、
それでもなんというか、期待していたこちらとしては非常にガッカリでした。
これ以上ないくらい、見事な肩透かしというしか。
上がっていたテンションは急速冷凍されましたよ。

この辺り、結局は好みの問題なのでしょうが、
そうだからこそ、なおさら残念で仕方の無い作品でした(涙

05 ごきげんよう、お姉さま (採点:6)
>……そこまで一部のマニアにターゲットを限定したドラマなんてねぇよ。
あって欲しいです。
っていうかむしろ有れっ!!(何

いやまぁ、それはどうでもいいのですが。
とりあえず、マリア様がみていそうな栞に微苦笑。
ってか、こんなアグレッシブな祐巳は要らないデス(酷

いや、それもともかく。
とりあえず、栞の思惑については予想通り、でしょうか。
かなり最初の時点で、分かってしまいました。
が、それでも、ラストは予想外でした。
あぁ、そう持ってくるのかぁ、と。
これがあったことで、だいぶ救われましたね。
これがなかったら、酷く詰まらない作品で終わっていたでしょう。
やっぱり祐巳は引っ張りまわされる役でなきゃ!(違

というわけで、とにもかくにも、私をピンポイントに狙ったのではないかと邪推してしまうくらいに、楽しめる作品でした♪

06 彼女の子 (採点:1)
なんというか……凄く厳しいお話でした。
一応、言っておかなければならないのは、
生まれてくる子供が奇形児であることと不幸とは直結しないということでしょう。
もちろんこれは作者さんも分かっているだろうと思います。
けれど、やはり言っておかなければならないのだと思います。

さて、内容に関してですが。
本来、凄く厳しい現実であるこのお話を、単純なホラーに変換してしまったことに、少なくない嫌悪感を抱いています。
人間ドラマにするのならば、まだ読み応えはあったでしょう。
しかし、この作品は、ただのホラーですよ。
そしてそれ故に、嫌悪感しか生まないものとなってしまいました。

この作品をホラーにしている要因は、もちろん途中で登場している祐一の夢もありますが、
それ以上に、本来なら居るべきはずだった周囲の人が居ないことにあると思います。
必ずしも悩みを相談し、苦しみを分かち合う必要はありません。
秋子さんや、北川。他のヒロインたちなど、登場する余地のあるキャラは多かったはずなのに、
祐一と会話しているのは、生むべきではないと説得する普通はありえない産婦人科医だけです。
その為、圧倒的なまでに祐一の苦悩が足りていないんです。
本来なら踏むべき手順を踏んでいない祐一の独断とその結末は、完全にホラーのそれでした。

命の誕生をこうも簡単に娯楽に変えてしまうその姿勢には、疑問を感じざるを得ません。
問答無用で、1点。

07 確率と戯れながら君は凛とする (採点:8)
うわぁ、うあぁ……。
やば過ぎる。
やば過ぎますよ、これは。
このセンスは、冗談抜きで欲しい一つの才能です。

まず、指摘しておかなければならないのは、伏線不足。
香里の目的について、祐一の一人称では表現し切れていません。
最終的に香里に口から「実はこうだったのよ」と語られているだけで、
そこに至る過程と、彼女の精神面での背景についてほとんど触れられず、
今ひとつ、唐突感を拭いきれませんでした。

しかし、主軸に関しては、実に素晴らしいダークです。
確率、統計、それらによって香里が捏造した、
そう捏造するしか自我を保てなかった『遺言』の存在は秀逸の一言。
この狂気は、とても素敵でした。

08 今日から今までの日 (採点:1)
句点が無いのは意図的なのでしょうが、逆効果なのではと考えなかったのでしょうか?

いや、まぁそれはともかく。
なんというか、コメントに困ります。
ダーク三連発のラストとして読んだわけなのですが、
他二作品とわざわざ比べるまでもなく、私が昔から嫌っている意味のないダークでした。

09 いつかの夏に、届くよに。 (採点:6)
Trackが秒数じゃなくてバイト数だったのに微苦笑。
凝ってるけど、意味ないです。

さて、季節感を先取りしまくってむしろ周回遅れになっている作品だったわけですが、
残念なことに夏っぽさはまったくありませんでした。
「スイカ」は連発されていますけど、それだけで、
むしろ「いつかのスイカに、届くよに。」というべきでしょう。

内容に関しては、コメントのしようがありません。
日常を書きたかったのか、それとも何かしら謎があるのか、分かりませんが、
分からないというのは、つまり、楽しめなかったということです。
っていうかあゆと佐祐理さんのトラックが微妙に壊れ系なのは、作者さんの好みの問題なのでしょうか?

うーん、文章自体は普通に上手いのになぁ。
こういう変化球はどうにもちょっと……。
どーにも好きになる要素が見つけられませんでした。

10 けれど輝く夜空のように (採点:6)
まさか祐一の方が死んでいたとは……。
これはこれで面白いですし、あゆの願いを否定するのも正しいと思います。
が……残念なことに、ぜんぜん足りていません。
祐一が死んでいたという伏線と、それが明かされていく過程。
それらが少なすぎて、唐突感しかありませんでした。
また、あゆの願いが「元気な祐一君と遊びたい」なのだとしたら、
その「遊び」のシーンをもっともっと描いておくべきなのではないかと。
ついでに締めの一文が唐突かつ微妙に繋がっていないのも残念でした。
祐一が消えた後のあゆの日常があってこそ映えるものでしょうに。
思わずctrl+Aをやって探してしまうくらいに、ぶつ切りでした。

とにもかくにも、40kbいっぱいに使っても書ききれるかどうか怪しい物語を、
27kbで終わらせてしまっていたのが、非常に残念でした。

11 光 (採点:6)
最近のKANONSSにしては珍しいくらいの直球でしたねぇ。
香里の懺悔ものはアンチ(的なもの)も少なくないので、
こういう直球ものには、ホッとさせられる時があります。
ラストも良かったですし、その前の各キャラの台詞も素敵でした。

が、もう少しいろいろ考えてほしかったなぁと。
例えば、最初、時計の針が十二時をさしているとはっきり書いているのだから、
目覚めのシーン(病院の待合室)でも十二時にして、
昼と夜とを間違えている、という作りにすればよかったのに。
(当然、昼と錯覚した明るさは香里の周りにあった光なわけです)
他にも、別に何だっていいのですが、こういったネタを一つ含むだけで良かったのになぁ。

なんとなく、凄く平凡に感じてしまう作品でした。

12 Secand two (採点:3)
それでいいのか?(何

いや、読み終わった最初の感想がそれでした。
決して一番目になれない二番目の二人が握手して、それでお終いって。
青春といえば、青春なのかもしれませんけど、
それにしたってこの終わり方はどんなものかと(汗
これでは、むしろ喜劇ですよ。
もっともっと切ない系にするか、もしくはもっともっと晴れやかにするか。
どちらかに偏っていたほうが、見所があったと思います。

13 今宵もまた、逢いましょう (採点:4)
今回は本当に栞モノが多いなぁ、と小さくため息。

いや、それは別にどうでもいいのですが。
とりあえず、使い古されたネタだなぁと。
いやまぁ、それはそれで構わないのですが、
過去の作品の枠を飛び越えられていないというか、この作品独自の魅力がないというか。
お盆だから帰ってくるというのはベタ過ぎるとか、
思い出を求めているという時点でラストが分かってしまうとか、
肝試しの意味は果たして本当に有ったのか、とか、
結局ラストは力技だし……とか。
ツッコミ所が多すぎです。
中でも特に、四つ目の力技に関しては、それまでの努力が綺麗さっぱり水泡でした。
もう少し、見せ方を考えて欲しかったです。

14 女狐観察日記 (採点:4)
あんまりにもあんまりな出だしに、脳がクラリと揺れたのは、きっと仕方の無いことと言えるでしょう。
そして、その後の展開に全身の筋肉が弛緩してしまったのは、むしろ必然なのです。

と、いうわけで。
まぁ、なんというか……遊んでますねぇ(ぉ
でも、望んで遊んだんなら、もっと徹底的に遊びきるべきでしょう。
裏の裏の裏の裏を行くぐらいの心意気で、標準偏差ナンバー1を目指すのが、「遊び」の本領なのですから(何
そういう意味で、遊んだけれど、遊んだだけの、中途半端な作品でした。
祐一の口調、立ち位置の徹底化、黒名雪の伏線、何でも知ってる秋子さんの存在、
それらを全て表現して欲しかったです。

15 この街コンクール (採点:6)
こういう形でそれぞれの心情を描くっていうのも、悪くないものですねぇ。
っていうか、あんまりにも綺麗なオチに笑ってしまいました。
なんか、落語みたいだ(苦笑

が、やはり物語としての面白みには欠けるなぁと。
発表の内容自体は良かったのですが、それならいっそ一人に纏めて欲しかったかも。
っていうか、名雪はこの場合必要ではないでしょうに。
この作品の主題が栞にあるのか街にあるのか、曖昧でした。

16 妖狐物語 (採点:4)
うーん……これは、わざわざオリキャラを出す必要があったのかなぁ?
やっていることは、基本的に真琴の繰り返しだったように思うのですが。
いきなり真琴の息子なんて登場されても、こちらとしてはなかなか付いていきにくいわけですし、
もう少し、その意義を見せて欲しかったです。

また、もう一度失うと分かっていてそれでも真一を育てることを選んだ天野の思いを、
もっとしっかり描いて欲しかったです。
なんかあの説明だと、仕方なく引き取って、離れがたくなったから育てた、というだけのように思えますから。
それじゃああんまりにも情けない、というか、悲しすぎるというか。

なんにしても、今ひとつ伝わってこない作品でした。

17 風の盆 (採点:8)
いよいよ冬真っ盛りなこの時期に、クリスマスネタではなく、お盆ネタがなんで複数あるんだろう?
と、季節感というものについて深く考察してみたくなる今日この頃。

いや、別にそれはどうでもいいのですけど。
まさかまさか、名雪が死んでいたとは……。
これは見事に引っかかっちゃったなぁ。
こういうのが苦手な私としては、勉強になります。
やや酷い言い方をするとこの叙述トリックの為だけの作品でしたが、
それが見事に決まっているのなら、問題は無し。
全体も上手く纏まっていますし、とても素敵でした♪

18 雨の音 (採点:9)
出だしが何とも絶望的で、これは辛い展開になるかなぁと思っていたら、
ラストがこれ以上ないくらい希望に満ちていて、とても良かったです。
あゆシナリオの祐一を名雪が夢に見るという構成も上手かったですし、
それぞれが抱えた罪に、真っ直ぐに向き合っていく名雪の姿も素敵でした。
>「わたしだってそう・・・わたしだって、出来ることなら祐一の記憶からこの町であった辛いこと全てなかったことにして幸せになってもらいたい・・・だけどっ!そんなことしたら、わたしは一体何のために祐一と出会ったの・・・?」
という台詞がすごく印象的です。
やや理不尽系ですが、その辺りも、さしたるマイナス要素にはならないでしょう。
とても素晴らしい作品でした♪

19 春風駘蕩 (採点:7)
なんとコメントしたら良いのやら。
とりあえず、基本的にかなり好みな内容だったと思います。
文章も上手いですし、とても読みやすかったです。

ただ……なんというか。
今ひとつ、引き込まれませんでした。
というのも、内容に反して、凄く冷たい印象が残ったからです。
例えば2ページ目の最後。
>結局、最後の最後で間違っていた。出来ない嘘だと知っていたのだ。だけど、他に答えはなかったような気がしている。
の部分なんか特に。
キャラである祐一が冷めているというか、作者さんが冷めているというか。
もうちょっと意地汚さとか傲慢さとか、人間らしさをだしても良かったのではないかと。

まぁ、この辺りはきっと好みの問題なのでしょうが、
そういう意味で、今ひとつ、好きになりきれない作品でした。

20 世界の果てでアイに哭く獣たちの賛歌 (採点:4)
自衛隊なのか、軍隊なのか。
……まぁ、自衛隊は軍隊みたいなものなのですが、
みたいなものなわけなので、一度自衛隊と表記した以上、軍扱いするのは誤表記です。
細かいところ、と思うかもしれませんが、こういう細かいバックグラウンドが結構大切だったりします。

さて、そういう意味で、この作品はとにかく背景がしっかりしていませんでした。
魔物についてはいろいろ説明していましたが、
街の状況、被害の規模、自衛隊の配置、どこの部隊が動いているのか、
っていうかなんで警察を一足飛びして自衛隊なのか。
上手くやれば「不幸」というジャンルで終わらないで済むはずのものを、
どこにでもありそうな「不幸」にしてしまったのは、
とにもかくにも厚みの不足が原因と言えるでしょう。

内容に関しては、良く分かりませんでした。
きっと色々考えているんだろうなぁとは思うのですが、
考えているだけでは意味が無いのが小説ですし。
このままでは楽しめませんでした。

21 透明なてのひらが (採点:5)
体重を気にしたり成績を気にしたり、実に人間らしい秋子さんが素敵でした。
まぁ、変にドロドロとしてたりすると嫌ですけど、こういう感じなら悪くないです。
内容に関しては……本編の序章、の更に前という感じでしょうか。
酷い見かたをすれば「嵐の前の静けさ」というか、
こっからさき、どうやっても大変な目に合うことを知っているこちらとしては、
ラストの部分には素直に希望をもてなかったわけなのですが。
また、それにしたってちょっと静か過ぎるかなぁとは思いました。
が、全体的には無難に纏まっていたと思います。
もう本編との具体的な繋がりを描いてくれれば、
それだけでだいぶ変わったのではないかな、と。

22 密室に踊る猫 (採点:8)
密室という単語を見ただけで心が躍ってしまうミステリ馬鹿(死
タイトルから柴田よしきの猫探偵を思い出してしまうミステリ大馬鹿(死屍累々

というわけで、ミステリものが来て、大興奮だったりします。
とりあえず栞の「浜辺に零時」はあっさりと突破。
で、その後続いた犯人当てに必死になりました。
展開からして栞の線はないだろう。けど、状況としてはありうるかも。
いやいや、それならそれなりの伏線があるはず。
なら、犯人は名雪か香里か秋子さんか。
名雪が自分でってのは書いてあるようにありえなさそうだし、
秋子さんは犯人にするには謎が多すぎるし、なら香里しかないだろう。
……って、やっぱりかいっ!?(ぉ
そりゃね、書き手から言えば、香里が犯人ってのが一番楽なんですけど。
それにしたって、もうちょっと騙して欲しかったというかなんというか。
他に、やりよう、なかったんでしょうか?(涙

とはいえ、やはりそこはミステリ好き。
ちょっとでも推理をやってくれた時点で、大満足だったりするのでした♪(やっぱり馬鹿

23 言い出せなかった。 (採点:6)
まさかまさか、そういうオチとはっ!
使い古されたネタであることは間違いないのですが、
それでもタイトルとあわせて、見事にハマってましたよ。
素敵過ぎます♪
コンペの場でこんな挑戦をする作者さんの心意気に乾杯(笑

24 光があの娘であるように (採点:3)
こういう投げっぱなしなラストは好きじゃありません。
っていうか、何でもかんでも謎を残すのが美徳じゃないでしょうに(汗
というわけで、何もかもを想像に任せてしまったが故に、
何も中身のない作品になってしまっているのでした。
出だしは……結構好きだったんだけどなぁ。

26 そこに彼女がいなかったから (採点:2)
え……あれ?
どういうこと???
結局、助からなかったんですか?
健康な生活は栞の夢だったんだろうなぁとは思うのですが、
このラストは……意味不明です。
うーん、これもひとつの「オチ」なのかなぁ。
シュール過ぎて、反応に困りました。

27 かおりんのお弁当大作戦 (採点:4)
中篇にもってくるようなネタじゃないような気が……。
いや、面白かったんですけどね。
香里が料理下手(そんな次元じゃないけど)っていうのはなかなか珍しいのではないかと。
とりあえず、暴走しまくっている香里は素敵でした♪

でも、やっぱり……中篇に持ってくるネタじゃないなぁ(ぉ

28 死んでからやってみたい10のこと。 (採点:8)
死んでからやってみたい10のことが結局分からなかったのは仕様ですか?(ぉ

いや、それは別にいいんですけど。
とりあえず、面白かったことは面白かったです。
独特の雰囲気があって。
死んだという事実に前向きに向き合っている栞は見ていて心地よかったです。
が……なんというか。
やってみたい10のこととは別の部分で、色々足りていないというか、
無駄なシーンが多すぎるというか。
構成が、結構むちゃくちゃだと思うのですが、どうなんでしょう?
よく書けているとは思うのですが、良作とまではいかない感じでした。

29 サマーソルジャー (採点:6)
うーん、全体的に、悪くはないなぁとは思うのです。
とても安定してますし、掛け合いは面白いですし。
読んでいて飽きない作品でした。

が……なんというか、見所ってのがないです。
ジャンルを見る限り単純な恋愛物、というわけではないようなのですが、
そもそも、「群像」っていうのは、どういうのを指しているのかと(汗
どういう部分を評価すれば良いのか、良く分かりませんでした。

30 手と手をつないで (採点:9)
モロにネタ被りしただけではなくタイトルまで被っていて、
なんかもう「泣いていいですか?」と問いたい気分な今日この頃です。
っていうか、この作品に感想を書くのか……?
な、難易度が高すぎる……(汗
自分のと似たていて、自分とは全く違う見せ方をした、
自分よりも上手い作品に感想なんて簡単には書けません。

ん〜、とりあえず。
個人的趣味から、こういうタイプの見せ方は真っ先に排除したわけなのですが、
表現力というか伝達力というか、言わんとしていることを伝える力は、
この作品のほうが大きかったかなぁと、読んでみて思いました。

……それだけです。
既にもう敗色濃厚な気分だったりするので、
それ以上の感想は書けない状況です(涙

31 最強の女 (採点:2)
なんじゃそりゃ(苦笑

いや、なんというか。
もう、それ以外のコメントが見つけられません。
別にKANONである必然性とかそういうことについて語ろうとは思いませんが、
とりあえず、ネタ出しする際に、読んでいる側は楽しいのかどうかを一考して欲しいです。
つまり、これを読んで、私はどうすれば良いのか?という意味ですが。
そんなわけで、最初の一言が、この作品に対するコメントの全てです。

まぁ、それでも、苦笑してしう辺りがこの作品の見所なのかもしれませんが。

○琴吹 邑 さん

01 スケッチブック (採点:3)
お話の雰囲気は結構好きだったのですが、ここで終わってしまうのはどうかなあと。
何か尻切れトンボのような印象を受けました。
模写したのを渡して、天野の反応を書いた方がよかったのではないかと思いました。



02 HEARTS (採点:2)
ちょっと自分にはあわなかったです。
ハーレム物は説得力のある設定がないと、ちょっと読むのが辛いです。


03 春遠からじ (採点:6)
北川が忘れ去られているのがかわいそうだなあと。
シナリオに準拠しない人間関係であるのならば、北川への挨拶も含めて欲しいところです。
佐祐理と祐一のかけあいとかは面白かったです。

04 ハッピーエンドをもう一度! (採点:8)
ハッピーエンドな終わりはやっぱりいいものです。
開いてしまった蓋の底という表現が少し気になりました。
蓋の底ってめちゃくちゃ浅そうだなって。

優しいお話で良かったです。

05 ごきげんよう、お姉さま (採点:7)
完全に展開が読めちゃったのが少し残念でしたが、その分安心して読めました。
面白かったです。

06 彼女の子 (採点:4)
結末を見せないのはいいけどこの終わり方は好きになれませんでした。
もう少し救いのある終わり方なら良かったのですが・・・。
表現的にも、奇形児の描写がグロテスクで、読むのが非常につらかったです。


07 確率と戯れながら君は凛とする (採点:7)
爆弾とかっていうのは結構簡単に作れるのかなあ・・・。とおもいました。
意外に簡単と聞くけれど・・・。
人の心の闇って深いよなと思いました。

08 今日から今までの日 (採点:1)
なんか、感情の流れ方が良くなかったような気がします。
高校3年まで、魔物が出ていなかったのなら、祐一に対して、そこまで恨みを持てないような気がします。
佐祐理の立ち位置も微妙でした。

09 いつかの夏に、届くよに。 (採点:5)
すいかをテーマにした短編集でした。
こういう形式も面白いなと思いました。

文章をCDのトラックに当てはめるのは面白いなと思いました。
気になったのは、
Track 9 [03:77]
3分77秒だとおかしいし3秒77にしては文章量が長いような。
9だけじゃなく他のところもそうです。
つまり、単位間違っていないかなあということです。



10 けれど輝く夜空のように (採点:5)
あのとき、祐一があゆを助けて、でもその代わりに祐一が死んでしまったならば・・・
というIFストーリー。
仕掛けがわかるまで、時間軸がわかりにくいのが欠点かもしれませんね。
タイトルの輝く夜空と、終わりの文章の桜、kanonの雪がどれもつながっていないなと思いました。



11 光 (採点:6)
いいお話だったけど。消化不良な感じがしました。
もうだめだーと感じた栞が香里を夢に引き込み、最後の別れの言葉に、栞は香里から力をもらって無事生還したという感じなんでしょうか。
その辺を、ちょこっとでもにおわせる発言を栞がしてたら、消化不良な気持ちにならなかったような気がします。





12 Secand two (採点:8)
うまいなあと思いました。
ミスリードに完全にやられました。
この展開で、北川と名雪がくっつかないのも良かったです。


13 今宵もまた、逢いましょう (採点:8)
面白かったです。やっぱりハッピーエンドは良いですよね。


14 女狐観察日記 (採点:3)
電波なお話ですねえ・・・。ちょっと笑えませんでした。

15 この街コンクール (採点:4)
「きっと、悔いなく発表できたってところに、意義があるんじゃないかな」
このコンペもそうでありたいですね。

スピーチコンテスト。参加したこと無いからよくわからないけど、祐一みたいにあんなにざっくばらんに話していいのかな?

気になったところは最初の方

「どなたですか?」
「香里よ。美坂香里」

ここでの香里の返答は、「あたしよ」が良いんじゃないかなと。
家の中で、フルネームも変な話ですし。家族に対しての誰の返答が名前というのも少し変かなと思いました。



16 妖狐物語 (採点:6)
おもしろかったです。
結局、祐一と美汐は結婚しなかったんですね。
そこは結婚してほしかったと個人的にはおもいますが、そのほうがらしいともいえるかなあ。
きれいなお話でした。



17 風の盆 (採点:7)
しっとりとしたお話でした。
仕掛けが丁寧なせいで、最初名雪がああいう状態になっているとは気が付きませんでした。
子供かと思ったのに・・・。(褒めてます)





18 雨の音 (採点:10)
あゆと名雪の対決シーンが良かったです。
ぐっと来ました。


19 春風駘蕩 (採点:5)
文字通りだれにも届かなかったエンディングの後日談。
その終わりは全てはうたかたの夢の中で、ただ過去を思い出すだけで、
思い出したからと言って、何も変わらずに日々は過ぎていく。
寂しげな印象を受けました。

20 世界の果てでアイに哭く獣たちの賛歌 (採点:3)
途中までは面白く呼んでいたんですけど、最後の方が理解できませんでした。
あと、傷口を雑菌しちゃまずいよなと思いました。



21 透明なてのひらが (採点:9)
秋子さんがかわいいです。
家族の優しさって良いですよね。

――この家は、にぎやかな方が、楽しいからね――
――だから僕がいなくなっても、秋子、そんな顔をしないでおくれ――

という名雪のお父さんの言葉が素敵です。



気になったのは1点。 『香里のシスコンが直りますよう……に……』

原作では、名雪は栞の存在を知らないはずなので、この願いは存在できないのではないかなと思いました。



22 密室に踊る猫 (採点:7)
ほのぼのとして楽しく読めました。
栞の暗号ですが、咄嗟に出てくるとは思えないのがちょっと気になりました。
密室の謎解きは、相手が名雪だから出来るトリックですね。
普通だったら、怒られそうです。

自分は暗号無事解けました。

23 言い出せなかった。 (採点:6)
オチが良かったです。気になったのは北川が贈った卑猥な置物はどんなものだったのでしょうか?
文章から、どんな物を祐一が何を手渡されたのかわからず、プレゼントをもらっているのにもかかわらず、問答無用でつぶしているように感じます。
いきなりつぶされてもしょうがないと思えるような描写がないと、北川をいじめているように思えます。

物の描写と渡された時から女性陣の目が白いとか、そう言う記述があった方がよかったのではないかと思います。


24 光があの娘であるように (採点:6)
ほのぼのとしたお話で良かったです。
でも最後はちょっと尻切れトンボのような印象を受けました。

25 その手のひらに紡ぐもの (採点:5)
この話はkanonじゃない方がいいのではないかと思いました。
せっかくのお話なのに。kanonとのずれが違和感に感じてしまい、素直に楽しむことが出来ませんでした。
お話自体は優しいお話でした。


27 かおりんのお弁当大作戦 (採点:6)
壊滅的料理ネタですね。
楽しく読めました。

28 死んでからやってみたい10のこと。 (採点:6)
軽快に語られる栞が素敵でした。
でも、何か終わり方が尻切れトンボなきがしてしまいます。
時系列がねじれているかなかな?

登場人物の名前「雄一」が残念でした。

自分も栞バッドのシーンを作品に取り入れたですが、
まさか同じシーンを取り入れた人がいるとは思いませんでした。
滅多に見ないシーンなのに、びっくりしました。

29 サマーソルジャー (採点:8)
栞と北川のやりとりが軽快で楽しかったです。
おもしろかったです。


30 手と手をつないで (採点:8)
帰ってこないあの子と帰ってきた真琴。天野にしてみたら心境は複雑ですよね。
前向きになった美汐が良かったです。

31 最強の女 (採点:6)
段落を入れ替える意味があるのかなと思いました。
別にそのままでも良いんじゃないかなあ。
この辺は好みかも知れないですけど。

生々しい話なので、好みが別れるかもしれませんね。

○広咲瞑 さん

02 HEARTS (採点:6)
 祐一の台詞で「そろそろ策を打たなくちゃな。」の部分が「ヤクを打たなくちゃな。」に見えた僕はいけない子ですか。そうですか。
 文章そのものはどうにもならないくらい読みにくいっていうのに、ストーリーの流れはちゃんとしているのが不思議です。何で秋子さんこんなアホな提案するのかなあとか、何で女の子たち揃いも揃って醜い争いしてるかなあとか、このままバトルロワイヤル的な殺し合いに発展したらどうしようとか心配だったのですが……。
 でも、根っこの部分ではみんないい子たちだったから、そういう心配はいらなかったですね。楽しく読めました(゜w゜)b

05 ごきげんよう、お姉さま (採点:6)
 読みながら「この栞はなんてイタい子なんだろう……」と思っていたのですが、最後の名雪の方がなんぼかイタいですね(><)
 たとえどんな突拍子もない行動であれ、そこに理由が付着しているなら理解と受け入れの余地はある――ということがはっきり見えた感じでした。端的に言うと栞ちゃんがとっても可愛らしかったという意味です。

 マリみてを知らない人にはわりとしんどいと思いますが、その辺りは問題なかったのでそこかしこで大爆笑してました。あと祐一のツッコミがやたら面白かったです。
 でも落ちとして最後のキスだけはいただけなかったのです。例えギャグものでも、超えてはいけない一線(言い方アブないですか?)を越えてしまうと冷めてしまう気がするのです。僕だけかもしれませんが……。

06 彼女の子 (採点:10)
 声高にするには体裁の悪かろう、一種聖域化された感のある、奇形児に対して否定的な――敢えて僕の中から道徳的な部分を排除して考えれば、自然な、と言えるかもしれません――思想が描かれているってことに、まず驚きをおぼえました。ストーリーとしては尻切れ蜻蛉もいいところだと思いますが、こういう話の前では、多分そんなことは二の次なのだと思います。
 頭ごなしに「この話は差別的だ、許せないから1点」としてしまいたいところもあるのですが、それだと多分この話がこんぺの場に出てきた意味も、僕がこれを読んだ意味もないと思うので色々考えてみました。

 自分の子供が奇形かもしれない、障害児かもしれないなんてこと、普通は考えないのだと思います。実際僕も考えちゃいないし、奇形児が生まれる確率と健常児が生まれる確率を比べたら健常児の方が多いに違いないし、そうでなけりゃバリアフリーとかノーマライゼーションなんて言葉ははなから存在していないでしょうし……。
 それでも、その確率はゼロじゃない。現実僕に子供が生まれて、その子の『本来両手両足が存在しているはずの所は、のっぺりとした皮膚があるだけだった』ら。『眼窩が一つしかなく、一つの眼窩の中に二つの目玉が無理矢理押し込められていた』としたら。
 そしてその事実を、妊娠初期、まだ子供が堕ろせる程度の大きさのときに告げられたとすれば。
 多分そういう事実の前では、なまなかな道徳観念なんて吹っ飛んでしまうのだと思います。
 事象としては、生むか生まないかってだけのことでしょうが、こういう場合そのための判断材料が少なすぎて安易な堕胎に走ってしまう気がします。それは恐らく、その行為と同じくらい安易な道徳に寄りかかった、一種の思考停止の人間であるほど。
 こんなむずこい問題に答えが出せるかどうかなんて知りませんが、少なくとも悩むことだけはやめたくないと思いました。

08 今日から今までの日 (採点:5)
 不思議なものだと思うのですが、キャラクタがひとり死んでいるのにこの話をダークだとは思えないのです。
 多分それは、舞の祐一への殺意がひどく淡々としているからなのだと思います。確かに行為自体は狂気染みてて、ガードレールに向かってアクセルを吹かすみたいな彼女の姿が垣間見えるようで、むごいことだとは思うのですが。
 現実で同じことが起こったらどうなるかは知りませんが、少なくともフィクションの世界では、バケツを撒いたような血の量よりも、堰の隙間からわずかに染み出す狂的な感情の方が恐ろいと思うのです。
 もっとも、僕の感受性のほうが歪んでいるだけなのかもしれませんが……。

 変な感想になるかもしれませんが、クソ外道な父親の描き方が好きです。
 他人にはいくらでもひどいことができるのに、いざ自分のこととなると腕一本程度で逃げ出してしまうザコっぷりとか。
 どうせならもっと無様な逃げ方をさせるとか、もっと酷い目に遭わさして欲しかったなぁ、とか思ったりします。せっかくのダーク作品なんですし。

09 いつかの夏に、届くよに。 (採点:10)
 書かれた方はどなたなのでしょう、あの人かあの人かあの人だと思うんだけど、と思いながら、本当は作者が誰かなんてどうでもよかったりします。すごく楽しかったから。
 定型を外れた半ばやけっぱちな(?)ストーリーの組み方が、久しく使ってなかった頭の中の感受性の部分をえらく刺激してくれたように思います。
 すべてのシーンとすべてのテキストが魅力的で、おませな小学生の女の子が、色とりどりの宝石箱を開いたときのような高揚を覚えているのですが、特に秋子さんと祐一くんのスイカ獲りが好きです。真っ白い夏の光とペンキで刷いたような青空と、目にもあざやかなスイカの弦の緑がありありと浮かんでくる感じでした。
 僕もこんな夏を過ごしたかったな、なんて、物語の中の彼らをうらやましく思ってしまうお話でした。

10 けれど輝く夜空のように (採点:6)
原作のアナザーストーリーってあまり読んだことがないのですけど、『これ原作と違うじゃん』みたいな拒否反応を抱くこともなく、割かし楽しく読めました。
話の展開がすごく早いのに、決して滑ってる感じもなくてよかったです。
あと作中に散りばめられた小ネタが面白いです。シャアとかタイタニックとかそれ散るとか。元ネタ探しでやりこみゲーみたいな楽しみ方が出来そうで素敵です。

12 Secand two (採点:8)
 告白シーンの素晴らしい叙述トリックに感動しました。どうせ祐一→名雪に見せかけた北川→名雪だろーと思っていたのに、作者さんの手のひらの上で踊らされた気分です。
 あと北川のイケメンっぷりもに感動しました。一見チャラくてヘラいくせに、その実すんごい他人思い。巷にはびこる見た目だけのナヨイケメンとは一線を画す男前に敬意を表したいところです。

 高校受験にあまり一生懸命にならなかった僕にはよく理解できないのですが、本気で志望校合格のために頑張ってるひとたちは、高校二年にノスタルジーを抱くほどに受験勉強に忙殺されてしまうのでしょうか。
 いえ、作中にそんな文章があった気がするので。
 こんなところに学歴社会の弊害がーとか大人になったら数学とかいらねーんだよクソがーみたいな主張はヘタレなのでうっちゃっておくとして、たとえそれでも、何だか切ないものですね。
 旅立ち、成長、夢を叶えるための努力、特に学生であればそんなポジティブな言葉は『卒業』という別離の一点に収束して……。頑張る、という言葉が滝壺に向かって進み続ける細い河の流れであるならば、それは確かに光を浴びて、キラキラ輝いては見えるけれど。

 このお話を、フラレ者ふたりの友情であると同時に、そんなお話だと思いました。

13 今宵もまた、逢いましょう (採点:10)
 これは原作そのまんまじゃないのかなぁ、と、思いながらもなんか好きなです。
 北川くんが萌える男の子だからかもしれません。萌えるって言い方は変でしょうか。いい男です。
 あと栞ちゃんのかわいらしさにやられてしまったのかもしれません。やられるって言い方は変でしょうか。萌える娘です。
 中盤にいっぱい散りばめられていた、原作とリンクしてる部分とかも好きです。割れたガラスとかオレは栞を狩るものだからとか(あれ、『討つものだから』でしたっけ?)とかデザート目当てでランチを決める女の子の話とか。

15 この街コンクール (採点:7)
 

17 風の盆 (採点:10)
 う、上手い……。
 何か色々絶妙だと思いました。まるで噛み合っているかのように挿入された名雪の台詞、果たして死んだのは誰なのかというストーリー上のトリック部分とか、作品全体に漂う陰鬱な哀しみの気配とか。
 こうなるとジャンルの『美坂チーム』という一文さえ物悲しく見えてきます。
 この話の祐一に救いはあるのかな。それともないのかな。夏美ちゃんのひとことで彼は救われたのでしょうか。
 でも、哀しい物語には人を癒す力があるのだと思います。それがキャラクタの立場への同情なのか共感なのか、あるいは別の何かなのか、ということは置いておくとしても。

20 世界の果てでアイに哭く獣たちの賛歌 (採点:7)
 その物語が何らかの思想とか、社会風刺をするための手段として作られたものならば、未完の物語でもいいんじゃないかと思うのです。
 でもこの作品の場合、ストーリーそのものを楽しむ話だと思うので……。致命的です。

 話の流れはものすごくいいと思ったんです。淀みなく遅滞なくストーリーが転がってる感じ、自衛隊の安藤さんの狂いっぷりとか、吹っ飛んだ香里の腕に気付かずに走り続けるとことか(なんという書き方をするのだと思いました、いい意味で)、斜に構えたような文体とか(すごく好きです、こういう書き方)。
 そんな感じの、言わば神作品に出会ったような心持ちでドキドキしながら読んでたので、余計に残念が募るのです。

22 密室に踊る猫 (採点:5)
 ゲームボーイアドバンスを有効利用すると、ホテルの有料放送をタダ見できるとかいう裏技があるらしいですが。犯罪なのでお勧めは出来ませんが。
 暗号を解くのに夢中になって1ページ目から次に進めませんでした。楽しかったです。栞と祐一のラブラブっぷりも楽しかったです。妬けちゃいました。
 でも2ページ目の推理部分は身を入れて読めませんでした。ミステリあまり得意ではないので……。
 あと秋子さんがねこさんぱんつを履いていることに対して僕の胸に活火山のように湧き上がるこの背徳的な欲望の止め方を教えてください。

27 かおりんのお弁当大作戦 (採点:7)
 触手の生えている甲殻類って何だろう、と考え込みましたが、ナウシカの王蟲くらいしか思いつきませんでした。あれって食べられるんでしょうか。って食べられないからこういうことになっているのか……。
 なんかすごく面白かったです。調理場のこのうえなくシュールな光景とか。最後に祐一がえらいことになってたのは栞を見捨てたことに対する報いでしょうか。さすがに割に合わない気もしますが(゜w゜;)

31 最強の女 (採点:6)
エロい





















 だけで済ますのもどうかと思うので。
 読みやすい文章が好きです。祐一の説教? の部分に関しては、うーんそうなのかなあと思いながらも、きっとそうなんでしょうね。少なくとも互いに不満があるのを我慢してるカップルよりは、喧嘩のできるカップルの方が長続きしそうだなという感じはします。
 あと、僕も北川ってどことなくでかそうなイメージがあります。なんででしょうね? 原作にもそんな描写ちっとも出てこないのに。いや出てきたら困りますけど。

○最中 さん

19 春風駘蕩 (採点:10)
正直、新鮮味はあんまりないんです。
この作品で描かれていることは、気になる人は気になるし、そうでないひとはそうでもない類の問題で、俺はどっちかというと前者の人な訳ですが、そういう立ち位置からの意見を言わせて頂ければもうこういうのはあんまり見たくないんです。
なんでかと申しますと、かのんも発売してから随分経ちますし、二次創作も物凄い数が世に出ていて、もうこういうのは分かりきってしまっているからなんですね。
でも。それでもこの作品は素晴らしかった。前の文章と真逆のことを言いますが、こうまで描かれてしまうと好きですと言わざるを得ない。
特に2ページ目は秀逸。雪合戦辺りのシーンもいいんですけど、ラストの祐一が最後まで思考しているのが凄えと思いました。
これはなかなかできないよなあ、と。とにかく全体的に想像の着眼点が良かったです。
最後になりますが、この作者さんにはできるならこの先を目指して頂きたいなあと思いつつ、筆を置くことに致します。
無駄に長くなり、すみませんでした。この作品が上位になりますように。

28 死んでからやってみたい10のこと。 (採点:9)
入り口のハードルはえらく高い気がするんです。
しかし、それを越えると目眩く情動の世界。
根底の厳しさと更にその奥の優しさ、味付けは絶妙。
唯一、作者予想当たっているんじゃないかな、と思ったんですけどいかがなもんでしょ。
しっかし目立つわー。素敵。

29 サマーソルジャー (採点:8)
タイトルから感じるものがあった作品なんですが、やっぱり良作でした。ぱちぱち。
あんまり波のない日常の風景を、こうも読ませる力を持たせて描けるというのは素敵です。
これからの彼らの関係が気になりますが、割と日溜まりが広がってるんだろうなあ。
あまり深く考えず、よかったです。ありがとうございました。


○滝粥 さん

01 スケッチブック (採点:5)
もう少し局所を詳細に書いて欲しかったです。
キャラクターの心理描写が曖昧としていて、脈絡に「?」と感じもしたり、やはり容量を幅広く使って欲しかったな、と。
しかしそんな中で一言がキラリと光っていたりしてるのは好きでした。

○竹仙人 さん

01 スケッチブック (採点:4)
 栞と天野の交流を描いたいい話だとは思うんですが、内容と文章に温度差を感じてしまいました。
 散りばめたエピソードが終始同じ調子で淡々と書かれていて、和訳英語っぽいというか人間味がないというか、機械みたいな印象を受けます。
 部品はたくさんあるのに、組み立て方が無骨で残念でした。

02 HEARTS (採点:1)
 た、楽しそうだ……

 それしか言えない……

03 春遠からじ (採点:4)
 うわ、迷う……
 けっして文章が達者なわけではいけれど、軽く流せない個性を見出しました。なんだろう。変に肩肘張ってないのがいいのかもしれません。雰囲気あります。
 ダメ男思考には大いに共感を覚えるところです。自分もそうなんで(笑)。

 部屋に押しかけられるまで、誰との話なのか見えにくかったです。一人一人あたってみんな違って、最後の栞もフったんじゃやっぱ違うよなー、じゃあ独り暮らしを始めて終わるのかなー、みたいな。誰との別れも終始同じペースで語られていたので、重要度の差異が見出せなかったのです。
 それに関連して、ラストにああ落とすのなら、肝心の二人についてのエピソードが圧倒的に不足しているんじゃないかと思いました。

04 ハッピーエンドをもう一度! (採点:6)
 あーゆーかーわーゆーいー

 冒頭でガクンとおっこちて、そこからどんどん上がっていきました。
 いちゃつきっぷりは文句ないだけに、あとは作品の完成度をもっと高めてくれればと、そこがとても残念です。雑なところと力入れたところの差が激しいように思います。
 夢のあゆと現実のあゆのリンクがよくわからなくて、なんか雰囲気でやっつけたって感じでした。

05 ごきげんよう、お姉さま (採点:1)
 たまにこういう、小学生のガキみたいな自分本位さで凝り固まった栞を見ます。読むたびにぶん殴りたくなる(笑)。個性の誇張も手法のひとつだとは思いますがこの栞に限っては思いっきりど真ん中アレルギーなんす。

 彼氏と姉の将来について考える頭もないのかこのやろー。
 普通に教室から叩き出されるんじゃないかこれー。
 受験勉強の邪魔にも程があらあちくしょー。

 ってな感じに不平不満しか出てこんのです。平謝。

06 彼女の子 (採点:2)
 美学の感じられないダークは最も点数をつけにくい気持ちになります。

07 確率と戯れながら君は凛とする (採点:5)
 最後の祐一の台詞がすげー好みです。
 ダークな状況よりもダークな心情を読みとうございます。この状況こそが書きたかったのだと邪推した上で(笑)
 狂人を友人の立場から眺めるよりも、狂人の内面こそを覗きたいというか……難易度ハンパないですけど(笑)

08 今日から今までの日 (採点:2)
 一歩間違えばこんな風になっていたんだろうなー。
 とは思うものの、基本的に原作をなぞっているだけなので面白くはないし、独白も単調で味がないため、最後まで読むのが苦痛だったです。加えて読み終えて残るものも特にないので。

09 いつかの夏に、届くよに。 (採点:8)
 シーンごとの夏っぽさはどれも好みで、終始ニヤニヤしながら読んでしまいました。
 Track 3あたりで容量の数値だってことに気づいたんですが、どうにか隠して欲しかった気もします。下二桁が60以内に収まるように調整して(笑)。
 各エピソードの繋がりと全体の構成が見えなかったのが心残りです。ラストがべらぼうに好みなだけに、きちんと読み取れなかったら悔しい。あとで5回くらい読み返してみようと思います。

10 けれど輝く夜空のように (採点:3)
 もうすこし文章自体に魅力があればずいぶん印象が違ったろうなと思いました。
 牽引力が圧倒的に不足していました。
 たとえば冒頭だけ切り取って見ると、そそられるものが何もないという感じです。

11 光 (採点:3)
 栞=単純って図式を強調されるとめちゃくちゃ違和感あるのは俺だけかな。正反対の要素しか見当たらない気がするんですが(笑)。原作でも何を考えているかわからないミステリアスなキャラで通ってたはずだし。などなど栞の不満が。今回多かっただけに(笑)。
 既に手垢のついた題材を料理するには腕が追いついてないように感じます。書くことに追われて他の事まで目がいってないって印象が残りました。

12 Secand two (採点:6)
 騙された……

 てっきり北川と名雪が恋仲に落ちる話なのかと思ったら、見事にひっくり返されました。
 お見事です。

13 今宵もまた、逢いましょう (採点:7)
 くっそー。ベタなのに好きだこれ。
 もってけどろぼう!

14 女狐観察日記 (採点:1)
 みんなの性格を変えてみました、ということはわかりましたが、肝心の笑いどころはどこなのか、何なのか、まったくわかりませんでした。
 ブラックですらなく、品性が無い話にしか見えませんでした。
 この作品がギャグなら、どうやら俺とは相当定義に違いがあるようです。

15 この街コンクール (採点:4)
 って発表して終わりかよ!
 容量いっぱい余ってるんですからもっと肉付けして欲しかったです。


16 妖狐物語 (採点:4)
 真一の造詣がやけに聡明で、スッと入り込めませんでした。
 子どもならではのストレートさとは別の部分で口が達者すぎて、そのくせよく感情が見えてこないので、どういう印象を抱いたらいいのか戸惑います。個性が掴めないというか、薄い。
 無邪気なのはいいんですが、それのみというか。もっとやんちゃにしてもいいと思いました。

17 風の盆 (採点:5)
 チラチラと匂うものはあるんですが、謎を謎のまま残されて消化不良気味に読了。
 結局、誰による、どんな話だったんだろう。
 すべては娘の夢だった、に一票入れてみます。

18 雨の音 (採点:2)
 長かった……

19 春風駘蕩 (採点:10)
 虚しい。虚しすぎる。
 断片的な文章のセンスが良すぎます。日本語の使い方がものすごい好みです。
 これほど虚しくなるSSを読んだのは久しぶりだ……

 なんで同じ日本語を操ってるのにここまで雰囲気出せますか。ちくしょー!

20 世界の果てでアイに哭く獣たちの賛歌 (採点:3)
 ジェットコースターの、まさにこれから怒涛の下りが始まるってところで放り出された感じ。ありえねー。
 急ブレーキどころかいきなり空間ごと固定されたってくらい唐突に終わったんで、未だに口があんぐり開いています。
 これは長編でやってほしかった……いや、面白かったので。

21 透明なてのひらが (採点:4)
 ささやかな思い出の一欠片を中篇で見せられても、残念なことに非常に物足りません。
 そりゃ祐一の知らないこんなイベントもあったろうな、くらいしか感想が出てこんのです。

22 密室に踊る猫 (採点:7)
 夏っていいなあ。
 海っていいなあ。
 旅行っていいなあ。
 浴衣っていいなあ。
 いいなあ、いいなあ。

23 言い出せなかった。 (採点:8)
 くそわろたw

 なんだこの独特の間は……w
 ノーアクションであゆをぶん投げたり、北川のプレゼントを叩き潰してたり。
 センスほとばしってます。GJ!

24 光があの娘であるように (採点:8)
 やばい。かなり好き。今回なんでこんなリズミカルな文章多いかな! くっそー。掛け合いも面白いし、いい感じ。もうちょっと何か起こして欲しかった気がしないでもないですが。
 何気ない会話でフッと終わるのが、最近妙にツボなんですよね。

25 その手のひらに紡ぐもの (採点:3)
 圧倒的に会話文よりも地の文の比率が多いのに、そちらが状況の説明と事実の羅列に終始しているため、暗号を解いているか、翻訳でもしている気分になりました。理解を強いられ、読むのがしんどかったです。



26 そこに彼女がいなかったから (採点:3)
 栞は妄想ないし精神的な世界、祐一が現実、ということでしょうか。
 話の大半が原作をなぞっているだけなので、うまみがありませんでした。

27 かおりんのお弁当大作戦 (採点:6)
 今年の流行語を声高に叫んでみたい。


 もえーもえー

28 死んでからやってみたい10のこと。 (採点:9)
 くそ、なんて絶妙なバランスなんだ……(笑)。
 笑いました。これでもかってくらいやられた。ここでシリアスになるのかな?といったところでまたアホエピソードになって笑わされる。繰り返してるうちに読み終わってました。前半のちょっと持ち直してきた祐一と後半の参りまくっていた祐一の書き分けもお見事です。セイセイセイセイセイ、どこのHGですかこれ! そしてあっという間にあれ、これで終わり?と思いました。長いようで短い40キロでした。ごちそうさまでした。

 あと、北川ってやっぱコンビニ店員っぽいですよね。

30 手と手をつないで (採点:6)
 おぉー。見捨てた、というのはまた珍しい展開。
 強引なところも変なところもないし、スッと読める良作でした。

31 最強の女 (採点:5)
 がんばれお二人さん……
 マグナム北川……(笑)

○電光刑事バン さん

01 スケッチブック (採点:4)
なんとなく、西脇だっと氏のアンソロ漫画を思い出す。
ゲームだと接点のない二人であるのだが、意外と素直によくまとめられている。
ただ、栞の絵が下手くそであると言う前提で書かれているのが減点。
確かにゲームでもそう言う表現をされているが、絵と言うものは上手い下手で判断するものではないだろう。
むしろその一枚の絵にどれだけの想いがこめられているかを感じるかではないのか?
技術なんてものは続ければ自然に身についていくものだ。
栞にとって絵を描くというのはどういうことなのか、もう一度考える必要があると思う。
その意味では小説版の内容のほうがよかった。
それに成績さえ優秀なら、出席日数が足りなくても進級できますってのがいまいち。
人間の価値とは、テストでいい点を取ることですか?

02 HEARTS (採点:2)
昔どこかのサイトで見たような内容
会話分だらけで、しかも誰がしゃべっているのかわからない稚拙さ
なんとなく台詞の前に名前の書いてある台本形式から名前だけ消したように感じました
とりあえず、もう少し地の分とか、キャラの自称とかを研究した方がいいと思います。

03 春遠からじ (採点:3)
栞シナリオがメインなら、むしろそれに絞り込むべきだったと思う。
なんとなくだが、容量を稼ぐために余計な要素を詰め込んだだけにも見えてしまう。
結果として話が二転三転し、肝心な内容自体が不明瞭なものとなってしまっている。
おそらく作者的には安易なALLエンドで、全員がそれなりに幸せですとやりたいのかもしれないが、かえって逆効果になってしまっているような気がする。
基本的なキャラの書き分けが好物と口癖と性癖。このSSにおいて名雪が寝ぼすけな理由はなんですか?
特に意味もなくそう言うのを書いているのなら、単なるキャラ貶しでしかありません。
ああいう名雪を見て、親の顔が見たいと思ったことはありませんか?
結局、贔屓のキャラの魅力を出すために、それ以外のキャラの扱いをぞんざいにするしか能がないように感じました。

04 ハッピーエンドをもう一度! (採点:5)
あゆエンド後としては王道な展開なれど、それだけに意外性がなく終わってしまった感がある。
また、あゆが秋子さんのところに養女になるのをためらうのに、特にこれといった理由が感じられないのも難点
名雪がいるのに上手く活かせていないようにも思えるし
悪くはないけど良くもないってところです

05 ごきげんよう、お姉さま (採点:1)
まあ、どうでもいいけど。
これってクロスオーバーだよね。ひょっとしてマリ見て知らない人は置いてきぼり?
それに名雪は寝ぼすけ、栞はバニラアイス、北川は下僕、香里は凶暴ってな感じで、キャラに意外性がない。
キャラがテンプレどおりなので、あえてKanonの二次創作物として書く理由がわからない。
登場人物の名称だけ変えればクラでも何でも通用しそうだ。
名雪が一人っ子だから、お姉さんとかそう言うのに憧れてるっていうのならまだ話はわかるんだけど。
なんか結局のところ名雪貶しに終始していた感がある。

06 彼女の子 (採点:1)
名雪ダルマ(笑)

以前に祐一×名雪のダークで、生まれた子供が狐の真琴だった、というのを読んだ事がある。
それと比べたら、ごめんなさい。つい笑っちゃいました。
なんというか、シナリオの選択如何でこうなるかもしれない、というよりも、ただ気持ち悪いだけ。
やたら血まみれの映像見せたり、気持ち悪い顔を出したりする三流スプラッタームービーみたいです。
その意味ではダークと言うよりも、個人的にはギャグに近かったですね。怖さを演出しているのではなく、ただ生理的嫌悪感に訴えただけですから。
やっぱりこういうのを書く人ってのは、相当な名雪嫌いなんだなってよくわかりました。

まあ、私がこういうの書くんだったら、オチは名雪が子供抱いてて。
「ほら、祐一とわたしの愛の結晶だよ」
と、微笑みながら差し出す。それを受け取って、祐一が顔を覗き込んだとき。
「おぎゃぁぁぁ…」
「うぎゃぁぁっ!」
とかやっちゃいそうですね。

07 確率と戯れながら君は凛とする (採点:2)
なんか途中まで上手くまとめて折りたたんできた話が、最後になってめんどくさくなって放り投げた感じ。
爆弾魔の香里って言うのも、前にどこかのSSで見た記憶があるし。
結局は一人で死ぬのが嫌だから、祐一を道連れにしたってだけだね。

08 今日から今までの日 (採点:1)
悪いけど、もう一回ゲームプレイしてくれ。
それに舞の一人称なのに、地の文に三人称がはいってる。
あっちこっちに誤字脱字はあるし、締め切りまで時間あったんだから、そのぶん推敲にかける時間と、ゲームをやり直す時間はあったはずだよ.
原作設定無視してオリジナルの設定で書くんなら、素直に一次創作したほうがいい。

09 いつかの夏に、届くよに。 (採点:4)
作者的には結構ノリにのって書いていたと推測できる。
でも読むほうは視点と描写がころころ変わって非常に読みにくかった。
私は否定的だが、こういうのが好きだって人もいるので、多分そっちのほうが多いと思われる。

10 けれど輝く夜空のように (採点:3)
書きたい内容はわかるけど、なんかいまいちでしたね。
極端な言い方をすれば、名雪が遅刻してくる理由やよく寝る理由が無い。
それに祐一が死んでるんなら、名雪だってわかってるはずだし、あゆが生きてるんならこの街にいるはずがない。
そう言う原作ネタを上手く利用してるならともかく、ただキャラの名前がKanonなだけに見えてしまいました。

11 光 (採点:4)
まあ、夢オチでしたってのはある意味王道ですな。
ただ、問題は栞の病気。
誕生日まで持たないかもしれません、とか宣告されておきながら、手術で治りましたというのは少々安直であるようにも思える。
もう少し細かい描写があればよかったんじゃないかと思いました。
また、話の内容が二転三転しているのか、少し読みにくい印象を受けました。
推敲する暇はたくさんあったんだから、栞シナリオの要点を上手くまとめてみたほうがいいと思います。

12 Secand two (採点:2)
この場合の名雪って、なんか祐一が香里と上手くいかなかったときのキープみたい。
それに北川と馬鹿やってたり、何気に成績優秀な祐一ってどうもU−1に見える。
香里とカップリングになる時点で、祐一は相手のうわべの物事しか見ていないんだってのがよくわかるし。
まあ、それは作者も同じ事か(笑)
そして、北川×名雪のカップリングはふられた者同士の傷のなめあいってパターンか。
実際ゲームのほうの名雪は自分の気持ちにある程度の決着をつけているので、祐一が誰かを好きになったのなら、その恋を応援する立場になるわけだし。
そうする事で終止符をうとうとしているんだが、結局そんな事はおかまいなしに名雪がふられるのを書きたいんだろうな。
寝ぼすけで、イチゴジャンキーで、ネコアレルギーという肉体的欠陥を持つ名雪は、完全無欠な祐一様にはふさわしくない。
むしろ、品行方正、成績優秀、容姿端麗で、完全無欠な香里のほうがふさわしいというわけですし。
また、北川が香里のどういうところがすきなんだかさっぱりわからない。
これも結局は見た目なのかと思ってしまう。
キャラ描写もワンパターンなんで、面白みに欠けている。確かにその分安心して読める作品であるといえるが、それだけにオチも読みやすいものでした。
そういうわけでSSとしては王道だけど、意外性が無いので減点。

13 今宵もまた、逢いましょう (採点:6)
読んでいるうちにふと思ったのは、なんで北川は名雪のプライベートな事まで知っているんだろうかってところですね。
祐一なら一緒に住んでいるから、普段家にいるときに名雪を見ているからわかる事でも、極端な言い方をすれば学校でしか名雪と会わない北川が、そんな事まで知ってるって所が怖い。
まさに怪奇現象(笑)

冗談はおいといて、全体的な雰囲気がよかったので、さくさく読めました。

14 女狐観察日記 (採点:8)
オチと構成が見事。
最初は祐一の態度が変だと思ったけど、実は名雪に軽くあしらわれてましたってところが上手い。

15 この街コンクール (採点:1)
これ書いた人にとって、名雪はやっぱり自分の事しか考えていない最低の人格者なんだろうな。
スピーチの内容にそれが反映されている。
祐一、香里、名雪のそれぞれ異なる視点から栞シナリオを見るって形なら面白いかと思ったが、結局栞も香里も祐一が一人でなんとかしましたって言うのなら、名雪の存在が無意味だ
ゲームやり直してる暇ぐらいあったはずなんだけどな。
栞に告白したときに拒絶されて、そのときそばにいたのは誰だったのか。
あゆに貢物をするときに金を貸したのは誰なのか。
進んだ授業の内容についていくのにノートを借りたのは誰なのか。
探していたCD屋の場所を教えたのは誰なのか。
百花屋に香里を連れてきたのは誰なのかを、しっかり考えるべきであったと思う。
そもそも名雪が母親に迷惑をかけている? それではなぜ名雪はあれほど大量の目覚ましを持っているのか考えた事はありますか?
誰かに起こしてもらう事が前提であるならば、目覚ましそれ自体がいらないでしょう。
普段名雪はきちんと秋子さんのお手伝いとかしているんだから、まったく問題ないでしょう。
そもそも親に迷惑をかけるのが、子供の特権というものでしょう。
それに秋子さんだって普段仕事で家を空けているんだから、朝起こすのは名雪と接するいい機会であるとは思いませんか?
おそらく、作者さんは子育ての経験がないんだと思いますが。

また、一番致命的なのがスピーチの内容が、街をテーマにしていないってところでしょうね。
しかも、はじめと終わりで一人称と三人称がごっちゃになってる支離滅裂さ。
最初の展開と結びも一致していないし、これならスピーチするのを一人に絞り込んで内容を充実させたほうが良かったと思います。
しかも、スピーチのときに誰もしゃべっていないというのはどういう事ですか?
地の文で書いたからっていうのは通用しませんよ。

16 妖狐物語 (採点:6)
雰囲気がいいので多少採点には困りました。
まあ、こういうオリキャラものを書くときは、せめて最低限の容姿描写くらいやっといたほうがいいと思います

17 風の盆 (採点:4)
まあ、タイトルからして誰か死んでるんだろうとは思ったが、名雪って言うのはある意味定番だな。
その意味では目新しさがない。
同様にして栞や秋子さんって言うのも、ある意味定番ではあるし。
名雪の台詞はあっても誰とも会話してなかったからオチは簡単に読めました。


18 雨の音 (採点:5)
あゆと名雪、二つのシナリオを同時進行というのかもしれないが、そのぶんどっちつかずのちぐはぐさを感じる。
それにこれって、秋子さんが事故にあってるのに祐一×あゆなのかな?
名雪が祐一の事を好きって言う前提で書いているのかも知れないが、どうして名雪は祐一の事が好きなのかという、一番肝心な部分が書かれていない。
また、名雪が七年前に祐一にふられているんだということもね。
そして、名雪は祐一の幸せを願ってるって事も忘れないほうがいいと思う。
ゲームの名雪がこういう性格だったら、ゲームそのものが成立しないという事を、もっとよく考えましょう。

全体的な雰囲気は良かったので、プラスマイナスゼロです。

19 春風駘蕩 (採点:4)
書いてるほうは結構情感たっぷりに書いているんだと思う。
でも、読んでるほうとしてはなにがやりたいのかさっぱり
原作ネタとして考えると、ALLBAD後なのだろうかとも思えるが、あれもこれもと詰め込んであるみたいで、ややまとまりに欠けているようにも感じられる。
あと、タイトル読めない。難読漢字使うのはいいけど、難しい字にはルビを振ってくれ。

20 世界の果てでアイに哭く獣たちの賛歌 (採点:2)
なにがやりたいのかいまいちよくわかりません。
途中の表記も自衛隊になったり軍になったり忙しく、まったく統一されていません。
やっぱり一番の不幸は、きちんと推敲していないってことでしょうな。

21 透明なてのひらが (採点:3)
名雪の睡眠の原因を過去のトラウマとしているようにも見えるが、全体としてみるとその部分をごまかしているようにも見える。
原作の方だと秋子さんは『今日は部活もないみたいですし、普段疲れているみたいですから』とコメントしている。
また、授業中に名雪が寝ているという描写は、原作だと前日に充分な睡眠時間をとっていないとか、朝食をきちんと食べていないなどの原因があるが、この話だとそれが見られない。
もっとも、作者的に名雪はただの寝ぼすけで、それ以外の何者でもないと貶したいのなら、これでもいいでしょう。
むしろこういう話であれば、名雪が秋子さんに依存し、秋子さんも名雪に依存していると言うような、相互依存の関係を主軸にすえたほうがいいと思う。
百貨屋とかの誤字や、香里のシスコンを知ってる名雪とか、容姿に関する描写のないオリキャラとか、無駄が多すぎるように思える。
それに名雪シナリオだと香里は名雪の祐一への想いについて知っている描写がある。
結局こういう些細なミスで、全てを台無しにしてしまっている。
おそらくキャラクターメイキングのやり方を知らないのだろう。そのせいで登場人物が全体的に軽くわざとらしく感じられてしまいました。
まあ、原作設定を頭から無視して、キャラ名だけ有名ゲームからパクってきましたって感じがするのが難点。

個人としての秋子さんは、人間性とか優しさとかは優れていても、母親としてはダメダメと言うところがよく書けている。
この親にして、この子あり。
子は親の鏡である。
この言葉の意味をもう一度よく考えましょう。
なんか読んでると秋子さんはすばらしいのに、名雪はダメダメだというところしか伝わってこない。
原作の名雪と比較しても、好物と性癖以外に共通点がないのも減点ですな。
せめて自宅でくつろいでいるときの名雪と、学校で部活とかを一生懸命がんばっているときの名雪くらい書き分けましょう。
あれだけ寝てばかりいるの成績優秀などと言うのは、なんとなく成績の順位でしか人間の価値を測れないような感じもしますし。

22 密室に踊る猫 (採点:4)
最初の暗号の答えは『ハマベニレイジ』だけど、話の大筋にはまったく関係の無いエピソードになっている。
次の犯人はすぐに香里だってわかったけど、ミステリーになりきれていない。
ただ、北川と秋子さんの存在理由が最大の謎だ。
どうせならラジオドラマの名探偵月宮あゆみたいに水瀬家限定で話を作ったほうがいいと思う。
それと、ノックスの十戒はご存知ですかな?
ミステリーとかの推理モノで、これをやられると興ざめするという、ノックスが提唱した十の戒めです。
その中のひとつに『探偵、あるいはその役の人物が犯人』というのがあります。

ほのぼのというジャンルは、読む人に楽しんでもらうのを主眼において書くものだと私は思います。
作者の一人よがりな楽しみを、読み手に押し付けるような感じがしたので減点です。

23 言い出せなかった。 (採点:3)
お約束ギャグの連発で新鮮味がないし、基本的なキャラ描写が好物と口癖。
祐一の誕生日ネタというのも目新しさがないし、オチもすぐに読めた。
秋子さんのプレゼントがなゆきというのも、なんだかなぁ、と思う。
なんだかこの機会を逃したら、名雪が行き遅れになるみたいで(笑)
ただ、名雪とか真琴の成長について触れておきながら、誕生日を迎えた祐一がまるで成長していないって言うのがシュールでしたね。

基本的に悪くはないが、今までにないパターンでの切り口とかがあったほうがいいと思う。
なんだか無難な路線で安易に話を作ったようにも感じる。
Kanonが世に出てすでに六年ばかしが経過しようとしているだけに、新しいものを作るいうのは難しい事であるのかもしれない。
しかし、せっかくこのような場が設けられているのだから、安易に点数を稼ごうとしないで、失敗してもいいから斬新なものを書く事を心がけたほうがいいと思う。
まあ、基本的には書きたいものを書くのが一番である事はいうまでもありませんが(笑)


24 光があの娘であるように (採点:5)
妙にハイテンションな名雪と、妙にポケポケした栞のやり取りが絶妙に見えました。
まあ、確かに栞バッドの場合だと、名雪は逢ってないからありうる話だなぁ、と。
逆に逢ってると栞は助かるんだけどね(笑)
ただ、最後が尻切れトンボ的に終わってるのが残念です。
でもこの名雪って、ワンダースリーの名雪っぽく見えてしまうのが難点。

25 その手のひらに紡ぐもの (採点:4)
人物の表記が曖昧で、具体的な状況がわからない。
この場合の舞が川澄舞だとしても、天野が誰なのかがさっぱり。
結局この作品を通じて作者がKanonというゲームのどういう部分を語りたいのかがまったく伝わってこない。
まあ、全体的は雰囲気は好きなので、そのぶん可点。

26 そこに彼女がいなかったから (採点:8)
栞シナリオにおける名雪の描写が無いから変だなと思ったら、このオチだったか。
こいつはしてやられたわ(笑)
実は百花屋に名雪が香里を連れてきたときに、相席しないとこのエンドに分岐するんだ。
その意味ではよく研究している。

28 死んでからやってみたい10のこと。 (採点:6)
タイトルと内容の関連がいまいちだし、時間軸の流れも不明瞭。
雰囲気そのものは悪くないと思うのだが、人死にが出る話はちょっと食傷気味。
ただ、名雪の「かるくやばい」とか随所に時事ネタが入っているのも減点。


29 サマーソルジャー (採点:4)
小悪魔的な栞ってのは割りと好きなんだが、それと北川のやり取りってところがどうも。
ただ、祐一と香里がすぐに仲良くなったのって、極端な言い方をすれば香里は名雪から話を聞いているんだし、教室に入る前に校門のところであってるんだから当たり前だよな、とか思ったり。
雰囲気そのものは悪くないが、栞と北川が似ているってのは、あまり根拠がないように感じる。

30 手と手をつないで (採点:3)
よく真琴エンド後で真琴が帰ってくるというネタを見るが、なぜ真琴が帰ってこれるのかの理由を書いてあるSSはあまりない
また、美汐のあの子が帰ってこない理由もね。
これも結局はそう言う必要な事をいっさい書いていないので、そう言う作品と比べても大した差があるように見えない。
まあ、そのあたりの解釈は人それぞれだし、色々理由があるのかもしれない。
そのあたりをしっかり書かないと、作者として読み手になにを伝えたいのか不明瞭なままだと思う。

31 最強の女 (採点:9)
キングヒドラを思い出す。
ほのぼのとしてるんだが、微妙に一八禁なのが不思議なテイストを出している。
これでパクリっぽいところや、妙に読みにくい構成とかがなければ文句なしに最高点なんだけど。

○匿名希望(24、リーマン) さん

01 スケッチブック (採点:2)
台詞がいちいち説明的でいけないですね。
削ぎ落としても構わないような言葉が多いなあ、と。
栞の絵に天野と狐という要素を絡ませるには尺が足りていないような感じです。
あっさりし過ぎというか何というか。

ただ、確かにトム・クランシーは年頃の女の子が読む小説ではないですね。(笑)

02 HEARTS (採点:1)
すいません。状況がわかりません。
かといって、この内容を地の文で綿密に綴られても困る。(笑)

03 春遠からじ (採点:1)
全てが祐一の中で自己完結してしまっているというかそんな印象です。
作中の言葉を用いれば、「ずるい」という感じ。
この祐一は格好つけているけれど、結局は甘えちゃってますね。

で、

>全てに、決着をつけて。
ついてない、ついてない。(笑)

04 ハッピーエンドをもう一度! (採点:7)
題名通りハッピーなお話で、SSらしいなあと思いながら読みました。
このSS自体が「優しい道のり」だったなと、ちょっと和んだ。

それにしても、祐一はハッスルし過ぎですね。
そんなにがんばらんでもいいじゃないか、と。
でもまあ主人公らしくていいか。(笑)

一つ気になった点があって、
>「ゆういちくん、ここ、どこ?」
目を覚ましてからしばらく経っているはずなのにこの台詞はどうなんでしょう。
まず医者が話すだろと思いました。

05 ごきげんよう、お姉さま (採点:8)
正直百合とか全然わかんないんですけど、これは面白かった。
終盤で、名雪が出てきたところの香里と祐一の反応は笑った。
と、同時にオチも見えてしまったのは残念でしたねえ。
でも読んでて楽しかった。特に序盤の祐一の
>正直な話、ドン引きだよ。
ここらへんの思考。おもしろかったです。
ていうかこの一行はマジで笑った。
悲哀が滲み出てて、その理由が阿呆過ぎる。(笑)

06 彼女の子 (採点:1)
えっと、感想になっているのかわかんないんですけど、ちょっと長めに書きます。

奇形だ何だってのは私にとってはどうでもいいことで、問題は作者様が結末を丸投げしてるんじゃないかってことなんです。
作中で、医者が過去に奇形児を産んだ女のエピソードを話して、それをふまえた上で、祐一がどう行動を起こすかっていうのが大事だと思うんです。
ところがその前で話を終えてしまっている。これはどうなのかなあと思います。
たぶんこの後は、名雪じゃなくて祐一が奇形児を殺すことになると思うんですけど、そこまで書かないと医者の話の意味がなくなってしまうわけじゃないですか。
しかしこのSSでは悲鳴で終わってしまっていて、以降が描かれていない。
これはかなり微妙ですね。過去の事象を持ち出したのなら、現在がそれとどう違う経過、結果になったのかを描くべきだと思うんです。
物語を読者に委ねたというのではなく、投げ出してしまったように思えました。
そこらへんが全然納得できなかったですね。
それから、いとこ同士だから奇形児が生まれる可能性云々は蛇足だと思います。
詳しく知らないんで実際にそういう統計があるのかどうかもわからないで書きますけど、生まれるときは生まれるし生まれないときは生まれないでしょう。


>……ああ、本当に酷い。
>本当にあの子は可哀相でしたよ。
ここら辺の矛盾はいい感じなんですけどね。人間的に。
あと、
>『お前が俺の父親だ』
これはいい。今回のこんぺで一番印象に残ったかもしれないです。

でもやっぱりこの結末には納得できないです。
あと、改行が多くて読みづらかった。

07 確率と戯れながら君は凛とする (採点:8)
序盤からのやさぐれ感が結末の祐一の行動に説得力を与えていますね。素敵だ。
本来の主人公祐一なら絶対香里担いで逃げてますもんね。(笑)
名雪もそうだし、香里もそう。何ですか、このアンニュイな雰囲気は。
登場人物のあきらめ具合が最高です。名雪も北川も。これ皆そうじゃないですか。(笑)

減点は、香里の仕掛けが大掛かり過ぎて、そこで置いていかれそうになって、しかも笑ってしまったから。
火をつけるくらいでよかったんじゃないかなあ、と。
でも油まみれの男女はいいですね。女殺油地獄みたいで、妙なエロさがありますよ。

余談ですけど、拙作がこの一作の下にあったら、いい感じにネタフリになってたかなとか思ってしまいました。(笑)

08 今日から今までの日 (採点:3)
これ、完璧逆恨みじゃないですか。(笑)
ダークなのかな。バランスが微妙です。
モノローグに近い地の文の語彙とか精度が舞の成長と比例しているように書いているところはなかなか良かったと思いますけど。

>「そんな事言われても、僕だって帰らなきゃいけないんだ。僕も寂しいんだよ。分かってくれよ」
大人の台詞だよ、これ。(笑)

09 いつかの夏に、届くよに。 (採点:8)
すごい構成だ。一見繋がっているようで、全然繋がってない。(笑)
オールエンドではなくて、ヒロイン全員との個別エンディング後を一つ一つ書き出しただけなのかな。スイカを始点に。
で、最後は北川。
しかも文章的にはそこが一番活き活きしている。
これはボーナストラックじゃねえだろって思いました。(笑)
なかなか興味深いというか、面白いSSでした。へんてこだけど。

ただ序盤のあゆのところは全く評価できないですね。
リズムが出ていないし、字面の過剰さだけを狙ったデコレーションっぽくて、むーという感じです。
ていうか、作者さんのテンションが上がってきたからなのか、尻上がりに文章が良くなっていっているように思えます。
で、最後は北川。(笑)

10 けれど輝く夜空のように (採点:7)
ほのぼのとしてて、ちょっと寂しげで、いい雰囲気のSSでした。
しかしながら、祐一の行動というか造形というか、なんだかよくわからんかったですね。
本人もよくわからんままにこの世に戻ってきて、行動の確信を得ていく。
この間が短すぎるような気がするんですよね。

それから最後のまとめみたいな二段落が蛇足のように思えてならなかったです。
余韻が、こう、ぶち壊される感じで。
最初の数行と見比べてみても、うまく呼応しているとも思えず。

ダメ出しばっかっぽいですけど、面白かったです。
面白かったから、いろいろ目立ってしまうのでしょうか。

ところで、死人がどうこうっていうのが流行なのか、かぶってますね。
拙作もですけど。(笑)

11 光 (採点:4)
別に夢落ちにしなくてもいいように思えました。
香里がそういう幻想を見ていたってだけで問題ないような気がしますけどね。
というかかなりいい雰囲気の構成だったんで、残念でした。

>「いやーーー!!」
この一行は安直ですね。むしろない方が効果的だと思います。

12 Secand two (採点:4)
これも青春。
文章も書き慣れているのか、読み易かったです。
台詞の分量が多いかもしれないけど、ポップでいいですね。
影の部分ををもうちょっと濃くすると、より寂しげで私好みでしたが、これくらいの匙加減がちょうど良いのかもしれません。

点数が低いのは、途中で用いられた『江戸っ子口調』が全然江戸弁じゃなくて、微妙過ぎるから。
こりゃあちょっといけませんよ。何だかんだで江戸育ちの私としては許容できませんでした。
名雪がそう思うだけなら問題ないんですけど、三人称の地の文で『江戸っ子口調』と書かれちゃうと見逃せません。
申し訳ありませんが、2、3点引いちゃいました。すいません。

>「あんなことされても好きだったのにー!」
これは雪うさぎのことですか。何されたんだよ、とか思った。(笑)

13 今宵もまた、逢いましょう (採点:6)
微妙に被ってる……。

北川はいい奴だなあ。ていうか、いい話だ。
疑問に思ったのは、香里があっさり説得されている点です。
北川が家まで行って携帯で留守電に吹き込んだくらいで外に出ちゃうのはちょっと腑に落ちません。
もう一つくらい理由があるといい匙加減だったかな、なんて。

14 女狐観察日記 (採点:3)
ほのぼのと黒いよ……。いや、いいんですけど。(笑)
結局、何が書きたかったのかなあと思ってしまって、うーむという感じです。
祐一との関係で主導権を握りたいと思っていた名雪の夢オチということでいいのだろうか。

15 この街コンクール (採点:1)
スピーチの内容が内輪向け過ぎるよ……。
楽屋落ちと内輪ウケは違うものだってことをわかっていただきたいところです。
自分が第三者の客としてその場にいたら、ほぼ確実に寝ちゃってます。

>蛇口をひねると、白濁した水があふれだした。
何が出てきたんだよって思った。白濁って。(笑)

16 妖狐物語 (採点:6)
名前でばればれだよ、真一。(笑)
ていうか、真琴が健気過ぎるよ。
>あたしは人間だから、狐は人間と一緒にいられないんだって
真琴っぽくないけど、いい台詞だ。

ただ妖狐に理解のある両親がいるのなら、天野が妊娠したというよりも、両親が頑張った(笑)ことにするんじゃないかなあと思いました。
そこら辺の展開に違和感を感じましたねえ。

17 風の盆 (採点:9)
いい話だ……。私には書けない。
この会話の噛み合わなさは何だと思ってたら、こういう仕掛けでしたか。
ミスリードを誘うように誘うように書かれているところがちょいと癪に障りますけど(笑)、美坂チームその後らしいというか、非常に優しげで柔らかい話でした。

違和感を感じた文章が一つ。
>名雪は祐一を――かつて夫だった男を――じっと見つめていた。
夫婦は二世の縁なんて言われたりもするし、ましてや名雪と祐一はお互いを思い合っているようですから、「夫だった」っていう表現はちょっとどうかなって思いました。

18 雨の音 (採点:4)
名雪とあゆが出会ってからが、あまり良くなかったかな。
あゆシナリオを名雪が見直すというアイデアは面白いんですけどね。

一番の問題は、
>「夢」と「現実」の境界線。
>その境目は、今のわたしには見えなくなってしまっていた。
これが読者には完全にわかってしまっているところだと思うんですよ。
名雪の生活に夢が浸食してくるようにすれば、もっと良くなったと思います。

19 春風駘蕩 (採点:5)
一人称が随分と淡々としていて、随分後になってから過去を振り返っているんだろうなと思ったんですけど、実際はどうなんだろう。
先輩二人と美坂姉妹と真琴美汐の登場のさせ方が意味深で、登場人物の中では名雪と祐一以外は死人なんだろうか、よくわかんないですけど、そう感じました。

ただ地の文があまり良くないといいますか、一読して意味を理解できないような文章がいくつかあって、ちょっと困った。
まあ私は基本的に馬鹿なんで、あんまりあれなんですけど。(笑)

20 世界の果てでアイに哭く獣たちの賛歌 (採点:3)
>「名目上、飼われていた猛獣が逃げ出した、ということにしてあるが――は、この街に残っていたんだ、君も気付いているだろう? 特別指定生物アンノウンと我々は呼んでいるが……」
>マモノハイタンダ。コノ世界ニマモノハ本当ニイタンダ――!

笑い死ぬかと思った。
作者様にどういう意図があるのかはわかりませんでした。
ここまで読んだ段階で、ああ序盤は全部ネタフリだったのか、ここからナンセンスギャグが炸裂するのか、でもそれはそれであり!と読み進めてたんですが……。
読み終えた段階で、これは結構マジで書いてたのかーとびっくりする一方で脱力してしまって。
不幸って感じはしないですよね。不条理劇っぽいです。

21 透明なてのひらが (採点:7)
登場の瞬間からわかっていたのだけれど、やっぱり隼人くんはかませ犬か。
展開が読め過ぎです。(笑)

非常に優しい物語ですね。
どういう風に締めるのかなと思っていたところで、この結末。
なかなかいい按配でした。
ただ、秋子さんの一人称にしてはちょいと幼いかなという印象も受けました。
どこがっていうか、全体的に。

22 密室に踊る猫 (採点:6)
夏のひとときを切り抜いた感じで、それ以上のものはなかったかな。
ミステリー部分も特に興味をそそられるような謎ではなかったですし。
全体的に微妙です。読み易いけど、これすげえ面白い!とは言えない、みたいな。

>予備で持ってきた猫さんぱんつ
猫柄なのか猫の着ぐるみっぽくなってるのかが気になるところです。

23 言い出せなかった。 (採点:7)
何となくオチは読めていたんですけど、読めていたなりに楽しめました。
善意の物語ですね。
終盤の祐一の反省っぷりも笑えた。
北川の卑猥な置き物が何だったのか気になるところです。(笑)

でもこういうSSって前に目にしたことがあるような気がします。
題名が最後に来るって形のSS。
でもほとんど憶えてないんで、まあ、いいや。(笑)

24 光があの娘であるように (採点:6)
微妙に被った……。

そうめんみたいにさらさらと話が流れていって、読みやすくて結構なんですけど、もう一声がつーんとくるとよかったかな、と。
それはともかく、最後の三行はとても良かったと思います。
たぶん栞のイメージ通りにはいかないんだろうなと思うと笑えます。

25 その手のひらに紡ぐもの (採点:4)
地の文が説明的過ぎるきらいがあって、どうにも物語に入っていけませんでした。
面白いか否かと問われれば、つまらなかったと答えてしまいます。
舞と佐祐理に関して、最後をこちらで締めるのだとしたら、描写不足だと思います。
でも、最後の場面は非常にいいですね。別れの場面をものすごく抽象的に書いてて。
どういう状況で会話と動作が行われているのかが一切描かれていなくて、それが逆に空間的でいい。

あと、全然関係ないですけど、舞は先生に向いていないんじゃないかなあ。(笑)
どうして舞が教師になったのかが気になって気になって、もう。

26 そこに彼女がいなかったから (採点:3)
これはあれかな、人形を縫い直さなかったから、栞の願望が中途半端にしか叶わなかったということでしょうか。
何か全体的に書き足りていない気がします。容量ギリギリってわけでもないようですけど。
最後、三人称になってしまうのもちょっと残念でした。

27 かおりんのお弁当大作戦 (採点:5)
香里、何作ったんだよ。遊星からの物体Xかよ。(笑)

それはさておき、全てが平均的という印象です。
くすくす笑えるところもあるけれど、ベタすぎて苦笑してしまうところも多々。

29 サマーソルジャー (採点:8)
これ、祐一がかわいそうだよ。(笑)
カッターナイフが何を暗示しているのかを考えたんですが、私の中では結論は出なかった。(笑)
さわやかなお話でなかなかよかったな。面白かったです。
文章が小気味いいですね。
北川と栞が喫茶店で会話をする場面がやたら冗長に思えたので減点。
あと、実際にカッターナイフプレゼントされたら……ひいちゃうなあ。(笑)

30 手と手をつないで (採点:5)
美汐の気持ちはわかるんですよ。非常にうまいと思います。
問題は首締められた真琴の言動、行動です。これ無理があるだろっていう。
殺されかけといて「友達になろうよ」とかありえないでしょう。
いややばいだろ、とりあえず逃げろよって思った。(笑)

で、何度か読んでいるうちに、もしかしたら
>私の背中に、真琴の手が回ってきた。その手がさするように、背中を上下する。
以降全部が真琴殺害後の美汐の妄想なんじゃないかと感じられるようになって、もしそういう意図ならグレートって思ったんですけど、たぶん違いますね。(笑)

31 最強の女 (採点:7)
題名の意味がよくわからんかったです。
ていうか、四人が四人とも馬鹿で真剣で笑えました。
登場人物の会話の内容がほぼ全部セックス絡みっていうのは斬新ですね。(笑)

>今年の夏はそればっかりもしていられない。
我慢して勉強しろって。(笑)

最後の方読んでて、以前北川が巨根だってことをSSで書いて微妙に顰蹙かったことを思い出してました。
今回同じようなことを書いている方がいらっしゃって、少し嬉しかった。(笑)

○復路鵜 さん

14 女狐観察日記 (採点:6)
……何だか黒いですね(汗

23 言い出せなかった。 (採点:9)
膝を叩くこの面白さ。
秀作だと思いました。

28 死んでからやってみたい10のこと。 (採点:5)
なだらかに始まりなだらかに続きなだらかに終わったような感覚を覚えました。
オチが欲しいと切実に思いました。

○歩人 さん

01 スケッチブック (採点:7)
「た」で終わる文章が多いせいか、淡々としてあっさりしすぎな印象がありますが、内容そのものは良かった。

02 HEARTS (採点:1)
収拾がついていない。と言うか出鱈目。あと背景描写が欲しい。

03 春遠からじ (採点:1)
「なんじゃこのヘタレは!?」と憤慨物。滅茶苦茶イライラさせられました。そのくせ最後はハッピーエンドか……。まあ、単に好みの問題で、納得出来ないだけです。



04 ハッピーエンドをもう一度! (採点:6)
風邪? になった祐一が目覚めたばかりで抵抗力が低いであろうあゆと接するのは危ないかもと思った。

他は特に無し。普通に楽しめました。前半部の祐一の反応がいささか過剰な気もしますが。

05 ごきげんよう、お姉さま (採点:8)
……面白い。祐一の混乱が面白い。頑張って自分に言い訳しているのが良いね。最後のオチもなかなか。楽しませていただきました。

06 彼女の子 (採点:10)
医者の祐一への勧告は明らかに祐一のためじゃなくて自分の為ですね。自分の心の内に留めておけない弱さ? でしょうか。医者が経験した過去を考えると十分有り得ますが。それにしても祐一は地獄だったでしょうね。如何ほどに悩み苦しんだか、そしてそれを決して打ち明けてはならないという逃げ場の無い状況。そしてよりにもよって自分の子供に!? シビアです。耐えるのは非常に厳しいでしょうね。

祐一から発せられる強烈な感情、引き込まれました。そしてラスト……うわっ、凄っ。凄いですねぇ。嫌な汗出ます。負系では一番です。堪能させていただきました。

……自分は作者当てが苦手なのですが、それでもこの作品を読んでパッと頭に浮かんだ人物名が一人……はたして合っているのかどうか、楽しみですw

07 確率と戯れながら君は凛とする (採点:8)
……そうくるか。大どんでん返しな展開に脱帽。香里が凄すぎ。堪能させていただきました。

08 今日から今までの日 (採点:7)
身もふたも無い。でも覚えているなら有り得るなぁ、これ。ところで、この舞は母親が死んでからは一人暮らしなのでしょうか。その辺が少し気になった。あと、誤字あります。「不利」です。

ビックリな結末。身もふたも無いのが良かった。堪能させていただきました。



09 いつかの夏に、届くよに。 (採点:8)
栞パートが一番良かった。次いで名雪&真琴で、秋子、ボーナス。逆に佐祐理は謎、と言うかこれだけおざなりっぽい。

各人に関する夏の小話をスイカをテーマで一つずつといった所でしょうか。とにもかくにも、楽しませていただきました。

10 けれど輝く夜空のように (採点:6)
あゆは水瀬家に引き取られたってことですね。ちょっと不自然な気もしますが、まあ、それはともかく、最後は何だか取って付けたような終わり方で不満。あと、何故今になって約束が施行されたのかが少し気になる。

とはいえ、概ね楽しませていただきました。

11 光 (採点:4)
普通。

12 Secand two (採点:4)
ちょっと冗長に過ぎる感有り。他は特に無し。

13 今宵もまた、逢いましょう (採点:4)
普通に良いお話でした。

14 女狐観察日記 (採点:4)
何だか名雪凄いな……後半部の名雪がなかなか面白かった。前半は……イマイチ。

15 この街コンクール (採点:4)
10分間スピーチですか。内容が通常より遥かに非日常なのでちょっとわざとらしいですが、なかなかに面白かった。

16 妖狐物語 (採点:4)
10歳にしては物分りが良い真一が気になりますが、まあ、それはともかく、天野親子凄い。この一言ですね。どれだけ心広いんだ一体……。

17 風の盆 (採点:5)
……交通事故には十分気をつけないとと思った。なるほど、オーソドックスに良いお話。物悲しさを感じました。

18 雨の音 (採点:5)
名雪とあゆのやりとりをもう少し簡潔にまとめる方が良いでしょう。他は特に無し。

19 春風駘蕩 (採点:6)
終わっってしまった後にそのことに気付くのがとても悲しい。物悲しいお話でした。あと、雰囲気が良かった。

20 世界の果てでアイに哭く獣たちの賛歌 (採点:7)
……なんて結末。皆魔物になっていくのですね。面白かった。

○霧島アルト さん

02 HEARTS (採点:2)
文法上の問題に関しては、他の方からご指摘があると思いますので割愛させていただきます。
内容はイメージでは理解できますが、全体的に消化不良の感がありました。

05 ごきげんよう、お姉さま (採点:9)
これは面白い!と思いました。
某ジュブナイル小説のパロディと思わせるや、完全にハマリ役となっている登場キャラ達。
最後のオチにはやられました。個人的にクリティカルヒットです。


06 彼女の子 (採点:3)
いまいち押しが弱いというか。冒頭からここまで引っ張っておいて、ラストがあっさりしすぎていたかなって印象を受けました。
ダークという明記&タイトルから展開自体は類推できてしまうのですが、それがあまりにスムーズに展開してしまっているので、読み応えの点で難があったように思います。

08 今日から今までの日 (採点:5)
二次創作なので場面ごとのイメージは伝わりますが。
ラストシーンにおける場面の切り替えがが唐突過ぎ、消化不良を起こしてしまいました。
途中までは丁寧な進め方をされていたのに、その点だけが残念でした。

○揺れない乳の錬金術師 さん

01 スケッチブック (採点:5)
 何かリズムがおかしいと思ったら、『〜た。』が連発してるんですね。
 そっけなく思えるので、現在形も混ぜた方がいいと思います。
 あとは妖狐の話とか性急過ぎるものを感じました。
 何はともあれ、もっと裸を! もっと全裸を!

02 HEARTS (採点:2)
 香里の一人称はじめとして、(怒)(照)(ニコリ)(赤)、『はちみつくまさん』、タイヤキ、祐一くん、「うん、バッチリ☆」(全員)、栞さん……かなり目にきつかったです、色々と。
 そうかと思ったら、終盤は意外に綺麗にまとめられててちょっと驚いてみたり。
 上に挙げてる変な文章の癖さえ無くして、全体のレベルを上げれば上手いと思えるギャグラブになると思います。
 これで満足されたら寂しいので、敢えて点数は突き落とし。

03 春遠からじ (採点:7)
 美汐と真琴に笑いました。
 祐一含めて、各キャラ性格がよく出ていたように思います。
 でも、もう少し栞が最後に来る必然性は欲しかったかもしれません。
 性格上やりそうだなあとは思いましたけど。

04 ハッピーエンドをもう一度! (採点:9)
 あゆがとってもかわいかったです。
 そしてこの後、デート前に床屋で髪を切りすぎる、と(笑)

05 ごきげんよう、お姉さま (採点:10)
 素敵に馬鹿馬鹿しいですね。
 イタズラした者達にふりかかる因果応報なオチがナイスでした。
 まったく、名雪は女癖が悪くて困る。


06 彼女の子 (採点:2)
 時にはおかしなSSも生まれるものだ。

07 確率と戯れながら君は凛とする (採点:9)
 怖っ。ありえそうで滅茶苦茶怖かったです。

08 今日から今までの日 (採点:1)
 祐一を殺すためだけに原作改変したかのような話の運びが、ある意味怖かったです。
 ダークでも趣味が悪いダークだと、個人的にはそう思いました。

09 いつかの夏に、届くよに。 (採点:1)
「んー、どうなってるんだ?」
「どうしたんですか祐一さん?」
「なんかMP3プレイヤーの調子が悪いんだ。こう、音飛びしまくっててさ」
「……これは酷いですね。ちょっとそれ私に貸して下さい」
「ん、ほれ。でも、栞ってこういうの詳しかったっけ?」
「詳しくはありませんけど、こういう時の対処法は知っています」
「って、おいちょっと待て! 何で手を振り上げてる!?」
「こういう時は叩くに限るんですよっ。鳴かぬなら殺してしまえホトトギスです」
「殺しちゃ駄目だろ! ああああああっ、俺のMP3プレイヤーが!?」


「ほら、ちゃんと聴こえるようになりましたよ」
「……マジ!?」

10 けれど輝く夜空のように (採点:8)
 タイトル、やっぱり狙ってましたか……。
 仕掛けは秋子さん出てきたあたりで想像ついちゃったんですけど、目覚ましの使い方が上手いと思います。
 まとめもしっかりしてて、筋も通ってました。
 でも……切な過ぎてチクチク心が痛いです。

11 光 (採点:1)
「例えば…今、自分が誰かの夢の中にいるって、考えたことはないですか?」
 って台詞と絡めて話広げてればなあ……。
 夢の中でさよなら言った栞に、香里が喚くだけのお話。
 それ以上でもそれ以下でもなかったと思います。

12 Secand two (採点:3)
 単純に好みの問題です。
 僕はこういう香里は嫌いなので。


13 今宵もまた、逢いましょう (採点:7)
 いい話ですけど、こういう形で仲直りって辛いなあと思う僕もいます。

14 女狐観察日記 (採点:7)
 いい具合に笑ってきました。
 ユーモラスなブラックジョークですね。

15 この街コンクール (採点:7)
 アイデアといい、雰囲気といい好感の持ちやすいものでした。
 『こんぺ』狙ってのあの締めなのかもしれませんが、最初の流れからいくと栞に出張って欲しかったような。
 壇上に踊り出て答辞のスピーチする……とか。

16 妖狐物語 (採点:6)
 妖狐が妖狐物語を愛読していて、自分の運命を悟るってのはよく切なさが出てたと思います。
 でも、なんか全体淡々としすぎな気がしました。
 物語(ドラマ)になってる部分に対して、説明(設定)になってる部分が多すぎるからかもしれません。
 あとは悟り開きすぎな真一の性格。もう少し感情的でもよかったのでは?
 この物語を効果的に見せるには、まだまだ改善できる点があるのではないかと思いました。


17 風の盆 (採点:3)
 本編外の出来事でキャラが死んでるってのは、どうも好きになれません。

18 雨の音 (採点:10)
 こんなエンディングが見たいからSS読んでるんだろうな、って思わされます。
 原作を虚構にしてしまうという危険な綱渡りでしたが、それによって名雪の自立、あゆの救済(&栞)をミックスして上手くまとめた構成の美しさには嘆息が漏れるばかりでした。

 あ、でも、最低限原作レベルの文章作法守ってもらえる方が、読みやすくて嬉しいかもです。

19 春風駘蕩 (採点:3)
 なんか、ダウナーで雲を掴むような話で読んでて非常に疲れました。

20 世界の果てでアイに哭く獣たちの賛歌 (採点:6)
 む……? 最後、容量の問題でオチつけられなかったのでしょうか?
 原作の設定を上手く使い、不条理&アクション映画っぽく仕上げてる中盤までは読んでて純粋に楽しかったです。
 気持ち的には、劇場版Kanon『WAR OF THE SNOW-TOWN』で(ぇ)


21 透明なてのひらが (採点:9)
 二年間成長なしですか……香里(苦笑)
 安易なカップリングが量産される昨今、名雪の言葉がとても眩しく見えました。
 秋子さんが香里っぽかったのと、名雪が香里の妹について知ってることに少し違和感あり。

22 密室に踊る猫 (採点:7)
 暗号解けないっす。
 いい感じにほのぼのでした。

23 言い出せなかった。 (採点:8)
 オチに大笑い。全体的にコミカルで好みでした。
 こういう幸せなの見てると心が温かくなりますね。
 でも、いくらなんでも川にあゆを捨てるのは酷すぎるような……。
 ああ、そっか。あゆの放流(違います)

24 光があの娘であるように (採点:5)
 三月なのか冬真っ盛りなのかどっちかにして下さいっ。
 話は軽快で構成も組まれてて面白かったんですけど、これって死んだ人のことで悩む人の立場ないなと思いました。

25 その手のひらに紡ぐもの (採点:2)
 んー、無宗教なので説法とか説教とかそういうのは苦手なんです。
 こういう難しいの、よく分かりません。

26 そこに彼女がいなかったから (採点:1)
 ごめんなさい。
 ハッピーエンドだと平凡だから『嘘にしてみた』としか思えませんでした。

27 かおりんのお弁当大作戦 (採点:2)
 こういう酷い料理を平然と、あるいは強引に人に食べさせるような厚顔無恥はどうも苦手。
 秋子さんもですが、元がそうでない人がやってると尚更です。
 あと、他人を意図的に疎外してまで名雪を持ち上げるのは止めて欲しいと思いました。

 妙に触手が好きな香里とカミーユにはちょっと笑ったので+1。

28 死んでからやってみたい10のこと。 (採点:5)
 10……あったのかな?(数えてない)
 きっと、そのうち祐一が川に飛び込んで生死を彷徨った時に栞が現れるのでしょう。
「哀しい。この世は哀しい。お前が殺めた死者の苦しみの声を聞け」
 と言いながら、かよやみーこ、あゆをはじめとした亡霊の大群を祐一にけしかけてくるんだと思います。

 冗談はおいといて。
 個人的にはどうでもいい話、でした。
 確かに、栞の死後の日常を栞の視点で語るってのは面白いのですが、実質四人分の食器と骨泥しか見所がないのでダレたのだと思います。
 これならいっそはっちゃけて、ファンタジー色強くした方が面白かったかも。

29 サマーソルジャー (採点:6)
 うーん……栞は可愛いですけど、香里とか北川のことはよく分からんです。
 まあ、好みということで……。

30 手と手をつないで (採点:6)
 容量余ってますし、あの子との馴れ初めもあると良かったかも。
 真琴が帰ってきて、あの子が帰ってこない、その理由がハッキリしてて面白かったです。
 でも、こういう過去だと美汐の「こうしたら、落ち着くんです」とに隔たりがあるように感じる人も出てくる気もしますが、果てさて。

 ちなみに、丘から見えるのは隣町だそうです。

31 最強の女 (採点:7)
 野暮言う気もなくなりました。
 どう見てもバカです。
 本当にありがとうございました。

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